JP2004228043A - 電磁誘導加熱方式の加熱装置、この装置に用いる磁路形成部材、及び画像形成装置 - Google Patents
電磁誘導加熱方式の加熱装置、この装置に用いる磁路形成部材、及び画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004228043A JP2004228043A JP2003017845A JP2003017845A JP2004228043A JP 2004228043 A JP2004228043 A JP 2004228043A JP 2003017845 A JP2003017845 A JP 2003017845A JP 2003017845 A JP2003017845 A JP 2003017845A JP 2004228043 A JP2004228043 A JP 2004228043A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- heating
- forming member
- path forming
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
- General Induction Heating (AREA)
Abstract
【課題】電磁誘導加熱方式の加熱装置100における磁路形成部材(磁性コア)7として、フェライト焼結体のような問題点のないもの、すなわち、磁路を形成する磁気特性は十分に具備するとともに、成形性、寸法精度、製造上の歩留まりがよく、低コストに量産することができ、これにより部品・装置の設計の自由度を格段に広げることを可能にするものを提供する。
【解決手段】誘導コイル6が発生した磁束を磁路形成部材7で加熱体3に導いて誘導発熱させ、該加熱体3の熱で被加熱材Pを加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置100において、前記磁路形成部材7が樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体からなることを特徴とする加熱装置。
【選択図】図1
【解決手段】誘導コイル6が発生した磁束を磁路形成部材7で加熱体3に導いて誘導発熱させ、該加熱体3の熱で被加熱材Pを加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置100において、前記磁路形成部材7が樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体からなることを特徴とする加熱装置。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真装置等の画像形成装置における画像加熱定着装置(定着器)として用いて好適な電磁誘導加熱方式の加熱装置、特には、該加熱装置において誘導コイルが発生した磁束を電磁誘導発熱する加熱体に導くための磁路形成部材(磁性コア)に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真装置等の画像形成装置は、高速化、高機能化、カラー化が進められてきており、各種方式のプリンターが上市されている。
【0003】
プリンターの高速化という観点からは、異なる色画像を形成する複数の電子写真ユニットを直列に配置し、これらを同時に駆動する事によって画像形成を行うインライン方式の装置の研究、開発が進んでおり、高速でカラー画像の形成が可能であることからビジネスユースでの広い可能性を秘めている。
【0004】
インライン形式の電子写真方式では大きくわけて、トナーを中間転写体上に重ね転写した後に用紙に一括転写する中間転写方式と、感光体から用紙に直接4色のトナーを転写する直接転写方式があるが、最近では、搬送ベルトを兼ねた転写ベルトに用紙を吸着させることでプロセス構成要素を減らすことによって小型化、低コスト化が容易である、直接転写方式(転写ベルト方式)のインラインプリンターが数多く開発されている。
【0005】
更に近年、設置面積の低減を図る目的で、プロセス形成ユニットを重力方向の縦に積み重ねた、インライン方式の縦パスのプリンターが開発されている。
【0006】
一方で、プリンターの高画質化、高速化においては、用紙上のトナーを定着するための像加熱装置としての定着装置に要求される仕様がますます高くなっている。
【0007】
カラー画像の高画質化のためには、画質にグロス(てかり)を均一に与えることが重要であり、一般的にはトナーと接する定着ローラの表面に低硬度のゴム層を設けて、トナーをつつみこみながら定着することによって均一に高いグロスを得ることが可能になる。
【0008】
また、トナー像の定着のために用紙の単位面積当たりに与えなければならない熱量は決まっているため、高速化にあたっては定着部材に効率よく大電力を投入することが必要になる。
【0009】
また、商品としての価値として、一方でプリンターのウオームアップ時間を決定する大きな要因である定着装置の立ち上げ時間を短くすることがますます重要となってきており、このことからも定着部材を効率よく加熱する方式が望まれている。
【0010】
以上のように、オンデマンド性、高速化、高画質化を実現するために、電磁誘導加熱方式の定着装置(加熱装置)が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
電磁誘導加熱方式の定着装置は、誘導コイルに高周波の電流を流し、これによって発生する交流磁束を磁路によって誘導発熱する定着部材(加熱体)に導き、うず電流によって定着部材を発熱させ、該定着部材の熱によりトナー像の加熱定着を行うものである。
【0012】
誘導発熱する定着部材としては磁気を通しやすく、うず電流による発熱効率を考慮すると、透磁率が高く電気抵抗が低いものが望ましく、一般的には金属であるニッケルや鉄が用いられる。
【0013】
一方で、誘導コイルが発生した磁束を誘導発熱する加熱体としての定着部材に導くための磁路を構成する磁路形成部材(磁性コア)は、磁気を効率よく通過させ、発熱を防止するという観点で、高周波数領域での透磁率が高く電気抵抗が高いものが望ましいため、一般的には酸化鉄を主原料とするフェライト粉末を焼き固めた(焼結)ものが使用される。
【特許文献1】
特開2002−8845号公報
【0014】
【発明が解決しようとしている課題】
電磁誘導加熱方式の加熱装置において、磁路の透磁率が低いと誘導コイルで発生した磁束が逃げてしまい、加熱体に伝えられる電力が減少してしまうことから望ましくない。
【0015】
しかしながら、一般的に使用されるフェライト焼結体を磁路形成部材として用いることには、技術的、コスト的な問題が存在する。
【0016】
フェライト焼結体の透磁率は、例えば周波数100KHzでの交流透磁率は1000以上であり、これは空気層に対して1000倍磁気を通しやすいということを表しており、磁路を形成するには申し分の無い材料である。
【0017】
一方で、フェライトで磁路を形成する部材の形に成型するためには、フェライトの粉末を型の中で焼き固める手法がとられる。しかしながら、この手法で製造されたフェライト部材は、その製法に起因して寸法精度が非常に悪く、寸法が短くなってしまった場合には磁路がとぎれてしまうとか、寸法不良により他の部品と干渉してユニットが組み立てられないといった問題が発生する。
【0018】
また、焼結では曲面を持つなど複雑な形状のパーツに成型することが難しいことや、寸法精度の悪さに起因する製造上の歩留まりの悪さからコストが高いといった問題も同時に有している。
【0019】
本発明は上記に鑑みて提案されたもので、電磁誘導加熱方式の加熱装置における磁路形成部材(磁性コア)として、上記フェライト焼結体のような問題点のないもの、すなわち、磁路を形成する磁気特性は十分に具備するとともに、成形性、寸法精度、製造上の歩留まりがよく、低コストに量産することができ、これにより部品・装置の設計の自由度を格段に広げることを可能にするものを提供することを目的とする。
【0020】
また、該磁路形成部材を用いた電磁誘導加熱方式の加熱装置、像加熱装置、および該加熱装置を定着装置として用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする、電磁誘導式の加熱装置、この装置に用いる磁路形成部材、及び画像形成装置である。
【0022】
(1)誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置において、前記磁路形成部材が樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体からなることを特徴とする加熱装置。
【0023】
(2)誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置において、前記磁路形成部材が樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体と、磁性体単体材料の成型体との組み合わせからなることを特徴とする加熱装置。
【0024】
(3)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体が少なくとも10KHz〜100KHzにおける交流透磁率が3以上のフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であることを特徴とする(1)または(2)に記載の加熱装置。
【0025】
(4)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の加熱装置。
【0026】
(5)熱可塑性樹脂が、PPS、LCP、PEEK、PES、ポリアミド、PET、PS、PC、POMのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の加熱装置。
【0027】
(6)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体がフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であり、磁性体単体材料の成型体の磁性体がフェライトであることを特徴とする(2)に記載の加熱装置。
【0028】
(7)被加熱材が画像を担持した記録材であることを特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の加熱装置。
【0029】
(8)誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置に用いる前記磁路形成部材であって、樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体からなることを特徴とする磁路形成部材。
【0030】
(9)誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置に用いる前記磁路形成部材であって、樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体と、磁性体単体材料の成型体との組み合わせからなることを特徴とする磁路形成部材。
【0031】
(10)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体が少なくとも10KHz〜100KHzにおける交流透磁率が3以上のフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であることを特徴とする(8)または(9)に記載の磁路形成部材。
【0032】
(11)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする(8)から(10)の何れかに記載の磁路形成部材。
【0033】
(12)熱可塑性樹脂が、
PPS(ポリフェニレンスルフィド)、
LCP(液晶ポリマー)、
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、
PES(ポリエーテルサルフォン)、
ポリアミド、
PET(ポリエチレンテレフタレート)、
PS(ポリスチレン)、
PC(ポリカーボネート)、
POM(ポリアセタール)
のいずれかであることを特徴とする(11)に記載の磁路形成部材。
【0034】
(13)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体がフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であり、磁性体単体材料の成型体の磁性体がフェライトであることを特徴とする(9)に記載の磁路形成部材。
【0035】
(14)記録材上に未定着トナー画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させる定着装置を有し、前記定着装置が(1)から(6)の何れかに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0036】
すなわち、磁路形成部材として樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体(充填タイプ、樹脂タイプ:以下、充填タイプと記す)を用いた場合、磁性体単体の磁路形成部材であるフェライト等の焼結体(以下、焼結タイプと記す)と比較して磁性体の充填密度は若干低下するものの、例えば10KHzでの交流透磁率は依然3以上の値であり、磁路を形成する上では大気と比較して十分に高い透磁率を確保することができる一方で、バインダーに熱可塑性樹脂等の樹脂を使用することで射出成型等の一般的なプラスチックの成型方法により磁路形成部材を成形性、寸法精度、製造上の歩留まりがよく、低コストに量産することが可能になる。
【0037】
また、成形性と磁気特性をより高いバランスで満足するためには、充填タイプの磁路形成部材に磁気特性の高い磁性体単体の成形体である焼結タイプの磁路形成部材を組み込んだ構成をとることも可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
図1は本発明に従う電磁誘導加熱方式の加熱装置としてのオンデマンド定着装置100の一例の要部の横断面模型図である。
【0039】
1と2は互いに圧接させて加熱ニップ部(定着ニップ部)Nを形成させた第一部材と第二部材である。本例では、第一部材1は電磁誘導加熱アセンブリ、第二部材2は耐熱性弾性加圧ローラである。
【0040】
第一部材である電磁誘導加熱アセンブリ1において、3は電磁誘導発熱する加熱体としての発熱スリーブ(加熱部材、定着部材、定着スリーブ)である。より具体的には、厚み50μのニッケル電鋳スリーブの上に、弾性層として厚み250μmのシリコーンゴムと、離型層としての厚み50μmのPFAチューブを積層した直径34mmのスリーブである。4は上記の発熱スリーブ3の内径よりも少し小さい外径の耐熱樹脂製のガイドスリーブであり、このガイドスリーブ4に上記の発熱スリーブ3をルーズに外嵌させてある。5はガイドスリーブ4内に配設した励磁アセンブリであり、誘導コイル6と磁路形成部材としての磁性コア7とからなる。8は摺動板であり、加熱ニップ部Nに対応するガイドスリーブ外面部分にガイドスリーブ長手に沿って配設してある。9はガイドスリーブ4内に挿通した加圧ステーである。10はガイドスリーブ4の外面側に配設した温度検知素子としてのサーミスタであり、発熱スリーブ3の内面にバネ部材で弾性的に付勢して接触させた状態にさせてある。
【0041】
第二部材としての加圧ローラ2は、芯金11と耐熱性弾性層12とからなる直径20mmのものである。この加圧ローラ2は、芯金11の両端部を装置100の不図示の手前側と奥側の側板間に回転自由に軸受保持させて配設してあり、不図示の駆動系により矢印の反時計方向に回転駆動される(加圧ローラ駆動式)。
【0042】
第一部材としての電磁誘導加熱アセンブリ1は、ガイドスリーブ4の摺動板8の部分を加圧ローラ2に対向させた姿勢にして加圧ローラ2に並行に配列し、ガイドスリーブ4を加圧ステー9で加圧ローラ2の方向に加圧ローラ2の弾性に抗して加圧して、発熱スリーブ3と加圧ローラ2との間に所定幅の加熱ニップ部Nを形成させている。
【0043】
発熱スリーブ3は加圧ローラ2が回転駆動されることで、加熱ニップ部Nにおける加圧ローラ2との摩擦力で回転力を受けて、加熱ニップ部Nにおいてその内面が摺動板8の外面に密着摺動しながらガイドスリーブ4の外回りを矢印の時計方向に従動回転する。摺動板8は発熱スリーブ3の内面との摩擦係数の小さい耐熱性・滑性部材である。
【0044】
13は誘導コイル6に高周波電流を流す励磁回路、14は該励磁回路の制御回路(CPU)である。
【0045】
加圧ローラ2が回転駆動され、これに従動して加熱アセンブリ1側の発熱スリーブ3が従動回転している状態において、励磁回路13から加熱アセンブリ1側の誘導コイル(以下、コイルと略記する)6に高周波電流が流される。これによってコイル6から発生する磁束を磁路発生部材としての磁性コア(以下、コアと略記する)7で発熱スリーブ3に導く。コア7は装置長手方向から見て横断面Tの字に構成されており、Tの縦線の部分にコイル6が巻き回してある。磁束はコア7の形状に従って二つの経路に分岐され、発熱スリーブ3のニッケル層を通過して再びコア7を経由してコイル6に戻り、閉磁路を形成する。図2はコア7の外嵌斜視模型図である。
【0046】
発熱スリーブ3は、これを構成しているニッケル層に上記の磁束で誘起される渦電流によって発熱する。その発熱スリーブ3の発熱による温度が該スリーブの内面に当接しているサーミスタ10で検知される。制御回路14はサーミスタ10で検知される発熱スリーブ3の温度が所定の加熱温度(定着温度)に維持されるように励磁回路13からコイル6に流す高周波電流量を制御して発熱スリーブ3を温度制御する。
【0047】
加圧ローラ2が回転駆動され、それに伴い発熱スリーブ3が従動回転し、コイル6に高周波電流がながされて、発熱スリーブ3の温度が所定の加熱温度に温調された状態において、加熱ニップ部Nに被加熱材としての、未定着トナー画像tが形成担持された記録材Pが導入され、加熱ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程で記録材P上の未定着トナー画像tが発熱スリーブ3の熱と加熱ニップ部Nの加圧力とで記録材P上に熱加圧定着される。加熱ニップ部Nを出た記録材Pは発熱スリーブ3の面から分離されて排出搬送されていく。
【0048】
次に、本発明のポイントである、磁路発生部材としてのコア7について説明する。
【0049】
コア7は樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体からなる充填タイプである。本実施例で用いた充填タイプのコア7は、図1・図2のように横断面T字型コアであり、材質としては、バインダー樹脂としてのポリフェニレンスルフィド(PPS)に、磁性体としてMn−Znフェライト粒子を充填したコンパウンドを射出成型によって成型した。
【0050】
成型された充填タイプコア7の特性は、50KHzでの交流透磁率は10、耐熱温度は250℃、体積抵抗率は1e13Ω・cmとなった。充填したフェライトは、電気抵抗が大きく高周波領域での交流透磁率がすぐれているMn−Znフェライトである。ベース樹脂に約80重量%含有させたものである。
【0051】
定着装置の部品として使用されるコアに必要な特性は、高透磁率、高体積抵抗値、高耐熱温度である。
【0052】
体積抵抗に関しては、1e13Ωcmの体積抵抗値はほぼ絶縁体と考えることができ、樹脂として体積抵抗値1e14Ωcm以上の絶縁体のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂をバインダーとして用いたことにより、フェライト単体の体積抵抗値よりも高い抵抗値を得ることができるようになった。この抵抗領域ではコア内で発生するうず電流を全く無視することが可能であり、プラスチックの成型品でコアを構成することのメリットとなる。
【0053】
耐熱性に関しては、本実施例で用いたPPSは非常に高い耐熱性を有しており、メーカーのカタログ上でも耐熱温度は200℃以上であるため、一般的に用いられる200℃以下の定着温度では何ら問題が発生することはない。
【0054】
次に交流透磁率に関しては、誘導磁気加熱方式で使用する中心周波数50kHz付近において、コアをフェライトの焼結で構成した場合には1800であるのに対し、本実施例のフェライトを充填した樹脂の成型体では10と、二桁程度低い値を示す。
【0055】
しかしながら、この値は空気に比較すると10倍磁束を通す能力が高いということであり、両者を比較した場合の空気に対する漏れ磁束量の差は1%以下であり、実用上全く問題がない。
【0056】
実際に、誘導加熱方式の定着装置に両者のコアを組み込んで動作させたところ、発熱特性に有意差は認められなかった。
【0057】
実用上は、3以上の透磁率以上の磁性体を用いれば、磁路を形成する部材を構成する上では問題は生じない。10以上の数字のものを使用すれば更に高い効果が認められる。
【0058】
以上述べたように、従来は本実施例と同じ形状のコアを実現するために小さなダンベル状のコアを多数配置していたため、寸法精度のばらつきによってダンベル間のすきまや寸法的な干渉が発生していたのに対し、本実施例ではこれを一体成型することによって、実用上問題のない磁気特性に加えて、成形性が良く、低コストのコア7を構成することができるようになった。
【0059】
充填タイプコア7において、樹脂中のフェライト粉末は、従来の焼結フェライトのフェライトとは同じ組成とは限らないが、電気抵抗が大きく高周波領域での磁気特性がすぐれている酸化鉄を主原料とする軟磁性材料をいう。代表的な例としては、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Cu−Znフェライト、Mn−Mg−Znフェライトなどが挙げられる。
【0060】
また、使われる周波数範囲が100KHz以下であれば鉄を含む軟磁性材料の粉末とはFeをベースにしたFe−Ni合金系、Fe−Al−Si合金系、Fe−Si合金系、Feアモルファス合金系なども使用できる。
【0061】
コアとして、樹脂にフェライトを充填した材料を用いた場合、焼結体と比較してフェライトの充填密度は若干低下するものの、例えば10KHzでの交流透磁率は依然3以上の値であり、磁路を形成する上では大気と比較して十分に高い透磁率を確保することができる一方で、バインダーに熱可塑性樹脂を使用することで射出成型等の一般的なプラスチックの成型方法によりコアを製造することが可能になる。
【0062】
また、成形性と磁気特性をより高いバランスで満足するためには、後述する実施例3のように充填タイプの部材に磁気特性の高い焼結タイプのコアを組み込んだ構成をとることも可能である。
【0063】
射出成型を行う場合は、バインダーとして熱可塑性樹脂を使用することが望ましいが、定着部材の一部としてコアを使用する場合は、使用される雰囲気温度は150℃を超えることが想定されるため、ある程度の耐熱性を持つことが必要となる。また、コア自身が発熱することは避けなければならないため、電気抵抗が高いことが必要となる。
【0064】
このため、このような要求を満足するバインダー樹脂として、PPS、LCP、PEEK、PES等のスーパーエンジニアリングプラスチックを用いることよい。
【0065】
これらの材料を使用することによって、耐熱性、成型性、高い磁気特性を満足することが可能になる。
【0066】
[実施例2]
本実施例では、図3のように、コイル6とコア7からなる励磁アセンブリ5を加熱体としての発熱スリーブ3の外側に配置した誘導加熱方式の定着装置100において、コア7として樹脂にフェライトを充填して構成した充填タイプコアを使用することを特徴とする。
【0067】
実施例1で述べたように、樹脂にフェライトを充填して構成した充填タイプコアを用いることによって、実用的な磁気特性を満足しつつ、コア設計の自由度を高め、コストダウンを行うことが可能になる。
【0068】
更に、コイル6とコア7からなる励磁アセンブリ5を加熱体としての発熱スリーブ3の外部に配置した構成の誘導加熱方式の定着装置と、本発明の主旨の充填タイプコアを組み合わせることによって、より多くの効果を得ることができるようになる。
【0069】
実施例1で示した、発熱スリーブ3の内部にコイル6とコア7からなる励磁アセンブリ5がある構成では、定着ユニットを小型化するメリットはあるものの、一方で発熱スリーブの質量が増加することによって熱容量が増え、ウオームアップ時間が増えてしまうことにもなる。特に、発熱スリーブ3の内容物を格納するために発熱スリーブの外径が大きくなってしまうと、最も影響の多い発熱スリーブ自体の熱容量が増えてしまうことになる。このことから、ウオームアップ時間の短縮のためには、コイル6とコア7からなる励磁アセンブリ5を発熱スリーブ外部に配置してこれらの熱容量低減と、熱の拡散を防止する一方で、発熱スリーブ内容物を無くして発熱スリーブ外径自体を小さくすることが望ましい。
【0070】
また、発熱スリーブ内部にコイル、コアがあった場合、これらは定着の雰囲気温度(定着温度)に加え、コイルの銅損、コアの鉄損(うず電流損)によって自分自身が発熱して非常に高い温度になってしまい、部材の耐熱性が問題になることがあった。
【0071】
これらの問題点は、コイル、コアを発熱スリーブの外部に配置することによって回避することが可能である。
【0072】
一方で、コイル、コアを発熱スリーブ外に配置した場合は、磁束を発熱スリーブに投入するためにコアを大型化、かつ湾曲させる必要が生じる。また、内部配置においては目的とする磁路からの漏れ磁束は発熱スリーブによってガードされてユニット外に漏洩することは少なかったが、外部配置においてはユニット外への漏れ磁束を最小限にすることが必要なため、コアが大型化するという懸念が生じる。
【0073】
このような構成において、励磁アセンブリ5の磁路形成部材としてのコアとして、フェライトを樹脂に充填して構成したコアを使用することにより、形状が大型化、複雑化しても、設計の自由度を高くとり、かつ低コストを実現することができる。
【0074】
また、コアを発熱スリーブ外部に配置することにより、定着装置の熱を受けにくい配置となることや、また強制的にコアを冷却することも可能となることから、コアに使用する樹脂の選択枝を増やすことができる。
【0075】
具体的には、コアの温度が100度を超えないようであれば、フェライトの充填率が高く、かつ成形性に富み、材料が低コストなポリアミド(ナイロン)系やPET等の汎用エンジニアリングプラスチックを使用することが可能となる。
【0076】
以下に具体例を示す。使用する誘導コイルは実施例1で用いたものと同じであり、これを発熱スリーブ外部に配置した。コア7とコイル6が発熱スリーブ3の外部に配置されたことにより、発熱スリーブ直径をφ24mmとした。これによってその表面積に比例する、発熱スリーブ自体が持つ熱容量は実施例1の構成と比較して24/34=約70%に低減した。このことにより、実施例1では1000w入力時に15sec必要となっていた25℃→180℃の定着装置立ち上げ時間が、本実施例では12secにまで短縮することができるようになった。
【0077】
一方で、コイル6が外部配置となったことで磁路を形成するコア7はより大型化を余儀なくされた。また、ユニットからの漏洩磁束を防止するためにコアは隙間無くコイルを取り囲む構成としたが、本実施例では実施例1と同様にフェライトを樹脂に充填して射出成型でコアを成型したため、精度良くこのような形状のコアを実現することができた。
【0078】
また、コアを発熱スリーブの外部に配置したため、コアの温度を90度にまで低下させることが可能になったため樹脂としてナイロンを用いることができ、成型性の向上、低コスト化が図れた。
【0079】
以上述べたように、本実施例ではコイル、コア外部配置構成の誘導加熱方式の定着装置において、コアとしてフェライトを樹脂に充填した材料を用いることによって、設計の高い自由度、漏洩磁束の低減、低コスト化を実現することが可能になった。
【0080】
[実施例3]
本実施例では、図4のように、誘導加熱方式の定着装置100のコア7として、フェライトの焼結体部材7b(焼結コア)と、フェライトを樹脂に充填した部材7a(充填コア)を組み合わせたものを使用することで、コア7としての磁気特性の向上と高い生産性、低コストを両立させたことを特徴とする。
【0081】
実施例1、実施例2で述べたように、コア材質としてフェライトを樹脂に充填したものを用いることによって、実用レベルでの磁気特性を満足しながらも、高い生産性、低コストを実現することができるようになった。
【0082】
しかしながら、たとえば限られた電力条件下で高い投入電力を必要とする高速機に搭載する定着装置においては、焼結タイプとフェライト充填タイプの磁気特性の差が無視できなくなる場合もある。
【0083】
実施例1で述べたように、1800程度の透磁率を持つ焼結フェライトと150程度の充填タイプの差は、バルクでの測定では1%程度の差しか認められないが、磁束が集中する発熱スリーブとコアの境界面付近では、漏洩磁束の絶対量は無視できない値となる場合がある。特に発熱スリーブとコアの境界面で両者の距離を十分小さくとることが困難な場合は、この差は更に広がる。
【0084】
このような問題点は、磁束密度が高い部分や、磁束が拡散するような領域においては焼結タイプのコアを用い、そうでない部分には成型性の高い充填タイプのコアを組み合わせて使うことにより、両者のメリットを最大限に生かすことが可能になる。
【0085】
具体的には、図4で示すように、コア7から発熱スリーブ3に磁束を受け渡す部分に透磁率の高い焼結タイプのコア7bを使用することによって、コア端面から空気中への磁束の逃げ/拡散を最小限に抑制することが可能となる。この部分は、コア7bを曲面で成型する必要がないため従来の焼結タイプのコアでも十分な寸法精度を確保することができる。また、焼結コア7bから比較的透磁率の低い充填コア7aへの磁束の受け渡し部分も、充填コア7aが焼結コア7bを包み込むような形状で設計することにより、逃げ/漏れ磁束を効率よく充填コア7aに導くことが可能となる。
【0086】
この他にも、発熱スリーブ3とコア7の受け渡し部分に限らず、充填コア7a内の磁束密度が上昇し、空気中への1%の漏れが大きな磁束量になってしまうような部分に焼結タイプのコア7bを組み込むことによって、全てを焼結タイプのコアで構成したのと同程度の磁気特性を低コストで実現することができるようになる。
【0087】
また、磁束を発熱スリーブ内に効率的に投入するために、図5で示したように発熱スリーブ内部にコア7cを新たに設けることも可能であり、耐熱性に対する要求が低く設計の自由度が取れる充填タイプのコア7aを発熱スリーブ外部に、耐熱性が要求される発熱スリーブ内部に焼結タイプのコア7cを組み合わせて使うことにより、より磁気特性が高く、大電力が投入できる定着装置を構成することができるようになる。
【0088】
以上述べたように、本実施例では焼結タイプ7bと充填タイプ7aのコアを組み合わせて使用することによって、高い磁気特性と、生産性、コストを両立させることができるようになった。
【0089】
[実施例4]
図6は、上述した実施例1乃至3の何れかの定着装置100を搭載した画像形成装置例の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は、電子写真プロセス利用、インライン方式、直接転写方式、縦パスタイプ、のカラー画像形成装置(レーザプリンターあるいは複写機)である。
【0090】
それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナー像を形成する4つの独立したカラーステーション(電子写真ユニット、プロセス形成ユニット、カートリッジ)Y・M・C・Kを縦一列に配置して、これらに静電転写ベルト26に吸着させた用紙Pを搬送してイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナー像の重畳転写を行う事によってフルカラー画像を得る構成となっている。
【0091】
各カラーステーションY・M・C・Kは、それぞれ、画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光体ドラムと記す)21と、帯電装置22と、画像露光手段23と、現像器(現像ユニット)24と、クリーニング器25等の電子写真プロセス機器を有している。
【0092】
静電転写ベルト26は、上側の駆動ローラ27と、下側のターンローラ28と、中間部のテンションローラ29の3本の並行ローラに懸回張設したエンドレスベルトである。上記4つのカラーステーションY・M・C・Kは駆動ローラ27とターンローラ28との間の縦方向のベルト部分の外面側に下から上に順にベルトに沿ってそれぞれ感光体ドラム21の転写部位面側をベルト外面に対面させて配設してある。
【0093】
30は転写部材としての転写ローラであり、上記静電転写ベルト26の駆動ローラ27とターンローラ28との間の縦方向のベルト部分の内面側において、上記4つの各カラーステーションY・M・C・Kの感光体ドラム21の転写部位面側に対応させて配設し、それぞれ静電転写ベルト26を介して感光体ドラム21の転写部位面に圧接させてある。
【0094】
各カラーステーションY・M・C・Kにおいて、感光体ドラム21はそれぞれ直径30mmの負帯電OPC感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。本実施例の画像形成装置のプロセススピードは94mm/secである。また、静電転写ベルト26は感光体ドラム21の周速度に略対応した周速度にて矢示の時計方向に回転駆動される。
【0095】
各カラーステーションY・M・C・Kにおいて、帯電装置22は−1.2kvのDC電圧を印加した実抵抗1e6Ωのローラを、感光体ドラム1に総圧9.8Nで従動当接させて帯電を行うDC接触帯電方式である。
【0096】
感光体ドラム21は回転過程で、該帯電ローラ22により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。本実施例では感光体ドラム表面は−600Vに帯電される。
【0097】
次いで、画像露光手段23による画像露光を受けることにより静電潜像が形成される。本実施例において、画像露光手段23はレーザダイオード、ポリゴンスキャナー、レンズ群、等によって構成されるポリゴンスキャナーであり、各カラーステーションY・M・C・Kの感光体ドラム21の面にそれぞれ、目的のカラー画像の色成分像であるイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック成分像に対応した静電潜像が形成される。
【0098】
レーザ露光の書き出しは、主走査方向(紙の進行と直交方向)では各走査ライン毎にBDと呼ばれるポリゴンスキャナー内の位置信号から、副走査方向(紙の進行方向)は紙搬送路内のスイッチを起点とするTOP信号から、所定の時間遅延させて行う事によって、各カラーステーションY・M・C・Kでは常に紙上の同じ位置に対応する感光体ドラム面上に露光を行える構成となっている。
【0099】
次いで、静電潜像はそれぞれのカラーステーションY・M・C・Kの現像器24によりトナー像として現像される。イエローのカラーステーションYの現像器24にはイエロートナーを充填してあり、マゼンタのカラーステーションMの現像器24にはマゼンタトナーを充填してあり、シアンのカラーステーションCの現像器24にはシアントナーを充填してあり、ブラックのカラーステーションKの現像器24にはブラックトナーを充填してある。そして、イエローのカラーステーションYの感光体ドラム21にはイエロートナー像が、マゼンタのカラーステーションMの感光体ドラム21にはマゼンタトナー像が、シアンのカラーステーションCの感光体ドラム21にはシアントナー像が、ブラックのカラーステーションBの感光体ドラム1にはブラックトナー像が形成される。
【0100】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーは磁性体を含まないいわゆるノンマグトナーであり、感光体ドラム21面の静電潜像は現像器24により非接触一成分ジャンピング現像方式によって現像される。トナーは重合方式によって製造された二層構造の球状トナーであり、中心部のワックスの周りをシェルと呼ばれる樹脂バインダー層が取り囲んでいる。
【0101】
現像器24は、感光体ドラム21に対して250μmの距離を持って対向した直径16mmのアルミニウム製の現像スリーブに対して金属薄板にナイロンコートを施した現像ブレードでトナーをコートし、感光体ドラム21と等速で回転駆動される現像スリーブに周波数1kHz、ピーク間電圧1600vの矩形波を印加して感光体ドラム21との間でトナーを飛翔させて現像を行う。
【0102】
静電転写ベルト6は1e11Ωcmに抵抗調整された厚み100μmのPVDFの単層樹脂ベルトであり、背面両側に接着されたリブによってベルトの蛇行や、寄りを規制する構成となっている。
【0103】
転写部材としての転写ローラ20には体積抵抗率1e7Ωcmに調整した高圧印加可能のエピクロルヒドリンゴムのローラを用いる。
【0104】
不図示の用紙カセットから給紙された用紙(記録材)Pは、レジストローラ32を通過した後に転写入口ガイド33に案内されて、駆動ローラ27とターンローラ28との間の縦方向のベルト部分の下端部外面と接触し、この静電転写ベルト26の外面に静電吸着で保持されて、静電転写ベルト26の回動とともに上方に搬送されていく。
【0105】
上記構成から、用紙Pは重力に逆らって上方に搬送されるため、用紙Pと静電転写ベルト26が十分に吸着している事が必要である。用紙Pと静電転写ベルト26の接触点付近にはバイアスを印加した吸着ローラ34が設けられており、画像形成中は+1KVの電圧を印加して用紙Pに電荷を与える事によって吸着搬送力を発生させている。
【0106】
吸着ローラ34はEPDMゴムに抵抗調整のためにカーボンブラックを分散させた直径12mmのソリッドゴムローラであり、芯金に吸着用の高圧バイアスを印加できるような構成となっている。吸着ローラ34の抵抗値は幅1cmの金属箔をローラ外周に巻き付け、芯金との間に500vの電圧を印加した時の抵抗値を1e6Ωに調整してある。
【0107】
上記のように静電転写ベルト26の外面に静電吸着で保持されて、静電転写ベルト26の回動とともに上方に搬送されていく用紙Pは、各カラーステーションY・M・C・Kの各転写部位を順次に搬送され通過していくことで、同一の用紙P上に各転写部位で、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、ブラックトナー像が所定の位置合わせ状態で順に重畳転写されてフルカラートナー画像が合成形勢される。
【0108】
カラーステーションY・M・C・Kの各転写部位における転写ローラ30に印加されるバイアスは、通紙中に吸着ローラ14に流れる電流から算出された静電転写ベルト26や用紙Pのインピーダンスから計算され、通常環境の片面プリントでは各カラーステーション共に約+1.5kvのDCバイアスが高圧電源31から印加される。
【0109】
イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの全色の転写が終了し、駆動ローラ7とターンローラ8との間の縦方向のベルト部分の上端部から曲率によって分離された用紙Pは、前記実施例1乃至3の何れかに記載した電磁誘導加熱方式の加熱装置としての定着装置100に導入されてフルカラートナー画像が加熱定着され、機外に排出されて最終プリントが得られる。
【0110】
本実施例では、プリンターは接地面積を最小化するためや、カラーステーション(カートリッジ)交換やジャム処理の為に前扉のみの開閉で所望の目的が達成できるようにカラーステーションY・M・C・Kを縦に配置して、静電転写ベルト6とカラーステーションY・M・C・Kの間でプリンター本体を分割する構成となっている。
【0111】
[その他]
a)誘導発熱させる加熱体は、実施例の回転スリーブタイプに限られるものではなく、回動駆動されるエンドレスベルトタイプ、走行移動するウエブタイプ等のものにすることができる。また、固定部材の形態にすることもできる。
【0112】
b)加圧回転体2は、ローラ体の代わりに、エンドレスベルト体にすることもできる。また、例えば、特開2001−228731公報に開示されているエンドレスベルトと加圧部材からなる加圧フィルムユニットを用いて小熱容量化を図ってもよい。加圧回転体2も電磁誘導加熱方式あるいは他の加熱方式の加熱部材にすることもできる
c)本発明の加熱装置は加熱定着装置としてに限らず、画像を担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネート装置、熱プレスしわ取り装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0113】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、電磁誘導加熱方式の加熱装置における磁路形成部材(磁性コア)として、フェライト焼結体のような問題点のないもの、すなわち、磁路を形成する磁気特性は十分に具備するとともに、成形性、寸法精度、製造上の歩留まりがよく、低コストに量産することができ、これにより部品・装置の設計の自由度を格段に広げることを可能にするものを提供することが出来た。
【0114】
より具体的には、誘導加熱方式の加熱装置において、磁路形成部材として樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体を用いることで、磁気特性を確保しながら高い生産性、低コストを実現できるようになった。
【0115】
加熱体の外側に誘導コイルを配置した構成において、磁路形成部材として樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体を用いることで、漏洩磁束が少なく、かつ高生産性、低コストを実現できるようになった。
【0116】
磁路形成部材として焼結タイプと充填タイプのものを組み合わせることによって、高生産性、低コストを維持しながらも、従来以上の磁気特性を実現することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の定着装置の概略図
【図2】磁性コア(充填タイプの磁路形成部材)の外観斜視図
【図3】実施例2の定着装置の概略図
【図4】実施例3の定着装置(その1)の概略図
【図5】実施例3の定着装置(その2)の概略図
【図6】実施例4の画像形成装置の概略図
【符号の説明】
100・・定着装置(電磁誘導加熱方式の加熱装置)、1・・電磁誘導加熱アセンブリ、2・・加圧ローラ、N・・加熱ニップ部(定着ニップ部)、3・・発熱スリーブ、5・・励磁アセンブリ、6・・誘導コイル、7・・磁性コア(磁路形成部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真装置等の画像形成装置における画像加熱定着装置(定着器)として用いて好適な電磁誘導加熱方式の加熱装置、特には、該加熱装置において誘導コイルが発生した磁束を電磁誘導発熱する加熱体に導くための磁路形成部材(磁性コア)に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真装置等の画像形成装置は、高速化、高機能化、カラー化が進められてきており、各種方式のプリンターが上市されている。
【0003】
プリンターの高速化という観点からは、異なる色画像を形成する複数の電子写真ユニットを直列に配置し、これらを同時に駆動する事によって画像形成を行うインライン方式の装置の研究、開発が進んでおり、高速でカラー画像の形成が可能であることからビジネスユースでの広い可能性を秘めている。
【0004】
インライン形式の電子写真方式では大きくわけて、トナーを中間転写体上に重ね転写した後に用紙に一括転写する中間転写方式と、感光体から用紙に直接4色のトナーを転写する直接転写方式があるが、最近では、搬送ベルトを兼ねた転写ベルトに用紙を吸着させることでプロセス構成要素を減らすことによって小型化、低コスト化が容易である、直接転写方式(転写ベルト方式)のインラインプリンターが数多く開発されている。
【0005】
更に近年、設置面積の低減を図る目的で、プロセス形成ユニットを重力方向の縦に積み重ねた、インライン方式の縦パスのプリンターが開発されている。
【0006】
一方で、プリンターの高画質化、高速化においては、用紙上のトナーを定着するための像加熱装置としての定着装置に要求される仕様がますます高くなっている。
【0007】
カラー画像の高画質化のためには、画質にグロス(てかり)を均一に与えることが重要であり、一般的にはトナーと接する定着ローラの表面に低硬度のゴム層を設けて、トナーをつつみこみながら定着することによって均一に高いグロスを得ることが可能になる。
【0008】
また、トナー像の定着のために用紙の単位面積当たりに与えなければならない熱量は決まっているため、高速化にあたっては定着部材に効率よく大電力を投入することが必要になる。
【0009】
また、商品としての価値として、一方でプリンターのウオームアップ時間を決定する大きな要因である定着装置の立ち上げ時間を短くすることがますます重要となってきており、このことからも定着部材を効率よく加熱する方式が望まれている。
【0010】
以上のように、オンデマンド性、高速化、高画質化を実現するために、電磁誘導加熱方式の定着装置(加熱装置)が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
電磁誘導加熱方式の定着装置は、誘導コイルに高周波の電流を流し、これによって発生する交流磁束を磁路によって誘導発熱する定着部材(加熱体)に導き、うず電流によって定着部材を発熱させ、該定着部材の熱によりトナー像の加熱定着を行うものである。
【0012】
誘導発熱する定着部材としては磁気を通しやすく、うず電流による発熱効率を考慮すると、透磁率が高く電気抵抗が低いものが望ましく、一般的には金属であるニッケルや鉄が用いられる。
【0013】
一方で、誘導コイルが発生した磁束を誘導発熱する加熱体としての定着部材に導くための磁路を構成する磁路形成部材(磁性コア)は、磁気を効率よく通過させ、発熱を防止するという観点で、高周波数領域での透磁率が高く電気抵抗が高いものが望ましいため、一般的には酸化鉄を主原料とするフェライト粉末を焼き固めた(焼結)ものが使用される。
【特許文献1】
特開2002−8845号公報
【0014】
【発明が解決しようとしている課題】
電磁誘導加熱方式の加熱装置において、磁路の透磁率が低いと誘導コイルで発生した磁束が逃げてしまい、加熱体に伝えられる電力が減少してしまうことから望ましくない。
【0015】
しかしながら、一般的に使用されるフェライト焼結体を磁路形成部材として用いることには、技術的、コスト的な問題が存在する。
【0016】
フェライト焼結体の透磁率は、例えば周波数100KHzでの交流透磁率は1000以上であり、これは空気層に対して1000倍磁気を通しやすいということを表しており、磁路を形成するには申し分の無い材料である。
【0017】
一方で、フェライトで磁路を形成する部材の形に成型するためには、フェライトの粉末を型の中で焼き固める手法がとられる。しかしながら、この手法で製造されたフェライト部材は、その製法に起因して寸法精度が非常に悪く、寸法が短くなってしまった場合には磁路がとぎれてしまうとか、寸法不良により他の部品と干渉してユニットが組み立てられないといった問題が発生する。
【0018】
また、焼結では曲面を持つなど複雑な形状のパーツに成型することが難しいことや、寸法精度の悪さに起因する製造上の歩留まりの悪さからコストが高いといった問題も同時に有している。
【0019】
本発明は上記に鑑みて提案されたもので、電磁誘導加熱方式の加熱装置における磁路形成部材(磁性コア)として、上記フェライト焼結体のような問題点のないもの、すなわち、磁路を形成する磁気特性は十分に具備するとともに、成形性、寸法精度、製造上の歩留まりがよく、低コストに量産することができ、これにより部品・装置の設計の自由度を格段に広げることを可能にするものを提供することを目的とする。
【0020】
また、該磁路形成部材を用いた電磁誘導加熱方式の加熱装置、像加熱装置、および該加熱装置を定着装置として用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする、電磁誘導式の加熱装置、この装置に用いる磁路形成部材、及び画像形成装置である。
【0022】
(1)誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置において、前記磁路形成部材が樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体からなることを特徴とする加熱装置。
【0023】
(2)誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置において、前記磁路形成部材が樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体と、磁性体単体材料の成型体との組み合わせからなることを特徴とする加熱装置。
【0024】
(3)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体が少なくとも10KHz〜100KHzにおける交流透磁率が3以上のフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であることを特徴とする(1)または(2)に記載の加熱装置。
【0025】
(4)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の加熱装置。
【0026】
(5)熱可塑性樹脂が、PPS、LCP、PEEK、PES、ポリアミド、PET、PS、PC、POMのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の加熱装置。
【0027】
(6)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体がフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であり、磁性体単体材料の成型体の磁性体がフェライトであることを特徴とする(2)に記載の加熱装置。
【0028】
(7)被加熱材が画像を担持した記録材であることを特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の加熱装置。
【0029】
(8)誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置に用いる前記磁路形成部材であって、樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体からなることを特徴とする磁路形成部材。
【0030】
(9)誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置に用いる前記磁路形成部材であって、樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体と、磁性体単体材料の成型体との組み合わせからなることを特徴とする磁路形成部材。
【0031】
(10)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体が少なくとも10KHz〜100KHzにおける交流透磁率が3以上のフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であることを特徴とする(8)または(9)に記載の磁路形成部材。
【0032】
(11)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする(8)から(10)の何れかに記載の磁路形成部材。
【0033】
(12)熱可塑性樹脂が、
PPS(ポリフェニレンスルフィド)、
LCP(液晶ポリマー)、
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、
PES(ポリエーテルサルフォン)、
ポリアミド、
PET(ポリエチレンテレフタレート)、
PS(ポリスチレン)、
PC(ポリカーボネート)、
POM(ポリアセタール)
のいずれかであることを特徴とする(11)に記載の磁路形成部材。
【0034】
(13)樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体がフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であり、磁性体単体材料の成型体の磁性体がフェライトであることを特徴とする(9)に記載の磁路形成部材。
【0035】
(14)記録材上に未定着トナー画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させる定着装置を有し、前記定着装置が(1)から(6)の何れかに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0036】
すなわち、磁路形成部材として樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体(充填タイプ、樹脂タイプ:以下、充填タイプと記す)を用いた場合、磁性体単体の磁路形成部材であるフェライト等の焼結体(以下、焼結タイプと記す)と比較して磁性体の充填密度は若干低下するものの、例えば10KHzでの交流透磁率は依然3以上の値であり、磁路を形成する上では大気と比較して十分に高い透磁率を確保することができる一方で、バインダーに熱可塑性樹脂等の樹脂を使用することで射出成型等の一般的なプラスチックの成型方法により磁路形成部材を成形性、寸法精度、製造上の歩留まりがよく、低コストに量産することが可能になる。
【0037】
また、成形性と磁気特性をより高いバランスで満足するためには、充填タイプの磁路形成部材に磁気特性の高い磁性体単体の成形体である焼結タイプの磁路形成部材を組み込んだ構成をとることも可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
図1は本発明に従う電磁誘導加熱方式の加熱装置としてのオンデマンド定着装置100の一例の要部の横断面模型図である。
【0039】
1と2は互いに圧接させて加熱ニップ部(定着ニップ部)Nを形成させた第一部材と第二部材である。本例では、第一部材1は電磁誘導加熱アセンブリ、第二部材2は耐熱性弾性加圧ローラである。
【0040】
第一部材である電磁誘導加熱アセンブリ1において、3は電磁誘導発熱する加熱体としての発熱スリーブ(加熱部材、定着部材、定着スリーブ)である。より具体的には、厚み50μのニッケル電鋳スリーブの上に、弾性層として厚み250μmのシリコーンゴムと、離型層としての厚み50μmのPFAチューブを積層した直径34mmのスリーブである。4は上記の発熱スリーブ3の内径よりも少し小さい外径の耐熱樹脂製のガイドスリーブであり、このガイドスリーブ4に上記の発熱スリーブ3をルーズに外嵌させてある。5はガイドスリーブ4内に配設した励磁アセンブリであり、誘導コイル6と磁路形成部材としての磁性コア7とからなる。8は摺動板であり、加熱ニップ部Nに対応するガイドスリーブ外面部分にガイドスリーブ長手に沿って配設してある。9はガイドスリーブ4内に挿通した加圧ステーである。10はガイドスリーブ4の外面側に配設した温度検知素子としてのサーミスタであり、発熱スリーブ3の内面にバネ部材で弾性的に付勢して接触させた状態にさせてある。
【0041】
第二部材としての加圧ローラ2は、芯金11と耐熱性弾性層12とからなる直径20mmのものである。この加圧ローラ2は、芯金11の両端部を装置100の不図示の手前側と奥側の側板間に回転自由に軸受保持させて配設してあり、不図示の駆動系により矢印の反時計方向に回転駆動される(加圧ローラ駆動式)。
【0042】
第一部材としての電磁誘導加熱アセンブリ1は、ガイドスリーブ4の摺動板8の部分を加圧ローラ2に対向させた姿勢にして加圧ローラ2に並行に配列し、ガイドスリーブ4を加圧ステー9で加圧ローラ2の方向に加圧ローラ2の弾性に抗して加圧して、発熱スリーブ3と加圧ローラ2との間に所定幅の加熱ニップ部Nを形成させている。
【0043】
発熱スリーブ3は加圧ローラ2が回転駆動されることで、加熱ニップ部Nにおける加圧ローラ2との摩擦力で回転力を受けて、加熱ニップ部Nにおいてその内面が摺動板8の外面に密着摺動しながらガイドスリーブ4の外回りを矢印の時計方向に従動回転する。摺動板8は発熱スリーブ3の内面との摩擦係数の小さい耐熱性・滑性部材である。
【0044】
13は誘導コイル6に高周波電流を流す励磁回路、14は該励磁回路の制御回路(CPU)である。
【0045】
加圧ローラ2が回転駆動され、これに従動して加熱アセンブリ1側の発熱スリーブ3が従動回転している状態において、励磁回路13から加熱アセンブリ1側の誘導コイル(以下、コイルと略記する)6に高周波電流が流される。これによってコイル6から発生する磁束を磁路発生部材としての磁性コア(以下、コアと略記する)7で発熱スリーブ3に導く。コア7は装置長手方向から見て横断面Tの字に構成されており、Tの縦線の部分にコイル6が巻き回してある。磁束はコア7の形状に従って二つの経路に分岐され、発熱スリーブ3のニッケル層を通過して再びコア7を経由してコイル6に戻り、閉磁路を形成する。図2はコア7の外嵌斜視模型図である。
【0046】
発熱スリーブ3は、これを構成しているニッケル層に上記の磁束で誘起される渦電流によって発熱する。その発熱スリーブ3の発熱による温度が該スリーブの内面に当接しているサーミスタ10で検知される。制御回路14はサーミスタ10で検知される発熱スリーブ3の温度が所定の加熱温度(定着温度)に維持されるように励磁回路13からコイル6に流す高周波電流量を制御して発熱スリーブ3を温度制御する。
【0047】
加圧ローラ2が回転駆動され、それに伴い発熱スリーブ3が従動回転し、コイル6に高周波電流がながされて、発熱スリーブ3の温度が所定の加熱温度に温調された状態において、加熱ニップ部Nに被加熱材としての、未定着トナー画像tが形成担持された記録材Pが導入され、加熱ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程で記録材P上の未定着トナー画像tが発熱スリーブ3の熱と加熱ニップ部Nの加圧力とで記録材P上に熱加圧定着される。加熱ニップ部Nを出た記録材Pは発熱スリーブ3の面から分離されて排出搬送されていく。
【0048】
次に、本発明のポイントである、磁路発生部材としてのコア7について説明する。
【0049】
コア7は樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体からなる充填タイプである。本実施例で用いた充填タイプのコア7は、図1・図2のように横断面T字型コアであり、材質としては、バインダー樹脂としてのポリフェニレンスルフィド(PPS)に、磁性体としてMn−Znフェライト粒子を充填したコンパウンドを射出成型によって成型した。
【0050】
成型された充填タイプコア7の特性は、50KHzでの交流透磁率は10、耐熱温度は250℃、体積抵抗率は1e13Ω・cmとなった。充填したフェライトは、電気抵抗が大きく高周波領域での交流透磁率がすぐれているMn−Znフェライトである。ベース樹脂に約80重量%含有させたものである。
【0051】
定着装置の部品として使用されるコアに必要な特性は、高透磁率、高体積抵抗値、高耐熱温度である。
【0052】
体積抵抗に関しては、1e13Ωcmの体積抵抗値はほぼ絶縁体と考えることができ、樹脂として体積抵抗値1e14Ωcm以上の絶縁体のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂をバインダーとして用いたことにより、フェライト単体の体積抵抗値よりも高い抵抗値を得ることができるようになった。この抵抗領域ではコア内で発生するうず電流を全く無視することが可能であり、プラスチックの成型品でコアを構成することのメリットとなる。
【0053】
耐熱性に関しては、本実施例で用いたPPSは非常に高い耐熱性を有しており、メーカーのカタログ上でも耐熱温度は200℃以上であるため、一般的に用いられる200℃以下の定着温度では何ら問題が発生することはない。
【0054】
次に交流透磁率に関しては、誘導磁気加熱方式で使用する中心周波数50kHz付近において、コアをフェライトの焼結で構成した場合には1800であるのに対し、本実施例のフェライトを充填した樹脂の成型体では10と、二桁程度低い値を示す。
【0055】
しかしながら、この値は空気に比較すると10倍磁束を通す能力が高いということであり、両者を比較した場合の空気に対する漏れ磁束量の差は1%以下であり、実用上全く問題がない。
【0056】
実際に、誘導加熱方式の定着装置に両者のコアを組み込んで動作させたところ、発熱特性に有意差は認められなかった。
【0057】
実用上は、3以上の透磁率以上の磁性体を用いれば、磁路を形成する部材を構成する上では問題は生じない。10以上の数字のものを使用すれば更に高い効果が認められる。
【0058】
以上述べたように、従来は本実施例と同じ形状のコアを実現するために小さなダンベル状のコアを多数配置していたため、寸法精度のばらつきによってダンベル間のすきまや寸法的な干渉が発生していたのに対し、本実施例ではこれを一体成型することによって、実用上問題のない磁気特性に加えて、成形性が良く、低コストのコア7を構成することができるようになった。
【0059】
充填タイプコア7において、樹脂中のフェライト粉末は、従来の焼結フェライトのフェライトとは同じ組成とは限らないが、電気抵抗が大きく高周波領域での磁気特性がすぐれている酸化鉄を主原料とする軟磁性材料をいう。代表的な例としては、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Cu−Znフェライト、Mn−Mg−Znフェライトなどが挙げられる。
【0060】
また、使われる周波数範囲が100KHz以下であれば鉄を含む軟磁性材料の粉末とはFeをベースにしたFe−Ni合金系、Fe−Al−Si合金系、Fe−Si合金系、Feアモルファス合金系なども使用できる。
【0061】
コアとして、樹脂にフェライトを充填した材料を用いた場合、焼結体と比較してフェライトの充填密度は若干低下するものの、例えば10KHzでの交流透磁率は依然3以上の値であり、磁路を形成する上では大気と比較して十分に高い透磁率を確保することができる一方で、バインダーに熱可塑性樹脂を使用することで射出成型等の一般的なプラスチックの成型方法によりコアを製造することが可能になる。
【0062】
また、成形性と磁気特性をより高いバランスで満足するためには、後述する実施例3のように充填タイプの部材に磁気特性の高い焼結タイプのコアを組み込んだ構成をとることも可能である。
【0063】
射出成型を行う場合は、バインダーとして熱可塑性樹脂を使用することが望ましいが、定着部材の一部としてコアを使用する場合は、使用される雰囲気温度は150℃を超えることが想定されるため、ある程度の耐熱性を持つことが必要となる。また、コア自身が発熱することは避けなければならないため、電気抵抗が高いことが必要となる。
【0064】
このため、このような要求を満足するバインダー樹脂として、PPS、LCP、PEEK、PES等のスーパーエンジニアリングプラスチックを用いることよい。
【0065】
これらの材料を使用することによって、耐熱性、成型性、高い磁気特性を満足することが可能になる。
【0066】
[実施例2]
本実施例では、図3のように、コイル6とコア7からなる励磁アセンブリ5を加熱体としての発熱スリーブ3の外側に配置した誘導加熱方式の定着装置100において、コア7として樹脂にフェライトを充填して構成した充填タイプコアを使用することを特徴とする。
【0067】
実施例1で述べたように、樹脂にフェライトを充填して構成した充填タイプコアを用いることによって、実用的な磁気特性を満足しつつ、コア設計の自由度を高め、コストダウンを行うことが可能になる。
【0068】
更に、コイル6とコア7からなる励磁アセンブリ5を加熱体としての発熱スリーブ3の外部に配置した構成の誘導加熱方式の定着装置と、本発明の主旨の充填タイプコアを組み合わせることによって、より多くの効果を得ることができるようになる。
【0069】
実施例1で示した、発熱スリーブ3の内部にコイル6とコア7からなる励磁アセンブリ5がある構成では、定着ユニットを小型化するメリットはあるものの、一方で発熱スリーブの質量が増加することによって熱容量が増え、ウオームアップ時間が増えてしまうことにもなる。特に、発熱スリーブ3の内容物を格納するために発熱スリーブの外径が大きくなってしまうと、最も影響の多い発熱スリーブ自体の熱容量が増えてしまうことになる。このことから、ウオームアップ時間の短縮のためには、コイル6とコア7からなる励磁アセンブリ5を発熱スリーブ外部に配置してこれらの熱容量低減と、熱の拡散を防止する一方で、発熱スリーブ内容物を無くして発熱スリーブ外径自体を小さくすることが望ましい。
【0070】
また、発熱スリーブ内部にコイル、コアがあった場合、これらは定着の雰囲気温度(定着温度)に加え、コイルの銅損、コアの鉄損(うず電流損)によって自分自身が発熱して非常に高い温度になってしまい、部材の耐熱性が問題になることがあった。
【0071】
これらの問題点は、コイル、コアを発熱スリーブの外部に配置することによって回避することが可能である。
【0072】
一方で、コイル、コアを発熱スリーブ外に配置した場合は、磁束を発熱スリーブに投入するためにコアを大型化、かつ湾曲させる必要が生じる。また、内部配置においては目的とする磁路からの漏れ磁束は発熱スリーブによってガードされてユニット外に漏洩することは少なかったが、外部配置においてはユニット外への漏れ磁束を最小限にすることが必要なため、コアが大型化するという懸念が生じる。
【0073】
このような構成において、励磁アセンブリ5の磁路形成部材としてのコアとして、フェライトを樹脂に充填して構成したコアを使用することにより、形状が大型化、複雑化しても、設計の自由度を高くとり、かつ低コストを実現することができる。
【0074】
また、コアを発熱スリーブ外部に配置することにより、定着装置の熱を受けにくい配置となることや、また強制的にコアを冷却することも可能となることから、コアに使用する樹脂の選択枝を増やすことができる。
【0075】
具体的には、コアの温度が100度を超えないようであれば、フェライトの充填率が高く、かつ成形性に富み、材料が低コストなポリアミド(ナイロン)系やPET等の汎用エンジニアリングプラスチックを使用することが可能となる。
【0076】
以下に具体例を示す。使用する誘導コイルは実施例1で用いたものと同じであり、これを発熱スリーブ外部に配置した。コア7とコイル6が発熱スリーブ3の外部に配置されたことにより、発熱スリーブ直径をφ24mmとした。これによってその表面積に比例する、発熱スリーブ自体が持つ熱容量は実施例1の構成と比較して24/34=約70%に低減した。このことにより、実施例1では1000w入力時に15sec必要となっていた25℃→180℃の定着装置立ち上げ時間が、本実施例では12secにまで短縮することができるようになった。
【0077】
一方で、コイル6が外部配置となったことで磁路を形成するコア7はより大型化を余儀なくされた。また、ユニットからの漏洩磁束を防止するためにコアは隙間無くコイルを取り囲む構成としたが、本実施例では実施例1と同様にフェライトを樹脂に充填して射出成型でコアを成型したため、精度良くこのような形状のコアを実現することができた。
【0078】
また、コアを発熱スリーブの外部に配置したため、コアの温度を90度にまで低下させることが可能になったため樹脂としてナイロンを用いることができ、成型性の向上、低コスト化が図れた。
【0079】
以上述べたように、本実施例ではコイル、コア外部配置構成の誘導加熱方式の定着装置において、コアとしてフェライトを樹脂に充填した材料を用いることによって、設計の高い自由度、漏洩磁束の低減、低コスト化を実現することが可能になった。
【0080】
[実施例3]
本実施例では、図4のように、誘導加熱方式の定着装置100のコア7として、フェライトの焼結体部材7b(焼結コア)と、フェライトを樹脂に充填した部材7a(充填コア)を組み合わせたものを使用することで、コア7としての磁気特性の向上と高い生産性、低コストを両立させたことを特徴とする。
【0081】
実施例1、実施例2で述べたように、コア材質としてフェライトを樹脂に充填したものを用いることによって、実用レベルでの磁気特性を満足しながらも、高い生産性、低コストを実現することができるようになった。
【0082】
しかしながら、たとえば限られた電力条件下で高い投入電力を必要とする高速機に搭載する定着装置においては、焼結タイプとフェライト充填タイプの磁気特性の差が無視できなくなる場合もある。
【0083】
実施例1で述べたように、1800程度の透磁率を持つ焼結フェライトと150程度の充填タイプの差は、バルクでの測定では1%程度の差しか認められないが、磁束が集中する発熱スリーブとコアの境界面付近では、漏洩磁束の絶対量は無視できない値となる場合がある。特に発熱スリーブとコアの境界面で両者の距離を十分小さくとることが困難な場合は、この差は更に広がる。
【0084】
このような問題点は、磁束密度が高い部分や、磁束が拡散するような領域においては焼結タイプのコアを用い、そうでない部分には成型性の高い充填タイプのコアを組み合わせて使うことにより、両者のメリットを最大限に生かすことが可能になる。
【0085】
具体的には、図4で示すように、コア7から発熱スリーブ3に磁束を受け渡す部分に透磁率の高い焼結タイプのコア7bを使用することによって、コア端面から空気中への磁束の逃げ/拡散を最小限に抑制することが可能となる。この部分は、コア7bを曲面で成型する必要がないため従来の焼結タイプのコアでも十分な寸法精度を確保することができる。また、焼結コア7bから比較的透磁率の低い充填コア7aへの磁束の受け渡し部分も、充填コア7aが焼結コア7bを包み込むような形状で設計することにより、逃げ/漏れ磁束を効率よく充填コア7aに導くことが可能となる。
【0086】
この他にも、発熱スリーブ3とコア7の受け渡し部分に限らず、充填コア7a内の磁束密度が上昇し、空気中への1%の漏れが大きな磁束量になってしまうような部分に焼結タイプのコア7bを組み込むことによって、全てを焼結タイプのコアで構成したのと同程度の磁気特性を低コストで実現することができるようになる。
【0087】
また、磁束を発熱スリーブ内に効率的に投入するために、図5で示したように発熱スリーブ内部にコア7cを新たに設けることも可能であり、耐熱性に対する要求が低く設計の自由度が取れる充填タイプのコア7aを発熱スリーブ外部に、耐熱性が要求される発熱スリーブ内部に焼結タイプのコア7cを組み合わせて使うことにより、より磁気特性が高く、大電力が投入できる定着装置を構成することができるようになる。
【0088】
以上述べたように、本実施例では焼結タイプ7bと充填タイプ7aのコアを組み合わせて使用することによって、高い磁気特性と、生産性、コストを両立させることができるようになった。
【0089】
[実施例4]
図6は、上述した実施例1乃至3の何れかの定着装置100を搭載した画像形成装置例の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は、電子写真プロセス利用、インライン方式、直接転写方式、縦パスタイプ、のカラー画像形成装置(レーザプリンターあるいは複写機)である。
【0090】
それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナー像を形成する4つの独立したカラーステーション(電子写真ユニット、プロセス形成ユニット、カートリッジ)Y・M・C・Kを縦一列に配置して、これらに静電転写ベルト26に吸着させた用紙Pを搬送してイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナー像の重畳転写を行う事によってフルカラー画像を得る構成となっている。
【0091】
各カラーステーションY・M・C・Kは、それぞれ、画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光体ドラムと記す)21と、帯電装置22と、画像露光手段23と、現像器(現像ユニット)24と、クリーニング器25等の電子写真プロセス機器を有している。
【0092】
静電転写ベルト26は、上側の駆動ローラ27と、下側のターンローラ28と、中間部のテンションローラ29の3本の並行ローラに懸回張設したエンドレスベルトである。上記4つのカラーステーションY・M・C・Kは駆動ローラ27とターンローラ28との間の縦方向のベルト部分の外面側に下から上に順にベルトに沿ってそれぞれ感光体ドラム21の転写部位面側をベルト外面に対面させて配設してある。
【0093】
30は転写部材としての転写ローラであり、上記静電転写ベルト26の駆動ローラ27とターンローラ28との間の縦方向のベルト部分の内面側において、上記4つの各カラーステーションY・M・C・Kの感光体ドラム21の転写部位面側に対応させて配設し、それぞれ静電転写ベルト26を介して感光体ドラム21の転写部位面に圧接させてある。
【0094】
各カラーステーションY・M・C・Kにおいて、感光体ドラム21はそれぞれ直径30mmの負帯電OPC感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。本実施例の画像形成装置のプロセススピードは94mm/secである。また、静電転写ベルト26は感光体ドラム21の周速度に略対応した周速度にて矢示の時計方向に回転駆動される。
【0095】
各カラーステーションY・M・C・Kにおいて、帯電装置22は−1.2kvのDC電圧を印加した実抵抗1e6Ωのローラを、感光体ドラム1に総圧9.8Nで従動当接させて帯電を行うDC接触帯電方式である。
【0096】
感光体ドラム21は回転過程で、該帯電ローラ22により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。本実施例では感光体ドラム表面は−600Vに帯電される。
【0097】
次いで、画像露光手段23による画像露光を受けることにより静電潜像が形成される。本実施例において、画像露光手段23はレーザダイオード、ポリゴンスキャナー、レンズ群、等によって構成されるポリゴンスキャナーであり、各カラーステーションY・M・C・Kの感光体ドラム21の面にそれぞれ、目的のカラー画像の色成分像であるイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック成分像に対応した静電潜像が形成される。
【0098】
レーザ露光の書き出しは、主走査方向(紙の進行と直交方向)では各走査ライン毎にBDと呼ばれるポリゴンスキャナー内の位置信号から、副走査方向(紙の進行方向)は紙搬送路内のスイッチを起点とするTOP信号から、所定の時間遅延させて行う事によって、各カラーステーションY・M・C・Kでは常に紙上の同じ位置に対応する感光体ドラム面上に露光を行える構成となっている。
【0099】
次いで、静電潜像はそれぞれのカラーステーションY・M・C・Kの現像器24によりトナー像として現像される。イエローのカラーステーションYの現像器24にはイエロートナーを充填してあり、マゼンタのカラーステーションMの現像器24にはマゼンタトナーを充填してあり、シアンのカラーステーションCの現像器24にはシアントナーを充填してあり、ブラックのカラーステーションKの現像器24にはブラックトナーを充填してある。そして、イエローのカラーステーションYの感光体ドラム21にはイエロートナー像が、マゼンタのカラーステーションMの感光体ドラム21にはマゼンタトナー像が、シアンのカラーステーションCの感光体ドラム21にはシアントナー像が、ブラックのカラーステーションBの感光体ドラム1にはブラックトナー像が形成される。
【0100】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーは磁性体を含まないいわゆるノンマグトナーであり、感光体ドラム21面の静電潜像は現像器24により非接触一成分ジャンピング現像方式によって現像される。トナーは重合方式によって製造された二層構造の球状トナーであり、中心部のワックスの周りをシェルと呼ばれる樹脂バインダー層が取り囲んでいる。
【0101】
現像器24は、感光体ドラム21に対して250μmの距離を持って対向した直径16mmのアルミニウム製の現像スリーブに対して金属薄板にナイロンコートを施した現像ブレードでトナーをコートし、感光体ドラム21と等速で回転駆動される現像スリーブに周波数1kHz、ピーク間電圧1600vの矩形波を印加して感光体ドラム21との間でトナーを飛翔させて現像を行う。
【0102】
静電転写ベルト6は1e11Ωcmに抵抗調整された厚み100μmのPVDFの単層樹脂ベルトであり、背面両側に接着されたリブによってベルトの蛇行や、寄りを規制する構成となっている。
【0103】
転写部材としての転写ローラ20には体積抵抗率1e7Ωcmに調整した高圧印加可能のエピクロルヒドリンゴムのローラを用いる。
【0104】
不図示の用紙カセットから給紙された用紙(記録材)Pは、レジストローラ32を通過した後に転写入口ガイド33に案内されて、駆動ローラ27とターンローラ28との間の縦方向のベルト部分の下端部外面と接触し、この静電転写ベルト26の外面に静電吸着で保持されて、静電転写ベルト26の回動とともに上方に搬送されていく。
【0105】
上記構成から、用紙Pは重力に逆らって上方に搬送されるため、用紙Pと静電転写ベルト26が十分に吸着している事が必要である。用紙Pと静電転写ベルト26の接触点付近にはバイアスを印加した吸着ローラ34が設けられており、画像形成中は+1KVの電圧を印加して用紙Pに電荷を与える事によって吸着搬送力を発生させている。
【0106】
吸着ローラ34はEPDMゴムに抵抗調整のためにカーボンブラックを分散させた直径12mmのソリッドゴムローラであり、芯金に吸着用の高圧バイアスを印加できるような構成となっている。吸着ローラ34の抵抗値は幅1cmの金属箔をローラ外周に巻き付け、芯金との間に500vの電圧を印加した時の抵抗値を1e6Ωに調整してある。
【0107】
上記のように静電転写ベルト26の外面に静電吸着で保持されて、静電転写ベルト26の回動とともに上方に搬送されていく用紙Pは、各カラーステーションY・M・C・Kの各転写部位を順次に搬送され通過していくことで、同一の用紙P上に各転写部位で、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、ブラックトナー像が所定の位置合わせ状態で順に重畳転写されてフルカラートナー画像が合成形勢される。
【0108】
カラーステーションY・M・C・Kの各転写部位における転写ローラ30に印加されるバイアスは、通紙中に吸着ローラ14に流れる電流から算出された静電転写ベルト26や用紙Pのインピーダンスから計算され、通常環境の片面プリントでは各カラーステーション共に約+1.5kvのDCバイアスが高圧電源31から印加される。
【0109】
イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの全色の転写が終了し、駆動ローラ7とターンローラ8との間の縦方向のベルト部分の上端部から曲率によって分離された用紙Pは、前記実施例1乃至3の何れかに記載した電磁誘導加熱方式の加熱装置としての定着装置100に導入されてフルカラートナー画像が加熱定着され、機外に排出されて最終プリントが得られる。
【0110】
本実施例では、プリンターは接地面積を最小化するためや、カラーステーション(カートリッジ)交換やジャム処理の為に前扉のみの開閉で所望の目的が達成できるようにカラーステーションY・M・C・Kを縦に配置して、静電転写ベルト6とカラーステーションY・M・C・Kの間でプリンター本体を分割する構成となっている。
【0111】
[その他]
a)誘導発熱させる加熱体は、実施例の回転スリーブタイプに限られるものではなく、回動駆動されるエンドレスベルトタイプ、走行移動するウエブタイプ等のものにすることができる。また、固定部材の形態にすることもできる。
【0112】
b)加圧回転体2は、ローラ体の代わりに、エンドレスベルト体にすることもできる。また、例えば、特開2001−228731公報に開示されているエンドレスベルトと加圧部材からなる加圧フィルムユニットを用いて小熱容量化を図ってもよい。加圧回転体2も電磁誘導加熱方式あるいは他の加熱方式の加熱部材にすることもできる
c)本発明の加熱装置は加熱定着装置としてに限らず、画像を担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネート装置、熱プレスしわ取り装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0113】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、電磁誘導加熱方式の加熱装置における磁路形成部材(磁性コア)として、フェライト焼結体のような問題点のないもの、すなわち、磁路を形成する磁気特性は十分に具備するとともに、成形性、寸法精度、製造上の歩留まりがよく、低コストに量産することができ、これにより部品・装置の設計の自由度を格段に広げることを可能にするものを提供することが出来た。
【0114】
より具体的には、誘導加熱方式の加熱装置において、磁路形成部材として樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体を用いることで、磁気特性を確保しながら高い生産性、低コストを実現できるようになった。
【0115】
加熱体の外側に誘導コイルを配置した構成において、磁路形成部材として樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体を用いることで、漏洩磁束が少なく、かつ高生産性、低コストを実現できるようになった。
【0116】
磁路形成部材として焼結タイプと充填タイプのものを組み合わせることによって、高生産性、低コストを維持しながらも、従来以上の磁気特性を実現することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の定着装置の概略図
【図2】磁性コア(充填タイプの磁路形成部材)の外観斜視図
【図3】実施例2の定着装置の概略図
【図4】実施例3の定着装置(その1)の概略図
【図5】実施例3の定着装置(その2)の概略図
【図6】実施例4の画像形成装置の概略図
【符号の説明】
100・・定着装置(電磁誘導加熱方式の加熱装置)、1・・電磁誘導加熱アセンブリ、2・・加圧ローラ、N・・加熱ニップ部(定着ニップ部)、3・・発熱スリーブ、5・・励磁アセンブリ、6・・誘導コイル、7・・磁性コア(磁路形成部材)
Claims (14)
- 誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置において、
前記磁路形成部材が樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体からなることを特徴とする加熱装置。 - 誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置において、
前記磁路形成部材が樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体と、磁性体単体材料の成型体との組み合わせからなることを特徴とする加熱装置。 - 樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体が少なくとも10KHz〜100KHzにおける交流透磁率が3以上のフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
- 樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の加熱装置。
- 熱可塑性樹脂が、PPS、LCP、PEEK、PES、ポリアミド、PET、PS、PC、POMのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の加熱装置。
- 樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体がフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であり、磁性体単体材料の成型体の磁性体がフェライトであることを特徴とする請求項2に記載の加熱装置。
- 被加熱材が画像を担持した記録材であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の加熱装置。
- 誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置に用いる前記磁路形成部材であって、樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体からなることを特徴とする磁路形成部材。
- 誘導コイルが発生した磁束を磁路形成部材で加熱体に導いて誘導発熱させ、該加熱体の熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置に用いる前記磁路形成部材であって、樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体と、磁性体単体材料の成型体との組み合わせからなることを特徴とする磁路形成部材。
- 樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体が少なくとも10KHz〜100KHzにおける交流透磁率が3以上のフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であることを特徴とする請求項8または9に記載の磁路形成部材。
- 樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項8から10の何れかに記載の磁路形成部材。
- 熱可塑性樹脂が、PPS、LCP、PEEK、PES、ポリアミド、PET、PS、PC、POMのいずれかであることを特徴とする請求項11に記載の磁路形成部材。
- 樹脂中に磁性体を充填した材料の成型体の磁性体がフェライトまたは鉄を含む軟磁性材料であり、磁性体単体材料の成型体の磁性体がフェライトであることを特徴とする請求項9に記載の磁路形成部材。
- 記録材上に未定着トナー画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させる定着装置を有し、前記定着装置が請求項1から6の何れかに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003017845A JP2004228043A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 電磁誘導加熱方式の加熱装置、この装置に用いる磁路形成部材、及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003017845A JP2004228043A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 電磁誘導加熱方式の加熱装置、この装置に用いる磁路形成部材、及び画像形成装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004228043A true JP2004228043A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32904893
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003017845A Pending JP2004228043A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 電磁誘導加熱方式の加熱装置、この装置に用いる磁路形成部材、及び画像形成装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004228043A (ja) |
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010122489A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Canon Inc | 画像加熱装置 |
| US8219014B2 (en) * | 2008-05-13 | 2012-07-10 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating apparatus having magnetic flux confining means |
| JP2018513624A (ja) * | 2015-03-31 | 2018-05-24 | エプコス アクチエンゲゼルシャフトEpcos Ag | アンテナデバイス |
| US10322546B2 (en) | 2014-06-12 | 2019-06-18 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Induction heating device |
| US10899082B2 (en) | 2017-07-17 | 2021-01-26 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Inductor coil for induction welding of a packaging material |
| US10994495B2 (en) | 2015-11-27 | 2021-05-04 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Sealing device with increased robustness |
| US11370571B2 (en) | 2017-07-18 | 2022-06-28 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Induction sealing device |
| US11534985B2 (en) | 2016-05-02 | 2022-12-27 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Induction sealing system |
| US11548238B2 (en) | 2018-09-10 | 2023-01-10 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Method for forming a tube and a method and a packaging machine for forming a package |
| US11554555B2 (en) | 2017-05-30 | 2023-01-17 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Apparatus for sealing the top of a package for a food product and system for forming and filling a food package |
| US11820540B2 (en) | 2018-09-11 | 2023-11-21 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Packaging apparatus for forming sealed packages |
| US12122547B2 (en) | 2019-02-05 | 2024-10-22 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Induction heat sealing device and a method for transversally seal a tube of packaging material |
| US12522394B2 (en) | 2021-02-15 | 2026-01-13 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Method for assessing quality of a transversal sealing of a food package |
-
2003
- 2003-01-27 JP JP2003017845A patent/JP2004228043A/ja active Pending
Cited By (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8219014B2 (en) * | 2008-05-13 | 2012-07-10 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating apparatus having magnetic flux confining means |
| JP2010122489A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Canon Inc | 画像加熱装置 |
| US10322546B2 (en) | 2014-06-12 | 2019-06-18 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Induction heating device |
| JP2018513624A (ja) * | 2015-03-31 | 2018-05-24 | エプコス アクチエンゲゼルシャフトEpcos Ag | アンテナデバイス |
| US10333204B2 (en) | 2015-03-31 | 2019-06-25 | Epcos Ag | Antenna component having a magnetic core and a plurality of electrical conductors |
| US10994495B2 (en) | 2015-11-27 | 2021-05-04 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Sealing device with increased robustness |
| US11534985B2 (en) | 2016-05-02 | 2022-12-27 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Induction sealing system |
| US11554555B2 (en) | 2017-05-30 | 2023-01-17 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Apparatus for sealing the top of a package for a food product and system for forming and filling a food package |
| US10899082B2 (en) | 2017-07-17 | 2021-01-26 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Inductor coil for induction welding of a packaging material |
| US11370571B2 (en) | 2017-07-18 | 2022-06-28 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Induction sealing device |
| US11548238B2 (en) | 2018-09-10 | 2023-01-10 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Method for forming a tube and a method and a packaging machine for forming a package |
| US11820540B2 (en) | 2018-09-11 | 2023-11-21 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Packaging apparatus for forming sealed packages |
| US12122547B2 (en) | 2019-02-05 | 2024-10-22 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Induction heat sealing device and a method for transversally seal a tube of packaging material |
| US12240643B2 (en) | 2019-02-05 | 2025-03-04 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Induction heat sealing device and a method for transversally seal a tube of packaging material |
| US12522394B2 (en) | 2021-02-15 | 2026-01-13 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Method for assessing quality of a transversal sealing of a food package |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US8750776B2 (en) | Fixing roller, and fixing device and image forming apparatus incorporating same | |
| US7907870B2 (en) | Fixing apparatus and image forming apparatus | |
| US9383692B2 (en) | Fixing device and image forming apparatus | |
| US7965970B2 (en) | Fixing device and image forming apparatus | |
| JP5879988B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
| JP3486519B2 (ja) | 加熱装置 | |
| JP5648291B2 (ja) | 光沢付与装置および画像形成装置 | |
| JP5582655B2 (ja) | 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 | |
| CN101813906B (zh) | 定影装置、图像形成装置以及磁场产生装置 | |
| JP2004228043A (ja) | 電磁誘導加熱方式の加熱装置、この装置に用いる磁路形成部材、及び画像形成装置 | |
| CN102455649B (zh) | 定影装置以及具备该定影装置的图像形成装置 | |
| CN103676566B (zh) | 定影装置和图像形成设备 | |
| JP5061849B2 (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
| US9519248B2 (en) | Fixing device including an induction heating unit with ducting for airflow, and image forming apparatus incorporating same | |
| US8693934B2 (en) | Fixing device and image forming apparatus incorporating same | |
| JP4798622B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
| US9964904B2 (en) | Fixing device and image forming apparatus incorporating same | |
| JP5618975B2 (ja) | 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 | |
| JP5299137B2 (ja) | 画像形成装置 | |
| JP2011022446A (ja) | 定着装置、画像形成装置、および磁界生成装置 | |
| JP6705214B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
| CN103792824B (zh) | 定影装置以及图像形成装置 | |
| JP2015111188A (ja) | 加熱装置、定着装置及び画像形成装置 | |
| JP2010122338A (ja) | 帯状部材、定着装置及び画像形成装置 | |
| JPH1064670A (ja) | 加熱装置及び画像形成装置 |