JP2004228047A - パック電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも1つの二次電池1、二次電池1を収容する筐体10および筐体10と二次電池1との間の空隙に充填された、二次電池1と接触する粒子2からなり、粒子2は、樹脂からなり、かつ、平均粒径が1μm以上100μm以下であり、前記樹脂は、電気絶縁性を有し、かつ、溶融開始温度が130℃未満である。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池を内部に収容したパック電池に関し、特に、二次電池の温度上昇を抑制するパック電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やノートパソコンなどのポータブル、コードレス機器の普及により、これらの機器に電力を供給する電池の需要が高まってきている。なかでも、小型、軽量でエネルギー密度が高く、繰り返し充放電が可能な二次電池の需要が高まっている。このような二次電池として、非水電解液二次電池があり、特に、正極にコバルト酸リチウムなどのリチウム含有複合酸化物、負極に炭素材料などを用いたリチウムイオン二次電池の研究、開発が活発に行われている。そして、リチウムイオン二次電池を所定の回路とともに筐体の内部に収容したパック電池が開発されている。
【0003】
パック電池の内部には、高分子材料からなる被覆体で覆われた二次電池が収容されている(例えば、特許文献1参照。)。被覆体は、パック電池の密閉性を高め、主に、二次電池からの電解液の漏液を防止する役割を果たす。図6に、従来のパック電池の一例を示す。
【0004】
図6は、角型二次電池を収容した従来のパック電池の横断面図である。
このパック電池は、角型二次電池1、電池1を収容可能な筐体20、筐体20と角型二次電池1との間に介在する被覆体7を有している。筐体20は、上部が開口した缶状の底部パック外装体3と、底部パック外装体3の開口部を封塞する上部パック外装体4とからなる。
被覆体7は、例えば、高分子材料を溶融成形して形成される。そして、角型二次電池1は、両面粘着テープ5により、上部パック外装体4に固定されている。
【0005】
ところで、パック電池においては、二次電池の充放電を制御するバッテリーマネジメントユニット(BMU)、充電制御システム、二次電池への異常負荷から二次電池を保護する安全保護回路(SU)などが故障した場合、二次電池が過充電状態となり、発熱することがある。
【0006】
このとき、両面粘着テープ5が熱伝導媒体としての役割を果たし、角型二次電池1で発生した熱が両面粘着テープ5を伝わって、上部パック外装体4へ移動する。しかし、両面粘着テープ5を用いただけでは、角型二次電池1からの放熱を十分に行うことができないという問題がある。
また、筐体20と被覆体7との間、または被覆体7と角型二次電池1との間には、空気層が形成される場合がある。このような空気層は断熱作用を有するため、角型二次電池1で発生した熱の放熱が阻害されるという問題もある。
【0007】
そこで、パック電池の放熱性を高めるために、二次電池の被覆体として、熱伝導性を有する材料と高分子材料との複合材料を用いることが提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−77038号公報(図4)
【特許文献2】
特開平9−298051号公報(図3)
【特許文献3】
特開2000−285873号公報(図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のパック電池では、過充電状態が進行し、二次電池での発熱量が多い場合には、電池の温度上昇を抑制することができず、130℃以上にまで電池温度が上昇してしまうことがあり、二次電池の信頼性が低下する問題を払拭することができない。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題を鑑みたものであり、被覆体を構成する高分子材料の溶融潜熱による吸熱作用を効率的に利用し、高分子材料の吸熱作用により、電池の温度上昇を抑制するものである。
【0011】
すなわち、本発明は、少なくとも1つの二次電池、前記二次電池を収容する筐体および前記筐体と前記二次電池との間の空隙に充填された、前記二次電池と接触する粒子からなり、前記粒子は、樹脂からなり、かつ、平均粒径が1μm以上100μm以下であり、前記樹脂は、電気絶縁性を有し、かつ、溶融開始温度が130℃未満であるパック電池を提供する。
【0012】
前記樹脂は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムおよびシリコーンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0013】
前記粒子は、さらにセラミックスを含むことが好ましい。このセラミックスは、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1にかかる角型二次電池を収容したパック電池の一例の斜視図である。
【0015】
パック電池は、角型二次電池を収容可能な筐体10を有し、筐体10は、上部が開口した缶状の底部パック外装体3と、底部パック外装体3の開口部を封塞する上部パック外装体4とからなる。また、パック電池は、図示していないが、電池表面温度を測定するための熱電対を含んでおり、さらに、角型二次電池と外部の機器とを接続する外部接触端子6が、上部パック外装体4の長手方向の一端に設けられている。上部パック外装体4および底部パック外装体3は、ポリカーボネートなどの材料を用いてつくられている。
【0016】
図2は、図1のパック電池のX−X線断面図である。
パック電池は、筐体10、筐体10の内部に収容された角型二次電池1、筐体10と角型二次電池1との間に介在する粒子2を有している。この粒子2は、角型二次電池1の表面と直接接触するように充填されている。
【0017】
粒子2は、電気絶縁性を有する樹脂からなり、平均粒径が1μm以上100μm以下である。つまり、粒子2は、シート状よりも粒子状の方が比表面積が大きくなり、吸熱量を増大させることができる。また、過充電時において、二次電池が発熱しても、樹脂の溶融潜熱により、効率よく二次電池の熱吸収を行うことができる。
【0018】
さらに、樹脂からなる粒子の粒径は、70μm以上100μm以下が好ましく、85μm以上95μm以下がより好ましい。粒子2の粒径は1μmより小さいと、粒子−粒子間での熱収支が困難で熱吸収量が著しく低下し、100μmより大きいと、電池内部で起こる発熱を効率よく吸収することができない。
【0019】
また、樹脂は、130℃未満の溶融開始温度を有し、好ましくは、119℃以下である。これは、二次電池の温度を電池の熱暴走温度である130℃未満に抑える理由からである。
ここで、溶融開始温度とは、粒子を不活性雰囲気で密閉系にて、示差走査熱量測定法(DSC)で測定したとき、温度走査範囲が20〜300℃で、昇温速度が5℃/minにて発熱量が0.05W/gを初めて超えたときの温度を示す。
つまり、130℃より高い融点を有する樹脂であっても、粒子状に形成することにより、溶融開始温度を130℃未満にすることができる。
【0020】
このような樹脂としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム(以下、ABSという)、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。
【0021】
図3は、円筒型二次電池を収容したパック電池の一例の横断面図である。
図3より、パック電池は、図2に示した角型二次電池1に代えて、円筒型二次電池8を2本収容したこと以外は、上述した図2のパック電池と同様に構成することができる。
【0022】
次に、パック電池の製造方法について、図2を参照して説明する。
まず、底部パック外装体3内部に粒子2を充填し、そこへ、角型二次電池1を埋没させる。次に、角型二次電池1の上面を覆うように、さらに粒子2を充填し、充填した粒子2を底部パック外装体3の上面と面一になるように整える。そして、上部パック外装体4を底部パック外装体3上に載置し、両者の接触部分を加熱し、あるいは超音波振動を伝えて発熱させて溶着する。また、熱伝導媒体としての役割を有す両面粘着テープ5を用いて、角型二次電池1と上部パック外装体4と封着させてもよい。これにより、電池内部で発生する熱をさらに吸収することができ、電池の信頼性が向上する。
【0023】
実施の形態2
本実施の形態2にかかるパック電池は、樹脂とセラミックスとからなる複合材料の粒子を二次電池と直接接触するように充填したこと以外は、上述した図2または図3のパック電池と同様に構成することができ、また、同様の方法で製造することができる。
【0024】
セラミックスは、電気絶縁性、および熱伝導性を有する。したがって、樹脂のみを用いる場合よりも、樹脂とセラミックスとの複合材料を用いた方が、さらに放熱性と吸熱性に優れた信頼性の高いパック電池を提供することができる。
セラミックスの粒径は0.1μm以上70μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.8μm以上60μm以下である。
このセラミックスとしては、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
これらは単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。
【0025】
次に、樹脂およびセラミックスからなる複合材料の製造方法の一例について説明する。
まず、粒径が1μm以上100μm以下の樹脂100重量部に対して、セラミックス80重量部を均一に混合し、90〜300℃で混練する。そして、得られた複合物を粉砕し、平均粒径が80〜90μmの粒子に造粒する。また、樹脂粒子とセラミックス粒子とを混合して、それぞれが単独で粒子を形成している混合物を用いることもできる。この場合も、樹脂とセラミックスの混合割合は上記と同様である。
【0026】
【実施例】
以下、本発明のパック電池について実施例により詳細に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
まず、本発明の実施例および比較例にかかるパック電池に充填する材料を所定の粒径、および形状になるように調製した。次に、この材料を二次電池の表面に直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
調製した材料の原料、形状および平均粒径ならびに二次電池の種類を表1および2に示す。表中、a〜dは、二次電池の種類と、パック電池に充填する材料の状態を示す。符号aは、角型二次電池に粒子状の材料を接触させて作製したパック電池を示す。符号bは、円筒型二次電池に粒子状の材料を接触させて作製したパック電池を示す。符号cは、角型二次電池に溶融状態の材料を塗布し、固化させて作製したパック電池を示す。符号dは、円筒型二次電池に溶融状態の材料を塗布し、固化させて作製したパック電池を示す。また、表1は実施例、表2は比較例である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
このように作製されたパック電池について、過充電信頼試験を行った。すなわち、電池の充電を開始してから3時間の間に二次電池が到達した最高温度と電池の膨れ量を測定した。二次電池の最高到達温度は、二次電池に電流を流し始めてから、二次電池表面の温度が110℃に達したときに電流を停止し、その後、二次電池の表面温度が到達した最高温度とした。電池の膨れ量は、過充電信頼試験前後の二次電池の厚みの差から式(1)により算出した。試験時の充電電流は400mAとした。
【0031】
膨れ量(%)=(試験後電池厚み−試験前電池厚み)/試験前電池厚み×100 (1)
【0032】
また、過充電信頼試験は、20℃の空気雰囲気中、無風の環境下で行った。
【0033】
パック電池に充填する材料としては、樹脂のみと、樹脂およびセラミックスから作製した複合材料とを用いた。次に、複合材料の製造方法について説明する。まず、ペレット形状の樹脂に、流動パラフィン(和光純薬工業(株)製)を樹脂100重量部に対して、1重量部添加した。そして、樹脂表面が一様に流動パラフィンで覆われるまで撹拌した。続いて、セラミックスを所定量添加し、流動パラフィン表面を一様に覆うまで撹拌した。最後に、樹脂を溶融し、所定の寸法に粉砕した。ここで、セラミックスは、二次凝集をさけるために、添加する前にふるいをかけたものを使用した。
作製された複合材料は、樹脂がセラミックスの表面を被覆した形状を有している。あるいは、セラミックスの表面に樹脂が点在的に存在している形状を有している。
【0034】
表1に示すように、実施例1では、平均粒径が90μmのポリプロピレンの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は120℃、膨れ量は160%であった。
【0035】
実施例2では、平均粒径が10μmのポリプロピレン100重量部と、平均粒径が70μmの窒化ホウ素80重量部から、平均粒径が90μmの複合材料を作製した。そして、この複合材料を角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は115℃、膨れ量は130%であった。
【0036】
実施例3では、平均粒径が10μmのポリプロピレン100重量部と、平均粒径が70μmの酸化アルミニウム100重量部から、平均粒径が90μmの複合材料を作製した。そして、この複合材料を角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は115℃、膨れ量は130%であった。
【0037】
実施例4では、平均粒径が10μmのポリプロピレン100重量部と、平均粒径が70μmの二酸化ケイ素100重量部から、平均粒径が90μmの複合材料を作製した。そして、この複合材料を角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は118℃、膨れ量は140%であった。
【0038】
実施例5では、平均粒径が90μmのポリプロピレンの粒子を、円筒型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は128℃、膨れ量は145%であった。
【0039】
実施例6では、平均粒径が90μmのポリ塩化ビニルの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は123℃、膨れ量は200%であった。
【0040】
実施例7では、平均粒径が10μmのポリ塩化ビニル100重量部と、平均粒径が70μmの窒化ホウ素100重量部から、平均粒径が90μmの複合材料を作製した。そして、この複合材料を角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は110℃、膨れ量は152%であった。
【0041】
実施例8では、平均粒径が90μmのABSの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は123℃、膨れ量は200%であった。
【0042】
実施例9では、平均粒径が10μmのABS100重量部と、平均粒径が70μmの窒化ホウ素100重量部から、平均粒径が90μmの複合材料を作製した。そして、この複合材料を角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は110℃、膨れ量は152%であった。
【0043】
実施例10では、平均粒径が90μmのポリフェニレンオキシドの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は122℃、膨れ量は139%であった。
【0044】
実施例11では、平均粒径が90μmのナイロン66(商標)の粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は125℃、膨れ量は200%であった。
【0045】
実施例12では、平均粒径が90μmのナイロン6(商標)の粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は125℃、膨れ量は200%であった。
【0046】
実施例13では、平均粒径が90μmのポリカーボネートの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は120℃、膨れ量は200%であった。
【0047】
実施例14では、平均粒径が90μmのポリスチレンの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は122℃、膨れ量は178%であった。
【0048】
実施例15では、平均粒径が70μmのスチレン−ブタジエンゴムの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は120℃、膨れ量は156%であった。
【0049】
実施例16では、平均粒径が70μmのシリコーン樹脂(TSE2623、GE東芝シリコーン(株)製)の粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は123℃、膨れ量は167%であった。
【0050】
実施例17では、平均粒径が70μmのアクリル樹脂(デルペット、旭化成(株)製)の粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は125℃、膨れ量は166%であった。
【0051】
実施例18では、平均粒径が70μmのイミド樹脂(ベスペル、デュポン社製)の粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は127℃、膨れ量は193%であった。
【0052】
実施例19では、平均粒径が70μmのフッ素樹脂(ダイエル、ダイキン工業(株)製)の粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は128℃、膨れ量は200%であった。
【0053】
実施例20では、平均粒径が70μmのエポキシ樹脂(KE520、京セラケミカル(株)製)の粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は120℃、膨れ量は170%であった。
【0054】
実施例21では、平均粒径が70μmのポリウレタンの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は122℃、膨れ量は187%であった。
【0055】
実施例22では、平均粒径が70μmのフェノール樹脂(スミライトレジン
、住友ベークライト(株)製)の粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は122℃、膨れ量は184%であった。
【0056】
実施例23では、平均粒径が70μmのメラミン樹脂(スミコン、住友ベークライト(株)製)の粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は125℃、膨れ量は193%であった。
【0057】
実施例24では、平均粒径が10μmのポリプロピレン100重量部と、平均粒径が10μmの塩化ビニル100重量部から、平均粒径が90μmの複合材料を作製した。そして、この複合材料を角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は123℃、膨れ量は200%であった。
【0058】
実施例25では、平均粒径が1μmのポリプロピレンの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は115℃、膨れ量は122%であった。
【0059】
実施例26では、平均粒径が40μmのポリプロピレンの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は116℃、膨れ量は140%であった。
【0060】
続いて、表2に示すように、比較例1では、溶融状態のポリプロピレンを、角型二次電池に塗布し、固化させて、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は140℃であり、二次電池は開封し、液漏れが起こった。
【0061】
比較例2では、平均粒径が150μmのポリプロピレンの粒子を、角型二次電池と直接接触するように充填して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は132℃であり、二次電池は開封し、液漏れが起こった。
【0062】
比較例3では、平均粒径が10μmのポリプロピレン200重量部と、平均粒径が80μmの窒化ホウ素100重量部を均一に混合し、混練して加熱し溶融状態にした。そして、この溶融状態の複合材料を角型二次電池に塗布し、常温で冷却固化して、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は138℃であり、二次電池は開封し、液漏れが起こった。
【0063】
比較例4では、溶融状態のポリプロピレンを、円筒型二次電池に塗布し、固化させて、パック電池を作製した。
このパック電池の最高到達温度は130℃であり、二次電池は開封し、液漏れが起こった。
【0064】
次に、同じ材料を用いた前記実施例と比較例の各パック電池について、過充電信頼試験時のパック電池の温度変化と時間との関係を図4および5に示す。
【0065】
図4は、実施例1と比較例1を比較したものである。図より、電池の温度が110℃に達したときに、電流を停止すると、実施例1のパック電池では、電池の温度は123℃まで上昇後、急激に低下した。つまり、電池の最高到達温度は、液漏れが起こらない130℃未満に抑制することができた。
これに対し、比較例1のパック電池では、電流を停止後、二次電池の温度が130℃を超え、さらに135℃まで達した。その結果、二次電池は開封し、ガスが発生した。
【0066】
図5は、実施例2と比較例3を比較したものである。図より、電池の温度が110℃に達したときに、電流を停止すると、実施例2のパック電池では、電池の温度は115℃まで上昇後、緩やかに低下した。つまり、電池の最高到達温度は、液漏れが起こらない130℃未満に抑制することができた。
これに対し、比較例3のパック電池では、セラミックスをさらに含んでいるため、放熱量が大きく、電池温度の上昇曲線は緩やかになった。しかし、電流を停止後、二次電池の温度は130℃を超え、さらに138℃まで達した。その結果、二次電池は開封し、ガスが発生した。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、樹脂からなる粒子を、二次電池に直接接触させてパック電池を構成したので、樹脂の溶融潜熱による吸熱作用を効率的に利用し、樹脂の吸熱作用により、電池の温度上昇を抑制することができる。前記粒子は、さらにセラミックスを含むことにより、樹脂のみを充填した場合よりも、さらに放熱性と吸熱性に優れた信頼性の高いパック電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる角型二次電池を収容したパック電池の一例の斜視図である。
【図2】同パック電池のX−X線断面図である。
【図3】円筒形二次電池を収容したパック電池の一例の横断面図である。
【図4】本発明の実施例にかかるパック電池の温度変化と時間との関係を説明するための図である。
【図5】別のパック電池の温度変化と時間との関係を説明するための図である。
【図6】角型二次電池を収容した従来のパック電池の横断面図である。
【符号の説明】
1 角型二次電池
2 粒子
3 底部パック外装体
4 上部パック外装体
5 両面粘着テープ
6 外部接触端子
7 被覆体
8 円筒型二次電池
10、20 筐体
Claims (5)
- 少なくとも1つの二次電池、前記二次電池を収容する筐体および前記筐体と前記二次電池との間の空隙に充填された、前記二次電池と接触する粒子からなり、
前記粒子は、樹脂からなり、かつ、平均粒径が1μm以上100μm以下であり、前記樹脂は、電気絶縁性を有し、かつ、溶融開始温度が130℃未満であることを特徴とするパック電池。 - 前記樹脂は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリアミド樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む請求項1記載のパック電池。
- 前記樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムおよびシリコーンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む請求項1記載のパック電池。
- 前記粒子は、さらにセラミックスを含む請求項1記載のパック電池。
- 前記セラミックスは、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む請求項4記載のパック電池。
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