JP2004228532A - 入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体素子と外部電気回路基板との間の高周波信号の伝送効率を向上させ、量産性に優れた半導体素子収納用パッケージとすることのできる入出力端子を提供すること。
【解決手段】入出力端子8は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体3および下面に下部接地導体2を有する誘電体から成る四角平板状の平板部1と、この平板部1の上面に線路導体3の一部を間に挟んで接合された、上面に上部接地導体6が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部5とを具備し、線路導体3の露出した一端部にリード端子4が接合される入出力端子8において、平板部1は、リード端子が接合される側の露出した上面で線路導体3のリード端子4が接合される部位を除いた部位に、リード端子4の線路導体3との接合部を囲む切欠き部を有する誘電体板11が接合されている。
【選択図】 図1
【解決手段】入出力端子8は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体3および下面に下部接地導体2を有する誘電体から成る四角平板状の平板部1と、この平板部1の上面に線路導体3の一部を間に挟んで接合された、上面に上部接地導体6が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部5とを具備し、線路導体3の露出した一端部にリード端子4が接合される入出力端子8において、平板部1は、リード端子が接合される側の露出した上面で線路導体3のリード端子4が接合される部位を除いた部位に、リード端子4の線路導体3との接合部を囲む切欠き部を有する誘電体板11が接合されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波信号で作動する半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージの信号入出力部に使用される入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波帯やミリ波帯等の高周波信号を用いる半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージ(以下、パッケージともいう)には、半導体素子と外部電気回路基板とを電気的に接続するための入出力端子が設けられている。この入出力端子を図6に斜視図で示す。
【0003】
同図において、101はアルミナ(Al2O3)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,ムライト(3Al2O3・2SiO2)質焼結体等の誘電体から成る四角平板状の平板部であり、平板部101はその上面に、一辺から対向する他辺にかけて形成され、タングステン(W),モリブデン(Mo)等のメタライズ層から成る線路導体103が形成され、線路導体103の一端に鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金やFe−Ni合金等から成るリード端子104が銀(Ag)ろう等の導電性接着材を介して接合される。また、平板部101の下面には、その全面に線路導体103と同様のメタライズ層から成る下部接地導体102を有する。
【0004】
また、平板部101の上面には、線路導体103の一部を間に挟んで接合されるとともに、上面に上部接地導体106を有するAl2O3質焼結体,AlN質焼結体,3Al2O3・2SiO2質焼結等の誘電体から成る直方体状の立壁部105が設置される。そのため、線路導体103は、平板部101と立壁部105とに狭持されていない部位のマイクロストリップ線路と、平板部101と立壁部105とに狭持される部位のストリップ線路とから成る。平板部101と立壁部105の線路導体103の線路方向に略平行な側面には線路導体103と同様のメタライズ層から成る側面接地導体107が形成されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0005】
このように、入出力端子108は、平板部101と立壁部105とから構成され、パッケージに設けられることによりパッケージ内外を気密に遮断し、その内部を封止している。
【0006】
このような入出力端子108は、上面の中央部に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠きから成る入出力端子108の取付部が形成された枠体とから成るパッケージにおいて、枠体が金属製である場合(メタルウォールタイプ)は取付部に嵌着されることにより、または枠体がセラミックス製である場合(セラミックウォールタイプ)は、上記の入出力端子108と枠体とが一体的に形成されることにより、内部に収容する半導体素子と外部電気回路基板との間で入出力される信号の伝送線路として機能する。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−100693号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の入出力端子108では、線路導体103を伝送する高周波信号の周波数が高周波になるにつれ、線路導体103とリード端子104とのわずかな接合位置のずれによってインピーダンスの整合性が低下し、線路導体103とリード端子104との接合部を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生し易くなり、その結果、この接合部を伝送する高周波信号の伝送効率が低下して所望の伝送特性が得られ難くなり、パッケージの製造歩留まりが低下するという問題点があった。
【0009】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、半導体素子収納用パッケージに収容した半導体素子に高周波信号を伝送させる入出力端子の線路導体とリード端子との接合部で高周波信号の伝送損失が生ずるのを抑制することにより、半導体素子と外部電気回路基板との間の高周波信号の伝送効率を向上させ、量産性に優れた半導体素子収納用パッケージとすることのできる入出力端子、およびこれを用いた高周波信号の伝送効率および量産性に優れた半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の入出力端子は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体および下面に下部接地導体を有する誘電体から成る四角平板状の平板部と、該平板部の上面に前記線路導体の一部を間に挟んで接合された、上面に上部接地導体が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部とを具備し、前記線路導体の露出した一端部にリード端子が接合される入出力端子において、前記平板部は、前記リード端子が接合される側の露出した上面で前記線路導体の前記リード端子が接合される部位を除いた部位に、前記リード端子の前記線路導体との接合部を囲む切欠き部を有する誘電体板が接合されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の入出力端子は、平板部の上面で線路導体のリード端子が接合される部位を除いた部位に、リード端子の線路導体との接合部を囲む切欠き部を有する誘電体板が接合されていることから、誘電体板の切欠き部にリード端子を嵌め込むことによりリード端子と線路導体とをインピーダンスの整合性を低下させることなく位置精度よく接合することができ、その結果、リード端子と線路導体との接合部を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生するのを有効に抑制することができる。
【0012】
また、誘電体板の切欠き部がリード端子と線路導体とを接合するAgろう等の導電性接着材の流出を防止することができるため、リード端子の一方の側面から端面を経て他方の側面にわたって連続した導電性接着材のなだらかなメニスカスを形成することが可能となり、リード端子と線路導体との接合強度を向上させることができる。
【0013】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面の中央部に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠きから成る入出力端子の取付部が形成された枠体と、前記取付部に嵌着された上記本発明の入出力端子とを具備していることを特徴とする。
【0014】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記の構成により、半導体素子と外部電気回路基板との間の高周波信号の伝送効率の優れたものとなる。そして、所望の伝送特性を有する半導体素子収納用パッケージを高い歩留まりで作製することが可能となり、量産性に優れるものとすることができる。
【0015】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、前記誘電体板の前記切欠き部の内側の前記線路導体に接合されたリード端子と、前記枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることを特徴とする。
【0016】
本発明の半導体装置は、上記の構成により、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高周波信号の伝送効率にすぐれ、量産性に優れたものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置について以下に詳細に説明する。図1は本発明の入出力端子について実施の形態の一例を示す斜視図である。同図において、1は平板部、2は下部接地導体、3は線路導体、5は立壁部、6は上部接地導体、8は入出力端子、11は誘電体板である。
【0018】
本発明の入出力端子8は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体3および下面に下部接地導体2を有する誘電体から成る四角平板状の平板部1と、この平板部1の上面に線路導体3の一部を間に挟んで接合された、上面に上部接地導体6が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部5とを具備している。
【0019】
平板部1は、Al2O3質焼結体,AlN質焼結体,3Al2O3・2SiO2質焼結体等の誘電体からなる四角平板状のものである。
【0020】
線路導体3は、平板部1の上面に一辺から対向する他辺にかけて形成されたW,Mo等のメタライズ層から成り、一端にFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成るリード端子4がAgろう等の導電性接着材を介して接続される。
【0021】
立壁部5は、Al2O3質焼結体,AlN質焼結体,3Al2O3・2SiO2質焼結体等の誘電体からなる直方体状のものであり、平板部1の上面に、間に線路導体3の一部を挟んで接合されている。
【0022】
また、平板部1の下面および立壁部5の上面にはそれぞれ全面に線路導体3と同様のメタライズ層から成る下部接地導体2および上部接地導体6を有する。さらに、平板部1の側面および立壁部5の側面には線路導体3と同様のメタライズ層から成る側面接地導体7が形成されている。これらの下部接地導体2、上部接地導体6および側面接地導体7により、線路導体3に対する接地が強化され、線路導体3の高周波信号の伝送効率に優れたものとなる。
【0023】
また、本発明の平板部1は、その上面で線路導体3のリード端子4が接合される部位を除いた部位に、リード端子4の線路導体3との接合部(以下、単に接合部という場合は、リード端子4と線路導体3との接合部をいう)を囲む切欠き部を有する誘電体板11が接合されている。
【0024】
この構成により、誘電体板11の切欠き部にリード端子4を嵌め込むことによりリード端子4と線路導体3とをインピーダンスの整合性を低下させることなく位置精度よく接合することができ、その結果、リード端子4と線路導体3との接合部を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生するのを有効に抑制することができる。また、誘電体板11の切欠き部がリード端子4と線路導体3とを接合するAgろう等の導電性接着材の流出を防止することができるため、リード端子4の一方の側面から端面を経て他方の側面にわたって連続した導電性接着材のなだらかなメニスカスを形成することが可能となり、リード端子4と線路導体3との接合強度を向上させることができる。
【0025】
このような入出力端子8は以下のようにして作製される。例えば、Al2O3質焼結体(アルミナ質セラミックス)から成る場合、先ず酸化アルミニウム、酸化珪素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して泥漿状と成す。これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成形技術により複数のセラミックグリーンシートを得る。
【0026】
次に、このセラミックグリーンシートに、W,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを、スクリーン印刷法等の厚膜形成技術により印刷塗布して、下部接地導体2、線路導体3、上部接地導体6となるメタライズ層を所定パターンに形成する。その後、セラミックグリーンシートを複数枚積層し、側面接地導体7となるW,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを塗布した後、これを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0027】
誘電体板11の切欠き部は、上記セラミックグリーンシートの一部に打ち抜き加工等の方法により切欠きを形成することにより作製できる。この切欠きを有する誘電体板11となるセラミックグリーンシートは、立壁部5を構成するセラミックグリーンシート積層体の最も下側(平板部1側)のシートと一体となったシートとして形成されるのがよい。これにより、セラミックグリーンシートの積層回数を減らすことによって入出力端子8を効率よく形成することができる。
【0028】
誘電体板11の切欠き部は、図2に拡大上面図で示すように、リード端子4と誘電体板11との間の距離Xが、0.03乃至0.15mmであるのがよい。この構成により、リード端子4を線路導体3上にインピーダンスの整合性を低下させることなく位置精度よく接合することができ、接合部を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生するのを有効に抑制することができる。また、誘電体板11の切欠き部がリード端子4と線路導体3とを接合するAgろう等の導電性接着材の流出を防止することができるため、リード端子4の一方の側面から端面を経て他方の側面にわたって連続した導電性接着材のなだらかなメニスカスを形成することが可能となり、リード端子4と線路導体3との接合強度を向上させることができる。
【0029】
X<0.03mmの場合、リード端子4と誘電体板11との間の距離が非常に近接し、接合部の周囲に導電性接着材の良好なメニスカスを形成するのが困難になり、リード端子4を線路導体3に強固に接合するのが困難になる。またX>0.15mmの場合、誘電体板11の切欠き部の幅がリード端子4の幅に比べて大きすぎ、線路導体3に対してリード端子4がずれ易くなり、接合部を伝送する高周波信号に発生する反射損失等の伝送損失が大きくなリ易い。
【0030】
また、誘電体板11は、図3に拡大断面図で示すように、高さYがリード端子4の厚みtに対して、t/2乃至2tであるのがよい。この構成により、リード端子4と線路導体3との接合部を伝送する高周波信号を効率よく伝送させることができる。
【0031】
Y<t/2の場合、リード端子4の厚みに対して誘電体板11の高さが低く成りすぎ、リード端子4を線路導体3に導電性接着材によって接合する際に、リード端子4が誘電体板11に乗り上がって線路導体3に対する位置がずれた状態で接合され易くなる。また、Y>2tの場合、リード端子4の接合部の周囲が誘電体板11からなる誘電体の壁で囲まれることとなり、この誘電体板11で囲まれる部分と囲まれていない部分とでリード端子4を伝送する高周波信号から下部接地導体2へ向けて発生する電界の分布が異なるものとなって、リード端子4を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生し易くなる。
【0032】
より好ましくは、Yを0.8t乃至1.2tとするのがよい。これにより、リード端子4上面から下部接地導体2に向けて発生する電界の分布を、線路導体3から下部接地導体2に向けて発生する電界の分布と略同じとすることができ、接合部におけるインピーダンスを整合させ線路導体3を伝送する高周波信号に伝送損失が発生するのをより有効に抑制できる。
【0033】
また、接合部を囲むように形成された誘電体板11の幅Wは、0.2mm以上であるのがよい。0.2mm未満であると、誘電体板11の強度が弱くなりリード端子4を位置合わせする際に破損し易くなる。
【0034】
好ましくは、誘電体板11はリード端子4が接合される部位を除いた線路導体3の表面を覆うように形成されているのがよい。この場合、誘電体板11と立壁部5とは同じ誘電体であるため、立壁部5に覆われる線路導体4と誘電体板11で覆われる線路導体4との電界分布がより近いものとなり、高周波信号の伝送損失をより小さくすることができる。
【0035】
さらに、誘電体板11は、図1に示すように接合部側の平板部1上面のリード端子4との接合部を除くほぼ全面にわたって形成されているのがよい。これにより、立壁部5の構成と同様に、誘電体板11の側面にも側面接地導体7を形成して線路導体3の接地をより強化することができ、インピーダンスの整合性をより向上させて高周波信号の伝送効率をより向上させることができる。
【0036】
次に、本発明のパッケージについて図4に基づいて説明する。同図は本発明のパッケージについて実施の形態の一例を示す斜視図であり、21は基体、22は枠体、23は取付部である。
【0037】
本発明のパッケージは、上面の中央部に半導体素子25が載置される載置部21aを有する基体21と、この基体21の上面に載置部21aを囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠きから成る入出力端子8の取付部23が形成された枠体22と、取付部23に嵌着された入出力端子8とを具備している。
【0038】
これにより、半導体素子25と外部電気回路基板との間の高周波信号の伝送効率の優れたものとなる。そして、所望の伝送特性を有するパッケージを高い歩留まりで作製することが可能となり、量産性に優れるものとすることができる。
【0039】
基体21は、上面にIC,LSI,半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の半導体素子25を載置するための載置部21aを有している。図4では載置部21aを凹部とした例を示したが、基体21の上面を平坦にしてその上面に載置部21aを形成してもよい。
【0040】
基体21は、Fe−Ni−Co合金,銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属、またはAl2O3質焼結体,AlN質焼結体,3Al2O3・2SiO2質焼結体等の誘電体からなる。基体21が金属からなる場合、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。一方、基体21がセラミックスから成る場合、その原料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカレンダーロール法等によってセラミックグリーンシートと成し、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これを複数枚積層し約1600℃の高温で焼成することによって作製される。
【0041】
なお、基体21が金属からなる場合、その表面に耐蝕性に優れ、かつろう材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmの金(Au)層とを順次めっき法により被着させておくのがよい。これにより、基体21が酸化腐蝕するのを有効に防止できるとともに、基体21上面の載置部21aに半導体素子25を強固に接着固定させることができる。一方、基体21がセラミックスから成る場合、載置部21aに、W,Mo等のメタライズ層を下地層として形成し、この表面に耐蝕性に優れ、かつろう材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmのAu層とを順次めっき法により被着させておくのがよい。これにより、載置部21aに半導体素子25を強固に接着固定することができる。
【0042】
枠体22は、基体21上に載置部21aを囲繞するようにAgろう、Ag−Cuろう材等の高融点金属ろう材により接合されており、基体21と同様に誘電体または金属から成る。また、枠体22の側部には、貫通孔または切欠きから成る入出力端子8の取付部23が形成されている。なお、図4に示すように、基体21にも同様の切欠きを設けて入出力端子8の取付部23の一部が形成されていてもよい。
【0043】
取付部23は、枠体22および基体21が誘電体からなる場合、内面にメタライズ層等の導電層が形成されている。この導電層は、基体21および/または枠体22に被着形成された接地導体に接続されて接地されている。
【0044】
取付部23には本発明の入出力端子8がAgろう、Ag−Cuろう材等の高融点金属ろう材により嵌着接合されている。そして、入出力端子8の下部接地導体2、上部接地導体6および側面接地導体7は、枠体22および基体21が誘電体からなる場合、取付部23の内面に形成された導電層に接続されることにより接地され、ケースグランドとなる。あるいは、枠体22および基体21が金属からなる場合、入出力端子8の下部接地導体2、上部接地導体6および側面接地導体7は、金属製の枠体22や基体21に接続されて接地され、ケースグランドとなる。また、入出力端子8の上部接地導体6は、図4に示すように枠体22の上面に取着されるFe−Ni−Co合金等の金属からなるシールリング24に接続されて接地され、ケースグランドとなっていてもよい。
【0045】
なお、枠体22が誘電体から成る場合、入出力端子8は枠体22の一部として一体的に成形されてもよい。
【0046】
このような本発明のパッケージは、入出力端子8を具備していることから、高周波信号の誘電体損失を最小限に抑えて高周波信号の伝送損失を小さくした、良好な伝送特性を有するものとなる。
【0047】
そして、このようなパッケージの載置部21aに半導体素子25を載置した後、半導体素子25の電極と線路導体3とをボンディングワイヤ等の接続手段(図示せず)を介して接続し、誘電体板11の切欠き部内部の線路導体3にFe−Ni−Co合金等の金属からなるリード端子4をAgろうなどの導電性接着材を介して接合して、半導体素子25と外部電気回路基板とを電気的に接続する。次に、必要に応じて枠体22の上面にシールリング24を鉛(Pb)−錫(Sn)半田やAu−Sn半田等の低融点金属ろう材やAg−Cuろう材等の高融点金属ろう材等により取着し、シールリング24の上面にFe−Ni−Co合金等から成る蓋体26を半田付けやシームウエルド法等により取着することにより、半導体素子25がパッケージ内部に収納された製品としての半導体装置となる。
【0048】
また、図4の実施の形態では枠体22の対向する側部に入出力端子8を2つ設けているが、必要に応じて他の側部に設けてもよく、または1つの側部に複数の入出力端子8を取り付けてもよく、この場合取付部23を1つの側部に複数設けて入出力端子8を並列的に複数取り付ければよい。
【0049】
このような本発明の半導体装置は、上記本発明の入出力端子8を具備していることから、高周波信号の誘電体損失を最小限に抑えて高周波信号の伝送損失を小さくし、伝送効率を良好に保持することができる。
【0050】
【実施例】
本発明の入出力端子の実施例を以下に説明する。
【0051】
図1の入出力端子8を以下のように作製した。Al2O3質焼結体から成る四角平板状の平板部1の上面にWのメタライズ層から成る線路導体3を、下面にWのメタライズ層から成る下部接地導体2を設けた。また、平板部1の上面に、Wのメタライズ層から成る上部接地導体6を有したAl2O3質焼結体から成る直方体状の立壁部5を、線路導体3の一部を間に挟んでろう付けした。平板部1および立壁部5の線路方向に平行な両側面には線路導体3と同様のメタライズ層から成る側面接地導体7を設け、平板部1上面のリード端子4の線路導体3との接合部を除く全面に立壁部5と同様のAl2O3セラミックスから成る誘電体板11を設けることにより、入出力端子8を製作した。そして、線路導体3の一端にFe−Ni−Co合金から成るリード端子4をAgろうを介して接合することにより、サンプルAを作製した。
【0052】
サンプルAにおいて、リード端子4は幅0.4mm、厚みtが0.2mmであり、図2でX=0.03mm,図3でY=0.2mmとした。
【0053】
また、比較例として、平板部1上面に誘電体板11を設けていないものを上記実施例と同様に作製し、これをサンプルBとした。
【0054】
そして、サンプルA,Bについて、線路導体3とリード端子4との間に1〜25GHzの高周波信号を入力してその反射損失を測定した。その結果を図5に示す。図5より、比較例としての誘電体板11のないサンプルBは1〜25GHzの全周波数帯域で反射損失が大きくなっていることが判った。また、サンプルBにおいて、リード端子4は線路導体3の所定の位置から線路方向に0.2mm、線路方向と垂直な方向に0.2mmそれぞれずれて接合されていたことが判った。
【0055】
これに対し、本発明の入出力端子8であるサンプルAは、特に、13GHz以上のより高周波の帯域で反射損失が低減されており、より大容量の情報を高速で処理する半導体装置に対して有効なものであることが判った。また、リード端子4の線路導体3の所定の位置からのずれはなく、位置精度よくリード端子4が接合されていることが判った。
【0056】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を施すことは何等差し支えない。
【0057】
【発明の効果】
本発明の入出力端子は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体および下面に下部接地導体を有する誘電体から成る四角平板状の平板部と、この平板部の上面に線路導体の一部を間に挟んで接合された、上面に上部接地導体が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部とを具備し、線路導体の露出した一端部にリード端子が接合される入出力端子において、平板部は、リード端子が接合される側の露出した上面で線路導体のリード端子が接合される部位を除いた部位に、リード端子の線路導体との接合部を囲む切欠き部を有する誘電体板が接合されていることから、誘電体板の切欠き部にリード端子を嵌め込むことによりリード端子と線路導体とをインピーダンスの整合性を低下させることなく位置精度よく接合することができ、その結果、リード端子と線路導体との接合部を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生するのを有効に抑制することができる。
【0058】
また、誘電体板の切欠き部がリード端子と線路導体とを接合するAgろう等の導電性接着材の流出を防止することができるため、リード端子の一方の側面から端面を経て他方の側面にわたって連続した導電性接着材のなだらかなメニスカスを形成することが可能となり、リード端子と線路導体との接合強度を向上させることができる。
【0059】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面の中央部に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠きから成る入出力端子の取付部が形成された枠体と、取付部に嵌着された上記本発明の入出力端子とを具備していることにより、半導体素子と外部電気回路基板との間の高周波信号の伝送効率の優れたものとなる。そして、所望の伝送特性を有する半導体素子収納用パッケージを高い歩留まりで作製することが可能となり、量産性に優れるものとすることができる。
【0060】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともに入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、誘電体板の切欠き部の内側の線路導体に接合されたリード端子と、枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることにより、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高周波信号の伝送効率にすぐれ、量産性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の入出力端子について実施の形態の例を示す斜視図である。
【図2】図1の入出力端子について、リード端子と線路導体との接合部における要部拡大上面図である。
【図3】図2のリード端子と線路導体との接合部における要部拡大断面図である。
【図4】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の入出力端子と従来の入出力端子について高周波信号の反射損失を測定した結果のグラフである。
【図6】従来の入出力端子の斜視図である。
【符号の説明】
1:平板部
2:下部接地導体
3:線路導体
4:リード端子
5:立壁部
6:上部接地導体
8:入出力端子
11:誘電体板
21:基体
22:枠体
23:取付部
25:半導体素子
26:蓋体
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波信号で作動する半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージの信号入出力部に使用される入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波帯やミリ波帯等の高周波信号を用いる半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージ(以下、パッケージともいう)には、半導体素子と外部電気回路基板とを電気的に接続するための入出力端子が設けられている。この入出力端子を図6に斜視図で示す。
【0003】
同図において、101はアルミナ(Al2O3)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,ムライト(3Al2O3・2SiO2)質焼結体等の誘電体から成る四角平板状の平板部であり、平板部101はその上面に、一辺から対向する他辺にかけて形成され、タングステン(W),モリブデン(Mo)等のメタライズ層から成る線路導体103が形成され、線路導体103の一端に鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金やFe−Ni合金等から成るリード端子104が銀(Ag)ろう等の導電性接着材を介して接合される。また、平板部101の下面には、その全面に線路導体103と同様のメタライズ層から成る下部接地導体102を有する。
【0004】
また、平板部101の上面には、線路導体103の一部を間に挟んで接合されるとともに、上面に上部接地導体106を有するAl2O3質焼結体,AlN質焼結体,3Al2O3・2SiO2質焼結等の誘電体から成る直方体状の立壁部105が設置される。そのため、線路導体103は、平板部101と立壁部105とに狭持されていない部位のマイクロストリップ線路と、平板部101と立壁部105とに狭持される部位のストリップ線路とから成る。平板部101と立壁部105の線路導体103の線路方向に略平行な側面には線路導体103と同様のメタライズ層から成る側面接地導体107が形成されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0005】
このように、入出力端子108は、平板部101と立壁部105とから構成され、パッケージに設けられることによりパッケージ内外を気密に遮断し、その内部を封止している。
【0006】
このような入出力端子108は、上面の中央部に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠きから成る入出力端子108の取付部が形成された枠体とから成るパッケージにおいて、枠体が金属製である場合(メタルウォールタイプ)は取付部に嵌着されることにより、または枠体がセラミックス製である場合(セラミックウォールタイプ)は、上記の入出力端子108と枠体とが一体的に形成されることにより、内部に収容する半導体素子と外部電気回路基板との間で入出力される信号の伝送線路として機能する。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−100693号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の入出力端子108では、線路導体103を伝送する高周波信号の周波数が高周波になるにつれ、線路導体103とリード端子104とのわずかな接合位置のずれによってインピーダンスの整合性が低下し、線路導体103とリード端子104との接合部を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生し易くなり、その結果、この接合部を伝送する高周波信号の伝送効率が低下して所望の伝送特性が得られ難くなり、パッケージの製造歩留まりが低下するという問題点があった。
【0009】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、半導体素子収納用パッケージに収容した半導体素子に高周波信号を伝送させる入出力端子の線路導体とリード端子との接合部で高周波信号の伝送損失が生ずるのを抑制することにより、半導体素子と外部電気回路基板との間の高周波信号の伝送効率を向上させ、量産性に優れた半導体素子収納用パッケージとすることのできる入出力端子、およびこれを用いた高周波信号の伝送効率および量産性に優れた半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の入出力端子は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体および下面に下部接地導体を有する誘電体から成る四角平板状の平板部と、該平板部の上面に前記線路導体の一部を間に挟んで接合された、上面に上部接地導体が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部とを具備し、前記線路導体の露出した一端部にリード端子が接合される入出力端子において、前記平板部は、前記リード端子が接合される側の露出した上面で前記線路導体の前記リード端子が接合される部位を除いた部位に、前記リード端子の前記線路導体との接合部を囲む切欠き部を有する誘電体板が接合されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の入出力端子は、平板部の上面で線路導体のリード端子が接合される部位を除いた部位に、リード端子の線路導体との接合部を囲む切欠き部を有する誘電体板が接合されていることから、誘電体板の切欠き部にリード端子を嵌め込むことによりリード端子と線路導体とをインピーダンスの整合性を低下させることなく位置精度よく接合することができ、その結果、リード端子と線路導体との接合部を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生するのを有効に抑制することができる。
【0012】
また、誘電体板の切欠き部がリード端子と線路導体とを接合するAgろう等の導電性接着材の流出を防止することができるため、リード端子の一方の側面から端面を経て他方の側面にわたって連続した導電性接着材のなだらかなメニスカスを形成することが可能となり、リード端子と線路導体との接合強度を向上させることができる。
【0013】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面の中央部に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠きから成る入出力端子の取付部が形成された枠体と、前記取付部に嵌着された上記本発明の入出力端子とを具備していることを特徴とする。
【0014】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記の構成により、半導体素子と外部電気回路基板との間の高周波信号の伝送効率の優れたものとなる。そして、所望の伝送特性を有する半導体素子収納用パッケージを高い歩留まりで作製することが可能となり、量産性に優れるものとすることができる。
【0015】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、前記誘電体板の前記切欠き部の内側の前記線路導体に接合されたリード端子と、前記枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることを特徴とする。
【0016】
本発明の半導体装置は、上記の構成により、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高周波信号の伝送効率にすぐれ、量産性に優れたものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置について以下に詳細に説明する。図1は本発明の入出力端子について実施の形態の一例を示す斜視図である。同図において、1は平板部、2は下部接地導体、3は線路導体、5は立壁部、6は上部接地導体、8は入出力端子、11は誘電体板である。
【0018】
本発明の入出力端子8は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体3および下面に下部接地導体2を有する誘電体から成る四角平板状の平板部1と、この平板部1の上面に線路導体3の一部を間に挟んで接合された、上面に上部接地導体6が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部5とを具備している。
【0019】
平板部1は、Al2O3質焼結体,AlN質焼結体,3Al2O3・2SiO2質焼結体等の誘電体からなる四角平板状のものである。
【0020】
線路導体3は、平板部1の上面に一辺から対向する他辺にかけて形成されたW,Mo等のメタライズ層から成り、一端にFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成るリード端子4がAgろう等の導電性接着材を介して接続される。
【0021】
立壁部5は、Al2O3質焼結体,AlN質焼結体,3Al2O3・2SiO2質焼結体等の誘電体からなる直方体状のものであり、平板部1の上面に、間に線路導体3の一部を挟んで接合されている。
【0022】
また、平板部1の下面および立壁部5の上面にはそれぞれ全面に線路導体3と同様のメタライズ層から成る下部接地導体2および上部接地導体6を有する。さらに、平板部1の側面および立壁部5の側面には線路導体3と同様のメタライズ層から成る側面接地導体7が形成されている。これらの下部接地導体2、上部接地導体6および側面接地導体7により、線路導体3に対する接地が強化され、線路導体3の高周波信号の伝送効率に優れたものとなる。
【0023】
また、本発明の平板部1は、その上面で線路導体3のリード端子4が接合される部位を除いた部位に、リード端子4の線路導体3との接合部(以下、単に接合部という場合は、リード端子4と線路導体3との接合部をいう)を囲む切欠き部を有する誘電体板11が接合されている。
【0024】
この構成により、誘電体板11の切欠き部にリード端子4を嵌め込むことによりリード端子4と線路導体3とをインピーダンスの整合性を低下させることなく位置精度よく接合することができ、その結果、リード端子4と線路導体3との接合部を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生するのを有効に抑制することができる。また、誘電体板11の切欠き部がリード端子4と線路導体3とを接合するAgろう等の導電性接着材の流出を防止することができるため、リード端子4の一方の側面から端面を経て他方の側面にわたって連続した導電性接着材のなだらかなメニスカスを形成することが可能となり、リード端子4と線路導体3との接合強度を向上させることができる。
【0025】
このような入出力端子8は以下のようにして作製される。例えば、Al2O3質焼結体(アルミナ質セラミックス)から成る場合、先ず酸化アルミニウム、酸化珪素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して泥漿状と成す。これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成形技術により複数のセラミックグリーンシートを得る。
【0026】
次に、このセラミックグリーンシートに、W,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを、スクリーン印刷法等の厚膜形成技術により印刷塗布して、下部接地導体2、線路導体3、上部接地導体6となるメタライズ層を所定パターンに形成する。その後、セラミックグリーンシートを複数枚積層し、側面接地導体7となるW,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを塗布した後、これを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0027】
誘電体板11の切欠き部は、上記セラミックグリーンシートの一部に打ち抜き加工等の方法により切欠きを形成することにより作製できる。この切欠きを有する誘電体板11となるセラミックグリーンシートは、立壁部5を構成するセラミックグリーンシート積層体の最も下側(平板部1側)のシートと一体となったシートとして形成されるのがよい。これにより、セラミックグリーンシートの積層回数を減らすことによって入出力端子8を効率よく形成することができる。
【0028】
誘電体板11の切欠き部は、図2に拡大上面図で示すように、リード端子4と誘電体板11との間の距離Xが、0.03乃至0.15mmであるのがよい。この構成により、リード端子4を線路導体3上にインピーダンスの整合性を低下させることなく位置精度よく接合することができ、接合部を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生するのを有効に抑制することができる。また、誘電体板11の切欠き部がリード端子4と線路導体3とを接合するAgろう等の導電性接着材の流出を防止することができるため、リード端子4の一方の側面から端面を経て他方の側面にわたって連続した導電性接着材のなだらかなメニスカスを形成することが可能となり、リード端子4と線路導体3との接合強度を向上させることができる。
【0029】
X<0.03mmの場合、リード端子4と誘電体板11との間の距離が非常に近接し、接合部の周囲に導電性接着材の良好なメニスカスを形成するのが困難になり、リード端子4を線路導体3に強固に接合するのが困難になる。またX>0.15mmの場合、誘電体板11の切欠き部の幅がリード端子4の幅に比べて大きすぎ、線路導体3に対してリード端子4がずれ易くなり、接合部を伝送する高周波信号に発生する反射損失等の伝送損失が大きくなリ易い。
【0030】
また、誘電体板11は、図3に拡大断面図で示すように、高さYがリード端子4の厚みtに対して、t/2乃至2tであるのがよい。この構成により、リード端子4と線路導体3との接合部を伝送する高周波信号を効率よく伝送させることができる。
【0031】
Y<t/2の場合、リード端子4の厚みに対して誘電体板11の高さが低く成りすぎ、リード端子4を線路導体3に導電性接着材によって接合する際に、リード端子4が誘電体板11に乗り上がって線路導体3に対する位置がずれた状態で接合され易くなる。また、Y>2tの場合、リード端子4の接合部の周囲が誘電体板11からなる誘電体の壁で囲まれることとなり、この誘電体板11で囲まれる部分と囲まれていない部分とでリード端子4を伝送する高周波信号から下部接地導体2へ向けて発生する電界の分布が異なるものとなって、リード端子4を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生し易くなる。
【0032】
より好ましくは、Yを0.8t乃至1.2tとするのがよい。これにより、リード端子4上面から下部接地導体2に向けて発生する電界の分布を、線路導体3から下部接地導体2に向けて発生する電界の分布と略同じとすることができ、接合部におけるインピーダンスを整合させ線路導体3を伝送する高周波信号に伝送損失が発生するのをより有効に抑制できる。
【0033】
また、接合部を囲むように形成された誘電体板11の幅Wは、0.2mm以上であるのがよい。0.2mm未満であると、誘電体板11の強度が弱くなりリード端子4を位置合わせする際に破損し易くなる。
【0034】
好ましくは、誘電体板11はリード端子4が接合される部位を除いた線路導体3の表面を覆うように形成されているのがよい。この場合、誘電体板11と立壁部5とは同じ誘電体であるため、立壁部5に覆われる線路導体4と誘電体板11で覆われる線路導体4との電界分布がより近いものとなり、高周波信号の伝送損失をより小さくすることができる。
【0035】
さらに、誘電体板11は、図1に示すように接合部側の平板部1上面のリード端子4との接合部を除くほぼ全面にわたって形成されているのがよい。これにより、立壁部5の構成と同様に、誘電体板11の側面にも側面接地導体7を形成して線路導体3の接地をより強化することができ、インピーダンスの整合性をより向上させて高周波信号の伝送効率をより向上させることができる。
【0036】
次に、本発明のパッケージについて図4に基づいて説明する。同図は本発明のパッケージについて実施の形態の一例を示す斜視図であり、21は基体、22は枠体、23は取付部である。
【0037】
本発明のパッケージは、上面の中央部に半導体素子25が載置される載置部21aを有する基体21と、この基体21の上面に載置部21aを囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠きから成る入出力端子8の取付部23が形成された枠体22と、取付部23に嵌着された入出力端子8とを具備している。
【0038】
これにより、半導体素子25と外部電気回路基板との間の高周波信号の伝送効率の優れたものとなる。そして、所望の伝送特性を有するパッケージを高い歩留まりで作製することが可能となり、量産性に優れるものとすることができる。
【0039】
基体21は、上面にIC,LSI,半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の半導体素子25を載置するための載置部21aを有している。図4では載置部21aを凹部とした例を示したが、基体21の上面を平坦にしてその上面に載置部21aを形成してもよい。
【0040】
基体21は、Fe−Ni−Co合金,銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属、またはAl2O3質焼結体,AlN質焼結体,3Al2O3・2SiO2質焼結体等の誘電体からなる。基体21が金属からなる場合、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。一方、基体21がセラミックスから成る場合、その原料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカレンダーロール法等によってセラミックグリーンシートと成し、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これを複数枚積層し約1600℃の高温で焼成することによって作製される。
【0041】
なお、基体21が金属からなる場合、その表面に耐蝕性に優れ、かつろう材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmの金(Au)層とを順次めっき法により被着させておくのがよい。これにより、基体21が酸化腐蝕するのを有効に防止できるとともに、基体21上面の載置部21aに半導体素子25を強固に接着固定させることができる。一方、基体21がセラミックスから成る場合、載置部21aに、W,Mo等のメタライズ層を下地層として形成し、この表面に耐蝕性に優れ、かつろう材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmのAu層とを順次めっき法により被着させておくのがよい。これにより、載置部21aに半導体素子25を強固に接着固定することができる。
【0042】
枠体22は、基体21上に載置部21aを囲繞するようにAgろう、Ag−Cuろう材等の高融点金属ろう材により接合されており、基体21と同様に誘電体または金属から成る。また、枠体22の側部には、貫通孔または切欠きから成る入出力端子8の取付部23が形成されている。なお、図4に示すように、基体21にも同様の切欠きを設けて入出力端子8の取付部23の一部が形成されていてもよい。
【0043】
取付部23は、枠体22および基体21が誘電体からなる場合、内面にメタライズ層等の導電層が形成されている。この導電層は、基体21および/または枠体22に被着形成された接地導体に接続されて接地されている。
【0044】
取付部23には本発明の入出力端子8がAgろう、Ag−Cuろう材等の高融点金属ろう材により嵌着接合されている。そして、入出力端子8の下部接地導体2、上部接地導体6および側面接地導体7は、枠体22および基体21が誘電体からなる場合、取付部23の内面に形成された導電層に接続されることにより接地され、ケースグランドとなる。あるいは、枠体22および基体21が金属からなる場合、入出力端子8の下部接地導体2、上部接地導体6および側面接地導体7は、金属製の枠体22や基体21に接続されて接地され、ケースグランドとなる。また、入出力端子8の上部接地導体6は、図4に示すように枠体22の上面に取着されるFe−Ni−Co合金等の金属からなるシールリング24に接続されて接地され、ケースグランドとなっていてもよい。
【0045】
なお、枠体22が誘電体から成る場合、入出力端子8は枠体22の一部として一体的に成形されてもよい。
【0046】
このような本発明のパッケージは、入出力端子8を具備していることから、高周波信号の誘電体損失を最小限に抑えて高周波信号の伝送損失を小さくした、良好な伝送特性を有するものとなる。
【0047】
そして、このようなパッケージの載置部21aに半導体素子25を載置した後、半導体素子25の電極と線路導体3とをボンディングワイヤ等の接続手段(図示せず)を介して接続し、誘電体板11の切欠き部内部の線路導体3にFe−Ni−Co合金等の金属からなるリード端子4をAgろうなどの導電性接着材を介して接合して、半導体素子25と外部電気回路基板とを電気的に接続する。次に、必要に応じて枠体22の上面にシールリング24を鉛(Pb)−錫(Sn)半田やAu−Sn半田等の低融点金属ろう材やAg−Cuろう材等の高融点金属ろう材等により取着し、シールリング24の上面にFe−Ni−Co合金等から成る蓋体26を半田付けやシームウエルド法等により取着することにより、半導体素子25がパッケージ内部に収納された製品としての半導体装置となる。
【0048】
また、図4の実施の形態では枠体22の対向する側部に入出力端子8を2つ設けているが、必要に応じて他の側部に設けてもよく、または1つの側部に複数の入出力端子8を取り付けてもよく、この場合取付部23を1つの側部に複数設けて入出力端子8を並列的に複数取り付ければよい。
【0049】
このような本発明の半導体装置は、上記本発明の入出力端子8を具備していることから、高周波信号の誘電体損失を最小限に抑えて高周波信号の伝送損失を小さくし、伝送効率を良好に保持することができる。
【0050】
【実施例】
本発明の入出力端子の実施例を以下に説明する。
【0051】
図1の入出力端子8を以下のように作製した。Al2O3質焼結体から成る四角平板状の平板部1の上面にWのメタライズ層から成る線路導体3を、下面にWのメタライズ層から成る下部接地導体2を設けた。また、平板部1の上面に、Wのメタライズ層から成る上部接地導体6を有したAl2O3質焼結体から成る直方体状の立壁部5を、線路導体3の一部を間に挟んでろう付けした。平板部1および立壁部5の線路方向に平行な両側面には線路導体3と同様のメタライズ層から成る側面接地導体7を設け、平板部1上面のリード端子4の線路導体3との接合部を除く全面に立壁部5と同様のAl2O3セラミックスから成る誘電体板11を設けることにより、入出力端子8を製作した。そして、線路導体3の一端にFe−Ni−Co合金から成るリード端子4をAgろうを介して接合することにより、サンプルAを作製した。
【0052】
サンプルAにおいて、リード端子4は幅0.4mm、厚みtが0.2mmであり、図2でX=0.03mm,図3でY=0.2mmとした。
【0053】
また、比較例として、平板部1上面に誘電体板11を設けていないものを上記実施例と同様に作製し、これをサンプルBとした。
【0054】
そして、サンプルA,Bについて、線路導体3とリード端子4との間に1〜25GHzの高周波信号を入力してその反射損失を測定した。その結果を図5に示す。図5より、比較例としての誘電体板11のないサンプルBは1〜25GHzの全周波数帯域で反射損失が大きくなっていることが判った。また、サンプルBにおいて、リード端子4は線路導体3の所定の位置から線路方向に0.2mm、線路方向と垂直な方向に0.2mmそれぞれずれて接合されていたことが判った。
【0055】
これに対し、本発明の入出力端子8であるサンプルAは、特に、13GHz以上のより高周波の帯域で反射損失が低減されており、より大容量の情報を高速で処理する半導体装置に対して有効なものであることが判った。また、リード端子4の線路導体3の所定の位置からのずれはなく、位置精度よくリード端子4が接合されていることが判った。
【0056】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を施すことは何等差し支えない。
【0057】
【発明の効果】
本発明の入出力端子は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体および下面に下部接地導体を有する誘電体から成る四角平板状の平板部と、この平板部の上面に線路導体の一部を間に挟んで接合された、上面に上部接地導体が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部とを具備し、線路導体の露出した一端部にリード端子が接合される入出力端子において、平板部は、リード端子が接合される側の露出した上面で線路導体のリード端子が接合される部位を除いた部位に、リード端子の線路導体との接合部を囲む切欠き部を有する誘電体板が接合されていることから、誘電体板の切欠き部にリード端子を嵌め込むことによりリード端子と線路導体とをインピーダンスの整合性を低下させることなく位置精度よく接合することができ、その結果、リード端子と線路導体との接合部を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生するのを有効に抑制することができる。
【0058】
また、誘電体板の切欠き部がリード端子と線路導体とを接合するAgろう等の導電性接着材の流出を防止することができるため、リード端子の一方の側面から端面を経て他方の側面にわたって連続した導電性接着材のなだらかなメニスカスを形成することが可能となり、リード端子と線路導体との接合強度を向上させることができる。
【0059】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面の中央部に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠きから成る入出力端子の取付部が形成された枠体と、取付部に嵌着された上記本発明の入出力端子とを具備していることにより、半導体素子と外部電気回路基板との間の高周波信号の伝送効率の優れたものとなる。そして、所望の伝送特性を有する半導体素子収納用パッケージを高い歩留まりで作製することが可能となり、量産性に優れるものとすることができる。
【0060】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともに入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、誘電体板の切欠き部の内側の線路導体に接合されたリード端子と、枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることにより、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高周波信号の伝送効率にすぐれ、量産性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の入出力端子について実施の形態の例を示す斜視図である。
【図2】図1の入出力端子について、リード端子と線路導体との接合部における要部拡大上面図である。
【図3】図2のリード端子と線路導体との接合部における要部拡大断面図である。
【図4】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の入出力端子と従来の入出力端子について高周波信号の反射損失を測定した結果のグラフである。
【図6】従来の入出力端子の斜視図である。
【符号の説明】
1:平板部
2:下部接地導体
3:線路導体
4:リード端子
5:立壁部
6:上部接地導体
8:入出力端子
11:誘電体板
21:基体
22:枠体
23:取付部
25:半導体素子
26:蓋体
Claims (3)
- 上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体および下面に下部接地導体を有する誘電体から成る四角平板状の平板部と、該平板部の上面に前記線路導体の一部を間に挟んで接合された、上面に上部接地導体が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部とを具備し、前記線路導体の露出した一端部にリード端子が接合される入出力端子において、前記平板部は、前記リード端子が接合される側の露出した上面で前記線路導体の前記リード端子が接合される部位を除いた部位に、前記リード端子の前記線路導体との接合部を囲む切欠き部を有する誘電体板が接合されていることを特徴とする入出力端子。
- 上面の中央部に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠きから成る入出力端子の取付部が形成された枠体と、前記取付部に嵌着された請求項1記載の入出力端子とを具備していることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項2記載の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、前記誘電体板の前記切欠き部の内側の前記線路導体に接合されたリード端子と、前記枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることを特徴とする半導体装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003018002A JP2004228532A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003018002A JP2004228532A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004228532A true JP2004228532A (ja) | 2004-08-12 |
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ID=32904996
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003018002A Pending JP2004228532A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004228532A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011181897A (ja) * | 2010-02-03 | 2011-09-15 | Toshiba Corp | 半導体素子収納用パッケージ及びそれを用いた半導体装置 |
| JP2014216513A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | 京セラ株式会社 | 光半導体素子収納用パッケージおよびこれを備えた実装構造体 |
| WO2018155282A1 (ja) * | 2017-02-23 | 2018-08-30 | 京セラ株式会社 | 絶縁基体、半導体パッケージおよび半導体装置 |
| CN114450787A (zh) * | 2020-07-20 | 2022-05-06 | 日本电信电话株式会社 | 高频封装 |
-
2003
- 2003-01-27 JP JP2003018002A patent/JP2004228532A/ja active Pending
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