JP2004228539A - Icチップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】両面粘着テープとウエハとを剥離する工程においてウエハが完全に自己剥離することができるICチップの製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、光照射により気体を発生する気体発生剤を少なくとも一方の面の粘着層に含有する両面粘着テープの、前記気体発生剤を含有する面とウエハとを貼り合わせて、前記ウエハを支持板に固定する工程1、前記ウエハを、前記両面粘着テープを介して前記支持板に固定した状態で研磨する工程2、前記両面粘着テープに光を照射する工程3、及び、前記ウエハから前記両面粘着テープを剥離する工程4を有するICチップの製造方法であって、工程3における気体発生速度が10μL/cm2・分以上であるICチップの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも、光照射により気体を発生する気体発生剤を少なくとも一方の面の粘着層に含有する両面粘着テープの、前記気体発生剤を含有する面とウエハとを貼り合わせて、前記ウエハを支持板に固定する工程1、前記ウエハを、前記両面粘着テープを介して前記支持板に固定した状態で研磨する工程2、前記両面粘着テープに光を照射する工程3、及び、前記ウエハから前記両面粘着テープを剥離する工程4を有するICチップの製造方法であって、工程3における気体発生速度が10μL/cm2・分以上であるICチップの製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面粘着テープとウエハとを剥離する工程においてウエハが完全に自己剥離することができるICチップの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路(ICチップ)は、通常純度の高い棒状の半導体単結晶等をスライスしてウエハとしたのち、フォトレジストを利用してウエハ表面に所定の回路パターンを形成して、次いでウエハ裏面を研磨機により研磨して、ウエハの厚さを100〜600μm程度まで薄くし、最後にダイシングしてチップ化することにより、製造されている。
【0003】
ここで、上記研磨時には、ウエハ表面に粘着シート類(研磨用テープ)を貼り付けて、ウエハの破損を防止して、研磨加工を容易にしており、上記ダイシング時には、ウエハ裏面側に粘着シート類(ダイシングテープ)を貼り付けて、ウエハを接着固定した状態でダイシングし、形成されたチップをダイシングテープのフィルム基材側よりニードルで突き上げてピックアップし、ダイパッド上に固定させている。
【0004】
近年、ICチップの用途が広がるにつれて、ICカード類に用いたり、積層して使用したりすることができる厚さ50μm程度の極めて薄い半導体ウエハも要求されるようになってきた。しかしながら、厚さが50μm程度の半導体ウエハは、従来の厚さが100〜600μm程度の半導体ウエハに比べて反りが大きく衝撃により割れやすくなるので取扱性に劣り、従来の半導体ウエハと同様に加工しようとすると、破損する場合がある。
【0005】
厚さが50μm程度の半導体ウエハは、衝撃を受けやすい研磨工程又はダイシング工程で破損する危険性が高く、また、ICチップの電極上にバンプを作製する際にも破損しやすいため歩留まりが悪い。このため、厚さ50μm程度の薄い半導体ウエハからICチップを製造する過程におけるウエハの取扱性の向上が重要な課題となっていた。
【0006】
特許文献1では、ウエハを支持体に固定する両面粘着テープの粘着層に発泡剤を含有せしめ、該発泡剤を発泡させることにより粘着力を低下させてウエハを両面粘着テープから自己剥離させる方法が提案されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法は熱膨張性マイクロカプセルの発泡により、粘着テープの表面に凹凸を形成させて接着面積を低減させ接着力を低下させることから、完全な自己剥離は達成できなかった。また、マイクロカプセルが膨張した後でコアに存在する炭化水素ガスが抜け出てくるため、勢い良くガスが噴出するものではなかった。
【0007】
このようにガス発生量が充分でないと、発生したガスにより接着界面にガスの抜け道ができてしまい、一旦ガスの抜け道ができると、発生したガスが接着界面を押し上げきれず、接着界面が部分的に浮き上がり、接着部分が島状に残る不完全な剥離が起こる場合があった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭63−30581号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、両面粘着テープとウエハとを剥離する工程においてウエハが完全に自己剥離することができるICチップの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも、光照射により気体を発生する気体発生剤を少なくとも一方の面の粘着層に含有する両面粘着テープの、上記気体発生剤を含有する面とウエハとを貼り合わせて、上記ウエハを支持板に固定する工程1、上記ウエハを、上記両面粘着テープを介して上記支持板に固定した状態で研磨する工程2、上記両面粘着テープに光を照射する工程3、及び、上記ウエハから上記両面粘着テープを剥離する工程4を有するICチップの製造方法であって、工程3における気体放出速度が5μL/cm2・分以上であるICチップの製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0011】
本発明のICチップの製造方法は、両面粘着テープを介して、ウエハを支持板に固定する工程を有する。
上記支持板に固定することにより、ウエハの取扱い性が向上し、厚さ50μm程度の極めて薄いウエハであってもウエハの破損等を防止し、良好にICチップへの加工を行うことができる。
この時点でのウエハは、シリコン単結晶やガリウム砒素単結晶等をスライスして半導体ウエハとし、ウエハ表面に所定の回路パターンが形成されたものであり、厚さ500μm〜1mm程度のものである。このウエハを支持板に固定するに際しては、ウエハの回路が形成されている面と両面粘着テープとを貼り合わせる。
【0012】
上記支持板としては特に限定されないが、光を透過又は通過させるために透明であるものが好ましい。かかる支持板としては、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、PET、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の樹脂からなる板状体等が挙げられる。
【0013】
上記支持板の厚さの好ましい下限は500μm、好ましい上限は3mmであり、より好ましい下限は1mm、より好ましい上限は2mmである。また、上記支持板の厚さのばらつきは、1%以下であることが好ましい。
【0014】
上記両面粘着テープは、光照射により気体を発生する気体発生剤を少なくとも一方の面の粘着層に含有する。
上記粘着テープは、基材の両面に粘着剤層が形成されたサポートテープであってもよいし、基材を有しないノンサポートテープであってもよい。
上記基材としては特に限定されないが、光を透過又は通過するものであることが好ましく、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
【0015】
上記気体発生剤から気体を発生させるための光としては、例えば、紫外線や可視光線等が挙げられる。上記気体発生剤を含有する粘着剤層は、光が透過又は通過できるものであることが好ましい。
上記光照射により気体を発生する気体発生剤としては特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アジド化合物が好適に用いられる。
【0016】
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハンドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミダイン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミダイン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
ICチップの製造においては、必要に応じて高温処理を行う工程が入ることから、これらのなかでも熱分解温度の高い2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)が好適である。
これらのアゾ化合物は、光を照射することにより窒素ガスを発生する。
【0017】
上記アジド化合物としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド;3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。
これらのアジド化合物は、光を照射することにより窒素ガスを発生する。
【0018】
これらの気体発生剤のうち、上記アジド化合物は衝撃を与えることによっても容易に分解して窒素ガスを放出することから、取り扱いが困難であるという問題がある。更に、上記アジド化合物は、いったん分解が始まると連鎖反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出しその制御ができないことから、爆発的に発生した窒素ガスによってウエハが損傷することがあるという問題もある。かかる問題から上記アジド化合物の使用量は限定されるが、限定された使用量では充分な効果が得られないことがある。
【0019】
一方、上記アゾ化合物は、アジド化合物とは異なり衝撃によっては気体を発生しないことから取り扱いが極めて容易である。また、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生することもないためウエハを損傷することもなく、光の照射を中断すれば気体の発生も中断できることから、用途に合わせた接着性の制御が可能であるという利点もある。従って、上記気体発生剤としては、アゾ化合物を用いることがより好ましい。
【0020】
上記気体発生剤を含有することにより、上記両面粘着テープに光を照射すると気体発生剤から気体が発生して、接着面の少なくとも一部を剥がすことにより、粘着力が低下して被着体を容易に剥離することができる。
粘着剤100重量部当たり、気体発生剤は5重量部〜50重量部の割合で含有されることが望ましい。5重量部を下回る場合には、ガス発生量が不足し、所望の剥離性が得られないことがある。
また、50重量部を上回る場合には、溶解性が悪化し、ブリード等の不具合が発生することがある。
【0021】
上記気体発生剤を含有する面を構成する粘着剤は、刺激により粘着力が低下する刺激硬化型粘着剤であることが好ましい。刺激硬化型粘着剤の粘着力を低下させる刺激は、光照射であってもよいし、熱、超音波等の他の刺激であってもよい。このような刺激硬化型粘着剤としては、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、必要に応じて光重合開始剤を含んでなる光硬化型粘着剤や、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、熱重合開始剤を含んでなる熱硬化型粘着剤等からなるものが挙げられる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーの1分子あたりの官能基数は5以上であることが好ましい。5未満であると、粘着剤の硬化(架橋)が不充分となり接着力の低下が充分でないことがある。
上記刺激硬化型粘着剤もまた、本発明の1つである。
【0022】
このような光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘着剤等の後硬化型粘着剤は、光の照射又は加熱により粘着剤層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。また、硬い硬化物中で気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、被着体から粘着剤の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
【0023】
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
【0024】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
【0025】
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
【0026】
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
【0027】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
【0028】
上記多官能オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴマー状のエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0029】
好ましくは、上記多官能オリゴマーまたはモノマーが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマー100重量部に対し、10〜100重量部の割合で配合され、10重量部を下回る場合には、硬化性が不足し、所望の弾性率が得られなく、所望の剥離性が得られないことがある。
【0030】
また、100重量部を上回る場合には、溶解性が悪化し、ブリード等の不具合が発生する。また、刺激(光)印可前に、未架橋成分として配合されるため、初期凝集力が得られないことがある。
【0031】
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0032】
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、具体的には例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好適である。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上いずれも日本油脂製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0033】
上記後硬化型粘着剤には、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
【0034】
本発明のICチップの製造方法では、上記両面粘着テープの気体発生剤を含有する面とウエハとを貼り合わせることにより、上記両面粘着テープを介してウエハを支持板に固定する。より平面性よく貼り合わせるために、真空ラミネーター等を用いて真空状態で貼り合わせを行うことが好ましい。
ウエハを支持板に固定することにより、50μm程度の非常に薄いウエハが補強されウエハが搬送や加工される際に欠けたり割れたりすることがなく、また、両面粘着テープはICチップを製造する一連の工程が終了した際、光を照射することにより容易にICチップから剥離することができる。
【0035】
本発明のICチップの製造方法では、次いで、ウエハを支持板に固定した状態で研磨する。支持板に固定することにより、研磨工程におけるウエハの破損を防止することができ、また、ウエハを平滑に研磨することができる。
【0036】
次に、本発明のICチップの製造方法では、両面粘着テープに光を照射する。これにより、両面粘着テープのウエハと接する面の粘着層中の気体発生剤から気体が発生し、両面粘着テープとウエハとの間の粘着力を低下させることができる。
【0037】
本発明のICチップの製造方法では、透明支持板とウエハに貼り合わせた両面粘着テープの透明支持板側から光を照射した際の気体放出速度は5μL/cm2・分以上である。5μL/cm2・分未満であると、粘着テープの粘着層が完全にはウエハから剥離せず、接着部分が島状に残ることがある。前述のように、粘着剤の少なくとも表面部分において、粘着剤100重量部に対し、気体発生剤5〜50重量部を配合することにより、この気体放出速度が達成され得る。なお、本明細書において、気体放出速度は、図1に示すように、照射面をガラスでシールした密封チャンバーを作製し、チャンバーの出口をゴムチューブでメスピペットにつなぎ、更にメスピペットのもう1つの出口をゴムチューブでロートにつなぎ、水を適当量いれ、メスピペットを垂直に立て、三方弁を開け、ロートの位置を調整することにより、水面の位置を0点に調整し、三方弁を閉め、常圧下において光を照射し、発生する気体を補集し、10秒ごとに気体の積算発生量を求め、照射されたシートの表面積で割ることにより算出される。
【0038】
本発明のICチップの製造方法では、全照射量の1/3の光を照射した時点でのウエハと接する面の粘着層のゲル分率が90%以上であることが好ましい。ゲル分率を90%以上とするには、光反応性の多官能オリゴマーを、上記重合性ポリマー100重量部に対し、10〜100重量部の割合で配合すればよい。90%未満であると、気体発生開始時の粘着層の硬さが充分ではなく、発生した気体の勢いが軟らかい粘着層に吸収されるか、又は、粘着層が発泡してしまい、自己剥離が起こりにくいことがある。なお、本明細書において、全照射量とは、自己剥離が起こり、ウエハが浮き上がるときまでに照射された積算光量を意味する。
【0039】
本発明のICチップの製造方法では、全照射量の1/3の光を照射した時点でのウエハと接する面の粘着層の弾性率が5×104Pa以上であることが好ましい。弾性率を5×104Pa以上とするには、光反応性の多官能オリゴマーを、上記重合性ポリマー100重量部に対し、10〜100重量部の範囲で配合すればよい。5×104Pa未満であると、気体発生開始時の粘着層の硬さが充分ではなく、発生した気体の勢いが軟らかい粘着層に吸収され、自己剥離が起こりにくいことがある。
【0040】
本発明において、上記両面粘着テープに照射する光の全照射量としては、特に限定されず、支持体の厚さ、粘着層中の気体発生剤の含量等により、適宜決定することができるが、通常20〜60mW/cm2程度の強度の光を照射し、積算して2000〜6000mJ/cm2のエネルギーの光を照射する。このため、全照射量の1/3の光とは、例えば、積算光量が2000mJ/cm2である場合は700mJ/cm2程度の照射量をいう。
なお、照射装置としては、スキャン式の照射装置は均一な照射が難しいことから部分的に剥離しその結果ウエハが割れてしまうことがあるので、できれば照射面に均一に光を照射することができる照射装置で照射することが好ましい。
【0041】
次に、本発明のICチップの製造方法では、ウエハから両面粘着テープを剥離する。上記両面粘着テープとウエハとの間の粘着力は低下しているので、ウエハから両面粘着テープを容易に剥離することができる。
【0042】
なお、通常の工程では研磨工程終了後、光を照射して気体を発生させてウエハを剥離する前に、研磨したウエハにダイシングテープを貼り付け、その後ウエハを剥離してからダイシングを行う。ただし、これらの工程については、必要に応じて適宜省略したり、順番を変えたりしてもかまわない。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0044】
(実施例1)
<粘着剤の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレート(3官能)40重量部、ポリイソシアネート0.5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.1重量部を混合し粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を調製した。
ブチルアクリレート 79重量部
エチルアクリレート 15重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
【0045】
粘着剤(1)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)30重量部、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部、イルガキュア4重量部及びポリイソシアネート0.5重量部を混合して、気体発生剤を含有する粘着剤(2)を調製した。
【0046】
<両面粘着テープの作製>
粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理を施した厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。次いで、粘着剤(1)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置養生を行った。
【0047】
粘着剤(2)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤(2)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
【0048】
次いで、粘着剤(1)層を設けたコロナ処理を施したPETフィルムの粘着剤(1)層のないコロナ処理を施した面と、粘着剤(2)層を設けた離型処理が施されたPETフィルムの粘着剤(2)層の面とを貼り合わせた。これにより両面に粘着剤層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの粘着剤層はいずれも透明であった。
【0049】
<ICチップの製造>
(シリコンウエハとガラス板との貼り合わせ)
両面粘着テープの粘着剤(2)層を保護するPETフィルムを剥がし、ラミネーターを用いて直径20cm、厚さ約700μmのシリコンウエハに貼り付けた後、シリコンウエハの大きさに合わせて両面粘着テープを切断した。次に、粘着剤(1)層を保護するPETフィルムを剥がし、真空状態において直径20.4cmのガラス板を粘着剤(1)層に貼り付けた。接着面は接着直後から強く接着していた。
【0050】
(研磨工程)
ガラス板で補強されたシリコンウエハを研磨装置に取りつけ、シリコンウエハの厚さが約50μmになるまで研磨した。このとき、研磨の摩擦熱によりシリコンウエハの温度が上昇しないように、シリコンウエハに水を散布しながら作業を行った。研磨装置からシリコンウエハを取り外し、ダイシングテープをシリコンウエハの上に貼り付けた。
【0051】
(UV照射工程)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照度が24mW/cm2となるよう照度を調節して125秒間照射した(積算光量3000mJ/cm2)。
【0052】
(ウエハの剥離工程)
シリコンウエハを固定し、ガラス板を真上に引っ張って両面粘着テープとともにシリコンウエハから剥がした。なお、両面粘着テープは、発生した気体により押し上げられて浮き上がり、自ら剥離しており、シリコンウエハには糊残りは認められなかった。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0053】
(実施例2)
UV照射工程において、365nmの紫外線をガラス板表面への照度が60mW/cm2となるよう照度を調節して50秒間照射した(積算光量3000mJ/cm2)こと以外は、実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0054】
(実施例3)
粘着剤(2)を調製する際に、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)の使用量を50重量部、及び、2,4−ジエチルチオキサントンの使用量を6重量部としたこと以外は、実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0055】
(実施例4)
粘着剤(2)を調製する際に、2,4−ジエチルチオキサントンの使用量を7.2重量部としたこと以外は、実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0056】
(実施例5)
UV照射工程において、100℃の雰囲気下で、ガラス板表面への紫外線照射を行なったこと以外は実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0057】
(実施例6)
粘着剤(1)を調製する際に、ペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部の代りにNKオリゴU324A(新中村化学工業社製、ウレタンアクリレート(10官能))30重量部を使用し、UV照射工程において、365nmの紫外線をガラス板表面への照度が7mW/cm2となるよう照度を調節して125秒間照射した(積算光量880mJ/cm2)こと以外は、実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0058】
なお、実施例1〜6において、気体放出速度はいずれも10μL/cm2・分以上であり、全照射量の1/3照射時のゲル分率はすべて95%以上であった。
【0059】
(比較例1)
UV照射工程において、365nmの紫外線をガラス板表面への照度が7mW/cm2となるよう照度を調節して125秒間照射した(積算光量880mJ/cm2)こと以外は実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、2回は両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができたが、1回は剥離できずガラス板が割れてしまった。
【0060】
(比較例2)
UV照射工程において、365nmの紫外線をガラス板表面への照度が7mW/cm2となるよう照度を調節して42秒間照射した(積算光量300mJ/cm2)こと以外は実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを剥離することができず、ガラス板が割れてしまった。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、両面粘着テープとウエハとを剥離する工程においてウエハが完全に自己剥離することができるICチップの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】気体放出速度を測定するための装置を示す図である。
【符号の説明】
1 両面粘着テープ
2 メスピペット
3 三方弁
4 開閉コック
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面粘着テープとウエハとを剥離する工程においてウエハが完全に自己剥離することができるICチップの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路(ICチップ)は、通常純度の高い棒状の半導体単結晶等をスライスしてウエハとしたのち、フォトレジストを利用してウエハ表面に所定の回路パターンを形成して、次いでウエハ裏面を研磨機により研磨して、ウエハの厚さを100〜600μm程度まで薄くし、最後にダイシングしてチップ化することにより、製造されている。
【0003】
ここで、上記研磨時には、ウエハ表面に粘着シート類(研磨用テープ)を貼り付けて、ウエハの破損を防止して、研磨加工を容易にしており、上記ダイシング時には、ウエハ裏面側に粘着シート類(ダイシングテープ)を貼り付けて、ウエハを接着固定した状態でダイシングし、形成されたチップをダイシングテープのフィルム基材側よりニードルで突き上げてピックアップし、ダイパッド上に固定させている。
【0004】
近年、ICチップの用途が広がるにつれて、ICカード類に用いたり、積層して使用したりすることができる厚さ50μm程度の極めて薄い半導体ウエハも要求されるようになってきた。しかしながら、厚さが50μm程度の半導体ウエハは、従来の厚さが100〜600μm程度の半導体ウエハに比べて反りが大きく衝撃により割れやすくなるので取扱性に劣り、従来の半導体ウエハと同様に加工しようとすると、破損する場合がある。
【0005】
厚さが50μm程度の半導体ウエハは、衝撃を受けやすい研磨工程又はダイシング工程で破損する危険性が高く、また、ICチップの電極上にバンプを作製する際にも破損しやすいため歩留まりが悪い。このため、厚さ50μm程度の薄い半導体ウエハからICチップを製造する過程におけるウエハの取扱性の向上が重要な課題となっていた。
【0006】
特許文献1では、ウエハを支持体に固定する両面粘着テープの粘着層に発泡剤を含有せしめ、該発泡剤を発泡させることにより粘着力を低下させてウエハを両面粘着テープから自己剥離させる方法が提案されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法は熱膨張性マイクロカプセルの発泡により、粘着テープの表面に凹凸を形成させて接着面積を低減させ接着力を低下させることから、完全な自己剥離は達成できなかった。また、マイクロカプセルが膨張した後でコアに存在する炭化水素ガスが抜け出てくるため、勢い良くガスが噴出するものではなかった。
【0007】
このようにガス発生量が充分でないと、発生したガスにより接着界面にガスの抜け道ができてしまい、一旦ガスの抜け道ができると、発生したガスが接着界面を押し上げきれず、接着界面が部分的に浮き上がり、接着部分が島状に残る不完全な剥離が起こる場合があった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭63−30581号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、両面粘着テープとウエハとを剥離する工程においてウエハが完全に自己剥離することができるICチップの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも、光照射により気体を発生する気体発生剤を少なくとも一方の面の粘着層に含有する両面粘着テープの、上記気体発生剤を含有する面とウエハとを貼り合わせて、上記ウエハを支持板に固定する工程1、上記ウエハを、上記両面粘着テープを介して上記支持板に固定した状態で研磨する工程2、上記両面粘着テープに光を照射する工程3、及び、上記ウエハから上記両面粘着テープを剥離する工程4を有するICチップの製造方法であって、工程3における気体放出速度が5μL/cm2・分以上であるICチップの製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0011】
本発明のICチップの製造方法は、両面粘着テープを介して、ウエハを支持板に固定する工程を有する。
上記支持板に固定することにより、ウエハの取扱い性が向上し、厚さ50μm程度の極めて薄いウエハであってもウエハの破損等を防止し、良好にICチップへの加工を行うことができる。
この時点でのウエハは、シリコン単結晶やガリウム砒素単結晶等をスライスして半導体ウエハとし、ウエハ表面に所定の回路パターンが形成されたものであり、厚さ500μm〜1mm程度のものである。このウエハを支持板に固定するに際しては、ウエハの回路が形成されている面と両面粘着テープとを貼り合わせる。
【0012】
上記支持板としては特に限定されないが、光を透過又は通過させるために透明であるものが好ましい。かかる支持板としては、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、PET、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の樹脂からなる板状体等が挙げられる。
【0013】
上記支持板の厚さの好ましい下限は500μm、好ましい上限は3mmであり、より好ましい下限は1mm、より好ましい上限は2mmである。また、上記支持板の厚さのばらつきは、1%以下であることが好ましい。
【0014】
上記両面粘着テープは、光照射により気体を発生する気体発生剤を少なくとも一方の面の粘着層に含有する。
上記粘着テープは、基材の両面に粘着剤層が形成されたサポートテープであってもよいし、基材を有しないノンサポートテープであってもよい。
上記基材としては特に限定されないが、光を透過又は通過するものであることが好ましく、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
【0015】
上記気体発生剤から気体を発生させるための光としては、例えば、紫外線や可視光線等が挙げられる。上記気体発生剤を含有する粘着剤層は、光が透過又は通過できるものであることが好ましい。
上記光照射により気体を発生する気体発生剤としては特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アジド化合物が好適に用いられる。
【0016】
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハンドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミダイン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミダイン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
ICチップの製造においては、必要に応じて高温処理を行う工程が入ることから、これらのなかでも熱分解温度の高い2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)が好適である。
これらのアゾ化合物は、光を照射することにより窒素ガスを発生する。
【0017】
上記アジド化合物としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド;3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。
これらのアジド化合物は、光を照射することにより窒素ガスを発生する。
【0018】
これらの気体発生剤のうち、上記アジド化合物は衝撃を与えることによっても容易に分解して窒素ガスを放出することから、取り扱いが困難であるという問題がある。更に、上記アジド化合物は、いったん分解が始まると連鎖反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出しその制御ができないことから、爆発的に発生した窒素ガスによってウエハが損傷することがあるという問題もある。かかる問題から上記アジド化合物の使用量は限定されるが、限定された使用量では充分な効果が得られないことがある。
【0019】
一方、上記アゾ化合物は、アジド化合物とは異なり衝撃によっては気体を発生しないことから取り扱いが極めて容易である。また、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生することもないためウエハを損傷することもなく、光の照射を中断すれば気体の発生も中断できることから、用途に合わせた接着性の制御が可能であるという利点もある。従って、上記気体発生剤としては、アゾ化合物を用いることがより好ましい。
【0020】
上記気体発生剤を含有することにより、上記両面粘着テープに光を照射すると気体発生剤から気体が発生して、接着面の少なくとも一部を剥がすことにより、粘着力が低下して被着体を容易に剥離することができる。
粘着剤100重量部当たり、気体発生剤は5重量部〜50重量部の割合で含有されることが望ましい。5重量部を下回る場合には、ガス発生量が不足し、所望の剥離性が得られないことがある。
また、50重量部を上回る場合には、溶解性が悪化し、ブリード等の不具合が発生することがある。
【0021】
上記気体発生剤を含有する面を構成する粘着剤は、刺激により粘着力が低下する刺激硬化型粘着剤であることが好ましい。刺激硬化型粘着剤の粘着力を低下させる刺激は、光照射であってもよいし、熱、超音波等の他の刺激であってもよい。このような刺激硬化型粘着剤としては、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、必要に応じて光重合開始剤を含んでなる光硬化型粘着剤や、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、熱重合開始剤を含んでなる熱硬化型粘着剤等からなるものが挙げられる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーの1分子あたりの官能基数は5以上であることが好ましい。5未満であると、粘着剤の硬化(架橋)が不充分となり接着力の低下が充分でないことがある。
上記刺激硬化型粘着剤もまた、本発明の1つである。
【0022】
このような光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘着剤等の後硬化型粘着剤は、光の照射又は加熱により粘着剤層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。また、硬い硬化物中で気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、被着体から粘着剤の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
【0023】
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
【0024】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
【0025】
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
【0026】
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
【0027】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
【0028】
上記多官能オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴマー状のエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0029】
好ましくは、上記多官能オリゴマーまたはモノマーが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマー100重量部に対し、10〜100重量部の割合で配合され、10重量部を下回る場合には、硬化性が不足し、所望の弾性率が得られなく、所望の剥離性が得られないことがある。
【0030】
また、100重量部を上回る場合には、溶解性が悪化し、ブリード等の不具合が発生する。また、刺激(光)印可前に、未架橋成分として配合されるため、初期凝集力が得られないことがある。
【0031】
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0032】
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、具体的には例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好適である。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上いずれも日本油脂製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0033】
上記後硬化型粘着剤には、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
【0034】
本発明のICチップの製造方法では、上記両面粘着テープの気体発生剤を含有する面とウエハとを貼り合わせることにより、上記両面粘着テープを介してウエハを支持板に固定する。より平面性よく貼り合わせるために、真空ラミネーター等を用いて真空状態で貼り合わせを行うことが好ましい。
ウエハを支持板に固定することにより、50μm程度の非常に薄いウエハが補強されウエハが搬送や加工される際に欠けたり割れたりすることがなく、また、両面粘着テープはICチップを製造する一連の工程が終了した際、光を照射することにより容易にICチップから剥離することができる。
【0035】
本発明のICチップの製造方法では、次いで、ウエハを支持板に固定した状態で研磨する。支持板に固定することにより、研磨工程におけるウエハの破損を防止することができ、また、ウエハを平滑に研磨することができる。
【0036】
次に、本発明のICチップの製造方法では、両面粘着テープに光を照射する。これにより、両面粘着テープのウエハと接する面の粘着層中の気体発生剤から気体が発生し、両面粘着テープとウエハとの間の粘着力を低下させることができる。
【0037】
本発明のICチップの製造方法では、透明支持板とウエハに貼り合わせた両面粘着テープの透明支持板側から光を照射した際の気体放出速度は5μL/cm2・分以上である。5μL/cm2・分未満であると、粘着テープの粘着層が完全にはウエハから剥離せず、接着部分が島状に残ることがある。前述のように、粘着剤の少なくとも表面部分において、粘着剤100重量部に対し、気体発生剤5〜50重量部を配合することにより、この気体放出速度が達成され得る。なお、本明細書において、気体放出速度は、図1に示すように、照射面をガラスでシールした密封チャンバーを作製し、チャンバーの出口をゴムチューブでメスピペットにつなぎ、更にメスピペットのもう1つの出口をゴムチューブでロートにつなぎ、水を適当量いれ、メスピペットを垂直に立て、三方弁を開け、ロートの位置を調整することにより、水面の位置を0点に調整し、三方弁を閉め、常圧下において光を照射し、発生する気体を補集し、10秒ごとに気体の積算発生量を求め、照射されたシートの表面積で割ることにより算出される。
【0038】
本発明のICチップの製造方法では、全照射量の1/3の光を照射した時点でのウエハと接する面の粘着層のゲル分率が90%以上であることが好ましい。ゲル分率を90%以上とするには、光反応性の多官能オリゴマーを、上記重合性ポリマー100重量部に対し、10〜100重量部の割合で配合すればよい。90%未満であると、気体発生開始時の粘着層の硬さが充分ではなく、発生した気体の勢いが軟らかい粘着層に吸収されるか、又は、粘着層が発泡してしまい、自己剥離が起こりにくいことがある。なお、本明細書において、全照射量とは、自己剥離が起こり、ウエハが浮き上がるときまでに照射された積算光量を意味する。
【0039】
本発明のICチップの製造方法では、全照射量の1/3の光を照射した時点でのウエハと接する面の粘着層の弾性率が5×104Pa以上であることが好ましい。弾性率を5×104Pa以上とするには、光反応性の多官能オリゴマーを、上記重合性ポリマー100重量部に対し、10〜100重量部の範囲で配合すればよい。5×104Pa未満であると、気体発生開始時の粘着層の硬さが充分ではなく、発生した気体の勢いが軟らかい粘着層に吸収され、自己剥離が起こりにくいことがある。
【0040】
本発明において、上記両面粘着テープに照射する光の全照射量としては、特に限定されず、支持体の厚さ、粘着層中の気体発生剤の含量等により、適宜決定することができるが、通常20〜60mW/cm2程度の強度の光を照射し、積算して2000〜6000mJ/cm2のエネルギーの光を照射する。このため、全照射量の1/3の光とは、例えば、積算光量が2000mJ/cm2である場合は700mJ/cm2程度の照射量をいう。
なお、照射装置としては、スキャン式の照射装置は均一な照射が難しいことから部分的に剥離しその結果ウエハが割れてしまうことがあるので、できれば照射面に均一に光を照射することができる照射装置で照射することが好ましい。
【0041】
次に、本発明のICチップの製造方法では、ウエハから両面粘着テープを剥離する。上記両面粘着テープとウエハとの間の粘着力は低下しているので、ウエハから両面粘着テープを容易に剥離することができる。
【0042】
なお、通常の工程では研磨工程終了後、光を照射して気体を発生させてウエハを剥離する前に、研磨したウエハにダイシングテープを貼り付け、その後ウエハを剥離してからダイシングを行う。ただし、これらの工程については、必要に応じて適宜省略したり、順番を変えたりしてもかまわない。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0044】
(実施例1)
<粘着剤の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレート(3官能)40重量部、ポリイソシアネート0.5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.1重量部を混合し粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を調製した。
ブチルアクリレート 79重量部
エチルアクリレート 15重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
【0045】
粘着剤(1)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)30重量部、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部、イルガキュア4重量部及びポリイソシアネート0.5重量部を混合して、気体発生剤を含有する粘着剤(2)を調製した。
【0046】
<両面粘着テープの作製>
粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理を施した厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。次いで、粘着剤(1)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置養生を行った。
【0047】
粘着剤(2)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤(2)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
【0048】
次いで、粘着剤(1)層を設けたコロナ処理を施したPETフィルムの粘着剤(1)層のないコロナ処理を施した面と、粘着剤(2)層を設けた離型処理が施されたPETフィルムの粘着剤(2)層の面とを貼り合わせた。これにより両面に粘着剤層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの粘着剤層はいずれも透明であった。
【0049】
<ICチップの製造>
(シリコンウエハとガラス板との貼り合わせ)
両面粘着テープの粘着剤(2)層を保護するPETフィルムを剥がし、ラミネーターを用いて直径20cm、厚さ約700μmのシリコンウエハに貼り付けた後、シリコンウエハの大きさに合わせて両面粘着テープを切断した。次に、粘着剤(1)層を保護するPETフィルムを剥がし、真空状態において直径20.4cmのガラス板を粘着剤(1)層に貼り付けた。接着面は接着直後から強く接着していた。
【0050】
(研磨工程)
ガラス板で補強されたシリコンウエハを研磨装置に取りつけ、シリコンウエハの厚さが約50μmになるまで研磨した。このとき、研磨の摩擦熱によりシリコンウエハの温度が上昇しないように、シリコンウエハに水を散布しながら作業を行った。研磨装置からシリコンウエハを取り外し、ダイシングテープをシリコンウエハの上に貼り付けた。
【0051】
(UV照射工程)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照度が24mW/cm2となるよう照度を調節して125秒間照射した(積算光量3000mJ/cm2)。
【0052】
(ウエハの剥離工程)
シリコンウエハを固定し、ガラス板を真上に引っ張って両面粘着テープとともにシリコンウエハから剥がした。なお、両面粘着テープは、発生した気体により押し上げられて浮き上がり、自ら剥離しており、シリコンウエハには糊残りは認められなかった。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0053】
(実施例2)
UV照射工程において、365nmの紫外線をガラス板表面への照度が60mW/cm2となるよう照度を調節して50秒間照射した(積算光量3000mJ/cm2)こと以外は、実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0054】
(実施例3)
粘着剤(2)を調製する際に、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)の使用量を50重量部、及び、2,4−ジエチルチオキサントンの使用量を6重量部としたこと以外は、実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0055】
(実施例4)
粘着剤(2)を調製する際に、2,4−ジエチルチオキサントンの使用量を7.2重量部としたこと以外は、実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0056】
(実施例5)
UV照射工程において、100℃の雰囲気下で、ガラス板表面への紫外線照射を行なったこと以外は実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0057】
(実施例6)
粘着剤(1)を調製する際に、ペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部の代りにNKオリゴU324A(新中村化学工業社製、ウレタンアクリレート(10官能))30重量部を使用し、UV照射工程において、365nmの紫外線をガラス板表面への照度が7mW/cm2となるよう照度を調節して125秒間照射した(積算光量880mJ/cm2)こと以外は、実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができた。
【0058】
なお、実施例1〜6において、気体放出速度はいずれも10μL/cm2・分以上であり、全照射量の1/3照射時のゲル分率はすべて95%以上であった。
【0059】
(比較例1)
UV照射工程において、365nmの紫外線をガラス板表面への照度が7mW/cm2となるよう照度を調節して125秒間照射した(積算光量880mJ/cm2)こと以外は実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、2回は両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを容易に剥離することができたが、1回は剥離できずガラス板が割れてしまった。
【0060】
(比較例2)
UV照射工程において、365nmの紫外線をガラス板表面への照度が7mW/cm2となるよう照度を調節して42秒間照射した(積算光量300mJ/cm2)こと以外は実施例1と同様にした。
1連の工程を3回行なったところ、3回とも両面粘着テープが接着した状態のガラス板からシリコンウエハを剥離することができず、ガラス板が割れてしまった。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、両面粘着テープとウエハとを剥離する工程においてウエハが完全に自己剥離することができるICチップの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】気体放出速度を測定するための装置を示す図である。
【符号の説明】
1 両面粘着テープ
2 メスピペット
3 三方弁
4 開閉コック
Claims (4)
- 少なくとも、
光照射により気体を発生する気体発生剤を少なくとも一方の面の粘着層に含有する両面粘着テープの、前記気体発生剤を含有する面とウエハとを貼り合わせて、前記ウエハを支持板に固定する工程1、
前記ウエハを、前記両面粘着テープを介して前記支持板に固定した状態で研磨する工程2、
前記両面粘着テープに光を照射する工程3、及び、
前記ウエハから前記両面粘着テープを剥離する工程4を有するICチップの製造方法であって、
工程3における気体放出速度が5μL/cm2・分以上である
ことを特徴とするICチップの製造方法。 - 工程3における全照射量の1/3の光を照射した時点でのウエハと接する面の粘着層のゲル分率が90%以上であることを特徴とする請求項1記載のICチップの製造方法。
- 工程3における全照射量の1/3の光を照射した時点でのウエハと接する面の粘着層の弾性率が5×104Pa以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のICチップの製造方法。
- 多官能モノマー又は多官能オリゴマーを含有する刺激硬化型粘着剤であって、
前記多官能モノマー又は多官能オリゴマーの1分子あたりの官能基が5以上であることを特徴とする刺激硬化型粘着剤。
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