JP2004230101A - 急須及び急須用茶こし - Google Patents
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Abstract
【課題】湯通しを良好にして、茶こしの取付け,取外しが簡単で、急須の寸法ばらつきも容易に吸収でき、さらに比較的低コストで対応でき、急須洗浄時での安全性を向上させる急須および急須用茶こしを提供する。
【解決手段】注出口(14)の両側で、注出口寄りの胴部(11)の内面(11b)に凸部(15)が突出形成される茶器本体(1)と、平板状の多孔板(2b)又は網状体(2a)を有して、前記凸部地点での横幅(L2)を両凸部間寸法(L1)より大きくし、前記凸部(15)と前記凸部から注出口に至る胴部の平面視円弧状の側壁部分(11a)とで両側縁部分(21,21)が係止されることにより起立し、且つこの起立状態下で下縁(221)が茶器本体の底面に当接し両側縁(211,211)が胴部内壁に当接して上縁(231)が茶器本体の上面開口(O)に現れる茶こし(2)、とを具備し、該茶こしにより茶器本体のお茶を収容する収容部(16)が主部(16a)と注出口側の漉し部(16b)とに二分割される。
【選択図】 図1
【解決手段】注出口(14)の両側で、注出口寄りの胴部(11)の内面(11b)に凸部(15)が突出形成される茶器本体(1)と、平板状の多孔板(2b)又は網状体(2a)を有して、前記凸部地点での横幅(L2)を両凸部間寸法(L1)より大きくし、前記凸部(15)と前記凸部から注出口に至る胴部の平面視円弧状の側壁部分(11a)とで両側縁部分(21,21)が係止されることにより起立し、且つこの起立状態下で下縁(221)が茶器本体の底面に当接し両側縁(211,211)が胴部内壁に当接して上縁(231)が茶器本体の上面開口(O)に現れる茶こし(2)、とを具備し、該茶こしにより茶器本体のお茶を収容する収容部(16)が主部(16a)と注出口側の漉し部(16b)とに二分割される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は着脱自在に茶こしが取付けられる急須及び急須用茶こしに関する。
【0002】
【従来の技術】
急須の茶こしには、長年、注出口根元に周壁と一体形成した多孔質の茶こし構造や、急須の開口部に挿着する筒状の網目構造体が用いられてきた。ただ、これらの茶こしは、ともすれば、残り湯によって葉茶がふやけたり湯通しが悪くなる傾向にあった。
こうしたことから、本出願人は、既に、茶こし面積を急須内径,急須容積に比し大きくし、且つ葉茶と残り湯とを隔離する上げ底構造の茶こしを考案し、上記不具合を解決した(実開平2−148623号公報)。さらに、茶こしを必要応じ取り外し可能にして掃除等を行い易くした着脱自在式の急須用茶こしを提供した(特開平8−187179号)。
着脱自在式の急須としては、その他、急須本体の内壁部に挿入溝を設け、この挿入溝に茶こし網を嵌着するものが提案されてきた(例えば、特許文献1,2参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平10−192147号公報(第2頁、図1,図2)
【特許文献1】
特開2000−210181公報(第2頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特開平8−187179号公報の急須用茶こしは、茶器本体内を仕切って取付けられており、着脱自在式といっても素人には取り外しや取付けが難しかった。そして、これまでの急須は一般に上面開口が狭くなっており、茶こしの取り外しや取付けを一層困難にしていた。
一方、前記特許文献1,2のように挿入溝を設けた急須は、挿入溝のある取付け杆や溝の土手を別途製造するコストアップ、さらにこれを急須本体の内壁部に固着する作業負担の増加等に問題があった。取付け杆や溝の土手がともすればお茶を入れるときに水流抵抗にもなった。
また、挿入溝に茶こし網を取り外したり取付けたりするのにやはり手間取っていた。溝幅が狭く且つ縦に長い挿入溝に茶こしを嵌着するには結構時間を費やした。加えて、急須は石膏型で作るのが一般的で、時間,温度,湿度等によって急須の寸法に微妙にばらつきがあり、特許文献1,2はこの寸法のばらつきを吸収するのが難しかった。結局、種々の寸法の取付け杆や溝の土手を用意するか、又は種々の大きさの茶こしを用意して急須の微妙な寸法の違いに合わせて組付けていかねばならなかった。
【0005】
本発明は上記問題点を克服するもので、湯通しを良好にして、茶こしの取付け,取外しが簡単で、急須の寸法ばらつきも容易に吸収でき、さらに比較的低コストで対応でき、急須洗浄時での安全性を向上させる急須および急須用茶こしを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、注出口(14)の両側で、注出口寄りの胴部(11)の内面(11b)に凸部(15)が突出形成される茶器本体(1)と、平板状の多孔板(2b)又は網状体(2a)を有して、前記凸部地点での横幅(L2)を両凸部間寸法(L1)より大きくし、前記凸部(15)と前記凸部から注出口に至る胴部の平面視円弧状の側壁部分(11a)とで両側縁部分(21,21)が係止されることにより起立し、且つこの起立状態下で下縁(221)が茶器本体の底面に当接し両側縁(211,211)が胴部内壁に当接して上縁(231)が茶器本体の上面開口(O)に現れる茶こし(2)、とを具備し、該茶こしにより茶器本体のお茶を収容する収容部(16)が主部(16a)と注出口側の漉し部(16b)とに二分割されることを特徴とする急須にある。請求項2の発明たる急須は、請求項1で、茶器本体の底部(10)から或る高さの胴部(11)の内径がその高さより下方に位置する胴部内径と同等か又はそれより大きくなるよう形成されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明の要旨は、ほぼ四角形の金属製金網からなる平板状の網状体(2a)と、帯状にして該網状体の両側縁に沿って設けられ、一部分が該網状体の側縁部分に被覆一体化し、残り部分が網状体の側縁部分から外方へ所定幅だけ張出す合成樹脂又はゴム製のヒレ(2c)と、を具備し、該ヒレの外方への張出し部分が横断面先細り形状であることを特徴とする急須用茶こしにある。
【0007】
請求項1の発明のごとく、凸部(15)と前記凸部から注出口に至る胴部の平面視円弧状の側壁部分(11a)とで茶こし(2)の両側縁部分(21,21)が係止されると、側壁部分(11a)の受入れ間口が広いので茶こしの取付け,取り外しが容易になる。それでいて、茶こしが注出口側に倒れようとしても、注出口側に行くに従い茶こしの横幅を受け入れる側壁部分の幅が狭まるので注出口側へは倒れ難くなっている。茶こしの起立用係止部材としては凸部を設けるだけなので、低コストで本発明の急須を製造できる。
請求項2の発明のごとく、茶器本体の底部(10)から或る高さの胴部(11)の内径がその高さより下方に位置する胴部内径と同等か又はそれより大きくなるよう形成されると、茶こしの引き上げ時の茶器本体の抵抗が弱く、簡単に茶こしを取り出せる。
請求項3の茶こしのように網状体(2a)と合成樹脂又はゴム製のヒレ(2c)とを具備すると、ヒレにより茶こしの剛直性が備わり、茶こしは凸部による係止で起立安定度が増す。さらにヒレの外方への張出し部分が横断面先細り形状であると、前述のごとく急須の製造で収容部の大きさにバラツキがでるが、ヒレのカットで茶こしの大きさを微調整でき、バラツキを吸収し易くなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の急須及び急須用茶こしについて詳述する。図1〜図7は、本発明に係る急須及び急須用茶こし(以下、単に「茶こし」という。)の一形態で、図1はその分解斜視図、図2は茶こしの正面図で、鎖線で収容部に装着された凸部概略位置を示す。図3は図2のI−I線矢視図、図4は図3のA部拡大図、図5は図1の茶こしが茶器本体内に取付けられた急須の縦断面図、図6,図7は図5のII−II線矢視図である。図6,図7は開口導入部13の断面を示すハッチング表示を省く。
図8は図1とは別態様の茶こしで、(イ)が正面図で(ロ)が側面図、図9もまた別態様の茶こしで(イ)が正面図で(ロ)が(イ)のIII−III線矢視図、図10は別形態の茶こしの斜視図を示す。
【0009】
本実施形態の急須は茶器本体1と茶こし2と蓋3とを具備する。
茶器本体1は胴部11と底部10と注出口14と把手19とを有する。円筒状胴部11と円板状底部10とで有底筒体のお茶が入る急須容器の収容部16が形成され、胴部11の前方部中程に漏斗状の注出口14が外付け固着される(図5)。急須容器の収容部16へ、詳しくは茶こし2に仕切られた主部16a(後述)へ、上面開口Oから茶葉,お湯が入ってお茶になり、そのお茶だけが茶こし2を通過し漉し部16b(後述)、さらに胴部11に形成した通湯口14aを通り、注出口14内の通湯路14bを経て注ぎ口14cから茶碗等に注がれる。把手19は注出口14の突出位置から約90°ずらした胴部11の外面に固着される。
【0010】
前記胴部11にはその上部で外方に少し張出す張出部12が延設された後、上方に向かって口広がりになる開口導入部13が設けられる。胴部11の前方部の箇所では内方へも張出す弓形の内鍔12aが設けられる(図1)。急須を傾けてお茶を茶碗等に注ぐときに、傾けすぎてもある程度までは内鍔12aが堰き止め、お茶が開口Oからこぼれ出ないようにする。
【0011】
そして、注出口14の両側で、注出口14寄りの胴部11の内面11bに凸部15が突出形成される。例えば図1のような小突起用チップを後加工で胴部内面11bに固着することにより凸部15が形成される。凸部15は通湯口14aから平面視で図6のごとく左右等距離はなれた胴部内面11bに後付け固定され、その左右等距離に配される凸部15は、茶こし2を起立配設できるよう、それぞれ垂直方向に所定間隔を開けて複数15a,15b(ここでは2個)設けられる(図5)。前記チップに代え、棒状体で凸部15を形成することもできる。斯る場合、凸部15は通湯口14aから平面視で左右等距離にそれぞれ1個設けられる。
【0012】
本実施形態の茶器本体1は底部10から或る高さの胴部11の内径がその高さより下方に位置する胴部11の内径と同等か又はそれより大きくなるよう形成される。ここでは図5のように底部10の内径d1よりも胴部11の張出部付け根地点111の胴部内径d2を大きくし、胴部11は底部外周101から上面開口Oに向かってその内径が徐々に大きくなっている。斯る構成によって胴部11内に起立配設された茶こし2を上方へ容易に引き上げることができる。茶器本体1は従来、特開平8−187179号等に見られるように、底部から胴部中央に向かって円弧状の膨らみをもたせた後、上面開口部に向けてまた円弧状に狭まる縦断面が帯直弧形状が一般的で、茶こし2の取り出しが困難であったのを改善する。
【0013】
茶こし2は平板状でほぼ四角形の網状体2aを有し、両凸部15a,15a(又は15b,15b)の高さ地点で、前記通湯口14aから平面視で左右等距離に配される両凸部15間の寸法L1より、茶こし横幅L2を大きくしたものである(図7)。茶こし2は凸部15と凸部15から注出口14に至る胴部11の平面視円弧状の側壁部分11aとで両側縁部分21,21が係止されることにより起立する。その起立状態下で、茶こし2は下縁221が茶器本体1の底面に当接し、両側縁211,211が前記側縁部分11aの胴部内壁11a1に当接する。そして茶こし上縁231が蓋3を取り除いた茶器本体1の上面開口Oに現れる。茶こし2の上縁231が上面開口Oに現れるため、これを手で摘んで上方に引き上げることにより、茶こし2を茶器本体1から簡単に取り外すことができる。
【0014】
茶器本体1内で凸部15と側壁部分11aに係止されて茶こし2が起立し、茶こし下縁221が底部10に当接すると共に茶こし2の両側縁211が胴部内壁11a1に当接することにより、茶器本体1のお茶を収容する収容部16が主部16aと漉し部16bとに二分割される。収容部16は茶葉が入る主部16aと、茶葉の侵入が茶こし2により阻止されお茶のみが通過する注出口側漉し部16bとに二分割される。ここで、漉し部16bの主部16aに対する容積割合は1/5〜2/3の範囲が望ましい。1/5未満になると、茶こし2が通湯口14a側に近づきすぎ、漉し部16bを形成する茶こし2の漉す面積が小さくなる。その結果、お茶を茶碗に注ぐと、茶葉が網状体2aを覆いお茶の注出口14への流れを悪くする。一方、2/3より大きくなると、茶器本体1内の主部16aへ茶葉を入れるのが難しくなる。また凸部15から注出口14に至る側壁部分11aで係止の役割を担う円弧カーブが、茶こし2の凸部係止面151に対し緩やかになりすぎて茶こし2を起立させるのが困難になる(図6)。
【0015】
茶こし2は、図8のごとく金網のみからなる網状体2aで構成することができるが、ほぼ四角形の金属製金網からなる平板状の網状体2aと、帯状にして該網状体2aの両側縁に沿って形成され、一部分2c1が該網状体2aの側縁部分に被覆一体化し、残り部分2c2が網状体の側縁部分から外方へ所定幅だけ張出す合成樹脂又はゴム製のヒレ2cと、を備える茶こし2とするとより好ましくなる。金網に比べ腰があり保形性に優れるヒレ2cが凸部15に係止されるので、茶こし2は凸部15と茶器本体1の側壁部分11aとに挟まれて安定起立するからである。と同時に、金網を扱うときに怪我し易い金網両側が合成樹脂又はゴム製ヒレ2cで被覆されるので、怪我防止にもなる。ヒレ2cは図9に示すように金網の両側にのみ設けることでもよいが、ここでのヒレ2cは図1〜図6のごとくほぼ四角形の金属製金網の外周縁を全て取り巻く。ヒレ2cが枠体になってより保形性に優れ頑強となり、且つ金網のエッジで怪我するのを完全防止する。さらにヒレ2cは少なくとも残り部分2c2たる張出し部分を先端に向かって先細り形状とする。茶器本体1はろくろや型成形で造られるが、例えば型成形で造られる場合、製造時の温度や湿度、さらに成形サイクル等によって茶器本体1の寸法が微妙に違ってくる。胴部内径の多少の違いも予め切り代を見込んだヒレ2cを設けることによって胴部11の内径が大きくなっても対応できる。また胴部11の内径が小さめに製造された場合でも、ヒレ2cを横断面先細り形状にすることによって、カット処理で容易に調整できる。茶こし2の外周不要部分を適宜カット(例えば図4の矢印)して、茶器本体1内へ簡単に取付けることができる。歩留まりが向上し製品化し易い。ヒレ2cがカットされることにより、カット面21a,23aが両側縁部分21や上縁部分23に現れるが、急須としての働きに支障はない。
また横断面先細り形状のヒレ2cがシリコンゴム等の合成樹脂,ゴムで形成されることによって、程よい可撓性,弾力性を有する。茶こし2を少し押し加減で茶こし下端部分22のヒレ2cが多少撓むようセットすれば(図5)、ヒレ2cが底部10に密着し、主部16aと漉し部16bとの仕切りを確実なものとする。
【0016】
茶こし2は、またほぼ四角形の網状体2aにしながらも、蓋3の裏面の凹みに合わせて、上縁中央部を上方になだらかに膨らませる図2に示すような形状にする。お茶を入れる際、急須が傾きすぎた場合でも、茶こし2を乗り越えて茶葉が漉し部16bに侵入しづらいからである。
【0017】
図8,図9に他態様の茶こし2を図示する。茶こし2が図8のごとく金網だけからなる網状体2aや図9のごとく上縁部分23が金網で形成される場合、金網上縁ラインで怪我しないよう、そこを巻き込んで茶こし上縁部分23を形成する。茶こし2はまた図10のごとく陶磁器製の板状多孔板2bで形成することができる。多孔板2bは下辺寸法d3が前記底部内径d1より若干小さく、上辺寸法d4が前記胴部内径d2より若干小さくなる。符号25は茶こし用透孔を示す。
【0018】
蓋3は前記張出部12上に載置可能の外周を有し、開口導入部13から茶器本体1の上面開口Oに蓋することのできる円盤体である。蓋3の上面中央にはつまみ32が設けられ、蓋本体31に通気孔33が穿設される。
【0019】
次に上記構成の急須の一使用方法を説明する。まず、茶こし2を図1の黒矢印のごとく内向きに折り曲げるよう弾性変形させて、凸部15より通湯口14a側の収容部16に茶こし2を差し入れ(図6の鎖線)、茶こし2の下縁部分22が底部10に当接したところで手を離す。茶こし2は網状体2a及びヒレ2cの構成部材からなり弾性を有する。従って、茶こし2は弾性復元力で平板状に戻り、茶こし2の両側縁部分21,21が凸部15に係止され、該凸部15とこれから注出口14に至る胴部11の平面視円弧状の側壁部分11aとに挟まれ、起立保持される。その後、茶こし2を下方へ少し押し付ければ、茶こし2の下縁221が底部10に当接し両側縁211,211が胴部内壁11a1に当接して、茶こし2が収容部16を仕切って主部16aと漉し部16bとに分割した所望の急須が出来上がる。
【0020】
お茶を入れる場合、茶葉を主部16aに投入後、お湯を収容部16(主部16aでも漉し部16bでもよい。)に注入する。所定時間経てばお茶ができる。急須を傾ければ、お茶は主部16a,漉し部16bから通湯口14a,通湯路14bを通り、注ぎ口14cから茶碗に注がれる。茶葉は茶こし2により通過を阻止され主部16a内に留まる。
茶こし2が汚れてきて洗浄したい場合、茶こし2の上縁を手で摘み持ち上げる。すると、急須の胴部11が底部外周101から上面開口Oに向かってその内径が大きくなっているので、茶こし2は容易に取り出すことができる。茶こし2がきつめに装着されている場合でも、平面視円弧状の側壁部分11aからなる係止側は、円弧状に狭まる側壁部分11aで茶こしを係止するので、茶こし2の中央部を主部16a側から注出口14側へ少し強めに押せば、茶こし2が湾曲して係止部位から離れ、楽に取り出せるようになる。
【0021】
このように構成した急須及び茶こし2は、凸部15から注出口14に至る茶器本体1を構成する平面視円弧状の側壁部分11aを、茶こし2を起立させる片方の係止部材として利用でき、単に凸部15を後加工で胴部内面11bに設けるだけで済むので、従来品に比し低コストで製造できる。小突起の凸部部分だけであるため作業負担も少ない。胴部11の平面視円弧状の側壁部分11aは、茶こし2を係止するといっても茶こし幅にある程度の融通性をもって起立保持できる。茶こし2の起立保持に融通性があるため、茶器本体の収容部16に厳しい寸法精度は要求されず、生産性向上に役立つ。そして、茶こし2が収容部16を主部16aと漉し部16bとに仕切ることにより湯通しの良好な急須が得られる。その湯通しに関しては、湯通しを阻害するのは胴部内面11bに一部突出する係止用凸部15だけであって(図2)、挿入溝用取付け杆や土手が流れを遮って水流抵抗になるといった従来品に見られる不具合はない。茶器本体1内の洗浄も楽になる。
また、茶こし2の茶器本体1への取付けは、弾性を有する茶こし2にあって、図1の矢印のごとく両サイドを折り曲げるようにして茶こし2を挿入すれば挿入間口も広く簡単に装着できる。従来の挿入溝に茶こし2を挿入,セットするのは、年配者に極めて面倒且つ困難であったが、本発明では容易くセットできる。
そして、急須の使用により茶こし2が汚れた場合は、茶こし2の上縁231が上面開口Oに現れているので、ここを手で摘んで取り出すことができる。急須は茶器本体1の底部10から或る高さの胴部11の内径がその高さより下方に位置する胴部11内径と同等か又はそれより大きくなるよう形成されているので、茶こし2を上方へ引き上げれば簡単に抜ける。茶こし2が胴部の内面11bに密着して抜きづらい場合でも、茶こし2中央を主部16a側から注出口14側を押せば茶こし2が湾曲して凸部15から離れるので、すんなり取り出せる。
【0022】
さらに茶こし2がほぼ四角形の金属製金網からなる網状体2aと、該網状体2aの両側縁に沿って形成される帯状で、その一部分が該網状体2aの側縁部分に被覆一体化し、残り部分が網状体2aの側縁部分から外方へ所定幅だけ張出すヒレ2cと、を備えると、ヒレ2cが四角形の保形性を保って凸部15に係止されるので、茶こし2がより安定起立できるようになる。ヒレ2cが合成樹脂製又はゴム製で張出し部分2c2が横断面先細り形状であれば、金網等と違って、ヒレ2cの先端部分を簡単にカットできる。このカットにより長さ調整し、茶器本体1の寸法誤差を吸収できる。加えて、網状体2aの金網周縁をヒレ2cが被覆すれば、怪我防止に役立つ。
なお、図10のような陶磁器製多孔板2bからなる茶こし2にあっては、上述の網状体2a及びヒレ2cの構成部材からなる茶こし2のように内向きに折り曲げ弾発性を利用して急須本体内に茶こし2を装着することはできない。しかし、図1〜図6或いは図8や図9と同等若しくは少し小さめの形状にすれば、茶こし2の急須への取付け,取り外しが簡単で湯通しも良好な急須にすることができる。急須のみならず茶こし2が陶磁器製になることによって衛生的になる。金属製金網を使った茶こし2に見られる目詰まり洗浄の回数も減る。
【0023】
尚、本発明においては、前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。茶器本体1,茶こし2,蓋3等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
【0024】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の急須および急須用茶こしは、低コストにして茶こしの取付け,取外しがいたって簡単で、さらに急須の寸法ばらつきも容易に吸収でき、湯通しも良好であるなど優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る急須の一形態で、その分解斜視図である。
【図2】茶こしの正面図である。
【図3】図2のI−I線矢視図である。
【図4】図3のA部拡大図である。
【図5】上蓋の裏側から見た斜視図である。
【図6】図5のII−II線矢視図である。
【図7】図5のII−II線矢視図とその一部拡大図である。
【図8】図1とは別態様の茶こしで、(イ)が正面図で(ロ)が側面図である。
【図9】別態様の茶こしで(イ)が正面図で(ロ)が(イ)のIII−III線矢視図である。
【図10】別形態の茶こしの斜視図である。
【符号の説明】
1 茶器本体
10 底部
11 胴部
111 胴部内面
11a 凸部から注出口に至る側壁部分
14 注出口
15 凸部
16 収容部
16a 主部
16b 漉し部
2 茶こし
2a 網状体
2b 多孔板
2c ヒレ
2c1 一部分
2c2 残り部分(張出し部分)
21 側縁部分
211 側縁
231 上縁
【発明の属する技術分野】
本発明は着脱自在に茶こしが取付けられる急須及び急須用茶こしに関する。
【0002】
【従来の技術】
急須の茶こしには、長年、注出口根元に周壁と一体形成した多孔質の茶こし構造や、急須の開口部に挿着する筒状の網目構造体が用いられてきた。ただ、これらの茶こしは、ともすれば、残り湯によって葉茶がふやけたり湯通しが悪くなる傾向にあった。
こうしたことから、本出願人は、既に、茶こし面積を急須内径,急須容積に比し大きくし、且つ葉茶と残り湯とを隔離する上げ底構造の茶こしを考案し、上記不具合を解決した(実開平2−148623号公報)。さらに、茶こしを必要応じ取り外し可能にして掃除等を行い易くした着脱自在式の急須用茶こしを提供した(特開平8−187179号)。
着脱自在式の急須としては、その他、急須本体の内壁部に挿入溝を設け、この挿入溝に茶こし網を嵌着するものが提案されてきた(例えば、特許文献1,2参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平10−192147号公報(第2頁、図1,図2)
【特許文献1】
特開2000−210181公報(第2頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特開平8−187179号公報の急須用茶こしは、茶器本体内を仕切って取付けられており、着脱自在式といっても素人には取り外しや取付けが難しかった。そして、これまでの急須は一般に上面開口が狭くなっており、茶こしの取り外しや取付けを一層困難にしていた。
一方、前記特許文献1,2のように挿入溝を設けた急須は、挿入溝のある取付け杆や溝の土手を別途製造するコストアップ、さらにこれを急須本体の内壁部に固着する作業負担の増加等に問題があった。取付け杆や溝の土手がともすればお茶を入れるときに水流抵抗にもなった。
また、挿入溝に茶こし網を取り外したり取付けたりするのにやはり手間取っていた。溝幅が狭く且つ縦に長い挿入溝に茶こしを嵌着するには結構時間を費やした。加えて、急須は石膏型で作るのが一般的で、時間,温度,湿度等によって急須の寸法に微妙にばらつきがあり、特許文献1,2はこの寸法のばらつきを吸収するのが難しかった。結局、種々の寸法の取付け杆や溝の土手を用意するか、又は種々の大きさの茶こしを用意して急須の微妙な寸法の違いに合わせて組付けていかねばならなかった。
【0005】
本発明は上記問題点を克服するもので、湯通しを良好にして、茶こしの取付け,取外しが簡単で、急須の寸法ばらつきも容易に吸収でき、さらに比較的低コストで対応でき、急須洗浄時での安全性を向上させる急須および急須用茶こしを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、注出口(14)の両側で、注出口寄りの胴部(11)の内面(11b)に凸部(15)が突出形成される茶器本体(1)と、平板状の多孔板(2b)又は網状体(2a)を有して、前記凸部地点での横幅(L2)を両凸部間寸法(L1)より大きくし、前記凸部(15)と前記凸部から注出口に至る胴部の平面視円弧状の側壁部分(11a)とで両側縁部分(21,21)が係止されることにより起立し、且つこの起立状態下で下縁(221)が茶器本体の底面に当接し両側縁(211,211)が胴部内壁に当接して上縁(231)が茶器本体の上面開口(O)に現れる茶こし(2)、とを具備し、該茶こしにより茶器本体のお茶を収容する収容部(16)が主部(16a)と注出口側の漉し部(16b)とに二分割されることを特徴とする急須にある。請求項2の発明たる急須は、請求項1で、茶器本体の底部(10)から或る高さの胴部(11)の内径がその高さより下方に位置する胴部内径と同等か又はそれより大きくなるよう形成されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明の要旨は、ほぼ四角形の金属製金網からなる平板状の網状体(2a)と、帯状にして該網状体の両側縁に沿って設けられ、一部分が該網状体の側縁部分に被覆一体化し、残り部分が網状体の側縁部分から外方へ所定幅だけ張出す合成樹脂又はゴム製のヒレ(2c)と、を具備し、該ヒレの外方への張出し部分が横断面先細り形状であることを特徴とする急須用茶こしにある。
【0007】
請求項1の発明のごとく、凸部(15)と前記凸部から注出口に至る胴部の平面視円弧状の側壁部分(11a)とで茶こし(2)の両側縁部分(21,21)が係止されると、側壁部分(11a)の受入れ間口が広いので茶こしの取付け,取り外しが容易になる。それでいて、茶こしが注出口側に倒れようとしても、注出口側に行くに従い茶こしの横幅を受け入れる側壁部分の幅が狭まるので注出口側へは倒れ難くなっている。茶こしの起立用係止部材としては凸部を設けるだけなので、低コストで本発明の急須を製造できる。
請求項2の発明のごとく、茶器本体の底部(10)から或る高さの胴部(11)の内径がその高さより下方に位置する胴部内径と同等か又はそれより大きくなるよう形成されると、茶こしの引き上げ時の茶器本体の抵抗が弱く、簡単に茶こしを取り出せる。
請求項3の茶こしのように網状体(2a)と合成樹脂又はゴム製のヒレ(2c)とを具備すると、ヒレにより茶こしの剛直性が備わり、茶こしは凸部による係止で起立安定度が増す。さらにヒレの外方への張出し部分が横断面先細り形状であると、前述のごとく急須の製造で収容部の大きさにバラツキがでるが、ヒレのカットで茶こしの大きさを微調整でき、バラツキを吸収し易くなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の急須及び急須用茶こしについて詳述する。図1〜図7は、本発明に係る急須及び急須用茶こし(以下、単に「茶こし」という。)の一形態で、図1はその分解斜視図、図2は茶こしの正面図で、鎖線で収容部に装着された凸部概略位置を示す。図3は図2のI−I線矢視図、図4は図3のA部拡大図、図5は図1の茶こしが茶器本体内に取付けられた急須の縦断面図、図6,図7は図5のII−II線矢視図である。図6,図7は開口導入部13の断面を示すハッチング表示を省く。
図8は図1とは別態様の茶こしで、(イ)が正面図で(ロ)が側面図、図9もまた別態様の茶こしで(イ)が正面図で(ロ)が(イ)のIII−III線矢視図、図10は別形態の茶こしの斜視図を示す。
【0009】
本実施形態の急須は茶器本体1と茶こし2と蓋3とを具備する。
茶器本体1は胴部11と底部10と注出口14と把手19とを有する。円筒状胴部11と円板状底部10とで有底筒体のお茶が入る急須容器の収容部16が形成され、胴部11の前方部中程に漏斗状の注出口14が外付け固着される(図5)。急須容器の収容部16へ、詳しくは茶こし2に仕切られた主部16a(後述)へ、上面開口Oから茶葉,お湯が入ってお茶になり、そのお茶だけが茶こし2を通過し漉し部16b(後述)、さらに胴部11に形成した通湯口14aを通り、注出口14内の通湯路14bを経て注ぎ口14cから茶碗等に注がれる。把手19は注出口14の突出位置から約90°ずらした胴部11の外面に固着される。
【0010】
前記胴部11にはその上部で外方に少し張出す張出部12が延設された後、上方に向かって口広がりになる開口導入部13が設けられる。胴部11の前方部の箇所では内方へも張出す弓形の内鍔12aが設けられる(図1)。急須を傾けてお茶を茶碗等に注ぐときに、傾けすぎてもある程度までは内鍔12aが堰き止め、お茶が開口Oからこぼれ出ないようにする。
【0011】
そして、注出口14の両側で、注出口14寄りの胴部11の内面11bに凸部15が突出形成される。例えば図1のような小突起用チップを後加工で胴部内面11bに固着することにより凸部15が形成される。凸部15は通湯口14aから平面視で図6のごとく左右等距離はなれた胴部内面11bに後付け固定され、その左右等距離に配される凸部15は、茶こし2を起立配設できるよう、それぞれ垂直方向に所定間隔を開けて複数15a,15b(ここでは2個)設けられる(図5)。前記チップに代え、棒状体で凸部15を形成することもできる。斯る場合、凸部15は通湯口14aから平面視で左右等距離にそれぞれ1個設けられる。
【0012】
本実施形態の茶器本体1は底部10から或る高さの胴部11の内径がその高さより下方に位置する胴部11の内径と同等か又はそれより大きくなるよう形成される。ここでは図5のように底部10の内径d1よりも胴部11の張出部付け根地点111の胴部内径d2を大きくし、胴部11は底部外周101から上面開口Oに向かってその内径が徐々に大きくなっている。斯る構成によって胴部11内に起立配設された茶こし2を上方へ容易に引き上げることができる。茶器本体1は従来、特開平8−187179号等に見られるように、底部から胴部中央に向かって円弧状の膨らみをもたせた後、上面開口部に向けてまた円弧状に狭まる縦断面が帯直弧形状が一般的で、茶こし2の取り出しが困難であったのを改善する。
【0013】
茶こし2は平板状でほぼ四角形の網状体2aを有し、両凸部15a,15a(又は15b,15b)の高さ地点で、前記通湯口14aから平面視で左右等距離に配される両凸部15間の寸法L1より、茶こし横幅L2を大きくしたものである(図7)。茶こし2は凸部15と凸部15から注出口14に至る胴部11の平面視円弧状の側壁部分11aとで両側縁部分21,21が係止されることにより起立する。その起立状態下で、茶こし2は下縁221が茶器本体1の底面に当接し、両側縁211,211が前記側縁部分11aの胴部内壁11a1に当接する。そして茶こし上縁231が蓋3を取り除いた茶器本体1の上面開口Oに現れる。茶こし2の上縁231が上面開口Oに現れるため、これを手で摘んで上方に引き上げることにより、茶こし2を茶器本体1から簡単に取り外すことができる。
【0014】
茶器本体1内で凸部15と側壁部分11aに係止されて茶こし2が起立し、茶こし下縁221が底部10に当接すると共に茶こし2の両側縁211が胴部内壁11a1に当接することにより、茶器本体1のお茶を収容する収容部16が主部16aと漉し部16bとに二分割される。収容部16は茶葉が入る主部16aと、茶葉の侵入が茶こし2により阻止されお茶のみが通過する注出口側漉し部16bとに二分割される。ここで、漉し部16bの主部16aに対する容積割合は1/5〜2/3の範囲が望ましい。1/5未満になると、茶こし2が通湯口14a側に近づきすぎ、漉し部16bを形成する茶こし2の漉す面積が小さくなる。その結果、お茶を茶碗に注ぐと、茶葉が網状体2aを覆いお茶の注出口14への流れを悪くする。一方、2/3より大きくなると、茶器本体1内の主部16aへ茶葉を入れるのが難しくなる。また凸部15から注出口14に至る側壁部分11aで係止の役割を担う円弧カーブが、茶こし2の凸部係止面151に対し緩やかになりすぎて茶こし2を起立させるのが困難になる(図6)。
【0015】
茶こし2は、図8のごとく金網のみからなる網状体2aで構成することができるが、ほぼ四角形の金属製金網からなる平板状の網状体2aと、帯状にして該網状体2aの両側縁に沿って形成され、一部分2c1が該網状体2aの側縁部分に被覆一体化し、残り部分2c2が網状体の側縁部分から外方へ所定幅だけ張出す合成樹脂又はゴム製のヒレ2cと、を備える茶こし2とするとより好ましくなる。金網に比べ腰があり保形性に優れるヒレ2cが凸部15に係止されるので、茶こし2は凸部15と茶器本体1の側壁部分11aとに挟まれて安定起立するからである。と同時に、金網を扱うときに怪我し易い金網両側が合成樹脂又はゴム製ヒレ2cで被覆されるので、怪我防止にもなる。ヒレ2cは図9に示すように金網の両側にのみ設けることでもよいが、ここでのヒレ2cは図1〜図6のごとくほぼ四角形の金属製金網の外周縁を全て取り巻く。ヒレ2cが枠体になってより保形性に優れ頑強となり、且つ金網のエッジで怪我するのを完全防止する。さらにヒレ2cは少なくとも残り部分2c2たる張出し部分を先端に向かって先細り形状とする。茶器本体1はろくろや型成形で造られるが、例えば型成形で造られる場合、製造時の温度や湿度、さらに成形サイクル等によって茶器本体1の寸法が微妙に違ってくる。胴部内径の多少の違いも予め切り代を見込んだヒレ2cを設けることによって胴部11の内径が大きくなっても対応できる。また胴部11の内径が小さめに製造された場合でも、ヒレ2cを横断面先細り形状にすることによって、カット処理で容易に調整できる。茶こし2の外周不要部分を適宜カット(例えば図4の矢印)して、茶器本体1内へ簡単に取付けることができる。歩留まりが向上し製品化し易い。ヒレ2cがカットされることにより、カット面21a,23aが両側縁部分21や上縁部分23に現れるが、急須としての働きに支障はない。
また横断面先細り形状のヒレ2cがシリコンゴム等の合成樹脂,ゴムで形成されることによって、程よい可撓性,弾力性を有する。茶こし2を少し押し加減で茶こし下端部分22のヒレ2cが多少撓むようセットすれば(図5)、ヒレ2cが底部10に密着し、主部16aと漉し部16bとの仕切りを確実なものとする。
【0016】
茶こし2は、またほぼ四角形の網状体2aにしながらも、蓋3の裏面の凹みに合わせて、上縁中央部を上方になだらかに膨らませる図2に示すような形状にする。お茶を入れる際、急須が傾きすぎた場合でも、茶こし2を乗り越えて茶葉が漉し部16bに侵入しづらいからである。
【0017】
図8,図9に他態様の茶こし2を図示する。茶こし2が図8のごとく金網だけからなる網状体2aや図9のごとく上縁部分23が金網で形成される場合、金網上縁ラインで怪我しないよう、そこを巻き込んで茶こし上縁部分23を形成する。茶こし2はまた図10のごとく陶磁器製の板状多孔板2bで形成することができる。多孔板2bは下辺寸法d3が前記底部内径d1より若干小さく、上辺寸法d4が前記胴部内径d2より若干小さくなる。符号25は茶こし用透孔を示す。
【0018】
蓋3は前記張出部12上に載置可能の外周を有し、開口導入部13から茶器本体1の上面開口Oに蓋することのできる円盤体である。蓋3の上面中央にはつまみ32が設けられ、蓋本体31に通気孔33が穿設される。
【0019】
次に上記構成の急須の一使用方法を説明する。まず、茶こし2を図1の黒矢印のごとく内向きに折り曲げるよう弾性変形させて、凸部15より通湯口14a側の収容部16に茶こし2を差し入れ(図6の鎖線)、茶こし2の下縁部分22が底部10に当接したところで手を離す。茶こし2は網状体2a及びヒレ2cの構成部材からなり弾性を有する。従って、茶こし2は弾性復元力で平板状に戻り、茶こし2の両側縁部分21,21が凸部15に係止され、該凸部15とこれから注出口14に至る胴部11の平面視円弧状の側壁部分11aとに挟まれ、起立保持される。その後、茶こし2を下方へ少し押し付ければ、茶こし2の下縁221が底部10に当接し両側縁211,211が胴部内壁11a1に当接して、茶こし2が収容部16を仕切って主部16aと漉し部16bとに分割した所望の急須が出来上がる。
【0020】
お茶を入れる場合、茶葉を主部16aに投入後、お湯を収容部16(主部16aでも漉し部16bでもよい。)に注入する。所定時間経てばお茶ができる。急須を傾ければ、お茶は主部16a,漉し部16bから通湯口14a,通湯路14bを通り、注ぎ口14cから茶碗に注がれる。茶葉は茶こし2により通過を阻止され主部16a内に留まる。
茶こし2が汚れてきて洗浄したい場合、茶こし2の上縁を手で摘み持ち上げる。すると、急須の胴部11が底部外周101から上面開口Oに向かってその内径が大きくなっているので、茶こし2は容易に取り出すことができる。茶こし2がきつめに装着されている場合でも、平面視円弧状の側壁部分11aからなる係止側は、円弧状に狭まる側壁部分11aで茶こしを係止するので、茶こし2の中央部を主部16a側から注出口14側へ少し強めに押せば、茶こし2が湾曲して係止部位から離れ、楽に取り出せるようになる。
【0021】
このように構成した急須及び茶こし2は、凸部15から注出口14に至る茶器本体1を構成する平面視円弧状の側壁部分11aを、茶こし2を起立させる片方の係止部材として利用でき、単に凸部15を後加工で胴部内面11bに設けるだけで済むので、従来品に比し低コストで製造できる。小突起の凸部部分だけであるため作業負担も少ない。胴部11の平面視円弧状の側壁部分11aは、茶こし2を係止するといっても茶こし幅にある程度の融通性をもって起立保持できる。茶こし2の起立保持に融通性があるため、茶器本体の収容部16に厳しい寸法精度は要求されず、生産性向上に役立つ。そして、茶こし2が収容部16を主部16aと漉し部16bとに仕切ることにより湯通しの良好な急須が得られる。その湯通しに関しては、湯通しを阻害するのは胴部内面11bに一部突出する係止用凸部15だけであって(図2)、挿入溝用取付け杆や土手が流れを遮って水流抵抗になるといった従来品に見られる不具合はない。茶器本体1内の洗浄も楽になる。
また、茶こし2の茶器本体1への取付けは、弾性を有する茶こし2にあって、図1の矢印のごとく両サイドを折り曲げるようにして茶こし2を挿入すれば挿入間口も広く簡単に装着できる。従来の挿入溝に茶こし2を挿入,セットするのは、年配者に極めて面倒且つ困難であったが、本発明では容易くセットできる。
そして、急須の使用により茶こし2が汚れた場合は、茶こし2の上縁231が上面開口Oに現れているので、ここを手で摘んで取り出すことができる。急須は茶器本体1の底部10から或る高さの胴部11の内径がその高さより下方に位置する胴部11内径と同等か又はそれより大きくなるよう形成されているので、茶こし2を上方へ引き上げれば簡単に抜ける。茶こし2が胴部の内面11bに密着して抜きづらい場合でも、茶こし2中央を主部16a側から注出口14側を押せば茶こし2が湾曲して凸部15から離れるので、すんなり取り出せる。
【0022】
さらに茶こし2がほぼ四角形の金属製金網からなる網状体2aと、該網状体2aの両側縁に沿って形成される帯状で、その一部分が該網状体2aの側縁部分に被覆一体化し、残り部分が網状体2aの側縁部分から外方へ所定幅だけ張出すヒレ2cと、を備えると、ヒレ2cが四角形の保形性を保って凸部15に係止されるので、茶こし2がより安定起立できるようになる。ヒレ2cが合成樹脂製又はゴム製で張出し部分2c2が横断面先細り形状であれば、金網等と違って、ヒレ2cの先端部分を簡単にカットできる。このカットにより長さ調整し、茶器本体1の寸法誤差を吸収できる。加えて、網状体2aの金網周縁をヒレ2cが被覆すれば、怪我防止に役立つ。
なお、図10のような陶磁器製多孔板2bからなる茶こし2にあっては、上述の網状体2a及びヒレ2cの構成部材からなる茶こし2のように内向きに折り曲げ弾発性を利用して急須本体内に茶こし2を装着することはできない。しかし、図1〜図6或いは図8や図9と同等若しくは少し小さめの形状にすれば、茶こし2の急須への取付け,取り外しが簡単で湯通しも良好な急須にすることができる。急須のみならず茶こし2が陶磁器製になることによって衛生的になる。金属製金網を使った茶こし2に見られる目詰まり洗浄の回数も減る。
【0023】
尚、本発明においては、前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。茶器本体1,茶こし2,蓋3等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
【0024】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の急須および急須用茶こしは、低コストにして茶こしの取付け,取外しがいたって簡単で、さらに急須の寸法ばらつきも容易に吸収でき、湯通しも良好であるなど優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る急須の一形態で、その分解斜視図である。
【図2】茶こしの正面図である。
【図3】図2のI−I線矢視図である。
【図4】図3のA部拡大図である。
【図5】上蓋の裏側から見た斜視図である。
【図6】図5のII−II線矢視図である。
【図7】図5のII−II線矢視図とその一部拡大図である。
【図8】図1とは別態様の茶こしで、(イ)が正面図で(ロ)が側面図である。
【図9】別態様の茶こしで(イ)が正面図で(ロ)が(イ)のIII−III線矢視図である。
【図10】別形態の茶こしの斜視図である。
【符号の説明】
1 茶器本体
10 底部
11 胴部
111 胴部内面
11a 凸部から注出口に至る側壁部分
14 注出口
15 凸部
16 収容部
16a 主部
16b 漉し部
2 茶こし
2a 網状体
2b 多孔板
2c ヒレ
2c1 一部分
2c2 残り部分(張出し部分)
21 側縁部分
211 側縁
231 上縁
Claims (3)
- 注出口(14)の両側で、注出口寄りの胴部(11)の内面(11b)に凸部(15)が突出形成される茶器本体(1)と、
平板状の多孔板(2b)又は網状体(2a)を有して、前記凸部地点での横幅(L2)を両凸部間寸法(L1)より大きくし、前記凸部(15)と前記凸部から注出口に至る胴部の平面視円弧状の側壁部分(11a)とで両側縁部分(21,21)が係止されることにより起立し、且つこの起立状態下で下縁(221)が茶器本体の底面に当接し両側縁(211,211)が胴部内壁に当接して上縁(231)が茶器本体の上面開口(O)に現れる茶こし(2)、とを具備し、
該茶こしにより茶器本体のお茶を収容する収容部(16)が主部(16a)と注出口側の漉し部(16b)とに二分割されることを特徴とする急須。 - 前記茶器本体の底部(10)から或る高さの胴部(11)の内径がその高さより下方に位置する胴部内径と同等か又はそれより大きくなるよう形成された請求項1記載の急須。
- ほぼ四角形の金属製金網からなる平板状の網状体(2a)と、帯状にして該網状体の両側縁に沿って設けられ、一部分が該網状体の側縁部分に被覆一体化し、残り部分が網状体の側縁部分から外方へ所定幅だけ張出す合成樹脂又はゴム製のヒレ(2c)と、を具備し、該ヒレの外方への張出し部分が横断面先細り形状であることを特徴とする急須用茶こし。
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004230101A true JP2004230101A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32953895
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003025672A Pending JP2004230101A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 急須及び急須用茶こし |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004230101A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012007792A (ja) * | 2010-06-24 | 2012-01-12 | Corona Corp | 加湿装置 |
| JP2012078072A (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-19 | Rinnai Corp | ガスコンロの操作部防水構造 |
| JP2016087323A (ja) * | 2014-11-10 | 2016-05-23 | 孝生 正木 | 茶漉し部材及びそれを用いた急須 |
-
2003
- 2003-02-03 JP JP2003025672A patent/JP2004230101A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012007792A (ja) * | 2010-06-24 | 2012-01-12 | Corona Corp | 加湿装置 |
| JP2012078072A (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-19 | Rinnai Corp | ガスコンロの操作部防水構造 |
| JP2016087323A (ja) * | 2014-11-10 | 2016-05-23 | 孝生 正木 | 茶漉し部材及びそれを用いた急須 |
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