JP2004231005A - 車両用前照灯光軸方向自動調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッドライト(前照灯)の光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイールの操舵角の補正を素早く、かつ補正精度を向上すること。
【解決手段】操舵角センサ18で検出されるステアリングホイール17の操舵角を含む各種車両情報に基づき車両の直進走行時と判定される期間に、操舵角センサ18で検出される操舵角の平均値がゼロ点とされ、このゼロ点に基づき操舵角センサ18で検出された操舵角に応じた操舵角入力値が補正され、この補正された操舵角入力値に基づき車両のヘッドライト10L,10Rの光軸方向がスイブルされ調整される。このため、ヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイール17の操舵角の補正を素早く、かつ補正精度を向上することができ、結果として、スイブル制御において運転者が受ける違和感を緩和することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】操舵角センサ18で検出されるステアリングホイール17の操舵角を含む各種車両情報に基づき車両の直進走行時と判定される期間に、操舵角センサ18で検出される操舵角の平均値がゼロ点とされ、このゼロ点に基づき操舵角センサ18で検出された操舵角に応じた操舵角入力値が補正され、この補正された操舵角入力値に基づき車両のヘッドライト10L,10Rの光軸方向がスイブルされ調整される。このため、ヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイール17の操舵角の補正を素早く、かつ補正精度を向上することができ、結果として、スイブル制御において運転者が受ける違和感を緩和することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に配設される前照灯による左右前方照射の光軸方向や照射範囲をステアリングホイールの操舵角に応じて自動的に調整する車両用前照灯光軸方向自動調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用前照灯光軸方向自動調整装置に関連し、車両のステアリングホイールの操舵角に応じて車両の前照灯の光軸方向を水平方向に平行な左右方向にスイブルさせ調整するものが知られている。ここで、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサは、バッテリ電源瞬断、ステアリングホイールの操舵状態でのバッテリ交換や冬期のバッテリ電圧低下等により、供給されるバッテリ電圧が所定電圧より低下すると、その時点における操舵角を中立位置とするセンサ特性を有しており、このままでは正常なスイブル制御ができなくなるため、センサ特性が正常に維持されるよう適宜、補正する必要がある。
【0003】
これに対処する先行技術文献として、特開平6−219308号公報にて開示されたものが知られている。このものでは、ステアリングホイールや操舵角センサ等からなるステアリング機構の組立時や整備時に、物理的な中立合わせを必要とすることなく、操舵角センサの中立ゾーンのほぼ中央部と車両の実際の直進状態とを一致させる技術が示されている。
【特許文献】特開平6−219308号公報(第2頁〜第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のものでは、操舵角の情報のみを使用して学習を行い、収束した値を操舵角の中立位置としているが、収束するまでに時間がかかるという不具合があった。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、前照灯の光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイールの操舵角の補正を素早く、かつ補正精度を向上可能な車両用前照灯光軸方向自動調整装置の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の車両用前照灯光軸方向自動調整装置によれば、操舵角検出手段で検出される車両のステアリングホイールの操舵角を含む各種車両情報に基づき、直進判定手段により車両の直進走行時と判定される期間に、操舵角検出手段で検出される操舵角の平均値が操舵角ゼロ点としてゼロ点演算手段で算出され、この操舵角ゼロ点に基づき操舵角検出手段で検出された操舵角が補正され、この補正された操舵角に基づきスイブル制御手段にて車両の前照灯の光軸方向がスイブルされ調整される。このため、前照灯の光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイールの操舵角の補正が素早く、かつ補正精度が向上される。
【0007】
請求項2の車両用前照灯光軸方向自動調整装置における直進判定手段では、直進走行時と判定するための各種車両情報として、車両が所定の走行距離を移動する間、操舵角検出手段で検出される操舵角とステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角との偏差が所定値以下である条件が継続しているときとされる。このように、直進走行時と判定するための条件が少ないと、直進走行時と判定される確率が増え、前照灯の光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイールの操舵角の補正の機会が増し、結果的に、ステアリングホイールの操舵角が素早く補正される。
【0008】
請求項3の車両用前照灯光軸方向自動調整装置における直進判定手段では、直進走行時と判定するための各種車両情報として、車両が所定の走行距離を移動する間、操舵角検出手段で検出される操舵角とステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角との偏差が所定値以下であり、加えて、左車輪速検出手段からの左車輪速及び右車輪速検出手段からの右車輪速が共に出力されており、それらの偏差が所定値以下、左車輪速及び右車輪速に基づく車速が所定値未満である条件が継続しているときとされる。このように、直進走行時と判定するための条件が多いと、直進走行時と判定されたときの信頼性が増し、結果的に、前照灯の光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイールの操舵角の補正における信頼性が向上される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置の全体構成を示す概略図である。
【0011】
図1において、車両の前面には前照灯として左右のヘッドライト10L,10Rが配設されている。これらヘッドライト10L,10Rには光軸方向を調整するための各アクチュエータ11L,11Rが接続されている。20はECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)であり、ECU20は周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU21、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM22、各種データを格納するRAM23、書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM24、入出力回路25及びそれらを接続するバスライン26等からなる論理演算回路として構成されている。
【0012】
なお、本実施例では、図示しないイグニッションスイッチがオフ(IG−OFF)とされるとECU20への電源供給がなくなるため、EEPROM24を用いているが、イグニッションスイッチのオン/オフにかかわらずECU20に常時、電源供給されるシステムではEEPROM24に替えてB/U(バックアップ)RAM等を用いることもできる。
【0013】
ECU20には、車両の左車輪の左車輪速VL を検出する左車輪速センサ16Lからの出力信号、車両の右車輪の右車輪速VR を検出する右車輪速センサ16Rからの出力信号、運転者によるステアリングホイール17の操舵角STAを検出する操舵角センサ18からの出力信号、その他の各種センサ信号が入力されている。そして、ECU20からの出力信号が車両の左右のヘッドライト10L,10Rの各アクチュエータ11L,11Rに入力され、左右のヘッドライト10L,10Rの光軸方向が調整される。
【0014】
ここで、操舵角センサ18で検出される操舵角STAは、以下の各種車両情報に基づく複数の条件が全て成立するときには、ステアリングホイール17による左右方向への操舵がない車両の直進走行時にあるとして、ECU20内のCPU21にて操舵角入力値と認識される。
【0015】
この複数の条件としては、左車輪速センサ16Lで検出される左車輪速VL が「0(零)」でなく、右車輪速センサ16Rで検出される右車輪速VR が「0」でなく、ステアリングホイール17や操舵角センサ18等からなるステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角と現在の操舵角STAとの差分の絶対値が1.5〔°〕以下、左車輪速VL と右車輪速VR との差分の絶対値が左車輪速センサ16Lまたは右車輪速センサ16Rを構成するロータリエンコーダから出力される分解能としての1パルス信号の半ピッチ分以下、左車輪速センサ16Lで検出される左車輪速VL 及び右車輪速センサ16Rで検出される右車輪速VR に基づき算出される車速SPDが80〔km/h〕未満、これらの条件が100〔m〕走行する間、継続しているとき、とされる。
【0016】
そして、100〔m〕走行する間に取得される操舵角入力値の平均値が操舵角ゼロ点(以下、単に『ゼロ点』と記す)とされ、EEPROM24内にゼロ点値として逐次格納され、同時に、EEPROM24内にゼロ点状態がゼロ点確定済として格納される。このように、操舵角STAに基づくゼロ点値がEEPROM24内に格納される一連の処理が、後述のゼロ点検出処理である。
【0017】
なお、本実施例の構成においては、図2に示すように、ヘッドライト10R,10Lの配光領域(ロービーム)が、ステアリングホイール17の中立位置から左方向または右方向への操舵に応じて初期位置から左方向または右方向へスイブル制御範囲内にて調整される。このスイブル制御範囲は、運転者の前方視認性を損なうことなく、運転者のステアリングホイール17の操舵に伴う左方向または右方向の視認性が考慮される。このため、車両のステアリングホイール17の操舵による右旋回ではヘッドライト10Rの配光領域に対する右方向のヘッドライト10Rのスイブル制御範囲の方がヘッドライト10Lの配光領域に対する右方向のヘッドライト10Lのスイブル制御範囲より広くされている。逆に、車両のステアリングホイール17の操舵による左旋回ではヘッドライト10Lの配光領域に対する左方向のヘッドライト10Lのスイブル制御範囲の方がヘッドライト10Rの配光領域に対する左方向のヘッドライト10Rのスイブル制御範囲より広くされている。
【0018】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されているECU20内のCPU21におけるゼロ点(操舵角ゼロ点)補正の処理手順を示す図3、図4及び図5のフローチャートに基づいて説明する。ここで、図3は初期設定ルーチン、図4は操舵角入力取得時ルーチン、図5はゼロ点検出ルーチンである。なお、図3のゼロ点補正の初期設定ルーチンはIG−ON(オン)ののち、最初に受信された操舵角STAと基準操舵角との差分の絶対値が1.5〔°〕を越えたときに1回だけ実行され、図4の操舵角入力取得時ルーチン及び図5のゼロ点検出ルーチンは初期設定ルーチン実行ののち所定時間毎にCPU21にて繰返し実行される。
【0019】
図3において、まず、ステップS101では、ゼロ点が検出済みであることを表わすゼロ点検出フラグが“未検出”に設定される。次にステップS102に移行して、EEPROM24内に格納されているゼロ点状態が読出される。次にステップS103に移行して、EEPROM24内に格納されているゼロ点値が読出される。次にステップS104に移行して、ステップS102で読出されたゼロ点状態がゼロ点確定となっているかが判定される。ステップS104の判定条件が成立せず、即ち、ゼロ点不確定であり未だ確定済みのゼロ点値がEEPROM24内に格納されていないときにはステップS105に移行し、補正値が「0」とされる。次にステップS106に移行して、ステアリングホイール17の操舵角STAに対してヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際の制御用操舵角が「0(中立位置)」とされる。次にステップS107に移行して、操舵角入力使用フラグが“禁止”とされ、本ルーチンを終了する。
【0020】
一方、ステップS104の判定条件が成立、即ち、既に確定済みのゼロ点値がEEPROM24内に格納されているときにはステップS108に移行し、補正値がステップS103で読出されたゼロ点値に設定される。次にステップS109に移行して、ステップS106と同様に制御用操舵角が「0」とされる。そして、ステップS110で、操舵角入力使用フラグが“許可”とされ、本ルーチンを終了する。
【0021】
次に、図4において、ステップS201では、上述の全ての条件が成立するときには、操舵角センサ18からの操舵角STAが操舵角入力値として取得される。次にステップS202に移行して、不連続フラグが「1」であるかが判定される。この不連続フラグは、ステップS201で取得された操舵角入力値と、ステアリングホイール17や操舵角センサ18等からなるステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせに基づく基準操舵角との偏差が常時、監視され、この偏差が所定操舵角より小さいときに「0」、所定操舵角より大きくなったときに「1」とされる。
【0022】
ステップS202の判定条件が成立、即ち、不連続フラグが「1」であり、ステップS201で取得された操舵角入力値と基準操舵角との偏差が大きくなり過ぎ、操舵角入力値の信頼性がないときにはステップS203に移行し、ゼロ点状態がゼロ点不確定であるとしてEEPROM24内に書込まれる。次にステップS204に移行して、補正値が「0」とされる。次にステップS205に移行して、操舵角入力使用フラグが“禁止”とされる。次にステップS206に移行して、ゼロ点検出フラグが“未検出”に設定される。一方、ステップS202の判定条件が成立せず、即ち、不連続フラグが「0」であるときにはステップS203〜ステップS206がスキップされる。
【0023】
次にステップS207に移行して、操舵角入力使用フラグが“禁止”に設定されているかが判定される。ステップS207の判定条件が成立、即ち、操舵角入力使用フラグが“禁止”に設定されているときにはステップS208に移行し、ステアリングホイール17の操舵角STAに対してヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際の制御用操舵角が「0」とされ、本ルーチンを終了する。一方、ステップS207の判定条件が成立せず、即ち、操舵角入力使用フラグが“許可”に設定されているときにはステップS209に移行し、ステップS201で取得された操舵角入力値から補正値が減算された値が、ステアリングホイール17の操舵角STAに対してヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際の制御用操舵角とされ、本ルーチンを終了する。なお、このときの補正値は、上述したように、ゼロ点確定であるとゼロ点値、ゼロ点不確定であると「0」となる。
【0024】
次に、図5において、ステップS301では、ゼロ点検出フラグが“未検出”であるかが判定される。ステップS301の判定条件が成立、即ち、ゼロ点検出フラグが“未検出”であるときにはステップS302に移行し、上述のゼロ点検出処理が実行され、ゼロ点値が算出される。次にステップS303に移行して、ゼロ点不確定であるかが判定される。ステップS303の判定条件が成立、即ち、ゼロ点不確定であり未だ確定済みのゼロ点値がEEPROM24内に格納されていないときにはステップS304に移行する。
【0025】
ステップS304では、ステップS302で算出されたゼロ点値がEEPROM24内に書込まれる。次にステップS305に移行して、ゼロ点状態としてゼロ点確定済がEEPROM24内に書込まれる。次にステップS306に移行して、ステップS302で算出されたゼロ点値が補正値とされる。次にステップS307に移行して、ゼロ点検出フラグが“検出済”とされる。次にステップS308に移行して、操舵角入力使用フラグが“許可”とされ、本ルーチンを終了する。
【0026】
一方、ステップS303の判定条件が成立せず、即ち、既に確定済みのゼロ点値がEEPROM24内に格納されているときにはステップS309に移行し、最新のゼロ点値に対応する補正値とIG−ON後のゼロ点値の初期値との差分の絶対値が3〔°〕を越えているかが判定される。ステップS309の判定条件が成立、即ち、補正値と初期値との絶対値が3〔°〕を越えて大きいときには誤検出状態と見做し、ステップS310〜ステップS314の処理が実行される。
【0027】
ステップS310では、最新のゼロ点値がEEPROM24内に書込まれる。次にステップS311に移行して、ゼロ点状態としてゼロ点確定済がEEPROM24内に書込まれる。次にステップS312に移行して、最新のゼロ点値が補正値とされる。次にステップS313に移行して、ゼロ点検出フラグが“検出済”とされる。次にステップS314に移行して、操舵角入力使用フラグが“許可”とされ、本ルーチンを終了する。一方、ステップS309の判定条件が成立せず、即ち、補正値と初期値との絶対値が3〔°〕以下と小さいときにはステップS315に移行し、ゼロ点検出フラグが“検出済”とされ、本ルーチンを終了する。一方、ステップS301の判定条件が成立せず、即ち、ゼロ点検出フラグが“検出済”であり、ゼロ点値が既に検出されているときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。
【0028】
このように、本実施例の車両用前照灯光軸方向自動調整装置は、車両のステアリングホイール17の操舵角STAを検出する操舵角検出手段としての操舵角センサ18と、操舵角センサ18で検出される操舵角STAを含む各種車両情報に基づき車両の直進走行時を判定するECU20にて達成される直進判定手段と、前記直進判定手段にて直進走行時と判定される期間に、操舵角センサ18で検出される操舵角STAの平均値をゼロ点(操舵角ゼロ点)として算出するECU20にて達成されるゼロ点演算手段と、前記ゼロ点演算手段で算出されたゼロ点に基づき操舵角センサ18で検出された操舵角STAに応じた操舵角入力値を補正し、車両のヘッドライト(前照灯)10L,10Rの光軸方向を水平方向に平行な左右方向にスイブルさせ調整するアクチュエータ11L,11R及びECU20にて達成されるスイブル制御手段とを具備するものである。
【0029】
つまり、操舵角センサ18で検出される車両のステアリングホイール17の操舵角STAを含む各種車両情報に基づき車両の直進走行時と判定される期間に、操舵角センサ18で検出される操舵角STAの平均値がゼロ点とされ、このゼロ点に基づき操舵角センサ18で検出された操舵角STAに応じた操舵角入力値が補正され、この補正された操舵角入力値に基づき車両のヘッドライト10L,10Rの光軸方向がスイブルされ調整される。このため、ヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイール17の操舵角STAの補正を素早く、かつ補正精度を向上することができ、結果として、スイブル制御において運転者が受ける違和感を緩和することができる。
【0030】
また、本実施例の車両用前照灯光軸方向自動調整装置のECU20にて達成される直進判定手段は、各種車両情報として、車両が走行距離100〔m〕を移動する間、操舵角センサ18で検出される操舵角STAとステアリングホイール17や操舵角センサ18等からなるステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角との差分の絶対値(偏差)が1.5〔°〕以下であり、加えて、左車輪速センサ16Lで検出される左車輪速VL 及び右車輪速センサ16Rで検出される右車輪速VR が共に「0(零)」でなく、それらの差分の絶対値(偏差)が分解能としての1パルス信号の半ピッチ分以下、左車輪速センサ16Lで検出される左車輪速VL 及び右車輪速センサ16Rで検出される右車輪速VR に基づき算出される車速SPDが80〔km/h〕未満である条件が継続しているとき、直進走行時と判定するものである。
【0031】
つまり、直進走行時と判定するための各種車両情報として、車両が走行距離100〔m〕を移動する間、操舵角センサ18で検出される操舵角STAとステアリングホイール17及びや操舵角センサ18等からなるステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角との差分の絶対値が1.5〔°〕以下と小さく、加えて、左車輪速センサ16Lからの左車輪速VL 及び右車輪速センサ16Rからの右車輪速VR が共に出力されており、それらの差分の絶対値が分解能としての1パルス信号の半ピッチ分以下と小さく、左車輪速VL 及び右車輪速VR に基づく車速SPDが80〔km/h〕未満である条件が継続しているときとされる。このように、直進走行時と判定するための条件が多いと、直進走行時と判定されたときの信頼性が増し、結果的に、ヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイール17の操舵角STAの補正における信頼性を向上することができる。
【0032】
ところで、上記実施例では、上述の各種車両情報に基づく複数の条件が全て成立するときに、操舵角センサ18で検出される操舵角STAを操舵角入力値と認識するとしているが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、これらの条件のうち、ステアリングホイール17や操舵角センサ18等からなるステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角と現在の操舵角STAとの差分の絶対値が1.5〔°〕以下の状態が、100〔m〕走行する間、継続していれば、操舵角入力値と認識し、その平均値をゼロ点として算出するようにしてもよい。
【0033】
このような車両用前照灯光軸方向自動調整装置のECU20内のCPU21にて達成される直進判定手段は、各種車両情報として、車両が走行距離100〔m〕を移動する間、操舵角センサ18で検出される操舵角STAと基準操舵角との偏差である差分の絶対値が1.5〔°〕以下である条件が継続しているとき、直進走行時と判定するものであり、上述の実施例より判定条件が少ない分だけ直進走行時と判定される確率が増え、ゼロ点の算出機会が増し、結果的に、ヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイール17の操舵角STAを素早く補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置におけるヘッドライトの配光領域を示す説明図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されているECU内のCPUにおけるゼロ点補正で初期設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されているECU内のCPUにおけるゼロ点補正で操舵角入力取得時の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されているECU内のCPUにおけるゼロ点補正でゼロ点検出の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10L,10R ヘッドライト(前照灯)
11L,11R アクチュエータ
16L,16R 車輪速センサ
17 ステアリングホイール
18 操舵角センサ
20 ECU(電子制御ユニット)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に配設される前照灯による左右前方照射の光軸方向や照射範囲をステアリングホイールの操舵角に応じて自動的に調整する車両用前照灯光軸方向自動調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用前照灯光軸方向自動調整装置に関連し、車両のステアリングホイールの操舵角に応じて車両の前照灯の光軸方向を水平方向に平行な左右方向にスイブルさせ調整するものが知られている。ここで、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサは、バッテリ電源瞬断、ステアリングホイールの操舵状態でのバッテリ交換や冬期のバッテリ電圧低下等により、供給されるバッテリ電圧が所定電圧より低下すると、その時点における操舵角を中立位置とするセンサ特性を有しており、このままでは正常なスイブル制御ができなくなるため、センサ特性が正常に維持されるよう適宜、補正する必要がある。
【0003】
これに対処する先行技術文献として、特開平6−219308号公報にて開示されたものが知られている。このものでは、ステアリングホイールや操舵角センサ等からなるステアリング機構の組立時や整備時に、物理的な中立合わせを必要とすることなく、操舵角センサの中立ゾーンのほぼ中央部と車両の実際の直進状態とを一致させる技術が示されている。
【特許文献】特開平6−219308号公報(第2頁〜第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のものでは、操舵角の情報のみを使用して学習を行い、収束した値を操舵角の中立位置としているが、収束するまでに時間がかかるという不具合があった。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、前照灯の光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイールの操舵角の補正を素早く、かつ補正精度を向上可能な車両用前照灯光軸方向自動調整装置の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の車両用前照灯光軸方向自動調整装置によれば、操舵角検出手段で検出される車両のステアリングホイールの操舵角を含む各種車両情報に基づき、直進判定手段により車両の直進走行時と判定される期間に、操舵角検出手段で検出される操舵角の平均値が操舵角ゼロ点としてゼロ点演算手段で算出され、この操舵角ゼロ点に基づき操舵角検出手段で検出された操舵角が補正され、この補正された操舵角に基づきスイブル制御手段にて車両の前照灯の光軸方向がスイブルされ調整される。このため、前照灯の光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイールの操舵角の補正が素早く、かつ補正精度が向上される。
【0007】
請求項2の車両用前照灯光軸方向自動調整装置における直進判定手段では、直進走行時と判定するための各種車両情報として、車両が所定の走行距離を移動する間、操舵角検出手段で検出される操舵角とステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角との偏差が所定値以下である条件が継続しているときとされる。このように、直進走行時と判定するための条件が少ないと、直進走行時と判定される確率が増え、前照灯の光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイールの操舵角の補正の機会が増し、結果的に、ステアリングホイールの操舵角が素早く補正される。
【0008】
請求項3の車両用前照灯光軸方向自動調整装置における直進判定手段では、直進走行時と判定するための各種車両情報として、車両が所定の走行距離を移動する間、操舵角検出手段で検出される操舵角とステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角との偏差が所定値以下であり、加えて、左車輪速検出手段からの左車輪速及び右車輪速検出手段からの右車輪速が共に出力されており、それらの偏差が所定値以下、左車輪速及び右車輪速に基づく車速が所定値未満である条件が継続しているときとされる。このように、直進走行時と判定するための条件が多いと、直進走行時と判定されたときの信頼性が増し、結果的に、前照灯の光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイールの操舵角の補正における信頼性が向上される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置の全体構成を示す概略図である。
【0011】
図1において、車両の前面には前照灯として左右のヘッドライト10L,10Rが配設されている。これらヘッドライト10L,10Rには光軸方向を調整するための各アクチュエータ11L,11Rが接続されている。20はECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)であり、ECU20は周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU21、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM22、各種データを格納するRAM23、書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM24、入出力回路25及びそれらを接続するバスライン26等からなる論理演算回路として構成されている。
【0012】
なお、本実施例では、図示しないイグニッションスイッチがオフ(IG−OFF)とされるとECU20への電源供給がなくなるため、EEPROM24を用いているが、イグニッションスイッチのオン/オフにかかわらずECU20に常時、電源供給されるシステムではEEPROM24に替えてB/U(バックアップ)RAM等を用いることもできる。
【0013】
ECU20には、車両の左車輪の左車輪速VL を検出する左車輪速センサ16Lからの出力信号、車両の右車輪の右車輪速VR を検出する右車輪速センサ16Rからの出力信号、運転者によるステアリングホイール17の操舵角STAを検出する操舵角センサ18からの出力信号、その他の各種センサ信号が入力されている。そして、ECU20からの出力信号が車両の左右のヘッドライト10L,10Rの各アクチュエータ11L,11Rに入力され、左右のヘッドライト10L,10Rの光軸方向が調整される。
【0014】
ここで、操舵角センサ18で検出される操舵角STAは、以下の各種車両情報に基づく複数の条件が全て成立するときには、ステアリングホイール17による左右方向への操舵がない車両の直進走行時にあるとして、ECU20内のCPU21にて操舵角入力値と認識される。
【0015】
この複数の条件としては、左車輪速センサ16Lで検出される左車輪速VL が「0(零)」でなく、右車輪速センサ16Rで検出される右車輪速VR が「0」でなく、ステアリングホイール17や操舵角センサ18等からなるステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角と現在の操舵角STAとの差分の絶対値が1.5〔°〕以下、左車輪速VL と右車輪速VR との差分の絶対値が左車輪速センサ16Lまたは右車輪速センサ16Rを構成するロータリエンコーダから出力される分解能としての1パルス信号の半ピッチ分以下、左車輪速センサ16Lで検出される左車輪速VL 及び右車輪速センサ16Rで検出される右車輪速VR に基づき算出される車速SPDが80〔km/h〕未満、これらの条件が100〔m〕走行する間、継続しているとき、とされる。
【0016】
そして、100〔m〕走行する間に取得される操舵角入力値の平均値が操舵角ゼロ点(以下、単に『ゼロ点』と記す)とされ、EEPROM24内にゼロ点値として逐次格納され、同時に、EEPROM24内にゼロ点状態がゼロ点確定済として格納される。このように、操舵角STAに基づくゼロ点値がEEPROM24内に格納される一連の処理が、後述のゼロ点検出処理である。
【0017】
なお、本実施例の構成においては、図2に示すように、ヘッドライト10R,10Lの配光領域(ロービーム)が、ステアリングホイール17の中立位置から左方向または右方向への操舵に応じて初期位置から左方向または右方向へスイブル制御範囲内にて調整される。このスイブル制御範囲は、運転者の前方視認性を損なうことなく、運転者のステアリングホイール17の操舵に伴う左方向または右方向の視認性が考慮される。このため、車両のステアリングホイール17の操舵による右旋回ではヘッドライト10Rの配光領域に対する右方向のヘッドライト10Rのスイブル制御範囲の方がヘッドライト10Lの配光領域に対する右方向のヘッドライト10Lのスイブル制御範囲より広くされている。逆に、車両のステアリングホイール17の操舵による左旋回ではヘッドライト10Lの配光領域に対する左方向のヘッドライト10Lのスイブル制御範囲の方がヘッドライト10Rの配光領域に対する左方向のヘッドライト10Rのスイブル制御範囲より広くされている。
【0018】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されているECU20内のCPU21におけるゼロ点(操舵角ゼロ点)補正の処理手順を示す図3、図4及び図5のフローチャートに基づいて説明する。ここで、図3は初期設定ルーチン、図4は操舵角入力取得時ルーチン、図5はゼロ点検出ルーチンである。なお、図3のゼロ点補正の初期設定ルーチンはIG−ON(オン)ののち、最初に受信された操舵角STAと基準操舵角との差分の絶対値が1.5〔°〕を越えたときに1回だけ実行され、図4の操舵角入力取得時ルーチン及び図5のゼロ点検出ルーチンは初期設定ルーチン実行ののち所定時間毎にCPU21にて繰返し実行される。
【0019】
図3において、まず、ステップS101では、ゼロ点が検出済みであることを表わすゼロ点検出フラグが“未検出”に設定される。次にステップS102に移行して、EEPROM24内に格納されているゼロ点状態が読出される。次にステップS103に移行して、EEPROM24内に格納されているゼロ点値が読出される。次にステップS104に移行して、ステップS102で読出されたゼロ点状態がゼロ点確定となっているかが判定される。ステップS104の判定条件が成立せず、即ち、ゼロ点不確定であり未だ確定済みのゼロ点値がEEPROM24内に格納されていないときにはステップS105に移行し、補正値が「0」とされる。次にステップS106に移行して、ステアリングホイール17の操舵角STAに対してヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際の制御用操舵角が「0(中立位置)」とされる。次にステップS107に移行して、操舵角入力使用フラグが“禁止”とされ、本ルーチンを終了する。
【0020】
一方、ステップS104の判定条件が成立、即ち、既に確定済みのゼロ点値がEEPROM24内に格納されているときにはステップS108に移行し、補正値がステップS103で読出されたゼロ点値に設定される。次にステップS109に移行して、ステップS106と同様に制御用操舵角が「0」とされる。そして、ステップS110で、操舵角入力使用フラグが“許可”とされ、本ルーチンを終了する。
【0021】
次に、図4において、ステップS201では、上述の全ての条件が成立するときには、操舵角センサ18からの操舵角STAが操舵角入力値として取得される。次にステップS202に移行して、不連続フラグが「1」であるかが判定される。この不連続フラグは、ステップS201で取得された操舵角入力値と、ステアリングホイール17や操舵角センサ18等からなるステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせに基づく基準操舵角との偏差が常時、監視され、この偏差が所定操舵角より小さいときに「0」、所定操舵角より大きくなったときに「1」とされる。
【0022】
ステップS202の判定条件が成立、即ち、不連続フラグが「1」であり、ステップS201で取得された操舵角入力値と基準操舵角との偏差が大きくなり過ぎ、操舵角入力値の信頼性がないときにはステップS203に移行し、ゼロ点状態がゼロ点不確定であるとしてEEPROM24内に書込まれる。次にステップS204に移行して、補正値が「0」とされる。次にステップS205に移行して、操舵角入力使用フラグが“禁止”とされる。次にステップS206に移行して、ゼロ点検出フラグが“未検出”に設定される。一方、ステップS202の判定条件が成立せず、即ち、不連続フラグが「0」であるときにはステップS203〜ステップS206がスキップされる。
【0023】
次にステップS207に移行して、操舵角入力使用フラグが“禁止”に設定されているかが判定される。ステップS207の判定条件が成立、即ち、操舵角入力使用フラグが“禁止”に設定されているときにはステップS208に移行し、ステアリングホイール17の操舵角STAに対してヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際の制御用操舵角が「0」とされ、本ルーチンを終了する。一方、ステップS207の判定条件が成立せず、即ち、操舵角入力使用フラグが“許可”に設定されているときにはステップS209に移行し、ステップS201で取得された操舵角入力値から補正値が減算された値が、ステアリングホイール17の操舵角STAに対してヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際の制御用操舵角とされ、本ルーチンを終了する。なお、このときの補正値は、上述したように、ゼロ点確定であるとゼロ点値、ゼロ点不確定であると「0」となる。
【0024】
次に、図5において、ステップS301では、ゼロ点検出フラグが“未検出”であるかが判定される。ステップS301の判定条件が成立、即ち、ゼロ点検出フラグが“未検出”であるときにはステップS302に移行し、上述のゼロ点検出処理が実行され、ゼロ点値が算出される。次にステップS303に移行して、ゼロ点不確定であるかが判定される。ステップS303の判定条件が成立、即ち、ゼロ点不確定であり未だ確定済みのゼロ点値がEEPROM24内に格納されていないときにはステップS304に移行する。
【0025】
ステップS304では、ステップS302で算出されたゼロ点値がEEPROM24内に書込まれる。次にステップS305に移行して、ゼロ点状態としてゼロ点確定済がEEPROM24内に書込まれる。次にステップS306に移行して、ステップS302で算出されたゼロ点値が補正値とされる。次にステップS307に移行して、ゼロ点検出フラグが“検出済”とされる。次にステップS308に移行して、操舵角入力使用フラグが“許可”とされ、本ルーチンを終了する。
【0026】
一方、ステップS303の判定条件が成立せず、即ち、既に確定済みのゼロ点値がEEPROM24内に格納されているときにはステップS309に移行し、最新のゼロ点値に対応する補正値とIG−ON後のゼロ点値の初期値との差分の絶対値が3〔°〕を越えているかが判定される。ステップS309の判定条件が成立、即ち、補正値と初期値との絶対値が3〔°〕を越えて大きいときには誤検出状態と見做し、ステップS310〜ステップS314の処理が実行される。
【0027】
ステップS310では、最新のゼロ点値がEEPROM24内に書込まれる。次にステップS311に移行して、ゼロ点状態としてゼロ点確定済がEEPROM24内に書込まれる。次にステップS312に移行して、最新のゼロ点値が補正値とされる。次にステップS313に移行して、ゼロ点検出フラグが“検出済”とされる。次にステップS314に移行して、操舵角入力使用フラグが“許可”とされ、本ルーチンを終了する。一方、ステップS309の判定条件が成立せず、即ち、補正値と初期値との絶対値が3〔°〕以下と小さいときにはステップS315に移行し、ゼロ点検出フラグが“検出済”とされ、本ルーチンを終了する。一方、ステップS301の判定条件が成立せず、即ち、ゼロ点検出フラグが“検出済”であり、ゼロ点値が既に検出されているときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。
【0028】
このように、本実施例の車両用前照灯光軸方向自動調整装置は、車両のステアリングホイール17の操舵角STAを検出する操舵角検出手段としての操舵角センサ18と、操舵角センサ18で検出される操舵角STAを含む各種車両情報に基づき車両の直進走行時を判定するECU20にて達成される直進判定手段と、前記直進判定手段にて直進走行時と判定される期間に、操舵角センサ18で検出される操舵角STAの平均値をゼロ点(操舵角ゼロ点)として算出するECU20にて達成されるゼロ点演算手段と、前記ゼロ点演算手段で算出されたゼロ点に基づき操舵角センサ18で検出された操舵角STAに応じた操舵角入力値を補正し、車両のヘッドライト(前照灯)10L,10Rの光軸方向を水平方向に平行な左右方向にスイブルさせ調整するアクチュエータ11L,11R及びECU20にて達成されるスイブル制御手段とを具備するものである。
【0029】
つまり、操舵角センサ18で検出される車両のステアリングホイール17の操舵角STAを含む各種車両情報に基づき車両の直進走行時と判定される期間に、操舵角センサ18で検出される操舵角STAの平均値がゼロ点とされ、このゼロ点に基づき操舵角センサ18で検出された操舵角STAに応じた操舵角入力値が補正され、この補正された操舵角入力値に基づき車両のヘッドライト10L,10Rの光軸方向がスイブルされ調整される。このため、ヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイール17の操舵角STAの補正を素早く、かつ補正精度を向上することができ、結果として、スイブル制御において運転者が受ける違和感を緩和することができる。
【0030】
また、本実施例の車両用前照灯光軸方向自動調整装置のECU20にて達成される直進判定手段は、各種車両情報として、車両が走行距離100〔m〕を移動する間、操舵角センサ18で検出される操舵角STAとステアリングホイール17や操舵角センサ18等からなるステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角との差分の絶対値(偏差)が1.5〔°〕以下であり、加えて、左車輪速センサ16Lで検出される左車輪速VL 及び右車輪速センサ16Rで検出される右車輪速VR が共に「0(零)」でなく、それらの差分の絶対値(偏差)が分解能としての1パルス信号の半ピッチ分以下、左車輪速センサ16Lで検出される左車輪速VL 及び右車輪速センサ16Rで検出される右車輪速VR に基づき算出される車速SPDが80〔km/h〕未満である条件が継続しているとき、直進走行時と判定するものである。
【0031】
つまり、直進走行時と判定するための各種車両情報として、車両が走行距離100〔m〕を移動する間、操舵角センサ18で検出される操舵角STAとステアリングホイール17及びや操舵角センサ18等からなるステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角との差分の絶対値が1.5〔°〕以下と小さく、加えて、左車輪速センサ16Lからの左車輪速VL 及び右車輪速センサ16Rからの右車輪速VR が共に出力されており、それらの差分の絶対値が分解能としての1パルス信号の半ピッチ分以下と小さく、左車輪速VL 及び右車輪速VR に基づく車速SPDが80〔km/h〕未満である条件が継続しているときとされる。このように、直進走行時と判定するための条件が多いと、直進走行時と判定されたときの信頼性が増し、結果的に、ヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイール17の操舵角STAの補正における信頼性を向上することができる。
【0032】
ところで、上記実施例では、上述の各種車両情報に基づく複数の条件が全て成立するときに、操舵角センサ18で検出される操舵角STAを操舵角入力値と認識するとしているが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、これらの条件のうち、ステアリングホイール17や操舵角センサ18等からなるステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角と現在の操舵角STAとの差分の絶対値が1.5〔°〕以下の状態が、100〔m〕走行する間、継続していれば、操舵角入力値と認識し、その平均値をゼロ点として算出するようにしてもよい。
【0033】
このような車両用前照灯光軸方向自動調整装置のECU20内のCPU21にて達成される直進判定手段は、各種車両情報として、車両が走行距離100〔m〕を移動する間、操舵角センサ18で検出される操舵角STAと基準操舵角との偏差である差分の絶対値が1.5〔°〕以下である条件が継続しているとき、直進走行時と判定するものであり、上述の実施例より判定条件が少ない分だけ直進走行時と判定される確率が増え、ゼロ点の算出機会が増し、結果的に、ヘッドライト10L,10Rの光軸方向をスイブル制御する際のステアリングホイール17の操舵角STAを素早く補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置におけるヘッドライトの配光領域を示す説明図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されているECU内のCPUにおけるゼロ点補正で初期設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されているECU内のCPUにおけるゼロ点補正で操舵角入力取得時の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用前照灯光軸方向自動調整装置で使用されているECU内のCPUにおけるゼロ点補正でゼロ点検出の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10L,10R ヘッドライト(前照灯)
11L,11R アクチュエータ
16L,16R 車輪速センサ
17 ステアリングホイール
18 操舵角センサ
20 ECU(電子制御ユニット)
Claims (3)
- 車両のステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記操舵角検出手段で検出される操舵角を含む各種車両情報に基づき前記車両の直進走行時を判定する直進判定手段と、
前記直進判定手段にて直進走行時と判定される期間に、前記操舵角検出手段で検出される操舵角の平均値を操舵角ゼロ点として算出するゼロ点演算手段と、
前記ゼロ点演算手段で算出された操舵角ゼロ点に基づき前記操舵角検出手段で検出された操舵角を補正し、前記車両の前照灯の光軸方向を水平方向に平行な左右方向にスイブル(Swivel:旋回)させ調整するスイブル制御手段と
を具備することを特徴とする車両用前照灯光軸方向自動調整装置。 - 前記直進判定手段は、前記各種車両情報として、前記車両が所定の走行距離を移動する間、前記操舵角検出手段で検出される操舵角とステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角との偏差が所定値以下である条件が継続しているとき、直進走行時と判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯光軸方向自動調整装置。
- 前記車両の左車輪の速度である左車輪速を検出する左車輪速検出手段と、
前記車両の右車輪の速度である右車輪速を検出する右車輪速検出手段とを具備し、
前記直進判定手段は、前記各種車両情報として、前記車両が所定の走行距離を移動する間、前記操舵角検出手段で検出される操舵角とステアリング機構の組立時や整備時の物理的な中立合わせによる基準操舵角との偏差が所定値以下であり、加えて、前記左車輪速検出手段で検出される左車輪速及び右車輪速検出手段で検出される右車輪速が共に零でなく、それらの偏差が所定値以下、前記左車輪速及び前記右車輪速に基づく車速が所定値未満である条件が継続しているとき、直進走行時と判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯光軸方向自動調整装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003020729A JP2004231005A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 車両用前照灯光軸方向自動調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003020729A JP2004231005A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 車両用前照灯光軸方向自動調整装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004231005A true JP2004231005A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32950278
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003020729A Pending JP2004231005A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 車両用前照灯光軸方向自動調整装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004231005A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006013969A1 (ja) | 2004-08-06 | 2006-02-09 | Kuraray Co., Ltd. | 導光板、その製造方法、及びそれを備える面光源装置 |
-
2003
- 2003-01-29 JP JP2003020729A patent/JP2004231005A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006013969A1 (ja) | 2004-08-06 | 2006-02-09 | Kuraray Co., Ltd. | 導光板、その製造方法、及びそれを備える面光源装置 |
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