JP2004231797A - 生分解性粘着剤とそのワニスおよび積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリ乳酸フィルムをはじめとする生分解性基材との密着性や生分解性に優れた粘着剤とそれを用いた積層体を提供する。
【解決手段】乳酸残基を55重量%以上含有し、L乳酸とD乳酸のモル比(L/D)が0.11〜9、還元粘度が0.2〜1.0dl/gの範囲にある脂肪族ポリエステル(A)と天然物系粘着付与樹脂(B)を必須の成分として含有することを特徴とする生分解性粘着剤、ならびにこれを非ハロゲン系溶剤(D)に溶解した粘着剤ワニスおよびこれを生分解性基材(E)に積層した生分解性積層体に関する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物による分解性を有することを特徴とする粘着剤とそれを用いたワニスおよび積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
戦後、粘着剤の発展はゴム系粘着剤を主な柱として、次々に開発されたポリマーをくまなくテストし、製品に応用していった。そして、実用性、機能性などの総合的な評価を受けたものがポリ酢酸ビニル系粘着剤である。当時の日本の原料事情及び戦中戦後の技術蓄積からしても酢酸ビニルは手ごろな原料であった。ついで塩ビ・ビニルエーテル共重合体と酢酸ビニルをベースとする粘着剤が、ポリビニルブチラール系粘着剤が開発された。昭和30年以降には、原料の輸入及び国産化が進んできて、欧米の特許に見られる各種ポリマー(例えばポリビニルエーテル、ポリイソブチル、SBR、各種の合成ゴム類など)をベースとする粘着剤が続々と製品に応用されることとなった。とりわけ特筆されるのはアクリル系粘着剤の出現である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このアクリル系粘着剤はカーボン数2〜12の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルを主体とし、これにアクリル酸、アクリルアマイドをはじめ、極性基を有するモノマーを少量共重合させることによって得られたアクリル樹脂を主成分とする粘着剤である。アクリル酸エステルは粘着性を付与し、他のモノマーは凝集性、接着性、さらには架橋反応性を付与するために共重合させる。粘着性付与樹脂(タッキファイヤー)、可塑剤などの添加剤成分をほとんど必要とせず、共重合体一成分、あるいはこれに架橋剤を反応させた系で粘着剤になりうる。つまり、一成分で粘着剤にふさわしい粘弾性を持っている。
【0004】
最近、環境問題に対応するために各種包装材料や工業用建材フィルムとしてポリL−乳酸フィルムをはじめとする生分解性フィルムが検討されている。あくまで環境問題に対応するための究極の形態は、全ての素材を生分解性の材料とすることであるが、生分解性フィルムに上述のアクリル系粘着剤を塗布した場合、微生物により分解されないため、コンポスト処理を実施できない等の問題が生じていた。さらには、ポリ乳酸をはじめとする生分解性を有する基材にアクリル樹脂系の粘着剤を積層しても、密着性が十分でなく、例えばフィルムの折り曲げやこすり試験で容易に粘着剤層が脱落してしまったり、逆に被着体の方へ粘着剤層が転写してしまったりして、実用的ではなかった。
【0005】
生分解性を有する粘着剤としては、天然ゴム等のエラストマーに生分解性物質を配合した粘着剤(例えば特許文献2参照)、生ロジンと天然ゴムからなる粘着剤(例えば特許文献3参照)が提案されているが、これらの生分解性はポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル素材と比べ、微生物による分解速度が遅いことや、生分解性基材の中でも、将来的に、主役となると予測されるポリ乳酸フィルムへの密着性が悪い等の実用性能上の問題があり、普及するまでに至っていない。
【0006】
【特許文献1】
特公昭34−9270号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平7−26219号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平7−173442号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ポリ乳酸フィルムをはじめとする生分解性基材との密着性や生分解性に優れた粘着剤とそれを用いた積層体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ね、本発明の粘着剤を用いることにより、基材への密着性が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は以下の生分解性粘着剤とそれを用いたワニスおよび積層体である。
【0009】
(1)乳酸残基を55重量%以上含有し、L乳酸とD乳酸のモル比(L/D)が0.11〜9、還元粘度が0.2〜1.0dl/gの範囲にある脂肪族ポリエステル(A)と天然物系粘着付与樹脂(B)を必須の成分として含有することを特徴とする生分解性粘着剤。
【0010】
(2)脂肪族ポリエステル(A)の水酸基濃度が100〜500eq/10gであることを特徴とする(1)記載の生分解性粘着剤。
【0011】
(3)さらに多官能イソシアネート(C)を含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の生分解性粘着剤。
【0012】
(4)天然物系粘着付与樹脂(B)がロジン系樹脂および/またはテルペン系樹脂を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに生分解性粘着剤。
【0013】
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の生分解性粘着剤を非ハロゲン系溶剤(D)に溶解した粘着剤ワニス。
【0014】
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載の生分解性粘着剤を生分解性基材(E)に積層したことを特徴とする生分解性積層体。
【0015】
(7)生分解性基材(E)がポリL乳酸フィルムであることを特徴とする(6)記載の生分解性積層体。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示して本発明をより詳細に説明する。
まず、本発明に用いる脂肪族ポリエステル(A)について説明する。
本発明に用いる脂肪族ポリエステル(A)は、乳酸残基を55重量%以上含有し、L乳酸とD乳酸のモル比(L/D)が0.11〜9の範囲、還元粘度が0.2〜1.0dl/gの範囲である。
【0017】
ここで、本発明に用いる脂肪族ポリエステル(A)の原料となる乳酸としては、L乳酸、D乳酸、DL乳酸、あるいは対応するラクチドのいずれも用いることができる。
【0018】
本発明における脂肪族ポリエステル(A)は乳酸残基を55重量%以上含有することが望ましい。乳酸残基が55重量%未満であると、生分解性が不足したり、また、ポリL乳酸フィルム基材等への密着性が不足したりすることがある。脂肪族ポリエステルの組成はH−NMR測定のプロトン積分比より決定する。
【0019】
なお、本発明に用いる脂肪族ポリエステル(A)のL乳酸残基とD乳酸残基のモル比(L/D)は、0.11〜9の範囲であることが望ましい。さらにL/Dは、より好ましくは0.5〜8、さらに好ましくは1〜5の範囲である。L/Dが9を超えても、0.11未満でも非ハロゲン系の汎用溶剤に対する溶解性が悪くなる場合がある。また、現状では、D乳酸過剰では、原料価格が高くなるという問題も存在する。ここでL/D比は脂肪族ポリエステルのメタノリシス分解後、乳酸モノマーの旋光度を測定することで決定するものである。
【0020】
本発明に用いる脂肪族ポリエステル(A)には、乳酸以外にもカプロラクトン、グリコール酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、10−ヒドロキシステアリン酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸等が挙げられる。脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、ダイマージオールなどのジオール類が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸類としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グルコース等が挙げられる。多価アルコールとしては、基材フィルムとの密着性を高めるという点からポリグリセリンを用いることが好ましく、中でも、重合度5〜20のポリグリセリンが好ましい。
【0021】
本発明に用いる脂肪族ポリエステル(A)の水酸基濃度は、100〜500eq/10gの範囲にあることが望ましい。また、200〜300eq/10gの範囲にあることがさらに好ましい。水酸基濃度が100eq/10g未満では、生分解性基材(E)に対する良好な接着強度が得られない、被粘着体に対する粘着剤残りが発生する、耐熱性が不足する等の問題が生じることがある。また、水酸基濃度が500eq/10gを超えると、耐水性が悪化する恐れがある。
【0022】
ここで、水酸基濃度は、過剰のフェニルイソシアネートを加え樹脂水酸基と反応させ、次に、未反応イソシアネートと過剰のジエチルアミンと反応させ、残留ジエチルアミン量を酸により滴定する滴定法で求めることができる。なお水酸基濃度は樹脂1トン当たりの等量数で表す。
【0023】
本発明の脂肪族ポリエステル(A)の還元粘度は、0.2〜1.0dl/gの範囲にあることが望ましい。0.2dl/g未満であると、生分解性基材(E)への密着性が悪くなったり、被粘着体への粘着剤残りが生じたりする。また、樹脂還元粘度が1.0dl/gを超えると、粘着剤のコーティング適性が悪くなる場合がある。
【0024】
樹脂還元粘度は、ポリエステルの重合時間、重合温度、減圧の程度、共重合成分としてのアルコール成分の使用量を変化させることにより調整することができる。なお、本発明において、還元粘度は、サンプル濃度0.125g/ml、測定溶剤クロロホルム、測定温度25℃でウベローデ粘度管を用いて測定した値である。
【0025】
前記の諸条件を満たす、本発明に用いる脂肪族ポリエステルは、生分解性ポリエステルである。なお、本明細書における生分解性とは、分解の一過程において、生物の代謝が関与し、低分子量化合物に変換する性質をいう。
【0026】
本発明に用いる脂肪族ポリエステル(A)の製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。たとえば、乳酸の二量体であるラクチドやカプロラクトンを溶融混合させ、必要に応じてポリグリセリン等を重合開始剤として添加し、公知の開環重合触媒(たとえば、オクチル酸スズ、アルミニウムアセチルアセトナートなど)を使用して加熱開環重合させる方法や、加熱および減圧による直接脱水重縮合を行う方法、などが挙げられる。
【0027】
本発明の粘着剤には脂肪族ポリエステル(A)の他に天然物系粘着性付与剤(B)が必須である。ここで言う天然物系とは、自然界由来であることを示す。具体的には、ロジン系樹脂とテルペン系樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジンフェノール樹脂等が挙げられる。ロジンとしては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン(米国のハーキュレス社製)等が挙げられる。重合ロジンとしては、ポリペールレジン、ダイマレックスレジン(理化ハーキュレス社製)等が挙げられる。水添ロジンとしては、エステルガムA、エステルガムAAV(荒川化学社製)、ハリエスターT、ハリエスターS(播磨化成社製)、エステルガム8L、ペンタリンA(理化ハーキュレス社製)等が挙げられる。ロジンフェノール樹脂としては、スミライトレジンPR12603(住友デュレズ社製)、タマノル803(荒川化学社製)等が挙げられる。
【0028】
テルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂が挙げられるが、テルペン樹脂としては、YSレジンPx(ヤスハラケミカル社製)、ピッコライトA(ハーキュレス社製)等が挙げられる。テルペンフェノール樹脂としては、YSポリスターT、スケネクタディSP566(スケネクタディ社製、米国)、マイティエースG(ヤスハラケミカル社製)等が挙げられる。
【0029】
天然物系粘着付与剤(B)の配合量としては、脂肪族ポリエステル(A)100重量部に対して、5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部がさらに好ましい。5重量部未満であると粘着性に関する効果が発揮されにくく、200重量部を超えると積層体のタック性が強くなるため、取り扱いが難しくなる場合がある。
【0030】
本発明の粘着剤には多官能イソシアネート(C)をさらに配合することが、安定した粘着性を付与する上で好ましい。例えばヘキサメチレンジイソシアネートやその3量体、リジンジイソシアネート、水添トルイレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0031】
多官能イソシアネート(C)の配合量としては、脂肪族ポリエステル(A)100重量部に対して、0.3〜25重量部、好ましくは1〜15重量部である。0.3重量部未満では粘着性の安定性に効果の薄いことがあり、25重量部を超えると粘着性が低下することがある
【0032】
本発明の生分解性粘着剤には、必要に応じ、レベリング剤、粘度調整剤、シリカ粒子等の無機微粒子、導電性粒子、着色顔料、紫外線吸収剤等を添加することが出来る。
【0033】
本発明の粘着剤は非ハロゲン系溶剤(D)に溶解してワニスとし、それを後述する生分解性基材(E)に塗布、乾燥して生分解性積層体を作成することができる。
【0034】
非ハロゲン系溶剤(D)とは、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等ハロゲン原子を分子内に含有しない溶剤を指す。例えば酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤が挙げられる。特に好ましいのは、酢酸エチル等のエステル系溶剤である。
【0035】
本発明における生分解性基材(E)としては、ポリ乳酸系フィルム、ポリカプロラクトン系フィルム、ポリエチレンサクシネート系フィルム、脂肪族ポリカーボネート系フィルム、PHBフィルム等の生分解性フィルムや、生分解性不織布、天然繊維布、紙等が挙げられる。これらのうち、良好な密着性と生分解性を両立できるという点で特にポリ乳酸フィルムが好ましい。ポリ乳酸フィルムとしては、特にL乳酸含有率が97モル%以上の光学純度のものが耐熱性や密着性の観点より好ましく、99%以上のものがさらに好ましい。
【0036】
本発明の生分解性粘着剤の塗布方法は、特に限定されないが、ロールコーター方式、スプレー方式、ディップ方式、その他の方法で生分解性基材(E)等の基材へ塗布、乾燥後、離型紙、離形フィルム等を貼り合わせ、巻き取り等を行う。
【0037】
本発明の生分解性積層体は、生分解性プラスチック成型品に貼る生分解性ラベル、自動車等の塗装用マスキングテープ、埃を粘着除去する掃除用具のシート等での使用が好適である。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
<実施例1>
Lラクチド240g、DLラクチド240g、カプロラクトン320g、重合度が10であるポリグリセリン8g、オクチル酸スズ100mgを4つ口フラスコに加え、窒素雰囲下、180℃で3時間加熱開環重合させて、ポリエステル(I)を得た。ポリエステル(I)の組成及び特性値を表1に示す。
【0040】
次に、ポリエステル(I)100gとトール油ロジン40gをメチルエチルケトン200gに溶解させ、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体である「デュラネートTPA−100(旭化成社製)」を2g配合し、粘着剤組成物(I)を得た。組成を表2に示す。
【0041】
厚さ50μmのポリL乳酸の二軸延伸フィルムに粘着剤組成物(I)を乾燥後の厚みが10μmになうように塗布し、70℃で30分乾燥させ、40℃で24時間エージング後、粘着剤積層フィルム(I)を得た。
【0042】
<実施例2>
ポリエステル(I)100gとマイティエースG(ヤスハラケミカル社製)40gをメチルエチルケトン200gに溶解させ、デュラネートTPA−100を2g配合し、粘着剤組成物(II)を得た。
厚さ50μmのポリL乳酸フィルムに粘着剤組成物(II)を乾燥後の厚みが10μmになるように塗布し、70℃で30分乾燥させ、40℃で24時間エージング後、粘着剤積層フィルム(II)を得た。
【0043】
<実施例3>
Lラクチド240g、DLラクチド240g、カプロラクトン320g、オクチル酸スズ100mgを4つ口フラスコに加え、窒素雰囲気下、180℃で3時間加熱開環重合させて、その後、減圧下、残留モノマーを40g留去させ、ポリエステル(II)を得た。
【0044】
次に、ポリエステル(II)100gとトール油ロジン40gをメチルエチルケトン200gに溶解させ、TPA−100を2g配合し、粘着剤組成物(III)を得た。
厚さ50μmのポリL乳酸フィルムに粘着剤組成物(III)を乾燥厚み10μmで塗布し、70℃で30分乾燥させ、40℃で24時間エージング後、粘着剤積層フィルム(III)を得た。
【0045】
<比較例1>
天然ゴムラテックス(40wt%水分散系)250gにシクロヘキサノンに溶解したトール油ロジン溶液(50wt%)80gを配合し、十分混合することにより、粘着剤組成物(IV)を得た。
厚さ50μmのポリL乳酸フィルムに粘着剤組成物(IV)を乾燥厚み10μmで塗布し、80℃で30分乾燥させることにより、粘着剤積層フィルム(IV)を得た。
【0046】
【表1】
Figure 2004231797
【0047】
【表2】
Figure 2004231797
【0048】
<性能評価>
実施例および比較例で得られた、積層体(I)〜(IV)を用い、生分解性、ポリL乳酸フィルム基材への密着性、粘着剤の粘着性評価を下記の試験方法に基づき行なった。結果を表3に示す。
【0049】
(i)生分解性試験
積層体10cm×10cmをコンポスター(生ゴミ処理機、三井ホーム社製「MAM」)中に入れ、7日後にサンプルの形態(分解の速度)を目視観察し、下記の基準に従って評価した。
【0050】
○:サンプルの形態が完全になし
△:サンプルの断片あり
×:サンプルの形態がほとんど残っている
【0051】
(ii)ポリL乳酸フィルム基材への密着性試験
厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムに接着剤(東洋モートン社製AD−122を100重量部、CAT−10を5重量部混合させたもの)を乾燥厚が3μmとなるように塗布し、積層体(I)〜(IV)の粘着剤面とドライラミネートして試験片を作成し、40℃にて24時間エージングした後、この試験片を180度剥離法にて測定した。測定値の単位は、gf/15mmである。
【0052】
(iii)粘着性試験
JIS Z−0237に従って、粘着テープのボールタックを測定し、測定結果をボールナンバーで示した。測定温度は5℃とした。
【0053】
【表3】
Figure 2004231797
【0054】
表3より明らかなように従来の天然ゴム系粘着剤を使用した比較例1に比べて本発明の脂肪族ポリエステルと粘着付与剤を配合した実施例1〜3は生分解性、密着性、粘着性がバランス良く付与されていることがわかる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明により、生分解性が良好であり、しかも、ポリ乳酸フィルム等の生分解性基材への密着性が良好な生分解性粘着剤が得られる。これにより、オール生分解性素材の粘着剤フィルムが容易に得られ、環境に対する負荷を低減できるものである。

Claims (7)

  1. 乳酸残基を55重量%以上含有し、L乳酸とD乳酸のモル比(L/D)が0.11〜9、還元粘度が0.2〜1.0dl/gの範囲にある脂肪族ポリエステル(A)と天然物系粘着付与樹脂(B)を必須の成分として含有することを特徴とする生分解性粘着剤。
  2. 脂肪族ポリエステル(A)の水酸基濃度が100〜500eq/10gであることを特徴とする請求項1記載の生分解性粘着剤。
  3. さらに多官能イソシアネート(C)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の生分解性粘着剤。
  4. 天然物系粘着付与樹脂(B)がロジン系樹脂および/またはテルペン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに生分解性粘着剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性粘着剤を非ハロゲン系溶剤(D)に溶解した粘着剤ワニス。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性粘着剤を生分解性基材(E)に積層したことを特徴とする生分解性積層体。
  7. 生分解性基材(E)がポリL乳酸フィルムであることを特徴とする請求項6記載の生分解性積層体。
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