JP2004232365A - アンダーパッド - Google Patents
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Abstract
【解決課題】適度な硬度と高い強度を有し、基盤と人工芝生との間に介在させた場合、自身の破壊や人工芝生の剥がれ、破れ等を防止できるアンダーパッドを提供する。
【解決手段】ゴム等の軟質チップをポリアミド繊維入り結着剤で相互に結着してなる。
【選択図】 なし
【解決手段】ゴム等の軟質チップをポリアミド繊維入り結着剤で相互に結着してなる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工芝生施設、特に、人工芝生を敷設する野球場、サッカー場、ホッケー場等の運動競技場を施工するときに用いるのに好適なアンダーパッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
人工芝生を敷設する野球場、サッカー場、ホッケー場等の運動競技場においては、競技者が転倒したりスライディングしたりしたときに競技者が受ける衝撃を緩和して競技者をけがから保護したり、ボールの適正な反発特性を得たりする目的で、基盤と人工芝生との間に、適当な硬さ、たとえば、JIS K 6301「加硫ゴム物理試験法」に準拠して測定される硬さが20〜40度の範囲内にあるようなアンダーパッドを介在させることが多い。
【0003】
そのようなアンダーパッドとしては、従来、粒状や繊維状のゴム等と湿気硬化型ウレタン樹脂等のバインダとを混練りし、シート状に形成してなるものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。バインダには、必要に応じてガラス繊維や銅繊維を補強材として混入してもよいとされている。しかしながら、ガラス繊維は、バインダと混練りする際に折れやすく、十分に大きな補強効果を得にくい。また、銅繊維は、バインダとの比重差が大きいために混練りの際にバインダ中に均一に分散させるのが難しく、やはり十分な補強効果を得にくい。すなわち、従来のアンダーパッドは、強度が低い。しかるに、アンダーパッドの強度が低いと、使用中、競技者のスライディング等によって人工芝生との間に剪断力が作用したとき、破壊に至ることがある。また、アンダーパッドとその上に敷設される人工芝生とを接着しているものにあっては、剪断力によってゴム等同士の結着が剥がれ、人工芝生が剥がれたり破れたりすることもある。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−93110号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のアンダーパッドの上述した問題点を解決し、適度な硬さと高い強度を有し、基盤と人工芝生との間に介在させた場合、自身の破壊や人工芝生の剥がれ、破れ等を防止することができるアンダーパッドを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、軟質チップをポリアミド繊維入り結着剤で相互に結着してなるアンダーパッドを提供する。
【0007】
上記において、軟質チップはゴムチップであるのが好ましい。
【0008】
また、ポリアミド繊維は、単繊維繊度が4〜80dtexの範囲内にあり、平均繊維長が1〜25mmの範囲内にあるものが好ましく、伸度が少なくとも20%であり、引張強度が少なくとも5cN/dtexであるものが好ましい。
【0009】
結着剤としては、樹脂やゴム等を用いることができる。そのような結着剤中におけるポリアミド繊維の含有量は、0.3〜3重量%の範囲内にあるのが好ましい。
【0010】
さらに、アンダーパッドは、透水係数が少なくとも0.001cm/secであるようなものが好ましい。すなわち、本発明のアンダーパッドは透水性を有しているのが好ましい。ここで、透水係数は、JIS A 1218「土の透水試験方法」に規定される「定水位透水試験」の方法に準拠して測定する。
【0011】
上述したようなアンダーパッドは、それをプライマーを塗布したコンクリート、アスファルト等の基盤上に打設したり敷設したりすることによって設置し、さらにその上に人工芝生を置き敷きまたは接着により敷設することで、野球場、サッカー場、ホッケー場といった運動競技場等の人工芝生施設とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のアンダーパッドは、軟質チップをポリアミド繊維入り結着剤で相互に結着してなる。
【0013】
軟質チップは、アンダーパッドに、主として衝撃緩和作用を与えるものである。そのような軟質チップとしては、衝撃緩和の設計が容易であり、しかも、自動車等の廃タイヤや諸工業で使われている廃ゴムを破砕して利用することもできて産業廃棄物の量の削減にもつながるゴムチップであるのが好ましい。そのようなゴムチップとしては、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、IIR(イソブチレンイソプロピレンゴム)、NR(天然ゴム)等の少なくとも1種を用いることができる。これらは、発泡されていてもよい。そのような軟質チップは、あまり小さいと、塊状になって結着剤との均一な混合が難しくなったり、アンダーパッドが緻密になりすぎて硬くなったり、透水係数が低下したりすることがあり、また、あまり大きいと結着剤の量が多くなって製造コストが上昇するようになるので、粒径が0.5〜3mmの範囲内にあるようなものを用いるのが好ましい。
【0014】
ポリアミド繊維は、後述する結着剤中にあって軟質チップ同士の結着力を向上させ、アンカーパッドに、主として強度を与えるもので、たとえばナイロン6、ナイロン66やこれらの共重合ナイロンを主成分とするポリアミド繊維を用いることができる。このようなポリアミド繊維は、他の繊維にくらべて後述する結着剤とのなじみがよく、アンダーパッドの強度の向上に有効である。なお、横断面形状が円形ではなく、三角形、楕円形、Y字形等の、いわゆる異形断面ポリアミド繊維を用いると、結着剤中における定着効果が向上し、軟質チップ同士の結着力がより向上するようになる。
【0015】
ポリアミド繊維は、単繊維繊度が4〜80dtex、より好ましくは20〜50dtexの範囲内にあるものを用いるのがよい。単繊維繊度があまり小さいと(あまり細いと)、結着剤中における分散性が悪くなり、繊維塊を作りやすくなって軟質チップ同士の結着力が低下してくる。また、単繊維繊度があまり大きいと(あまり太いと)、剛性が大きくなってやはり結着剤中における分散性が悪くなり、軟質チップ同士の結着力が低下してくる。それゆえ、単繊維繊度が4〜80dtexの範囲内にあるものを用いるのが好ましい。
【0016】
また、ポリアミド繊維は、平均繊維長が1〜25mm、より好ましくは3〜10mmの範囲内にあるものを用いるのがよい。平均繊維長があまり短いと軟質チップ同士の結着力が低下してくるし、あまり長いと結着剤中における分散性が悪くなってやはり軟質チップ同士の結着力が低くなり、アンダーパッドの強度が低下してくる。それゆえ、平均繊維長が1〜25mmの範囲内にあるものを用いるのが好ましい。なお、平均繊維長の異なるポリアミド繊維を併用すると、補強効果が向上することがある。その場合、平均繊維長の比が1.5〜4の範囲内にあるようなものを併用するのがよい。
【0017】
ポリアミド繊維は、また、伸度が少なくとも20%であり、引張強度が少なくとも5cN/dtexであるものを用いるのが好ましい。伸度があまり低いと、アンダーパッドに剪断力が作用したときにポリアミド繊維が軟質チップの動きに追従できずにアンダーパッドに亀裂ができることがある。また、引張強度があまりに低いと、アンダーパッドに剪断力や圧縮力が作用したときにポリアミド繊維が折れたり切断したりしてやはりアンダーパッドに亀裂ができることがある。いずれの場合もアンダーパッドの強度が低下してくるので、ポリアミド繊維は、伸度が少なくとも20%であり、引張強度が少なくとも5cN/dtexであるものを用いるのが好ましい。
【0018】
軟質チップ同士を結着する結着剤としては、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂や、ニトリルゴム、クロロプレンゴム等のゴムを用いることができる。これらは、その性質に応じて、そのまま、または、必要に応じて、たとえば透水係数を制御するために、水や有機溶剤等の溶媒で希釈して用いてもよい。なかでも、いわゆる無溶剤系で作業性に優れ、また、耐水性、耐薬品性等の諸特性に優れ、しかも、安価であるウレタン樹脂を好ましく用いることができる。
【0019】
結着剤中における上述のポリアミド繊維の含有量は、あまり少ないと補強効果が低くなり、また、あまり多いと結着剤中における分散性が悪くなってやはり補強効果が低下してくるので、0.3〜3重量%の範囲内とするのが好ましい。
【0020】
本発明のアンダーパッドは、透水係数が少なくとも0.001cm/secであるのが好ましい。透水係数があまり低いと、運動競技場等に使用した場合、降雨の際に水が引くのに時間がかかるようになるからである。なお、透水係数は、軟質チップの粒径や量、結着剤の量等を選択することによって調整することができる。
【0021】
また、本発明のアンダーパッドは、JIS K 6301「加硫ゴム物理試験法」の「スプリング式硬さ試験(C形)」に規定される方法に準拠して測定した硬さが20〜40度の範囲内にあるのが好ましい。すなわち、硬さは、硬すぎると、人工芝生施設に使用した場合、衝撃緩和作用が低くなって競技者が転倒したりスライディングしたりしたときに競技者が受ける衝撃が大きくなり、また、柔らかすぎると、沈みが大きくなって競技者の疲労感が大きくなる。それゆえ、硬さは20〜40度の範囲内にあるのが好ましい。
【0022】
上述したような本発明のアンダーパッドは、モルタルミキサー等の混合機を用いて軟質チップとポリアミド繊維とを混練りし、ダイから押し出してシート状に形成したり、人工芝生の施工現場で、基盤上にフィニッシャー等を用いてシート状に打設することによって得ることができる。厚みは、用途にもよるが、0.5〜20mm程度である。
【0023】
本発明のアンダーパッドは、それをコンクリート、アスファルト等の基盤上に打設または敷設することによって設置し、さらにその上に人工芝生を敷設することによって運動競技場のような人工芝生施設を施工することができる。通常は、基盤にウレタン樹脂等のプライマーを塗布し、その上にアンダーパッドを敷設する。人工芝生は、置き敷きによる敷設であってもよく、湿気硬化型ウレタン樹脂等の接着剤で接着して敷設してもよい。人工芝生は、公知のものでよく、たとえば、基布にポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等からなるパイル糸をタフティングしてカットパイルやループパイルを形成し、裏面をスチレンブタジエンゴム等でバッキングしてパイルを固定してなるような人工芝生を使用することができる。パイル間に砂やゴムチップ等が充填されている、いわゆる砂入り人工芝生であってもよい。
【0024】
【実施例および比較例】
実施例1:
軟質チップとして、粒径が0.5〜3mmの範囲にある、無発泡SBRチップと発泡SBRチップとを重量比で4:5になるように混合してなる混合ゴムチップ用い、ポリアミド繊維として、単繊維繊度が40dtex、平均繊維長が10mm、伸度が35%、引張強度が7cN/dtexのナイロン6繊維を用い、結着剤としてウレタン樹脂を用い、これらを含有量がそれぞれ90.7重量%、0.2重量%、9.1重量%になるように混練りし、熱こてを用いてシート状に形成し、アンダーパッドの試験片を得た。この試験片は、厚みが10mm、透水係数が0.01cm/sec、硬さが32度であった。
【0025】
この試験片について調べた、JIS L 1023に記載されるリッソン試験機による表面破壊状況はA級であった。リッソン試験機は、4つの脚を有する踏み車が回転しながら試験片上を往復動する試験機であり、踏み車は直径225mm、脚底は長さ100mm、幅55mm、先端部の半径4mmであり、表面破壊状況は、踏み車の移動速度0.28m/秒、踏み車の移動距離800mm、踏み車の試験片に対する圧力を800Nとし、踏み車が500回往復動した後の、試験片の表面積に対する、軟質チップが試験片の表面から剥離した部分の面積の総和(表面破壊面積の総和)の割合をもって次の基準で評価した。
【0026】
A級:表面破壊面積の総和が10%以下
B級:表面破壊面積の総和が11〜40%の範囲内
C級:表面破壊面積の総和が41〜70%の範囲内
D級:表面破壊面積の総和が71%以上
実施例2:
実施例1と同じアンダーパッドの試験片の表面にウレタン樹脂を目付が0.8kg/m2になるように塗布し、人工芝生を貼り合わせた後、180mm×1,500mmの大きさに裁断して試験片を得た。人工芝生は、ポリエステルマルチフィラメント糸(繊度:2,200dtex)を経密度が12.8本/25.4mm、緯密度が14.5本/25.4mmになるように織製してなる基布に、ナイロン66マルチフィラメント糸(繊度:460dtex)を8本撚り合わせてなるパイル糸をゲージが3.97mm、パイル目付が1,400g/m2になるようにタフティングして長さ12mmのカットパイルを形成し、裏面にスチレンブタジエンゴムを塗布、乾燥してパイルを固定してなるものである。
【0027】
上記試験片について、実施例1と同様に、リッソン試験機を用いて、アンダーパッドと人工芝生との層間剥離状況を調べたところ、層間剥離状況はA級であった。なお、層間剥離状況は、試験片の表面積に対する、人工芝生がアンダーパッドから剥離した部分の面積の総和(層間剥離面積の総和)の割合をもって次の基準で評価した。
【0028】
A級:層間剥離面積の総和が10%以下
B級:層間剥離面積の総和が11〜40%の範囲内
C級:層間剥離面積の総和が41〜70%の範囲内
D級:層間剥離面積の総和が71%以上
実施例3:
アスファルト基盤上にプライマーとして目付が0.2kg/m2になるようにウレタン樹脂を塗布し、乾燥させた後、その上に、実施例1と同じ、混合ゴムチップと、ナイロン6繊維と、ウレタン樹脂とを混練りしたものをフィニッシャーを用いてシート状に打設してアンダーパッドを形成し、さらにその上に、実施例2と同様にして、実施例2と同じ人工芝生を貼り合わせ、野球場を施工した。アンダーパッドは、厚みが10mm、透水係数が0.01cm/sec、硬さが35度であった。
【0029】
上記の野球場は、1年間の使用後においても人工芝生のアンダーパッドからの剥離は認められなかった。また、適度な硬さを有していて衝撃緩和性に優れるとともに競技者の疲労感が少なく、また、透水性が大きいことから降雨後の水引きがよく、競技者に好評であった。
比較例1:
実施例1において、ナイロン6繊維に代えて、単繊維繊度が40dtex、平均繊維長が10mm、伸度が3%、引張強度が7cN/dtexのガラス繊維を用いた。混合ゴムチップ、ガラス繊維およびウレタン樹脂の含有量は、それぞれ90.7重量%、0.2重量%、9.1重量%とした。得られたアンダーパッドの試験片は、厚みが10mm、透水係数が0.001cm/sec、硬さが50度であった。
【0030】
上記試験片について、実施例1と同様に調べた表面破壊状況は、D級であった。
比較例2:
実施例1において、ナイロン6繊維に代えて、単繊維繊度が8dtex、平均繊維長が10mm、伸度が1%、引張強度が14cN/dtexの銅繊維を用いた。混合ゴムチップ、銅繊維およびウレタン樹脂の含有量は、それぞれ90.0重量%、1.0重量%、9.0重量%とした。得られたアンダーパッドの試験片は、厚みが10mm、透水係数が0.001cm/sec、硬さが55度であった。
【0031】
上記試験片について、実施例1と同様に調べた表面破壊状況は、D級であった。
比較例3:
実施例2において、比較例1によるアンダーパッドを用いた。実施例2と同様に評価した層間剥離状況は、C級であった。
比較例4:
実施例3において、混合ゴムチップと、ナイロン6繊維と、ウレタン樹脂とを混練りしたものに代えて、比較例1と同じ、混合ゴムチップと、ガラス繊維と、ウレタン樹脂とを混練りしたものを用いた。1年間の使用後、人工芝生とアンダーパッドとの層間が剥離している部分が認められた。また、硬さが51度と大きく、衝撃緩和作用が低いことから、競技者には不評であった。
【0032】
【発明の効果】
本発明のアンダーパッドは、軟質チップをポリアミド繊維入り結着剤で相互に結着してなるものであるから、実施例と比較例との対比からも明らかなように、適度な硬度と高い強度を有し、基盤と人工芝生との間に介在させた場合、自身の破壊や人工芝生の剥がれ、破れ等を防止することができる。そのため、野球場、サッカー場、ホッケー場等の運動競技場といった人工芝生施設を施工するときに大変好適である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工芝生施設、特に、人工芝生を敷設する野球場、サッカー場、ホッケー場等の運動競技場を施工するときに用いるのに好適なアンダーパッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
人工芝生を敷設する野球場、サッカー場、ホッケー場等の運動競技場においては、競技者が転倒したりスライディングしたりしたときに競技者が受ける衝撃を緩和して競技者をけがから保護したり、ボールの適正な反発特性を得たりする目的で、基盤と人工芝生との間に、適当な硬さ、たとえば、JIS K 6301「加硫ゴム物理試験法」に準拠して測定される硬さが20〜40度の範囲内にあるようなアンダーパッドを介在させることが多い。
【0003】
そのようなアンダーパッドとしては、従来、粒状や繊維状のゴム等と湿気硬化型ウレタン樹脂等のバインダとを混練りし、シート状に形成してなるものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。バインダには、必要に応じてガラス繊維や銅繊維を補強材として混入してもよいとされている。しかしながら、ガラス繊維は、バインダと混練りする際に折れやすく、十分に大きな補強効果を得にくい。また、銅繊維は、バインダとの比重差が大きいために混練りの際にバインダ中に均一に分散させるのが難しく、やはり十分な補強効果を得にくい。すなわち、従来のアンダーパッドは、強度が低い。しかるに、アンダーパッドの強度が低いと、使用中、競技者のスライディング等によって人工芝生との間に剪断力が作用したとき、破壊に至ることがある。また、アンダーパッドとその上に敷設される人工芝生とを接着しているものにあっては、剪断力によってゴム等同士の結着が剥がれ、人工芝生が剥がれたり破れたりすることもある。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−93110号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のアンダーパッドの上述した問題点を解決し、適度な硬さと高い強度を有し、基盤と人工芝生との間に介在させた場合、自身の破壊や人工芝生の剥がれ、破れ等を防止することができるアンダーパッドを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、軟質チップをポリアミド繊維入り結着剤で相互に結着してなるアンダーパッドを提供する。
【0007】
上記において、軟質チップはゴムチップであるのが好ましい。
【0008】
また、ポリアミド繊維は、単繊維繊度が4〜80dtexの範囲内にあり、平均繊維長が1〜25mmの範囲内にあるものが好ましく、伸度が少なくとも20%であり、引張強度が少なくとも5cN/dtexであるものが好ましい。
【0009】
結着剤としては、樹脂やゴム等を用いることができる。そのような結着剤中におけるポリアミド繊維の含有量は、0.3〜3重量%の範囲内にあるのが好ましい。
【0010】
さらに、アンダーパッドは、透水係数が少なくとも0.001cm/secであるようなものが好ましい。すなわち、本発明のアンダーパッドは透水性を有しているのが好ましい。ここで、透水係数は、JIS A 1218「土の透水試験方法」に規定される「定水位透水試験」の方法に準拠して測定する。
【0011】
上述したようなアンダーパッドは、それをプライマーを塗布したコンクリート、アスファルト等の基盤上に打設したり敷設したりすることによって設置し、さらにその上に人工芝生を置き敷きまたは接着により敷設することで、野球場、サッカー場、ホッケー場といった運動競技場等の人工芝生施設とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のアンダーパッドは、軟質チップをポリアミド繊維入り結着剤で相互に結着してなる。
【0013】
軟質チップは、アンダーパッドに、主として衝撃緩和作用を与えるものである。そのような軟質チップとしては、衝撃緩和の設計が容易であり、しかも、自動車等の廃タイヤや諸工業で使われている廃ゴムを破砕して利用することもできて産業廃棄物の量の削減にもつながるゴムチップであるのが好ましい。そのようなゴムチップとしては、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、IIR(イソブチレンイソプロピレンゴム)、NR(天然ゴム)等の少なくとも1種を用いることができる。これらは、発泡されていてもよい。そのような軟質チップは、あまり小さいと、塊状になって結着剤との均一な混合が難しくなったり、アンダーパッドが緻密になりすぎて硬くなったり、透水係数が低下したりすることがあり、また、あまり大きいと結着剤の量が多くなって製造コストが上昇するようになるので、粒径が0.5〜3mmの範囲内にあるようなものを用いるのが好ましい。
【0014】
ポリアミド繊維は、後述する結着剤中にあって軟質チップ同士の結着力を向上させ、アンカーパッドに、主として強度を与えるもので、たとえばナイロン6、ナイロン66やこれらの共重合ナイロンを主成分とするポリアミド繊維を用いることができる。このようなポリアミド繊維は、他の繊維にくらべて後述する結着剤とのなじみがよく、アンダーパッドの強度の向上に有効である。なお、横断面形状が円形ではなく、三角形、楕円形、Y字形等の、いわゆる異形断面ポリアミド繊維を用いると、結着剤中における定着効果が向上し、軟質チップ同士の結着力がより向上するようになる。
【0015】
ポリアミド繊維は、単繊維繊度が4〜80dtex、より好ましくは20〜50dtexの範囲内にあるものを用いるのがよい。単繊維繊度があまり小さいと(あまり細いと)、結着剤中における分散性が悪くなり、繊維塊を作りやすくなって軟質チップ同士の結着力が低下してくる。また、単繊維繊度があまり大きいと(あまり太いと)、剛性が大きくなってやはり結着剤中における分散性が悪くなり、軟質チップ同士の結着力が低下してくる。それゆえ、単繊維繊度が4〜80dtexの範囲内にあるものを用いるのが好ましい。
【0016】
また、ポリアミド繊維は、平均繊維長が1〜25mm、より好ましくは3〜10mmの範囲内にあるものを用いるのがよい。平均繊維長があまり短いと軟質チップ同士の結着力が低下してくるし、あまり長いと結着剤中における分散性が悪くなってやはり軟質チップ同士の結着力が低くなり、アンダーパッドの強度が低下してくる。それゆえ、平均繊維長が1〜25mmの範囲内にあるものを用いるのが好ましい。なお、平均繊維長の異なるポリアミド繊維を併用すると、補強効果が向上することがある。その場合、平均繊維長の比が1.5〜4の範囲内にあるようなものを併用するのがよい。
【0017】
ポリアミド繊維は、また、伸度が少なくとも20%であり、引張強度が少なくとも5cN/dtexであるものを用いるのが好ましい。伸度があまり低いと、アンダーパッドに剪断力が作用したときにポリアミド繊維が軟質チップの動きに追従できずにアンダーパッドに亀裂ができることがある。また、引張強度があまりに低いと、アンダーパッドに剪断力や圧縮力が作用したときにポリアミド繊維が折れたり切断したりしてやはりアンダーパッドに亀裂ができることがある。いずれの場合もアンダーパッドの強度が低下してくるので、ポリアミド繊維は、伸度が少なくとも20%であり、引張強度が少なくとも5cN/dtexであるものを用いるのが好ましい。
【0018】
軟質チップ同士を結着する結着剤としては、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂や、ニトリルゴム、クロロプレンゴム等のゴムを用いることができる。これらは、その性質に応じて、そのまま、または、必要に応じて、たとえば透水係数を制御するために、水や有機溶剤等の溶媒で希釈して用いてもよい。なかでも、いわゆる無溶剤系で作業性に優れ、また、耐水性、耐薬品性等の諸特性に優れ、しかも、安価であるウレタン樹脂を好ましく用いることができる。
【0019】
結着剤中における上述のポリアミド繊維の含有量は、あまり少ないと補強効果が低くなり、また、あまり多いと結着剤中における分散性が悪くなってやはり補強効果が低下してくるので、0.3〜3重量%の範囲内とするのが好ましい。
【0020】
本発明のアンダーパッドは、透水係数が少なくとも0.001cm/secであるのが好ましい。透水係数があまり低いと、運動競技場等に使用した場合、降雨の際に水が引くのに時間がかかるようになるからである。なお、透水係数は、軟質チップの粒径や量、結着剤の量等を選択することによって調整することができる。
【0021】
また、本発明のアンダーパッドは、JIS K 6301「加硫ゴム物理試験法」の「スプリング式硬さ試験(C形)」に規定される方法に準拠して測定した硬さが20〜40度の範囲内にあるのが好ましい。すなわち、硬さは、硬すぎると、人工芝生施設に使用した場合、衝撃緩和作用が低くなって競技者が転倒したりスライディングしたりしたときに競技者が受ける衝撃が大きくなり、また、柔らかすぎると、沈みが大きくなって競技者の疲労感が大きくなる。それゆえ、硬さは20〜40度の範囲内にあるのが好ましい。
【0022】
上述したような本発明のアンダーパッドは、モルタルミキサー等の混合機を用いて軟質チップとポリアミド繊維とを混練りし、ダイから押し出してシート状に形成したり、人工芝生の施工現場で、基盤上にフィニッシャー等を用いてシート状に打設することによって得ることができる。厚みは、用途にもよるが、0.5〜20mm程度である。
【0023】
本発明のアンダーパッドは、それをコンクリート、アスファルト等の基盤上に打設または敷設することによって設置し、さらにその上に人工芝生を敷設することによって運動競技場のような人工芝生施設を施工することができる。通常は、基盤にウレタン樹脂等のプライマーを塗布し、その上にアンダーパッドを敷設する。人工芝生は、置き敷きによる敷設であってもよく、湿気硬化型ウレタン樹脂等の接着剤で接着して敷設してもよい。人工芝生は、公知のものでよく、たとえば、基布にポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等からなるパイル糸をタフティングしてカットパイルやループパイルを形成し、裏面をスチレンブタジエンゴム等でバッキングしてパイルを固定してなるような人工芝生を使用することができる。パイル間に砂やゴムチップ等が充填されている、いわゆる砂入り人工芝生であってもよい。
【0024】
【実施例および比較例】
実施例1:
軟質チップとして、粒径が0.5〜3mmの範囲にある、無発泡SBRチップと発泡SBRチップとを重量比で4:5になるように混合してなる混合ゴムチップ用い、ポリアミド繊維として、単繊維繊度が40dtex、平均繊維長が10mm、伸度が35%、引張強度が7cN/dtexのナイロン6繊維を用い、結着剤としてウレタン樹脂を用い、これらを含有量がそれぞれ90.7重量%、0.2重量%、9.1重量%になるように混練りし、熱こてを用いてシート状に形成し、アンダーパッドの試験片を得た。この試験片は、厚みが10mm、透水係数が0.01cm/sec、硬さが32度であった。
【0025】
この試験片について調べた、JIS L 1023に記載されるリッソン試験機による表面破壊状況はA級であった。リッソン試験機は、4つの脚を有する踏み車が回転しながら試験片上を往復動する試験機であり、踏み車は直径225mm、脚底は長さ100mm、幅55mm、先端部の半径4mmであり、表面破壊状況は、踏み車の移動速度0.28m/秒、踏み車の移動距離800mm、踏み車の試験片に対する圧力を800Nとし、踏み車が500回往復動した後の、試験片の表面積に対する、軟質チップが試験片の表面から剥離した部分の面積の総和(表面破壊面積の総和)の割合をもって次の基準で評価した。
【0026】
A級:表面破壊面積の総和が10%以下
B級:表面破壊面積の総和が11〜40%の範囲内
C級:表面破壊面積の総和が41〜70%の範囲内
D級:表面破壊面積の総和が71%以上
実施例2:
実施例1と同じアンダーパッドの試験片の表面にウレタン樹脂を目付が0.8kg/m2になるように塗布し、人工芝生を貼り合わせた後、180mm×1,500mmの大きさに裁断して試験片を得た。人工芝生は、ポリエステルマルチフィラメント糸(繊度:2,200dtex)を経密度が12.8本/25.4mm、緯密度が14.5本/25.4mmになるように織製してなる基布に、ナイロン66マルチフィラメント糸(繊度:460dtex)を8本撚り合わせてなるパイル糸をゲージが3.97mm、パイル目付が1,400g/m2になるようにタフティングして長さ12mmのカットパイルを形成し、裏面にスチレンブタジエンゴムを塗布、乾燥してパイルを固定してなるものである。
【0027】
上記試験片について、実施例1と同様に、リッソン試験機を用いて、アンダーパッドと人工芝生との層間剥離状況を調べたところ、層間剥離状況はA級であった。なお、層間剥離状況は、試験片の表面積に対する、人工芝生がアンダーパッドから剥離した部分の面積の総和(層間剥離面積の総和)の割合をもって次の基準で評価した。
【0028】
A級:層間剥離面積の総和が10%以下
B級:層間剥離面積の総和が11〜40%の範囲内
C級:層間剥離面積の総和が41〜70%の範囲内
D級:層間剥離面積の総和が71%以上
実施例3:
アスファルト基盤上にプライマーとして目付が0.2kg/m2になるようにウレタン樹脂を塗布し、乾燥させた後、その上に、実施例1と同じ、混合ゴムチップと、ナイロン6繊維と、ウレタン樹脂とを混練りしたものをフィニッシャーを用いてシート状に打設してアンダーパッドを形成し、さらにその上に、実施例2と同様にして、実施例2と同じ人工芝生を貼り合わせ、野球場を施工した。アンダーパッドは、厚みが10mm、透水係数が0.01cm/sec、硬さが35度であった。
【0029】
上記の野球場は、1年間の使用後においても人工芝生のアンダーパッドからの剥離は認められなかった。また、適度な硬さを有していて衝撃緩和性に優れるとともに競技者の疲労感が少なく、また、透水性が大きいことから降雨後の水引きがよく、競技者に好評であった。
比較例1:
実施例1において、ナイロン6繊維に代えて、単繊維繊度が40dtex、平均繊維長が10mm、伸度が3%、引張強度が7cN/dtexのガラス繊維を用いた。混合ゴムチップ、ガラス繊維およびウレタン樹脂の含有量は、それぞれ90.7重量%、0.2重量%、9.1重量%とした。得られたアンダーパッドの試験片は、厚みが10mm、透水係数が0.001cm/sec、硬さが50度であった。
【0030】
上記試験片について、実施例1と同様に調べた表面破壊状況は、D級であった。
比較例2:
実施例1において、ナイロン6繊維に代えて、単繊維繊度が8dtex、平均繊維長が10mm、伸度が1%、引張強度が14cN/dtexの銅繊維を用いた。混合ゴムチップ、銅繊維およびウレタン樹脂の含有量は、それぞれ90.0重量%、1.0重量%、9.0重量%とした。得られたアンダーパッドの試験片は、厚みが10mm、透水係数が0.001cm/sec、硬さが55度であった。
【0031】
上記試験片について、実施例1と同様に調べた表面破壊状況は、D級であった。
比較例3:
実施例2において、比較例1によるアンダーパッドを用いた。実施例2と同様に評価した層間剥離状況は、C級であった。
比較例4:
実施例3において、混合ゴムチップと、ナイロン6繊維と、ウレタン樹脂とを混練りしたものに代えて、比較例1と同じ、混合ゴムチップと、ガラス繊維と、ウレタン樹脂とを混練りしたものを用いた。1年間の使用後、人工芝生とアンダーパッドとの層間が剥離している部分が認められた。また、硬さが51度と大きく、衝撃緩和作用が低いことから、競技者には不評であった。
【0032】
【発明の効果】
本発明のアンダーパッドは、軟質チップをポリアミド繊維入り結着剤で相互に結着してなるものであるから、実施例と比較例との対比からも明らかなように、適度な硬度と高い強度を有し、基盤と人工芝生との間に介在させた場合、自身の破壊や人工芝生の剥がれ、破れ等を防止することができる。そのため、野球場、サッカー場、ホッケー場等の運動競技場といった人工芝生施設を施工するときに大変好適である。
Claims (9)
- 軟質チップをポリアミド繊維入り結着剤で相互に結着してなるアンダーパッド。
- 軟質チップがゴムチップである、請求項1に記載のアンダーパッド。
- ポリアミド繊維は、単繊維繊度が4〜80dtexの範囲内にあり、平均繊維長が1〜25mmの範囲内にある、請求項1または2に記載のアンダーパッド。
- ポリアミド繊維は、伸度が少なくとも20%であり、引張強度が少なくとも5cN/dtexである、請求項1〜3のいずれかに記載のアンダーパッド。
- 結着剤が樹脂またはゴムである、請求項1〜4のいずれかに記載のアンダーパッド。
- 結着剤中におけるポリアミド繊維の含有量が0.3〜3重量%の範囲内にある、請求項1〜5のいずれかに記載のアンダーパッド。
- 透水係数が少なくとも0.001cm/secである、請求項1〜6のいずれかに記載のアンダーパッド。
- 基盤上に請求項1〜7のいずれかに記載のアンダーパッドを設置する工程と、そのアンダーパッドの上に人工芝生を敷設する工程とを含む人工芝生施設の施工方法。
- 基盤上に請求項1〜7のいずれかに記載のアンダーパッドを設置する工程と、そのアンダーパッドの上に人工芝生を敷設する工程とを含む運動競技場の施工方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003023268A JP2004232365A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | アンダーパッド |
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| Country | Link |
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006328944A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Mondo Spa | 床張りのための弾性基層およびその製造方法 |
| JP2007016060A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Kajima Corp | 免震材料 |
| CN111575937A (zh) * | 2020-06-10 | 2020-08-25 | 江苏共创人造草坪股份有限公司 | 一种人造草坪簇绒基布、生产方法及采用其生产的草坪 |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003023268A patent/JP2004232365A/ja active Pending
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