JP2004232671A - 弁開度表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】RFIDタグを利用した弁開度表示装置の構造を簡単にして、部品点数を減らし、より細かな開度表示を可能とすることである。
【解決手段】表示装置常設部1の基板14に、ギア18、19で地下埋設弁の延長ロッド6に連結された指針軸15を通し、基板14上面の指針軸15を中心とする半円上に複数のRFIDタグ16を埋め込んで、各RFIDタグ16に書き込まれた位置情報と弁開度とを対応させ、指針軸15の基板14上面からの突出部に指針状のアンテナ17を取り付けて、延長ロッド6を回転させたときに、アンテナ17の先端がRFIDタグ16の配列に沿って移動し、対向する位置にある一つのRFIDタグ16のみから位置情報を受け取るようにすることにより、従来の表示装置に必須であった遮蔽板を不要とし、より細かな開度表示を可能としたのである。
【選択図】 図3
【解決手段】表示装置常設部1の基板14に、ギア18、19で地下埋設弁の延長ロッド6に連結された指針軸15を通し、基板14上面の指針軸15を中心とする半円上に複数のRFIDタグ16を埋め込んで、各RFIDタグ16に書き込まれた位置情報と弁開度とを対応させ、指針軸15の基板14上面からの突出部に指針状のアンテナ17を取り付けて、延長ロッド6を回転させたときに、アンテナ17の先端がRFIDタグ16の配列に沿って移動し、対向する位置にある一つのRFIDタグ16のみから位置情報を受け取るようにすることにより、従来の表示装置に必須であった遮蔽板を不要とし、より細かな開度表示を可能としたのである。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地下に埋設された弁の開度を表示する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上、下水道等の地下配管の途中に設置される弁は、一般に、弁に取り付けた目盛板と指針により開度が表示されるようになっており、地下の薄暗い場所でも見やすく開度を表示する工夫が施されている場合もある。しかし、このような弁開度表示方法を採っているため、開度を確認するには人が地下の表示場所へ降りて行く必要があり、このことが、埋設後の保守点検や開度変更等の作業の負担を大きくしている。
【0003】
弁開度の確認を地上で行えるようにする手段としては、弁の開閉に連動して変位する部材の位置をセンサで検出し、この検出結果に基づいて地上で弁開度を表示する方法が考えられる。しかし、この方法は、センサで位置検出を行うための電源が必要となるため、コスト面から実際に多数の弁で採用することは得策でない。また、センサとしてリミットスイッチを使用した場合は、細かな開度表示が難しくなる。
【0004】
これに対して、地下埋設弁から弁の開閉と連動して回転する延長ロッドを地上付近まで延ばし、延長ロッドの回転をギアで弁開度に変換して目盛板と指針とで表示することにより、実際に地上で開度確認できるようにしている場合がある。この場合は、目盛板と指針とからなる開度計の寸法を、ある程度細かく開度表示できる大きさとすることにより、開度計を覆う蓋として、市販されている一般的なマンホール用蓋(直径600mm)よりも大きいものが必要となることが多い。このため、設置コストが高く、また蓋上を車が通行したときの騒音が大きいことが問題となっている。
【0005】
これらの弁開度表示に関する問題を解決できる表示装置として、非接触で情報の読出しおよび書込みが可能なRFIDタグ(Radio Frequency−IDentification)タグを利用したものがある。この弁開度表示装置は、複数のRFIDタグを、弁の開閉に連動してRFIDタグと相対的に回転する磁性体製遮蔽板の相対移動方向に沿って配し、遮蔽板に一部のRFIDタグを露出させる開口部を設けて、アンテナを遮蔽板の側からRFIDタグに接近させ、遮蔽板開口部から露出しているRFIDタグから読み取った情報に基づいて弁開度を表示するようになっている(特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−333079号公報
【0007】
この弁開度表示装置を使用すれば、地下埋設弁の弁開度を地上で確認でき、電源の設置も不要である。また、装置寸法も目盛板と指針による開度計に比べて小さくできるので、装置を地面の凹所に設置する場合も、装置を覆うのに一般的なマンホール用蓋が使用できるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したRFIDタグを利用した弁開度表示装置では、アンテナが複数のRFIDタグと同時に交信するようになっているので、弁開度に対応する情報が書き込まれたRFIDタグだけをアンテナと交信させるために、各RFIDタグを開口部を有する磁性体製遮蔽板で覆い、一部のRFIDタグのみを開口部から露出させる必要がある。このため、従来の開度計に比べて部品点数が増え、装置の組立ておよびメンテナンスに手間がかかる。また、細かな開度表示が難しい問題もある。
【0009】
そこで、この発明の課題は、RFIDタグを利用した弁開度表示装置の構造を簡単にして、部品点数を減らし、より細かな開度表示を可能とすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、RFIDタグと交信するアンテナを指針状に形成した。指針状とは、近接する部材のごく一部を指し示せるように、少なくとも先端部が細長くなっている形状をいう。そして、この指針状のアンテナをRFIDタグの列に近接させて配置し、タグ列に対しその列方向に相対移動したときに、対向する位置にある一つのRFIDタグのみと交信させるようにしたのである。このとき、アンテナとこれに対向するRFIDタグとの間隔は、RFIDタグの伝送方式に応じて適切に設定すればよい。これにより、RFIDタグを覆う磁性体製遮蔽板が不要となり、部品点数を減らすことができる。また、より細かな開度表示も可能となる。
【0011】
具体的には、弁の開閉に連動して変位する部材の近傍に固定部材を配置し、これらの両部材の一方の所定の部位に、前記変位部材の変位方向に沿って複数のRFIDタグを配して、各RFIDタグに書き込まれた位置情報と弁開度とを対応させ、他方の部材には、指針状のアンテナを、前記各RFIDタグのうちの一つのみと交信できるように前記一方の部材のRFIDタグが配された部位に近接させて取り付け、このアンテナが弁の開閉により前記RFIDタグの列に対しその列方向に相対移動して、アンテナと対向する位置にある一つのRFIDタグのみから位置情報を受け取り、この受け取られた位置情報に基づいて弁開度を表示するようにしたのである。
【0012】
また、前記変位部材を弁の開閉に連動して回転する軸とし、前記固定部材を前記軸を通された基板とし、この基板に前記軸の回転方向に沿って前記各RFIDタグを配し、前記軸に前記指針状のアンテナを取り付けるようにすれば、本発明を既設の弁に適用する際に、従来の目盛板と指針とからなる開度計の大部分を流用して改造することができるので、表示装置設置作業の負荷およびコストをより少なくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図6に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1乃至図3は、第1の実施形態を示す。この弁開度表示装置の常設部1は、図1に示すように、地盤2の凹所3に固定したケース4に、地下に埋設したバタフライ弁5の延長ロッド6の上端部とともに収納されている。バタフライ弁5は、弁本体7に取り付けた開閉装置8から上方に延びる回転軸9の上端部が、ユニバーサルジョイント10で延長ロッド6の下端部に連結され、地上から延長ロッド6をその軸心のまわりに回転させることにより、回転軸9および開閉装置8を介して開閉するようになっている。
【0014】
図2および図3に示したように、前記ケース4は、円筒状で上下に2分割されており、その上半部11は、上端の開口部に市販のマンホール用蓋12が取り付けられ、下端の鍔部11aで下半部13上端の鍔部13aに接合されている。また、ケース下半部13は、垂直方向の中央部に段差が形成された2段形状となっており、鍔部13aの周方向の4箇所で地盤2に固定されている。
【0015】
このケース4に収納される表示装置常設部1は、タグ用基板14をその周縁部の4箇所でケース下半部13の段差部に固定して、ケース下半部13の底部に下端部を回転自在に支持された指針軸15と延長ロッド6とを基板14に通し、基板14上面に位置情報を書き込んだ7つのRFIDタグ16を埋め込み、指針軸15の基板14上面からの突出部に指針状のアンテナ17の基端部を固定し、指針軸15を歯数の異なる2つのギア18、19を介して延長ロッド6に連結して、延長ロッド6を弁開度が全開から全閉となるまで回転させたときに、アンテナ17が指針軸15と一体に180°回転するようにしたものである。
【0016】
前記各RFIDタグ16は、コイン状に形成したタグに情報を非接触で読み書きできる小型ICを内蔵し、電源を必要とせず半永久的に使用できるもので、それぞれに書き込まれた位置情報が弁開度と対応するように、基板14上面の指針軸15を中心とする半円上に30°間隔で埋め込まれている。なお、タグの形状は、棒状等、コイン状以外の形としてもよい。また、位置情報は、弁開度と対応するデータでもよいし、弁開度そのものでもよい。
【0017】
また、前記アンテナ17は、延長ロッド6を回転させたときに、その先端がRFIDタグ16の半円状の配列に沿って移動し、先端と僅かな間隔をおいて対向する位置にある一つのRFIDタグ16のみから弁開度に対応した位置情報を受け取るようになっている。
【0018】
ここで、アンテナの角度変化量は、必ずしも180°とする必要はなく、指針軸と延長ロッドとを連結する2つのギアの歯数を変えることにより任意に変更することができる。従って、延長ロッドの回転数に応じて各ギアの歯数を適切に選定して、アンテナの角度変化量を必要な表示精度が確保できる大きさに調節し、その角度変化量に対応する位置にRFIDタグを配置すればよい。
【0019】
この弁開度表示装置は、その常設部1が上記の構成であり、ケース4の蓋12を取り外してアンテナ17に図示省略した携帯用の電源、リーダおよび携帯情報端末(以下、PDAと称す。)を接続するだけで、アンテナ17が一つのRFIDタグ16と交信して弁開度に対応した位置情報を受け取り、この位置情報がリーダで読み取られ、PDAで弁開度に変換されて表示される。なお、携帯用電源は、乾電池等の簡易的なものでも十分に対応できる。また、リーダは、アンテナと一体に設置しておくこともできる。
【0020】
従って、この弁開度表示装置を使用することにより、専用の電源を設置せずに地上で精度よく弁開度の確認ができるし、装置がコンパクトであるため、装置を覆うのに市販のマンホール用蓋が使用できる。そのうえ、指針状のアンテナが一つのRFIDタグのみと交信するようになっているので、従来のRFIDタグを利用した表示装置に比べて、アンテナと交信させたくないRFIDタグを覆うための遮蔽板が不要で、その分だけ部品点数が少なくなり、装置の組立ておよびメンテナンスが簡単になる。
【0021】
図4(a)、(b)は、第2の実施形態を示す。この実施形態では、弁開度表示装置の常設部20が、地下に埋設したバタフライ弁21の減速機22に取り付けられている。バタフライ弁21は、弁本体23に減速機22を介して開閉装置24が取り付けられ、この開閉装置24から地上付近まで延びる延長ロッド25を回転させることにより開閉するようになっている。
【0022】
この弁開度表示装置の常設部20は、弁軸に直結して回転する弁軸カバー28の減速機22上面からの突出部にアンテナ27とリーダ26を一体に固定し、減速機22上面に設けたタグ用基板22aに11個のRFIDタグ29を取り付け、リーダ26から延ばした配線30を地上付近に設けた端子箱31に接続している。なお、この実施形態を既設の弁に適用する場合、弁軸カバーおよび基板には、従来の開度計で指針取付用部材および目盛板として使用されていたものを流用できるものもあり、改造が容易である。また、リーダは、バタフライ弁の設置深さがリーダ機能内にある場合は、端子箱に設けた方がメンテナンスしやすくなる。
【0023】
前記各RFIDタグ29は、弁軸を中心とした90°のアンテナ27回転範囲に、アンテナ27の回転方向に沿って弁軸中心からの距離を変えて配置され、より細かな開度表示ができる配列となっている。アンテナ27が対向する一つのRFIDタグ29のみと交信して位置情報を受け取る点は、第1の実施形態と同じである。
【0024】
この表示装置で弁開度を確認するときは、図4(a)に示したように、地上付近の端子31に携帯用の電源32およびPDA33を接続して、PDA33に弁開度を表示させればよい。さらに、PDA33にパソコン34を接続することにより、弁開度データを即座に管理用コンピュータに送信して、弁の管理を行っている事務所等で弁開度を表示させることもできる。
【0025】
なお、この実施形態では、アンテナが弁軸に直結して回転するように取り付けられ、その角度変化量が常に90°となるため、延長ロッドの回転数によってRFIDタグの配置を変更する必要はない。
【0026】
また、リーダについては、第1の実施形態と同様に、アンテナと一体に設置せずに携帯用のものを使用することもできる。
【0027】
上述した各実施形態では、弁の開閉に連動して変位する部材にアンテナを、変位部材の近傍に配置した固定部材にRFIDタグを取り付けたが、逆に、アンテナを固定部材に、RFIDタグを変位部材に取り付けるようにしてもよい。
【0028】
例えば、第1の実施形態の変形例として、図5および図6に示すように、ギア18、19を介して延長ロッド6に連結した支軸35に、支軸35を中心とする半円上にRFIDタグ16を埋め込んだ基板36をねじで固定して、基板36が弁の開閉に連動して回転するようにし、指針状のアンテナ37を、各RFIDタグ16のうちの一つのみと交信できるように、その先端部を基板36上面に近接させた状態で、ケース下半部13の段差部に設けた取付台38に取り付けることもできる。なお、この変形例では、ケース下半部13の段差部に固定されて基板36を回転自在に支持する支持板39に、延長ロッド6が通されている。
【0029】
また、弁の埋設深さが2m以下程度の場合は、RFIDタグを変位部材に取り付けることにより、アンテナおよびリーダを固定部材に取り付ける代わりに、ハンディタイプのアンテナ付リーダを使用することができる。このハンディ型リーダは、2m程度の長さの端子の先端に指針状のアンテナが接続されたもので、アンテナを変位部材のRFIDタグが配された部位に近接させて保持することにより、アンテナに対向する位置にきたRFIDタグのみから位置情報を読み取ることができる。この場合は、アンテナとリーダとの間の配線も不要となる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、この発明の弁開度表示装置は、弁開度と対応した位置情報が書き込まれたRFIDタグと交信するアンテナを指針状とし、このアンテナを、弁の開閉に連動してRFIDタグの列に対しその列方向に相対移動し、対向する位置にある一つのRFIDタグのみと交信するように配置したものであるから、従来のRFIDタグを利用した表示装置に比べて、RFIDタグを覆う磁性体製遮蔽板が不要で、その分部品点数が少なく、組立ておよびメンテナンスを簡単に行うことができ、かつ、より細かな開度表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の表示装置の設置状態を示す正面図
【図2】図1の表示装置の縦断正面図
【図3】図1の表示装置のケースの蓋および上半部を取り外した状態の平面図
【図4】aは第2の実施形態の表示装置の設置状態を示す正面図、bはaの矢視B方向からの拡大平面図
【図5】図1の表示装置のアンテナおよび基板の配置の変形例を示す縦断正面図
【図6】図5の表示装置のケースの蓋および上半部を取り外した状態の平面図
【符号の説明】
1 表示装置常設部
2 地盤
3 凹所
4 ケース
5 バタフライ弁
6 延長ロッド
7 弁本体
8 開閉装置
9 回転軸
10 ユニバーサルジョイント
11 上半部
11a 鍔部
12 蓋
13 下半部
13a 鍔部
14 基板
15 指針軸
16 RFIDタグ
17 アンテナ
18、19 ギア
20 表示装置常設部
21 バタフライ弁
22 減速機
22a 基板
23 弁本体
24 開閉装置
25 延長ロッド
26 リーダ
27 アンテナ
28 弁軸カバー
29 RFIDタグ
30 配線
31 端子箱
32 電源
33 PDA
34 パソコン
35 支軸
36 基板
37 アンテナ
38 取付台
39 支持板
【発明の属する技術分野】
この発明は、地下に埋設された弁の開度を表示する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上、下水道等の地下配管の途中に設置される弁は、一般に、弁に取り付けた目盛板と指針により開度が表示されるようになっており、地下の薄暗い場所でも見やすく開度を表示する工夫が施されている場合もある。しかし、このような弁開度表示方法を採っているため、開度を確認するには人が地下の表示場所へ降りて行く必要があり、このことが、埋設後の保守点検や開度変更等の作業の負担を大きくしている。
【0003】
弁開度の確認を地上で行えるようにする手段としては、弁の開閉に連動して変位する部材の位置をセンサで検出し、この検出結果に基づいて地上で弁開度を表示する方法が考えられる。しかし、この方法は、センサで位置検出を行うための電源が必要となるため、コスト面から実際に多数の弁で採用することは得策でない。また、センサとしてリミットスイッチを使用した場合は、細かな開度表示が難しくなる。
【0004】
これに対して、地下埋設弁から弁の開閉と連動して回転する延長ロッドを地上付近まで延ばし、延長ロッドの回転をギアで弁開度に変換して目盛板と指針とで表示することにより、実際に地上で開度確認できるようにしている場合がある。この場合は、目盛板と指針とからなる開度計の寸法を、ある程度細かく開度表示できる大きさとすることにより、開度計を覆う蓋として、市販されている一般的なマンホール用蓋(直径600mm)よりも大きいものが必要となることが多い。このため、設置コストが高く、また蓋上を車が通行したときの騒音が大きいことが問題となっている。
【0005】
これらの弁開度表示に関する問題を解決できる表示装置として、非接触で情報の読出しおよび書込みが可能なRFIDタグ(Radio Frequency−IDentification)タグを利用したものがある。この弁開度表示装置は、複数のRFIDタグを、弁の開閉に連動してRFIDタグと相対的に回転する磁性体製遮蔽板の相対移動方向に沿って配し、遮蔽板に一部のRFIDタグを露出させる開口部を設けて、アンテナを遮蔽板の側からRFIDタグに接近させ、遮蔽板開口部から露出しているRFIDタグから読み取った情報に基づいて弁開度を表示するようになっている(特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−333079号公報
【0007】
この弁開度表示装置を使用すれば、地下埋設弁の弁開度を地上で確認でき、電源の設置も不要である。また、装置寸法も目盛板と指針による開度計に比べて小さくできるので、装置を地面の凹所に設置する場合も、装置を覆うのに一般的なマンホール用蓋が使用できるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したRFIDタグを利用した弁開度表示装置では、アンテナが複数のRFIDタグと同時に交信するようになっているので、弁開度に対応する情報が書き込まれたRFIDタグだけをアンテナと交信させるために、各RFIDタグを開口部を有する磁性体製遮蔽板で覆い、一部のRFIDタグのみを開口部から露出させる必要がある。このため、従来の開度計に比べて部品点数が増え、装置の組立ておよびメンテナンスに手間がかかる。また、細かな開度表示が難しい問題もある。
【0009】
そこで、この発明の課題は、RFIDタグを利用した弁開度表示装置の構造を簡単にして、部品点数を減らし、より細かな開度表示を可能とすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、RFIDタグと交信するアンテナを指針状に形成した。指針状とは、近接する部材のごく一部を指し示せるように、少なくとも先端部が細長くなっている形状をいう。そして、この指針状のアンテナをRFIDタグの列に近接させて配置し、タグ列に対しその列方向に相対移動したときに、対向する位置にある一つのRFIDタグのみと交信させるようにしたのである。このとき、アンテナとこれに対向するRFIDタグとの間隔は、RFIDタグの伝送方式に応じて適切に設定すればよい。これにより、RFIDタグを覆う磁性体製遮蔽板が不要となり、部品点数を減らすことができる。また、より細かな開度表示も可能となる。
【0011】
具体的には、弁の開閉に連動して変位する部材の近傍に固定部材を配置し、これらの両部材の一方の所定の部位に、前記変位部材の変位方向に沿って複数のRFIDタグを配して、各RFIDタグに書き込まれた位置情報と弁開度とを対応させ、他方の部材には、指針状のアンテナを、前記各RFIDタグのうちの一つのみと交信できるように前記一方の部材のRFIDタグが配された部位に近接させて取り付け、このアンテナが弁の開閉により前記RFIDタグの列に対しその列方向に相対移動して、アンテナと対向する位置にある一つのRFIDタグのみから位置情報を受け取り、この受け取られた位置情報に基づいて弁開度を表示するようにしたのである。
【0012】
また、前記変位部材を弁の開閉に連動して回転する軸とし、前記固定部材を前記軸を通された基板とし、この基板に前記軸の回転方向に沿って前記各RFIDタグを配し、前記軸に前記指針状のアンテナを取り付けるようにすれば、本発明を既設の弁に適用する際に、従来の目盛板と指針とからなる開度計の大部分を流用して改造することができるので、表示装置設置作業の負荷およびコストをより少なくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図6に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1乃至図3は、第1の実施形態を示す。この弁開度表示装置の常設部1は、図1に示すように、地盤2の凹所3に固定したケース4に、地下に埋設したバタフライ弁5の延長ロッド6の上端部とともに収納されている。バタフライ弁5は、弁本体7に取り付けた開閉装置8から上方に延びる回転軸9の上端部が、ユニバーサルジョイント10で延長ロッド6の下端部に連結され、地上から延長ロッド6をその軸心のまわりに回転させることにより、回転軸9および開閉装置8を介して開閉するようになっている。
【0014】
図2および図3に示したように、前記ケース4は、円筒状で上下に2分割されており、その上半部11は、上端の開口部に市販のマンホール用蓋12が取り付けられ、下端の鍔部11aで下半部13上端の鍔部13aに接合されている。また、ケース下半部13は、垂直方向の中央部に段差が形成された2段形状となっており、鍔部13aの周方向の4箇所で地盤2に固定されている。
【0015】
このケース4に収納される表示装置常設部1は、タグ用基板14をその周縁部の4箇所でケース下半部13の段差部に固定して、ケース下半部13の底部に下端部を回転自在に支持された指針軸15と延長ロッド6とを基板14に通し、基板14上面に位置情報を書き込んだ7つのRFIDタグ16を埋め込み、指針軸15の基板14上面からの突出部に指針状のアンテナ17の基端部を固定し、指針軸15を歯数の異なる2つのギア18、19を介して延長ロッド6に連結して、延長ロッド6を弁開度が全開から全閉となるまで回転させたときに、アンテナ17が指針軸15と一体に180°回転するようにしたものである。
【0016】
前記各RFIDタグ16は、コイン状に形成したタグに情報を非接触で読み書きできる小型ICを内蔵し、電源を必要とせず半永久的に使用できるもので、それぞれに書き込まれた位置情報が弁開度と対応するように、基板14上面の指針軸15を中心とする半円上に30°間隔で埋め込まれている。なお、タグの形状は、棒状等、コイン状以外の形としてもよい。また、位置情報は、弁開度と対応するデータでもよいし、弁開度そのものでもよい。
【0017】
また、前記アンテナ17は、延長ロッド6を回転させたときに、その先端がRFIDタグ16の半円状の配列に沿って移動し、先端と僅かな間隔をおいて対向する位置にある一つのRFIDタグ16のみから弁開度に対応した位置情報を受け取るようになっている。
【0018】
ここで、アンテナの角度変化量は、必ずしも180°とする必要はなく、指針軸と延長ロッドとを連結する2つのギアの歯数を変えることにより任意に変更することができる。従って、延長ロッドの回転数に応じて各ギアの歯数を適切に選定して、アンテナの角度変化量を必要な表示精度が確保できる大きさに調節し、その角度変化量に対応する位置にRFIDタグを配置すればよい。
【0019】
この弁開度表示装置は、その常設部1が上記の構成であり、ケース4の蓋12を取り外してアンテナ17に図示省略した携帯用の電源、リーダおよび携帯情報端末(以下、PDAと称す。)を接続するだけで、アンテナ17が一つのRFIDタグ16と交信して弁開度に対応した位置情報を受け取り、この位置情報がリーダで読み取られ、PDAで弁開度に変換されて表示される。なお、携帯用電源は、乾電池等の簡易的なものでも十分に対応できる。また、リーダは、アンテナと一体に設置しておくこともできる。
【0020】
従って、この弁開度表示装置を使用することにより、専用の電源を設置せずに地上で精度よく弁開度の確認ができるし、装置がコンパクトであるため、装置を覆うのに市販のマンホール用蓋が使用できる。そのうえ、指針状のアンテナが一つのRFIDタグのみと交信するようになっているので、従来のRFIDタグを利用した表示装置に比べて、アンテナと交信させたくないRFIDタグを覆うための遮蔽板が不要で、その分だけ部品点数が少なくなり、装置の組立ておよびメンテナンスが簡単になる。
【0021】
図4(a)、(b)は、第2の実施形態を示す。この実施形態では、弁開度表示装置の常設部20が、地下に埋設したバタフライ弁21の減速機22に取り付けられている。バタフライ弁21は、弁本体23に減速機22を介して開閉装置24が取り付けられ、この開閉装置24から地上付近まで延びる延長ロッド25を回転させることにより開閉するようになっている。
【0022】
この弁開度表示装置の常設部20は、弁軸に直結して回転する弁軸カバー28の減速機22上面からの突出部にアンテナ27とリーダ26を一体に固定し、減速機22上面に設けたタグ用基板22aに11個のRFIDタグ29を取り付け、リーダ26から延ばした配線30を地上付近に設けた端子箱31に接続している。なお、この実施形態を既設の弁に適用する場合、弁軸カバーおよび基板には、従来の開度計で指針取付用部材および目盛板として使用されていたものを流用できるものもあり、改造が容易である。また、リーダは、バタフライ弁の設置深さがリーダ機能内にある場合は、端子箱に設けた方がメンテナンスしやすくなる。
【0023】
前記各RFIDタグ29は、弁軸を中心とした90°のアンテナ27回転範囲に、アンテナ27の回転方向に沿って弁軸中心からの距離を変えて配置され、より細かな開度表示ができる配列となっている。アンテナ27が対向する一つのRFIDタグ29のみと交信して位置情報を受け取る点は、第1の実施形態と同じである。
【0024】
この表示装置で弁開度を確認するときは、図4(a)に示したように、地上付近の端子31に携帯用の電源32およびPDA33を接続して、PDA33に弁開度を表示させればよい。さらに、PDA33にパソコン34を接続することにより、弁開度データを即座に管理用コンピュータに送信して、弁の管理を行っている事務所等で弁開度を表示させることもできる。
【0025】
なお、この実施形態では、アンテナが弁軸に直結して回転するように取り付けられ、その角度変化量が常に90°となるため、延長ロッドの回転数によってRFIDタグの配置を変更する必要はない。
【0026】
また、リーダについては、第1の実施形態と同様に、アンテナと一体に設置せずに携帯用のものを使用することもできる。
【0027】
上述した各実施形態では、弁の開閉に連動して変位する部材にアンテナを、変位部材の近傍に配置した固定部材にRFIDタグを取り付けたが、逆に、アンテナを固定部材に、RFIDタグを変位部材に取り付けるようにしてもよい。
【0028】
例えば、第1の実施形態の変形例として、図5および図6に示すように、ギア18、19を介して延長ロッド6に連結した支軸35に、支軸35を中心とする半円上にRFIDタグ16を埋め込んだ基板36をねじで固定して、基板36が弁の開閉に連動して回転するようにし、指針状のアンテナ37を、各RFIDタグ16のうちの一つのみと交信できるように、その先端部を基板36上面に近接させた状態で、ケース下半部13の段差部に設けた取付台38に取り付けることもできる。なお、この変形例では、ケース下半部13の段差部に固定されて基板36を回転自在に支持する支持板39に、延長ロッド6が通されている。
【0029】
また、弁の埋設深さが2m以下程度の場合は、RFIDタグを変位部材に取り付けることにより、アンテナおよびリーダを固定部材に取り付ける代わりに、ハンディタイプのアンテナ付リーダを使用することができる。このハンディ型リーダは、2m程度の長さの端子の先端に指針状のアンテナが接続されたもので、アンテナを変位部材のRFIDタグが配された部位に近接させて保持することにより、アンテナに対向する位置にきたRFIDタグのみから位置情報を読み取ることができる。この場合は、アンテナとリーダとの間の配線も不要となる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、この発明の弁開度表示装置は、弁開度と対応した位置情報が書き込まれたRFIDタグと交信するアンテナを指針状とし、このアンテナを、弁の開閉に連動してRFIDタグの列に対しその列方向に相対移動し、対向する位置にある一つのRFIDタグのみと交信するように配置したものであるから、従来のRFIDタグを利用した表示装置に比べて、RFIDタグを覆う磁性体製遮蔽板が不要で、その分部品点数が少なく、組立ておよびメンテナンスを簡単に行うことができ、かつ、より細かな開度表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の表示装置の設置状態を示す正面図
【図2】図1の表示装置の縦断正面図
【図3】図1の表示装置のケースの蓋および上半部を取り外した状態の平面図
【図4】aは第2の実施形態の表示装置の設置状態を示す正面図、bはaの矢視B方向からの拡大平面図
【図5】図1の表示装置のアンテナおよび基板の配置の変形例を示す縦断正面図
【図6】図5の表示装置のケースの蓋および上半部を取り外した状態の平面図
【符号の説明】
1 表示装置常設部
2 地盤
3 凹所
4 ケース
5 バタフライ弁
6 延長ロッド
7 弁本体
8 開閉装置
9 回転軸
10 ユニバーサルジョイント
11 上半部
11a 鍔部
12 蓋
13 下半部
13a 鍔部
14 基板
15 指針軸
16 RFIDタグ
17 アンテナ
18、19 ギア
20 表示装置常設部
21 バタフライ弁
22 減速機
22a 基板
23 弁本体
24 開閉装置
25 延長ロッド
26 リーダ
27 アンテナ
28 弁軸カバー
29 RFIDタグ
30 配線
31 端子箱
32 電源
33 PDA
34 パソコン
35 支軸
36 基板
37 アンテナ
38 取付台
39 支持板
Claims (2)
- 弁の開閉に連動して変位する部材の近傍に固定部材を配置し、これらの両部材の一方の所定の部位に、前記変位部材の変位方向に沿って複数のRFIDタグを配して、各RFIDタグに書き込まれた位置情報と弁開度とを対応させ、他方の部材には、指針状のアンテナを、前記各RFIDタグのうちの一つのみと交信できるように前記一方の部材のRFIDタグが配された部位に近接させて取り付け、このアンテナが弁の開閉により前記RFIDタグの列に対しその列方向に相対移動して、アンテナと対向する位置にある一つのRFIDタグのみから位置情報を受け取り、この受け取られた位置情報に基づいて弁開度を表示するようにした弁開度表示装置。
- 前記変位部材が弁の開閉に連動して回転する軸であり、前記固定部材が前記軸を通された基板であり、この基板に前記軸の回転方向に沿って前記各RFIDタグを配し、前記軸に前記指針状のアンテナを取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の弁開度表示装置。
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