JP2004232793A - 電磁式駆動ユニット及びそれを用いた電磁弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した駆動力を発生する電磁式駆動ユニット及びそれを用いた電磁弁装置の提供。
【解決手段】固定鉄心16と、前記固定鉄心16に対して同軸上に配置された可動鉄心54と、前記可動鉄心54を囲むソレノイド24を有し、前記ソレノイド24への給電制御により、前記固定鉄心に対して前記可動鉄心を接離させるソレノイドアセンブリと、前記可動鉄心54を囲む非磁性部材とを備えた電磁式駆動ユニットにおいて、前記非磁性部材は、前記可動鉄心54の外周面を覆う非磁性の樹脂層55を含み、前記可動鉄心54の接離を前記樹脂層55を介して摺接自在に案内するガイド36,19を更に含むことを特徴とする電磁式駆動ユニット。
【選択図】 図2
【解決手段】固定鉄心16と、前記固定鉄心16に対して同軸上に配置された可動鉄心54と、前記可動鉄心54を囲むソレノイド24を有し、前記ソレノイド24への給電制御により、前記固定鉄心に対して前記可動鉄心を接離させるソレノイドアセンブリと、前記可動鉄心54を囲む非磁性部材とを備えた電磁式駆動ユニットにおいて、前記非磁性部材は、前記可動鉄心54の外周面を覆う非磁性の樹脂層55を含み、前記可動鉄心54の接離を前記樹脂層55を介して摺接自在に案内するガイド36,19を更に含むことを特徴とする電磁式駆動ユニット。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はソレノイドアッセンブリを有する電磁式駆動ユニット及びそれを用いた電磁弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁式駆動ユニット及びそれを用いた電磁弁装置は、例えば特許文献1に開示されている。
この電磁式駆動ユニットにおいては、固定鉄心と可動鉄心とが同軸上に配置されており、可動鉄心に働くソレノイドの励磁力を可変する給電制御によって、固定鉄心に対して可動鉄心が接離可能となっている。
【0003】
より詳しくは、可動鉄心は、非磁性材料からなる有底管内に収容されており、この有底管の内周面に案内されることで低い摺動抵抗にて接離可能となっている。また一方、有底管の底壁には突起が設けられ、この突起が介在することで固定鉄心及び可動鉄心間での過度の吸着が防止され、給電制御に対する可動鉄心の接離の応答性が良好に保たれている。
【0004】
そして、この電磁式駆動ユニットを用いた電磁弁装置においては、可動鉄心に機械的に接続された弁が、可動鉄心の接離により生じた駆動力を受けて切換え作動される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−213254号公報(図2等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来技術の電磁式駆動ユニットにおいて、製品間でのばらつきを抑制し、安定した駆動力を発揮するためには、ソレノイド自体の有する励磁力が十分大きくかつ可動鉄心の接離の際の摺動抵抗が小さいことはもとより、可動鉄心に実際に働く励磁力及び摺動抵抗をばらつき無く安定させることが求められる。
【0007】
ここにおいて、可動鉄心に働く励磁力及び摺動抵抗を安定させるためには、とりわけ有底管の寸法精度を高精度にすることが必要である。なぜならば、可動鉄心が高精度な有底管に案内されれば、その接離の際に有底管内を低い摺動抵抗にて滑動可能であるばかりか、有底管内で偏芯することなく固定鉄心と同軸上に位置決めされた状態で滑動することから、ソレノイドによって可動鉄心から固定鉄心方向に均一な磁場が形成され、励磁力が最大に保たれると期待されるからである。
【0008】
しかしながら、この有底管は深絞り加工等によって製造されることから寸法精度が低く、その結果として、電磁式駆動ユニットの駆動力及び電磁弁の作動が安定しないという問題があった。
この発明は、上記した問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、安定した駆動力を発生する電磁式駆動ユニット及びそれを用いた電磁弁装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の電磁式駆動ユニットは、固定鉄心と、前記固定鉄心に対して同軸上に配置された可動鉄心と、前記可動鉄心を囲むソレノイドを有し、前記ソレノイドへの給電制御により、前記固定鉄心に対して前記可動鉄心を接離させるソレノイドアセンブリと、前記可動鉄心を囲む非磁性部材とを備えている。
【0010】
そして、前記非磁性部材は、前記可動鉄心の外周面を覆う非磁性の樹脂層を含み、この電磁式駆動ユニットは、前記可動鉄心の接離を前記樹脂層を介して摺接自在に案内するガイドを更に含む(請求項1)。
上記した電磁式駆動ユニットによれば、可動鉄心の外周面が樹脂層で覆われ、可動鉄心はこの樹脂層を介してガイドに案内されるので、可動鉄心は固定鉄心に対して高い寸法精度で同軸上に位置決めされ、そして低い摺動抵抗にて滑動可能であり、その結果として、この電磁式駆動ユニットは安定した駆動力を発生する。
【0011】
そして、前記非磁性部材は、前記固定鉄心側の前記可動鉄心の端面を覆う非磁性の樹脂膜を更に含むことが好ましい(請求項2)。
深絞り加工により製造される有底管では、底壁や周壁で厚みの比率を所望の値に設定することは困難である。これに対して、非磁性の樹脂膜によれば、その厚みを独立して設定可能であって、この厚みを適宜設定することにより固定鉄心及び可動鉄心間の吸着が有効に防止され、その結果として、この電磁式駆動ユニットの駆動力は、ソレノイドの給電制御に対して良好な応答特性を有する。
【0012】
また、本発明の電磁弁装置は、上記した電磁式駆動ユニットと、前記電磁式駆動ユニットに機械的に連結され、前記可動鉄心の接離を受けて切換え作動される弁とを備えている(請求項3)。
この電磁弁装置においては、その弁が安定した駆動力を備えた電磁式駆動ユニットに接続されているので、弁の切換え作動が安定している。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例に係る電磁弁装置10(以下、電磁弁10という)の縦断面図である。なお、電磁弁10は、電磁作動方式で作動する3ポート2位置の方向制御弁であり、図中、それら2位置のうち一方の排出位置を中心線よりもA側に、他方の供給位置をB側に示した。
【0014】
電磁弁10は、各種制御に使用され、例えば、ミニショベルのキャビン干渉防止/深さ制御、油圧ピストン・モーターの傾点角制御、コントロールバルブのスプール/絞り弁の制御、AT車のクラッチパック、前・後進切換クラッチ制御等に好適する。
電磁弁10は、方向制御弁ユニット11と、方向制御弁ユニット11の一端側に機械的に接続され、方向制御弁ユニット11を作動させる電磁式駆動ユニット12とを備えている。
【0015】
電磁式駆動ユニット12は有底円筒状のソレノイドハウジング14(以下、ハウジング14という)を備え、ハウジング14は、外周壁14aと、外周壁14aの一端側に位置し、方向制御弁ユニット11がその外面に接続された端壁14bを含む。更に、ハウジング14は、端壁14bの中央部に一体に形成された固定鉄心16を含む。
【0016】
固定鉄心16は外周壁14aよりも小径な円柱状をなし、端壁14bからハウジング14の内方に向かって突出し、外周壁14aと同軸上に位置付けられている。したがって、固定鉄心16と外周壁14aとは、それらの径方向にみて互いに所定幅だけ離隔している。
固定鉄心16の中央には貫通孔18が同軸にして形成され、貫通孔18はその軸線方向に延び、端壁14bの外面すなわち固定鉄心16の外端面及び内端面16aにそれぞれ開口する。そして、固定鉄心16は、その内端面16aの周縁から軸線方向に一体に突出した環状突縁19を含む。
【0017】
環状突縁19は、固定鉄心16の軸線方向に沿って一定内径を有するが、その外径は先端に向けて次第に小さくなっている。したがって、環状突縁19の先端外形は円錐台形状をなす一方、環状突縁19の内周面19a及び固定鉄心16の内端面16aは円柱状の中空部を形成している。ここで、固定鉄心16の内端面16a上には、固定鉄心16と後述する可動鉄心54とを離間させるために非磁性の円環状のスペーサ20が配置され、環状突縁19内の中空部は、このスペーサ20を介して固定鉄心16の貫通孔18と連通している。
【0018】
上記したハウジング14内には、外周壁14aよりも若干短い円筒状のソレノイドアッセンブリ21が同軸上に収容され、ソレノイドアッセンブリ21は、ボビン22、このボビン22に巻装されたソレノイド24、及び、ボビン22に外嵌されてソレノイド24を覆うボビンカバー26を含む。
より詳しくは、ソレノイドアッセンブリ21の一方の端部は、固定鉄心16の外周面、この外周面に対向した外周壁14aの内周面、および端壁14bの内面により区画された円筒状の空間に収容されている。ソレノイドアッセンブリ21の一方の端部は端壁14bと当接され、その当接面には円形の凹所が形成されている。この凹所にはOリング32が配置され、このOリング32は、ソレノイドアッセンブリ21の一端部と端壁14bとの間を液密にシールする。
【0019】
ソレノイドアッセンブリ21(ボビン22)は、段付きの内周面を有し、軸線方向にみて中央に位置する小径部22aと、この小径部22aを挟む2つの大径部22b、22cと、これら小径部22aと端壁14b側の大径部22bとの間を接続するテーパー部22dとを含み、テーパー部22dは同一の軸線方向でみて固定鉄心16の環状突縁19の先端と同じ変化率にて縮径する。そして、大径部22bは固定鉄心16に外嵌され、テーパー部22dは環状突縁19の先端との間に空隙を存して対向している。なお、ボビン22の小径部22aの内径は、環状突縁19の内径よりも僅かに大きい。
【0020】
ソレノイドアッセンブリ21(ボビンカバー26)は外周壁14a内に嵌入され、その他方の端部は外周壁14aの開口端近傍に位置している。このソレノイドアッセンブリ21の他端部には、ヨーク34が同軸上に配置され、ヨーク34は、その一端部がハウジング14内に収容された状態で外周壁14aの開口端を閉塞している。
【0021】
より詳しくは、ヨーク34は、互いに一体に形成された筒部36及び鍔部38を含み、筒部36は有底円筒状をなし、一端が開口し、他端が閉塞した同心孔36aを有する。また、鍔部38は、軸線方向でみて筒部36の中間に位置付けられ、筒部36の径方向に広がる円形状をなしている。この鍔部38は、外周壁14aの開口端内に位置付けられ、そして、その外縁部に対して外周壁14aの開口縁がかしめられることで、外周壁14aの開口端が閉塞されている。
【0022】
筒部36はその他端(底部)側がハウジング14の外方に突出する一方、その一端(開口)側がハウジング14の内方に軸線方向に沿って突出している。そして、この筒部36の一端部は、ボビン22におけるヨーク34側の大径部22c内に嵌入している。
なお、ハウジング14内に位置する筒部36の鍔部38側の基部はその外周面が段付き形状をなし、また、この段付き形状に合致すべくソレノイドアッセンブリ21における他端部の内周面も段付き形状をなし、そして、これら基部と他端部との間にはOリング42が配置されている。
【0023】
鍔部38には、貫通孔(図示せず)が穿設され、この貫通孔には電気絶縁性のスリーブ44が嵌設されている。このスリーブ44を通して一対の接続端子46が鍔部38の両側に延び、これら接続端子46の一端はソレノイド24に電気的に接続されている。
鍔部38の外面上には、電気絶縁性のカバー48がモールド成形配置され、カバー48は、鍔部38の外面のみならず、外周壁14aのかしめられた開口端縁、スリーブ44、スリーブ44から外方に延出する接続端子46の一部、及び、筒部36の一部を埋め込んでいる。
【0024】
ここで、カバー48の一部には、接続端子46を露出させた状態で囲む周壁48aが設けられ、この周壁48aは接続端子46とともに雄プラグを構成する。したがって、この雄プラグと図示しない雌プラグとを嵌挿することにより、ソレノイド24に対してハウジング14の外部から給電することができる。
ヨーク34における筒部36の同心孔36aは、固定鉄心16の環状突縁19の内径と等しい内径を有し、そして、同心孔36aの内底面36bには、その中央にて軸線方向に延びる小径な穴50が形成されている。
【0025】
筒部36の同心孔36aにおいて、その内底面36b側には、円形のばね座52が同軸上に配置されている。ばね座52は、内底面36b側の端面52aから突設された凸部52bを有し、端面52aは内底面36bに当接され、そして、凸部52bは内底面36bの穴50に嵌合している。そして更に、ばね座52は、端面52aと反対側の端面に同心孔36aと同心の有底孔110を有する。
【0026】
ここで、ばね座52を配置した筒部36の同心孔36aは、ボビン22の小径部22a内、および、固定鉄心16の環状突縁19内とともに収容室56を形成し、この収容室56は外周壁14aと同心にして延び、スペーサ20を介して固定鉄心16の貫通孔18と連通している。
この収容室56には、円柱状の可動鉄心54がソレノイド24と同心上に収容されている。より詳しくは、可動鉄心54は、図2に示したように、その外周面が全面に亘って厚みが均一な樹脂層55で被覆されている。可動鉄心54は、固定鉄心16と反対側の部分が樹脂層55を介して筒部36の同心孔36a内に案内されて、軸線方向に摺動自在となっている。それに加えて、可動鉄心54の固定鉄心16側の端部もまた、樹脂層55を介して環状突縁19内に嵌合され、その内周面19aに摺動自在に案内される。
【0027】
なお、本実施例では、樹脂層55を含まない可動鉄心54の外径は約10mmであって、樹脂層55はナイロン系樹脂からなり、その厚みは0.18mmである。そして、樹脂層55と筒部36の同心孔36aとの間のクリアランスは20〜40μmである。
この樹脂層55は公知の方法で形成することができ、材質及び厚みは上記したものに限定されることはないが、その厚みは0.1〜0.2mmの範囲に含まれることが好ましい。0.1mmよりも薄い場合、樹脂層55の耐久性が乏しくなる一方、0.2mmを超えて厚い場合には、樹脂層55の変形による摺動抵抗の上昇を招くからである。
【0028】
再び図1を参照すると、可動鉄心54は、その両端面にて開口する同心の貫通穴111を含み、貫通穴111は、ばね座52側に開口する後方大径部111aと、固定鉄心16側に開口し、後方大径部111aとほぼ同径の前方大径部111bと、それらの間を延びる狭窄部111cとを有する。
後方大径部111aの内端面とばね座52との間には、コイル状のサブスプリング58が介装され、このサブスプリング58は、可動鉄心54を軸線方向に沿って前方(固定鉄心16)側に付勢している。また、前方大径部111bの内端面には、サブスプリング58よりもばね定数が大きいコイル状のメインスプリング60の一端が当接し、メインスプリング60はスペーサ20及び貫通孔18を通して延び、その他端が前述した方向制御弁ユニット11の弁スプールの端面に当接している。
【0029】
方向制御弁ユニット11は、上記した電磁式駆動ユニット12にスリーブ状の弁ケーシング62を介して接続されている。
より詳しくは、ハウジング14における端壁14bの外面からは周壁が突設され、この周壁はその内周面に雌螺子部64を有する。一方、弁ケーシング62は、そのハウジング14側の一端部の外周面に雄螺子部66を有する。したがって、端壁14bの雌螺子部64に弁ケーシング62の雄螺子部66をねじ込むことで、弁ケーシング62はハウジング14に直結されている。
【0030】
かくして弁ケーシング62の一端部は端壁14bで閉塞され、また、端壁14b(雄螺子部66)と反対側の他端は端板68で閉塞されている。そして、弁ケーシング62の内部には、一端(端壁14b)側から他端(端板68)側に向かって順に、供給室72、出力室74、およびドレン室76が形成され、これらの室72,74,76間を区画する弁ケーシング62の内周面は、小径のシール面78,80,82となっている。一方、弁ケーシング62は、その外周面にて開口する3つのポート、すなわち供給ポート84、出力ポート86およびドレンポート88を含み、これら3つのポートは、それぞれ、上記した供給室72、出力室74、およびドレン室76のうちの対応する室と連通している。
【0031】
弁ケーシング62の内部には、弁スプール83が同軸上に収容され、弁スプール83は軸線方向に摺動自在に収容されている。弁スプール83の端壁14b側の端面には、前述したメインスプリング60の他端が当接し、弁スプール83はメインスプリング60を介して可動鉄心54に機械的に連結されている。
また、弁スプール83は、出力ポート86付近の中間部に、軸線方向に互いに離隔した2つのランド部92,94を有する。これらのうち、一方のランド部92の外周面は、図1のA側に示したように、弁ケーシング62内にて弁スプール83が端壁14b側に移動したときに(排出位置)、弁ケーシング62のシール面80と協働して供給室72と出力室74との間を密封可能となっている。また、他方のランド部94の外周面は、図1のB側に示したように、弁ケーシング62内にて弁スプール83が端板68側に移動したときに(供給位置)、弁ケーシング62のシール面82と協働して出力室74とドレン室76との間を密封可能となっている。
【0032】
なお、弁ケーシング62は、3つのポート84,86,88に別々に接続された流路を含むケース(図示せず)に囲まれ、これら流路間は、弁ケーシング62に外嵌されたOリング96,98によって隔離されている。
以下、上記した電磁弁10の動作を説明する。
電磁弁10を動作させるにあたっては、まず、電磁弁10を電源に接続する。この電源は、直流電源および交流電源のいずれであってもよく、例えば、直流電源としてはDC12VやDC24V、交流電源としてはAC100V(50/60Hz)やAC200Vを使用することができる。
【0033】
ソレノイド24に給電していない場合、図1のA側に示したように、弁スプール83は戻しばね90によって付勢され、端壁14b側の排出位置に位置付けられる一方、可動鉄心54は軸線方向でみてメインスプリング60の長さだけ弁スプール83から離隔した位置(非作動位置)に位置付けられている。なおここで、メインスプリング60はそのばね定数が大きくほとんど圧縮されておらず、サブスプリング58が収縮した状態にある。
【0034】
電源から接続端子46を介してソレノイド24に給電されると、ソレノイド24によって磁場(励磁力)が生じ、可動鉄心54は、その電流量に応じた吸引力で固定鉄心16に吸引される。このとき、可動鉄心54は、その外周面が樹脂層55を介して筒部36における同心孔36aの内周面及び環状突縁19の内周面19aにそれぞれ案内されているので、固定鉄心16と同軸上に保持されながら固定鉄心16に向けて変位する。そして、この可動鉄心54の変位量はメインスプリング60を通して弁スプール83に伝達されて、図1のB側に示したように戻しばね90が圧縮され、弁スプール83は供給位置に位置付けられる。ここで、メインスプリング60は、戻しばね90より十分大きなばね定数を有するのでほとんど圧縮されず、可動鉄心54の変位を伝える押圧部在として機能するとともに、可動鉄心54の急激な変位を緩和して弁スプール83に伝えるダンパーとしても機能する。
【0035】
そして、ソレノイド24への給電を止めた場合、ソレノイド24による磁場が消滅し、先に圧縮された戻しばね90の伸張力によって、弁スプール83が排出位置に位置付けられ、そして可動鉄心54もまた固定鉄心16から離れて元の非作動位置に戻る。このときも、可動鉄心54は、樹脂層55を介して同心孔36aの内周面及び環状突縁19の内周面19aに案内されて非作動位置に戻る。
【0036】
こうして、ソレノイド24への非給電時には、弁スプール83は図1のA側に示した排出位置に位置付けられ、例えば、アクチュエータに接続された出力ポート86から、ドレンポート88に接続されたタンクに向かって弁ケーシング62内を通って作動油が流れる。一方、ソレノイド24への給電時には、弁スプール83は図1のB側に示した供給位置に位置付けられ、例えば、ポンプに接続された供給ポート84から、出力ポート86に接続されたアクチュエータに向かって弁ケーシング62内を通って作動油が流れる。
【0037】
電磁弁10によれば、可動鉄心54の外周面、筒部36の同心孔36aの内周面、及び環状突縁19の内周面19aは高い寸法精度でもって機械加工でき、また樹脂層55にあっても均一な厚みに形成することは容易であるから、可動鉄心54はこの樹脂層55を介して、筒部36及び環状突縁19により正確に案内される。したがって、可動鉄心54は低い摺動抵抗にて固定鉄心16と同軸上を滑動可能であり、可動鉄心54に実際に働く励磁力及び摺動抵抗のばらつきは小さい。そして、この結果として、電磁弁の電磁式駆動ユニットは安定した駆動力を発生し、電磁弁は安定して切換え作動可能となる。
【0038】
以下、図3に基づいて本発明の他の実施例の電磁弁装置100(以下、電磁弁100という)を説明する。
なお、上記した実施例と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
電磁弁100は、概ね電磁弁10と同じ構成を有するが、図3に示したように、固定鉄心16の内端面16a上に配置されたスペーサ20に代えて、可動鉄心54の固定鉄心16側の端面も樹脂膜55aによって覆われている点が電磁弁10と異なり、この樹脂膜55aはソレノイド24への給電時に可動鉄心54と固定鉄心16とを磁気的に確実に離間させる。
【0039】
ここで、本実施例では、可動鉄心54の端面を覆う樹脂膜55aの厚みは0.18mmに設定されているが、この樹脂膜55aの厚みは、可動鉄心54の外周面を被覆する部分とは独立して設定することができる。
この電磁弁よれば、可動鉄心54の端面を覆う樹脂膜55aの厚みを適宜設定することにより固定鉄心16及び可動鉄心54間の吸着を有効に防止することができる。そして、その結果として、この電磁式駆動ユニットの駆動力は、ソレノイド24の給電制御に対して良好な応答特性を有する。
【0040】
本発明は、上記した実施例に限定されることはなく、種々変形が可能であって、例えば、電磁弁装置のポート数や切換え位置数は上記した実施例に限定されることはない。
【0041】
【発明の効果】
本発明の電磁式駆動ユニットは、可動鉄心の外周面が非磁性の樹脂層で覆われたことにより安定した駆動力を提供する(請求項1)。
また、本発明の電磁式ユニットは、可動鉄心の固定鉄心側の端面が非磁性の樹脂膜で覆われたことにより、ソレノイドの給電制御に対して良好な応答特性を有する(請求項2)。
【0042】
そして、本発明の電磁弁装置は、請求項1または2の電磁式駆動ユニットを用いていることから安定して作動する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電磁弁装置の縦断面図であって、A側はソレノイドへの非給電時、B側はソレノイドへの給電時を示す。
【図2】図1の領域IIの拡大図である。
【図3】本発明の他の実施例の電磁弁装置の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
16 固定鉄心
18 貫通孔
19 環状突縁(ガイド)
20 スペーサ
24 ソレノイド
36 ヨークの筒部(ガイド)
54 可動鉄心
55 樹脂層
55a 樹脂膜
58 サブスプリング
60 メインスプリング
【発明の属する技術分野】
本発明はソレノイドアッセンブリを有する電磁式駆動ユニット及びそれを用いた電磁弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁式駆動ユニット及びそれを用いた電磁弁装置は、例えば特許文献1に開示されている。
この電磁式駆動ユニットにおいては、固定鉄心と可動鉄心とが同軸上に配置されており、可動鉄心に働くソレノイドの励磁力を可変する給電制御によって、固定鉄心に対して可動鉄心が接離可能となっている。
【0003】
より詳しくは、可動鉄心は、非磁性材料からなる有底管内に収容されており、この有底管の内周面に案内されることで低い摺動抵抗にて接離可能となっている。また一方、有底管の底壁には突起が設けられ、この突起が介在することで固定鉄心及び可動鉄心間での過度の吸着が防止され、給電制御に対する可動鉄心の接離の応答性が良好に保たれている。
【0004】
そして、この電磁式駆動ユニットを用いた電磁弁装置においては、可動鉄心に機械的に接続された弁が、可動鉄心の接離により生じた駆動力を受けて切換え作動される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−213254号公報(図2等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来技術の電磁式駆動ユニットにおいて、製品間でのばらつきを抑制し、安定した駆動力を発揮するためには、ソレノイド自体の有する励磁力が十分大きくかつ可動鉄心の接離の際の摺動抵抗が小さいことはもとより、可動鉄心に実際に働く励磁力及び摺動抵抗をばらつき無く安定させることが求められる。
【0007】
ここにおいて、可動鉄心に働く励磁力及び摺動抵抗を安定させるためには、とりわけ有底管の寸法精度を高精度にすることが必要である。なぜならば、可動鉄心が高精度な有底管に案内されれば、その接離の際に有底管内を低い摺動抵抗にて滑動可能であるばかりか、有底管内で偏芯することなく固定鉄心と同軸上に位置決めされた状態で滑動することから、ソレノイドによって可動鉄心から固定鉄心方向に均一な磁場が形成され、励磁力が最大に保たれると期待されるからである。
【0008】
しかしながら、この有底管は深絞り加工等によって製造されることから寸法精度が低く、その結果として、電磁式駆動ユニットの駆動力及び電磁弁の作動が安定しないという問題があった。
この発明は、上記した問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、安定した駆動力を発生する電磁式駆動ユニット及びそれを用いた電磁弁装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の電磁式駆動ユニットは、固定鉄心と、前記固定鉄心に対して同軸上に配置された可動鉄心と、前記可動鉄心を囲むソレノイドを有し、前記ソレノイドへの給電制御により、前記固定鉄心に対して前記可動鉄心を接離させるソレノイドアセンブリと、前記可動鉄心を囲む非磁性部材とを備えている。
【0010】
そして、前記非磁性部材は、前記可動鉄心の外周面を覆う非磁性の樹脂層を含み、この電磁式駆動ユニットは、前記可動鉄心の接離を前記樹脂層を介して摺接自在に案内するガイドを更に含む(請求項1)。
上記した電磁式駆動ユニットによれば、可動鉄心の外周面が樹脂層で覆われ、可動鉄心はこの樹脂層を介してガイドに案内されるので、可動鉄心は固定鉄心に対して高い寸法精度で同軸上に位置決めされ、そして低い摺動抵抗にて滑動可能であり、その結果として、この電磁式駆動ユニットは安定した駆動力を発生する。
【0011】
そして、前記非磁性部材は、前記固定鉄心側の前記可動鉄心の端面を覆う非磁性の樹脂膜を更に含むことが好ましい(請求項2)。
深絞り加工により製造される有底管では、底壁や周壁で厚みの比率を所望の値に設定することは困難である。これに対して、非磁性の樹脂膜によれば、その厚みを独立して設定可能であって、この厚みを適宜設定することにより固定鉄心及び可動鉄心間の吸着が有効に防止され、その結果として、この電磁式駆動ユニットの駆動力は、ソレノイドの給電制御に対して良好な応答特性を有する。
【0012】
また、本発明の電磁弁装置は、上記した電磁式駆動ユニットと、前記電磁式駆動ユニットに機械的に連結され、前記可動鉄心の接離を受けて切換え作動される弁とを備えている(請求項3)。
この電磁弁装置においては、その弁が安定した駆動力を備えた電磁式駆動ユニットに接続されているので、弁の切換え作動が安定している。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例に係る電磁弁装置10(以下、電磁弁10という)の縦断面図である。なお、電磁弁10は、電磁作動方式で作動する3ポート2位置の方向制御弁であり、図中、それら2位置のうち一方の排出位置を中心線よりもA側に、他方の供給位置をB側に示した。
【0014】
電磁弁10は、各種制御に使用され、例えば、ミニショベルのキャビン干渉防止/深さ制御、油圧ピストン・モーターの傾点角制御、コントロールバルブのスプール/絞り弁の制御、AT車のクラッチパック、前・後進切換クラッチ制御等に好適する。
電磁弁10は、方向制御弁ユニット11と、方向制御弁ユニット11の一端側に機械的に接続され、方向制御弁ユニット11を作動させる電磁式駆動ユニット12とを備えている。
【0015】
電磁式駆動ユニット12は有底円筒状のソレノイドハウジング14(以下、ハウジング14という)を備え、ハウジング14は、外周壁14aと、外周壁14aの一端側に位置し、方向制御弁ユニット11がその外面に接続された端壁14bを含む。更に、ハウジング14は、端壁14bの中央部に一体に形成された固定鉄心16を含む。
【0016】
固定鉄心16は外周壁14aよりも小径な円柱状をなし、端壁14bからハウジング14の内方に向かって突出し、外周壁14aと同軸上に位置付けられている。したがって、固定鉄心16と外周壁14aとは、それらの径方向にみて互いに所定幅だけ離隔している。
固定鉄心16の中央には貫通孔18が同軸にして形成され、貫通孔18はその軸線方向に延び、端壁14bの外面すなわち固定鉄心16の外端面及び内端面16aにそれぞれ開口する。そして、固定鉄心16は、その内端面16aの周縁から軸線方向に一体に突出した環状突縁19を含む。
【0017】
環状突縁19は、固定鉄心16の軸線方向に沿って一定内径を有するが、その外径は先端に向けて次第に小さくなっている。したがって、環状突縁19の先端外形は円錐台形状をなす一方、環状突縁19の内周面19a及び固定鉄心16の内端面16aは円柱状の中空部を形成している。ここで、固定鉄心16の内端面16a上には、固定鉄心16と後述する可動鉄心54とを離間させるために非磁性の円環状のスペーサ20が配置され、環状突縁19内の中空部は、このスペーサ20を介して固定鉄心16の貫通孔18と連通している。
【0018】
上記したハウジング14内には、外周壁14aよりも若干短い円筒状のソレノイドアッセンブリ21が同軸上に収容され、ソレノイドアッセンブリ21は、ボビン22、このボビン22に巻装されたソレノイド24、及び、ボビン22に外嵌されてソレノイド24を覆うボビンカバー26を含む。
より詳しくは、ソレノイドアッセンブリ21の一方の端部は、固定鉄心16の外周面、この外周面に対向した外周壁14aの内周面、および端壁14bの内面により区画された円筒状の空間に収容されている。ソレノイドアッセンブリ21の一方の端部は端壁14bと当接され、その当接面には円形の凹所が形成されている。この凹所にはOリング32が配置され、このOリング32は、ソレノイドアッセンブリ21の一端部と端壁14bとの間を液密にシールする。
【0019】
ソレノイドアッセンブリ21(ボビン22)は、段付きの内周面を有し、軸線方向にみて中央に位置する小径部22aと、この小径部22aを挟む2つの大径部22b、22cと、これら小径部22aと端壁14b側の大径部22bとの間を接続するテーパー部22dとを含み、テーパー部22dは同一の軸線方向でみて固定鉄心16の環状突縁19の先端と同じ変化率にて縮径する。そして、大径部22bは固定鉄心16に外嵌され、テーパー部22dは環状突縁19の先端との間に空隙を存して対向している。なお、ボビン22の小径部22aの内径は、環状突縁19の内径よりも僅かに大きい。
【0020】
ソレノイドアッセンブリ21(ボビンカバー26)は外周壁14a内に嵌入され、その他方の端部は外周壁14aの開口端近傍に位置している。このソレノイドアッセンブリ21の他端部には、ヨーク34が同軸上に配置され、ヨーク34は、その一端部がハウジング14内に収容された状態で外周壁14aの開口端を閉塞している。
【0021】
より詳しくは、ヨーク34は、互いに一体に形成された筒部36及び鍔部38を含み、筒部36は有底円筒状をなし、一端が開口し、他端が閉塞した同心孔36aを有する。また、鍔部38は、軸線方向でみて筒部36の中間に位置付けられ、筒部36の径方向に広がる円形状をなしている。この鍔部38は、外周壁14aの開口端内に位置付けられ、そして、その外縁部に対して外周壁14aの開口縁がかしめられることで、外周壁14aの開口端が閉塞されている。
【0022】
筒部36はその他端(底部)側がハウジング14の外方に突出する一方、その一端(開口)側がハウジング14の内方に軸線方向に沿って突出している。そして、この筒部36の一端部は、ボビン22におけるヨーク34側の大径部22c内に嵌入している。
なお、ハウジング14内に位置する筒部36の鍔部38側の基部はその外周面が段付き形状をなし、また、この段付き形状に合致すべくソレノイドアッセンブリ21における他端部の内周面も段付き形状をなし、そして、これら基部と他端部との間にはOリング42が配置されている。
【0023】
鍔部38には、貫通孔(図示せず)が穿設され、この貫通孔には電気絶縁性のスリーブ44が嵌設されている。このスリーブ44を通して一対の接続端子46が鍔部38の両側に延び、これら接続端子46の一端はソレノイド24に電気的に接続されている。
鍔部38の外面上には、電気絶縁性のカバー48がモールド成形配置され、カバー48は、鍔部38の外面のみならず、外周壁14aのかしめられた開口端縁、スリーブ44、スリーブ44から外方に延出する接続端子46の一部、及び、筒部36の一部を埋め込んでいる。
【0024】
ここで、カバー48の一部には、接続端子46を露出させた状態で囲む周壁48aが設けられ、この周壁48aは接続端子46とともに雄プラグを構成する。したがって、この雄プラグと図示しない雌プラグとを嵌挿することにより、ソレノイド24に対してハウジング14の外部から給電することができる。
ヨーク34における筒部36の同心孔36aは、固定鉄心16の環状突縁19の内径と等しい内径を有し、そして、同心孔36aの内底面36bには、その中央にて軸線方向に延びる小径な穴50が形成されている。
【0025】
筒部36の同心孔36aにおいて、その内底面36b側には、円形のばね座52が同軸上に配置されている。ばね座52は、内底面36b側の端面52aから突設された凸部52bを有し、端面52aは内底面36bに当接され、そして、凸部52bは内底面36bの穴50に嵌合している。そして更に、ばね座52は、端面52aと反対側の端面に同心孔36aと同心の有底孔110を有する。
【0026】
ここで、ばね座52を配置した筒部36の同心孔36aは、ボビン22の小径部22a内、および、固定鉄心16の環状突縁19内とともに収容室56を形成し、この収容室56は外周壁14aと同心にして延び、スペーサ20を介して固定鉄心16の貫通孔18と連通している。
この収容室56には、円柱状の可動鉄心54がソレノイド24と同心上に収容されている。より詳しくは、可動鉄心54は、図2に示したように、その外周面が全面に亘って厚みが均一な樹脂層55で被覆されている。可動鉄心54は、固定鉄心16と反対側の部分が樹脂層55を介して筒部36の同心孔36a内に案内されて、軸線方向に摺動自在となっている。それに加えて、可動鉄心54の固定鉄心16側の端部もまた、樹脂層55を介して環状突縁19内に嵌合され、その内周面19aに摺動自在に案内される。
【0027】
なお、本実施例では、樹脂層55を含まない可動鉄心54の外径は約10mmであって、樹脂層55はナイロン系樹脂からなり、その厚みは0.18mmである。そして、樹脂層55と筒部36の同心孔36aとの間のクリアランスは20〜40μmである。
この樹脂層55は公知の方法で形成することができ、材質及び厚みは上記したものに限定されることはないが、その厚みは0.1〜0.2mmの範囲に含まれることが好ましい。0.1mmよりも薄い場合、樹脂層55の耐久性が乏しくなる一方、0.2mmを超えて厚い場合には、樹脂層55の変形による摺動抵抗の上昇を招くからである。
【0028】
再び図1を参照すると、可動鉄心54は、その両端面にて開口する同心の貫通穴111を含み、貫通穴111は、ばね座52側に開口する後方大径部111aと、固定鉄心16側に開口し、後方大径部111aとほぼ同径の前方大径部111bと、それらの間を延びる狭窄部111cとを有する。
後方大径部111aの内端面とばね座52との間には、コイル状のサブスプリング58が介装され、このサブスプリング58は、可動鉄心54を軸線方向に沿って前方(固定鉄心16)側に付勢している。また、前方大径部111bの内端面には、サブスプリング58よりもばね定数が大きいコイル状のメインスプリング60の一端が当接し、メインスプリング60はスペーサ20及び貫通孔18を通して延び、その他端が前述した方向制御弁ユニット11の弁スプールの端面に当接している。
【0029】
方向制御弁ユニット11は、上記した電磁式駆動ユニット12にスリーブ状の弁ケーシング62を介して接続されている。
より詳しくは、ハウジング14における端壁14bの外面からは周壁が突設され、この周壁はその内周面に雌螺子部64を有する。一方、弁ケーシング62は、そのハウジング14側の一端部の外周面に雄螺子部66を有する。したがって、端壁14bの雌螺子部64に弁ケーシング62の雄螺子部66をねじ込むことで、弁ケーシング62はハウジング14に直結されている。
【0030】
かくして弁ケーシング62の一端部は端壁14bで閉塞され、また、端壁14b(雄螺子部66)と反対側の他端は端板68で閉塞されている。そして、弁ケーシング62の内部には、一端(端壁14b)側から他端(端板68)側に向かって順に、供給室72、出力室74、およびドレン室76が形成され、これらの室72,74,76間を区画する弁ケーシング62の内周面は、小径のシール面78,80,82となっている。一方、弁ケーシング62は、その外周面にて開口する3つのポート、すなわち供給ポート84、出力ポート86およびドレンポート88を含み、これら3つのポートは、それぞれ、上記した供給室72、出力室74、およびドレン室76のうちの対応する室と連通している。
【0031】
弁ケーシング62の内部には、弁スプール83が同軸上に収容され、弁スプール83は軸線方向に摺動自在に収容されている。弁スプール83の端壁14b側の端面には、前述したメインスプリング60の他端が当接し、弁スプール83はメインスプリング60を介して可動鉄心54に機械的に連結されている。
また、弁スプール83は、出力ポート86付近の中間部に、軸線方向に互いに離隔した2つのランド部92,94を有する。これらのうち、一方のランド部92の外周面は、図1のA側に示したように、弁ケーシング62内にて弁スプール83が端壁14b側に移動したときに(排出位置)、弁ケーシング62のシール面80と協働して供給室72と出力室74との間を密封可能となっている。また、他方のランド部94の外周面は、図1のB側に示したように、弁ケーシング62内にて弁スプール83が端板68側に移動したときに(供給位置)、弁ケーシング62のシール面82と協働して出力室74とドレン室76との間を密封可能となっている。
【0032】
なお、弁ケーシング62は、3つのポート84,86,88に別々に接続された流路を含むケース(図示せず)に囲まれ、これら流路間は、弁ケーシング62に外嵌されたOリング96,98によって隔離されている。
以下、上記した電磁弁10の動作を説明する。
電磁弁10を動作させるにあたっては、まず、電磁弁10を電源に接続する。この電源は、直流電源および交流電源のいずれであってもよく、例えば、直流電源としてはDC12VやDC24V、交流電源としてはAC100V(50/60Hz)やAC200Vを使用することができる。
【0033】
ソレノイド24に給電していない場合、図1のA側に示したように、弁スプール83は戻しばね90によって付勢され、端壁14b側の排出位置に位置付けられる一方、可動鉄心54は軸線方向でみてメインスプリング60の長さだけ弁スプール83から離隔した位置(非作動位置)に位置付けられている。なおここで、メインスプリング60はそのばね定数が大きくほとんど圧縮されておらず、サブスプリング58が収縮した状態にある。
【0034】
電源から接続端子46を介してソレノイド24に給電されると、ソレノイド24によって磁場(励磁力)が生じ、可動鉄心54は、その電流量に応じた吸引力で固定鉄心16に吸引される。このとき、可動鉄心54は、その外周面が樹脂層55を介して筒部36における同心孔36aの内周面及び環状突縁19の内周面19aにそれぞれ案内されているので、固定鉄心16と同軸上に保持されながら固定鉄心16に向けて変位する。そして、この可動鉄心54の変位量はメインスプリング60を通して弁スプール83に伝達されて、図1のB側に示したように戻しばね90が圧縮され、弁スプール83は供給位置に位置付けられる。ここで、メインスプリング60は、戻しばね90より十分大きなばね定数を有するのでほとんど圧縮されず、可動鉄心54の変位を伝える押圧部在として機能するとともに、可動鉄心54の急激な変位を緩和して弁スプール83に伝えるダンパーとしても機能する。
【0035】
そして、ソレノイド24への給電を止めた場合、ソレノイド24による磁場が消滅し、先に圧縮された戻しばね90の伸張力によって、弁スプール83が排出位置に位置付けられ、そして可動鉄心54もまた固定鉄心16から離れて元の非作動位置に戻る。このときも、可動鉄心54は、樹脂層55を介して同心孔36aの内周面及び環状突縁19の内周面19aに案内されて非作動位置に戻る。
【0036】
こうして、ソレノイド24への非給電時には、弁スプール83は図1のA側に示した排出位置に位置付けられ、例えば、アクチュエータに接続された出力ポート86から、ドレンポート88に接続されたタンクに向かって弁ケーシング62内を通って作動油が流れる。一方、ソレノイド24への給電時には、弁スプール83は図1のB側に示した供給位置に位置付けられ、例えば、ポンプに接続された供給ポート84から、出力ポート86に接続されたアクチュエータに向かって弁ケーシング62内を通って作動油が流れる。
【0037】
電磁弁10によれば、可動鉄心54の外周面、筒部36の同心孔36aの内周面、及び環状突縁19の内周面19aは高い寸法精度でもって機械加工でき、また樹脂層55にあっても均一な厚みに形成することは容易であるから、可動鉄心54はこの樹脂層55を介して、筒部36及び環状突縁19により正確に案内される。したがって、可動鉄心54は低い摺動抵抗にて固定鉄心16と同軸上を滑動可能であり、可動鉄心54に実際に働く励磁力及び摺動抵抗のばらつきは小さい。そして、この結果として、電磁弁の電磁式駆動ユニットは安定した駆動力を発生し、電磁弁は安定して切換え作動可能となる。
【0038】
以下、図3に基づいて本発明の他の実施例の電磁弁装置100(以下、電磁弁100という)を説明する。
なお、上記した実施例と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
電磁弁100は、概ね電磁弁10と同じ構成を有するが、図3に示したように、固定鉄心16の内端面16a上に配置されたスペーサ20に代えて、可動鉄心54の固定鉄心16側の端面も樹脂膜55aによって覆われている点が電磁弁10と異なり、この樹脂膜55aはソレノイド24への給電時に可動鉄心54と固定鉄心16とを磁気的に確実に離間させる。
【0039】
ここで、本実施例では、可動鉄心54の端面を覆う樹脂膜55aの厚みは0.18mmに設定されているが、この樹脂膜55aの厚みは、可動鉄心54の外周面を被覆する部分とは独立して設定することができる。
この電磁弁よれば、可動鉄心54の端面を覆う樹脂膜55aの厚みを適宜設定することにより固定鉄心16及び可動鉄心54間の吸着を有効に防止することができる。そして、その結果として、この電磁式駆動ユニットの駆動力は、ソレノイド24の給電制御に対して良好な応答特性を有する。
【0040】
本発明は、上記した実施例に限定されることはなく、種々変形が可能であって、例えば、電磁弁装置のポート数や切換え位置数は上記した実施例に限定されることはない。
【0041】
【発明の効果】
本発明の電磁式駆動ユニットは、可動鉄心の外周面が非磁性の樹脂層で覆われたことにより安定した駆動力を提供する(請求項1)。
また、本発明の電磁式ユニットは、可動鉄心の固定鉄心側の端面が非磁性の樹脂膜で覆われたことにより、ソレノイドの給電制御に対して良好な応答特性を有する(請求項2)。
【0042】
そして、本発明の電磁弁装置は、請求項1または2の電磁式駆動ユニットを用いていることから安定して作動する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電磁弁装置の縦断面図であって、A側はソレノイドへの非給電時、B側はソレノイドへの給電時を示す。
【図2】図1の領域IIの拡大図である。
【図3】本発明の他の実施例の電磁弁装置の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
16 固定鉄心
18 貫通孔
19 環状突縁(ガイド)
20 スペーサ
24 ソレノイド
36 ヨークの筒部(ガイド)
54 可動鉄心
55 樹脂層
55a 樹脂膜
58 サブスプリング
60 メインスプリング
Claims (3)
- 固定鉄心と、
前記固定鉄心に対して同軸上に配置された可動鉄心と、
前記可動鉄心を囲むソレノイドを有し、前記ソレノイドへの給電制御により、前記固定鉄心に対して前記可動鉄心を接離させるソレノイドアセンブリと、
前記可動鉄心を囲む非磁性部材とを備えた電磁式駆動ユニットにおいて、
前記非磁性部材は、前記可動鉄心の外周面を覆う非磁性の樹脂層を含み、
前記可動鉄心の接離を前記樹脂層を介して摺接自在に案内するガイドを更に含むことを特徴とする電磁式駆動ユニット。 - 前記非磁性部材は、前記固定鉄心側の前記可動鉄心の端面を覆う非磁性の樹脂膜を更に含む、請求項1の電磁式駆動ユニット。
- 請求項1または2の電磁式駆動ユニットと、
前記電磁式駆動ユニットに機械的に連結され、前記可動鉄心の接離を受けて切換え作動される弁とを備えた電磁弁装置。
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