JP2004232985A - 粉粒状火薬類の装薬装置及び装薬方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粉粒状火薬類を発破孔1に装薬する際に用いられる粉粒状火薬類の装薬装置10は、粉粒状火薬類Pを投入する入口開口部31と、最低位置に開口して粉粒状火薬類Pを流出させる流出口34とを備え、収納した粉粒状火薬類Pの全量を重力で流出口34に導くよう底面部の少なくとも一部が傾斜面36とされ、流出口34に全閉位置から全開位置まで開度調整可能な弁体35を設けた収納容器30と、この収納容器30を搭載して搬送する搬送車両20とを具備して構成される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉粒状の火薬類を取り扱う装薬装置及び装薬方法、特に、粉粒状火薬類を発破孔に装薬する作業に適している粉粒状火薬類の装薬装置及び装薬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、採鉱現場や土木建設現場等においては、発破作業による土石破砕施工のために、各種の火薬類が使用されている。このような発破作業には、たとえば露天掘りの鉱山のように、地表からドリル等で掘削した発破孔(縦穴)に火薬類を装填して爆発させるものがある。なお、発破孔に火薬類を装填することを装薬という。
このような露天掘りの現場で行われる発破作業においては、たとえば硝安油剤爆薬(以下、「ANFO (Ammonium Fuel Oil Explosive)」と呼ぶ)のように、粉体、粒状体、または粉体と粒状体とが混在する混合体のような粉粒状の火薬類が一般的に使用されている。なお、以下の説明においては、粉体、粒状体及び混合体を総称して「粉粒体」と呼ぶことにする。
【0003】
上述した粉粒体の火薬類は、従来より一袋に15〜25Kg程度の火薬類を入れた重袋単位で搬送等の取扱いがなされている。なお、重袋入りの火薬類は、通常厳重な管理のもとで火薬庫内に保管されている。
さて、従来の装薬作業では、重袋を人力により、あるいは一部フォークリフト等の搬送機械を用いて運搬車両に積み込み、装薬現場の近傍まで運搬する。装薬現場近傍では、運搬車両から人手により重袋が降ろされ、必要量の重袋を開封することになるが、以後の装薬作業方法については、以下に示す複数の装薬法がある。
(1)人力により順次発破孔へ装填する。(人力装薬法)
(2)ホッパー等の容器へ人力により詰め替えをした後、圧縮機またはポンプ、あるいはオーガー搬送装置により、火薬類を圧送または搬送して発破孔へ装填する。(機械式装薬法)
このような従来の機械式装薬法については、たとえば下記の非特許文献に記載されている。
【0004】
【非特許文献】
社団法人 工業火薬協会編「新・発破ハンドブック」 株式会社山海堂出版、平成元年5月15日、第83−86頁
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の装薬作業方法の内、一方の人力装填法では、装填作業のほとんど全てを人力に頼るものであるから、15〜25kg程度の重量物を大量に取り扱うため作業員の負担が大きくなり、装薬完了までに多くの労力や時間を要するという問題があった。
【0006】
また、従来の機械式装薬法を採用した場合には、作業員の負担が多少軽減されるという効果はあるものの、いずれの場合も駆動部分があるため、頻繁にメンテナンスを行う必要があり、また、故障も発生しやすいことから、一般的に稼働率が低いという問題を有している。
【0007】
さらに、圧縮機やポンプを用いて粉粒体を圧送する場合には、空気等の作動流体と共に圧送することになるから、装薬時間を短縮するのに充分な圧送能力(流量)を確保するためには装置の大型化が避けられず、装置自体の初期投資コストが増加し、さらに、現場間における装置の移動手段確保も大きな問題となる。
さらに、圧縮機、ポンプ及びオーガー搬送機等を用いて粉粒体を搬送する場合には、粉粒体がスクリュー等の回転体を通過するため、粉粒体の不規則な細粒化が問題となる。すなわち、粉粒体の細粒化により、発破孔への装填量が見かけの量より多くなりすぎることもあるため、装填量管理を困難にするという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、簡単な装置構成で装薬作業における作業員の負担を軽減すると共に、作業時間を確実かつ大幅に短縮することができる粉粒状火薬類の装薬装置及び装薬方法の提供を目的とする。
特に、粉粒状火薬類を取り扱う装薬装置及び装薬方法においては、装薬作業終了後に粉粒状火薬類が装薬装置内に残留してはならず、また、作業中に異物が混入することも厳禁である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の粉粒状火薬類の装薬装置は、粉粒状火薬類を発破孔に装薬する際に用いられる粉粒状火薬類の装薬装置であって、
粉粒状火薬類を投入する入口開口部と、最低位置に開口して粉粒状火薬類を流出させる流出口とを備え、収納した粉粒状火薬類の全量を重力で前記流出口に導くよう底面部の少なくとも一部が傾斜面とされ、前記流出口に全閉位置から全開位置まで開度調整可能な弁体を設けた収納容器と、該収納容器を搭載して搬送する移動搬送手段と、を具備して構成したことを特徴とするものである。
【0010】
この場合、前記収納容器は、腐食しない材質(たとえばステンレス)を用いて製作し、あるいは、特に容器内面に対して腐食防止処理(たとえば塗装)を施すことが好ましい。
また、前記収納容器については、移動手段に対して固定設置してもよいし、あるいは、移動手段に対して着脱(移設)可能に設置してもよい。
【0011】
このような粉粒状火薬類の装薬装置によれば、粉粒状火薬類を投入する入口開口部と、最低位置に開口して粉粒状火薬類を流出させる流出口とを備え、収納した粉粒状火薬類の全量を重力で前記流出口に導くよう底面部の少なくとも一部が傾斜面とされ、前記流出口に全閉位置から全開位置まで開度調整可能な弁体を設けた収納容器と、該収納容器を搭載して搬送する移動搬送手段と、を具備して構成したので、粉粒状火薬類を収納容器内へ投入すれば、発破孔間で容易に搬送移動することができる。そして、各発破孔では、弁体の開度調整により装填速度(流量)を調整し、収納容器内の粉末状火薬類を流出口から発破孔へ重力により自由落下させて容易かつ速やかに装填することができる。この時、最低位置に開口する流出口へ向けて粉粒状火薬類を重力で落下させて導くよう底面部の少なくとも一部が傾斜面とされているので、収納容器内に残粉粒状火薬類が残留するようなことはない。また、駆動部分は弁体のみとなるので、メンテナンスも容易である。
なお、収納容器に腐食しない材質を使用したり、あるいは、腐食防止処理を施すことにより、装薬作業中において、収納容器の腐食片が異物となって粉粒状火薬類に混入するのを防止できる。
【0012】
請求項1記載の粉粒状火薬類の装薬装置においては、前記流出口へ向かう傾斜角度を増すよう前記収納容器の設置角度を変化させる容器傾斜手段を備えていることが好ましく、これにより、特に収納容器内に収納された粉粒状火薬類の残量が少なくなってきた場合、容器傾斜手段を作動させて流出口へ向かう傾斜角度を増すことにより、容器内に投入した粉粒状火薬類の全量をより一層確実に流出させて残量をなくすことができる。
【0013】
請求項3記載の粉粒状火薬類の装薬方法は、粉粒状火薬類を発破孔に装薬する際に用いられる粉粒状火薬類の装薬方法であって、
移動搬送手段に設置され、最低位置に開口する流出口に粉粒状火薬類の全量を重力で導くよう底面部の少なくとも一部を傾斜面とした収納容器の入口開口部から粉粒状火薬類を容器内に投入する火薬類収納工程と、
前記移動搬送手段により前記収納容器と共に粉粒状火薬類を搬送する搬送移動工程と、
前記流出口に設けられている弁体の開度調整を行い、前記収納容器内に収納された粉粒状火薬類を前記流出口から発破孔へ重力により自由落下させて装薬を行う装薬工程と、を具備してなることを特徴とするものである。
【0014】
このような粉粒状火薬類の装薬方法によれば、移動搬送手段に設置され、最低位置に開口する流出口に粉粒状火薬類の全量を重力で導くよう底面部の少なくとも一部を傾斜面とした収納容器の入口開口部から粉粒状火薬類を容器内に投入する火薬類収納工程と、前記移動搬送手段により前記収納容器と共に前記粉粒状火薬類を搬送する搬送移動工程と、前記流出口に設けられている弁体の開度調整を行い、前記収納容器内に収納された前記粉粒状火薬類を前記流出口から発破孔へ重力により自由落下させて装薬を行う装薬工程と、を具備しているので、火薬類収納工程で粉粒状火薬類を収納容器内へ投入すれば、搬送移動工程において移動搬送手段により容易に搬送し、あるいは、発破孔間で容易に搬送移動することができる。
【0015】
そして、装薬工程において各発破孔に装薬する際には、弁体の開度調整により装填速度(流量)を調整し、収納容器内の粉末状火薬類を流出口から発破孔へ重力により自由落下させて容易かつ速やかに装填することができる。この時、最低位置に開口する流出口へ向けて粉粒状火薬類を重力で落下させて導くよう底面部の少なくとも一部が傾斜面とされているので、収納容器内に残粉粒状火薬類が残留するようなことはない。
【0016】
請求項3記載の粉粒状火薬類の装薬方法において、前記装薬工程では、前記流出口へ向かう傾斜角度を増すよう前記収納容器、または容器底面部の設置角度を変化させて装薬を行うことが好ましく、これにより、特に収納容器内に収納された粉粒状火薬類の残量が少なくなってきた場合、容器傾斜手段を作動させて流出口へ向かう傾斜角度を増すことにより、容器内に投入した粉粒状火薬類の全量をより一層確実に流出させて残量をなくすことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る粉粒状火薬類の装薬装置及び装薬方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、粉粒状火薬類の装薬装置(以下、「装薬装置」と呼ぶ)の全体構成を示す図であり、図1は装薬状態を示す斜視図、図2は側面図である。なお、図中の符号10は装薬装置、20は搬送車両(移動搬送手段)、30は収納容器を示している。
【0018】
装薬装置10は、粉粒状の火薬類を発破孔1に装填(以下、「装薬」と呼ぶ)して発破作業により土石や構造物を破砕施工する現場で使用される。
具体的には、鉱山や採石場のような採掘現場、土木・建築工事の現場、発破作業を伴う各種の試験現場、そして、発破及び爆発の様子を撮影したり見学させたりする現場での使用が可能である。この装薬装置10は、たとえば露天掘りの鉱山や採石場のように、ドリル等を用いて地表面から地中に掘削された発破孔1に装薬する現場での使用に適しており、この場合の発破孔1は、地表面から鉛直方向に掘削された縦穴は勿論のこと、地表面から斜めに傾斜させて掘削されたものにも適用することができる。
【0019】
また、装薬装置10で装薬することができる粉粒状火薬類、すなわち、粉体、粒体及び混合体を包含する粉粒体の火薬類について、具体的には、硝酸塩を主とする爆薬(ANFO、及びANFOに他原料を混合した爆薬)等があり、以下の説明では、これらを総称して「粉粒体P」と呼ぶ。
上述した粉粒体Pは、たとえば重袋、プラスティック容器、フレキシブルコンテナバック等に入れた荷姿として搬送及び取り扱いがなされており、1袋または1パック当たりの重量は、おおよそ10Kg〜5,000Kg程度とするのが一般的である。
【0020】
さて、図1に示した装薬装置10は、移動搬送手段である搬送車両20に収納容器30を搭載した構成となっている。図示の例では、搬送車両20として図示しない荷台21の昇降機構(容器傾斜手段)を備えたダンプ式トラック(いわゆるダンプカー)を採用しているが、たとえば荷台に昇降機構を持たない一般的なトラックや鉄道車両等のように、収納容器30を搭載して火薬投入位置から発破作業の現場まで、あるいは、複数の発破孔間を移動して搬送することが可能な車両であれば、特に限定されるものではない。
【0021】
図示の収納容器30は、ダンプ式トラックの荷台21に固定または着脱可能に設置されている。この収納容器30は、平面視が荷台形状と略一致するようにして最大限の容量を確保した粉粒体の容器であり、図示の例では、略直方体形状の容器とし、側面等の適所には、サイトグラス39を設けて内部の様子や粉粒体Pの残量を確認できるようになっている。
また、収納容器30は、板材を溶接して略直方体形状を形成したものであり、好ましくは腐食しない材質であるステンレス等の板材を使用する。あるいは、一般的な鉄板等の板材を溶接し、たとえば塗装等の防食処理を適切に施したものでもよい。このような腐食対策は、板材の腐食部分が剥離して、粉粒体Pに異物として混入するのを防止するものである。
【0022】
収納容器30は、上面の少なくとも一部(すなわち、一部または全部)を開口させた粉粒体投入用の入口開口部31を備えている。この入口開口部31は、粉粒体Pを投入した後、耐水シート40等により覆って閉鎖される。
また、図3に示すように、収納容器30の底面38には、最も低い位置を部分的に開口させて粉粒体Pを流出させる出口開口部32が形成されている。この出口開口部32には、外部へ突出する下向き傾斜の出口流路33が連結され、この出口開口33の先端が、粉粒体Pを流出させる流出口34とされる。この流出口34は出口開口部32より低い位置にあり、粉粒体Pの流量調整機能を有する弁体35が設けられている。なお、出口開口32は、粉粒体Pが容器内に残留しないようにするため、底面38より高い段差が生じないよう滑らかに開口させる必要がある。
【0023】
ここで使用する弁体35は、全閉位置から全開位置まで開度調整可能なものであり、たとえばチョークバルブと呼ばれているものが最適であるが、カットゲートやダンパを採用してもよい。そして、弁体35の下流側には、必要に応じて流出方向を変化させるエルボ管を設けてもよい。
なお、図示の例では、運搬車量20の最後部で、かつ、進行方向右側の端部付近に位置するようにして、流出口34が設けられている。
【0024】
収納容器30の底面37は、収納した粉粒体Pの全量を重力により出口開口部32から流出口34へ導くように、すなわち自重により流出させるようにして、少なくとも一部が傾斜面とされる。また、収納容器30の内部は、出口開口32へ向かう粉粒体Pの滑らかな流動を妨げるような凸部が形成されないように、すなわち、粉粒体Pが内部に残留する原因となる凸部が形成されないよう充分な配慮をする必要がある。
【0025】
図示の例では、進行方向左側の側壁後端部側に傾斜面36が形成されている。この傾斜面36は、略直方体形状とした収納容器30の後方で左側下方となる角部Cから、図中に想像線で示す略三角錐形状部分30aを切り欠くようにして形成された面である。
この傾斜面36を設けたことにより、容器内に収納されている粉粒体Pの量が減少した場合など、粉粒体Pは底面37の最も低い位置に開口する出口開口32へ向けて流れる。特に、容器傾斜手段により収納容器30が傾斜した場合には、進行方向左側においてまっすぐに流下してきた粉粒体Pも傾斜面36に導かれて方向転換し、出口開口32から流出口34へ流れることとなる。なお、容器傾斜手段を備えていない場合には、底面37を出口開口32側へ向けて下がる傾斜面として、出口開口32を容器内で最も低い位置とすればよい。
また、収納容器30の傾斜角度を前後方向及び左右方向の両方で可変とすることができる容器傾斜手段を備えていれば、粉粒体Pの全量を容器内からより一層確実に流出させることができる。
【0026】
ところで、上述した収納容器30の傾斜面36は、底面37との接合部分で板材間を溶接または折曲した構造とされる。図示の例では、この折曲角度をできるだけ大きな鈍角とするため、図4の断面図に示すように、折曲角度低減部材38が設けられている。これは、接合部分の流れを滑らかにして、粉粒体Pが容器内に残留しにくくしたものである。従って、このような折曲角度低減部材38に代えて、コストは上昇するものの、成形型等により接合部を滑らかな凹曲面形状に成形した部材を用いた構造が最も好ましい。
【0027】
また、上述した収納容器30の形状は、重心が高くなって走行安定性や装薬作業時の安定性が損なわれないよう搬送車両20の荷台21を有効利用し、できるだけ大量の粉粒体Pを搬送できるようにしたものである。しかし、本発明の収納容器30は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の変形例が可能であり、たとえば、収納容器30を円柱形状または角柱形状とし、底部を逆円錐形状または逆四角錐形状として最下端部に出口開口32を設けた構造を採用してもよい。
【0028】
以下、上述した装薬装置10を用い発破孔1に装薬する手順及び方法に関し、図5に基づいて説明する。
図5(a)に示す最初の火薬類収納工程では、搬送車両20の荷台21に搭載された収納容器30に粉粒体Pを投入する。この粉粒体Pは、重袋、プラスティック容器またはフレキシブルコンテナバッグに入れられた荷姿で受け入れ、これを順次開封して、耐水シート40を除去して開放された上部の入口開口部31から投入する。なお、この場合の弁体35は、図中に黒塗りで示す全閉状態とする。
【0029】
このような投入作業は、収納容器30の容量が比較的大きく、大容量のフレキシブルコンテナバックによる荷姿で粉粒体Pを取り扱う場合、クレーン車等を利用してフレキシブルコンテナバッグを入口開口部31の上方位置に吊り下げた状態に保持し、この状態からバッグ下端部またはその近傍を開封することにより短時間のうちに容易かつ効率よく投入することができる。
なお、収納容器30の容量が比較的小さい場合には、重袋やプラスティック容器の荷姿での取扱いを行ってもよい。
【0030】
こうして、収納容器30内に必要量の粉粒体Pを投入した後には、耐水シート40で上部開口部31を完全に覆って閉鎖する作業を行う。このような耐水シート40による覆いは、収納容器30内の粉粒体Pが後の搬送移動工程や装薬工程において容器外に飛散したり、あるいは、粉粒体Pに外部から異物が混入するのを防止すること、さらに雨水の浸入を防止することを目的とし、この作業が完了することにより火薬類収納工程は終了する。
【0031】
火薬類収納工程が終了した後には、図5(b)に示す搬送移動工程に移る。この工程では、搬送車両20が走行移動して、発破孔1に粉粒体Pを装填する装薬現場まで収納容器30及び内部の粉粒体Pを搬送する。なお、この工程は装薬現場に到着した時点で終了するが、この場合の弁体35も図中に黒塗りで示す全閉状態が維持される。
【0032】
装薬装置10が装薬現場に到着すると、発破孔1に順次粉粒体Pを装填する装薬工程に移る。この工程では、装薬する発破孔1の上方に流出口34が位置するよう搬送車両20の停止位置を調整し、流出口35が適切な位置にあることを確認してから弁体35を開く。この時、流出口35から重力により自由落下する粉粒体Pの流れを見ながら、弁体35の開度を適宜調整する。
この結果、収納容器30内の粉粒体Pは、自重により容器内から出口開口部32へ向かって流れ、さらに、出口流路33及び弁体35を通って流出口34から地表に開口する発破孔1へ落下して装薬される。なお、発破孔1への装薬が完了すると弁体35を全閉とするが、装薬完了については、従来と同様の手段及び方法により確認する。
【0033】
このようにして、最初の装薬工程となる発破孔1への装薬が完了すると、上述した搬送移動工程と同様にして、隣接する他の発破孔1の近傍まで搬送車両20を移動させる。そして、二回目の装薬工程が上述した最初の装薬工程と同様の手順により開始され、以下同様にして、搬送移動工程及び装薬工程を繰り返す。
このような装薬を繰り返すことにより、収納容器30内の粉粒体量は徐々に減少するが、収納容器30内の粉粒体残量は、たとえば容器側面に設けたサイトグラス39から目視で確認することができる。
【0034】
また、上述した装薬工程において、装薬装置10がダンプ式トラックの荷台昇降機構のような容器傾斜手段を備えているものでは、たとえば流出口34から流出する粉粒体量が減少したと判断されるような場合や粉粒体Pの残量が減少してきた場合など、必要に応じて容器傾斜手段を作動させ、収納容器30を内部の粉粒体Pの安息角以上に傾斜させることが好ましい。この結果、粉粒体Pの流出量を適正化して装薬時間の増加を解消したり、あるいは、収納容器30内に粉粒体Pが残留するのをより一層確実に防止することができる。
【0035】
上述した本発明の装薬装置10には、粉粒体Pを収納した収納容器30の重量を計測する重量計測手段を設けたり、あるいは、流出口34から流出する粉粒体Pの流量を計測する流量計測手段を設けるなどして、各発破孔への装薬量をより正確に把握できるようにしてもよい。
また、収納容器30内から発破孔へ装薬するの粉粒体Pの量を調整するため、収納容器30の内部または流出口34の下流側など、各装置毎にそれぞれ異なる最適位置に、振動フィーダ、ベルトコンベア、チェーンコンベア、オーガー等の搬送装置を適宜設置してもよい。
【0036】
なお、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【0037】
【発明の効果】
上述した本発明による粉粒状火薬類の装薬装置及び装薬方法によれば、粉粒状火薬類を収納容器内へ投入した後、移動搬送手段により現場へ容易に搬送し、あるいは、発破孔間で容易に搬送移動することができ、各発破孔では、弁体の開度調整により装填速度を調整し、収納容器内の粉末状火薬類を流出口から発破孔へ重力により自由落下させて容易かつ速やかに装填することができるので、装薬作業時間を短縮し、作業員の負担を軽減できるといった顕著な効果を奏する。
【0038】
また、最低位置に開口する流出口へ向けて粉粒状火薬類を重力で落下させて導くよう底面部の少なくとも一部が傾斜面とされているので、収納容器内に残粉粒状火薬類が残留するようなことはない。さらに、装置の駆動部分は弁体のみとなるので、メンテナンスが容易で故障も少ない極めて稼働効率の高い装置となる。
なお、収納容器に腐食しない材質を使用したり、あるいは、腐食防止処理を施すことにより、装薬作業中において、収納容器の腐食片が異物となって粉粒状火薬類に混入するのを防止できる。
【0039】
また、流出口へ向かう傾斜角度を増すよう収納容器の設置角度を変化させる容器傾斜手段を備えていれば、特に収納容器内に収納された粉粒状火薬類の残量が少なくなってきた場合でも、容器傾斜手段を作動させて流出口へ向かう傾斜角度を安息角度以上に大きくすることにより、容器内に投入した粉粒状火薬類の全量をより一層確実に流出させて残量をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粉粒状火薬類の装薬装置の一実施形態を示す図で、装薬状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した粉粒状火薬類の装薬装置の側面図である。
【図3】図1に示した粉粒状火薬類の装薬装置における収納容器の形状例を示す斜視図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図1に示した粉粒状火薬類の装薬装置を用いて装薬作業を行う手順及び方法を示す工程図であり、(a)は火薬類収納工程、(b)は搬送移動工程、(c)は装薬工程である。
【符号の説明】
1 発破孔
10 粉粒状火薬類の装薬装置
20 搬送車両(移動搬送手段)
21 荷台
30 収納容器
31 入口開口部
32 出口開口部
33 出口流路
34 流出口
35 弁体
36 傾斜面
37 底面
38 折曲角度低減部材
39 サイトグラス
40 耐水シート
P 粉粒体(粉粒状火薬類)
Claims (4)
- 粉粒状火薬類を発破孔に装薬する際に用いられる粉粒状火薬類の装薬装置であって、
粉粒状火薬類を投入する入口開口部と、最低位置に開口して粉粒状火薬類を流出させる流出口とを備え、収納した粉粒状火薬類の全量を重力で前記流出口に導くよう底面部の少なくとも一部が傾斜面とされ、前記流出口に全閉位置から全開位置まで開度調整可能な弁体を設けた収納容器と、
該収納容器を搭載して搬送する移動搬送手段と、
を具備して構成したことを特徴とする粉粒状火薬類の装薬装置。 - 前記流出口へ向かう傾斜角度を増すよう前記収納容器の設置角度を変化させる容器傾斜手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の粉粒状火薬類の装薬装置。
- 粉粒状火薬類を発破孔に装薬する際に用いられる粉粒状火薬類の装薬方法であって、
移動搬送手段に設置され、最低位置に開口する流出口に粉粒状火薬類の全量を重力で導くよう底面部の少なくとも一部を傾斜面とした収納容器の入口開口部から粉粒状火薬類を容器内に投入する火薬類収納工程と、
前記移動搬送手段により前記収納容器と共に粉粒状火薬類を搬送する搬送移動工程と、
前記流出口に設けられている弁体の開度調整を行い、前記収納容器内に収納された粉粒状火薬類を前記流出口から発破孔へ重力により自由落下させて装薬を行う装薬工程と、
を具備してなることを特徴とする粉粒状火薬類の装薬方法。 - 前記装薬工程では、前記流出口へ向かう傾斜角度を増すよう前記収納容器の設置角度を変化させて装薬を行うことを特徴とする請求項3記載の粉粒状火薬類の装薬方法。
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