JP2004232997A - 点火器部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接を不要とする簡単な点火器部品の製造法の提供。
【解決手段】導電ピン51、52をヘッダ40の貫通孔45、46に押し込み、発熱体30を導電ピン51、52に通す。その後、導電ピン51、52の一端部51a、52aをかしめて、発熱体30を固定する。
【選択図】 図1
【解決手段】導電ピン51、52をヘッダ40の貫通孔45、46に押し込み、発熱体30を導電ピン51、52に通す。その後、導電ピン51、52の一端部51a、52aをかしめて、発熱体30を固定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種エアバッグ用ガス発生器に適した点火器に用いる点火器部品、その製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種エアバッグ用ガス発生器では、乗員の安全確保の観点から、作動の確実性が極めて重要な要素となる。このため、車両の衝突後に作動し、ガス発生剤を着火燃焼させてエアバッグを膨張させる点火器の重要性は大きい。
【0003】
点火器は、構成部品として導電ピンと発熱体を含んでおり、導電ピンに流された電流により、発熱体を発熱させ、それによって点火薬を燃焼させ、必要に応じて配置された伝火薬の燃焼を経て、ガス発生剤を着火燃焼させる。このような過程を経るため、最初の作動段階において、導電ピンの電流が確実に発熱体に流されることが必要となる。このような点火器についての関連する先行技術としては、下記のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−235300号公報
【特許文献2】
特許第3175051号公報
【特許文献3】
特開2001−194094号公報
【0005】
特開2001−235300号公報には、電気点火器塞栓の電橋線の溶接方法に関する発明に係るもので、ヘッダ側の導電ピンの端部に発熱体をスポット溶接する技術が開示されている。発熱体にはニッケル−クロムを主成分とする合金の細線(線径26〜36μm)が用いられている。
【0006】
この技術では、発熱体が極めて細いものであるため、溶接端子が、導電ピン端部に対して発熱体を真っ直ぐに押さえ付けるような状態で溶接をしなければならない。この溶接にミスがあると、即ち、溶接電極の一部がヘッダ等に接触すると、溶接電流の一部がヘッダへ分流し、発熱体と導電ピン端部との溶接不良を引き起こす。また、溶接時の電流が過度になるとワイヤが溶け、不足すると溶接が不十分となる。
【0007】
通常、平面部を有するヘッダ(特開2001−235300号公報の図1の部品11)の片端面に電極の端部を設置し、同一平面上の端部間に発熱体を溶接等で取り付ける場合、取付面が平らでないと発熱体が断線する恐れがあるので、凸凹を無くすための研磨等が必要となる。
【0008】
この技術では、溶接条件がそのまま製品の信頼性に直結するため、溶接電極の管理(交換頻度、垂直度などの管理)、溶接電流の管理が重要となる。
【0009】
特許第3175051号公報には、電気発火式イニシエータに係る発明が開示されている。
【0010】
円筒状のガラスハーメチック11上に発熱抵抗基板20が設けられており、導電ピン12に対応する位置に貫通孔20aが形成されている。更に基板20上には導電性のエリア21があり、エリア21の間には抵抗エレメント22が形成されている。導電ピン12と導電エリア21は、半田又は導電性接着剤23により接合されているので、別途、半田や導電性接着剤を準備する必要がある。特に、半田や接着剤を用いて結合する場合は接合の信頼性が問題となり、例えば接合面が油などで汚れていると、半田がはじかれて接合力が低下してしまい、車両運転時における振動等による反復応力により、接合不良が生じる恐れもある。
【0011】
特開2001−194094号公報には、起爆剤に係る発明が開示されている。図1、図2、及びその対応する明細書の記載によると、絶縁基板16上に形成された発熱部(平板抵抗素子)17に、孔22、23が形成され、電極12、13が貫通されている。しかし、絶縁基板16上の導電性金属領域28、29と電極12、13との接合方法については全く開示がない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの課題は、エアバッグ用ガス発生器の点火器に適用したとき、点火器の作動確実性を高めることができ、ガス発生器の製品としての信頼性をより高めることができる、点火器部品を提供することである。
【0013】
本発明の他の課題は、簡単な方法により、低コストで上記した点火器部品を製造することができる、点火器部品の製造法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、課題の解決手段として、ヘッダ、発熱体及び1本又は複数本の導電ピンを含む点火器部品であり、導電ピンがヘッダの一面側から他面側に貫通され、ヘッダの一面側にある導電ピンの一端部とヘッダ表面の間に発熱体が挟み込まれて保持されている、点火器部品を提供する。
【0015】
発熱体は、それ自体が発熱する合金線のようなもののほか、適当な基板上に発熱部が形成されたものでも良い。
【0016】
導電ピンは、少なくとも1本であり、点火器の構造及び機能に応じて、2本又は3本以上を用いることができる。
【0017】
請求項1の発明では、発熱体の保持手段として、導電ピンの一端部を利用して物理的に保持する方法を適用することにより、溶接法の使用、半田及び導電性接着剤の使用が不要となるため、それらを使用した場合の問題が生じることがない。更に、煩雑な溶接や半田付け等が不要となるため、製造コストが低減される。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1記載の点火器部品において、導電ピンの一端部が、ヘッダ表面に対向する部分が平面で、ヘッダ表面に対向していない部分が平面ではないものであり、前記平面とヘッダ表面との間に発熱体が挟み込まれて保持されているものを提供する。
【0019】
ヘッダ表面に対向する部分が平面であるため、前記平面とヘッダ表面との間で発熱体を挟み込むとき、発熱体の保持力が高められる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1記載の点火器部品において、導電ピンの一端部がフランジ部を有しており、前記フランジ部とヘッダ表面との間に発熱体が挟み込まれて保持されているものを提供する。
【0021】
フランジ部が平面であるため、前記フランジ部とヘッダ表面との間で発熱体を挟み込むとき、発熱体の保持力が高められる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項1記載の点火器部品において、導電ピンの一端部が半径方向に形成された溝を有しており、前記溝とヘッダ表面の間において発熱体が挟み込まれて保持されているものを提供する。
【0023】
溝とヘッダ表面との間で発熱体が挟み込まれているので、発熱体の保持力が高められる。また、溝に発熱体を嵌め込めば良いので、発熱体の位置決めも容易となる。
【0024】
請求項5の発明は、課題の他の解決手段として、ヘッダ、発熱体及び1本又は複数本の導電ピンを含む点火器部品であり、導電ピンがヘッダの一面側から他面側に貫通され、ヘッダの一面側にある導電ピンの一端部において発熱体が挟み込まれて保持されている、点火器部品を提供する。
【0025】
請求項1の発明と同様の効果が得られるほか、導電ピンの一端部のみで発熱体を挟み込んで保持しているので、ヘッダの形状や表面状態に左右されることなく、発熱体の保持ができる。
【0026】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の点火器部品において、発熱体が、導電ピンの一端部と接する接触部と電流によって発熱する発熱部がプリント基板上に一体に形成されたものを提供する。
【0027】
このようなプリント基板を用いることにより、発熱体の発熱部の形成が容易となり、発熱体の保持作業も容易となるほか、発熱体として合金線を溶接固定した場合に比べると、発熱部の断線が起こりにくくなる。
【0028】
請求項7の発明は、請求項6記載の点火器部品において、発熱体の発熱部が、エッチングにより形成されたS字状のものを提供する。
【0029】
このように発熱部をS字状にすることで、プリント基板と発熱部の熱膨張率が異なる場合であっても、熱膨張率の差によるズレを形状(S字状)により吸収することができるため、発熱部の断線が生じ難くなる。
【0030】
請求項8の発明は、他の課題の解決手段として、ヘッダの一面上に発熱体を置く工程、ヘッダの一面側から他面側に導電ピンを貫通させる工程、並びにヘッダの一面側にある導電ピンの一端部とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する保持工程、を有する点火器部品の製造法を提供する。
【0031】
このように発熱体の保持手段として、導電ピンの一端部を利用して物理的に保持する方法を適用することにより、溶接法の使用、半田及び導電性接着剤の使用が不要となるため、それらを使用した場合の問題が生じることがない。更に、煩雑な溶接や半田付け作業等が不要となるため、製造コストが低減される。
【0032】
請求項9の発明は、請求項8記載の点火器部品の製造法において、導電ピンを貫通させる工程が、発熱体とヘッダの両方を貫通させる工程である製造法を提供する。
【0033】
導電ピンと発熱体の位置決めを一度に行うことができるほか、作業性も高められ、より確実に固定することができる。
【0034】
請求項10の発明は、請求項8又は9記載の点火器部品の製造法において、導電ピンが棒状のものであり、保持工程が、導電ピンの一端部を変形させて、前記変形一端部とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する工程である製造法を提供する。
【0035】
従来の溶接法、半田付け法等の場合には、溶接条件や半田付け条件のばらつきにより、発熱体の固定状態に差が生じ、その差がそのまま電気的接続状態に影響を与え、製品の性能にも影響を与えていた。しかし、上記発明では、導電ピンの一端側をかしめる又は押し潰す等の方法で変形させて発熱体を固定する方法であるため、固定状態にばらつきが生じることがなく、電気的接続状態が安定するため、製品の性能も安定する。
【0036】
請求項11の発明は、請求項8又は9記載の点火器部品の製造法において、導電ピンが一端部にフランジ部を有する釘状のものであり、保持工程が、導電ピンの一端部のフランジ部とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する工程である製造法を提供する。
【0037】
一端部にフランジ部を有する釘状の導電ピンを用いることにより、発熱体の固定作業が容易となり、固定状態にばらつきが生じることがなく、電気的接続状態が安定するため、製品の性能も安定する。
【0038】
請求項12の発明は、請求項8又は9記載の点火器部品の製造法において、導電ピンが一端部に半径方向に形成された溝を有するものであり、保持工程が、導電ピンの一端部の溝とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する工程である製造法を提供する。
【0039】
一端部に半径方向に形成された溝を有する導電ピンを用いることにより、発熱体の固定作業が容易となり、固定状態にばらつきが生じることがなく、電気的接続状態が安定するため、製品の性能も安定する。
【0040】
請求項13の発明は、請求項8〜12のいずれかに記載の点火器部品の製造法において、保持工程前後のいずれかにおいて、導電ピンのヘッダ他面側への貫通部分に対し凸凹を形成する製造法を提供する。
【0041】
貫通部分に凸凹を形成することにより、前記凸凹の作用により、導電ピンが貫通部分と反対側方向に抜けることが防止される。保持工程の後に凸凹を形成するときには、導電ピンの貫通部分にのみ形成することになるが、保持工程の前に凸凹を形成するときには、導電ピンの貫通部分のみならず、ヘッダ内に存在する部分にも凸凹を形成することができる。このようにヘッダ内に存在する部分にまで凸凹を形成した場合、導電ピンの抜け防止効果がより高められると共に、発熱体の保持力も高められる。
【0042】
請求項14の発明は、一端部に発熱体の係合部を有する導電ピンを、ヘッダの一面側から他面側に貫通させる工程、ヘッダの一面側にある導電ピンの係合部に発熱体の両端を係合させる工程、並びに導電ピンの係合部をかしめることで、導電ピンの一端部において発熱体を挟み込んで固定する保持工程、を有する点火器部品の製造法を提供する。
【0043】
請求項8の発明と同様の効果が得られるほか、導電ピンの一端部のみで発熱体を挟み込んで保持しているので、ヘッダの形状や表面状態に左右されることなく、発熱体の保持ができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
(1)実施の形態1
図1、図2により、本発明の実施の形態1を説明する。図1は、点火器部品20を用いた点火器組立体10の概略縦断面図、図2は、点火器部品20の製造方法(組立方法)を示す工程図である。
【0045】
点火器組立体10の外形は、取り付け対象となるエアバッグ用ガス発生器に応じて適宜調整できるが、通常は略円柱状が採用される。
【0046】
点火器部品20は、ヘッダ40、導電ピン51、52、ヘッダ40一面に置かれた発熱体30とを含んでいる。
【0047】
発熱体30は、カップ12で包み込まれており、カップ12内には点火薬14(例えば、汎用されているジルコニウム/過塩素酸カリウム)が充填されている。カップ12は樹脂16で包囲されており、樹脂16は金属製のカラー18と一体に形成されている。
【0048】
点火器組立体10をエアバッグ用ガス発生器に組み込むとき、導電ピン51、52は、リードワイヤが連結されたコネクタを介して、電源(自動車バッテリー)に接続される。
【0049】
図1で示す点火器組立体10は、エアバッグ用ガス発生器等に組み込まれて、ガス発生剤又は必要に応じて配置された伝火薬を着火燃焼させることで、エアバッグの膨張展開に関与する。このような点火器組立体10で使用する点火器部品20の製造(組立)は、図2(a)〜図2(c)で示されたような工程で行うことができる。
【0050】
まず、図2(a)に示すとおり、ヘッダ40に設けられた2つの貫通孔45、46に導電ピン51、52を押し込む。このとき、導電ピン51、52は、一面41側から他面42側に押し込んでも良いし、逆方向側から押し込んでも良い。いずれの方向から導電ピン51、52を押し込んだ場合でも、ヘッダ一面41側に導電ピン51の一端51aと導電ピン52の一端52aが幾分突出するようにする。
【0051】
図2(a)に示すヘッダ40は、ガラス等の絶縁性を有する材料からなるものであり、貫通孔45、46の内径の形状及び大きさと、導電ピン51、52の形状及び外径の大きさは、導電ピン51、52が貫通孔45、46に圧入されるように調整されている。
【0052】
図2(a)に示す発熱体30は平面図で示されており、発熱部31、導電ピンを通すための2つの孔32、33、導電ピン51、52に接する導電性の接触部34、35とを有している。発熱体30は、図示していないプリント基板上に、発熱部31及び接触部34、35がエッチングにより形成されたものにすることができる。
【0053】
図2(a)に示す導電ピン51、52は、アルミニウム、ステンレス等の変形可能な金属製のものであり、図示するような棒状のものである。
【0054】
次に、図2(b)に示すとおり、ヘッダ一面41側に突出している導電ピン51の一端部51a、導電ピン52の一端部52aに、発熱体30の2つの孔32、33を通して、発熱体30をヘッダ一面41上に置く。発熱体30の2つの孔32、33の形状及び大きさは、導電ピン51、52を通すことができるものであれば良く、導電ピン51、52の外径と同等か、又は少し大きめにすることができる。
【0055】
なお、最初にヘッダ一面41上に発熱体30を置き、導電ピン51、52により、発熱体30の2つの孔32、33と、ヘッダ40に設けられた2つの貫通孔45、46とを同時に貫通させることで、図2(b)に示す状態になるようにしても良い。
【0056】
次に、図2(c)に示すとおり、適当な押圧可能な器具を用い、導電ピン51の一端部51a、導電ピン52の一端部52aを押し潰すように変形させて(又は、かしめるか、若しくはリベッティングして)、この変形部分51a、52aとヘッダ一面41の間に挟み込むことで、発熱体30を固定する。この固定作業により、点火器部品20の組立が完了する。
【0057】
このように導電ピン51、52の一端部を押し潰す等して変形させるだけで発熱体30を保持できるため、煩雑な溶接作業や半田付け作業が不要となるので、製造コストも低減される。
【0058】
変形部分の変形状態は、発熱体30を固定できる状態であれば良いが、ヘッダ一面41に対向する面が平面で、ヘッダ一面41に対向していない部分が平面ではないもの(例えば、図示するような球面の半球状のもの)にすることができる。このような形状にすることにより、発熱体30は、いずれも平面状態である変形部分51a、52aとヘッダ一面41との間に挟み込まれて保持されるため、固定強度が高められると同時に、導電ピン51、52と導電性の接触部34、35の電気的接続が確実に行われる。
【0059】
エアバッグ用ガス発生器は、車両の耐用年数である10年以上の間、確実に作動することが求められるため、点火器組立体10においては、特に発熱体30と導電ピン51、52が電気的に正常な接触状態で保持されている必要がある。
【0060】
図2(c)で示す点火器部品20では、発熱体30は導電ピン51、52の一端部51a、52aとヘッダ一面41の間に挟み込まれて固定されているので、溶接や半田付け等により接続した場合と比べると、車両運転時における振動等による反復応力によっても接合不良が生じ難い。
【0061】
更に導電ピン51、52の形状及び外径とヘッダ40の貫通孔45、46の形状及び内径を調整し、導電ピン51、52が圧入されるようにすることで、即ち、圧入後の導電ピン51、52が車両運転時における振動等による反復応力によっても動かないようにすることで、発熱体30の固定強度をより高めることができる。
【0062】
図1に示す点火器部品20を組み込んだ点火器組立体10は、電流は、例えば導電ピン51から流され、発熱体30に至り、接触部34、発熱部31及び接触部35を経て、導電ピン52に流れる。この過程で、発熱体30の発熱部31が発熱し、点火薬を着火燃焼させる。実施の形態1の点火器部品10では、導電ピン51、52と発熱体30との接合強度が高いため、点火器組立体10の作動確実性が高められ、エアバッグ用ガス発生器の信頼性も高められる。
【0063】
(2)実施の形態2
図3(a)〜図3(c)により、本発明の実施の形態2を説明する。図3(a)〜図3(c)は、点火器部品20の製造法(組立法)の工程図である。なお、図3(a)では、発熱体30を平面図と側面図の2つで示しているが、使用する発熱体30は1つのみである。
【0064】
まず、図3(a)に示すとおり、ヘッダ一面41上に発熱体30を置く。このとき、ヘッダ40が有する2つの貫通孔45、46の位置と、発熱体30が有する2つの孔32、33の位置が一致するようにして、発熱体30を置く。
【0065】
発熱体30は、プラスチック等の可撓性材料からなるプリント基板36上に、発熱部(発熱抵抗素子)31、導電性の接触部34、35が形成されたものであり、接触部34、35には、それぞれ導電ピンを通すための孔32、33が設けられている。
【0066】
なお、発熱部31は非常に幅が狭いものであるため、エッチングにより形成することが望ましい。更に発熱部31をS字状にすることで、プリント基板36と発熱部31の熱膨張率が異なる場合であっても、熱膨張率の差によるズレを形状(S字状)により吸収することができるため、発熱部31の断線が生じ難くなるので望ましい。
【0067】
図3(a)に示すヘッダ40は、ガラス等の絶縁性を有する材料からなるものであり、貫通孔45、46の内径の形状及び大きさと、導電ピン51、52の形状及び外径の大きさは、導電ピン51、52が貫通孔45、46に圧入されるように調整されている。
【0068】
発熱体30の2つの孔32、33の形状及び大きさは、導電ピン51、52を通すことができるものであれば良く、導電ピン51、52の外径と同等か、又は少し大きめにすることができる。
【0069】
次に、図3(b)に示すとおり、ヘッダ一面41側から他面42側に向かって、発熱体30の孔32、33と、ヘッダ40の貫通孔45、46を貫通するように導電ピン51、52を押し込む。
【0070】
導電ピン51、52は、一端側にフランジ部53、54を有する釘状のものであり、フランジ部53、54の裏面53a、54aは平面である。
【0071】
そして、図3(c)に示すとおり、導電ピン51、52を、それぞれのフランジ部53の裏面53a、フランジ部54の裏面54aが発熱体30表面(導電性の接触部34、35)に当接するまで押し込む。この押し込み作業により、点火器部品20の組立が完了する。
【0072】
このとき、裏面53a、54aが平面であるため、これらの平面とヘッダ一面41との間に発熱体30を挟み込むことで、強固に保持できる。そして、フランジ部を有する釘状の導電ピン51、52を押し込むだけで発熱体30を保持できるため、溶接作業や半田付け作業が不要となるだけでなく、簡単な作業により、発熱体30を固定することができる。
【0073】
また、予め発熱体30の孔32、33に導電ピン51、52を通しておき、この状態で導電ピン51、52をヘッダ一面41側から貫通孔45、46に貫通させて、図3(c)のように組み立てることができる。
【0074】
更に、導電ピン51、52の棒状部分(フランジ部53、54を除いた部分)に凸凹を形成しておけば、図3(c)の状態で導電ピン51、52が抜けたり、緩んだりして、発熱体30の保持力が低下したり、フランジ裏面53a、54aと導電性の接触部34、35との電気的接続が弱くなったりすることが無くなる。なお、導電ピン51、52への凸凹の形成は、ヘッダ40に貫通させる前又は後のいずれの時点でも良く、棒状部分の全部(図3(b)の棒状部分の全部)又は一部(例えば、図3(c)の貫通部分のみ、ヘッダ40の貫通孔45、46内周面に当接する部分のみ、又は前記貫通部分と当接部分の両方のみ)に形成することができる。
【0075】
(3)実施の形態3
図4(a)〜図4(d)により、本発明の実施の形態3を説明する。図4(a)〜図4(d)は、点火器部品20の製造法(組立法)の工程図である。なお、図4(a)では、発熱体30を平面図で示しており、発熱体30は孔を有していないことを除いて図3で示したものと同じものである。
【0076】
まず、図4(a)に示すとおり、ヘッダ40の2つの貫通孔45、46に導電ピン51、52を押し込む。このとき、導電ピン51、52の一端側に形成された溝55、56が互いに平行になり、かつヘッダ一面41側に残るように押し込む。
【0077】
導電ピン51、52の押し込み方向は、一面41側から他面42側に押し込んでも良いし、逆方向側から押し込んでも良い。導電ピン51、52の形状及び大きさと、貫通孔45、46の形状及び大きさとの関係は、実施の形態1、2と同様である。
【0078】
導電ピン51、52は、それぞれ一端側に幅方向に形成された溝55、56を有している。溝55、56の幅は、導電ピン51,52の直径以下であり、溝55、56の長さ(軸方向の長さ)は発熱体30の厚みより大きくなるように設定されている。
【0079】
次に、図4(b)に示すとおり、導電ピン51の溝55と導電ピン52の溝56との間に、発熱体30を嵌め込む。図示するとおり、溝55と溝56の間隔は発熱体30の長さと同一に設定されているので、溝55、56の形成方向側(導電ピン51、52の幅方向側)から発熱体30を挿入すれば良い。
【0080】
次に、図4(c)に示すとおり、発熱体30とヘッダ一面41とが接するまで導電ピン51、52を押し込む。
【0081】
このようにすることで、発熱体30は溝55、56とヘッダ一面41により、挟み込まれて固定されると同時に、導電ピン51、52と導電性の接触部34、35の電気的接続ができる。よって、溝55、56を有する導電ピン51、52を押し込むだけで、発熱体30の固定と導電ピン51、52の電気的接続ができるため、溶接作業や半田付け作業が不要となるだけでなく、作業も簡単になる。
【0082】
次に、図4(d)に示すように、導電ピン51、52のヘッダ他面42側への貫通部分に凸凹57、58を形成する。この凸凹57、58の形成作業により、点火器部品20の組立が完了する。
【0083】
凸凹57、58は、導電ピン51、52がヘッダ一面41側に抜けることを防止するためのものである。凸凹57、58は、前記作用を発揮できるものであれば良く、複数の分散配置された突起、軸方向に形成された複数の環状凸凹、螺旋状に形成された螺子山等にすることができる。
【0084】
なお、凸凹57、58は、図4(a)よりも前の段階、即ち導電ピン51、52をヘッダ40に貫通させる前の段階で形成されていても良い。この場合は、図4(c)において、点火器部品20の組立が完了する。
【0085】
また、導電ピン51、52に凸凹を形成するときは、図4(d)に示すように貫通部分のみに形成しても良いし、ヘッダ40内に存在する部分にのみ形成しても良いし、ヘッダ40内に存在する部分及び貫通部分の両方(導電ピン51の溝部55より下方部分及び導電ピン52の溝部56より下方部分)に形成しても良い。
【0086】
図2で示す実施の形態1においても、同様の作用をなすため、導電ピン51、52に凸凹57、58を形成することができる。
【0087】
(4)実施の形態4
図5(a)〜図5(c)により、本発明の実施の形態4を説明する。図5(a)〜図5(c)は、点火器部品20の製造法(組立法)の工程図である。なお、図5(a)では、発熱体30を平面図で示しており、発熱体30は孔を1つしか有していないことを除いて図3で示したものと同じものである。
【0088】
図5(a)に示すヘッダ40は、導電性のある金属製のものである。ヘッダ一面41には、発熱体30の一端縁側を嵌め込むための、幅方向断面がL字状で、発熱体30の幅と同等の長さを有する引掛部60が設けられている。
【0089】
引掛部60は、導電性のある金属製のものである。引掛部60を有するヘッダ40は、プレス成形等により、一体成形することができる。
【0090】
ヘッダ40には、1つの貫通孔46が設けられ、貫通孔46の周囲には電気的絶縁部70(図は側面図であり、実際には絶縁部を見ることはできないが、理解を容易にするため、斜線で示している。)が、ヘッダ一面41から他面42の全厚みにわたって設けられている。
【0091】
ヘッダ40の引掛部60と貫通孔46の位置は、次工程から明らかなとおり、発熱体30の長さ、幅、孔33の位置を考慮して調整されている。
【0092】
次に、図5(b)に示すとおり、発熱体30の一端縁側を引掛部60の内側空間61に嵌め込み、孔33と貫通孔46とが重なり合うようにして、ヘッダ一面41上に発熱体30を置く。
【0093】
その後、ヘッダ一面41側から、孔33と貫通孔46を貫通して、フランジ部53を有する釘状の導電ピン51を押し込む。
【0094】
次に、図5(c)に示すとおり、フランジ部裏面53aが発熱体30表面に接するまで、導電ピン51を押し込んで、発熱体30を固定する。この固定作業により、点火器部品20の組立が完了する。
【0095】
このようにすることで、発熱体30は、引掛部60により一端側が保持され、他端側がフランジ部裏面53aとヘッダ一面41の間で挟み込まれることで固定される。よって、導電ピン51を押し込むだけで発熱体30を固定できるため、溶接作業や半田付け作業が不要となるだけでなく、作業も簡単になる。
【0096】
図6に示すとおり、引掛部60は、弾力性の大きな金属で形成し、押さえ壁62に傾斜を付けることにより、発熱体30を引掛部60の奥方向(当接壁63方向)に押し込むにつれて、X方向からの押圧力が加えられ、発熱体30がきつく締まるようなものにしても良い。このようにすることで、発熱体30の固定と接触部34とヘッダ40との電気的接続が、より確実となる。
【0097】
なお、図4で示す実施の形態3と同様にして、導電ピン51のヘッダ他面42側への貫通部分に凸凹を形成することができる。
【0098】
また、図2に示すような導電ピンを用い、かしめ、リベッティングを適用して固定する方法のほか、図4のような溝を有する導電ピンを用いた固定方法も適用できる。
【0099】
この形態では、ヘッダ他面42のいずれかの部分と、導電ピン51のそれぞれに接触する端子を設けたコネクターを接続して、導電ピン51から流した電流が発熱部31、引掛部60からヘッダ他面42に流れるようにしても良い。
【0100】
(5)実施の形態5
図7(a)〜図7(c)により、本発明の実施の形態5を説明する。図7(a)〜図7(c)は、点火器部品20の製造法(組立法)の工程図である。なお、実施の形態5では、発熱体として合金線(ニッケルクロム線等)80を用いている。
【0101】
まず、図7(a)に示すとおり、ヘッダ40の貫通孔45、46に導電ピン51、52を押し込む。
【0102】
導電ピン51、52は、図4で示す導電ピン51、52と類似構造のもので、それぞれ溝55、56を有している。このため、導電ピン51、52を押し込んだとき、溝55、56がヘッダ一面41側に残るようにする。
【0103】
次に、図7(b)に示すとおり、合金線80を溝55、56に架け渡す。図示するとおり、合金線80の長さと溝55、56の間隔はほぼ同一になるように設定されている。
【0104】
導電ピン51、52の溝55、56には合金線80を架け渡すため、同一方向を向くようにすることが望ましいが、異なる方向を向くようにしても良い。溝55、56が同一方向を向くようにして導電ピン51、52を押し込んだとき、合金線80は図8(a)のようになるが、溝55、56が逆方向になるように導電ピン51、52を押し込んだとき、合金線80は図8(b)のようになる。
【0105】
次に、図7(c)に示すとおり、導電ピン51の一端部51aと導電ピン52の一端部52aとを、適当な押圧器具により、かしめるか又は押し潰す。この作業により、合金線80は、ヘッダ一面41に接することなく、導電ピン51、52の一端部51a、52aのみにより固定される。この固定作業により、点火器部品20の組立が完了する。
【0106】
なお、図4で示す実施の形態3と同様にして、導電ピン51のヘッダ他面42側への貫通部分に凸凹を形成することができる。そのほか、導電ピン51、52のうちの少なくともヘッダ40の貫通孔45、46に当接する部分周辺をテーパー付き形状(くさび形)にして、導電ピン51、52が貫通孔45、46に押し込まれるにつれて、導電ピン51、52がきつく固定されるような手段を適用しても良い。また、このようなテーパー付き形状(くさび形)の導電ピンは、実施の形態1〜4にも適用できる。
【0107】
実施の形態5によれば、他の実施の形態と同様の作用効果が得られるほか、ヘッダ40の形状や表面状態に左右されることなく、発熱体(合金線)を固定することができる。
【0108】
【発明の効果】
本発明の点火器部品、及びその製造法によれば、導電ピンと発熱体との接続において、溶接法、半田付け法、導電性接着剤による接着法等を適用することなく、ごく簡単な方法により、導電ピンと発熱体とを強固に接続することができる。更に、溶接法、半田付け法、導電性接着剤による接着法等を適用した場合と比べて、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】点火器部品を含む点火器組立体の概略縦断面図。
【図2】点火器部品の製造法の一実施形態を示す工程図。
【図3】点火器部品の製造法の他実施形態を示す工程図。
【図4】点火器部品の製造法の他実施形態を示す工程図。
【図5】点火器部品の製造法の他実施形態を示す工程図。
【図6】図5において引掛部が異なる実施形態の一工程図。
【図7】点火器部品の製造法の他実施形態を示す工程図。
【図8】図7において導電ピンの押し込み状態が異なる実施形態の工程図。
【符号の説明】
10 点火器組立体
20 点火器部品
30 発熱体
40 ヘッダ
51、52 導電ピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種エアバッグ用ガス発生器に適した点火器に用いる点火器部品、その製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種エアバッグ用ガス発生器では、乗員の安全確保の観点から、作動の確実性が極めて重要な要素となる。このため、車両の衝突後に作動し、ガス発生剤を着火燃焼させてエアバッグを膨張させる点火器の重要性は大きい。
【0003】
点火器は、構成部品として導電ピンと発熱体を含んでおり、導電ピンに流された電流により、発熱体を発熱させ、それによって点火薬を燃焼させ、必要に応じて配置された伝火薬の燃焼を経て、ガス発生剤を着火燃焼させる。このような過程を経るため、最初の作動段階において、導電ピンの電流が確実に発熱体に流されることが必要となる。このような点火器についての関連する先行技術としては、下記のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−235300号公報
【特許文献2】
特許第3175051号公報
【特許文献3】
特開2001−194094号公報
【0005】
特開2001−235300号公報には、電気点火器塞栓の電橋線の溶接方法に関する発明に係るもので、ヘッダ側の導電ピンの端部に発熱体をスポット溶接する技術が開示されている。発熱体にはニッケル−クロムを主成分とする合金の細線(線径26〜36μm)が用いられている。
【0006】
この技術では、発熱体が極めて細いものであるため、溶接端子が、導電ピン端部に対して発熱体を真っ直ぐに押さえ付けるような状態で溶接をしなければならない。この溶接にミスがあると、即ち、溶接電極の一部がヘッダ等に接触すると、溶接電流の一部がヘッダへ分流し、発熱体と導電ピン端部との溶接不良を引き起こす。また、溶接時の電流が過度になるとワイヤが溶け、不足すると溶接が不十分となる。
【0007】
通常、平面部を有するヘッダ(特開2001−235300号公報の図1の部品11)の片端面に電極の端部を設置し、同一平面上の端部間に発熱体を溶接等で取り付ける場合、取付面が平らでないと発熱体が断線する恐れがあるので、凸凹を無くすための研磨等が必要となる。
【0008】
この技術では、溶接条件がそのまま製品の信頼性に直結するため、溶接電極の管理(交換頻度、垂直度などの管理)、溶接電流の管理が重要となる。
【0009】
特許第3175051号公報には、電気発火式イニシエータに係る発明が開示されている。
【0010】
円筒状のガラスハーメチック11上に発熱抵抗基板20が設けられており、導電ピン12に対応する位置に貫通孔20aが形成されている。更に基板20上には導電性のエリア21があり、エリア21の間には抵抗エレメント22が形成されている。導電ピン12と導電エリア21は、半田又は導電性接着剤23により接合されているので、別途、半田や導電性接着剤を準備する必要がある。特に、半田や接着剤を用いて結合する場合は接合の信頼性が問題となり、例えば接合面が油などで汚れていると、半田がはじかれて接合力が低下してしまい、車両運転時における振動等による反復応力により、接合不良が生じる恐れもある。
【0011】
特開2001−194094号公報には、起爆剤に係る発明が開示されている。図1、図2、及びその対応する明細書の記載によると、絶縁基板16上に形成された発熱部(平板抵抗素子)17に、孔22、23が形成され、電極12、13が貫通されている。しかし、絶縁基板16上の導電性金属領域28、29と電極12、13との接合方法については全く開示がない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの課題は、エアバッグ用ガス発生器の点火器に適用したとき、点火器の作動確実性を高めることができ、ガス発生器の製品としての信頼性をより高めることができる、点火器部品を提供することである。
【0013】
本発明の他の課題は、簡単な方法により、低コストで上記した点火器部品を製造することができる、点火器部品の製造法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、課題の解決手段として、ヘッダ、発熱体及び1本又は複数本の導電ピンを含む点火器部品であり、導電ピンがヘッダの一面側から他面側に貫通され、ヘッダの一面側にある導電ピンの一端部とヘッダ表面の間に発熱体が挟み込まれて保持されている、点火器部品を提供する。
【0015】
発熱体は、それ自体が発熱する合金線のようなもののほか、適当な基板上に発熱部が形成されたものでも良い。
【0016】
導電ピンは、少なくとも1本であり、点火器の構造及び機能に応じて、2本又は3本以上を用いることができる。
【0017】
請求項1の発明では、発熱体の保持手段として、導電ピンの一端部を利用して物理的に保持する方法を適用することにより、溶接法の使用、半田及び導電性接着剤の使用が不要となるため、それらを使用した場合の問題が生じることがない。更に、煩雑な溶接や半田付け等が不要となるため、製造コストが低減される。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1記載の点火器部品において、導電ピンの一端部が、ヘッダ表面に対向する部分が平面で、ヘッダ表面に対向していない部分が平面ではないものであり、前記平面とヘッダ表面との間に発熱体が挟み込まれて保持されているものを提供する。
【0019】
ヘッダ表面に対向する部分が平面であるため、前記平面とヘッダ表面との間で発熱体を挟み込むとき、発熱体の保持力が高められる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1記載の点火器部品において、導電ピンの一端部がフランジ部を有しており、前記フランジ部とヘッダ表面との間に発熱体が挟み込まれて保持されているものを提供する。
【0021】
フランジ部が平面であるため、前記フランジ部とヘッダ表面との間で発熱体を挟み込むとき、発熱体の保持力が高められる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項1記載の点火器部品において、導電ピンの一端部が半径方向に形成された溝を有しており、前記溝とヘッダ表面の間において発熱体が挟み込まれて保持されているものを提供する。
【0023】
溝とヘッダ表面との間で発熱体が挟み込まれているので、発熱体の保持力が高められる。また、溝に発熱体を嵌め込めば良いので、発熱体の位置決めも容易となる。
【0024】
請求項5の発明は、課題の他の解決手段として、ヘッダ、発熱体及び1本又は複数本の導電ピンを含む点火器部品であり、導電ピンがヘッダの一面側から他面側に貫通され、ヘッダの一面側にある導電ピンの一端部において発熱体が挟み込まれて保持されている、点火器部品を提供する。
【0025】
請求項1の発明と同様の効果が得られるほか、導電ピンの一端部のみで発熱体を挟み込んで保持しているので、ヘッダの形状や表面状態に左右されることなく、発熱体の保持ができる。
【0026】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の点火器部品において、発熱体が、導電ピンの一端部と接する接触部と電流によって発熱する発熱部がプリント基板上に一体に形成されたものを提供する。
【0027】
このようなプリント基板を用いることにより、発熱体の発熱部の形成が容易となり、発熱体の保持作業も容易となるほか、発熱体として合金線を溶接固定した場合に比べると、発熱部の断線が起こりにくくなる。
【0028】
請求項7の発明は、請求項6記載の点火器部品において、発熱体の発熱部が、エッチングにより形成されたS字状のものを提供する。
【0029】
このように発熱部をS字状にすることで、プリント基板と発熱部の熱膨張率が異なる場合であっても、熱膨張率の差によるズレを形状(S字状)により吸収することができるため、発熱部の断線が生じ難くなる。
【0030】
請求項8の発明は、他の課題の解決手段として、ヘッダの一面上に発熱体を置く工程、ヘッダの一面側から他面側に導電ピンを貫通させる工程、並びにヘッダの一面側にある導電ピンの一端部とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する保持工程、を有する点火器部品の製造法を提供する。
【0031】
このように発熱体の保持手段として、導電ピンの一端部を利用して物理的に保持する方法を適用することにより、溶接法の使用、半田及び導電性接着剤の使用が不要となるため、それらを使用した場合の問題が生じることがない。更に、煩雑な溶接や半田付け作業等が不要となるため、製造コストが低減される。
【0032】
請求項9の発明は、請求項8記載の点火器部品の製造法において、導電ピンを貫通させる工程が、発熱体とヘッダの両方を貫通させる工程である製造法を提供する。
【0033】
導電ピンと発熱体の位置決めを一度に行うことができるほか、作業性も高められ、より確実に固定することができる。
【0034】
請求項10の発明は、請求項8又は9記載の点火器部品の製造法において、導電ピンが棒状のものであり、保持工程が、導電ピンの一端部を変形させて、前記変形一端部とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する工程である製造法を提供する。
【0035】
従来の溶接法、半田付け法等の場合には、溶接条件や半田付け条件のばらつきにより、発熱体の固定状態に差が生じ、その差がそのまま電気的接続状態に影響を与え、製品の性能にも影響を与えていた。しかし、上記発明では、導電ピンの一端側をかしめる又は押し潰す等の方法で変形させて発熱体を固定する方法であるため、固定状態にばらつきが生じることがなく、電気的接続状態が安定するため、製品の性能も安定する。
【0036】
請求項11の発明は、請求項8又は9記載の点火器部品の製造法において、導電ピンが一端部にフランジ部を有する釘状のものであり、保持工程が、導電ピンの一端部のフランジ部とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する工程である製造法を提供する。
【0037】
一端部にフランジ部を有する釘状の導電ピンを用いることにより、発熱体の固定作業が容易となり、固定状態にばらつきが生じることがなく、電気的接続状態が安定するため、製品の性能も安定する。
【0038】
請求項12の発明は、請求項8又は9記載の点火器部品の製造法において、導電ピンが一端部に半径方向に形成された溝を有するものであり、保持工程が、導電ピンの一端部の溝とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する工程である製造法を提供する。
【0039】
一端部に半径方向に形成された溝を有する導電ピンを用いることにより、発熱体の固定作業が容易となり、固定状態にばらつきが生じることがなく、電気的接続状態が安定するため、製品の性能も安定する。
【0040】
請求項13の発明は、請求項8〜12のいずれかに記載の点火器部品の製造法において、保持工程前後のいずれかにおいて、導電ピンのヘッダ他面側への貫通部分に対し凸凹を形成する製造法を提供する。
【0041】
貫通部分に凸凹を形成することにより、前記凸凹の作用により、導電ピンが貫通部分と反対側方向に抜けることが防止される。保持工程の後に凸凹を形成するときには、導電ピンの貫通部分にのみ形成することになるが、保持工程の前に凸凹を形成するときには、導電ピンの貫通部分のみならず、ヘッダ内に存在する部分にも凸凹を形成することができる。このようにヘッダ内に存在する部分にまで凸凹を形成した場合、導電ピンの抜け防止効果がより高められると共に、発熱体の保持力も高められる。
【0042】
請求項14の発明は、一端部に発熱体の係合部を有する導電ピンを、ヘッダの一面側から他面側に貫通させる工程、ヘッダの一面側にある導電ピンの係合部に発熱体の両端を係合させる工程、並びに導電ピンの係合部をかしめることで、導電ピンの一端部において発熱体を挟み込んで固定する保持工程、を有する点火器部品の製造法を提供する。
【0043】
請求項8の発明と同様の効果が得られるほか、導電ピンの一端部のみで発熱体を挟み込んで保持しているので、ヘッダの形状や表面状態に左右されることなく、発熱体の保持ができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
(1)実施の形態1
図1、図2により、本発明の実施の形態1を説明する。図1は、点火器部品20を用いた点火器組立体10の概略縦断面図、図2は、点火器部品20の製造方法(組立方法)を示す工程図である。
【0045】
点火器組立体10の外形は、取り付け対象となるエアバッグ用ガス発生器に応じて適宜調整できるが、通常は略円柱状が採用される。
【0046】
点火器部品20は、ヘッダ40、導電ピン51、52、ヘッダ40一面に置かれた発熱体30とを含んでいる。
【0047】
発熱体30は、カップ12で包み込まれており、カップ12内には点火薬14(例えば、汎用されているジルコニウム/過塩素酸カリウム)が充填されている。カップ12は樹脂16で包囲されており、樹脂16は金属製のカラー18と一体に形成されている。
【0048】
点火器組立体10をエアバッグ用ガス発生器に組み込むとき、導電ピン51、52は、リードワイヤが連結されたコネクタを介して、電源(自動車バッテリー)に接続される。
【0049】
図1で示す点火器組立体10は、エアバッグ用ガス発生器等に組み込まれて、ガス発生剤又は必要に応じて配置された伝火薬を着火燃焼させることで、エアバッグの膨張展開に関与する。このような点火器組立体10で使用する点火器部品20の製造(組立)は、図2(a)〜図2(c)で示されたような工程で行うことができる。
【0050】
まず、図2(a)に示すとおり、ヘッダ40に設けられた2つの貫通孔45、46に導電ピン51、52を押し込む。このとき、導電ピン51、52は、一面41側から他面42側に押し込んでも良いし、逆方向側から押し込んでも良い。いずれの方向から導電ピン51、52を押し込んだ場合でも、ヘッダ一面41側に導電ピン51の一端51aと導電ピン52の一端52aが幾分突出するようにする。
【0051】
図2(a)に示すヘッダ40は、ガラス等の絶縁性を有する材料からなるものであり、貫通孔45、46の内径の形状及び大きさと、導電ピン51、52の形状及び外径の大きさは、導電ピン51、52が貫通孔45、46に圧入されるように調整されている。
【0052】
図2(a)に示す発熱体30は平面図で示されており、発熱部31、導電ピンを通すための2つの孔32、33、導電ピン51、52に接する導電性の接触部34、35とを有している。発熱体30は、図示していないプリント基板上に、発熱部31及び接触部34、35がエッチングにより形成されたものにすることができる。
【0053】
図2(a)に示す導電ピン51、52は、アルミニウム、ステンレス等の変形可能な金属製のものであり、図示するような棒状のものである。
【0054】
次に、図2(b)に示すとおり、ヘッダ一面41側に突出している導電ピン51の一端部51a、導電ピン52の一端部52aに、発熱体30の2つの孔32、33を通して、発熱体30をヘッダ一面41上に置く。発熱体30の2つの孔32、33の形状及び大きさは、導電ピン51、52を通すことができるものであれば良く、導電ピン51、52の外径と同等か、又は少し大きめにすることができる。
【0055】
なお、最初にヘッダ一面41上に発熱体30を置き、導電ピン51、52により、発熱体30の2つの孔32、33と、ヘッダ40に設けられた2つの貫通孔45、46とを同時に貫通させることで、図2(b)に示す状態になるようにしても良い。
【0056】
次に、図2(c)に示すとおり、適当な押圧可能な器具を用い、導電ピン51の一端部51a、導電ピン52の一端部52aを押し潰すように変形させて(又は、かしめるか、若しくはリベッティングして)、この変形部分51a、52aとヘッダ一面41の間に挟み込むことで、発熱体30を固定する。この固定作業により、点火器部品20の組立が完了する。
【0057】
このように導電ピン51、52の一端部を押し潰す等して変形させるだけで発熱体30を保持できるため、煩雑な溶接作業や半田付け作業が不要となるので、製造コストも低減される。
【0058】
変形部分の変形状態は、発熱体30を固定できる状態であれば良いが、ヘッダ一面41に対向する面が平面で、ヘッダ一面41に対向していない部分が平面ではないもの(例えば、図示するような球面の半球状のもの)にすることができる。このような形状にすることにより、発熱体30は、いずれも平面状態である変形部分51a、52aとヘッダ一面41との間に挟み込まれて保持されるため、固定強度が高められると同時に、導電ピン51、52と導電性の接触部34、35の電気的接続が確実に行われる。
【0059】
エアバッグ用ガス発生器は、車両の耐用年数である10年以上の間、確実に作動することが求められるため、点火器組立体10においては、特に発熱体30と導電ピン51、52が電気的に正常な接触状態で保持されている必要がある。
【0060】
図2(c)で示す点火器部品20では、発熱体30は導電ピン51、52の一端部51a、52aとヘッダ一面41の間に挟み込まれて固定されているので、溶接や半田付け等により接続した場合と比べると、車両運転時における振動等による反復応力によっても接合不良が生じ難い。
【0061】
更に導電ピン51、52の形状及び外径とヘッダ40の貫通孔45、46の形状及び内径を調整し、導電ピン51、52が圧入されるようにすることで、即ち、圧入後の導電ピン51、52が車両運転時における振動等による反復応力によっても動かないようにすることで、発熱体30の固定強度をより高めることができる。
【0062】
図1に示す点火器部品20を組み込んだ点火器組立体10は、電流は、例えば導電ピン51から流され、発熱体30に至り、接触部34、発熱部31及び接触部35を経て、導電ピン52に流れる。この過程で、発熱体30の発熱部31が発熱し、点火薬を着火燃焼させる。実施の形態1の点火器部品10では、導電ピン51、52と発熱体30との接合強度が高いため、点火器組立体10の作動確実性が高められ、エアバッグ用ガス発生器の信頼性も高められる。
【0063】
(2)実施の形態2
図3(a)〜図3(c)により、本発明の実施の形態2を説明する。図3(a)〜図3(c)は、点火器部品20の製造法(組立法)の工程図である。なお、図3(a)では、発熱体30を平面図と側面図の2つで示しているが、使用する発熱体30は1つのみである。
【0064】
まず、図3(a)に示すとおり、ヘッダ一面41上に発熱体30を置く。このとき、ヘッダ40が有する2つの貫通孔45、46の位置と、発熱体30が有する2つの孔32、33の位置が一致するようにして、発熱体30を置く。
【0065】
発熱体30は、プラスチック等の可撓性材料からなるプリント基板36上に、発熱部(発熱抵抗素子)31、導電性の接触部34、35が形成されたものであり、接触部34、35には、それぞれ導電ピンを通すための孔32、33が設けられている。
【0066】
なお、発熱部31は非常に幅が狭いものであるため、エッチングにより形成することが望ましい。更に発熱部31をS字状にすることで、プリント基板36と発熱部31の熱膨張率が異なる場合であっても、熱膨張率の差によるズレを形状(S字状)により吸収することができるため、発熱部31の断線が生じ難くなるので望ましい。
【0067】
図3(a)に示すヘッダ40は、ガラス等の絶縁性を有する材料からなるものであり、貫通孔45、46の内径の形状及び大きさと、導電ピン51、52の形状及び外径の大きさは、導電ピン51、52が貫通孔45、46に圧入されるように調整されている。
【0068】
発熱体30の2つの孔32、33の形状及び大きさは、導電ピン51、52を通すことができるものであれば良く、導電ピン51、52の外径と同等か、又は少し大きめにすることができる。
【0069】
次に、図3(b)に示すとおり、ヘッダ一面41側から他面42側に向かって、発熱体30の孔32、33と、ヘッダ40の貫通孔45、46を貫通するように導電ピン51、52を押し込む。
【0070】
導電ピン51、52は、一端側にフランジ部53、54を有する釘状のものであり、フランジ部53、54の裏面53a、54aは平面である。
【0071】
そして、図3(c)に示すとおり、導電ピン51、52を、それぞれのフランジ部53の裏面53a、フランジ部54の裏面54aが発熱体30表面(導電性の接触部34、35)に当接するまで押し込む。この押し込み作業により、点火器部品20の組立が完了する。
【0072】
このとき、裏面53a、54aが平面であるため、これらの平面とヘッダ一面41との間に発熱体30を挟み込むことで、強固に保持できる。そして、フランジ部を有する釘状の導電ピン51、52を押し込むだけで発熱体30を保持できるため、溶接作業や半田付け作業が不要となるだけでなく、簡単な作業により、発熱体30を固定することができる。
【0073】
また、予め発熱体30の孔32、33に導電ピン51、52を通しておき、この状態で導電ピン51、52をヘッダ一面41側から貫通孔45、46に貫通させて、図3(c)のように組み立てることができる。
【0074】
更に、導電ピン51、52の棒状部分(フランジ部53、54を除いた部分)に凸凹を形成しておけば、図3(c)の状態で導電ピン51、52が抜けたり、緩んだりして、発熱体30の保持力が低下したり、フランジ裏面53a、54aと導電性の接触部34、35との電気的接続が弱くなったりすることが無くなる。なお、導電ピン51、52への凸凹の形成は、ヘッダ40に貫通させる前又は後のいずれの時点でも良く、棒状部分の全部(図3(b)の棒状部分の全部)又は一部(例えば、図3(c)の貫通部分のみ、ヘッダ40の貫通孔45、46内周面に当接する部分のみ、又は前記貫通部分と当接部分の両方のみ)に形成することができる。
【0075】
(3)実施の形態3
図4(a)〜図4(d)により、本発明の実施の形態3を説明する。図4(a)〜図4(d)は、点火器部品20の製造法(組立法)の工程図である。なお、図4(a)では、発熱体30を平面図で示しており、発熱体30は孔を有していないことを除いて図3で示したものと同じものである。
【0076】
まず、図4(a)に示すとおり、ヘッダ40の2つの貫通孔45、46に導電ピン51、52を押し込む。このとき、導電ピン51、52の一端側に形成された溝55、56が互いに平行になり、かつヘッダ一面41側に残るように押し込む。
【0077】
導電ピン51、52の押し込み方向は、一面41側から他面42側に押し込んでも良いし、逆方向側から押し込んでも良い。導電ピン51、52の形状及び大きさと、貫通孔45、46の形状及び大きさとの関係は、実施の形態1、2と同様である。
【0078】
導電ピン51、52は、それぞれ一端側に幅方向に形成された溝55、56を有している。溝55、56の幅は、導電ピン51,52の直径以下であり、溝55、56の長さ(軸方向の長さ)は発熱体30の厚みより大きくなるように設定されている。
【0079】
次に、図4(b)に示すとおり、導電ピン51の溝55と導電ピン52の溝56との間に、発熱体30を嵌め込む。図示するとおり、溝55と溝56の間隔は発熱体30の長さと同一に設定されているので、溝55、56の形成方向側(導電ピン51、52の幅方向側)から発熱体30を挿入すれば良い。
【0080】
次に、図4(c)に示すとおり、発熱体30とヘッダ一面41とが接するまで導電ピン51、52を押し込む。
【0081】
このようにすることで、発熱体30は溝55、56とヘッダ一面41により、挟み込まれて固定されると同時に、導電ピン51、52と導電性の接触部34、35の電気的接続ができる。よって、溝55、56を有する導電ピン51、52を押し込むだけで、発熱体30の固定と導電ピン51、52の電気的接続ができるため、溶接作業や半田付け作業が不要となるだけでなく、作業も簡単になる。
【0082】
次に、図4(d)に示すように、導電ピン51、52のヘッダ他面42側への貫通部分に凸凹57、58を形成する。この凸凹57、58の形成作業により、点火器部品20の組立が完了する。
【0083】
凸凹57、58は、導電ピン51、52がヘッダ一面41側に抜けることを防止するためのものである。凸凹57、58は、前記作用を発揮できるものであれば良く、複数の分散配置された突起、軸方向に形成された複数の環状凸凹、螺旋状に形成された螺子山等にすることができる。
【0084】
なお、凸凹57、58は、図4(a)よりも前の段階、即ち導電ピン51、52をヘッダ40に貫通させる前の段階で形成されていても良い。この場合は、図4(c)において、点火器部品20の組立が完了する。
【0085】
また、導電ピン51、52に凸凹を形成するときは、図4(d)に示すように貫通部分のみに形成しても良いし、ヘッダ40内に存在する部分にのみ形成しても良いし、ヘッダ40内に存在する部分及び貫通部分の両方(導電ピン51の溝部55より下方部分及び導電ピン52の溝部56より下方部分)に形成しても良い。
【0086】
図2で示す実施の形態1においても、同様の作用をなすため、導電ピン51、52に凸凹57、58を形成することができる。
【0087】
(4)実施の形態4
図5(a)〜図5(c)により、本発明の実施の形態4を説明する。図5(a)〜図5(c)は、点火器部品20の製造法(組立法)の工程図である。なお、図5(a)では、発熱体30を平面図で示しており、発熱体30は孔を1つしか有していないことを除いて図3で示したものと同じものである。
【0088】
図5(a)に示すヘッダ40は、導電性のある金属製のものである。ヘッダ一面41には、発熱体30の一端縁側を嵌め込むための、幅方向断面がL字状で、発熱体30の幅と同等の長さを有する引掛部60が設けられている。
【0089】
引掛部60は、導電性のある金属製のものである。引掛部60を有するヘッダ40は、プレス成形等により、一体成形することができる。
【0090】
ヘッダ40には、1つの貫通孔46が設けられ、貫通孔46の周囲には電気的絶縁部70(図は側面図であり、実際には絶縁部を見ることはできないが、理解を容易にするため、斜線で示している。)が、ヘッダ一面41から他面42の全厚みにわたって設けられている。
【0091】
ヘッダ40の引掛部60と貫通孔46の位置は、次工程から明らかなとおり、発熱体30の長さ、幅、孔33の位置を考慮して調整されている。
【0092】
次に、図5(b)に示すとおり、発熱体30の一端縁側を引掛部60の内側空間61に嵌め込み、孔33と貫通孔46とが重なり合うようにして、ヘッダ一面41上に発熱体30を置く。
【0093】
その後、ヘッダ一面41側から、孔33と貫通孔46を貫通して、フランジ部53を有する釘状の導電ピン51を押し込む。
【0094】
次に、図5(c)に示すとおり、フランジ部裏面53aが発熱体30表面に接するまで、導電ピン51を押し込んで、発熱体30を固定する。この固定作業により、点火器部品20の組立が完了する。
【0095】
このようにすることで、発熱体30は、引掛部60により一端側が保持され、他端側がフランジ部裏面53aとヘッダ一面41の間で挟み込まれることで固定される。よって、導電ピン51を押し込むだけで発熱体30を固定できるため、溶接作業や半田付け作業が不要となるだけでなく、作業も簡単になる。
【0096】
図6に示すとおり、引掛部60は、弾力性の大きな金属で形成し、押さえ壁62に傾斜を付けることにより、発熱体30を引掛部60の奥方向(当接壁63方向)に押し込むにつれて、X方向からの押圧力が加えられ、発熱体30がきつく締まるようなものにしても良い。このようにすることで、発熱体30の固定と接触部34とヘッダ40との電気的接続が、より確実となる。
【0097】
なお、図4で示す実施の形態3と同様にして、導電ピン51のヘッダ他面42側への貫通部分に凸凹を形成することができる。
【0098】
また、図2に示すような導電ピンを用い、かしめ、リベッティングを適用して固定する方法のほか、図4のような溝を有する導電ピンを用いた固定方法も適用できる。
【0099】
この形態では、ヘッダ他面42のいずれかの部分と、導電ピン51のそれぞれに接触する端子を設けたコネクターを接続して、導電ピン51から流した電流が発熱部31、引掛部60からヘッダ他面42に流れるようにしても良い。
【0100】
(5)実施の形態5
図7(a)〜図7(c)により、本発明の実施の形態5を説明する。図7(a)〜図7(c)は、点火器部品20の製造法(組立法)の工程図である。なお、実施の形態5では、発熱体として合金線(ニッケルクロム線等)80を用いている。
【0101】
まず、図7(a)に示すとおり、ヘッダ40の貫通孔45、46に導電ピン51、52を押し込む。
【0102】
導電ピン51、52は、図4で示す導電ピン51、52と類似構造のもので、それぞれ溝55、56を有している。このため、導電ピン51、52を押し込んだとき、溝55、56がヘッダ一面41側に残るようにする。
【0103】
次に、図7(b)に示すとおり、合金線80を溝55、56に架け渡す。図示するとおり、合金線80の長さと溝55、56の間隔はほぼ同一になるように設定されている。
【0104】
導電ピン51、52の溝55、56には合金線80を架け渡すため、同一方向を向くようにすることが望ましいが、異なる方向を向くようにしても良い。溝55、56が同一方向を向くようにして導電ピン51、52を押し込んだとき、合金線80は図8(a)のようになるが、溝55、56が逆方向になるように導電ピン51、52を押し込んだとき、合金線80は図8(b)のようになる。
【0105】
次に、図7(c)に示すとおり、導電ピン51の一端部51aと導電ピン52の一端部52aとを、適当な押圧器具により、かしめるか又は押し潰す。この作業により、合金線80は、ヘッダ一面41に接することなく、導電ピン51、52の一端部51a、52aのみにより固定される。この固定作業により、点火器部品20の組立が完了する。
【0106】
なお、図4で示す実施の形態3と同様にして、導電ピン51のヘッダ他面42側への貫通部分に凸凹を形成することができる。そのほか、導電ピン51、52のうちの少なくともヘッダ40の貫通孔45、46に当接する部分周辺をテーパー付き形状(くさび形)にして、導電ピン51、52が貫通孔45、46に押し込まれるにつれて、導電ピン51、52がきつく固定されるような手段を適用しても良い。また、このようなテーパー付き形状(くさび形)の導電ピンは、実施の形態1〜4にも適用できる。
【0107】
実施の形態5によれば、他の実施の形態と同様の作用効果が得られるほか、ヘッダ40の形状や表面状態に左右されることなく、発熱体(合金線)を固定することができる。
【0108】
【発明の効果】
本発明の点火器部品、及びその製造法によれば、導電ピンと発熱体との接続において、溶接法、半田付け法、導電性接着剤による接着法等を適用することなく、ごく簡単な方法により、導電ピンと発熱体とを強固に接続することができる。更に、溶接法、半田付け法、導電性接着剤による接着法等を適用した場合と比べて、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】点火器部品を含む点火器組立体の概略縦断面図。
【図2】点火器部品の製造法の一実施形態を示す工程図。
【図3】点火器部品の製造法の他実施形態を示す工程図。
【図4】点火器部品の製造法の他実施形態を示す工程図。
【図5】点火器部品の製造法の他実施形態を示す工程図。
【図6】図5において引掛部が異なる実施形態の一工程図。
【図7】点火器部品の製造法の他実施形態を示す工程図。
【図8】図7において導電ピンの押し込み状態が異なる実施形態の工程図。
【符号の説明】
10 点火器組立体
20 点火器部品
30 発熱体
40 ヘッダ
51、52 導電ピン
Claims (14)
- ヘッダ、発熱体及び1本又は複数本の導電ピンを含む点火器部品であり、導電ピンがヘッダの一面側から他面側に貫通され、ヘッダの一面側にある導電ピンの一端部とヘッダ表面の間に発熱体が挟み込まれて保持されている、点火器部品。
- 導電ピンの一端部が、ヘッダ表面に対向する部分が平面で、ヘッダ表面に対向していない部分が平面ではないものであり、前記平面とヘッダ表面との間に発熱体が挟み込まれて保持されている、請求項1記載の点火器部品。
- 導電ピンの一端部がフランジ部を有しており、前記フランジ部とヘッダ表面との間に発熱体が挟み込まれて保持されている、請求項1記載の点火器部品。
- 導電ピンの一端部が半径方向に形成された溝を有しており、前記溝とヘッダ表面の間において発熱体が挟み込まれて保持されている、請求項1記載の点火器部品。
- ヘッダ、発熱体及び1本又は複数本の導電ピンを含む点火器部品であり、導電ピンがヘッダの一面側から他面側に貫通され、ヘッダの一面側にある導電ピンの一端部において発熱体が挟み込まれて保持されている、点火器部品。
- 発熱体が、導電ピンの一端部と接する接触部と電流によって発熱する発熱部がプリント基板上に一体に形成されたものである、請求項1〜5のいずれかに記載の点火器部品。
- 発熱体の発熱部が、エッチングにより形成されたS字状のものである、請求項6記載の点火器部品。
- ヘッダの一面上に発熱体を置く工程、ヘッダの一面側から他面側に導電ピンを貫通させる工程、並びにヘッダの一面側にある導電ピンの一端部とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する保持工程、を有する点火器部品の製造法。
- 導電ピンを貫通させる工程が、発熱体とヘッダの両方を貫通させる工程である、請求項8記載の点火器部品の製造法。
- 導電ピンが棒状のものであり、保持工程が、導電ピンの一端部を変形させて、前記変形一端部とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する工程である、請求項8又は9記載の点火器部品の製造法。
- 導電ピンが一端部にフランジ部を有する釘状のものであり、保持工程が、導電ピンの一端部のフランジ部とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する工程である、請求項8又は9記載の点火器部品の製造法。
- 導電ピンが一端部に半径方向に形成された溝を有するものであり、保持工程が、導電ピンの一端部の溝とヘッダ表面との間に発熱体を挟み込んで固定する工程である、請求項8又は9記載の点火器部品の製造法。
- 保持工程前後のいずれかにおいて、導電ピンのヘッダ他面側への貫通部分に対し凸凹を形成する、請求項8〜12のいずれかに記載の点火器部品の製造法。
- 一端部に発熱体の係合部を有する導電ピンを、ヘッダの一面側から他面側に貫通させる工程、ヘッダの一面側にある導電ピンの係合部に発熱体の両端を係合させる工程、並びに導電ピンの係合部をかしめることで、導電ピンの一端部において発熱体を挟み込んで固定する保持工程、を有する点火器部品の製造法。
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| DE102004005085A1 (de) | 2004-09-23 |
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