JP2004233575A - 電気泳動表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像表示品質の悪化を防止する。
【解決手段】吸着ローラー21を回転させた状態で、静電潜像形成手段22により静電潜像を形成し、該静電潜像に泳動用分散液2や帯電粒子3を付着させ、それらの泳動用分散液2や帯電粒子3を基板Bに転写する。この場合、静電潜像の電位分布を適正なものとすることにより、該静電潜像に吸着される帯電粒子3の密度や帯電量を適正にでき、基板Bに転写された状態の帯電粒子3の密度や帯電量も適正なものとなる。その後、基板Bに別の基板を貼り付けて電気泳動表示装置を作製するが、その画像表示品質は良好なものとなる。
【選択図】 図1
【解決手段】吸着ローラー21を回転させた状態で、静電潜像形成手段22により静電潜像を形成し、該静電潜像に泳動用分散液2や帯電粒子3を付着させ、それらの泳動用分散液2や帯電粒子3を基板Bに転写する。この場合、静電潜像の電位分布を適正なものとすることにより、該静電潜像に吸着される帯電粒子3の密度や帯電量を適正にでき、基板Bに転写された状態の帯電粒子3の密度や帯電量も適正なものとなる。その後、基板Bに別の基板を貼り付けて電気泳動表示装置を作製するが、その画像表示品質は良好なものとなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電粒子を移動させて表示を行う電気泳動表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気泳動表示装置においては、下記の項目が表示特性、特に表示斑の抑制にとって非常に重要な技術である。
【0003】
項目1)泳動用分散液中の帯電粒子が持つ帯電量を揃えること
項目2)帯電粒子の面内密度を均一にすること
項目3)所望の位置に帯電粒子を配置すること
そして、注入後の帯電粒子の密度分布を抑制するようにした技術や、帯電粒子を均一な面内密度で配置するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1,2,3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭64−86117号公報
【特許文献2】
特開平2−223935号公報
【特許文献3】
特表平8−502599号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように帯電量を均一にしたり、帯電粒子の配置密度を均一にしただけでは、表示斑を低減するのに限界があった。
【0006】
そこで、本発明は、画像表示品質の良好な電気泳動表示装置を製造する、電気泳動表示装置の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、泳動用分散液及び複数の帯電粒子を第1基板に充填し、これらの泳動用分散液及び帯電粒子を挟み込むように前記第1基板に第2基板を貼り付けて電気泳動表示装置を製造する、電気泳動表示装置の製造方法において、
吸着部材に静電潜像を形成する潜像形成工程と、該吸着部材に帯電粒子及び泳動用分散液を付着させる現像工程と、該吸着部材に付着された帯電粒子及び泳動用分散液を前記第1基板に転写する転写工程と、を実施して前記充填を行い、
その後、前記第1基板に前記第2基板を貼り付ける基板貼り付け工程を実施する、ことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
(1) まず、本発明により製造される電気泳動表示装置の構造について図5及び図6等を参照して説明する。
【0010】
本発明により製造される電気泳動表示装置は、図5及び図6に符号D1,D2で示すように、所定間隙を開けた状態に配置された一対の基板1a,1bと、これらの基板1a,1bの間隙に配置された泳動用分散液2と、該泳動用分散液2に分散された複数の帯電粒子3と、前記泳動用分散液2に沿うように配置された第1電極4a,14a及び第2電極4b,14bと、を備えており、これらの電極4a,4b又は14a,14bを介して前記泳動用分散液2に電界を作用させて前記帯電粒子3を移動させることに基づき画像を表示するように構成されている。
【0011】
この表示装置は、透過型(表示装置を透過する光を利用して画像を認識させるタイプ)としても反射型(表示装置にて反射される光を利用して画像を認識させるタイプ)としても良い。表示装置を透過型にする場合には、基板1a,1bや電極4a,4b,14a,14bや泳動用分散液2やその他の部材を透光性材料で形成する必要がある。表示装置を反射型にする場合には、光が照射される側(すなわち、観察者側)に配置される基板や電極やその他の部材は透光性材料で形成する必要がある。
【0012】
基板1a,1bに用いることができる材料としては、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエーテルスルフォン(PES)などのプラスチックや、ステンレスなどの金属を挙げることができるが、透光性が必要な場合にはガラス等を使用し、フレキシブル性を確保したい場合には、
・ ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエーテルスルフォン(PES)などのプラスチックや、
・ 薄い金属板
を用いると良い。
【0013】
一方、第1電極及び第2電極は、図5に符号4a,4bで示すように泳動用分散液2を挟み込むように別々の基板1a,1bに支持させても良く、図6に符号14a,14bで示すように一方の基板1bに支持させても良い。これらの電極に用いることができる材料としては、ITOや、AlやAgやTiなどの金属を挙げることができるが、透光性が必要な場合にはITO等を使用し、透光性が必要でない場合には金属等を使用すると良い。なお、電極を黒色にして表示に供したい場合にはTiCを用いると良い。
【0014】
ところで、これらの電極4a,4b,14a,14bを覆うように絶縁層5a,5b,15a,15bを配置すると良い。この絶縁層5a,5b,15a,15bには、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネートなどの有機材料や無機酸化膜などを用いれば良い。表示装置が反射型の場合、後方側に配置される絶縁層にアルミナ(Al2O3)や酸化チタン(TiO2)などの白色微粒子を混入して散乱層としての機能を付与しても良い。
【0015】
一方、基板1a,1bの間隙には画素と画素とを仕切るように隔壁部材6を配置すると良い。この隔壁部材6には、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴムなどの他、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などを含む感光性樹脂を用いると良い。
【0016】
さらに、帯電粒子3としては、ポリスチレン、ポリエチレンなどのポリマー樹脂を主成分とし、これにカーボンなどの着色剤を混ぜ合わせたものや、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの顔料や、ポリマー樹脂で被覆したものなどを好適に用いることができる。また、これらに必要に応じて荷電制御剤等を混ぜ合わせる。粒径は0.1〜15μm程度のものを使用できる。この帯電粒子は所定の極性に帯電させて用いる。
【0017】
またさらに、泳動用分散液2としては、シリコーンオイル、キシレン、トルエンあるいはイソパラフィンなど、帯電粒子3が良好に帯電し且つ低粘度の液体を使用する。また、泳動用分散液2と帯電粒子3の比重を合わせるために、必要に応じて比重の大きい泳動用分散液を混合する。
【0018】
ところで、上述した電気泳動表示装置での表示は、
・ 帯電粒子3が第1電極4a,14aに引き寄せられた場合に視認される色、
・ 帯電粒子3が第2電極4b,14bに引き寄せられた場合に視認される色、
の違いを利用して行う。したがって、表示装置の構成部材に色を付しておく必要がある。例えば、
・ 図5に示す表示装置の場合には、泳動用分散液2を着色しておき、帯電粒子3には分散液2とは異なる色を付しておき、帯電粒子3が第1電極4aに引き寄せられた場合には帯電粒子3の色が視認され、帯電粒子3が第2電極4bに引き寄せられた場合には泳動用分散液2の色が視認されるようにしたり、
・ 図6に示す表示装置の場合には、泳動用分散液2を透明にして基板1aの側から帯電粒子3を視認できるようにしておき、帯電粒子3や所定領域(例えば、第2電極14bが配置されている以外の領域)にそれぞれ色を付しておき、帯電粒子3が第1電極14aに引き寄せられた場合には帯電粒子3の色が視認され、帯電粒子3が第2電極14bに引き寄せられた場合には所定領域の色が視認されるようにしたり、
すると良い。
【0019】
ところで、画像は、
・ 単色表示としても、
・ 二色表示としても、
・ フルカラー表示としても、
良い。ここで、「単色表示」とは、全ての画素において第1色/背景色の切り換えを行うことによって画像を表示することを言い、「二色表示」とは、第1色/背景色の切り換えを行う画素と、第2色/背景色の切り換えを行う画素とを配置することによって画像を表示することを言い、「フルカラー表示」とは、第1色/背景色の切り換えを行う画素と、第2色/背景色の切り換えを行う画素と、第3色/背景色の切り換えを行う画素とを配置することによって画像を表示することを言う。
【0020】
ところで、上述のように二色表示やフルカラー表示を行う場合には、
・ 帯電粒子3の色を画素間で異ならせる方法(例えば、隣接される2つの画素を組として、一方の画素の帯電粒子3は赤色とし、他方の画素の帯電粒子3を白色として赤白の二色表示を行う場合)や、
・ 泳動用分散液2の色を画素間で異ならせる方法や、
・ カラーフィルターを配置する方法、
を挙げることができる。
【0021】
次に、駆動方法の例について説明する。
【0022】
図5に示す表示装置の場合、表示は電極間に電圧を印加することにより行う。例えば、正極性に帯電した帯電粒子3に対して、第1電極4aを接地し、各第2電極4bに正或は負極性の電圧を印加すると、帯電粒子3は電荷が相対的に低い電極上に集まる。この時、帯電粒子3が白色であり、帯電粒子3が第1電極4aに引き寄せられれば白色の表示を行うことができる。一方、帯電粒子3が第2電極4b上に集まれば、泳動用分散液2の色を表示できる。尚、泳動用分散液2の色は、帯電粒子3の色を十分に隠蔽できるものを選択する。
【0023】
図6に示す表示装置の場合、表示は電極間に電圧を印加することにより行う。例えば、負極性に帯電した帯電粒子3に対して、第1電極14aを接地し、各第2電極14bに正或は負極性の電圧を印加すると、帯電粒子3は電荷が相対的に高い電極上に集まる。この時、帯電粒子3及び第2電極14bが黒色であり、帯電粒子3が第2電極14b上に集まれば明るい表示を行うことができる。一方、帯電粒子3が第1電極14a上に集まれば、黒色の暗い表示を行うことができる。この場合の表示コントラストは、第1、第2電極14a,14bの面積比に大きく依存するため、コントラストを高めるためには第2電極14bの露出面積を第1電極14aのそれに対して小さくする必要があり、一般的には1:2〜1:4程度にすると良い。印加電圧は、帯電粒子3の帯電量、電極間ピッチなどによって異なるが、通常は、1〜100V程度が必要である。
【0024】
(2) 次に、本発明に係る電気泳動表示装置の製造装置について説明する。
【0025】
本発明に係る電気泳動表示装置の製造装置は、泳動用分散液2及び複数の帯電粒子3を第1基板に充填して電気泳動表示装置を製造するための装置であって、図1に符号A1で示すように、少なくとも、
・ 帯電粒子3及び泳動用分散液2が入れられた貯蔵槽20と、
・ 静電潜像が形成可能な吸着部材21と、
・ 該吸着部材21に静電潜像を形成する静電潜像形成手段22と、
を備え、
・ 前記静電潜像形成手段22により静電潜像が形成された吸着部材21を、前記貯蔵槽中の泳動用分散液2に浸漬させることにより、該吸着部材21に帯電粒子3を付着させ、
・ 該吸着部材21に付着している帯電粒子3を前記第1基板Bに転写する、
ようになっている。
【0026】
吸着部材21は、少なくとも、
・ 上述した静電潜像形成手段22に対向する第1位置と、
・ 泳動用分散液2に浸漬される第2位置と、
・ 前記第1基板Bに対向する第3位置と、
に移動自在に構成されていて、
・ 上記第1位置において静電潜像が形成され、
・ 上記第2位置において現像され、
・ 上記第3位置において転写される、
ように構成されていると良い。
【0027】
なお、図1に示す吸着部材21は、ローラー状であって、回転駆動されるに従い上記第1〜第3位置を順次取るようになっているが、他の形状(例えば、図3に符号31で示す板状や多角柱状)であっても良い。吸着部材をローラー状とした場合には、貯蔵槽20や静電潜像形成手段22は吸着部材の周囲に配置すると良い。吸着部材には感光体を使用すると良い。
【0028】
静電潜像形成手段22は、吸着部材を一様に帯電させる帯電器220と、吸着部材に光を照射する光照射器221と、によって構成すると良い。
【0029】
転写後に吸着部材を除電する手段や、同じく転写後に吸着部材に残留している帯電粒子3や泳動用分散液2を除去するクリーニング手段を配置すると良い。
【0030】
なお、図1に示す貯蔵槽20は、吸着部材21の下方に配置すると共に上側を大きく開口して該吸着部材を浸漬できるようにしているが、図3に示すように、底部にノズル30aを設けた貯蔵槽30とし、吸着部材31の上方を移動するようにしても良い。
【0031】
(3) 次に、本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法について説明する。
【0032】
本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法は、泳動用分散液2及び複数の帯電粒子3を第1基板1a(又は1b)に充填し、これらの泳動用分散液2及び帯電粒子3を挟み込むように前記第1基板1a(又は1b)に第2基板1b(又は1a)を貼り付けて電気泳動表示装置を製造する方法である。そして、泳動用分散液2及び複数の帯電粒子3の第1基板(図1の符号B参照)への充填は、
・ 吸着部材21,31に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
・ 該静電潜像を利用して該吸着部材21,31に帯電粒子3及び泳動用分散液2を付着させる現像工程と、
・ 該吸着部材21,31に付着されている帯電粒子3及び泳動用分散液2を第1基板Bに転写する転写工程と、
を実施して行い、その後、前記第1基板Bに前記第2基板を貼り付ける基板貼り付け工程を実施する、ようになっている。
【0033】
なお、本明細書において「第1基板」とは、前記転写工程が実施されて帯電粒子3が付着される方の基板を意味し、「第2基板」とは、転写工程が実施されない方の基板を意味するものとする。
【0034】
前記帯電粒子3等の転写は表示側基板(観察者側に配置される基板)に対して行っても、後方側基板(観察者側とは違う側に配置される基板)に対して行っても良い。つまり、第1基板及び第2基板のいずれを表示側基板としても後方側基板としても良い。
【0035】
また、図5に示す電気泳動表示装置の場合、第1電極4aが形成された方の基板1aに対して転写を行うようにしても(つまり、第1電極4aが形成された方の基板1aを第1基板としても)、第2電極4bが形成された方の基板1bに対して転写を行うようにしても(つまり、第2電極4bが形成された方の基板1bを第1基板としても)良い。図6に示す電気泳動表示装置の場合、電極14a,14bが形成された方の基板1bに対して転写を行うようにしても(つまり、電極14a,14bが形成された方の基板1bを第1基板としても)、電極14a,14bが形成されていない方の基板1aに対して転写を行うようにしても(つまり、電極14a,14bが形成されていない方の基板1aを第1基板としても)良い。但し、電極が形成されている方の基板(図5の場合は基板1a又は基板1b。図6の場合は基板1b)に対して転写を行い、しかも、それらの電極(すなわち、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方)を、前記転写工程を実施する前の前記第1基板に形成し、該転写工程における転写は、該形成した電極に電圧を印加することに基づき行う、ようにすると良い。また、この転写工程を実施する直前に吸着部材の静電潜像を除去しても良い。これによって、帯電粒子3の吸着部材への吸着力が無くなり、第1基板Bへの帯電粒子3の転写を円滑に行うことができる。尚、基板面と吸着部材との間隔は1〜500μmが好ましい。
【0036】
上述のように画素と画素とを隔壁部材6によって仕切る場合、該隔壁部材6は、前記転写工程を実施する前の前記第1基板Bに形成すると良い。また、各画素に異なる色の帯電粒子3を配置する場合、
・ 前記吸着部材は、前記帯電粒子3の色の数だけ用い(図4の符号21参照)、
・ それぞれの吸着部材21に対して前記潜像形成工程及び前記現像工程を実施して、異なる色の帯電粒子を各吸着部材21に付着させ、
・ それぞれの吸着部材について前記転写工程を実施して前記第1基板Bに異なる色の帯電粒子3を泳動用分散液2と共に転写し、
・ その後、前記基板貼り付け工程を実施する、
ようにすると良い。
【0037】
ところで、転写工程終了後において、
・ 前記吸着部材21,31の表面を除電し静電潜像を除去する除電工程や、
・ 吸着部材21,31に残留している帯電粒子3や泳動用分散液2を除去するクリーニング工程、
を実施すると良い。なお、前記静電潜像の除去は、前記吸着部材に対して光を照射することにより行うと良い。
【0038】
一方、前記現像工程は、帯電粒子3が分散された泳動用分散液2に前記吸着部材を浸漬させることにより実施する、と良い。吸着部材を泳動用分散液2に浸漬させると、帯電粒子3は電荷潜像(静電潜像)が形成する電位勾配に従い、電荷潜像に向かって泳動する。この泳動の過程において、帯電粒子3の分級を行うことができる。以下で、分級する方法について記す。
【0039】
1つには、吸着部材21を泳動用分散液2に浸漬しておく期間を制限する方法がある。泳動用分散液2内で泳動する帯電粒子3の帯電量は様々であり、その泳動速度は帯電量に応じて異なり、帯電量の小さな帯電粒子3は、泳動速度が比較的遅い。そのため、吸着部材の泳動用分散液への浸漬期間に制限を設けることで、吸着部材に付着する帯電粒子3の帯電量分布を制御することができるのである。その場合、図2に符号21aで示すように吸着部材の側に吸着部材側電極を配置し、符号23で示すように泳動用分散液2の側に吸着制御用電極を配置しておき、それらの電極に電圧を印加することに基づき帯電粒子2の吸着部材21への吸着を制御する(泳動速度を制御して帯電粒子3を分級する)ようにすると良い。以下、詳細に説明する。この吸着制御用の電極23に印加する電圧は、泳動用分散液2中の帯電粒子3の帯電極性と同極性にする場合と逆極性にする場合がある。同極性とした場合には、帯電粒子3の泳動速度を加速することで、浸漬期間を短縮することができる。逆極性とした場合には、吸着部材への帯電粒子3の吸着を抑制することができる。
【0040】
また1つには、吸着部材21の回転速度を制御する方法がある。帯電粒子3が持つ帯電量の大きさと帯電粒子3と吸着部材21との吸着力には相関があり、帯電量が大きいほど、その帯電粒子3と吸着部材21との吸着力は強い傾向がある。一方で、吸着部材21の回転により、吸着部材界面で発生する泳動用分散液2の対流が発生し、回転が速いほど、吸着部材界面の対流は強くなる関係がある。これらのことから、吸着部材21の回転を利用して発生させた吸着部材界面近傍での泳動用分散液2の対流が及ぼす影響で、吸着力の弱い帯電粒子を、吸着部材21から引き剥がして排除することができる。したがって、回転速度を制御することでも、吸着部材21に付着する帯電粒子3の帯電量分布を制御することができるのである。
【0041】
ところで、上述のように二色表示やフルカラー表示を行う場合であって、帯電粒子3の色を画素間で異ならせる場合には、
・ 帯電粒子3及び紫外線重合性化合物が分散された泳動用分散液2に前記吸着部材を浸漬させることにより前記現像工程を実施して、帯電粒子3や泳動用分散分2だけでなく紫外線重合性化合物を吸着部材に付着させ、
・ 前記第1基板Bに前記隔壁部材6を形成し、
・ 前記転写工程により、これらの帯電粒子3及び紫外線重合性化合物を泳動用分散液2と共に前記第1基板Bに転写し、
・ 前記基板貼り付け工程を実施する前に、前記紫外線重合性化合物に対して紫外線を照射して膜を形成する、
ようにすると良い。以下、詳細に説明する。
【0042】
帯電粒子3の色を画素間で異ならせる場合において重要なのは、帯電粒子3の他の画素への移動を防止し、色の異なる帯電粒子が混ざらないようにすることである。なぜなら、一旦配置した粒子が、所定の領域から移動すると、表示時に所定の色味をつくれなくなるからである。上述のように紫外線照射を行うと、紫外線重合性化合物は泳動用分散液2から相分離した後で硬化されるため、上述のような膜がされて隔壁部材6とによって密閉空間を形成することとなり、帯電粒子の他の画素の移動を抑制することができる。尚、硬化前の紫外線重合性化合物は、液状であることが好ましく、また、本発明に関する帯電粒子3との親和性が小さく、且つ帯電粒子3を溶解しない事などが特性として必要である。そのような紫外線重合性化合物として例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1、4−ブタンジオールジグリシジルエーテルジアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、日本油脂製のブレンマーPEシリーズ)を利用できる。
【0043】
次に、電気泳動表示装置の製造方法の具体例について補足する。
【0044】
図5に示す電気泳動表示装置の場合は、基板1bの表面に第2電極4bをパターン形成し、必要に応じて絶縁層5bを形成し、隔壁部材6を形成する。他方の基板1aには、第1電極4aや絶縁層5aを形成する。その後、上述した転写工程等を実施する。なお、基板貼り付けには接着剤(熱や紫外線によって硬化する接着剤)を用いる。
【0045】
図6に示す電気泳動表示装置の場合、基板1bの表面に第1電極14a、絶縁層15a、第2電極14b、絶縁層15b及び隔壁部材6を形成する。その後、上述した転写工程等を実施する。なお、基板貼り付けには接着剤(熱や紫外線によって硬化する接着剤)を用いる。
【0046】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0047】
本実施の形態によれば、第1基板Bに付着する帯電粒子の帯電量や配置密度を制御することができ、画像表示品質の良好な電気泳動表示装置を製造することができる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0049】
(実施例1)
本実施例では、図5に示す上下移動型の電気泳動表示装置D1を作製した。
【0050】
すなわち、後方側基板1bには各画素領域に対応する部分に第2電極4bを形成し、第2電極4bを絶縁層5bにて被覆した。他方の表示側基板1aの全面には第1電極4aを形成し、第1電極4aの表面には絶縁層5aを形成した。尚、表示側基板1aには、厚さ10μmのポリカーボネート(PC)を使用し、後方側基板1bには厚さ0.5mmのステンレスを使用し、第1電極4aには透明電極であるITOを使用し、第2電極4bにはAlを使用し、絶縁層5a,5bには透明なアクリル樹脂を使用した。なお、後方側基板1b(正確には、その絶縁層5bの表面)に、高さ20μmの隔壁6を感光性エポキシ樹脂にて形成した。
【0051】
次に、図1に示す装置を用いて表示側基板1a(正確には、その絶縁層5a)に帯電粒子3及び泳動用分散液2を付着させた。
【0052】
この装置の吸着部材には、回転駆動される吸着ローラー21を用い、吸着ローラー21の周囲には、ローラー表面を一様電位に帯電させる帯電器220と、ローラー表面に光を照射して静電潜像を形成するレーザー光照射器221と、帯電粒子3や泳動用分散液2が入れられた貯蔵槽20と、を配置した。吸着ローラー21を時計回り方向に回転させると、
・ 帯電器220にてローラー表面が順次帯電され、レーザー光照射器221により光が照射されて静電潜像が形成され(潜像形成工程)、
・ 泳動用分散液2に浸漬されて帯電粒子3がローラー表面に付着される(現像工程)、
こととなる。
【0053】
一方、コロナ放電により、表示側基板1aの表面(正確には、絶縁層5aの表面)を静電潜像と同極性に帯電し、吸着ローラー21の回転に同期させて表示側基板1aを図示のように移動させた。このとき、基板1aとローラー21との最小間隙は50μmになるようにした。これにより、ローラー表面の帯電粒子3が泳動用分散液2と共に基板表面に転写された(転写工程)。
【0054】
なお、貯蔵槽20においては、帯電量の大きな帯電粒子ほどローラー表面に吸着され易く、その過程で帯電粒子の分級が行われる。尚、貯蔵槽内では帯電粒子3を適度に攪拌しておき、帯電粒子3の沈降を抑制する。
【0055】
一方、転写工程終了後のローラー21に対しては除電工程とクリーニング工程とを実施し、静電潜像や帯電粒子3等の除去を行った。
【0056】
また、転写工程終了後の表示側基板1aには適量の泳動用分散液2を追加した。
【0057】
その後、表示側基板1aに後方側基板1bを貼り付けて帯電粒子3等を封止した。
【0058】
本実施例では、泳動用分散液2には、青色染料で着色した分散液を用いた。また帯電粒子3は、白色の酸化チタンを主成分とし、これに荷電制御材を混ぜ合わせたものであって、分散液中で負極性に帯電を示すものであった。
【0059】
以上のようにして作製した表示装置は、そこに充填された帯電粒子3の帯電量は制御されており、帯電粒子3の配置密度は均一であった。そして、20Vの電位差を第1電極4aと第2電極4bとに与えて駆動したところ、粒子密度分布による表示斑がない良好な映像を表示することが出来た。
【0060】
(実施例2)
本実施例では、実施例1と同様に、図5に示す構造の電気泳動表示装置D1を作製した。
【0061】
但し、帯電粒子の転写には、図2に示す構造の装置を用いた。すなわち、貯蔵槽20の内部であって吸着ローラー21に対向する位置に吸着制御用電極23を設けておき、吸着ローラー側の電極21aと吸着制御用電極23との間に電圧を印加して、帯電粒子3の泳動速度を制御できるようにした。
【0062】
その他の構成や製造方法は実施例1と同じにした。
【0063】
本実施例によれば、帯電粒子の分級を短時間で行うことができると共に、実施例1と同様の効果が得られた。
【0064】
(実施例3)
本実施例では、実施例1と同様に、図5に示す構造の電気泳動表示装置D1を作製した。また、帯電粒子の転写には、図2に示す構造の装置を用いた。
【0065】
なお、本実施例においては、帯電粒子3を第1基板に転写する際、吸着部材21に光を照射して潜像を除去するようにした。その結果、吸着ローラー21からの粒子への引力が低減、或は解消するために、吸着ローラー21表面から帯電粒子3を第1基板にスムーズに移動させることが出来た。
【0066】
転写工程終了後のローラー21に対してはクリーニング工程を実施して帯電粒子3の除去を行った。なお、再度、転写工程終了後のローラー21に対して除電工程を実施して静電潜像の除去を行っても良い。
【0067】
その他の構成や製造方法は実施例2と同じにした。
【0068】
本実施例によれば、10Vの電位差を第1電極4aと第2電極4bとに与えて駆動したところ、粒子密度分布による表示斑がない良好な映像を表示することが出来た。
【0069】
(実施例4)
本実施例では、図6に示す水平移動型の電気泳動表示装置D2を作製した。
【0070】
すなわち、後方側基板1bのほぼ全面に第1電極14aを形成し、その表面に下側絶縁層15aを形成し、その表面であって各画素領域(微小領域)に対応する部分に第2電極14bを形成し、さらに上側絶縁層15bを形成した。そして、この絶縁層15bの表面であって、画素領域と画素領域との境界部分には高さ30μmの隔壁6をシリコーンゴムにて形成した。
【0071】
尚、後方側基板1bにはポリエチレンテレフタレート(PET)を使用し、表示側基板1aにはポリカーボネート(PC)を使用した。また、第1電極14aにはAlを用い、第2電極14bにはTiを用いた。さらに、下側絶縁層15aには酸化チタンTiO2を混入して白色散乱層としての機能を付与したアクリル樹脂を用い、上側絶縁層15bには透明アクリル樹脂を用いた。
【0072】
次に、図3に示す装置を用いて後方側基板1b(正確には、その絶縁層15b)に帯電粒子3及び泳動用分散液2を付着させた。
【0073】
図3(a) に示すように、この装置の吸着部材31は板状とし、その背後には電極31aを配置した。また、吸着部材31に対向するように、帯電器220やレーザー光照射器221や貯蔵槽30を配置した。この貯蔵槽30の底部にはノズル30aを取り付けた。
【0074】
帯電器220及びレーザー光照射器221を走査すると静電潜像が形成され(潜像形成工程)、該静電潜像には、貯蔵槽30からの帯電粒子3や泳動用分散液2が付着される。尚、貯蔵槽内では、帯電粒子3が貯蔵槽30の底に沈降してしまわないように、攪拌して置く。このようにして、所定量の帯電粒子3を吸着部材31に吸着させた後、次の転写工程に至るまでに、泳動用分散液2が蒸発してしまわないように、吸着部材31表面に泳動用分散液を吹きかける(図示なし)。
【0075】
その後、図3(b) に示すように、吸着部材31に後方側基板1bを50μm程度の隙間だけ開けて対向させ、それらの間隙に泳動用分散液2が満たされるようにした。そして、電極14aと電極31aとの間に100Vの電圧を印加して、帯電粒子3や泳動用分散液2を後方側基板1bの方へ移行させた。
【0076】
尚、泳動用分散液2には、イソパラフィン(商品名:アイソパー,エクソン社製)を用い、イソパラフィンには、荷電制御剤としてコハク酸イミド(商品名:OLOA1200、シェブロン社製)を含有させた。帯電粒子3は、粒径1〜2μm程度のカーボンブラックを含有したポリスチレン−ポリメチルメタクリレート共重合体樹脂を用い、イソパラフィン中で負極性に帯電を示すものを用いた。
【0077】
転写工程終了後の吸着部材31に対しては、除電工程やクリーニング工程を実施した。
【0078】
そして、後方側基板1bには表示側基板1aを貼り付けて、電気泳動表示装置を作製した。
【0079】
以上のようにして作製した表示装置は、そこに充填された帯電粒子3の帯電量は制御されており、またフレキシブル性のある基板1bにおいても均一な粒子密度で配置されたものであるため、12Vの電位差を第1電極14aと第2電極14bに印加して駆動させたところ、粒子密度分布による表示斑がない良好な映像を表示することが出来た。
【0080】
(実施例5)
本実施例では、図5に示す構造の電気泳動表示装置D1を作製した。但し、帯電粒子3には、イエロー、マゼンタ、シアンの3色を用い、それらを各画素に配置することとした。このため、帯電粒子の転写には、図4に示す構造の装置を用いた。
【0081】
実施例1と同様にして、後方側基板1bには第2電極4bや絶縁層5bを形成し、表示側基板1aには第1電極4aや絶縁層5aを形成した。
【0082】
次に、図4に示す装置を用いて表示側基板1a(正確には、その絶縁層5a)に帯電粒子3及び泳動用分散液2を付着させた。
【0083】
この装置の吸着部材には、回転駆動される吸着ローラー21を3つ用い、それぞれに帯電器220やレーザー光照射器221や貯蔵槽20やUV照射器25を配置した。各貯蔵槽20には各色の帯電粒子3を入れておいた。そして、実施例1と同様の方法で、潜像形成工程、現像工程及び転写工程を実施するが、表示側基板1aを図示のように移動させながら転写工程を実施することにより、順次3種類の帯電粒子3を転写するようにした。
【0084】
なお、各貯蔵槽30には紫外線重合性化合物である2−ヒドロキシエチルメタクリレートを混合しておき、この化合物が泳動用分散液2と共に基板1aに転写されるようにした。転写の際には、潜像と同極性の電荷をコロナ放電により基板1aの側に付与し、基板1aと吸着ローラー21との最小間隙を50μmとした。そして、転写された泳動用分散液2に対してUV照射器25から紫外線を照射し、分散液表面に紫外線重合性化合物膜を形成し、分散液2や帯電粒子3を封止するようにした。
【0085】
一方、転写工程終了後のローラー21に対してはクリーニング工程を実施し、帯電粒子3等の除去を行った。
【0086】
その後、表示側基板1aに後方側基板1bを貼り付けて帯電粒子3等を封止した。
【0087】
本実施例によれば、各色の帯電粒子3は混じり合うことなくそれぞれの画素に充填され、帯電量や分布密度も適正にでき、表示品位は良好になった。そして、10Vの電位差を第1電極4aと第2電極4bとに与えて駆動したところ、粒子密度分布による表示斑がない良好な映像を表示することが出来た。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、第1基板に付着する帯電粒子の帯電量や配置密度を制御することができ、画像表示品質の良好な電気泳動表示装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法の一例を説明するための模式図。
【図2】本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法の一例を説明するための模式図。
【図3】本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法の一例を説明するための模式図。
【図4】本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法の一例を説明するための模式図。
【図5】本発明にて製造される電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図。
【図6】本発明にて製造される電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1a,1b 基板
2 泳動用分散液
3 帯電粒子
4a 第1電極
4b 第2電極
6 隔壁部材
20 貯蔵槽
21 吸着ローラー(吸着部材)
22 静電潜像形成手段
30 貯蔵槽
31 吸着部材
D1 電気泳動表示装置
D2 電気泳動表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電粒子を移動させて表示を行う電気泳動表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気泳動表示装置においては、下記の項目が表示特性、特に表示斑の抑制にとって非常に重要な技術である。
【0003】
項目1)泳動用分散液中の帯電粒子が持つ帯電量を揃えること
項目2)帯電粒子の面内密度を均一にすること
項目3)所望の位置に帯電粒子を配置すること
そして、注入後の帯電粒子の密度分布を抑制するようにした技術や、帯電粒子を均一な面内密度で配置するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1,2,3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭64−86117号公報
【特許文献2】
特開平2−223935号公報
【特許文献3】
特表平8−502599号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように帯電量を均一にしたり、帯電粒子の配置密度を均一にしただけでは、表示斑を低減するのに限界があった。
【0006】
そこで、本発明は、画像表示品質の良好な電気泳動表示装置を製造する、電気泳動表示装置の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、泳動用分散液及び複数の帯電粒子を第1基板に充填し、これらの泳動用分散液及び帯電粒子を挟み込むように前記第1基板に第2基板を貼り付けて電気泳動表示装置を製造する、電気泳動表示装置の製造方法において、
吸着部材に静電潜像を形成する潜像形成工程と、該吸着部材に帯電粒子及び泳動用分散液を付着させる現像工程と、該吸着部材に付着された帯電粒子及び泳動用分散液を前記第1基板に転写する転写工程と、を実施して前記充填を行い、
その後、前記第1基板に前記第2基板を貼り付ける基板貼り付け工程を実施する、ことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
(1) まず、本発明により製造される電気泳動表示装置の構造について図5及び図6等を参照して説明する。
【0010】
本発明により製造される電気泳動表示装置は、図5及び図6に符号D1,D2で示すように、所定間隙を開けた状態に配置された一対の基板1a,1bと、これらの基板1a,1bの間隙に配置された泳動用分散液2と、該泳動用分散液2に分散された複数の帯電粒子3と、前記泳動用分散液2に沿うように配置された第1電極4a,14a及び第2電極4b,14bと、を備えており、これらの電極4a,4b又は14a,14bを介して前記泳動用分散液2に電界を作用させて前記帯電粒子3を移動させることに基づき画像を表示するように構成されている。
【0011】
この表示装置は、透過型(表示装置を透過する光を利用して画像を認識させるタイプ)としても反射型(表示装置にて反射される光を利用して画像を認識させるタイプ)としても良い。表示装置を透過型にする場合には、基板1a,1bや電極4a,4b,14a,14bや泳動用分散液2やその他の部材を透光性材料で形成する必要がある。表示装置を反射型にする場合には、光が照射される側(すなわち、観察者側)に配置される基板や電極やその他の部材は透光性材料で形成する必要がある。
【0012】
基板1a,1bに用いることができる材料としては、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエーテルスルフォン(PES)などのプラスチックや、ステンレスなどの金属を挙げることができるが、透光性が必要な場合にはガラス等を使用し、フレキシブル性を確保したい場合には、
・ ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエーテルスルフォン(PES)などのプラスチックや、
・ 薄い金属板
を用いると良い。
【0013】
一方、第1電極及び第2電極は、図5に符号4a,4bで示すように泳動用分散液2を挟み込むように別々の基板1a,1bに支持させても良く、図6に符号14a,14bで示すように一方の基板1bに支持させても良い。これらの電極に用いることができる材料としては、ITOや、AlやAgやTiなどの金属を挙げることができるが、透光性が必要な場合にはITO等を使用し、透光性が必要でない場合には金属等を使用すると良い。なお、電極を黒色にして表示に供したい場合にはTiCを用いると良い。
【0014】
ところで、これらの電極4a,4b,14a,14bを覆うように絶縁層5a,5b,15a,15bを配置すると良い。この絶縁層5a,5b,15a,15bには、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネートなどの有機材料や無機酸化膜などを用いれば良い。表示装置が反射型の場合、後方側に配置される絶縁層にアルミナ(Al2O3)や酸化チタン(TiO2)などの白色微粒子を混入して散乱層としての機能を付与しても良い。
【0015】
一方、基板1a,1bの間隙には画素と画素とを仕切るように隔壁部材6を配置すると良い。この隔壁部材6には、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴムなどの他、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などを含む感光性樹脂を用いると良い。
【0016】
さらに、帯電粒子3としては、ポリスチレン、ポリエチレンなどのポリマー樹脂を主成分とし、これにカーボンなどの着色剤を混ぜ合わせたものや、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの顔料や、ポリマー樹脂で被覆したものなどを好適に用いることができる。また、これらに必要に応じて荷電制御剤等を混ぜ合わせる。粒径は0.1〜15μm程度のものを使用できる。この帯電粒子は所定の極性に帯電させて用いる。
【0017】
またさらに、泳動用分散液2としては、シリコーンオイル、キシレン、トルエンあるいはイソパラフィンなど、帯電粒子3が良好に帯電し且つ低粘度の液体を使用する。また、泳動用分散液2と帯電粒子3の比重を合わせるために、必要に応じて比重の大きい泳動用分散液を混合する。
【0018】
ところで、上述した電気泳動表示装置での表示は、
・ 帯電粒子3が第1電極4a,14aに引き寄せられた場合に視認される色、
・ 帯電粒子3が第2電極4b,14bに引き寄せられた場合に視認される色、
の違いを利用して行う。したがって、表示装置の構成部材に色を付しておく必要がある。例えば、
・ 図5に示す表示装置の場合には、泳動用分散液2を着色しておき、帯電粒子3には分散液2とは異なる色を付しておき、帯電粒子3が第1電極4aに引き寄せられた場合には帯電粒子3の色が視認され、帯電粒子3が第2電極4bに引き寄せられた場合には泳動用分散液2の色が視認されるようにしたり、
・ 図6に示す表示装置の場合には、泳動用分散液2を透明にして基板1aの側から帯電粒子3を視認できるようにしておき、帯電粒子3や所定領域(例えば、第2電極14bが配置されている以外の領域)にそれぞれ色を付しておき、帯電粒子3が第1電極14aに引き寄せられた場合には帯電粒子3の色が視認され、帯電粒子3が第2電極14bに引き寄せられた場合には所定領域の色が視認されるようにしたり、
すると良い。
【0019】
ところで、画像は、
・ 単色表示としても、
・ 二色表示としても、
・ フルカラー表示としても、
良い。ここで、「単色表示」とは、全ての画素において第1色/背景色の切り換えを行うことによって画像を表示することを言い、「二色表示」とは、第1色/背景色の切り換えを行う画素と、第2色/背景色の切り換えを行う画素とを配置することによって画像を表示することを言い、「フルカラー表示」とは、第1色/背景色の切り換えを行う画素と、第2色/背景色の切り換えを行う画素と、第3色/背景色の切り換えを行う画素とを配置することによって画像を表示することを言う。
【0020】
ところで、上述のように二色表示やフルカラー表示を行う場合には、
・ 帯電粒子3の色を画素間で異ならせる方法(例えば、隣接される2つの画素を組として、一方の画素の帯電粒子3は赤色とし、他方の画素の帯電粒子3を白色として赤白の二色表示を行う場合)や、
・ 泳動用分散液2の色を画素間で異ならせる方法や、
・ カラーフィルターを配置する方法、
を挙げることができる。
【0021】
次に、駆動方法の例について説明する。
【0022】
図5に示す表示装置の場合、表示は電極間に電圧を印加することにより行う。例えば、正極性に帯電した帯電粒子3に対して、第1電極4aを接地し、各第2電極4bに正或は負極性の電圧を印加すると、帯電粒子3は電荷が相対的に低い電極上に集まる。この時、帯電粒子3が白色であり、帯電粒子3が第1電極4aに引き寄せられれば白色の表示を行うことができる。一方、帯電粒子3が第2電極4b上に集まれば、泳動用分散液2の色を表示できる。尚、泳動用分散液2の色は、帯電粒子3の色を十分に隠蔽できるものを選択する。
【0023】
図6に示す表示装置の場合、表示は電極間に電圧を印加することにより行う。例えば、負極性に帯電した帯電粒子3に対して、第1電極14aを接地し、各第2電極14bに正或は負極性の電圧を印加すると、帯電粒子3は電荷が相対的に高い電極上に集まる。この時、帯電粒子3及び第2電極14bが黒色であり、帯電粒子3が第2電極14b上に集まれば明るい表示を行うことができる。一方、帯電粒子3が第1電極14a上に集まれば、黒色の暗い表示を行うことができる。この場合の表示コントラストは、第1、第2電極14a,14bの面積比に大きく依存するため、コントラストを高めるためには第2電極14bの露出面積を第1電極14aのそれに対して小さくする必要があり、一般的には1:2〜1:4程度にすると良い。印加電圧は、帯電粒子3の帯電量、電極間ピッチなどによって異なるが、通常は、1〜100V程度が必要である。
【0024】
(2) 次に、本発明に係る電気泳動表示装置の製造装置について説明する。
【0025】
本発明に係る電気泳動表示装置の製造装置は、泳動用分散液2及び複数の帯電粒子3を第1基板に充填して電気泳動表示装置を製造するための装置であって、図1に符号A1で示すように、少なくとも、
・ 帯電粒子3及び泳動用分散液2が入れられた貯蔵槽20と、
・ 静電潜像が形成可能な吸着部材21と、
・ 該吸着部材21に静電潜像を形成する静電潜像形成手段22と、
を備え、
・ 前記静電潜像形成手段22により静電潜像が形成された吸着部材21を、前記貯蔵槽中の泳動用分散液2に浸漬させることにより、該吸着部材21に帯電粒子3を付着させ、
・ 該吸着部材21に付着している帯電粒子3を前記第1基板Bに転写する、
ようになっている。
【0026】
吸着部材21は、少なくとも、
・ 上述した静電潜像形成手段22に対向する第1位置と、
・ 泳動用分散液2に浸漬される第2位置と、
・ 前記第1基板Bに対向する第3位置と、
に移動自在に構成されていて、
・ 上記第1位置において静電潜像が形成され、
・ 上記第2位置において現像され、
・ 上記第3位置において転写される、
ように構成されていると良い。
【0027】
なお、図1に示す吸着部材21は、ローラー状であって、回転駆動されるに従い上記第1〜第3位置を順次取るようになっているが、他の形状(例えば、図3に符号31で示す板状や多角柱状)であっても良い。吸着部材をローラー状とした場合には、貯蔵槽20や静電潜像形成手段22は吸着部材の周囲に配置すると良い。吸着部材には感光体を使用すると良い。
【0028】
静電潜像形成手段22は、吸着部材を一様に帯電させる帯電器220と、吸着部材に光を照射する光照射器221と、によって構成すると良い。
【0029】
転写後に吸着部材を除電する手段や、同じく転写後に吸着部材に残留している帯電粒子3や泳動用分散液2を除去するクリーニング手段を配置すると良い。
【0030】
なお、図1に示す貯蔵槽20は、吸着部材21の下方に配置すると共に上側を大きく開口して該吸着部材を浸漬できるようにしているが、図3に示すように、底部にノズル30aを設けた貯蔵槽30とし、吸着部材31の上方を移動するようにしても良い。
【0031】
(3) 次に、本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法について説明する。
【0032】
本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法は、泳動用分散液2及び複数の帯電粒子3を第1基板1a(又は1b)に充填し、これらの泳動用分散液2及び帯電粒子3を挟み込むように前記第1基板1a(又は1b)に第2基板1b(又は1a)を貼り付けて電気泳動表示装置を製造する方法である。そして、泳動用分散液2及び複数の帯電粒子3の第1基板(図1の符号B参照)への充填は、
・ 吸着部材21,31に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
・ 該静電潜像を利用して該吸着部材21,31に帯電粒子3及び泳動用分散液2を付着させる現像工程と、
・ 該吸着部材21,31に付着されている帯電粒子3及び泳動用分散液2を第1基板Bに転写する転写工程と、
を実施して行い、その後、前記第1基板Bに前記第2基板を貼り付ける基板貼り付け工程を実施する、ようになっている。
【0033】
なお、本明細書において「第1基板」とは、前記転写工程が実施されて帯電粒子3が付着される方の基板を意味し、「第2基板」とは、転写工程が実施されない方の基板を意味するものとする。
【0034】
前記帯電粒子3等の転写は表示側基板(観察者側に配置される基板)に対して行っても、後方側基板(観察者側とは違う側に配置される基板)に対して行っても良い。つまり、第1基板及び第2基板のいずれを表示側基板としても後方側基板としても良い。
【0035】
また、図5に示す電気泳動表示装置の場合、第1電極4aが形成された方の基板1aに対して転写を行うようにしても(つまり、第1電極4aが形成された方の基板1aを第1基板としても)、第2電極4bが形成された方の基板1bに対して転写を行うようにしても(つまり、第2電極4bが形成された方の基板1bを第1基板としても)良い。図6に示す電気泳動表示装置の場合、電極14a,14bが形成された方の基板1bに対して転写を行うようにしても(つまり、電極14a,14bが形成された方の基板1bを第1基板としても)、電極14a,14bが形成されていない方の基板1aに対して転写を行うようにしても(つまり、電極14a,14bが形成されていない方の基板1aを第1基板としても)良い。但し、電極が形成されている方の基板(図5の場合は基板1a又は基板1b。図6の場合は基板1b)に対して転写を行い、しかも、それらの電極(すなわち、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方)を、前記転写工程を実施する前の前記第1基板に形成し、該転写工程における転写は、該形成した電極に電圧を印加することに基づき行う、ようにすると良い。また、この転写工程を実施する直前に吸着部材の静電潜像を除去しても良い。これによって、帯電粒子3の吸着部材への吸着力が無くなり、第1基板Bへの帯電粒子3の転写を円滑に行うことができる。尚、基板面と吸着部材との間隔は1〜500μmが好ましい。
【0036】
上述のように画素と画素とを隔壁部材6によって仕切る場合、該隔壁部材6は、前記転写工程を実施する前の前記第1基板Bに形成すると良い。また、各画素に異なる色の帯電粒子3を配置する場合、
・ 前記吸着部材は、前記帯電粒子3の色の数だけ用い(図4の符号21参照)、
・ それぞれの吸着部材21に対して前記潜像形成工程及び前記現像工程を実施して、異なる色の帯電粒子を各吸着部材21に付着させ、
・ それぞれの吸着部材について前記転写工程を実施して前記第1基板Bに異なる色の帯電粒子3を泳動用分散液2と共に転写し、
・ その後、前記基板貼り付け工程を実施する、
ようにすると良い。
【0037】
ところで、転写工程終了後において、
・ 前記吸着部材21,31の表面を除電し静電潜像を除去する除電工程や、
・ 吸着部材21,31に残留している帯電粒子3や泳動用分散液2を除去するクリーニング工程、
を実施すると良い。なお、前記静電潜像の除去は、前記吸着部材に対して光を照射することにより行うと良い。
【0038】
一方、前記現像工程は、帯電粒子3が分散された泳動用分散液2に前記吸着部材を浸漬させることにより実施する、と良い。吸着部材を泳動用分散液2に浸漬させると、帯電粒子3は電荷潜像(静電潜像)が形成する電位勾配に従い、電荷潜像に向かって泳動する。この泳動の過程において、帯電粒子3の分級を行うことができる。以下で、分級する方法について記す。
【0039】
1つには、吸着部材21を泳動用分散液2に浸漬しておく期間を制限する方法がある。泳動用分散液2内で泳動する帯電粒子3の帯電量は様々であり、その泳動速度は帯電量に応じて異なり、帯電量の小さな帯電粒子3は、泳動速度が比較的遅い。そのため、吸着部材の泳動用分散液への浸漬期間に制限を設けることで、吸着部材に付着する帯電粒子3の帯電量分布を制御することができるのである。その場合、図2に符号21aで示すように吸着部材の側に吸着部材側電極を配置し、符号23で示すように泳動用分散液2の側に吸着制御用電極を配置しておき、それらの電極に電圧を印加することに基づき帯電粒子2の吸着部材21への吸着を制御する(泳動速度を制御して帯電粒子3を分級する)ようにすると良い。以下、詳細に説明する。この吸着制御用の電極23に印加する電圧は、泳動用分散液2中の帯電粒子3の帯電極性と同極性にする場合と逆極性にする場合がある。同極性とした場合には、帯電粒子3の泳動速度を加速することで、浸漬期間を短縮することができる。逆極性とした場合には、吸着部材への帯電粒子3の吸着を抑制することができる。
【0040】
また1つには、吸着部材21の回転速度を制御する方法がある。帯電粒子3が持つ帯電量の大きさと帯電粒子3と吸着部材21との吸着力には相関があり、帯電量が大きいほど、その帯電粒子3と吸着部材21との吸着力は強い傾向がある。一方で、吸着部材21の回転により、吸着部材界面で発生する泳動用分散液2の対流が発生し、回転が速いほど、吸着部材界面の対流は強くなる関係がある。これらのことから、吸着部材21の回転を利用して発生させた吸着部材界面近傍での泳動用分散液2の対流が及ぼす影響で、吸着力の弱い帯電粒子を、吸着部材21から引き剥がして排除することができる。したがって、回転速度を制御することでも、吸着部材21に付着する帯電粒子3の帯電量分布を制御することができるのである。
【0041】
ところで、上述のように二色表示やフルカラー表示を行う場合であって、帯電粒子3の色を画素間で異ならせる場合には、
・ 帯電粒子3及び紫外線重合性化合物が分散された泳動用分散液2に前記吸着部材を浸漬させることにより前記現像工程を実施して、帯電粒子3や泳動用分散分2だけでなく紫外線重合性化合物を吸着部材に付着させ、
・ 前記第1基板Bに前記隔壁部材6を形成し、
・ 前記転写工程により、これらの帯電粒子3及び紫外線重合性化合物を泳動用分散液2と共に前記第1基板Bに転写し、
・ 前記基板貼り付け工程を実施する前に、前記紫外線重合性化合物に対して紫外線を照射して膜を形成する、
ようにすると良い。以下、詳細に説明する。
【0042】
帯電粒子3の色を画素間で異ならせる場合において重要なのは、帯電粒子3の他の画素への移動を防止し、色の異なる帯電粒子が混ざらないようにすることである。なぜなら、一旦配置した粒子が、所定の領域から移動すると、表示時に所定の色味をつくれなくなるからである。上述のように紫外線照射を行うと、紫外線重合性化合物は泳動用分散液2から相分離した後で硬化されるため、上述のような膜がされて隔壁部材6とによって密閉空間を形成することとなり、帯電粒子の他の画素の移動を抑制することができる。尚、硬化前の紫外線重合性化合物は、液状であることが好ましく、また、本発明に関する帯電粒子3との親和性が小さく、且つ帯電粒子3を溶解しない事などが特性として必要である。そのような紫外線重合性化合物として例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1、4−ブタンジオールジグリシジルエーテルジアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、日本油脂製のブレンマーPEシリーズ)を利用できる。
【0043】
次に、電気泳動表示装置の製造方法の具体例について補足する。
【0044】
図5に示す電気泳動表示装置の場合は、基板1bの表面に第2電極4bをパターン形成し、必要に応じて絶縁層5bを形成し、隔壁部材6を形成する。他方の基板1aには、第1電極4aや絶縁層5aを形成する。その後、上述した転写工程等を実施する。なお、基板貼り付けには接着剤(熱や紫外線によって硬化する接着剤)を用いる。
【0045】
図6に示す電気泳動表示装置の場合、基板1bの表面に第1電極14a、絶縁層15a、第2電極14b、絶縁層15b及び隔壁部材6を形成する。その後、上述した転写工程等を実施する。なお、基板貼り付けには接着剤(熱や紫外線によって硬化する接着剤)を用いる。
【0046】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0047】
本実施の形態によれば、第1基板Bに付着する帯電粒子の帯電量や配置密度を制御することができ、画像表示品質の良好な電気泳動表示装置を製造することができる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0049】
(実施例1)
本実施例では、図5に示す上下移動型の電気泳動表示装置D1を作製した。
【0050】
すなわち、後方側基板1bには各画素領域に対応する部分に第2電極4bを形成し、第2電極4bを絶縁層5bにて被覆した。他方の表示側基板1aの全面には第1電極4aを形成し、第1電極4aの表面には絶縁層5aを形成した。尚、表示側基板1aには、厚さ10μmのポリカーボネート(PC)を使用し、後方側基板1bには厚さ0.5mmのステンレスを使用し、第1電極4aには透明電極であるITOを使用し、第2電極4bにはAlを使用し、絶縁層5a,5bには透明なアクリル樹脂を使用した。なお、後方側基板1b(正確には、その絶縁層5bの表面)に、高さ20μmの隔壁6を感光性エポキシ樹脂にて形成した。
【0051】
次に、図1に示す装置を用いて表示側基板1a(正確には、その絶縁層5a)に帯電粒子3及び泳動用分散液2を付着させた。
【0052】
この装置の吸着部材には、回転駆動される吸着ローラー21を用い、吸着ローラー21の周囲には、ローラー表面を一様電位に帯電させる帯電器220と、ローラー表面に光を照射して静電潜像を形成するレーザー光照射器221と、帯電粒子3や泳動用分散液2が入れられた貯蔵槽20と、を配置した。吸着ローラー21を時計回り方向に回転させると、
・ 帯電器220にてローラー表面が順次帯電され、レーザー光照射器221により光が照射されて静電潜像が形成され(潜像形成工程)、
・ 泳動用分散液2に浸漬されて帯電粒子3がローラー表面に付着される(現像工程)、
こととなる。
【0053】
一方、コロナ放電により、表示側基板1aの表面(正確には、絶縁層5aの表面)を静電潜像と同極性に帯電し、吸着ローラー21の回転に同期させて表示側基板1aを図示のように移動させた。このとき、基板1aとローラー21との最小間隙は50μmになるようにした。これにより、ローラー表面の帯電粒子3が泳動用分散液2と共に基板表面に転写された(転写工程)。
【0054】
なお、貯蔵槽20においては、帯電量の大きな帯電粒子ほどローラー表面に吸着され易く、その過程で帯電粒子の分級が行われる。尚、貯蔵槽内では帯電粒子3を適度に攪拌しておき、帯電粒子3の沈降を抑制する。
【0055】
一方、転写工程終了後のローラー21に対しては除電工程とクリーニング工程とを実施し、静電潜像や帯電粒子3等の除去を行った。
【0056】
また、転写工程終了後の表示側基板1aには適量の泳動用分散液2を追加した。
【0057】
その後、表示側基板1aに後方側基板1bを貼り付けて帯電粒子3等を封止した。
【0058】
本実施例では、泳動用分散液2には、青色染料で着色した分散液を用いた。また帯電粒子3は、白色の酸化チタンを主成分とし、これに荷電制御材を混ぜ合わせたものであって、分散液中で負極性に帯電を示すものであった。
【0059】
以上のようにして作製した表示装置は、そこに充填された帯電粒子3の帯電量は制御されており、帯電粒子3の配置密度は均一であった。そして、20Vの電位差を第1電極4aと第2電極4bとに与えて駆動したところ、粒子密度分布による表示斑がない良好な映像を表示することが出来た。
【0060】
(実施例2)
本実施例では、実施例1と同様に、図5に示す構造の電気泳動表示装置D1を作製した。
【0061】
但し、帯電粒子の転写には、図2に示す構造の装置を用いた。すなわち、貯蔵槽20の内部であって吸着ローラー21に対向する位置に吸着制御用電極23を設けておき、吸着ローラー側の電極21aと吸着制御用電極23との間に電圧を印加して、帯電粒子3の泳動速度を制御できるようにした。
【0062】
その他の構成や製造方法は実施例1と同じにした。
【0063】
本実施例によれば、帯電粒子の分級を短時間で行うことができると共に、実施例1と同様の効果が得られた。
【0064】
(実施例3)
本実施例では、実施例1と同様に、図5に示す構造の電気泳動表示装置D1を作製した。また、帯電粒子の転写には、図2に示す構造の装置を用いた。
【0065】
なお、本実施例においては、帯電粒子3を第1基板に転写する際、吸着部材21に光を照射して潜像を除去するようにした。その結果、吸着ローラー21からの粒子への引力が低減、或は解消するために、吸着ローラー21表面から帯電粒子3を第1基板にスムーズに移動させることが出来た。
【0066】
転写工程終了後のローラー21に対してはクリーニング工程を実施して帯電粒子3の除去を行った。なお、再度、転写工程終了後のローラー21に対して除電工程を実施して静電潜像の除去を行っても良い。
【0067】
その他の構成や製造方法は実施例2と同じにした。
【0068】
本実施例によれば、10Vの電位差を第1電極4aと第2電極4bとに与えて駆動したところ、粒子密度分布による表示斑がない良好な映像を表示することが出来た。
【0069】
(実施例4)
本実施例では、図6に示す水平移動型の電気泳動表示装置D2を作製した。
【0070】
すなわち、後方側基板1bのほぼ全面に第1電極14aを形成し、その表面に下側絶縁層15aを形成し、その表面であって各画素領域(微小領域)に対応する部分に第2電極14bを形成し、さらに上側絶縁層15bを形成した。そして、この絶縁層15bの表面であって、画素領域と画素領域との境界部分には高さ30μmの隔壁6をシリコーンゴムにて形成した。
【0071】
尚、後方側基板1bにはポリエチレンテレフタレート(PET)を使用し、表示側基板1aにはポリカーボネート(PC)を使用した。また、第1電極14aにはAlを用い、第2電極14bにはTiを用いた。さらに、下側絶縁層15aには酸化チタンTiO2を混入して白色散乱層としての機能を付与したアクリル樹脂を用い、上側絶縁層15bには透明アクリル樹脂を用いた。
【0072】
次に、図3に示す装置を用いて後方側基板1b(正確には、その絶縁層15b)に帯電粒子3及び泳動用分散液2を付着させた。
【0073】
図3(a) に示すように、この装置の吸着部材31は板状とし、その背後には電極31aを配置した。また、吸着部材31に対向するように、帯電器220やレーザー光照射器221や貯蔵槽30を配置した。この貯蔵槽30の底部にはノズル30aを取り付けた。
【0074】
帯電器220及びレーザー光照射器221を走査すると静電潜像が形成され(潜像形成工程)、該静電潜像には、貯蔵槽30からの帯電粒子3や泳動用分散液2が付着される。尚、貯蔵槽内では、帯電粒子3が貯蔵槽30の底に沈降してしまわないように、攪拌して置く。このようにして、所定量の帯電粒子3を吸着部材31に吸着させた後、次の転写工程に至るまでに、泳動用分散液2が蒸発してしまわないように、吸着部材31表面に泳動用分散液を吹きかける(図示なし)。
【0075】
その後、図3(b) に示すように、吸着部材31に後方側基板1bを50μm程度の隙間だけ開けて対向させ、それらの間隙に泳動用分散液2が満たされるようにした。そして、電極14aと電極31aとの間に100Vの電圧を印加して、帯電粒子3や泳動用分散液2を後方側基板1bの方へ移行させた。
【0076】
尚、泳動用分散液2には、イソパラフィン(商品名:アイソパー,エクソン社製)を用い、イソパラフィンには、荷電制御剤としてコハク酸イミド(商品名:OLOA1200、シェブロン社製)を含有させた。帯電粒子3は、粒径1〜2μm程度のカーボンブラックを含有したポリスチレン−ポリメチルメタクリレート共重合体樹脂を用い、イソパラフィン中で負極性に帯電を示すものを用いた。
【0077】
転写工程終了後の吸着部材31に対しては、除電工程やクリーニング工程を実施した。
【0078】
そして、後方側基板1bには表示側基板1aを貼り付けて、電気泳動表示装置を作製した。
【0079】
以上のようにして作製した表示装置は、そこに充填された帯電粒子3の帯電量は制御されており、またフレキシブル性のある基板1bにおいても均一な粒子密度で配置されたものであるため、12Vの電位差を第1電極14aと第2電極14bに印加して駆動させたところ、粒子密度分布による表示斑がない良好な映像を表示することが出来た。
【0080】
(実施例5)
本実施例では、図5に示す構造の電気泳動表示装置D1を作製した。但し、帯電粒子3には、イエロー、マゼンタ、シアンの3色を用い、それらを各画素に配置することとした。このため、帯電粒子の転写には、図4に示す構造の装置を用いた。
【0081】
実施例1と同様にして、後方側基板1bには第2電極4bや絶縁層5bを形成し、表示側基板1aには第1電極4aや絶縁層5aを形成した。
【0082】
次に、図4に示す装置を用いて表示側基板1a(正確には、その絶縁層5a)に帯電粒子3及び泳動用分散液2を付着させた。
【0083】
この装置の吸着部材には、回転駆動される吸着ローラー21を3つ用い、それぞれに帯電器220やレーザー光照射器221や貯蔵槽20やUV照射器25を配置した。各貯蔵槽20には各色の帯電粒子3を入れておいた。そして、実施例1と同様の方法で、潜像形成工程、現像工程及び転写工程を実施するが、表示側基板1aを図示のように移動させながら転写工程を実施することにより、順次3種類の帯電粒子3を転写するようにした。
【0084】
なお、各貯蔵槽30には紫外線重合性化合物である2−ヒドロキシエチルメタクリレートを混合しておき、この化合物が泳動用分散液2と共に基板1aに転写されるようにした。転写の際には、潜像と同極性の電荷をコロナ放電により基板1aの側に付与し、基板1aと吸着ローラー21との最小間隙を50μmとした。そして、転写された泳動用分散液2に対してUV照射器25から紫外線を照射し、分散液表面に紫外線重合性化合物膜を形成し、分散液2や帯電粒子3を封止するようにした。
【0085】
一方、転写工程終了後のローラー21に対してはクリーニング工程を実施し、帯電粒子3等の除去を行った。
【0086】
その後、表示側基板1aに後方側基板1bを貼り付けて帯電粒子3等を封止した。
【0087】
本実施例によれば、各色の帯電粒子3は混じり合うことなくそれぞれの画素に充填され、帯電量や分布密度も適正にでき、表示品位は良好になった。そして、10Vの電位差を第1電極4aと第2電極4bとに与えて駆動したところ、粒子密度分布による表示斑がない良好な映像を表示することが出来た。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、第1基板に付着する帯電粒子の帯電量や配置密度を制御することができ、画像表示品質の良好な電気泳動表示装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法の一例を説明するための模式図。
【図2】本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法の一例を説明するための模式図。
【図3】本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法の一例を説明するための模式図。
【図4】本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法の一例を説明するための模式図。
【図5】本発明にて製造される電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図。
【図6】本発明にて製造される電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1a,1b 基板
2 泳動用分散液
3 帯電粒子
4a 第1電極
4b 第2電極
6 隔壁部材
20 貯蔵槽
21 吸着ローラー(吸着部材)
22 静電潜像形成手段
30 貯蔵槽
31 吸着部材
D1 電気泳動表示装置
D2 電気泳動表示装置
Claims (1)
- 泳動用分散液及び複数の帯電粒子を第1基板及び第2基板に挟持させて電気泳動表示装置を製造する、電気泳動表示装置の製造方法において、
吸着部材に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
該吸着部材に帯電粒子及び泳動用分散液を付着させる現像工程と、
該吸着部材に付着された帯電粒子及び泳動用分散液を前記第2基板に転写する転写工程と、
該帯電粒子及び泳動用分散液を封止するように前記第2基板に前記第1基板を貼り付ける基板貼り付け工程と、
を順に実施する、
ことを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
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