JP2004234748A - 複合光学素子、およびそれを用いた光ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの光学素子に対する集積度を高めることにより光学部品の使用点数の削減を図るとともに、光の偏光状態を確実に制御することのできる光学素子、およびこの光学素子を用いた光ヘッド装置を提供すること。
【解決手段】複合光学素子10は、互いに平行な面が第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17とされた透明な第1の基材11と、第1の基材11に対して第1の部分反射面15側に接合された透明な直角三角柱状の第2の基材12と、第1の基材11に対して第2の部分反射面17側に接合された透明な直角三角柱状の第3の基材13とを有する直方体形状のプリズムである。複合光学素子10において、第1の部分反射面15と第2の基材12との間には第1の1/2波長板16が接着固定され、第2の部分反射面17と第1の基材11との間には第2の1/2波長板18が接着固定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】複合光学素子10は、互いに平行な面が第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17とされた透明な第1の基材11と、第1の基材11に対して第1の部分反射面15側に接合された透明な直角三角柱状の第2の基材12と、第1の基材11に対して第2の部分反射面17側に接合された透明な直角三角柱状の第3の基材13とを有する直方体形状のプリズムである。複合光学素子10において、第1の部分反射面15と第2の基材12との間には第1の1/2波長板16が接着固定され、第2の部分反射面17と第1の基材11との間には第2の1/2波長板18が接着固定されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の機能を備えた複合光学素子、およびこの複合光学素子を用いた光ヘッド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光記録媒体に情報を記録、再生するための光ヘッド装置では、個々の機能に合わせて単体部品を構成し、それを個別光学部品として使用していたが、これらの個別光学部品を用いて光学系を構成すると、部品点数が多くなるとともに、大型化かつ重量化してしまうという問題点がある。
【0003】
そこで、近年、一つの光学素子に対して部分反射面と位相差板とを形成したものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。また、部分反射面を形成した複数の光学素子を接合して一体化した複合光学素子も案出されている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−151801号(第3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平9−80211号(第7頁−第8頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献などに記載の複合光学素子では、1つの光学素子に対する集積度が低いため、それを用いた光ヘッド装置では、光学部品の使用点数が多いという問題点がある。また、上記特許文献などに記載の複合光学素子では、位相板を光が1回ずつしか通過しないため、光の偏光状態を制御するには、位相板をさらに追加する必要があるという問題点がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、1つの光学素子に対する集積度を高めることにより光学部品の使用点数の削減を図るとともに、光の偏光状態を確実に制御することのできる光学素子、およびこの光学素子を用いた光ヘッド装置を提供することにある。
【0007】
【課題解決するための手段】
上記課題を解消するために、本発明に係る複合光学素子では、第1の入射光を共通光路に導く第1の部分反射面と、第2の入射光を前記共通光路に導く第2の部分反射面とを備えた透明な第1の基材を有し、当該第1の基材の前記第1の部分反射面には第1の1/2波長板が構成され、前記第2の部分反射面と前記第1の基材との間には第2の1/2波長板が構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る複合光学素子は、2つの部分反射面を備えているとともに、各部分反射面に1/2波長板が構成されている。このため、部分反射面に向けてP偏光光を導くと、P偏光の反射光を得ることができるとともに、S偏光の透過光を得ることができる。しかも、このような部分反射面を2つ備えているので、各部分反射面で光を反射させるか、あるいは透過させるかによって、本発明に係る複合光学素子一つで所望の偏光光を得ることができるとともに、光学部品の使用点数の削減を図ることができる。
【0009】
本発明において、前記第1の1/2波長板としては、前記第1の部分反射面に貼り付けられた第1の樹脂フィルムを用いることができ、前記第2の1/2波長板としては、前記第2の部分反射面と前記第1の基材との間に貼り付けられた第2の樹脂フィルムを用いることができる。
【0010】
本発明において、前記第1の部分反射面には前記第1の1/2波長板を介して透明な第2の基材が接合され、前記第2の部分反射面には第3の基材が接合され、前記第1の基材、前記第2の基材、および前記第3の基材は、互いに接合された状態で直方体形状の複合プリズムを構成していることが好ましい。
【0011】
本発明に係る複合光学素子は、光ヘッド装置の光路合成素子として用いることができ、この場合、光ヘッド装置には、前記複合光学素子の前記第1の部分反射面に向けて前記第1の入射光としての第1のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、前記複合光学素子の前記第2の部分反射面に向けて前記第2の入射光としての第2のレーザ光を出射する第2のレーザ光源と、前記共通光路を介して前記複合光学素子に入射して前記第1の部分反射面および前記第2の部分反射面を透過してきた光記録媒体からの戻り光を受光する受光素子とが用いられる。このように構成すると、複合光学素子において、部分反射面で反射するたびにP偏光光をP偏光光のままで偏向させることができるとともに、部分反射面を透過するたびにP偏光光をS偏光光に変換、あるいはS偏光光をP偏光光に変換することができる。従って、少ない部品点数で第1のレーザ光源および第2のレーザ光源から出射された第1のレーザ光および第2のレーザ光の偏光状態を確実に制御することができる。
【0012】
本発明において、前記複合光学素子における前記共通光路への出射面側には1/4波長板が配置されていることが好ましい。このように構成すると、前記複合光学素子からP偏光光が出射された場合でも、このP偏光光を1/4波長板によって円偏光に変換してから、光記録媒体に収束させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明を適用した複合光学素子、およびこの複合光学素子を用いた光ヘッド装置を説明する。
【0014】
図1(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した複合光学素子、およびこの複合光学素子を用いた光ヘッド装置の説明図である。図2(A)〜(D)はそれぞれ、図1(B)に示す光ヘッド装置において第1のレーザ光源から光記録媒体に向かう第1のレーザ光の偏光状態を示す説明図、第2のレーザ光源から光記録媒体に向かう第2のレーザ光の偏光状態を示す説明図、第1のレーザ光が光記録媒体で反射して受光素子に戻り光として戻る際の偏光状態を示す説明図、および第2のレーザ光が光記録媒体で反射して受光素子に戻り光として戻る際の偏光状態を示す説明図である。
【0015】
図1(A)(B)において、本形態の複合光学素子10は、互いに平行な面が第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17とされた透明な第1の基材11と、第1の基材11に対して第1の部分反射面15の側に接合された透明な直角三角柱状の第2の基材12と、第1の基材11に対して第2の部分反射面17の側に接合された透明な直角三角柱状の第3の基材13とを有する直方体形状のプリズムであり、第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17が装置光軸に対して45°の角度をなすように配置される。
【0016】
また、複合光学素子10において、第1の部分反射面15と第2の基材12との間には第1の1/2波長板16が接着固定され、第2の部分反射面17と第1の基材11との間には第2の1/2波長板18が接着固定されている。
【0017】
ここで、第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17はいずれも、S偏光光に対する反射率がP偏光光に対する反射率よりも高く、P偏光光に対する透過率はS偏光光に対する透過率よりも高い。例えば、第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17はいずれも、P偏光光を30%反射する一方、70%透過し、S偏光光を70%反射する一方、30%透過する誘電体膜などによって構成されている。
【0018】
第1の1/2波長板16、および第2の1/2波長板18としては、水晶などの結晶体、斜め蒸着膜、樹脂フィルムを用いることができるが、本形態では、第1の1/2波長板16としては、第1の基材11の第1の部分反射面15、および第2の基材12の双方に接着剤により接合された第1の樹脂フィルムが用いられ、第2の1/2波長板18としては、第2の部分反射面17、および第1の基材11の双方に接着剤により接合された第2の樹脂フィルムが用いられている。
【0019】
このように構成した複合光学素子10を光路合成用素子として用いた光ヘッド装置1では、図1(B)に示すように、第1の部分反射面15に向けてP偏光光の第1のレーザ光L1を出射するレーザダイオードからなる第1のレーザ光源2が配置されるとともに、複合光学素子10に対して第1のレーザ光源2と同じ側において、第2の部分反射面17に向けてP偏光光の第2のレーザ光L2を出射するレーザダイオードからなる第2のレーザ光源3が配置される。第1のレーザ光源2は、DVDの記録再生用であり、波長650nmあるいは635nmの第1のレーザ光L1を出射する。一方、第2のレーザ光源3は、CDおよびCD−Rの記録再生用であり、波長780〜800nmの第2のレーザ光L2を出射する。
【0020】
また、複合光学素子10から光記録媒体6に向かう共通光路20上には、1/4波長板4、および対物レンズ5が配置されている。また、光記録媒体6で反射したレーザ光は、戻り光として再び、対物レンズ5、1/4波長板4、および複合光学素子10を通り、受光素子7に到るように構成されている。なお、光ヘッド装置1では、上記の光学素子の他にも、回折格子、コリメートレンズ、センサーレンズなどが配置されるが、これらの光学素子などについての説明を省略する。
【0021】
このように構成した光ヘッド装置1においては、図2(A)に示すように、第1のレーザ光源2から出射された第1のレーザ光L1は、P偏光光の第1の入射光として複合光学素子10に入射し、まず、第1の1/2波長板16によってS偏光光として第1の部分反射面15に到達する。そして、第1の部分反射面15に到達した第1のレーザ光L1は、第1の部分反射面15で光軸が90°折り曲げられて、再び第1の1/2波長板16を通る。従って、第1のレーザ光L1は、P偏光光に変換されてから、共通光軸20上に出射される。しかる後に、第1のレーザ光L1は、共通光軸20上で1/4波長板4によって円偏光に変換された後、対物レンズ5を介して光記録媒体6上に収束し、情報の再生、記録を行う。
【0022】
これに対して、図2(B)に示すように、第2のレーザ光源3から出射された第2のレーザ光L2は、P偏光光の第2の入射光として複合光学素子10に入射し、まず、第2の1/2波長板18によってS偏光光として第2の部分反射面17に到達する。そして、第2の部分反射面17に到達した第1のレーザ光L1は、第2の部分反射面17で光軸が90°折り曲げられて、再び第2の1/2波長板18を通る。従って、第2のレーザ光L2は、第2の1/2波長板18によってP偏光光に変換されてから、第1の部分反射面15および第1の1/2波長板16を通過する際、S偏光光に変換され、しかる後に、共通光軸20に出射される。そして、第2のレーザ光L2は、共通光軸20上で1/4波長板4によって円偏光に変換された後、対物レンズ5を介して光記録媒体6上に収束し、情報の再生、記録を行う。
【0023】
一方、光記録媒体6で反射した光は、戻り光として共通光軸20上を辿って、受光素子7に向かう。その際、図2(C)に示すように、第1のレーザ光L1の戻り光は、1/4波長板4によってS偏光光に変換された後、複合光学素子10に入射する。そして、第1の1/2波長板16によってP偏光光に変換された後、第1の部分反射面15を透過し、次に、第2の1/2波長板18によってS偏光光に変換された後、第2の部分反射面17を透過し、しかる後に受光素子7に到る。
【0024】
これに対して、図2(D)に示すように、光記録媒体6で反射した第2のレーザ光L2の戻り光は、共通光軸20上を辿って受光素子7に向かう際、まず、1/4波長板4によってP偏光光として複合光学素子10に入射する。そして、第1の1/2波長板16によってS偏光光に変換された後、第1の部分反射面15を透過し、次に、第2の1/2波長板18によってP偏光光に変換された後、第2の部分反射面17を透過し、しかる後に受光素子7に到る。
【0025】
このように、本形態の光ヘッド装置1では、第1のレーザ光源2、および第2のレーザ光源3から出射された第1のレーザ光L1、および第2のレーザ光L2は、光記録媒体6に向かう際、第1の部分反射面15あるいは第2の部分反射面17で反射される際、反射効率の高いS偏光光になっている。また、第2のレーザ光L2は、第2の部分反射面17で反射した後、第1の部分反射面15を透過する際、透過効率の高いP偏光光になっている。それ故、本形態の光ヘッド装置1では、第1のレーザ光L1、および第2のレーザ光L2が光記録媒体6に向かう際、大きなパワーで光記録媒体6に記録を行うことができる。
【0026】
一方、大きなパワーで記録を行う際、レーザ光が光記録媒体6で反射して大きなパワーのままで受光素子7に届くと、誤動作や受光素子7の劣化を招く。しかるに本形態の光ヘッド装置1では、第1のレーザ光L1が光記録媒体6で反射して受光素子7に向かう際、第2の部分反射面17を透過するときは透過効率の高いP偏光光になっているが、第1の部分反射面15を透過するときは透過効率の低いS偏光光になっている。また、第2のレーザ光L2が光記録媒体6で反射して受光素子7に向かう際、第1の部分反射面15を透過するときは透過効率の高いP偏光光になっているが、第2の部分反射面17を透過するときは透過効率の低いS偏光光になっている。それ故、記録を行う際、光記録媒体6で反射したレーザ光が大きなパワーで受光素子7に届くということがないので、受光素子7の誤動作や受光素子7の劣化を防止することができる。
【0027】
また、本形態では、1つの複合光学素子10に、2つの部分反射面15、17が形成されているとともに、各部分反射面15、17に1/2波長板16、18が構成されている。このため、1つの複合光学素子10によって光路合成素子を構成できる。また、各部分反射面15、17に1/2波長板16、18が構成されているので、部分反射面15、17で反射するたびにP偏光光をP偏光光のままで偏向させることができるとともに、部分反射面15、17を透過するたびにP偏光光をS偏光光に変換、あるいはS偏光光をP偏光光に変換することができる。従って、光ヘッド装置1を構成する際、光学部品の使用点数の削減を図るとともに、光の偏光状態を確実に制御することができる。
【0028】
[その他の実施の形態]
なお、上記形態では、共通光路20に複合光学素子10とは別体の1/4波長板4を配置したが、図3に示すように、複合光学素子10の光記録媒体6側に位置する端面に樹脂フィルムからなる1/4波長板4を貼り付けてもよい。
【0029】
また、上記形態では、第1の基材11として平板状のものを用いたが、図4に示すように、三角柱状の第1の基材11を用い、その2つの斜面に第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17を形成するとともに、第1の部分反射面15に第1の1/2波長板16を貼り付け、第1の基材11と第2の部分反射面17との間に第2の1/2波長板18を貼り付けてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る複合光学素子は、2つの部分反射面を備えているとともに、各部分反射面に1/2波長板が構成されている。このため、部分反射面に向けてP偏光光を導くと、P偏光の反射光を得ることができるとともに、S偏光の透過光を得ることができる。しかも、このような部分反射面を2つ備えているので、各部分反射面で光を反射させるか、あるいは透過させるかによって、本発明に係る複合光学素子一つで所望の偏光光を得ることができるとともに、光学部品の使用点数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した複合光学素子、およびこの複合光学素子を用いた光ヘッド装置の説明図である。
【図2】(A)〜(D)はそれぞれ、図1(B)に示す光ヘッド装置において第1のレーザ光源から光記録媒体に向かう第1のレーザ光の偏光状態を示す説明図、第2のレーザ光源から光記録媒体に向かう第2のレーザ光の偏光状態を示す説明図、第1のレーザ光が光記録媒体で反射して受光素子に戻り光として戻る際の偏光状態を示す説明図、および第2のレーザ光が光記録媒体で反射して受光素子に戻り光として戻る際の偏光状態を示す説明図である。
【図3】本発明を適用した別の複合光学素子の説明図である。
【図4】本発明を適用したさらに別の複合光学素子の説明図である。
【符号の説明】
1 光ヘッド装置
2 第1のレーザ光源
3 第2のレーザ光源
4 1/4波長板
5 対物レンズ
6 光記録媒体
10 複合光学素子
11 第1の基材
12 第2の基材
13 第3の基材
15 第1の部分反射面
16 第1の1/2波長板
17 第2の部分反射面
18 第2の1/2波長板
20 共通光路
L1 第1のレーザ光
L2 第2のレーザ光
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の機能を備えた複合光学素子、およびこの複合光学素子を用いた光ヘッド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光記録媒体に情報を記録、再生するための光ヘッド装置では、個々の機能に合わせて単体部品を構成し、それを個別光学部品として使用していたが、これらの個別光学部品を用いて光学系を構成すると、部品点数が多くなるとともに、大型化かつ重量化してしまうという問題点がある。
【0003】
そこで、近年、一つの光学素子に対して部分反射面と位相差板とを形成したものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。また、部分反射面を形成した複数の光学素子を接合して一体化した複合光学素子も案出されている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−151801号(第3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平9−80211号(第7頁−第8頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献などに記載の複合光学素子では、1つの光学素子に対する集積度が低いため、それを用いた光ヘッド装置では、光学部品の使用点数が多いという問題点がある。また、上記特許文献などに記載の複合光学素子では、位相板を光が1回ずつしか通過しないため、光の偏光状態を制御するには、位相板をさらに追加する必要があるという問題点がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、1つの光学素子に対する集積度を高めることにより光学部品の使用点数の削減を図るとともに、光の偏光状態を確実に制御することのできる光学素子、およびこの光学素子を用いた光ヘッド装置を提供することにある。
【0007】
【課題解決するための手段】
上記課題を解消するために、本発明に係る複合光学素子では、第1の入射光を共通光路に導く第1の部分反射面と、第2の入射光を前記共通光路に導く第2の部分反射面とを備えた透明な第1の基材を有し、当該第1の基材の前記第1の部分反射面には第1の1/2波長板が構成され、前記第2の部分反射面と前記第1の基材との間には第2の1/2波長板が構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る複合光学素子は、2つの部分反射面を備えているとともに、各部分反射面に1/2波長板が構成されている。このため、部分反射面に向けてP偏光光を導くと、P偏光の反射光を得ることができるとともに、S偏光の透過光を得ることができる。しかも、このような部分反射面を2つ備えているので、各部分反射面で光を反射させるか、あるいは透過させるかによって、本発明に係る複合光学素子一つで所望の偏光光を得ることができるとともに、光学部品の使用点数の削減を図ることができる。
【0009】
本発明において、前記第1の1/2波長板としては、前記第1の部分反射面に貼り付けられた第1の樹脂フィルムを用いることができ、前記第2の1/2波長板としては、前記第2の部分反射面と前記第1の基材との間に貼り付けられた第2の樹脂フィルムを用いることができる。
【0010】
本発明において、前記第1の部分反射面には前記第1の1/2波長板を介して透明な第2の基材が接合され、前記第2の部分反射面には第3の基材が接合され、前記第1の基材、前記第2の基材、および前記第3の基材は、互いに接合された状態で直方体形状の複合プリズムを構成していることが好ましい。
【0011】
本発明に係る複合光学素子は、光ヘッド装置の光路合成素子として用いることができ、この場合、光ヘッド装置には、前記複合光学素子の前記第1の部分反射面に向けて前記第1の入射光としての第1のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、前記複合光学素子の前記第2の部分反射面に向けて前記第2の入射光としての第2のレーザ光を出射する第2のレーザ光源と、前記共通光路を介して前記複合光学素子に入射して前記第1の部分反射面および前記第2の部分反射面を透過してきた光記録媒体からの戻り光を受光する受光素子とが用いられる。このように構成すると、複合光学素子において、部分反射面で反射するたびにP偏光光をP偏光光のままで偏向させることができるとともに、部分反射面を透過するたびにP偏光光をS偏光光に変換、あるいはS偏光光をP偏光光に変換することができる。従って、少ない部品点数で第1のレーザ光源および第2のレーザ光源から出射された第1のレーザ光および第2のレーザ光の偏光状態を確実に制御することができる。
【0012】
本発明において、前記複合光学素子における前記共通光路への出射面側には1/4波長板が配置されていることが好ましい。このように構成すると、前記複合光学素子からP偏光光が出射された場合でも、このP偏光光を1/4波長板によって円偏光に変換してから、光記録媒体に収束させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明を適用した複合光学素子、およびこの複合光学素子を用いた光ヘッド装置を説明する。
【0014】
図1(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した複合光学素子、およびこの複合光学素子を用いた光ヘッド装置の説明図である。図2(A)〜(D)はそれぞれ、図1(B)に示す光ヘッド装置において第1のレーザ光源から光記録媒体に向かう第1のレーザ光の偏光状態を示す説明図、第2のレーザ光源から光記録媒体に向かう第2のレーザ光の偏光状態を示す説明図、第1のレーザ光が光記録媒体で反射して受光素子に戻り光として戻る際の偏光状態を示す説明図、および第2のレーザ光が光記録媒体で反射して受光素子に戻り光として戻る際の偏光状態を示す説明図である。
【0015】
図1(A)(B)において、本形態の複合光学素子10は、互いに平行な面が第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17とされた透明な第1の基材11と、第1の基材11に対して第1の部分反射面15の側に接合された透明な直角三角柱状の第2の基材12と、第1の基材11に対して第2の部分反射面17の側に接合された透明な直角三角柱状の第3の基材13とを有する直方体形状のプリズムであり、第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17が装置光軸に対して45°の角度をなすように配置される。
【0016】
また、複合光学素子10において、第1の部分反射面15と第2の基材12との間には第1の1/2波長板16が接着固定され、第2の部分反射面17と第1の基材11との間には第2の1/2波長板18が接着固定されている。
【0017】
ここで、第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17はいずれも、S偏光光に対する反射率がP偏光光に対する反射率よりも高く、P偏光光に対する透過率はS偏光光に対する透過率よりも高い。例えば、第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17はいずれも、P偏光光を30%反射する一方、70%透過し、S偏光光を70%反射する一方、30%透過する誘電体膜などによって構成されている。
【0018】
第1の1/2波長板16、および第2の1/2波長板18としては、水晶などの結晶体、斜め蒸着膜、樹脂フィルムを用いることができるが、本形態では、第1の1/2波長板16としては、第1の基材11の第1の部分反射面15、および第2の基材12の双方に接着剤により接合された第1の樹脂フィルムが用いられ、第2の1/2波長板18としては、第2の部分反射面17、および第1の基材11の双方に接着剤により接合された第2の樹脂フィルムが用いられている。
【0019】
このように構成した複合光学素子10を光路合成用素子として用いた光ヘッド装置1では、図1(B)に示すように、第1の部分反射面15に向けてP偏光光の第1のレーザ光L1を出射するレーザダイオードからなる第1のレーザ光源2が配置されるとともに、複合光学素子10に対して第1のレーザ光源2と同じ側において、第2の部分反射面17に向けてP偏光光の第2のレーザ光L2を出射するレーザダイオードからなる第2のレーザ光源3が配置される。第1のレーザ光源2は、DVDの記録再生用であり、波長650nmあるいは635nmの第1のレーザ光L1を出射する。一方、第2のレーザ光源3は、CDおよびCD−Rの記録再生用であり、波長780〜800nmの第2のレーザ光L2を出射する。
【0020】
また、複合光学素子10から光記録媒体6に向かう共通光路20上には、1/4波長板4、および対物レンズ5が配置されている。また、光記録媒体6で反射したレーザ光は、戻り光として再び、対物レンズ5、1/4波長板4、および複合光学素子10を通り、受光素子7に到るように構成されている。なお、光ヘッド装置1では、上記の光学素子の他にも、回折格子、コリメートレンズ、センサーレンズなどが配置されるが、これらの光学素子などについての説明を省略する。
【0021】
このように構成した光ヘッド装置1においては、図2(A)に示すように、第1のレーザ光源2から出射された第1のレーザ光L1は、P偏光光の第1の入射光として複合光学素子10に入射し、まず、第1の1/2波長板16によってS偏光光として第1の部分反射面15に到達する。そして、第1の部分反射面15に到達した第1のレーザ光L1は、第1の部分反射面15で光軸が90°折り曲げられて、再び第1の1/2波長板16を通る。従って、第1のレーザ光L1は、P偏光光に変換されてから、共通光軸20上に出射される。しかる後に、第1のレーザ光L1は、共通光軸20上で1/4波長板4によって円偏光に変換された後、対物レンズ5を介して光記録媒体6上に収束し、情報の再生、記録を行う。
【0022】
これに対して、図2(B)に示すように、第2のレーザ光源3から出射された第2のレーザ光L2は、P偏光光の第2の入射光として複合光学素子10に入射し、まず、第2の1/2波長板18によってS偏光光として第2の部分反射面17に到達する。そして、第2の部分反射面17に到達した第1のレーザ光L1は、第2の部分反射面17で光軸が90°折り曲げられて、再び第2の1/2波長板18を通る。従って、第2のレーザ光L2は、第2の1/2波長板18によってP偏光光に変換されてから、第1の部分反射面15および第1の1/2波長板16を通過する際、S偏光光に変換され、しかる後に、共通光軸20に出射される。そして、第2のレーザ光L2は、共通光軸20上で1/4波長板4によって円偏光に変換された後、対物レンズ5を介して光記録媒体6上に収束し、情報の再生、記録を行う。
【0023】
一方、光記録媒体6で反射した光は、戻り光として共通光軸20上を辿って、受光素子7に向かう。その際、図2(C)に示すように、第1のレーザ光L1の戻り光は、1/4波長板4によってS偏光光に変換された後、複合光学素子10に入射する。そして、第1の1/2波長板16によってP偏光光に変換された後、第1の部分反射面15を透過し、次に、第2の1/2波長板18によってS偏光光に変換された後、第2の部分反射面17を透過し、しかる後に受光素子7に到る。
【0024】
これに対して、図2(D)に示すように、光記録媒体6で反射した第2のレーザ光L2の戻り光は、共通光軸20上を辿って受光素子7に向かう際、まず、1/4波長板4によってP偏光光として複合光学素子10に入射する。そして、第1の1/2波長板16によってS偏光光に変換された後、第1の部分反射面15を透過し、次に、第2の1/2波長板18によってP偏光光に変換された後、第2の部分反射面17を透過し、しかる後に受光素子7に到る。
【0025】
このように、本形態の光ヘッド装置1では、第1のレーザ光源2、および第2のレーザ光源3から出射された第1のレーザ光L1、および第2のレーザ光L2は、光記録媒体6に向かう際、第1の部分反射面15あるいは第2の部分反射面17で反射される際、反射効率の高いS偏光光になっている。また、第2のレーザ光L2は、第2の部分反射面17で反射した後、第1の部分反射面15を透過する際、透過効率の高いP偏光光になっている。それ故、本形態の光ヘッド装置1では、第1のレーザ光L1、および第2のレーザ光L2が光記録媒体6に向かう際、大きなパワーで光記録媒体6に記録を行うことができる。
【0026】
一方、大きなパワーで記録を行う際、レーザ光が光記録媒体6で反射して大きなパワーのままで受光素子7に届くと、誤動作や受光素子7の劣化を招く。しかるに本形態の光ヘッド装置1では、第1のレーザ光L1が光記録媒体6で反射して受光素子7に向かう際、第2の部分反射面17を透過するときは透過効率の高いP偏光光になっているが、第1の部分反射面15を透過するときは透過効率の低いS偏光光になっている。また、第2のレーザ光L2が光記録媒体6で反射して受光素子7に向かう際、第1の部分反射面15を透過するときは透過効率の高いP偏光光になっているが、第2の部分反射面17を透過するときは透過効率の低いS偏光光になっている。それ故、記録を行う際、光記録媒体6で反射したレーザ光が大きなパワーで受光素子7に届くということがないので、受光素子7の誤動作や受光素子7の劣化を防止することができる。
【0027】
また、本形態では、1つの複合光学素子10に、2つの部分反射面15、17が形成されているとともに、各部分反射面15、17に1/2波長板16、18が構成されている。このため、1つの複合光学素子10によって光路合成素子を構成できる。また、各部分反射面15、17に1/2波長板16、18が構成されているので、部分反射面15、17で反射するたびにP偏光光をP偏光光のままで偏向させることができるとともに、部分反射面15、17を透過するたびにP偏光光をS偏光光に変換、あるいはS偏光光をP偏光光に変換することができる。従って、光ヘッド装置1を構成する際、光学部品の使用点数の削減を図るとともに、光の偏光状態を確実に制御することができる。
【0028】
[その他の実施の形態]
なお、上記形態では、共通光路20に複合光学素子10とは別体の1/4波長板4を配置したが、図3に示すように、複合光学素子10の光記録媒体6側に位置する端面に樹脂フィルムからなる1/4波長板4を貼り付けてもよい。
【0029】
また、上記形態では、第1の基材11として平板状のものを用いたが、図4に示すように、三角柱状の第1の基材11を用い、その2つの斜面に第1の部分反射面15、および第2の部分反射面17を形成するとともに、第1の部分反射面15に第1の1/2波長板16を貼り付け、第1の基材11と第2の部分反射面17との間に第2の1/2波長板18を貼り付けてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る複合光学素子は、2つの部分反射面を備えているとともに、各部分反射面に1/2波長板が構成されている。このため、部分反射面に向けてP偏光光を導くと、P偏光の反射光を得ることができるとともに、S偏光の透過光を得ることができる。しかも、このような部分反射面を2つ備えているので、各部分反射面で光を反射させるか、あるいは透過させるかによって、本発明に係る複合光学素子一つで所望の偏光光を得ることができるとともに、光学部品の使用点数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した複合光学素子、およびこの複合光学素子を用いた光ヘッド装置の説明図である。
【図2】(A)〜(D)はそれぞれ、図1(B)に示す光ヘッド装置において第1のレーザ光源から光記録媒体に向かう第1のレーザ光の偏光状態を示す説明図、第2のレーザ光源から光記録媒体に向かう第2のレーザ光の偏光状態を示す説明図、第1のレーザ光が光記録媒体で反射して受光素子に戻り光として戻る際の偏光状態を示す説明図、および第2のレーザ光が光記録媒体で反射して受光素子に戻り光として戻る際の偏光状態を示す説明図である。
【図3】本発明を適用した別の複合光学素子の説明図である。
【図4】本発明を適用したさらに別の複合光学素子の説明図である。
【符号の説明】
1 光ヘッド装置
2 第1のレーザ光源
3 第2のレーザ光源
4 1/4波長板
5 対物レンズ
6 光記録媒体
10 複合光学素子
11 第1の基材
12 第2の基材
13 第3の基材
15 第1の部分反射面
16 第1の1/2波長板
17 第2の部分反射面
18 第2の1/2波長板
20 共通光路
L1 第1のレーザ光
L2 第2のレーザ光
Claims (5)
- 第1の入射光を共通光路に導く第1の部分反射面と、第2の入射光を前記共通光路に導く第2の部分反射面とを備えた透明な第1の基材を有し、
当該第1の基材の前記第1の部分反射面には第1の1/2波長板が構成され、前記第2の部分反射面と前記第1の基材との間には第2の1/2波長板が構成されていることを特徴とする複合光学素子。 - 請求項1において、前記第1の1/2波長板は、前記第1の部分反射面に貼り付けられた第1の樹脂フィルムによって形成され、前記第2の1/2波長板は、前記第2の部分反射面と前記第1の基材との間に貼り付けられた第2の樹脂フィルムによって形成されていることを特徴とする複合光学素子。
- 請求項1または2において、前記第1の部分反射面には前記第1の1/2波長板を介して透明な第2の基材が接合され、前記第2の部分反射面には第3の基材が接合され、
前記第1の基材、前記第2の基材、および前記第3の基材は、互いに接合された状態で直方体形状を構成していることを特徴とする複合光学素子。 - 請求項1ないし3のいずれかに規定する複合光学素子を光路合成素子として用いた光ヘッド装置であって、
前記複合光学素子の前記第1の部分反射面に向けて前記第1の入射光としての第1のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、前記複合光学素子の前記第2の部分反射面に向けて前記第2の入射光としての第2のレーザ光を出射する第2のレーザ光源と、前記共通光路を介して前記複合光学素子に入射して前記第1の部分反射面および前記第2の部分反射面を透過してきた光記録媒体からの戻り光を受光する受光素子とを有することを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項4において、前記複合光学素子の前記共通光路への出射面側には1/4波長板が配置されていることを特徴とする光ヘッド装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003021634A JP2004234748A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 複合光学素子、およびそれを用いた光ヘッド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003021634A JP2004234748A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 複合光学素子、およびそれを用いた光ヘッド装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004234748A true JP2004234748A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32950912
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003021634A Pending JP2004234748A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 複合光学素子、およびそれを用いた光ヘッド装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004234748A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007257751A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Topcon Corp | フィルム波長板を組み込んだ光ヘッド装置 |
| JP2009283135A (ja) * | 2009-09-04 | 2009-12-03 | Epson Toyocom Corp | 光ピックアップ |
| CN112347836A (zh) * | 2019-08-07 | 2021-02-09 | 华为技术有限公司 | 指纹识别装置及电子终端 |
-
2003
- 2003-01-30 JP JP2003021634A patent/JP2004234748A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
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| JP2009283135A (ja) * | 2009-09-04 | 2009-12-03 | Epson Toyocom Corp | 光ピックアップ |
| CN112347836A (zh) * | 2019-08-07 | 2021-02-09 | 华为技术有限公司 | 指纹识别装置及电子终端 |
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