JP2004234929A - イオン注入装置とその清掃方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギーの大きすぎるイオン41、小さすぎるイオン43は分析管40の内壁に衝突し、堆積物42、44となる。堆積物42、44は剥離して塵45となり分析管40の中に浮遊し放電などを引き起こす。また塵45の一部はイオンビーム34により運ばれてウェハ38まで到達し、不良の原因となる。
【解決手段】本発明のイオン注入装置10では、堆積物23、25がある程度たまったとき、正規のイオン注入を中止し、ヒーター21をONして分析管20を350℃〜500℃程度に加熱する。同時に不活性ガスを真空容器19内に流してパージする。昇華した堆積物23、25とパージ後の不活性ガスは真空ポンプから排出される。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明のイオン注入装置10では、堆積物23、25がある程度たまったとき、正規のイオン注入を中止し、ヒーター21をONして分析管20を350℃〜500℃程度に加熱する。同時に不活性ガスを真空容器19内に流してパージする。昇華した堆積物23、25とパージ後の不活性ガスは真空ポンプから排出される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はイオン注入装置の内面に付着した堆積物の除去に関する。
【0002】
【従来の技術】
イオン注入装置は、n型不純物(P、As、Sbなど)またはp型不純物(B、Ga、Inなど)の原子をイオン化して加速し、そのイオンをSiウェハに注入する装置である。図4は従来の標準的なイオン注入装置30の説明図である。イオンソース31で作られたイオンは引き出し電極32により引き出される。引き出されたイオンのうち不要なものは分析マグネット33により分離され、所望のイオンビーム34のみが可変スリット35を通過して、加速管36により所定のエネルギーにまで加速される。加速されたイオンビーム34は収束レンズ37により収束し、ウェハ38に衝突してその内部に侵入する。このプロセスをイオン注入と呼ぶ。
【0003】
イオンビーム34の通り道は真空容器39により高真空に保たれている。その真空容器39のうち分析マグネット33に挟まれた部分を分析管40と呼ぶ。分析管40の中を通るイオンビーム34は分析マグネット33の磁界により直角に曲げられ(設定曲げ角度は装置により異なる)可変スリット35に向かう。しかしこれは所望のエネルギーを持ったイオンだけに当てはまることである。
【0004】
引き出し電極32を通過したイオンは広いエネルギー分布を持っているので、分析マグネット33の磁界により直角に曲がるものばかりではない。エネルギーの大きすぎるイオンは直角まで曲がらないし、エネルギーの小さすぎるイオンは曲がりすぎる。どちらのイオンも分析管40の内壁に衝突し付着する。その状況を示したのが図5である。
【0005】
図5に示すように、エネルギーの大きすぎるイオン41は曲がり切れず、分析管40の外側の内壁に衝突し、堆積物42となる。またエネルギーの小さすぎるイオン43は曲がりすぎて分析管40の内側の内壁に衝突し、堆積物44となる。これら堆積物42、44がそのままじっとしていれば問題無いが、実際はその一部が剥離して塵45となり分析管40の中に浮遊し放電などを引き起こす。また塵45の一部はイオンビーム34により運ばれてウェハ38まで到達し、不良の原因となる。
【0006】
このような不具合を避けるため、従来は定期的に分析管40の内面に溜まった堆積物42、44を清掃していた。しかしこの清掃は時間と手間がかかる上に危険でもある。清掃のためにはまず真空をリークしてイオン注入装置30を分解しなければならない。しかし堆積物42、44は非常に毒性が強いので、現場で清掃するわけにいかない。そのため強力な局所排気のある清掃室に運び、溶剤や研磨剤で清掃し、再び現場に運ぶ。次にイオン注入装置30を組み立て直し、真空引きする。清掃中にイオン注入装置30の内部に空気中の水分子が付着しているので真空引きにも時間がかかる。最後にテストウェハにイオン注入を行ない、そのテストウェハの評価が完了して初めて再稼動できるようになる。その間は生産に使用できない。清掃にはこのように長い時間がかかるためイオン注入装置30の稼動率が低下し、コスト負担が大きい。
【0007】
この問題の一つの解決手段が特開平9−36059号公報に開示されている。その要点は、酸素、水素、弗素などの反応性ガスをイオンソース31として使用し、そのイオンビームを堆積物42、44に当てて化学反応させ、堆積物42、44を揮発性の反応物に変え、真空ポンプを通して排除することである。なおイオンビームを各所に万遍なく当てるため、分析マグネット33の磁界の強さを適切に変化させなければならない。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−36059号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特開平9−36059号公報の解決手段も有効と思われるが、イオンソース31を清掃用のものに変更しなければならないこと、分析マグネット33の磁界の強さを適切に変化させるプログラムが必要なことなど清掃の準備に手間がかかることが難点である。
【0010】
本願発明者はもっと簡便で、製造現場で容易に実施できる清掃手段を考案し、それを具体化したイオン注入装置を提案する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のイオン注入装置の特徴は分析管の周囲を取り囲むヒーターを備えたことである。ヒーターは分析管を500℃程度まで加熱することができる。ヒーターはイオン注入装置の清掃のときだけに使い、正規のイオン注入時には使わない。イオンソースは約350℃で昇華するので、分析管の内側の堆積物(イオンソースと同じ物質)も350℃以上に加熱されれば昇華する。
【0012】
本発明のイオン注入装置においては、堆積物がある程度たまったら正規のイオン注入作業を中止し、ヒーターをONして分析管を350℃〜500℃程度に加熱する。同時に不活性ガス(例えばAr)を真空容器内に流してパージする。昇華した堆積物は不活性ガスと一緒に真空ポンプから排出する。これが本発明の特徴の清掃方法である。
【0013】
堆積物の減少度合いは直接は見えないから、排出されたパージガス中の堆積物成分を連続的または間欠的に分析して監視し、それがほとんど無くなった時点で清掃完了とする。
【0014】
本発明の清掃方法の第一のメリットは、ヒーターをONして分析管を加熱し、同時に不活性ガスを真空容器内に流してパージするだけであるから、装置も取り扱いも非常に簡便で、製造現場で使い易いことである。また排出ガス中の堆積物成分を分析・監視するのは当初の条件出しの時だけで良く、その後はヒーターのON時間を管理すれば済むから、これも製造現場で好都合である。
【0015】
本発明の清掃方法の第二のメリットは、イオン注入装置を分解する必要がないから、装置の停止時間が短いことである。さらに再稼動後のテストウェハによる確認も必要無い。このため高価なイオン注入装置の稼動率をあまり下げないで気軽に頻度多く清掃できる。
【0016】
請求項1記載の発明は、少なくともイオンソースで発生させたイオンビームを引き出し、イオンビームの中で不要なものを分析マグネットにより分離し、目的のイオンビームのみをウェハに注入するプロセスを含むイオン注入装置において、真空容器をイオンソースの物質の昇華する温度以上に加熱することができることを特徴とするイオン注入装置である。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のイオン注入装置において、前記の真空容器のうちで特に分析管をイオンソースの物質の昇華する温度以上に加熱することができることを特徴とするイオン注入装置である。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1〜2記載のイオン注入装置において、真空容器の加熱温度が350℃〜500℃であることを特徴とするイオン注入装置である。
【0019】
請求項4記載の発明は、少なくともイオンソースで発生させたイオンビームを引き出し、イオンビームの中で不要なものを分析マグネットにより分離し、目的のイオンビームのみをウェハに注入するプロセスを含むイオン注入装置の清掃方法において、真空容器内面の堆積物を清掃するため真空容器を堆積物の昇華する温度以上に加熱し、同時に不活性ガスを真空容器内に流してパージし、昇華した堆積物をパージガスと一緒に真空ポンプから排出することを特徴とするイオン注入装置の清掃方法である。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のイオン注入装置の清掃方法において、真空容器のうちで特に分析管を堆積物の昇華する温度以上に加熱し、同時に不活性ガスを分析管内に流してパージし、昇華した堆積物をパージガスと一緒に真空ポンプから排出することを特徴とするイオン注入装置の清掃方法である。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項4〜5記載のイオン注入装置の清掃方法において、排出されたパージガス中の堆積物成分を連続的または間欠的に分析して監視し、堆積物成分がほとんど無くなった時点で清掃完了とすることを特徴とするイオン注入装置の清掃方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は本発明のイオン注入装置の一例10の説明図である。イオンソース11で作られたイオンは引き出し電極12により引き出される。引き出されたイオンのうち不要なものは分析マグネット13により分離され、所望のイオンビーム14のみが可変スリット15を通過して、加速管16により所定のエネルギーにまで加速される。加速されたイオンビーム14は収束レンズ17により収束し、ウェハ18に衝突してその内部に侵入する。
【0023】
イオンビーム14の通り道は真空容器19により高真空に保たれている。その真空容器19のうち分析マグネット13に挟まれた部分を分析管20と呼ぶ。分析管20の中を通るイオンビーム14は分析マグネット13の磁界により直角に曲げられ(曲げ角度は装置により異なる)可変スリット15に向かう。しかしこれは所望のエネルギーを持ったイオンだけに当てはまる。
【0024】
本発明のイオン注入装置10の特徴は分析管20の周囲を取り囲むヒーター21を備えたことである。ヒーター21は分析管20を500℃程度まで加熱することができる。ヒーター21はイオン注入装置10の清掃のときだけに使い、正規のイオン注入時には使わない。
【0025】
本発明のイオン注入装置10においても、引き出し電極12を通過したイオンは広いエネルギー分布を持っているので、分析マグネット13の磁界により直角に曲がるものばかりではない。エネルギーの大きすぎるイオンは直角まで曲がらないし、エネルギーの小さすぎるイオンは曲がりすぎる。従来のイオン注入装置30と同様、どちらのイオンも分析管20の内壁に衝突し付着する。その状況を示したのが図2である。
【0026】
図2に示すように、エネルギーの大きすぎるイオン22は曲がり切れず、分析管20の外側の内壁に衝突し、堆積物23となる。またエネルギーの小さすぎるイオン24は曲がりすぎて分析管20の内側の内壁に衝突し、堆積物25となる。このままイオン注入装置10を使い続けると、従来と同様、堆積物23、25が剥離して塵となり、分析管20の中に浮遊したり、ウェハ18まで到達したりする。
【0027】
そこで本発明のイオン注入装置10においては、そのような問題が発生する前に次に述べる清掃をする。
【0028】
本発明のイオン注入装置10においては、堆積物23、25がある程度たまったとき(剥離するほどたまる前)、いったん正規のイオン注入作業を中止し、ヒーター21をONして分析管20を350℃〜500℃程度に加熱する。同時に不活性ガス(例えばAr)を真空容器19内に流してパージする。パージ後の不活性ガスは真空ポンプ(図示せず)から排出する。これが本発明の特徴の清掃方法である。
【0029】
図3に本発明の清掃の様子を示す。分析管20の温度上昇(350℃〜500℃程度)により堆積物23、25が昇華し、Arガスの流れにのり、最終的に真空ポンプ(図示せず)から排出される。堆積物23、25の減少度合いは直接は見えないが、排出ガス中の堆積物23、25成分を連続的または間欠的に分析して監視し、それがほとんど無くなった時点で清掃完了とする。その時点に堆積物23、25が完全に消滅したとは限らないが、実用的にはこれで十分である。
【0030】
【発明の効果】
本発明の清掃方法の第一のメリットは、ヒーター21をONして分析管20を350℃〜500℃程度に加熱し、同時に不活性ガスを真空容器19内に流してパージするだけであるから、装置も取り扱いも非常に簡便であって、製造現場で使い易いことである。排出ガス中の堆積物23、25成分を分析・監視するのは当初の条件出しの時だけで良く、その後はヒーター21のON時間だけを管理すれば済む。
【0031】
本発明の清掃方法の第二のメリットは、イオン注入装置10を分解する必要がないから、装置の停止時間が短いことである。さらに再稼動後のテストウェハによる確認も必要無い。このため高価なイオン注入装置の稼動率をあまり下げないで清掃ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン注入装置の一例10の説明図
【図2】イオンが分析管20の内壁に衝突し付着する説明図
【図3】分析管20内壁の堆積物23、25が昇華する説明図
【図4】従来の標準的なイオン注入装置30の説明図
【図5】イオンが分析管40の内壁に衝突し付着する説明図
【符号の説明】
10 本発明のイオン注入装置の一例
11 イオンソース
12 引き出し電極
13 分析マグネット
14 イオンビーム
15 可変スリット
16 加速管
17 収束レンズ
18 ウェハ
19 真空容器
20 分析管
21 ヒーター
22 イオン
23 堆積物
24 イオン
25 堆積物
30 従来のイオン注入装置
31 イオンソース
32 引き出し電極
33 分析マグネット
34 イオンビーム
35 可変スリット
36 加速管
37 収束レンズ
38 ウェハ
39 真空容器
40 分析管
41 イオン
42 堆積物
43 イオン
44 堆積物
45 塵
【発明の属する技術分野】
本発明はイオン注入装置の内面に付着した堆積物の除去に関する。
【0002】
【従来の技術】
イオン注入装置は、n型不純物(P、As、Sbなど)またはp型不純物(B、Ga、Inなど)の原子をイオン化して加速し、そのイオンをSiウェハに注入する装置である。図4は従来の標準的なイオン注入装置30の説明図である。イオンソース31で作られたイオンは引き出し電極32により引き出される。引き出されたイオンのうち不要なものは分析マグネット33により分離され、所望のイオンビーム34のみが可変スリット35を通過して、加速管36により所定のエネルギーにまで加速される。加速されたイオンビーム34は収束レンズ37により収束し、ウェハ38に衝突してその内部に侵入する。このプロセスをイオン注入と呼ぶ。
【0003】
イオンビーム34の通り道は真空容器39により高真空に保たれている。その真空容器39のうち分析マグネット33に挟まれた部分を分析管40と呼ぶ。分析管40の中を通るイオンビーム34は分析マグネット33の磁界により直角に曲げられ(設定曲げ角度は装置により異なる)可変スリット35に向かう。しかしこれは所望のエネルギーを持ったイオンだけに当てはまることである。
【0004】
引き出し電極32を通過したイオンは広いエネルギー分布を持っているので、分析マグネット33の磁界により直角に曲がるものばかりではない。エネルギーの大きすぎるイオンは直角まで曲がらないし、エネルギーの小さすぎるイオンは曲がりすぎる。どちらのイオンも分析管40の内壁に衝突し付着する。その状況を示したのが図5である。
【0005】
図5に示すように、エネルギーの大きすぎるイオン41は曲がり切れず、分析管40の外側の内壁に衝突し、堆積物42となる。またエネルギーの小さすぎるイオン43は曲がりすぎて分析管40の内側の内壁に衝突し、堆積物44となる。これら堆積物42、44がそのままじっとしていれば問題無いが、実際はその一部が剥離して塵45となり分析管40の中に浮遊し放電などを引き起こす。また塵45の一部はイオンビーム34により運ばれてウェハ38まで到達し、不良の原因となる。
【0006】
このような不具合を避けるため、従来は定期的に分析管40の内面に溜まった堆積物42、44を清掃していた。しかしこの清掃は時間と手間がかかる上に危険でもある。清掃のためにはまず真空をリークしてイオン注入装置30を分解しなければならない。しかし堆積物42、44は非常に毒性が強いので、現場で清掃するわけにいかない。そのため強力な局所排気のある清掃室に運び、溶剤や研磨剤で清掃し、再び現場に運ぶ。次にイオン注入装置30を組み立て直し、真空引きする。清掃中にイオン注入装置30の内部に空気中の水分子が付着しているので真空引きにも時間がかかる。最後にテストウェハにイオン注入を行ない、そのテストウェハの評価が完了して初めて再稼動できるようになる。その間は生産に使用できない。清掃にはこのように長い時間がかかるためイオン注入装置30の稼動率が低下し、コスト負担が大きい。
【0007】
この問題の一つの解決手段が特開平9−36059号公報に開示されている。その要点は、酸素、水素、弗素などの反応性ガスをイオンソース31として使用し、そのイオンビームを堆積物42、44に当てて化学反応させ、堆積物42、44を揮発性の反応物に変え、真空ポンプを通して排除することである。なおイオンビームを各所に万遍なく当てるため、分析マグネット33の磁界の強さを適切に変化させなければならない。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−36059号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特開平9−36059号公報の解決手段も有効と思われるが、イオンソース31を清掃用のものに変更しなければならないこと、分析マグネット33の磁界の強さを適切に変化させるプログラムが必要なことなど清掃の準備に手間がかかることが難点である。
【0010】
本願発明者はもっと簡便で、製造現場で容易に実施できる清掃手段を考案し、それを具体化したイオン注入装置を提案する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のイオン注入装置の特徴は分析管の周囲を取り囲むヒーターを備えたことである。ヒーターは分析管を500℃程度まで加熱することができる。ヒーターはイオン注入装置の清掃のときだけに使い、正規のイオン注入時には使わない。イオンソースは約350℃で昇華するので、分析管の内側の堆積物(イオンソースと同じ物質)も350℃以上に加熱されれば昇華する。
【0012】
本発明のイオン注入装置においては、堆積物がある程度たまったら正規のイオン注入作業を中止し、ヒーターをONして分析管を350℃〜500℃程度に加熱する。同時に不活性ガス(例えばAr)を真空容器内に流してパージする。昇華した堆積物は不活性ガスと一緒に真空ポンプから排出する。これが本発明の特徴の清掃方法である。
【0013】
堆積物の減少度合いは直接は見えないから、排出されたパージガス中の堆積物成分を連続的または間欠的に分析して監視し、それがほとんど無くなった時点で清掃完了とする。
【0014】
本発明の清掃方法の第一のメリットは、ヒーターをONして分析管を加熱し、同時に不活性ガスを真空容器内に流してパージするだけであるから、装置も取り扱いも非常に簡便で、製造現場で使い易いことである。また排出ガス中の堆積物成分を分析・監視するのは当初の条件出しの時だけで良く、その後はヒーターのON時間を管理すれば済むから、これも製造現場で好都合である。
【0015】
本発明の清掃方法の第二のメリットは、イオン注入装置を分解する必要がないから、装置の停止時間が短いことである。さらに再稼動後のテストウェハによる確認も必要無い。このため高価なイオン注入装置の稼動率をあまり下げないで気軽に頻度多く清掃できる。
【0016】
請求項1記載の発明は、少なくともイオンソースで発生させたイオンビームを引き出し、イオンビームの中で不要なものを分析マグネットにより分離し、目的のイオンビームのみをウェハに注入するプロセスを含むイオン注入装置において、真空容器をイオンソースの物質の昇華する温度以上に加熱することができることを特徴とするイオン注入装置である。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のイオン注入装置において、前記の真空容器のうちで特に分析管をイオンソースの物質の昇華する温度以上に加熱することができることを特徴とするイオン注入装置である。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1〜2記載のイオン注入装置において、真空容器の加熱温度が350℃〜500℃であることを特徴とするイオン注入装置である。
【0019】
請求項4記載の発明は、少なくともイオンソースで発生させたイオンビームを引き出し、イオンビームの中で不要なものを分析マグネットにより分離し、目的のイオンビームのみをウェハに注入するプロセスを含むイオン注入装置の清掃方法において、真空容器内面の堆積物を清掃するため真空容器を堆積物の昇華する温度以上に加熱し、同時に不活性ガスを真空容器内に流してパージし、昇華した堆積物をパージガスと一緒に真空ポンプから排出することを特徴とするイオン注入装置の清掃方法である。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のイオン注入装置の清掃方法において、真空容器のうちで特に分析管を堆積物の昇華する温度以上に加熱し、同時に不活性ガスを分析管内に流してパージし、昇華した堆積物をパージガスと一緒に真空ポンプから排出することを特徴とするイオン注入装置の清掃方法である。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項4〜5記載のイオン注入装置の清掃方法において、排出されたパージガス中の堆積物成分を連続的または間欠的に分析して監視し、堆積物成分がほとんど無くなった時点で清掃完了とすることを特徴とするイオン注入装置の清掃方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は本発明のイオン注入装置の一例10の説明図である。イオンソース11で作られたイオンは引き出し電極12により引き出される。引き出されたイオンのうち不要なものは分析マグネット13により分離され、所望のイオンビーム14のみが可変スリット15を通過して、加速管16により所定のエネルギーにまで加速される。加速されたイオンビーム14は収束レンズ17により収束し、ウェハ18に衝突してその内部に侵入する。
【0023】
イオンビーム14の通り道は真空容器19により高真空に保たれている。その真空容器19のうち分析マグネット13に挟まれた部分を分析管20と呼ぶ。分析管20の中を通るイオンビーム14は分析マグネット13の磁界により直角に曲げられ(曲げ角度は装置により異なる)可変スリット15に向かう。しかしこれは所望のエネルギーを持ったイオンだけに当てはまる。
【0024】
本発明のイオン注入装置10の特徴は分析管20の周囲を取り囲むヒーター21を備えたことである。ヒーター21は分析管20を500℃程度まで加熱することができる。ヒーター21はイオン注入装置10の清掃のときだけに使い、正規のイオン注入時には使わない。
【0025】
本発明のイオン注入装置10においても、引き出し電極12を通過したイオンは広いエネルギー分布を持っているので、分析マグネット13の磁界により直角に曲がるものばかりではない。エネルギーの大きすぎるイオンは直角まで曲がらないし、エネルギーの小さすぎるイオンは曲がりすぎる。従来のイオン注入装置30と同様、どちらのイオンも分析管20の内壁に衝突し付着する。その状況を示したのが図2である。
【0026】
図2に示すように、エネルギーの大きすぎるイオン22は曲がり切れず、分析管20の外側の内壁に衝突し、堆積物23となる。またエネルギーの小さすぎるイオン24は曲がりすぎて分析管20の内側の内壁に衝突し、堆積物25となる。このままイオン注入装置10を使い続けると、従来と同様、堆積物23、25が剥離して塵となり、分析管20の中に浮遊したり、ウェハ18まで到達したりする。
【0027】
そこで本発明のイオン注入装置10においては、そのような問題が発生する前に次に述べる清掃をする。
【0028】
本発明のイオン注入装置10においては、堆積物23、25がある程度たまったとき(剥離するほどたまる前)、いったん正規のイオン注入作業を中止し、ヒーター21をONして分析管20を350℃〜500℃程度に加熱する。同時に不活性ガス(例えばAr)を真空容器19内に流してパージする。パージ後の不活性ガスは真空ポンプ(図示せず)から排出する。これが本発明の特徴の清掃方法である。
【0029】
図3に本発明の清掃の様子を示す。分析管20の温度上昇(350℃〜500℃程度)により堆積物23、25が昇華し、Arガスの流れにのり、最終的に真空ポンプ(図示せず)から排出される。堆積物23、25の減少度合いは直接は見えないが、排出ガス中の堆積物23、25成分を連続的または間欠的に分析して監視し、それがほとんど無くなった時点で清掃完了とする。その時点に堆積物23、25が完全に消滅したとは限らないが、実用的にはこれで十分である。
【0030】
【発明の効果】
本発明の清掃方法の第一のメリットは、ヒーター21をONして分析管20を350℃〜500℃程度に加熱し、同時に不活性ガスを真空容器19内に流してパージするだけであるから、装置も取り扱いも非常に簡便であって、製造現場で使い易いことである。排出ガス中の堆積物23、25成分を分析・監視するのは当初の条件出しの時だけで良く、その後はヒーター21のON時間だけを管理すれば済む。
【0031】
本発明の清掃方法の第二のメリットは、イオン注入装置10を分解する必要がないから、装置の停止時間が短いことである。さらに再稼動後のテストウェハによる確認も必要無い。このため高価なイオン注入装置の稼動率をあまり下げないで清掃ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン注入装置の一例10の説明図
【図2】イオンが分析管20の内壁に衝突し付着する説明図
【図3】分析管20内壁の堆積物23、25が昇華する説明図
【図4】従来の標準的なイオン注入装置30の説明図
【図5】イオンが分析管40の内壁に衝突し付着する説明図
【符号の説明】
10 本発明のイオン注入装置の一例
11 イオンソース
12 引き出し電極
13 分析マグネット
14 イオンビーム
15 可変スリット
16 加速管
17 収束レンズ
18 ウェハ
19 真空容器
20 分析管
21 ヒーター
22 イオン
23 堆積物
24 イオン
25 堆積物
30 従来のイオン注入装置
31 イオンソース
32 引き出し電極
33 分析マグネット
34 イオンビーム
35 可変スリット
36 加速管
37 収束レンズ
38 ウェハ
39 真空容器
40 分析管
41 イオン
42 堆積物
43 イオン
44 堆積物
45 塵
Claims (6)
- 少なくともイオンソースで発生させたイオンビームを引き出し、前記のイオンビームの中で不要なものを分析マグネットにより分離し、目的のイオンビームのみをウェハに注入するプロセスを含むイオン注入装置において、真空容器を前記のイオンソースの物質の昇華する温度以上に加熱することができることを特徴とするイオン注入装置。
- 請求項1記載のイオン注入装置において、前記の真空容器のうちで特に分析管を前記のイオンソースの物質の昇華する温度以上に加熱することができることを特徴とするイオン注入装置。
- 請求項1〜2記載のイオン注入装置において、前記の真空容器の加熱温度が350℃〜500℃であることを特徴とするイオン注入装置。
- 少なくともイオンソースで発生させたイオンビームを引き出し、前記のイオンビームの中で不要なものを分析マグネットにより分離し、目的のイオンビームのみをウェハに注入するプロセスを含むイオン注入装置の清掃方法において、真空容器内面の堆積物を清掃するため、前記の真空容器を堆積物の昇華する温度以上に加熱し、同時に不活性ガスを前記の真空容器内に流してパージし、昇華した前記の堆積物を前記のパージガスと一緒に真空ポンプから排出することを特徴とするイオン注入装置の清掃方法。
- 請求項4記載のイオン注入装置の清掃方法において、真空容器のうちで特に分析管を堆積物の昇華する温度以上に加熱し、同時に不活性ガスを前記の分析管内に流してパージし、昇華した前記の堆積物をパージガスと一緒に真空ポンプから排出することを特徴とするイオン注入装置の清掃方法。
- 請求項4〜5記載のイオン注入装置の清掃方法において、排出されたパージガス中の堆積物成分を連続的または間欠的に分析して監視し、堆積物成分がほとんど無くなった時点で清掃完了とすることを特徴とするイオン注入装置の清掃方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003019607A JP2004234929A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | イオン注入装置とその清掃方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2003019607A JP2004234929A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | イオン注入装置とその清掃方法 |
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| JP2004234929A true JP2004234929A (ja) | 2004-08-19 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| Country | Link |
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| JP (1) | JP2004234929A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010017114A3 (en) * | 2008-08-04 | 2010-04-29 | Varian Semiconductor Equipment Associates | An ion source and a method for in-situ cleaning thereof |
| US12112859B2 (en) | 2021-10-01 | 2024-10-08 | Shine Technologies, Llc | Ion production system with fibrous lattice for ion collection |
| US12463001B2 (en) | 2020-12-08 | 2025-11-04 | Shine Technologies, Llc | Isothermal ion source with auxiliary heaters |
-
2003
- 2003-01-29 JP JP2003019607A patent/JP2004234929A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010017114A3 (en) * | 2008-08-04 | 2010-04-29 | Varian Semiconductor Equipment Associates | An ion source and a method for in-situ cleaning thereof |
| US8809800B2 (en) | 2008-08-04 | 2014-08-19 | Varian Semicoductor Equipment Associates, Inc. | Ion source and a method for in-situ cleaning thereof |
| US12463001B2 (en) | 2020-12-08 | 2025-11-04 | Shine Technologies, Llc | Isothermal ion source with auxiliary heaters |
| US12112859B2 (en) | 2021-10-01 | 2024-10-08 | Shine Technologies, Llc | Ion production system with fibrous lattice for ion collection |
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