JP2004234965A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】システムで使用される純水の凍結時に、純水の供給を迅速化し、システムの起動時間を短縮することを課題とする。
【解決手段】燃料電池システムの運転に必要な純水を貯蔵する純水タンク3の下部に、純水タンク3から純水を取り出して燃料電池システム内を循環させる純水ポンプ4を設置し、純水タンク3に貯蔵された純水を、純水タンク3の底部から取り出すように構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料電池システムの運転に必要な純水を貯蔵する純水タンク3の下部に、純水タンク3から純水を取り出して燃料電池システム内を循環させる純水ポンプ4を設置し、純水タンク3に貯蔵された純水を、純水タンク3の底部から取り出すように構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムで使用される純水の凍結時に、凍結水を解凍した後、システムを起動させる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されものが知られている(特許文献1参照)。この文献に記載された技術では、燃料電池システムで使用される水が凍結した際に、電気ヒータにより水タンクを加熱して凍結水を解凍する処理を行っていた。この解凍処理では、まず解凍処理に使用できる使用可能電力、ならびに解凍必要電力を計算し、使用可能電力>解凍必要電力であるならば、解凍モードを起動する。解凍モードでは、電気ヒータに供給する電力を計算し、解凍必要電力と電気ヒータに供給する単位電力量とに基づいて解凍時間を計算する。その後、解凍タイマーをスタートさせ、解凍タイマーが解凍時間に達したら解凍モードを終了する。解凍モードが終了して、凍結水が解凍されると、システムが起動される。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−110187号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の燃料電池システムにおいては、システムで使用される水が凍結した際に、凍結水がすべて解凍された後でないと、システムを起動することができなかった。このため、凍結水の解凍処理を開始した後、システムが起動されるまでに多くの時間がかかり、起動時間が長くなるといった不具合を招いていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、システムで使用される純水の凍結時に、純水の供給を迅速化し、システムの起動時間を短縮した燃料電池システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、水素と空気の供給により発電を行う燃料電池スタックと、燃料電池システムの運転に必要な純水を貯蔵する純水タンクと、前記燃料電池スタックに供給される水素ならびに空気を加湿する加湿器と、前記純水タンクに貯蔵された純水を、前記純水タンクから取り出して前記燃料電池システム内を循環させる純水ポンプと、前記純水タンク内に貯蔵された純水が凍結した時に、前記純水タンクを加熱し、前記純水タンク内の凍結水を解凍する電気ヒータとを有する燃料電池システムにおいて、前記純水ポンプを前記純水タンクの下部に設置し、前記純水タンクに貯蔵された純水を、前記純水タンクの底部から取り出すことを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、純水ポンプを純水タンクの下部に設置し、純水タンクに貯蔵された純水を、純水タンクの底部から取り出すようにしたので、純水をタンクから吸い上げる方式の場合に必要となる呼び水が不要となり、凍結水の解凍が開始されて少量の純水が得られた時点から、順次得られた純水を供給することが可能となる。これにより、すべての凍結水が解凍されるのを待つことなく、システムを起動することが可能となり、システムの起動時間を短縮することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0009】
図1は本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。図1に示す実施形態の燃料電池システムは、燃料電池スタック1、加湿器2、純水タンク3、純水ポンプ4、水素循環ポンプ5、冷却水ポンプ6、空気コンプレッサ7、電気ヒータ8、コンバータ9、二次電池10、水素供給装置16、純水ポンプ吸入配管シャット弁19、ならびにマイクロコンピュータ等により構成されプログラムに基づいて燃料電池システムの動作処理を制御するコントローラ(図示せず)を備えて構成されている。
【0010】
燃料電池スタック1は、燃料極に供給される水素と、空気極に供給される空気中の酸素とにより発電する。発電された電力は、発電制御ならびに電力変換を行うコンバータ9を介して二次電池10に供給されて貯蔵される。
【0011】
加湿器2は、燃料電池スタック1に供給される空気ならびに燃料となる水素を、純水タンク3に貯蔵されて供給される純水によって加湿する。加湿器2には、空気コンプレッサ7を介して空気が供給され、水素調圧弁11を介して水素供給装置16から水素が供給される。
【0012】
純水タンク3は、加湿器2に供給される純水を貯蔵する。純水タンク3の下部には、純水ポンプ吸入配管シャット弁19を介して純水ポンプ4が設けられいる。純水タンク3に貯蔵された純水は、純水タンク3の底部から純水ポンプ吸入配管シャット弁19と純水ポンプ4を介して加湿器2に供給され、加湿器2からバルブ14を介して純水タンク3に戻る。このような構成により、純水タンク3に貯蔵された純水が凍結し、凍結水の解凍処理を開始した後、少量の純水が得られた時点で、得られた純水は純水タンク3の底部から純水ポンプ4を介して加湿器2に供給される。
【0013】
水素循環ポンプ5は、燃料電池スタック1と加湿器2との間で、水素供給装置16から加湿器2を介して燃料電池スタック1に供給される水素を循環させる。冷却水ポンプ6は、燃料電池スタック1、純水タンク3ならびにラジエータ24との間で、燃料電池スタック1を冷却する冷却水を循環させる。燃料電池スタック1を冷却する冷却水は、燃料電池スタック1を通過することで発熱し、発熱した冷却水が純水タンク3を通過することにより、凍結水の解凍を促進させることができる。
【0014】
電気ヒータ8は、純水タンク3、ならびに純水タンク3から純水ポンプ4に至る純水ポンプ吸入配管を加熱するように設けられている。電気ヒータ8は、純水タンク3の凍結水を解凍する解凍処理において、二次電池10からコンバータ9を介して供給される電力に基づいて、純水タンク3ならびに純水ポンプ吸入配管シャット弁19を含めたポンプ吸入配管を加熱する。
【0015】
次に、このように構成されたシステムの停止シーケンスを、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0016】
まず、純水ポンプ吸入配管シャット弁19を閉止するとともに(ステップS30)、シャット弁13を閉止する一方、シャット弁12を開放し、パージ弁17を開放する(ステップS31)。このような状態で、ドライ空気を燃料電池スタック1に供給し、燃料電池スタック1内の凝縮水をパ−ジする(ステップS32)。
【0017】
パージが終了すると、シャット弁12を閉め、かつシャット弁13を開け(ステップS33)、純水系の純水を純水タンク3へ回収又は外部へ排出する。この時に、バルブ14、20の開閉を交互に切替えて、純水系の水を満遍なくパ−ジする(ステップS34)。
【0018】
パージが終了した後、二次電池10の残量を確認し(ステップS35)、二次電池10の残量が、システムの起動時に、純水タンク3の凍結水を解凍するのに十分である場合には(ステップS36)、システムを停止する(ステップS37)。一方、二次電池10の残量が、システムの起動時に解凍を行うなうのに十分な量でない場合には(ステップS38)、しばらくの間燃料電池スタック1の発電を継続してして行い、発電した電力で二次電池10を充電した後(ステップS39)、システムを停止する(ステップS37)。
【0019】
次に、図3のフローチャート、ならびに純水タンク3内の水量と純水ポンプ4を駆動するモータの負荷との関係を示す図4を参照して、システムの起動シーケンスを説明する。
【0020】
まず、純水ポンプ吸入配管シャット弁19を開放する(ステップS40)。この時に、純水ポンプ出口配管レベルセンサ23により純水レベルを確認し(ステップS41)、純水レベルが一定値以上であるか否かを判断する(ステップS42)。判断結果において、純水レベルが一定値以上あれば、純水ポンプ4を起動する(ステップS44)。この時に、純水ポンプのモータの負荷を検出し、モータの負荷が下がらない場合は、そのまま純水ポンプ4を継続して運転する。一方、すぐにモータの負荷が下がる場合には、純水ポンプ4を停止して、電気ヒータ8を通電する。これにより、純水タンク3ならびに純水ポンプ吸入配管を加熱し、純水タンク3の凍結水を解凍する解凍処理を行う。
【0021】
通電した後、一定時間(大気温度計22により計測された大気温度により設定される)経過後、純水ポンプ4を起動し、純水ポンプ4のモータの負荷が低下したか否かを判断する(ステップS45)。判断結果において、モータの負荷が低下した場合は、純水タンク3に貯蔵された純水がなくなったと判断し、純水ポンプ4を停止する(ステップS46)。
【0022】
一方、ステップS42の判断結果において、純水レベルが一定値以上ない場合には、直ちに電気ヒータ8を通電する(ステップS43)。これにより、純水タンク3ならびに純水ポンプ吸入配管を加熱し、純水タンク3の凍結水を解凍する解凍処理を行う。通電した後、一定時間(大気温度計22により計測された大気温度により設定される)経過後、純水ポンプ4を起動し(ステップS44)、純水ポンプ4のモータの負荷が低下したか否かを判断する(ステップS45)。判断結果において、モータの負荷が低下した場合は、純水タンク3に貯蔵された純水がなくなったと判断し、純水ポンプ4を停止する(ステップS46)。
【0023】
このような処理を何度か繰り返し行い、図4に示すように、純水ポンプ4のモータの負荷が一定である時間の合計が、所定の値以上になった場合に(ステップS47)、燃料電池スタック1の通常運転を開始する(ステップS48)。但し、純水タンク3内の凍結水がすべて解凍したものと判断されるまでは、燃料電池スタック1の発電量を制限する。
【0024】
発電量が制限された状態で発電が開始された後、図4に示すように、純水ポンプ4のモータの負荷が一定である時間の合計に基づいて、純水タンク3内の凍結水がすべて解凍されたことを推定する。推定の結果、純水タンク3内の凍結水がすべて解凍されて、解凍処理が終了すると、発電量の制限が解除され、継続して発電が行われる。
【0025】
なお、純水タンク3内に貯蔵された純水の凍結は、大気温度計22で計測された大気の温度、及び純水ポンプ4を駆動するモータの負荷に基づいて判断する。
【0026】
以上説明したように、上記実施形態においては、純水ポンプ4を純水タンク3の下部に設置し、純水タンクに貯蔵された純水を純水タンク3の底部から取り出すようにしているので、純水をタンクから吸い上げる方式の場合に必要となる呼び水が不要となる。また、純水タンク3内で解凍して得られた純水を順次加湿器2へ供給することができる。これにより、加湿器2に供給される純水の供給量がある程度の量に達すれば、すなわち、加湿器2内にある程度純水が存在していれば、システムの低負荷運転は可能となる。この結果、システムを起動することができ、起動時間を短縮することができる。
【0027】
また、システムが起動されて燃料電池スタック1が発電することで、燃料電池スタック1の発熱で冷却水が暖められ、暖めされた冷却水が純水タンク3を通過することで、解凍を促進することができる。
【0028】
さらに、純水ポンプ吸入配管にも電気ヒータ8を設置することにより、重点的に純水ポンプ吸入配管を加熱することが可能となり、加湿器2への純水の供給を迅速に行うことができる。
【0029】
なお、ポンプをタンクの上部に設け、タンクに貯蔵された純水をポンプによりタンクから吸い上げる方式とした場合には、純水を吸い込む吸込み配管がタンク内の液面に沈む構成となるため、吸い込み配管もタンク内部の純水と共に凍結することになる。このため、解凍が非常に困難となり、順次解凍された純水を供給するということは極めて困難となる。
【0030】
一方、上記実施形態においては、凍結水の解凍処理を純水タンク3に設置された電気ヒータ8により加熱して行うことで、燃焼器を用いて加熱する場合に比べて、水素、空気の流量制御が不要になると共に、燃焼器からの未燃焼水素の排出も回避することができる。
【0031】
また、システムの停止時に、二次電池10の残量が、システムの起動時に、純水タンク3の凍結水を解凍するのに十分な量でない場合には、電気ヒータ8の作動に必要な電力を二次電池10に蓄えるようにしているので、純水が凍結している場合であっても、解凍処理を開始することができ、システムを確実に氷点下の状態から起動することが可能となる。
【0032】
さらに、システムの停止時に、純水の流通経路となる純水系の純水配管、水素の流通経路となる水素系の水素配管、ならびに空気の流通経路となる空気系の空気配管を空気コンプレッサ7から排出された空気でパージすることにより、純水配管、水素配管、ならびに空気配管に残った水分を純水タンク3に回収することが可能となり、各配管内部に残ってしまった水分が凍ってできる部分凍結を防止することができる。
【0033】
一方、純水ポンプを駆動するモータの負荷が一定状態にある時間の合計に基づいて、加湿器2へ送った純水の総量を推定し、この推定結果にしたがってシステムの起動を開始するようにしているので、純水タンク内に設けられた温度センサで凍結水の解凍を判断する場合に比べて、システムの運転を迅速に開始することができる。
【0034】
また、純水ポンプを駆動するモータの負荷が一定状態にある時間の合計が所定時間以上となった場合に、純水タンク3の凍結水がすべて解凍されたと判断しているので、凍結を防止することが困難な温度センサやレベルセンサに頼らなくても正確に判断することができる。
【0035】
なお、通常運転時の純水タンク3のレベル低下も、純水ポンプを駆動するモータの負荷の低下により判断し、レベル低下が生じた場合には、警告を発し、水回収モ−ドへ運転を移行させる等の処理を行うようにしてもよい。これにより、純水タンク3の純水のレベル低下の判断を、凍結防止が困難なレベルセンサ等に頼らなくても、確実に行うことができる。また、本発明は、単体の加湿器2を設けずに、燃料電池スタック1内に水チャンネルを設けて水を循環させて加湿するような形式のシステムにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。
【図2】純水タンク3内の水量と純水ポンプ4のモータ負荷との関係を示す図である。
【図3】図1に示すシステムの停止シーケンスの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図1に示すシステムの起動シーケンスの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…燃料電池スタック
2…加湿器
3…純水タンク
4…純水ポンプ
5…水素循環ポンプ
6…冷却水ポンプ
7…空気コンプレッサ
8…電気ヒータ
9…コンバータ
10…二次電池
11…水素調圧弁
12,13…シャット弁
14,20…バルブ
15…スタック下流空気調圧弁
16…水素供給装置
17…パージ弁
18…冷却水ラジエータバイパス三方弁
19…純水ポンプ吸入配管シャット弁
21…冷却水スタック出口温度計
22…大気温度計
23…純水ポンプ出口配管レベルセンサ
24…ラジエータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムで使用される純水の凍結時に、凍結水を解凍した後、システムを起動させる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されものが知られている(特許文献1参照)。この文献に記載された技術では、燃料電池システムで使用される水が凍結した際に、電気ヒータにより水タンクを加熱して凍結水を解凍する処理を行っていた。この解凍処理では、まず解凍処理に使用できる使用可能電力、ならびに解凍必要電力を計算し、使用可能電力>解凍必要電力であるならば、解凍モードを起動する。解凍モードでは、電気ヒータに供給する電力を計算し、解凍必要電力と電気ヒータに供給する単位電力量とに基づいて解凍時間を計算する。その後、解凍タイマーをスタートさせ、解凍タイマーが解凍時間に達したら解凍モードを終了する。解凍モードが終了して、凍結水が解凍されると、システムが起動される。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−110187号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の燃料電池システムにおいては、システムで使用される水が凍結した際に、凍結水がすべて解凍された後でないと、システムを起動することができなかった。このため、凍結水の解凍処理を開始した後、システムが起動されるまでに多くの時間がかかり、起動時間が長くなるといった不具合を招いていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、システムで使用される純水の凍結時に、純水の供給を迅速化し、システムの起動時間を短縮した燃料電池システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、水素と空気の供給により発電を行う燃料電池スタックと、燃料電池システムの運転に必要な純水を貯蔵する純水タンクと、前記燃料電池スタックに供給される水素ならびに空気を加湿する加湿器と、前記純水タンクに貯蔵された純水を、前記純水タンクから取り出して前記燃料電池システム内を循環させる純水ポンプと、前記純水タンク内に貯蔵された純水が凍結した時に、前記純水タンクを加熱し、前記純水タンク内の凍結水を解凍する電気ヒータとを有する燃料電池システムにおいて、前記純水ポンプを前記純水タンクの下部に設置し、前記純水タンクに貯蔵された純水を、前記純水タンクの底部から取り出すことを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、純水ポンプを純水タンクの下部に設置し、純水タンクに貯蔵された純水を、純水タンクの底部から取り出すようにしたので、純水をタンクから吸い上げる方式の場合に必要となる呼び水が不要となり、凍結水の解凍が開始されて少量の純水が得られた時点から、順次得られた純水を供給することが可能となる。これにより、すべての凍結水が解凍されるのを待つことなく、システムを起動することが可能となり、システムの起動時間を短縮することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0009】
図1は本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。図1に示す実施形態の燃料電池システムは、燃料電池スタック1、加湿器2、純水タンク3、純水ポンプ4、水素循環ポンプ5、冷却水ポンプ6、空気コンプレッサ7、電気ヒータ8、コンバータ9、二次電池10、水素供給装置16、純水ポンプ吸入配管シャット弁19、ならびにマイクロコンピュータ等により構成されプログラムに基づいて燃料電池システムの動作処理を制御するコントローラ(図示せず)を備えて構成されている。
【0010】
燃料電池スタック1は、燃料極に供給される水素と、空気極に供給される空気中の酸素とにより発電する。発電された電力は、発電制御ならびに電力変換を行うコンバータ9を介して二次電池10に供給されて貯蔵される。
【0011】
加湿器2は、燃料電池スタック1に供給される空気ならびに燃料となる水素を、純水タンク3に貯蔵されて供給される純水によって加湿する。加湿器2には、空気コンプレッサ7を介して空気が供給され、水素調圧弁11を介して水素供給装置16から水素が供給される。
【0012】
純水タンク3は、加湿器2に供給される純水を貯蔵する。純水タンク3の下部には、純水ポンプ吸入配管シャット弁19を介して純水ポンプ4が設けられいる。純水タンク3に貯蔵された純水は、純水タンク3の底部から純水ポンプ吸入配管シャット弁19と純水ポンプ4を介して加湿器2に供給され、加湿器2からバルブ14を介して純水タンク3に戻る。このような構成により、純水タンク3に貯蔵された純水が凍結し、凍結水の解凍処理を開始した後、少量の純水が得られた時点で、得られた純水は純水タンク3の底部から純水ポンプ4を介して加湿器2に供給される。
【0013】
水素循環ポンプ5は、燃料電池スタック1と加湿器2との間で、水素供給装置16から加湿器2を介して燃料電池スタック1に供給される水素を循環させる。冷却水ポンプ6は、燃料電池スタック1、純水タンク3ならびにラジエータ24との間で、燃料電池スタック1を冷却する冷却水を循環させる。燃料電池スタック1を冷却する冷却水は、燃料電池スタック1を通過することで発熱し、発熱した冷却水が純水タンク3を通過することにより、凍結水の解凍を促進させることができる。
【0014】
電気ヒータ8は、純水タンク3、ならびに純水タンク3から純水ポンプ4に至る純水ポンプ吸入配管を加熱するように設けられている。電気ヒータ8は、純水タンク3の凍結水を解凍する解凍処理において、二次電池10からコンバータ9を介して供給される電力に基づいて、純水タンク3ならびに純水ポンプ吸入配管シャット弁19を含めたポンプ吸入配管を加熱する。
【0015】
次に、このように構成されたシステムの停止シーケンスを、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0016】
まず、純水ポンプ吸入配管シャット弁19を閉止するとともに(ステップS30)、シャット弁13を閉止する一方、シャット弁12を開放し、パージ弁17を開放する(ステップS31)。このような状態で、ドライ空気を燃料電池スタック1に供給し、燃料電池スタック1内の凝縮水をパ−ジする(ステップS32)。
【0017】
パージが終了すると、シャット弁12を閉め、かつシャット弁13を開け(ステップS33)、純水系の純水を純水タンク3へ回収又は外部へ排出する。この時に、バルブ14、20の開閉を交互に切替えて、純水系の水を満遍なくパ−ジする(ステップS34)。
【0018】
パージが終了した後、二次電池10の残量を確認し(ステップS35)、二次電池10の残量が、システムの起動時に、純水タンク3の凍結水を解凍するのに十分である場合には(ステップS36)、システムを停止する(ステップS37)。一方、二次電池10の残量が、システムの起動時に解凍を行うなうのに十分な量でない場合には(ステップS38)、しばらくの間燃料電池スタック1の発電を継続してして行い、発電した電力で二次電池10を充電した後(ステップS39)、システムを停止する(ステップS37)。
【0019】
次に、図3のフローチャート、ならびに純水タンク3内の水量と純水ポンプ4を駆動するモータの負荷との関係を示す図4を参照して、システムの起動シーケンスを説明する。
【0020】
まず、純水ポンプ吸入配管シャット弁19を開放する(ステップS40)。この時に、純水ポンプ出口配管レベルセンサ23により純水レベルを確認し(ステップS41)、純水レベルが一定値以上であるか否かを判断する(ステップS42)。判断結果において、純水レベルが一定値以上あれば、純水ポンプ4を起動する(ステップS44)。この時に、純水ポンプのモータの負荷を検出し、モータの負荷が下がらない場合は、そのまま純水ポンプ4を継続して運転する。一方、すぐにモータの負荷が下がる場合には、純水ポンプ4を停止して、電気ヒータ8を通電する。これにより、純水タンク3ならびに純水ポンプ吸入配管を加熱し、純水タンク3の凍結水を解凍する解凍処理を行う。
【0021】
通電した後、一定時間(大気温度計22により計測された大気温度により設定される)経過後、純水ポンプ4を起動し、純水ポンプ4のモータの負荷が低下したか否かを判断する(ステップS45)。判断結果において、モータの負荷が低下した場合は、純水タンク3に貯蔵された純水がなくなったと判断し、純水ポンプ4を停止する(ステップS46)。
【0022】
一方、ステップS42の判断結果において、純水レベルが一定値以上ない場合には、直ちに電気ヒータ8を通電する(ステップS43)。これにより、純水タンク3ならびに純水ポンプ吸入配管を加熱し、純水タンク3の凍結水を解凍する解凍処理を行う。通電した後、一定時間(大気温度計22により計測された大気温度により設定される)経過後、純水ポンプ4を起動し(ステップS44)、純水ポンプ4のモータの負荷が低下したか否かを判断する(ステップS45)。判断結果において、モータの負荷が低下した場合は、純水タンク3に貯蔵された純水がなくなったと判断し、純水ポンプ4を停止する(ステップS46)。
【0023】
このような処理を何度か繰り返し行い、図4に示すように、純水ポンプ4のモータの負荷が一定である時間の合計が、所定の値以上になった場合に(ステップS47)、燃料電池スタック1の通常運転を開始する(ステップS48)。但し、純水タンク3内の凍結水がすべて解凍したものと判断されるまでは、燃料電池スタック1の発電量を制限する。
【0024】
発電量が制限された状態で発電が開始された後、図4に示すように、純水ポンプ4のモータの負荷が一定である時間の合計に基づいて、純水タンク3内の凍結水がすべて解凍されたことを推定する。推定の結果、純水タンク3内の凍結水がすべて解凍されて、解凍処理が終了すると、発電量の制限が解除され、継続して発電が行われる。
【0025】
なお、純水タンク3内に貯蔵された純水の凍結は、大気温度計22で計測された大気の温度、及び純水ポンプ4を駆動するモータの負荷に基づいて判断する。
【0026】
以上説明したように、上記実施形態においては、純水ポンプ4を純水タンク3の下部に設置し、純水タンクに貯蔵された純水を純水タンク3の底部から取り出すようにしているので、純水をタンクから吸い上げる方式の場合に必要となる呼び水が不要となる。また、純水タンク3内で解凍して得られた純水を順次加湿器2へ供給することができる。これにより、加湿器2に供給される純水の供給量がある程度の量に達すれば、すなわち、加湿器2内にある程度純水が存在していれば、システムの低負荷運転は可能となる。この結果、システムを起動することができ、起動時間を短縮することができる。
【0027】
また、システムが起動されて燃料電池スタック1が発電することで、燃料電池スタック1の発熱で冷却水が暖められ、暖めされた冷却水が純水タンク3を通過することで、解凍を促進することができる。
【0028】
さらに、純水ポンプ吸入配管にも電気ヒータ8を設置することにより、重点的に純水ポンプ吸入配管を加熱することが可能となり、加湿器2への純水の供給を迅速に行うことができる。
【0029】
なお、ポンプをタンクの上部に設け、タンクに貯蔵された純水をポンプによりタンクから吸い上げる方式とした場合には、純水を吸い込む吸込み配管がタンク内の液面に沈む構成となるため、吸い込み配管もタンク内部の純水と共に凍結することになる。このため、解凍が非常に困難となり、順次解凍された純水を供給するということは極めて困難となる。
【0030】
一方、上記実施形態においては、凍結水の解凍処理を純水タンク3に設置された電気ヒータ8により加熱して行うことで、燃焼器を用いて加熱する場合に比べて、水素、空気の流量制御が不要になると共に、燃焼器からの未燃焼水素の排出も回避することができる。
【0031】
また、システムの停止時に、二次電池10の残量が、システムの起動時に、純水タンク3の凍結水を解凍するのに十分な量でない場合には、電気ヒータ8の作動に必要な電力を二次電池10に蓄えるようにしているので、純水が凍結している場合であっても、解凍処理を開始することができ、システムを確実に氷点下の状態から起動することが可能となる。
【0032】
さらに、システムの停止時に、純水の流通経路となる純水系の純水配管、水素の流通経路となる水素系の水素配管、ならびに空気の流通経路となる空気系の空気配管を空気コンプレッサ7から排出された空気でパージすることにより、純水配管、水素配管、ならびに空気配管に残った水分を純水タンク3に回収することが可能となり、各配管内部に残ってしまった水分が凍ってできる部分凍結を防止することができる。
【0033】
一方、純水ポンプを駆動するモータの負荷が一定状態にある時間の合計に基づいて、加湿器2へ送った純水の総量を推定し、この推定結果にしたがってシステムの起動を開始するようにしているので、純水タンク内に設けられた温度センサで凍結水の解凍を判断する場合に比べて、システムの運転を迅速に開始することができる。
【0034】
また、純水ポンプを駆動するモータの負荷が一定状態にある時間の合計が所定時間以上となった場合に、純水タンク3の凍結水がすべて解凍されたと判断しているので、凍結を防止することが困難な温度センサやレベルセンサに頼らなくても正確に判断することができる。
【0035】
なお、通常運転時の純水タンク3のレベル低下も、純水ポンプを駆動するモータの負荷の低下により判断し、レベル低下が生じた場合には、警告を発し、水回収モ−ドへ運転を移行させる等の処理を行うようにしてもよい。これにより、純水タンク3の純水のレベル低下の判断を、凍結防止が困難なレベルセンサ等に頼らなくても、確実に行うことができる。また、本発明は、単体の加湿器2を設けずに、燃料電池スタック1内に水チャンネルを設けて水を循環させて加湿するような形式のシステムにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。
【図2】純水タンク3内の水量と純水ポンプ4のモータ負荷との関係を示す図である。
【図3】図1に示すシステムの停止シーケンスの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図1に示すシステムの起動シーケンスの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…燃料電池スタック
2…加湿器
3…純水タンク
4…純水ポンプ
5…水素循環ポンプ
6…冷却水ポンプ
7…空気コンプレッサ
8…電気ヒータ
9…コンバータ
10…二次電池
11…水素調圧弁
12,13…シャット弁
14,20…バルブ
15…スタック下流空気調圧弁
16…水素供給装置
17…パージ弁
18…冷却水ラジエータバイパス三方弁
19…純水ポンプ吸入配管シャット弁
21…冷却水スタック出口温度計
22…大気温度計
23…純水ポンプ出口配管レベルセンサ
24…ラジエータ
Claims (7)
- 水素と空気の供給を受けて発電を行う燃料電池スタックと、
燃料電池システムの運転に必要な純水を貯蔵する純水タンクと、
前記燃料電池スタックに供給される水素ならびに空気を加湿する加湿器と、
前記純水タンクに貯蔵された純水を、前記純水タンクから取り出して前記燃料電池システム内を循環させる純水ポンプと、
前記純水タンク内に貯蔵された純水が凍結した時に、前記純水タンクを加熱し、前記純水タンク内の凍結水を解凍する電気ヒータと
を有する燃料電池システムにおいて、
前記純水ポンプを前記純水タンクの下部に設置し、前記純水タンクに貯蔵された純水を、前記純水タンクの底部から取り出す
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記燃料電池スタックで発電された電力を蓄える二次電池を備え、
前記燃料電池システムの停止時に、次回のシステム起動時に前記電気ヒータを加熱して、前記純水タンク内の凍結水を解凍する処理を行うために前記電気ヒータに供給する電力を、前記二次電池に蓄える
ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池システムの起動時に、前記純水タンク内の凍結水がすべて解凍されるのを待たずに、解凍された分の純水を順次前記加湿器に供給し、前記純水ポンプを駆動するモータの負荷の減少により、前記純水タンクに純水がなくなったことを検出する
ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池システムの起動後に、前記純水ポンプを駆動するモータの負荷が所定の一定状態にあるモータ運転時間の合計に基づいて、前記純水タンクから取り出されて供給された純水の供給量を推定し、前記モータ運転時間が所定時間以上に達した時に、前記燃料電池システムの起動を開始する
ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池スタックに空気を供給する空気コンプレッサ−を備え、
前記燃料電池システムの停止時には、前記空気コンプレッサから排出される空気により、純水の流通経路となる純水系の純水配管、空気の流通経路となる空気系の空気配管、ならびに水素の流通経路となる水素系の水素配管に残留する水をパ−ジする
ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池システムの起動後に、前記純水ポンプを駆動するモータの負荷が所定の一定状態にあるモータ運転時間の合計が、所定時間以上に達した時に、前記純水タンク内の凍結水がすべて解凍されたと判断し、前記燃料電池スタックの発電出力の制限を解除する
ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記純水タンク内に貯蔵された純水の凍結は、大気の温度、及び前記純水ポンプを駆動するモータの負荷に基づいて判断する
ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
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