JP2004236092A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチキャリア無線通信方式を適用した無線通信装置において、パフォーマンスを低下させることなく、良好な通信特性を得ること。
【解決手段】複数の送信チャネルにそれぞれ接続された送信アンテナ42、43とを有し、送信チャネルごとに一つまたは複数のサブキャリアを用いて送信を行う送信部と、複数の受信チャネルにそれぞれ接続された受信アンテナ51、52とを有し、受信チャネルごとに一つまたは複数のサブキャリアを用いて受信を行う受信部とを備える無線通信装置において、送信部は、それぞれのサブキャリアに配置された信号を用いてこのサブキャリアごとに重み付け合成を行う重み付け合成部34、35と、重み付け合成部34、35で合成される信号に重み付け係数を付与するブラインド型重み付け制御部71とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線通信装置に関するものであり、特に、移動体通信に好適な無線通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、携帯電話に代表される移動体通信産業の発展は飛躍的な進歩を遂げている。この飛躍的進歩に伴い、移動体通信による各種サービスも多種・多様化しており、今後さらに予想される伝送情報量の増大に対応するため、伝送信号の広帯域化が求められている。
【0003】
広帯域信号を移動体環境下において伝送する場合、周波数選択性フェージングの克服が課題となる。この周波数選択性フェージングへの対応技術の一つとして、特に、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multlplexing)と呼ばれる通信技術が各種無線通信装置に採用されている。その一方で、更なる伝送容量の増大のために、複数アンテナを用いて二つ以上の信号を同時に伝送するMIMO(Multiple InputMultiple Output)と呼ばれる通信技術が注目を集めている。
【0004】
このMIMO通信技術を広帯域移動通信システムに適用した例として、空間多重(SDM:Space Division Multiplex)により周波数帯域を拡大することなくMIMOチャネルを構成し、このMIMOチャネルをSDM−COFDM(Coded Orthogonal FrequencyDivision Multlplexing)方式に適用した広帯域移動通信システムが提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0005】
この文献に示された通信方式は、二つの送信アンテナと、二つの受信アンテナを有するMIMOシステムにおいて、空間多重する各アンテナ間の伝達係数行列を用いることによって、チャネル間干渉補償とフェージング補償とを同時にフィードフォワードで実現するとともに、各チャネルのSN比に基づく振幅重み係数を用いて軟判定ビダビ複合による誤り訂正効果を得ることにより伝送品質を改善している。
【0006】
上記文献に示された従来技術は、受信機側で伝送品質を改善するための技術であったが、同様なMIMOシステムにおいて、送信機側で送信電力制御を行うことにより、受信機側で受信される伝送信号の平均誤り率を改善する技術が提案されている(例えば、非特許文献2を参照)。
【0007】
この文献に示された通信方式は、MIMOチャネル情報が送信側であらかじめ既知であることを条件に、固有ベクトルを用いたマルチビーム形成により直交チャネルを形成し、注水定理による送信電力制御を行うことで、チャネル容量を最大にするようにしている。特に、各チャネルの送信情報が複数のアンテナに分配され、ビームフォーミングが行われる点や、重み付け制御があらかじめ既知である伝送路情報に基づいて直交チャネルが形成される点を特徴としている。
【0008】
【非特許文献1】
黒崎他3名、「MIMOチャネルにより100Mbit/sを実現する広帯域移動通信用SDM−COFDM方式の提案」、信学技法、電子情報通信学会、RCS2001−135(2001−10)、p.37−42
【非特許文献2】
宮下他5名、「MIMOチャネルにおける固有ビーム空間分割多重(E−SDM)方式」、信学技法、電子情報通信学会、RCS2002−53(2002−5)、p.13−18
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
複数の信号を同時に送信することにより、伝送容量の増大を実現するMIMOシステムであるが、複数信号を多重、分離することから実現には一定の条件が必要となる。例えば、二つの送信アンテナと、二つの受信アンテナとを有するMIMOシステムを考えたとき、一つの送信アンテナから二つの受信アンテナへ至る伝送路と、もう一つの送信アンテナから二つの受信アンテナへ至る伝送路との、全部で4つの伝送路が存在する。一般的に、MIMOシステムとして機能させるためには、受信側で多重された信号の分離が行われなければならず、また、この信号分離のためには、異なるブランチ間(つまり、上記4つの伝送路)で伝送路を特徴づける情報(以下「伝送路情報」という。)に大きな差があることが条件となる。
【0010】
しかしながら、非特許文献1では、複数のアンテナから無指向的に情報を送信する。加えて、無線機器の小型化が進む現在ではアンテナ同士が接近し、アンテナ間の距離が小さくなるため、複数チャネル間の伝送路に大きな相関が生じる可能性が高い。この場合、分離後の信号電力は非常に小さなものとなり、伝送品質が著しく劣化することになる。
【0011】
また、非特許文献2では、伝送路情報が既知であることを前提としているため、非特許文献1と比べると高品質を維持した通信が可能である。しかしながら、直交チャネルの形成には完全な伝送路情報が各サブキャリア単位で必要となるため、何らかの方法で受信機側から送信側へ伝送路情報をフィードバックする必要がある。フィードバックの方法は数種が提案されているが、いずれにしても大量の情報をフィードバックしなければならず、通信システムとしてのパフォーマンスを低下させることは避けられない。
【0012】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、マルチキャリア無線通信方式を適用した無線通信装置であって、通信システムとしてのパフォーマンスを低下させることなく、良好な通信特性を得ることができる無線通信装置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる無線通信装置にあっては、複数の送信アンテナと、これらの複数の送信アンテナにそれぞれ接続された送信チャネルとを有し、この送信チャネルごとに一つまたは複数のサブキャリアを用いて生成されたマルチキャリア信号を送信する送信手段と、前記複数の送信チャネルに対応した複数の受信チャネルと、これらの受信チャネルにそれぞれ接続された受信アンテナとを有し、前記マルチキャリア信号を受信して前記受信チャネルごとに一つまたは複数のサブキャリアを用いて処理する受信手段とを備える無線通信装置において、前記送信手段は、それぞれのサブキャリアに配置された信号を用いてこのサブキャリアごとに重み付け合成を行う重み付け合成手段と、前記重み付け合成手段で合成される信号に重み付け係数を付与する重み付け制御手段とを備え、前記重み付け制御手段は、前記送信アンテナから前記送信チャネルごとに送信される送信信号の送信方向が異なる方向となるように重み付け係数を付与することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、送信手段に備えられた重み付け合成手段は、それぞれのサブキャリアに配置された信号を用いてこのサブキャリアごとに重み付け合成を行い、送信手段に備えられた重み付け制御手段は、重み付け合成手段で合成される信号に送信アンテナから送信チャネルごとに送信される送信信号の送信方向が異なる方向となるように重み付け係数を付与する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる無線通信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の送信部の構成を示したブロック図であり、図2は、この発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の受信部の構成を示したブロック図である。図1に示す送信部は、送信ch1、ch2の二つのMIMOチャネルを有し、それぞれのチャネルに接続された送信アンテナから信号を出力するための構成例を示したものであり、図2に示す受信部は、この送信部から送信された信号を受信ch1、ch2の二つのMIMOチャネルで処理するための構成例を示している。
【0017】
図1において、この送信部は、送信チャネルとして送信ch1、ch2の二つの送信チャネルを有しており、各送信チャネルごとに、それぞれ、送信すべきデジタル信号S30、S31を符号化する符号化部30、31と、符号化信号S32、S33を変調してサブキャリアに配置する変調部32、33と、サブキャリアに配置された信号S34、S35の両者を用いてサブキャリア単位で重み付け合成を行う重み付け合成部34、35と、重み付け合成部34、35へ各送信チャネル用の重み付け係数S70、S71を与えるブラインド型重み付け制御部71と、重み付け合成された重み付け信号S36、S37を逆フーリエ変換処理し、ガードインターバルの付加などを行うIFFT部38、39と、OFDM信号となるS38、S39を高周波帯に変換するIF/RF部40、41の処理部と、送信アンテナ42、43とを有している。なお、MIMOシステムの伝送では、情報を幾つかの低レートなキャリアに分割したマルチキャリア信号を伝送するマルチキャリア変調方式が用いられ、ここでいうところのサブキャリアとは、この低レートに分割された個々のキャリアを指している。
【0018】
また、図2において、受信部は、送信ch1、ch2から送信される信号を受信するために、受信ch1、ch2の二つのチャネルを有しており、各チャネルごとに、それぞれ、マルチキャリア信号を受信する受信アンテナ51、52と、このマルチキャリア信号をベースバンド信号S51、52に変換するIF/RF部53、54と、ベースバンド信号S51、52をフーリエ変換処理してサブキャリア単位の信号S53、S54を算出するするFFT部55、56と、サブキャリア単位の信号S53、S54の両者を用いてサブキャリア単位で重み付け合成を行う重み付け合成部57、58と、重み付け合成部57、58へ各チャネル用の重み付け係数を与える重み付け制御部59、60と、合成後の信号S55、S56の復調を行ってメトリック情報S57、S58を出力する復調部61、62と、メトリック情報S57、S58に誤り訂正を適用し、受信信号S59、S60を出力する誤り訂正部63、64の各処理部とを有している。
【0019】
つぎに、実施の形態1にかかる無線通信装置の動作を説明する。図1に示す送信部において、同時送信される送信ch1、ch2の信号S30、S31は、符号化部30、31、変調部32、33により誤り訂正用符号化および変調処理が行われて各サブキャリアに配置される。各サブキャリアに配置された信号S34、S35は、重み付け合成部34、35によって、ブラインド型重み付け制御部71から与えられる重み付け係数S70、S71によって後述する所定のビームパターンになるように合成される。なお、各キャリア内では同一の重み付け係数が付与される。重み付け合成された信号S36、S37は、IFFT部38、39により周波数領域の信号から時間領域の信号(OFDM信号)に変換され、ガードインターバルが付加された後、IF/RF部53にてマルチキャリア信号として高周波帯ヘアップコンバートされ、送信アンテナ42、43から送信される。
【0020】
つぎに、受信部の動作の説明を行う。図2に示す送信部において、受信アンテナ51、52で受信された高周波信号は、IF/RF部53、54にてベースバンド信号S51、S52に変換される。ベースバンド信号S51、S52は送信された複数(ch1、ch2)の信号が混在した状態であり、これらの混在信号をそれぞれ分離する必要がある。ベースバンド信号S51、S52は、FFT部55、56により時間領域の信号から周波数領域の信号へと変換され、各サブキャリアの信号S53、S54が算出される。これらの信号S53、S54は、複数のチャネルの信号(この例では、ch1およびch2の信号)が混在しているため、重み付け合成部57、58において、チャネルごとの信号S55、S56が抽出される。この処理で、重み付け制御部59、60は、重み付け合成部57、58に乗算すべき重み付け係数を与える。チャネルごとに分離された信号S55、S56は、復調部61、62でメトリック計算が行われ、信号S57、S58が生成され、誤り訂正部63において、誤り訂正処理が行われ、受信ch1、ch2の受信信号として信号S59、S60が出力される。
【0021】
ここで、この実施の形態の特徴は、送信部では伝送路情報が未知であることを前提としている。すなわち、各チャネルの最適な通信路は不明であると仮定している。しかしながら、各チャネルの最適な通信路は不明であっても、各チャネルの伝送路に大きな差が生ずるように、送信アンテナ42、43のビームパターンを制御することが可能である。図3は、二つの送信チャネルを意図的に別方向に送信する概念を示した図である。同図において、破線のパターンは、送信アンテナ42から送信される送信ch1のビームパターンを示しており、実線のパターンは、送信アンテナ43から送信される送信ch2のビームパターンを示している。
【0022】
ブラインド型重み付け制御部71は、図3に示すように各チャネル間で異なる送信方向となるようなビームパターンを形成するために、各サブキャリアに与える重み付け係数S70、S71を重み付け合成部34、35に対して指示する。このように、チャネルごとに送信方向を変えるようにすれば、受信信号のチャネル間の伝送路差を大きくすることができ、分離後の信号電力が増大することで、受信特性を向上させることができる。また、この実施の形態では、伝送路情報を受信部から送信部にフィードバックする必要がないので、通信システムとしてのパフォーマンス低下を抑制することができる。
【0023】
以上説明したように、この実施の形態の無線通信装置によれば、送信アンテナから送信チャネルごとに送信される送信信号の送信方向が異なる方向となるように重み付け係数を付与するようにしているので、受信信号のチャネル間の伝送路差を大きくすることができ、分離後の信号電力が増大することで、受信特性を向上させることができるという効果を奏する。
【0024】
また、この実施の形態の無線通信装置によれば、伝送路情報を受信部から送信部にフィードバックする必要がないので、通信システムとしてのパフォーマンス低下を抑制することができるという効果を奏する。
【0025】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2にかかる無線通信装置において、二つのチャネルから送信されるキャリアごとのビームパターンの概念を示す図である。実施の形態1による制御では、送信部において伝送路情報が未知であるため、形成したビームが必ずしも最適な方向を向かないことが考えられる。ところが、実施の形態2による制御では、図4に示すように、サブキャリア単位で各チャネルの送信方向を変えて送信するようにしている。なお、実施の形態2の構成は、図1および図2に示す実施の形態1の構成と同一である。また、送信側では伝送路情報が未知であり、ビームの形成はブラインド的に行われることも実施の形態1と同様である。
【0026】
OFDMに代表されるマルチキャリア通信装置では、特定のサブキャリアで受信電力が低下しても、キャリア間のインターリーブおよび誤り訂正の適用により、システムとしての特性劣化を効果的に抑制することが可能である。この性質を利用し、サブキャリア単位で各チャネルのビーム送信方向を変更することにより、連続したサブキャリアで受信電力の低下を抑制できるので、通信システムとしての受信特性向上が期待できる。
【0027】
なお、図4においては、各チャネル間の相対的なビーム送信方向は変化させていないが(ch2のビームパターンがch1のビームパターンよりも反時計方向に90度ずれている状態)、相対的な方向を変更しても構わない。もちろん、同一方向に送信しても構わない。
【0028】
以上説明したように、この実施の形態の無線通信装置によれば、送信信号の送信方向がサブキャリアごとに異なる方向となるように重み付け係数を付与するようにしているので、受信部でのチャネル分離後の受信信号において、連続したサブキャリアで受信電力の低下が生じる確率を小さくすることが可能となり、通信システムとしての伝送特性を向上させることができるという効果を奏する。
【0029】
また、この実施の形態の無線通信装置によれば、複数のサブキャリアを1以上のサブキャリアグループにグループ化し、このサブキャリアグループ内で送信アンテナから送信チャネルごとに送信される送信信号の送信方向が異なる方向となるように重み付け係数を付与するようにしているので、受信部でのチャネル分離後の受信信号において、連続したサブキャリアで受信電力の低下が生じる確率をさらに小さくすることが可能となり、通信システムとしての伝送特性を向上させることができるという効果を奏する。
【0030】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3にかかる無線通信装置の送信部の構成を示したブロック図である。実施の形態1では、伝送路情報が完全に未知の場合を想定し、ブラインド的にビーム制御を行っていたが、実施の形態2では、何らかのフィードバック情報がある場合を想定し、受信側からのフィードバック情報により最適のビーム形成用ウェイトを選択するための重み付け制御部72、重み付け選択部73およびブラインド型ウェイト生成部74を備えている。なお、その他の構成は、図1に示す実施の形態1と同一であり、同一構成部分には同一符号を付して示している。
【0031】
また、図6は、この発明の実施の形態3にかかる無線通信装置の受信部の構成を示したブロック図である。実施の形態1では、受信部から送信部へのフィードバック情報はない場合を想定していたが、実施の形態3では、受信された信号の各サブキャリアの電力を計測し、送信部にフィードバックする電力計測部77を備えている。なお、その他の構成は、図2に示す実施の形態1と同一であり、同一構成部分には同一符号を付して示している。
【0032】
つぎに、実施の形態3の動作を説明する。まず、通信開始時では、送信部において通信路情報が未知であり、実施の形態2と同様に、ブラインド的にサブキャリアごとに各チャネル単位の送信ビームが形成される。このとき、一定範囲(例えば、伝送路のコヒーレント帯域幅)の一組のサブキャリア(以下「サブキャリアグループ」という。)とし、その中で様々な方向への送信ビームが実現できるように、ブラインド型ウェイト生成部74において重み付け係数を生成する。この重み付け係数に基づき、重み付け制御部72および重み付け合成部34、35では送信ビームが形成され、IFFT部38、39で周波数領域から時間領域の信号に変換され、IF/RF部53、54で高周波帯へアップコンバートされ、送信アンテナ42、43から送信される。
【0033】
受信部では、この信号を受信してチャネル分離を行い、受信信号を抽出する。その際、電力計測部77は、各サブキャリアの電力を計測し、サブキャリアグループ内において、最も受信電力の大きなサブキャリア番号を調べ、その番号を搭載したキャリア情報S81を送信部へフィードバックする。
【0034】
図5に戻って、受信部からフィードバックされたキヤリア情報S81により、重み付け選択部73では、最も受信電力の大きなサブキャリアの合成ウェイトが最適であると判断し、サブキャリアグループ内の全てのサブキャリアに対して、当該サブキャリアと同様(或いは、送信方向が略同一方向)なビームフォーミングとなるように、或いは、送信方向が略同一の方向に向くようにウェイト情報を生成する。送信部が次回以降送信を行う場合には、重み付け選択部73で生成されたこの最適なウェイト情報を各サブキャリアグループに適用し、送信を行えばよい。
【0035】
なお、サブキャリア帯域が伝送路のコヒーレント帯域よりも十分に小さな場合には、様々なビームの組み合わせの中から最適なビーム構成を選択することが可能となり、受信特性の向上が可能となる。また、コヒーレント帯域はフェージングに比べて変動が緩やかであり、ある程度事前に測定することも可能である。
【0036】
以上説明したように、この実施の形態の無線通信装置によれば、サブキャリアが送信する送信信号の送信方向を、電力計測部から通知されたサブキャリア番号に該当するサブキャリアが送信する送信信号の送信方向に略一致させるように重み付け係数を付与するようにしているので、従来に比べて非常に少ないフィードバック情報で送信に適したウェイト情報を生成することが可能となり、通信システムとしての伝送特性の向上が実現できるという効果を奏する。
【0037】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4にかかる無線通信装置の受信部の構成を示したブロック図である。実施の形態1では、伝送路情報が完全に未知の場合を想定し、受信部から送信部へのフィードバック情報がない場合の構成を示したが、実施の形態4では、送信部から受信部の各ブランチの伝送路情報(後述する図8に示すHij)を解析し、この解析された情報を送信部にフィードバックするための伝送路解析部75を備えている。なお、その他の構成は、図2に示す実施の形態1と同一であり、同一構成部分には同一符号を付して示している。また、送信部の構成は、図1に示す実施の形態1と同一である。
【0038】
図8は、それぞれ、二つの送信アンテナと、二つの受信アンテナを有するMIMOシステムの伝送路を模式的に示した図である。各送信アンテナ42、43から各受信アンテナ51、52へ至る伝送路情報をHij(j=1、2)と表記している。つまり、二つの送信アンテナと、二つの受信アンテナを有する場合には、H11、H12、H21およびH22の4つのブランチが存在することになる。
【0039】
図7に戻って、実施の形態4にかかる送信部では、まず、送信アンテナ42、43から無指向パターンで各チャネルのデータが送信される。受信部では、ベースバンド信号中に存在する既知信号部分を利用し、伝送路解析部75において、各ブランチの伝送路情報(図8に示したHij)の推定および解析を行う。その結果、複数チャネル間の伝送路状態が極めて近い(チャネルの分離が困難)と判断した場合には、特定のチャネルの電力を低下させるように、各チャネルに対する送信指示の信号S90を送信部にフィードバックする。この送信指示の信号には、各チャネルの電力情報、変調方式などが含まれる。極端な場合、この送信指示はビーム選択(チャネル選択)情報となり、ビームのON/OFFが指示されることになる。また、受信した複数チャネルのうち使用するチャネル番号を指定することでも構わない。送信部では、このフィードバック情報にしたがって各チャネルの送信電力、変調方式を制御する。また、次回からの送信はこの制御情報を用いて行えばよい。
【0040】
一般的に、同時送信チャネル数を減らす場合には、干渉が低減するため、残りの送信チャネルの多値数を大きくすることにより、スループットの低下を抑制することができる。また、複数チャネル間において伝送路状態が極めて近いような状況でも、いくつかのチャネルは安定した受信が可能となる。
【0041】
なお、伝送路状態の解析には、一般的に固有値解析などが用いられるが、実施の形態3の送信部の構成と実施の形態4の受信部の構成とを組み合わせて、チャネル分離後の各受信電力などを指標として動作させることも可能である。また、この実施の形態では、送信電力の指定、変調方式の指定は各チャネルごとに行っているが、各チャネル内でサブキャリア単位で行うことも可能である。
【0042】
以上説明したように、この実施の形態の無線通信装置によれば、伝送路情報の解析結果に基づいて受信チャネル間のチャネル分離の困難度を判定し、この困難度に基づいた送信チャネルごとの送信指示に関する情報を送信部に通知するようにしているので、複数チャネル間において伝送路状態が極めて近いような状況でも、いくつかのチャネルは安定した受信が可能となり、システムの適用領域を広げることができるという効果を奏する。
【0043】
実施の形態5.
図9は、この発明の実施の形態5にかかる無線通信装置の送信部の構成を示したブロック図である。実施の形態1では、ブラインド型の重み付け制御を行っていたが、実施の形態5では、受信部からのフィードバック情報に基づいて符号拡散を行う符号拡散制御部80を備えている。なお、その他の構成は、図1に示す実施の形態1と同一であり、同一構成部分には同一符号を付して示している。また、受信部の構成は、図7に示す実施の形態4と同一である。
【0044】
図9において、まず、送信部の送信アンテナ42、43から拡散処理が行われていない信号が送信される。受信部では、ベースバンド信号中に存在する既知信号部分を利用し、図7に示す伝送路解析部75において、各ブランチの伝送路情報(図8に示したHij)の推定および解析を行う。その結果、複数チャネル間の伝送路状態が極めて近い(チャネルの分離が困難)と判断した場合には、近いと判断したチャネル番号の情報などを搭載した信号S90を送信部にフィードバックする。
【0045】
送信部では、フィードバックされた信号S90から分離が困難となるチャネルを選択し、符号拡散制御部80において指示されたチャネル間が符号分割できるように異なる拡散符号で拡散処理を行う。この拡散処理により、指示されたチャネル間はアンテナによる空間分離に頼らず、受信部で逆拡散処理により分離が可能となる。また、複数チャネル間において伝送路状態が極めて近いような状況でも、全ての通信チャネルにおいて安定した受信が可能となる。
【0046】
なお、送信部では、次回からの送信は、これらの分離が可能となる拡散符号で符号拡散された信号を用いて送信を行えばよい。また、分割指示がされていないチャネルについては、そのまま拡散せずに送信を行えばよい。
【0047】
以上説明したように、この実施の形態の無線通信装置によれば、伝送路解析部から通知されたチャネル番号に対応した送信チャネルの信号を符号拡散するようにしているので、複数チャネル間において伝送路状態が極めて近いような状況でも、全ての通信チャネルにおいて安定した受信が可能となり、システムの適用領域を広げることができるという効果を奏する。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、送信手段に備えられた重み付け合成手段は、それぞれのサブキャリアに配置された信号を用いてこのサブキャリアごとに重み付け合成を行い、送信手段に備えられた重み付け制御手段は、重み付け合成手段で合成される信号に、送信アンテナから送信チャネルごとに送信される送信信号の送信方向が異なる方向となるように重み付け係数を付与するようにしているので、受信信号のチャネル間の伝送路差を大きくすることができ、分離後の信号電力が増大することで、受信特性を向上させることができるという効果を奏する。また、伝送路情報を受信部から送信部にフィードバックする必要がないので、通信システムとしてのパフォーマンス低下を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の送信部の構成を示したブロック図である。
【図2】図2は、この発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の受信部の構成を示したブロック図である。
【図3】二つの送信チャネルを意図的に別方向に送信する概念を示した図である。
【図4】この発明の実施の形態2にかかる無線通信装置において、二つのチャネルから送信されるキャリアごとのビームパターンの概念を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態3にかかる無線通信装置の送信部の構成を示したブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3にかかる無線通信装置の受信部の構成を示したブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態4にかかる無線通信装置の受信部の構成を示したブロック図である。
【図8】それぞれ、二つの送信アンテナと、二つの受信アンテナを有するMIMOシステムの伝送路を模式的に示した図である。
【図9】この発明の実施の形態5にかかる無線通信装置の送信部の構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
30,31 符号化部、32,33 変調部、34,35,57,58 重み付け合成部、38,39 IFFT部、40,41,53,54 IF/RF部、42,43 送信アンテナ、51,52 受信アンテナ、55,56 FFT部、59,60,72 重み付け制御部、61,62 復調部、63 誤り訂正部、71 ブラインド型重み付け制御部、73 重み付選択部、74 ブラインド型ウェイト生成部、75 伝送路解析部、77 電力計測部、80 符号拡散制御部。

Claims (12)

  1. 複数の送信チャネルと、これらの送信チャネルにそれぞれ接続された送信アンテナとを有し、前記送信チャネルごとに一つまたは複数のサブキャリアを用いて生成されたマルチキャリア信号を送信する送信手段と、前記複数の送信チャネルに対応した複数の受信チャネルと、これらの受信チャネルにそれぞれ接続された受信アンテナとを有し、マルチキャリア信号を受信して前記受信チャネルごとに一つまたは複数のサブキャリアを用いて処理する受信手段とを備える無線通信装置において、
    前記送信手段は、
    それぞれのサブキャリアに配置された信号を用いてこのサブキャリアごとに重み付け合成を行う重み付け合成手段と、
    前記重み付け合成手段で合成される信号に重み付け係数を付与する重み付け制御手段と、
    を備え、
    前記重み付け制御手段は、前記送信アンテナから前記送信チャネルごとに送信される送信信号の送信方向が異なる方向となるように重み付け係数を付与することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記重み付け制御手段は、前記送信信号の送信方向が前記サブキャリアごとに異なる方向となるように重み付け係数を付与することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 複数の送信チャネルと、これらの送信チャネルにそれぞれ接続された送信アンテナとを有し、前記送信チャネルごとに複数のサブキャリアを用いて生成されたマルチキャリア信号を送信する送信手段と、前記複数の送信チャネルに対応した複数の受信チャネルと、これらの受信チャネルにそれぞれ接続された受信アンテナとを有し、マルチキャリア信号を受信して前記受信チャネルごとに複数のサブキャリアを用いて処理する受信手段とを備える無線通信装置において、
    前記送信手段は、
    それぞれのサブキャリアに配置された信号を用いてこのサブキャリアごとに重み付け合成を行う重み付け合成手段と、
    前記重み付け合成手段で合成される信号に重み付け係数を付与する重み付け制御手段と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  4. 前記重み付け制御手段は、前記複数のサブキャリアを1以上のサブキャリアグループにグループ化し、このサブキャリアグループ内で前記送信アンテナから前記送信チャネルごとに送信される送信信号の送信方向が異なる方向となるように重み付け係数を付与することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 前記受信手段は、前記送信信号を受信して前記サブキャリアごとの電力を計測する電力計測手段をさらに備え、
    この電力計測手段は、前記サブキャリアグループ内で、最も受信電力の大きなサブキャリア番号を前記送信手段に通知することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  6. 前記重み付け制御手段は、前記サブキャリアグループ内の全てのサブキャリアに対し、この全てのサブキャリアが送信する送信信号の送信方向を、前記電力計測手段から通知されたサブキャリア番号に該当するサブキャリアが送信する送信信号の送信方向に略一致させるように重み付け係数を付与することを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
  7. 前記受信手段は、前記マルチキャリア信号を受信して前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の伝送路情報を解析する伝送路解析手段をさらに備え、
    この伝送路解析手段は、前記伝送路情報の解析結果に基づいて前記受信チャネル間のチャネル分離の困難度を判定し、この困難度に基づいた前記送信チャネルごとの送信指示に関する情報を前記送信手段に通知することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の無線通信装置。
  8. 前記送信指示に関する情報は、前記送信チャネルごとの電力情報であることを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
  9. 前記送信指示に関する情報は、前記送信チャネルごとの変調方式であることを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
  10. 前記送信指示に関する情報は、前記送信チャネルごとのチャネル選択情報であることを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
  11. 前記受信手段は、前記マルチキャリア信号を受信して前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の伝送路情報を解析する伝送路解析手段をさらに備え、
    この伝送路解析手段は、前記伝送路情報の解析結果に基づいて前記受信チャネル間のチャネル分離の困難度を判定し、チャネル分離の困難なチャネル番号を前記送信手段に通知することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の無線通信装置。
  12. 前記送信手段は、前記送信チャネルによって処理される信号を拡散符号で符号拡散する符号拡散制御手段をさらに備え、
    この符号拡散制御手段は、前記伝送路解析手段から通知されたチャネル番号に対応した送信チャネルによって処理される信号を符号拡散することを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
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