JP2004236465A - 受配電機器用固体絶縁物の余寿命推定方法 - Google Patents

受配電機器用固体絶縁物の余寿命推定方法 Download PDF

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伸介 三木
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周 岡澤
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Abstract

【課題】複数の劣化要因が複合的に影響して劣化する受配電機器用固体絶縁物の余寿命を精度良く推定する。
【解決手段】新品の受配電機器用固体絶縁物と被検体である受配電機器用固体絶縁物とに付着している硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、およびカルシウムイオンの各イオン量、並びに上記各受配電機器用固体絶縁物の表色モードbにおける色彩を評価項目とし、上記評価項目を総合的に用いて絶縁劣化の程度を1つの指標で表し、予め求めておいた運転時間と上記指標との関係から上記被検体である受配電機器用固体絶縁物の余寿命を推定する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、受配電機器用固体絶縁物の余寿命推定方法に関するものであり、さらに詳しくは、受配電機器の設置現場で、受配電機器に用いられている有機材料からなる固体絶縁物の絶縁抵抗低下による余寿命を充分な感度で、精度良く推定することのできる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の固体絶縁物の余寿命推定を実施した例として、被覆ケーブルの余寿命推定方法においては、被覆層を形成する有機高分子材料自体、該有機高分子材料と同じ組成を有する再現材料、または該再現材料と類似の材料からなる群から選ばれた少なくとも1材料について該材料の基準温度tsでの超音波伝搬特性Vtsまたは劣化診断特性をパラメータとして加熱温度tと加熱時間hとの相関関係(t−h相関関係)を実験的に確立する工程α、該t−h相関関係の中から任意に選定した少なくとも一パラメータ値についてのt−h相関関係を寿命t−h相関関係として定める工程β、一定期間布設された余寿命推定対象の被覆ケーブルの被覆層を形成する有機高分子材料の超音波伝搬特性Vtsまたは劣化診断特性の値を得る工程γ、上記の一定期間布設以降における被覆ケーブルの被覆層の平均温度における寿命t−h相関関係上の加熱時間h1 と工程γにおいて得た超音波伝搬特性Vtsまたは劣化診断特性の値(パラメータ値)についてのt−h相関関係上の加熱時間h2 を求める工程δ、および加熱時間h1 と加熱時間h2との時間差をもって被覆ケーブルの余寿命とする工程ε、とを有している(例えば、特許文献1参照)。また、劣化診断特性として、被覆ケーブルの被覆層を形成する有機高分子材料の引張強さ、破断伸び率、弾性率、ヤング率、モジュラス、誘電率、誘電正接、体積抵抗率、交流破壊電圧強度、インパルス破壊電圧強度、超音波伝搬特性、表面反発硬度、表面針入硬度、被覆ケーブルの捩じりトルク、および被覆ケーブルの曲げ剛性が挙げられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−352050号公報(第2−9頁、第1および2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来例では、温度に対する劣化(熱劣化)のみ考慮しているため、温度以外の因子で劣化する場合には適用できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記のような従来のものの問題点を解決するためになされたものであり、複数の劣化要因が複合的に影響して劣化する受配電機器用固体絶縁物の余寿命を精度良く推定することができる方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る受配電機器用固体絶縁物の余寿命推定方法は、新品の受配電機器用固体絶縁物と被検体である受配電機器用固体絶縁物とに付着している硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、およびカルシウムイオンの各イオン量、並びに上記各受配電機器用固体絶縁物の表色モードbにおける色彩を評価項目とし、上記評価項目を総合的に用いて絶縁劣化の程度を1つの指標で表し、予め求めておいた運転時間と上記指標との関係から上記被検体である受配電機器用固体絶縁物の余寿命を推定するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明の余寿命推定に適用される固体絶縁物は、スイッチギア、遮断器、開閉器等の受配電機器で使用されるものである。このような受配電機器で使用される固体絶縁物には、例えば、炭酸カルシウムまたは水和アルミナ等を含む不飽和ポリエステル、フェノール樹脂(フェノール積層板、フェノール成型品)、エポキシ樹脂、エポキシ碍子等の有機材料からなる固体絶縁物が多く見られる。本発明ではこのような受配電機器で使用される有機材料からなる固体絶縁物のことを受配電機器用固体絶縁物と称する(以下、受配電機器用固体絶縁物を単に固体絶縁物ということもある。)では、使用時のストレス要因等により劣化が進行する。このような劣化の状態を診断して事故を未然に防ぐことが重要となる。
【0008】
本発明の発明者らが遮断器のトラブル事例を詳しく分析したところ、固体絶縁物は、熱ストレスのみにより劣化が進行するのではなく、電気的、化学的、環境的なストレス要因により劣化が進行することが分かった。すなわち、固体絶縁物にイオン性物質が付着してそれが潮解したとき、または、そこに降雨などにより水分がかかったときには、固体絶縁物の表面を流れる漏れ電流が増加し、絶縁低下をきたす。さらには、この漏れ電流による局部加熱により固体絶縁物表面の一部が乾燥し、漏れ電流が遮断されると、その部分の電圧が増加し、局所的な放電が発生する。この放電により硝酸化合物が生成し、さらに絶縁抵抗が低下する。放電が発生した部分で炭化が進行し、導電路が形成されることにより短絡に至る。
【0009】
本発明の発明者らは、受配電機器用固体絶縁物は、上記のように熱ストレスのみで劣化するのではなく、電気的、化学的、環境的なストレス要因が複合的に劣化に影響するため、複数の劣化特性を測定し総合的に余寿命を判断する必要があることを見出して本発明に至ったものである。
【0010】
本発明による受配電機器用固体絶縁物の余寿命推定方法は、絶縁劣化量を評価するための複数の評価項目について測定を実施し、測定結果を総合的に解析して1つの劣化指標(マハラノビスの距離)で表し、予め作成した運転時間と劣化指標(マハラノビスの距離)の関係から余寿命を推定するものであり、下記の三段階の工程から構成される。
【0011】
第一の工程は、運転中の受配電機器において、その受配電機器で用いられている固体絶縁物の絶縁劣化量を診断するための評価項目について測定することを内容とする。本発明の発明者らは、上記のような受配電機器用固体絶縁物の市場使用品を分析した結果、固体絶縁物に付着している硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、およびカルシウムイオンの各イオン量、並びに固体絶縁物の光沢、表色モードbおける色彩(色彩の表記法の1つであり、プラス方向は黄色が強くなる方向、マイナス方向は青が強くなる方向である。以下、色彩bと記載する。)、および成分(炭化水素基の量)の各評価項目が、運転中の受配電機器で用いられている固体絶縁物の絶縁劣化量を評価するのに有効であることを見いだした。
【0012】
各イオン量は、例えば市販のイオン試験紙または反応試薬溶液と吸光度計を用いて測定する。
イオン試験紙を用いる具体的な測定方法の一例は以下の通りである。イオン試験紙を水に浸し、次いで余分な水を振り払う。水を含んだイオン試験紙を固体絶縁物表面に約1秒押しつけ、イオン試験紙の変色を目視または高感度反射式光度計で測定する。変色はイオン量が多いほど多くなるので、イオン量を定量することができる。
反応試薬溶液と吸光度計を用いる具体的な測定方法の一例は以下の通りである。濾紙を水に浸し、次いで余分な水を振り払う。水を含んだ濾紙を固体絶縁物表面に約30秒押しつけ、固体絶縁物表面のイオンを濾紙に抽出する。イオンを抽出した濾紙を3mlの水に浸し水にイオンを抽出する。イオンを抽出した水1.5mlと反応試薬溶液を混合し試薬とイオンを反応させ、溶液の吸光度を吸光度計で測定する。吸光度が大きいほどイオン量は多くなるので、イオン量の定量が可能である。
【0013】
光沢、色彩および成分(炭化水素基)はそれぞれ可搬型光沢計、可搬型色彩計および簡易型赤外分光光度計で測定する。
【0014】
従来は、固体絶縁物の絶縁劣化量を診断するのに、例えば、有機高分子材料の引張強さ、破断伸び率、弾性率、ヤング率、モジュラス、誘電率、誘電正接、体積抵抗率、交流破壊電圧強度、インパルス破壊電圧強度、超音波伝搬特性、表面反発硬度、表面針入硬度、捩じりトルク、および曲げ剛性のうちの少なくとも1つを測定しており、温度、湿度、電磁波等の外乱の影響を受けていた。
これに対して、本実施の形態では、外乱の影響をほとんど受けない上記のような化学的評価(各イオン量、光沢の程度、色彩b、成分(炭化水素基の量))により、固体絶縁物の絶縁劣化量の高精度な診断が可能になる。しかも、上記の各評価項目は、被検体である固体絶縁物を取り外して測定装置のところまで持っていかなくても、運転中の受配電機器に対してその設置現場で測定することができる。
【0015】
第二の工程は、上記評価項目による測定結果を総合的に解析して1つの劣化指標(マハラノビスの距離)で表すことを内容とする。上述したように、本発明の発明者らは、受配電機器用固体絶縁物の劣化は電気的、化学的、環境的なストレス要因が複合的に影響するため、1つの絶縁劣化特性で診断すると診断精度が悪くなるので適切ではなく、複数の劣化特性を測定し総合的に余寿命を判断する必要があることを見いだした。
より具体的には、新品および被検体である固体絶縁物に付着している硝酸イオン量、硫酸イオン量、塩素イオン量、ナトリウムイオン量、アンモニウムイオン量、およびカルシウムイオン量、並びに固体絶縁物の光沢、色彩b、成分(炭化水素基の量)を評価項目とし、各評価項目の測定結果をマハラノビス・タグチシステム法により解析して1つの指標(マハラノビスの距離)で表し、このマハラノビスの距離を用いて絶縁劣化量を診断すると、高精度な絶縁劣化量の診断結果が得られることが分かった。すなわち、新品サンプルからのマハラノビスの距離が未知サンプル(被検体)の絶縁劣化量(劣化指標)に相当する。新品サンプルの数は製造ロットが異なる15サンプル、好ましくは30サンプル、さらに好ましくは50サンプル以上である。新品サンプルの各評価項目の測定データからなる基準データ群を固体絶縁物の種類ごとに予め作成し、未知サンプル(被検体)が基準データからどれだけ離れているか(マハラノビスの距離)で診断対象となる固体絶縁物の絶縁劣化量を診断する。
【0016】
第三の工程は、予め作成した運転時間と劣化指標(マハラノビスの距離)との関係から余寿命を推定することを内容とする。本発明の発明者らは、受配電機器用固体絶縁物の劣化を促進する主な化学的、環境的因子は、湿度、温度、硝酸類、硫酸類、塩素類であることを見いだし、これらの化学的、環境的因子の雰囲気下で電圧を印加可能な図1に示すような絶縁劣化促進試験装置を開発した。
図1において、固体絶縁物7は、恒温・恒湿槽5内に配置された湿度調節機能付きデシケーター6内に設置される。デシケーター6は硝酸類、硫酸類、および塩素類の供給源8と連通している。発振器11とパワーアンプ12で出力電圧を調整し、トランス1で電圧を上昇させる。今回、200倍に電圧を上げるトランス1を使用したので、発振器11とパワーアンプ12で電圧を10V出力するとトランス1で2kVになり、固体絶縁物7に印加される。固体絶縁物7に印加されている電圧をデジタルオシロスコープ13で実測するために高圧プローブ3を備えている。また、固体絶縁物7が絶縁破壊したときに計測機器に高電圧が掛からないように保護する目的で抵抗(1MΩ)2を備えており、高電圧が掛かっている抵抗(1MΩ)を周囲から離すための台としてアクリル容器4を備えている。
固体絶縁物7からの漏れ電流はデジタルオシロスコープ13とデジタルマルチメーター10で計測し、パーソナルコンピュータ9にデータを保存する。
【0017】
硝酸類、硫酸類、および塩素類の供給は、NO、SO、HClの各ガスの供給、あるいは硝酸化合物、硫酸化合物、塩素系化合物の各水溶液の噴霧、あるいは硝酸、硫酸、塩酸の蒸気暴露等の方法で行うことができる。
【0018】
デシケーター6内の温度、湿度、硝酸類の濃度、硫酸類の濃度、塩素類の濃度を所定の値(具体的数値については後に詳しく説明する。)に保った状態で、所定の電界(具体的数値については後に詳しく説明する。)が印加された固体絶縁物7をデシケーター6内に所定時間保持した後に、固体絶縁物を上記の評価項目で分析してマハラノビスの距離を求め、時間とマハラノビスの距離との関係を示す図(図2に示す余寿命マスターカーブ)を作成した。試験後(デシケーター6内に所定時間保持後)の固体絶縁物の電気的評価(湿度50%、温度20℃の条件下での表面抵抗測定値)および化学的評価(上記評価項目による評価結果をマハラノビス・タグチシステム(MTS)法で解析し、マハラノビスの距離で表した値)を行った。その結果、市場で使用したサンプルの表面抵抗とマハラノビスの距離の相関と、絶縁劣化促進試験装置で試験したサンプルの表面抵抗とマハラノビスの距離の相関とが一致した(市場で使用したサンプルの表面抵抗とマハラノビスの距離の相関直線上に試験サンプルのデータが乗った。)ことから、本試験が市場での絶縁劣化を模擬していることを確認した。なお、図2において、横軸は運転時間、縦軸はマハラノビスの距離をそれぞれ示している。
寿命点は、遮断器、開閉器等の受配電機器の種類、電圧、絶縁距離、固体絶縁物の厚さ、材質等を考慮して求め、マハラノビスの距離が所定値、例えば10〜10(表面抵抗が10〜1011Ω)の間の所定の値になった点を寿命点とする。
【0019】
図2に示す絶縁劣化促進試験により得られた余寿命マスターカーブを用いて、実際に市場で運転した受配電機器で用いられている固体絶縁物の余寿命を推定する手順は下記の通りである。例えば10年間、市場で運転した受配電機器で用いられている固体絶縁物の劣化度(マハラノビスの距離)を求める。求められたマハラノビスの距離がxであれば(b−a)が10年に相当し、余寿命は{(d−b)/(b−a)×10}年となる。同様にマハラノビスの距離がyであれば(c−a)が10年に相当し、余寿命は{(d−c)/(c−a)×10}年となる。
【0020】
絶縁劣化促進試験の各条件を以下に記すが、本発明は、これに限定されるものではない。湿度は、高すぎるとフラッシュオーバが発生し市場での劣化モードと異なり、低すぎると絶縁劣化が進行せず劣化が促進しないので、40%RH〜95%RH、好ましくは60%RH〜90%RHである。温度は、市場での劣化モードを模擬して、50℃〜80℃、好ましくは60℃〜70℃である。硝酸類濃度、硫酸類濃度、塩素類濃度の合計濃度は、高すぎると絶縁劣化が加速しすぎ診断精度が悪くなり、低すぎると絶縁劣化が進行せず劣化が促進しないので、0.01ppm〜100ppm、好ましくは0.1ppm〜10ppmである。また、硝酸類濃度、硫酸類濃度、塩素類濃度の濃度比が、0〜2:0〜2:0〜0.5、好ましくは0.8〜1.5:0.8〜1.5:0.1〜0.3である。電界は、0.01kV/mm〜10kV/mm、好ましくは0.1kV/mm〜2.0kV/mmである。
【0021】
【実施例】
実施例1.
遮断器で用いられている固体絶縁物(不飽和ポリエステル主成分)の余寿命を推定した実施事例を以下に詳細に示す。新品および市場で使用した遮断器用の固体絶縁物をサンプルとした。サンプル数は、新品が16個(サンプル番号1〜16)、市場使用品が14個(サンプル番号17〜30)である。
固体絶縁物の各イオン(硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、フッ素イオン、亜硝酸イオン)付着量、色差(表色モードL、a、b)、光沢、成分(炭化水素基、水、エステル基、硫酸塩、硝酸塩、ケイ酸塩)分析の化学的評価(評価項目19個)を行った。サンプルとして用いた遮断器の設置場所と設置区分、および測定装置(装置の名称、社名、商品番号)と測定条件をそれぞれ表1および表2に示す。化学的評価結果にマハラノビス・タグチシステム(MTS)法を適用してマハラノビスの距離を求め、余寿命を推定した。
【0022】
【表1】
Figure 2004236465
【0023】
【表2】
Figure 2004236465
【0024】
多変量解析の判別分析の1つであるマハラノビスの距離については、例えば刊行物(救仁郷 誠,「マハラノビスの距離入門―MTS法を理解するために―」,品質工学,Vol.9,No.1,p.13(2001))に詳細に記載されている。マハラノビスの距離は、基準としたデータ群にどれだけ似ているかを示す尺度である。
以下に、新品の遮断器用固体絶縁物の上記各評価項目の測定データを基準データ群として用いて被検体である市場で使用した遮断器用固体絶縁物のマハラノビスの距離を求める手順について説明するが、具体的な数式については上記刊行物にも記載されているのでその記載を省略する。
【0025】
手順▲1▼:基準データ群の用意
K個の変量(評価項目)を持つn組のデータを用意する。
本実施例の場合、基準データ群は新品の遮断器用固体絶縁物サンプル16個であり、評価項目は上記の19個である。
手順▲2▼:基準データ群の正規化
評価項目ごとにそれらの平均値と標準偏差を用いてそれぞれのデータを正規化する。ここで標準偏差がゼロの項目は除外する(後述するが、具体的には色彩a)。
手順▲3▼:変量間の相関係数行列の算出
k個の変量から、2個を取り出す組み合わせ()について、相関係数を求め、k×kの相関係数行列Rを求める。ここで相関の大きい項目を除外する(後述するが、具体的には水、硝酸塩、硫酸塩)
手順▲4▼:相関係数行列の逆行列の算出
相関係数行列Rの逆行列Aを求める。
手順▲5▼:マハラノビスの距離の算出
手順▲4▼で求めた相関係数行列Rを用いてマハラノビスの距離Dを求める。
以上により、新品の遮断器用固体絶縁物サンプルのマハラノビスの距離が求まる。
【0026】
次に、被検体である市場で使用した遮断器用固体絶縁物のマハラノビスの距離の求め方について説明する。
まず、被検体である市場で使用した遮断器用固体絶縁物14個についてのデータを用意する。新品の遮断器用固体絶縁物サンプルの場合と同様に、評価項目は15項目である。
次に、新品の遮断器用固体絶縁物サンプルのデータを基準データ群として求められた平均値と標準偏差を用いて被検体のデータを評価項目ごとに正規化する。
次に、基準データ群から求められた相関係数行列Rを用いて、被検体である市場で使用した遮断器用固体絶縁物のマハラノビスの距離を算出する。
【0027】
なお、基準データ群(新品の遮断器用固体絶縁物サンプル)は、評価項目ごとにそれらの平均値と標準偏差を用いてそれぞれのデータを正規化するので、データ数は複数個ある必要があるが、被検体である市場で使用した遮断器用固体絶縁物のデータの正規化には、基準データ群の平均値と標準偏差を用いるので、データ数は複数個に限らず1個あってもよいのは言うまでもない。
【0028】
次に、有効な評価項目の選定方法について説明する。被検体である市場で使用した遮断器用固体絶縁物のマハラノビスの距離が大きければ大きいほど、診断精度が向上する。評価項目を使用する場合を第1水準、使用しない場合を第2水準として評価項目を直交表に割り付け、評価項目の組み合わせ毎に被検体のマハラノビスノ距離を求め、そのマハラノビスの距離から望大特性のSN比を求めて有効な評価項目を選定する。
【0029】
イオン付着量の測定結果を図3〜図5に示す。図3および図4は陰イオン付着量の測定結果(その1)および(その2)、図5は陽イオン付着量の測定結果である。図3〜図5において、横軸はサンプル番号(サンプル番号1〜16:新品、サンプル番号17〜30:市場使用品)、縦軸はイオン量(mg/cm)である。市場使用品の硝酸(図3に四角で示す。)、硫酸(図4に菱形で示す。)、塩素(図3に三角で示す。)の各陰イオンと、ナトリウム(図5に菱形で示す。)、カリウム(図5に×印で示す。)の各陽イオンとは新品に比べ増加する傾向があった。陰イオンの主成分は硝酸イオンと硫酸イオンであった。陽イオンの主成分はカルシウムイオン(図5に四角で示す。)であり他の陽イオンの50倍〜100倍であった。
フッ素イオン(図3に×印で示す。)、亜硝酸イオン(図3に○印で示す。)、カルシウムイオン、アンモニウムイオン(図5に三角で示す。)は市場使用品と新品とであまり変化が無かった。
【0030】
色彩の測定結果を図6、図7に示す。図6は色彩L(表色モードLおける色彩:色彩の表記法の1つであり明度を表し、プラス方向は明るくなる方向である。以下、色彩Lと記載する。)の測定結果、図7は色彩a(表色モードaにおける色彩:色彩の表記法の1つであり、プラス方向は赤が強くなる方向、マイナス方向は緑が強くなる方向である。)と色彩bの測定結果である。図6、図7において、横軸はサンプル番号(サンプル番号1〜16:新品、サンプル番号17〜30:市場使用品)、縦軸は色彩である。色彩は白(L=93.61、a=1.50、b=−0.03)を基準色とし、基準色のL、a、b値に対する相対値で示した。
市場使用品の色彩bは増加する傾向があった。色彩aは変化がなかったが、色彩Lは低下しているサンプルもあった。
【0031】
光沢の測定結果を図8に示す。図8において、横軸はサンプル番号(サンプル番号1〜16:新品、サンプル番号17〜30:市場使用品)、縦軸は光沢である。光沢は黒の光沢(95.5)を基準光沢とし、これとの相対値で示した。また、新品は光沢が高いため入射角60°で測定し、市場使用品は85°で測定した。
市場使用品の光沢は低下する傾向があった。これは水やイオン性物質の付着、劣化による表面の荒れが原因であると考えられる。
【0032】
赤外分析による成分分析結果を図9、図10に示す。図9は赤外分析による成分分析結果(その1)、図10は赤外分析による成分分析結果(その2)である。図9、図10において、横軸はサンプル番号(サンプル番号1〜16:新品、サンプル番号17〜30:市場使用品)、縦軸は成分量であり、遮断器で用いられている固体絶縁物(不飽和ポリエステル主成分)の充填材である炭酸カルシウムに対する比で各成分量を表した。水(図9に四角で示す。)、硫酸塩(図9に○印で示す。)、硝酸塩(図10に三角で示す。)、ケイ酸塩(図9に三角で示す。)は新品では検出限界(1.0)以下であった。市場使用品では水、硝酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩は増加する傾向があった。硝酸塩、硫酸塩、水の付着等により、硫酸塩と硝酸塩がイオン化し表面抵抗が低下したと考えられる。
炭化水素(HC)(図10に四角で示す。)、エステル(図10に菱形で示す。)については市場使用品と新品とであまり変化が無かった。
【0033】
MTS法による有効な評価項目の明確化を目的に、分析した19項目のうち相関性が高い項目(水、硝酸塩、硫酸塩)、新品、市場使用品とも変化が全く見られない項目(色彩a)を除いた15個の項目を評価した。各項目について、表4に示すように番号A〜Oを付し、表3に示すように各項目を因子として2水準のL16直交表に割り付けた。第1水準をその評価項目を使用する、第2水準を使用しないとし、16種類の評価項目の組み合せより、市場使用品データのマハラノビスの距離を求めた。このような手法については、例えば刊行物(田口玄一、兼高達貮著、 品質工学応用講座「MTシステムにおける技術開発」、第1版第1刷、日本、財団法人日本規格協会発行、2002年6月20日、第62頁)に記載されている。
基準空間(新品のデータ群)からの市場使用品のマハラノビスの距離は、大きい方が劣化診断を行うのが容易であるので、望大特性のSN比で評価を行った。表4の組み合せNo.1は水準が全て1なのでA〜Oの全ての評価項目で得られたデータからマハラノビスの距離を求める。組み合せNo.2で水準が1である評価項目はA〜Gなので、A〜Gの評価項目で得られたデータからマハラノビスの距離を求める。以下同様にして組み合せNo.16までのマハラノビスの距離を求め、それぞれに対して望大特性のSN比を求めた。
【0034】
【表3】
Figure 2004236465
【0035】
【表4】
Figure 2004236465
【0036】
SN比の要因効果図を図11に示す。図11において、横軸は評価項目番号(A〜O)と水準(1,2)、縦軸はSN比である。要因効果図で左上がりの項目は診断に有効な項目、右上がりの項目は必要のない項目である。特に有効な評価項目は、硝酸イオン(J)、硫酸イオン(K)、塩素イオン(H)ナトリウムイオン(L)、アンモニウムイオン(M)、カルシウムイオン(O)、光沢(C)、色彩b(B)、成分(炭化水素基(D))であった。これらの有効な評価項目を用いて、市場使用品14個(サンプル番号17〜30)のマハラノビスの距離を求め、求められたマハラノビスの距離と予め絶縁劣化促進試験により求めておいた図2に示すような余寿命マスターカーブを用いて実施の形態1で説明した余寿命算出方法により余寿命を算出した。結果を表5に示す。
【0037】
【表5】
Figure 2004236465
【0038】
実施例2.
上記サンプル(新品16個:サンプル番号1〜16、市場使用品14:サンプル番号17〜30)について、上述の評価項目を硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、およびカルシウムイオンの各付着量、並びに色彩bとし、実施例1と同様にして絶縁劣化量を診断した。
比較のために実験室で温度20℃、湿度50%の雰囲気下で測定した表面抵抗値とマハラノビスの距離の相関を求めた。結果を図12に示す。
【0039】
その結果、相関係数は、実施例1の硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カルシウムイオン、光沢、色彩b、成分(炭化水素基)の測定では0.96であり、硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、カルシウムイオン、色彩bの測定では0.94であった。
【0040】
この結果より、少なくとも硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、カルシウムイオン、色彩bを評価項目とし、測定結果から余寿命を推定すると、推定精度は多少低下するものの、測定時間の短縮化、コストの低減が図れる。
【0041】
比較例1.
上記サンプル(新品16個:サンプル番号1〜16、市場使用品14:サンプル番号17〜30)について、1つの評価項目で絶縁劣化量を診断した。サンプル、および各イオン量等の測定方法は実施例1および2と同じである。
図13は硝酸イオン単独および硫酸イオン単独で被検体である固体絶縁物(不飽和ポリエステル)の劣化の程度を評価した結果である。図13において、横軸が表面抵抗(Ω)、縦軸が硝酸または硫酸イオン量(濃度:mg/cm)である。白抜き菱形が上記サンプルの硝酸イオン量(濃度)と表面抵抗の測定結果、白抜き四角が上記サンプルの硫酸イオン量(濃度)と表面抵抗の測定結果であり、硝酸イオン量と表面抵抗との関係を示す破線および硫酸イオン量と表面抵抗との関係を示す実線はそれぞれこれらの測定結果から求めたものである。黒菱形は未知サンプルの硝酸イオン量(濃度)の測定結果、黒四角は同じ未知サンプルの硫酸イオン量(濃度)の測定結果である。
【0042】
未知サンプルの硝酸イオン量と硫酸イオン量をそれぞれ測定し、図13の表面抵抗と各イオン量の関係を示す直線を利用して表面抵抗を求めた場合と、実施例2で説明したマハラノビスの距離から、図12に示した表面抵抗とマハラノビスの距離の関係を示す直線を利用して表面抵抗をもとめた場合を比較した。
手順は以下のとおりである。
手順▲1▼:表面抵抗と硝酸イオン量、および表面抵抗と硫酸イオン量の関係を示す直線を求める。
手順▲2▼:表面抵抗とマハラノビスの距離の関係を示す直線を求める。
手順▲3▼:未知サンプルのイオン量から▲1▼で求めた直線関係を利用して表面抵抗を求める。
手順▲4▼:未知サンプルのマハラノビスの距離から▲2▼で求めた直線関係を利用して表面抵抗を求める。
手順▲5▼:手順▲3▼と手順▲4▼の結果を比較して有効性を確認する。
【0043】
未知サンプルの表面抵抗を測定したところ、1.8×10Ωであった。この実測値1.8×10Ωに対し、手順▲3▼において硫酸イオン、および硝酸イオンから求めた表面抵抗はそれぞれ1.0×10Ω、および4.0×1010Ωであり、1桁以上、実測値と異なっていた。
これに対して、手順▲4▼においてマハラノビスの距離から求めた表面抵抗は8.7×10Ωであり、実測値とほぼ一致した。
この結果より、1つの評価結果から診断すると余寿命推定精度が悪くなることがわかった。
【0044】
比較例2.
前述の通り、絶縁劣化促進試験の湿度条件は40%RH〜95%RH、好ましくは60%RH〜90%RHである。温度は50℃〜80℃、好ましくは60℃〜70℃である。硝酸類濃度、硫酸類濃度、塩素類濃度の合計濃度は0.01ppm〜100ppm、好ましくは0.1ppm〜10ppmである。電界は0.01kV/mm〜10kV/mm、好ましくは0.1kV/mm〜2.0kV/mmである。これらの範囲以外で試験した結果を表6に示す(試験時間は1時間〜350時間の間の10分おき)。
【0045】
試験番号1は湿度が低すぎる場合、試験番号2は温度が低すぎる場合、試験番号3は電界強度が大きすぎる場合、試験番号4は硝酸類濃度、硫酸類濃度、塩素類濃度の合計濃度が大きすぎる場合である。
いずれの場合も市場での劣化と整合せず、マスターカーブを取得するのに十分な絶縁劣化を再現することはできなかった。
【0046】
【表6】
Figure 2004236465
【0047】
以上説明したように、固体絶縁物に付着している硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、およびカルシウムイオンの各イオン量、並びに上記固体絶縁物の色彩bを評価項目とし、各評価結果をマハラノビス・タグチシステム法により解析して1つの指標(マハラノビスの距離)で表し、このマハラノビスの距離を用いて絶縁劣化量を診断すると、市場での劣化メカニズムに即した高精度な絶縁劣化量の診断結果が得られる。
【0048】
さらに、固体絶縁物に付着している硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、およびカルシウムイオンの各イオン量、並びに、上記固体絶縁物の光沢、色彩b、成分(炭化水素基の量)を評価項目とし、各評価結果をマハラノビスの距離で表し、このマハラノビスの距離を用いて絶縁劣化量を診断すると、測定時間およびコストが多少かかるものの、市場での劣化メカニズムに即したより高精度な絶縁劣化量の診断結果が得られる。
【0049】
なお、上記のような評価項目は、いずれも、被検体である固体絶縁物を取り外して測定装置のところまで持っていかなくても、運転中の受配電機器に対してその設置現場で測定することができる。
【0050】
また、受配電機器用固体絶縁物に対して、湿度、温度、硝酸類の濃度、硫酸類の濃度、塩素類の濃度、印加電界をコントロールして絶縁劣化促進試験を行うことにより、受配電機器用固体絶縁物の市場での絶縁劣化を精度良く模擬することが可能となる。その結果、精度の高い余寿命マスターカーブの作成が可能となり、これを用いて、複数の劣化要因が複合的に影響して劣化する受配電機器用固体絶縁物の余寿命を精度良く推定することができる。
【0051】
なお、上記では、評価項目を総合的に用いて絶縁劣化の程度を1つの指標で表すのに、絶縁劣化の程度を表す指標としてマハラノビスの距離を用い、新品の受配電機器用固体絶縁物の各評価項目の測定データを基準データ群として用いて被検体である受配電機器用固体絶縁物のマハラノビスの距離を求め、予め求めておいた運転時間とマハラノビスの距離との関係から被検体である受配電機器用固体絶縁物の余寿命を推定する場合について説明したが、絶縁劣化の程度を表す指標はマハラノビスの距離に限るものではなく、別の指標を用いてもよい。要は、評価項目として、受配電機器用固体絶縁物に付着している硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、およびカルシウムイオンの各イオン量、並びに受配電機器用固体絶縁物の色彩bを採択したことが、さらには、上記評価項目に加えて、受配電機器用固体絶縁物に付着しているナトリウムイオン、およびアンモニウムイオンの各イオン量、並びに受配電機器用固体絶縁物の光沢、および受配電機器用固体絶縁物の成分として炭化水素基の量を採択したことが、本発明の特徴とするところである。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、新品の受配電機器用固体絶縁物と被検体である受配電機器用固体絶縁物とに付着している硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、およびカルシウムイオンの各イオン量、並びに上記各受配電機器用固体絶縁物の色彩bを評価項目とし、上記評価項目を総合的に用いて絶縁劣化の程度を1つの指標で表し、予め求めておいた運転時間と上記指標との関係から上記被検体である受配電機器用固体絶縁物の余寿命を推定するので、複数の劣化要因が複合的に影響して劣化する、受配電機器用固体絶縁物の余寿命を、精度良く推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る絶縁劣化促進試験装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る余寿命マスターカーブを示す図である。
【図3】本発明の実施例1による固体絶縁物の陰イオン付着量の測定結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例1による固体絶縁物の陰イオン付着量の測定結果を示す図である。
【図5】本発明の実施例1による固体絶縁物の陽イオン付着量の測定結果を示す図である。
【図6】本発明の実施例1による固体絶縁物の色彩Lの測定結果を示す図である。
【図7】本発明の実施例1による固体絶縁物の色彩a,bの測定結果を示す図である。
【図8】本発明の実施例1による固体絶縁物の光沢の測定結果を示す図である。
【図9】本発明の実施例1による固体絶縁物の赤外分析結果を示す図である。
【図10】本発明の実施例1による固体絶縁物の赤外分析結果を示す図である。
【図11】本発明の実施例1によるSN比の要因効果図である。
【図12】本発明の実施例2によるマハラノビスの距離と表面抵抗値との関係を示す図である。
【図13】本発明の比較例1による硝酸イオン濃度、硫酸イオン濃度各単独での絶縁物の評価結果を説明する図である。
【符号の説明】
1 トランス、2 抵抗(1MΩ)、3 高圧プローブ、4 アクリル容器、5 恒温・恒湿槽、6 湿調付きデシケーター、7 絶縁物、8 硝酸類、硫酸類、塩素類供給源、9 パソコン、10 デジタルマルチメーター、11 発振器、12 パワーアンプ、13 デジタルオシロスコープ。

Claims (4)

  1. 設置現場における受配電機器用固体絶縁物の絶縁劣化に対する余寿命を推定する方法であって、新品の受配電機器用固体絶縁物と被検体である受配電機器用固体絶縁物とに付着している硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、およびカルシウムイオンの各イオン量、並びに上記各受配電機器用固体絶縁物の表色モードbにおける色彩を評価項目とし、上記評価項目を総合的に用いて絶縁劣化の程度を1つの指標で表し、予め求めておいた運転時間と上記指標との関係から上記被検体である受配電機器用固体絶縁物の余寿命を推定することを特徴とする受配電機器用固体絶縁物の余寿命推定方法。
  2. 新品の受配電機器用固体絶縁物と被検体である受配電機器用固体絶縁物とに付着している硝酸イオン、硫酸イオン、塩素イオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、およびカルシウムイオンの各イオン量、並びに、上記各受配電機器用固体絶縁物の光沢、表色モードbおける色彩および炭化水素基の量を評価項目とすることを特徴とする請求項1記載の受配電機器用固体絶縁物の余寿命推定方法。
  3. 湿度、温度、硝酸類の濃度、硫酸類の濃度、塩素類の濃度、印加電界を制御して絶縁劣化促進試験を行うことにより、運転時間と指標との関係を求めることを特徴とする請求項1または2記載の受配電機器用固体絶縁物の余寿命推定方法。
  4. 絶縁劣化の程度を表す指標としてマハラノビスの距離を用い、新品の受配電機器用固体絶縁物の上記各評価項目の測定データを基準データ群として用いて被検体である受配電機器用固体絶縁物のマハラノビスの距離を求め、予め求めておいた運転時間と上記マハラノビスの距離との関係から上記被検体である受配電機器用固体絶縁物の余寿命を推定することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の受配電機器用固体絶縁物の余寿命推定方法。
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