JP2004236520A - βグルカン配合パン - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、優れた生体調節機能を有するβグルカンが、機能性が発揮できるに必要とされる量が配合され、しかも、ボリュームダウン、食味・食感の低下等がない、βグルカン入りのパンを提供することである。
【解決手段】本発明は、βグルカンを配合させるパンにおいて、小麦粉の量をA重量部、βグルカンの量をB重量部とした場合に、配合する水の量Wが、下記式(1)で示される重量部であるβグルカン配合パンを提供するものである。
式(1) W=X(A+B)+YB
(但しXは0.5〜1.0、Yは1〜6の数値を表す)
【選択図】 なし
【解決手段】本発明は、βグルカンを配合させるパンにおいて、小麦粉の量をA重量部、βグルカンの量をB重量部とした場合に、配合する水の量Wが、下記式(1)で示される重量部であるβグルカン配合パンを提供するものである。
式(1) W=X(A+B)+YB
(但しXは0.5〜1.0、Yは1〜6の数値を表す)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はβグルカンを配合させたパン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
βグルカンは、近年その優れた生体調節機能性、例えば、脂質代謝改善作用、整腸作用、血糖値上昇抑制作用等が明らかとされ、利用が注目されている素材である。このような素材を加工食品にて広く利用することは、加工食品の機能性増強(高付加価値化)に寄与するのみならず、広く国民の健康維持への貢献が期待され、極めて有用なことである。
【0003】
このようなβグルカンを簡便に摂取するために、パンに配合することが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかし、βグルカンを配合したパンを製造する場合、βグルカンの添加によりボリュームダウン、食味・食感の低下、焼けムラなどが生じるため、βグルカンの添加量が制限される等の問題があった。
【0005】
その解決方法として、βグルカンを油脂組成物の形態で、パンに配合することも提案されている(特許文献2参照)。しかし、その場合も、βグルカンの吸水性の高さから、ボリュームダウン、食味・食感の低下、焼けムラ等が生じる場合があり、満足のいくものではなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−306056号公報
【特許文献2】
特開2002−241784号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた生体調節機能を有するβグルカンが、機能性が発揮できるに必要とされる量が配合され、しかもボリュームダウン、食味・食感の低下等がないβグルカン入りのパンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、βグルカンの吸水性を鑑み、小麦粉、βグルカン、添加する水の量に着目し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、βグルカンを配合させるパンにおいて、小麦粉の量をA重量部、βグルカンの量をB重量部とした場合に、配合する水の量Wが、下記式(1)で示される重量部であるβグルカン配合パンを提供するものである。
【0010】
式(1) W=X(A+B)+YB
(但しXは0.5〜1.0、Yは1〜6の数値を表す)
【0011】
また本発明は、バイタルグルテンを配合した前記βグルカン配合パンを提供するものである。
【0012】
また本発明は、βグルカンを水と一緒に添加する工程を有する前記βグルカン配合パンの製造方法を提供するものである。
【0013】
また本発明は、βグルカンが、油脂成分に分散させたβグルカンである前記βグルカン配合パンの製造方法を提供するものである。
【0014】
また本発明は、βグルカンが、水に分散もしくは溶解させたβグルカンである前記βグルカン配合パンの製造方法を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるβグルカンとは、多糖類の一種であり、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合、1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも二種類以上の結合を有する。例えば1−3−β−D−グルコピラノース結合と1−6−β−D−グルコピラノース結合を有する、あるいは1−4−β−D−グルコピラノース結合と1−6−β−D−グルコピラノース結合を有するなど2種以上の結合様式を有するβグルカンである。
【0016】
βグルカンは従来公知のいずれのものでも使用できる。例えば、穀類由来のβグルカン、微生物類由来のβグルカン、担子菌類由来のβグルカンが挙げられ、これらの群から選ばれる一種又は二種以上が好ましい例として挙げられる。
【0017】
穀類由来のβグルカンについて説明すると、穀類としては、米類、小麦類、トウモロコシ類、モロコシ類、ヒエ類、アワ類、キビ類、大麦類、オーツ麦類(カラス麦類)、ライ麦類等の穀類を挙げることができる。これら穀類から抽出されたβグルカンや、βグルカンの含有量の比較的高い種子全体を粉砕したもの(全粒粉)、穀類の精製工程で得られる糠、フスマ、麦芽、胚芽、胚乳部位等が挙げられる。特に大麦やオーツ麦由来のものが好ましく、大麦類やオーツ麦類の全粒粉や穀粒を外周部より搗精した胚乳部分やその際発生する糠から抽出したβグルカンが好ましい。
【0018】
微生物類由来のβグルカンについて説明すると、微生物類は、細胞自身がその細胞壁に多量のβグルカンを含有しており、微生物類をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま用いることができる。また、培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査、あるいは、培養細胞または培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製したもののいずれでも用いることができるが、抽出されたβグルカンを用いることが好ましい。
【0019】
また、菌体外に分泌生産されたβグルカンを利用することも可能であり、培養終了後の培養液をそのまま、あるいは培養液からβグルカンを単離・精製操作を行った後のβグルカンを用いることができるが、培養液からβグルカンを単離・精製操作を行なった後のβグルカンを用いるのが好ましい。
【0020】
微生物類由来のβグルカンは、培養細胞または培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製して用いるのが好ましく、さらに、微生物類の菌体外に分泌生産されたβグルカンを培養液とともに、あるいは培養液から精製したものを用いるのが最も好ましい。
【0021】
微生物由来のβグルカンを得るに適した微生物類は、従来より食用に供せられている微生物類が安全性が高く適している。すなわち、酵母菌、乳酸菌、納豆菌、酢酸菌、麹菌、クロレラやスピルリナなどの藻類、アウレオバシジウム(Aureobasidium)属の微生物類である。
【0022】
酵母菌としては、ビール、焼酎、日本酒、ワイン、ウイスキーなどのアルコール醸造や製パン工程で使用されるサッカロマイセス(Saccharomyces)属に分類される酵母類や圧搾パン酵母、醤油醸造で使用される酵母類、微生物蛋白質生産に使用されるキャンディダ(Candida)属などが挙げられる。
【0023】
乳酸菌としては、桿菌のラクトバシラス(Lactobacillus)属やビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、球菌のロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカッス(Pediococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属が通常使用されるが、その他、エンテロコッカス(Enterococcus)属、バゴコッカス(Vagococcus)属、カルノバクテリウム(Carnobacterium)属、アエロコッカス(Aerococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属の乳酸菌を利用することができる。具体的な乳酸菌株としては、ラクトバシルスブルガリス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバシルスヘルベティカス(L.helveticus)、ラクトバシルスアシドフィルス(L.acidophilus)、ラクトバシルスラクティス(L.lactis)、ラクトバシルスカゼイ(L.casei)、ラクトバシルスブレビス(L.brevis)、ラクトバシルスプランタラム(L.plantarum)、ラクトバシルスサケ(L.sake)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカスラクティス(S.lactis)、ストレプトコッカスクレモリス(S.cremoris)、ビフィドバクテリウムロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウムビフィダム(B.bifidum)、ビフィドバクテリウムブレーベ(B.breve)、ビフィドバクテリウムインファンティス(B.infantis)、ロイコノストッククレモリス(Leuconostoc cremoris)、ロイコノストックメセンテロイデス(Ln.mesenteroides)、ロイコノストックオエノス(Ln.oenos)、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ペディオコッカスセレビシエ(P.cerevisiae)、ペディオコッカスペントサセウス(P.pentosaceus)など従来使用されている乳酸菌の1種類または2種類以上を使用できる。これらは単品で使用してもよく、2種類以上を共生させてもよい。またビフィドバクテリウム菌の培養とその他乳酸菌の培養を別々に培養し混合してもよい。
【0024】
アウレオバシジウム(Aureobasidium)属に属する微生物としては、当該微生物を培養することによって菌体外にβ結合を有するグルコース重合体を生産する菌株であるならばいずれでもよく、その例としてはアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)の菌株であり、具体的にはIFO4466、IFO6353、IFO7757、ATCC9348、ATCC3092、ATCC433023等を用いることができる。
【0025】
その他、納豆菌のバシルス(Bacillus)属菌株、酢酸菌であるアセトバクター(Acetobactor)属の菌株、麹菌類であるアスペルギルス(Aspergillus)属、ペニシリウム(Penicillium)属、クロレラやスピルリナなどの藻類、乾燥クロレラ粉末、プルランを菌体外に分泌生産することが知られているアウレオバシジウム(Aureobasidium)属の菌株、その他食品添加物として使用される増粘多糖類を生産することが知られているキサントモナス(Xanthomonas)属、アエロモナス(Aeromonas)属、アゾトバクター(Azotobactor)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、エルウィナ(Erwinia)属、エンテロバクター(Enterobactor)属、スクレロティウム(Sclerotium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、マクロホモプシス(Macrophomopsis)属の菌株を挙げることができる。
【0026】
担子菌類由来のβグルカンについて説明すると、担子菌類は、子実体や菌糸が塊状に集合した菌核に多量のβグルカンを含有しており、微粉砕したもの、あるいは、粉砕物から抽出された抽出物、あるいは抽出物からβグルカンを精製したもの、などのいずれでも担子菌類由来のβグルカンとして使用できる。また、担子菌類の胞子を発芽させ、菌糸体をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま用いることができる。あるいは、培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査、あるいは、菌糸体培養細胞または菌糸体培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製したものなど、いずれでも担子菌類由来のβグルカンとして用いることができる。また、菌体外に分泌生産されたβグルカンを利用する場合は、培養液をそのまま、あるいは、培養後の培地より分離・精製されたβグルカンを担子菌由来のβグルカンとして用いることができる。
【0027】
これらのうち、子実体や菌核を微粉砕し、それらから抽出したβグルカンをそのまま、あるいは精製して、菌糸体培養細胞あるいは、菌糸体培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製して用いるのが好ましい、さらに、菌体外に分泌生産されたβグルカンを培養液とともに、あるいは、培養液から精製したものを用いるのがさらに最も好ましい。
【0028】
担子菌類としては栽培品種が最も好ましいが、商業生産に供せられていない端子菌類からのβグルカンも本発明に利用することができる。例としては、アガリクス・ブラゼイ、アミガサタケ、アミタケ、エゾハリタケ、エノキタケ、カンゾウタケ、キクラゲ、キヌガサタケ、クリタケ、サケツバタケ、ササクレヒトヨタケ、サンゴハリタケ、シイタケ、ショウロ、シロキクラゲ、シロタモギタケ、スギヒラタケ、タモギタケ、チョレイマイタケ、ツバヒラタケ、冬中夏草、ナメコ、ナラタケ、ナラタケモドキ、ニオウシメジ、ニカワウロコタケ、ニカワハリタケ、ヌメリスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、ハツタケ、ヒラタケ、ブクリョウ、フクロタケ、ブナシメジ、ブナハリタケ、ホンシメジ、マイタケ、マスタケ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マンネンタケ、ムキタケ、ムラサキシメジ、ヤマドリタケ、ヤマブシタケ、ヤナギマツタケなどが挙げられる。
【0029】
本発明のβグルカン配合パンのβグルカン配合量は、特に限定されないが、小麦粉とβグルカンの合計量に対して、0.1〜50重量%配合することが可能である。配合量が少なすぎるとβグルカンの機能性が発揮できない可能性があり、逆に多くなるとグルテンの形成力が弱まるため、好ましい配合量は、小麦粉100重量部に対して、βグルカン0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
【0030】
本発明のβグルカン配合パンにおける、配合する水の量は、小麦粉とβグルカンの量によって決定される。すなわち、小麦粉の量をA重量部、βグルカンの量をB重量部とした場合に、配合する水の量Wは、下記式(1)で示される重量部である。
【0031】
式(1) W=X(A+B)+YB
式(1)中、Xは0.5〜1.0の数値を、Yは1〜6の数値を表す。
【0032】
本発明でいうところの、このXは、βグルカンを配合しない従来のパンを製造する場合の、小麦粉の量に対する水の量の比であり、従来良好にパンを製造できる小麦粉の量に対する水の量を示し、好ましくは0.6〜0.9、より好ましくは0.7〜0.8である。
【0033】
本発明でのYは、βグルカンの吸水性が高い場合は、数値が大きく、吸水性が低い場合は小さくなるが、好ましくは2〜5、より好ましくは3.5〜4.5である。本発明では、使用するβグルカンの吸水性の度合いにより、Yの数値を調製すればよい。
【0034】
本発明のβグルカン配合パンは、βグルカンの配合量が増えるにつれて、グルテンの形成力が弱まり、ボリューム不足やケービングなどの問題が生じてくる場合がある。特にβグルカンの配合量が、小麦粉とβグルカンの合計量に対して、5重量%以上になると、その傾向が出てくるため、その対策としてバイタルグルテンを添加することが好ましい。バイタルグルテンの配合量は、βグルカンの配合量に対して、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%である。バイタルグルテン以外にも、同様の製パン改良効果を有するものとして、従来公知の製パン改良剤を添加してもよい。製パン改良剤の例としては、バイタルグルテン以外に、グルテン−レシチン結合体、グルテン−コール酸結合体などのグルテン製剤、アミラーゼ類、プロテアーゼ類、セルラーゼ類、ヘミセルラーゼ類等の酵素類からなる群から選ばれる一種以上が挙げられる。
【0035】
本発明のβグルカン配合パンは、βグルカン以外に、従来公知のパンに使用される材料を使用することができる。その例を挙げると、小麦粉、油脂または油脂組成物、卵類、糖類、イースト、水等が挙げられる。
【0036】
上記の小麦粉としては、特に制限はなく、強力粉、中力粉、薄力粉を用いることができる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
【0037】
上記の油脂又は油脂組成物は、食用に供することができれば特に制限されない。例えば、米油、菜種油、大豆油、綿実油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、オリーブ油、魚油、牛脂、豚脂、カカオ脂、あるいはそれらを必要に応じ加工した硬化油、微水添油、異性化水添油、エステル交換油、分別油又はこれらの2種以上の加工を行なった油、並びにこれらの油脂の2種以上を混合した油脂等の何れも使用可能である。更に、これらの食用油脂の乳化物(W/O乳化物、あるいはO/W乳化物、更には、O/W/O乳化物、W/O/Wの2重乳化物、又はそれ以上の高次乳化構造のエマルジョンを含む)や懸濁物等、油脂を分散媒又は分散質とする分散系を使用することができる(以下、本明細書中では該分散系も油脂とする)。さらに具体的にはマーガリンやショートニング、バター等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
【0038】
上記の卵類としては、全卵、卵黄、加糖全卵、加糖卵黄、乾燥全卵、乾燥卵黄、凍結全卵、凍結卵黄、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、酵素処理全卵、酵素処理卵黄等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
【0039】
上記糖類としては、例えば上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつ等の糖類が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
【0040】
上記イーストとしては、ドライイースト、生イースト、冷蔵パン用イースト、冷凍パン用イースト等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
【0041】
さらに、必要に応じて、以下のような材料を用いてもよい。このような材料としては、例えば、でんぷん、キサンタンガム・アルギン酸ナトリウム・グアーガム・ローカストビーンガム・カラギーナン・アラビアガム・ペクチン・プルラン・タマリンドシードガム・結晶セルロース・カルボキシメチルセルロース・メチルセルロース・寒天・グルコマンナン・ゼラチン・ファーセルラン・タラガム・カラヤガム・トラガントガム・ジェランガム・大豆多糖類等の増粘安定剤、β−カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料、トコフェロール・茶抽出物等の酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全脂粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリーム等の乳製品、アルコール類、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシチン等の乳化剤、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類等の食品素材、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、食品添加物等を挙げることができ、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができる。
【0042】
上記でんぷんとしては、コーン・ワキシーコーン・タピオカ・馬鈴薯・甘藷・小麦・米等のでんぷんや、これらのでんぷんをアミラーゼ等の酵素で処理したものや、酸処理やアルカリ処理、エステル化、リン酸架橋化、加熱、湿熱等の物理的、化学的処理を行ったもの、さらにこれらのでんぷんを、水に溶解し易いように予め加熱処理により糊化させたものが挙げられる。
【0043】
次に本発明のβグルカン配合パンの製造方法について説明する。
本発明のβグルカン配合パンの製造方法としては、βグルカンを配合すること以外は、常法の製パン方法を用いることができる。例えば直捏法や中種法が挙げられる。
【0044】
直捏法は、全材料を最初から混ぜる方法であり、例えばβグルカンを含めた全材料を配合、混捏し、生地をつくり、該生地を発酵した後、適当な大きさに分割し、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成すればよい。この直捏法で、βグルカンを配合する場合、水はβグルカンの仕込み前に仕込んでおくか、βグルカンと一緒に仕込むことが好ましい。水と一緒に仕込むβグルカンは、水に溶解または分散させた状態で仕込むのが好ましい。また、更に好ましい方法として、βグルカンを前記で例示した油脂中に分散させた状態(以下βグルカン含有油脂組成物ともいう)で仕込むことが好ましく、この時も先に水を仕込んでおくか、水と該βグルカン含有油脂組成物を同時に仕込むことが好ましい。この時使用する油脂は可塑性油脂であることが好ましい。
【0045】
次に中種法について説明する。中種法は、例えば小麦粉の一部にイーストと水を加えて中種生地をつくり1次発酵を行なう。そして、残りの材料と混捏し、生地をつくる。その後室温でフロアータイムをとり、適当な大きさに分割した後、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成すればよい。本発明で中種法を行なう場合、中種にβグルカンを配合してもよいし、本捏で配合してもよく、もちろん両方に配合してもよい。いずれにしても、βグルカンを仕込む前に水を仕込んでおくか、βグルカンと一緒に水を仕込むのが好ましい。水と一緒に仕込むβグルカンは、水に溶解または分散させた状態で仕込むのが好ましい。また、更に好ましい方法として、βグルカンを前記で例示した油脂中に分散させた状態(以下βグルカン含有油脂組成物ともいう)で仕込むことが好ましく、この時も先に水を仕込んでおくか、水と該βグルカン含有油脂組成物を同時に仕込むことが好ましい。この時使用する油脂は可塑性油脂であることが好ましい。
【0046】
本発明では、βグルカンを油脂中に分散させた状態(βグルカン含有油脂組成物)で仕込んだ場合、油脂中のβグルカンが均一に分散し吸水するまでに、多少の時間を要するので、その他の場合に比べて、低速でのミキシング時間を0.5〜1分程度延長させるのが好ましい。
【0047】
本発明のβグルカン配合パン及びその製造方法は、従来公知のパン類に使用できる。例えば、ホットケーキ、クレープ、スポンジケーキ、ドーナツ、菓子パン、食パン、フランスパン、ハードロール、デニッシュペストリー、パイなどが、挙げられる。また、これらの冷凍生地の場合も可能である。
【0048】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0049】
〔実施例1〕
式(1)のW=X(A+B)+YBにおいて、X=0.75、Y=4.3の場合。
下記表1に記載の配合で、本発明のβグルカン配合パンを製造した。表1中の配合量は全て重量部である。βグルカンは大麦から抽出された大麦由来のβグルカンを使用した。油脂はショートニングを使用した。製造方法は直捏法とした。仕込み時に、βグルカンは水に分散させて同時に仕込んだ。発酵は28℃湿度75%の条件で90分でガス抜き(パンチ)を行い、同条件でさらに30分発酵させた。分割、丸めの後、ベンチタイム20分を経て成型し、38℃湿度85%で45分発酵させたのち、200℃で40分焼成した。
出来あがったパンの評価として、焼成後の体積と重量から比容積を求めた。さらに食味・食感と、ボリューム感を以下の評価基準で評価した。結果は表1に示す。
【0050】
(食味・食感評価基準)
◎:歯ごたえのある良好な食感と食味
○:やや歯ごたえがないが良好な食感と食味
×:歯ごたえのない好ましくない食感と食味
【0051】
(ボリューム感評価基準)
◎:ボリューム感があり、硬さが均一
○:ボリューム感があるが、やや硬さが不均一
×:ボリューム感もなく、硬さも不均一
【0052】
〔実施例2〕
βグルカンを油脂に分散させて、水と同時に仕込む以外は前記実施例1と同様に行なった。結果は表1に示す。
【0053】
〔実施例3〕
式(1)のW=X(A+B)+YBにおいて、X=0.75、Y=2.4の配合とする以外は、前記実施例2と同様に行なった。結果は表1に示す。
【0054】
〔実施例4〕
バイタルグルテンを配合する以外は、実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0055】
〔参考例1〕
βグルカンを配合しないパンを参考例として、下記表1の配合で製造した。結果を表1に示す。
【0056】
〔比較例1〕
式(1)のW=X(A+B)+YBにおいて、X=0.75、Y=0.9の配合とする以外は、前記実施例2と同様に行なった。結果は表1に示す。
【0057】
〔比較例2〕
式(1)のW=X(A+B)+YBにおいて、X=0.75、Y=6.1の配合とする以外は、前記実施例2と同様に行なったが、水分が多すぎて生地としてまとまらなかった。
【0058】
【表1】
表1
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた生体調節機能を有するβグルカンが、機能性が発揮できるに必要とされる量が配合され、しかもボリュームダウン、食味・食感の低下等がないβグルカン入りのパンを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明はβグルカンを配合させたパン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
βグルカンは、近年その優れた生体調節機能性、例えば、脂質代謝改善作用、整腸作用、血糖値上昇抑制作用等が明らかとされ、利用が注目されている素材である。このような素材を加工食品にて広く利用することは、加工食品の機能性増強(高付加価値化)に寄与するのみならず、広く国民の健康維持への貢献が期待され、極めて有用なことである。
【0003】
このようなβグルカンを簡便に摂取するために、パンに配合することが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかし、βグルカンを配合したパンを製造する場合、βグルカンの添加によりボリュームダウン、食味・食感の低下、焼けムラなどが生じるため、βグルカンの添加量が制限される等の問題があった。
【0005】
その解決方法として、βグルカンを油脂組成物の形態で、パンに配合することも提案されている(特許文献2参照)。しかし、その場合も、βグルカンの吸水性の高さから、ボリュームダウン、食味・食感の低下、焼けムラ等が生じる場合があり、満足のいくものではなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−306056号公報
【特許文献2】
特開2002−241784号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた生体調節機能を有するβグルカンが、機能性が発揮できるに必要とされる量が配合され、しかもボリュームダウン、食味・食感の低下等がないβグルカン入りのパンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、βグルカンの吸水性を鑑み、小麦粉、βグルカン、添加する水の量に着目し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、βグルカンを配合させるパンにおいて、小麦粉の量をA重量部、βグルカンの量をB重量部とした場合に、配合する水の量Wが、下記式(1)で示される重量部であるβグルカン配合パンを提供するものである。
【0010】
式(1) W=X(A+B)+YB
(但しXは0.5〜1.0、Yは1〜6の数値を表す)
【0011】
また本発明は、バイタルグルテンを配合した前記βグルカン配合パンを提供するものである。
【0012】
また本発明は、βグルカンを水と一緒に添加する工程を有する前記βグルカン配合パンの製造方法を提供するものである。
【0013】
また本発明は、βグルカンが、油脂成分に分散させたβグルカンである前記βグルカン配合パンの製造方法を提供するものである。
【0014】
また本発明は、βグルカンが、水に分散もしくは溶解させたβグルカンである前記βグルカン配合パンの製造方法を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるβグルカンとは、多糖類の一種であり、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合、1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも二種類以上の結合を有する。例えば1−3−β−D−グルコピラノース結合と1−6−β−D−グルコピラノース結合を有する、あるいは1−4−β−D−グルコピラノース結合と1−6−β−D−グルコピラノース結合を有するなど2種以上の結合様式を有するβグルカンである。
【0016】
βグルカンは従来公知のいずれのものでも使用できる。例えば、穀類由来のβグルカン、微生物類由来のβグルカン、担子菌類由来のβグルカンが挙げられ、これらの群から選ばれる一種又は二種以上が好ましい例として挙げられる。
【0017】
穀類由来のβグルカンについて説明すると、穀類としては、米類、小麦類、トウモロコシ類、モロコシ類、ヒエ類、アワ類、キビ類、大麦類、オーツ麦類(カラス麦類)、ライ麦類等の穀類を挙げることができる。これら穀類から抽出されたβグルカンや、βグルカンの含有量の比較的高い種子全体を粉砕したもの(全粒粉)、穀類の精製工程で得られる糠、フスマ、麦芽、胚芽、胚乳部位等が挙げられる。特に大麦やオーツ麦由来のものが好ましく、大麦類やオーツ麦類の全粒粉や穀粒を外周部より搗精した胚乳部分やその際発生する糠から抽出したβグルカンが好ましい。
【0018】
微生物類由来のβグルカンについて説明すると、微生物類は、細胞自身がその細胞壁に多量のβグルカンを含有しており、微生物類をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま用いることができる。また、培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査、あるいは、培養細胞または培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製したもののいずれでも用いることができるが、抽出されたβグルカンを用いることが好ましい。
【0019】
また、菌体外に分泌生産されたβグルカンを利用することも可能であり、培養終了後の培養液をそのまま、あるいは培養液からβグルカンを単離・精製操作を行った後のβグルカンを用いることができるが、培養液からβグルカンを単離・精製操作を行なった後のβグルカンを用いるのが好ましい。
【0020】
微生物類由来のβグルカンは、培養細胞または培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製して用いるのが好ましく、さらに、微生物類の菌体外に分泌生産されたβグルカンを培養液とともに、あるいは培養液から精製したものを用いるのが最も好ましい。
【0021】
微生物由来のβグルカンを得るに適した微生物類は、従来より食用に供せられている微生物類が安全性が高く適している。すなわち、酵母菌、乳酸菌、納豆菌、酢酸菌、麹菌、クロレラやスピルリナなどの藻類、アウレオバシジウム(Aureobasidium)属の微生物類である。
【0022】
酵母菌としては、ビール、焼酎、日本酒、ワイン、ウイスキーなどのアルコール醸造や製パン工程で使用されるサッカロマイセス(Saccharomyces)属に分類される酵母類や圧搾パン酵母、醤油醸造で使用される酵母類、微生物蛋白質生産に使用されるキャンディダ(Candida)属などが挙げられる。
【0023】
乳酸菌としては、桿菌のラクトバシラス(Lactobacillus)属やビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、球菌のロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカッス(Pediococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属が通常使用されるが、その他、エンテロコッカス(Enterococcus)属、バゴコッカス(Vagococcus)属、カルノバクテリウム(Carnobacterium)属、アエロコッカス(Aerococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属の乳酸菌を利用することができる。具体的な乳酸菌株としては、ラクトバシルスブルガリス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバシルスヘルベティカス(L.helveticus)、ラクトバシルスアシドフィルス(L.acidophilus)、ラクトバシルスラクティス(L.lactis)、ラクトバシルスカゼイ(L.casei)、ラクトバシルスブレビス(L.brevis)、ラクトバシルスプランタラム(L.plantarum)、ラクトバシルスサケ(L.sake)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカスラクティス(S.lactis)、ストレプトコッカスクレモリス(S.cremoris)、ビフィドバクテリウムロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウムビフィダム(B.bifidum)、ビフィドバクテリウムブレーベ(B.breve)、ビフィドバクテリウムインファンティス(B.infantis)、ロイコノストッククレモリス(Leuconostoc cremoris)、ロイコノストックメセンテロイデス(Ln.mesenteroides)、ロイコノストックオエノス(Ln.oenos)、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ペディオコッカスセレビシエ(P.cerevisiae)、ペディオコッカスペントサセウス(P.pentosaceus)など従来使用されている乳酸菌の1種類または2種類以上を使用できる。これらは単品で使用してもよく、2種類以上を共生させてもよい。またビフィドバクテリウム菌の培養とその他乳酸菌の培養を別々に培養し混合してもよい。
【0024】
アウレオバシジウム(Aureobasidium)属に属する微生物としては、当該微生物を培養することによって菌体外にβ結合を有するグルコース重合体を生産する菌株であるならばいずれでもよく、その例としてはアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)の菌株であり、具体的にはIFO4466、IFO6353、IFO7757、ATCC9348、ATCC3092、ATCC433023等を用いることができる。
【0025】
その他、納豆菌のバシルス(Bacillus)属菌株、酢酸菌であるアセトバクター(Acetobactor)属の菌株、麹菌類であるアスペルギルス(Aspergillus)属、ペニシリウム(Penicillium)属、クロレラやスピルリナなどの藻類、乾燥クロレラ粉末、プルランを菌体外に分泌生産することが知られているアウレオバシジウム(Aureobasidium)属の菌株、その他食品添加物として使用される増粘多糖類を生産することが知られているキサントモナス(Xanthomonas)属、アエロモナス(Aeromonas)属、アゾトバクター(Azotobactor)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、エルウィナ(Erwinia)属、エンテロバクター(Enterobactor)属、スクレロティウム(Sclerotium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、マクロホモプシス(Macrophomopsis)属の菌株を挙げることができる。
【0026】
担子菌類由来のβグルカンについて説明すると、担子菌類は、子実体や菌糸が塊状に集合した菌核に多量のβグルカンを含有しており、微粉砕したもの、あるいは、粉砕物から抽出された抽出物、あるいは抽出物からβグルカンを精製したもの、などのいずれでも担子菌類由来のβグルカンとして使用できる。また、担子菌類の胞子を発芽させ、菌糸体をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま用いることができる。あるいは、培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査、あるいは、菌糸体培養細胞または菌糸体培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製したものなど、いずれでも担子菌類由来のβグルカンとして用いることができる。また、菌体外に分泌生産されたβグルカンを利用する場合は、培養液をそのまま、あるいは、培養後の培地より分離・精製されたβグルカンを担子菌由来のβグルカンとして用いることができる。
【0027】
これらのうち、子実体や菌核を微粉砕し、それらから抽出したβグルカンをそのまま、あるいは精製して、菌糸体培養細胞あるいは、菌糸体培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製して用いるのが好ましい、さらに、菌体外に分泌生産されたβグルカンを培養液とともに、あるいは、培養液から精製したものを用いるのがさらに最も好ましい。
【0028】
担子菌類としては栽培品種が最も好ましいが、商業生産に供せられていない端子菌類からのβグルカンも本発明に利用することができる。例としては、アガリクス・ブラゼイ、アミガサタケ、アミタケ、エゾハリタケ、エノキタケ、カンゾウタケ、キクラゲ、キヌガサタケ、クリタケ、サケツバタケ、ササクレヒトヨタケ、サンゴハリタケ、シイタケ、ショウロ、シロキクラゲ、シロタモギタケ、スギヒラタケ、タモギタケ、チョレイマイタケ、ツバヒラタケ、冬中夏草、ナメコ、ナラタケ、ナラタケモドキ、ニオウシメジ、ニカワウロコタケ、ニカワハリタケ、ヌメリスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、ハツタケ、ヒラタケ、ブクリョウ、フクロタケ、ブナシメジ、ブナハリタケ、ホンシメジ、マイタケ、マスタケ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マンネンタケ、ムキタケ、ムラサキシメジ、ヤマドリタケ、ヤマブシタケ、ヤナギマツタケなどが挙げられる。
【0029】
本発明のβグルカン配合パンのβグルカン配合量は、特に限定されないが、小麦粉とβグルカンの合計量に対して、0.1〜50重量%配合することが可能である。配合量が少なすぎるとβグルカンの機能性が発揮できない可能性があり、逆に多くなるとグルテンの形成力が弱まるため、好ましい配合量は、小麦粉100重量部に対して、βグルカン0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
【0030】
本発明のβグルカン配合パンにおける、配合する水の量は、小麦粉とβグルカンの量によって決定される。すなわち、小麦粉の量をA重量部、βグルカンの量をB重量部とした場合に、配合する水の量Wは、下記式(1)で示される重量部である。
【0031】
式(1) W=X(A+B)+YB
式(1)中、Xは0.5〜1.0の数値を、Yは1〜6の数値を表す。
【0032】
本発明でいうところの、このXは、βグルカンを配合しない従来のパンを製造する場合の、小麦粉の量に対する水の量の比であり、従来良好にパンを製造できる小麦粉の量に対する水の量を示し、好ましくは0.6〜0.9、より好ましくは0.7〜0.8である。
【0033】
本発明でのYは、βグルカンの吸水性が高い場合は、数値が大きく、吸水性が低い場合は小さくなるが、好ましくは2〜5、より好ましくは3.5〜4.5である。本発明では、使用するβグルカンの吸水性の度合いにより、Yの数値を調製すればよい。
【0034】
本発明のβグルカン配合パンは、βグルカンの配合量が増えるにつれて、グルテンの形成力が弱まり、ボリューム不足やケービングなどの問題が生じてくる場合がある。特にβグルカンの配合量が、小麦粉とβグルカンの合計量に対して、5重量%以上になると、その傾向が出てくるため、その対策としてバイタルグルテンを添加することが好ましい。バイタルグルテンの配合量は、βグルカンの配合量に対して、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%である。バイタルグルテン以外にも、同様の製パン改良効果を有するものとして、従来公知の製パン改良剤を添加してもよい。製パン改良剤の例としては、バイタルグルテン以外に、グルテン−レシチン結合体、グルテン−コール酸結合体などのグルテン製剤、アミラーゼ類、プロテアーゼ類、セルラーゼ類、ヘミセルラーゼ類等の酵素類からなる群から選ばれる一種以上が挙げられる。
【0035】
本発明のβグルカン配合パンは、βグルカン以外に、従来公知のパンに使用される材料を使用することができる。その例を挙げると、小麦粉、油脂または油脂組成物、卵類、糖類、イースト、水等が挙げられる。
【0036】
上記の小麦粉としては、特に制限はなく、強力粉、中力粉、薄力粉を用いることができる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
【0037】
上記の油脂又は油脂組成物は、食用に供することができれば特に制限されない。例えば、米油、菜種油、大豆油、綿実油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、オリーブ油、魚油、牛脂、豚脂、カカオ脂、あるいはそれらを必要に応じ加工した硬化油、微水添油、異性化水添油、エステル交換油、分別油又はこれらの2種以上の加工を行なった油、並びにこれらの油脂の2種以上を混合した油脂等の何れも使用可能である。更に、これらの食用油脂の乳化物(W/O乳化物、あるいはO/W乳化物、更には、O/W/O乳化物、W/O/Wの2重乳化物、又はそれ以上の高次乳化構造のエマルジョンを含む)や懸濁物等、油脂を分散媒又は分散質とする分散系を使用することができる(以下、本明細書中では該分散系も油脂とする)。さらに具体的にはマーガリンやショートニング、バター等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
【0038】
上記の卵類としては、全卵、卵黄、加糖全卵、加糖卵黄、乾燥全卵、乾燥卵黄、凍結全卵、凍結卵黄、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、酵素処理全卵、酵素処理卵黄等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
【0039】
上記糖類としては、例えば上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつ等の糖類が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
【0040】
上記イーストとしては、ドライイースト、生イースト、冷蔵パン用イースト、冷凍パン用イースト等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
【0041】
さらに、必要に応じて、以下のような材料を用いてもよい。このような材料としては、例えば、でんぷん、キサンタンガム・アルギン酸ナトリウム・グアーガム・ローカストビーンガム・カラギーナン・アラビアガム・ペクチン・プルラン・タマリンドシードガム・結晶セルロース・カルボキシメチルセルロース・メチルセルロース・寒天・グルコマンナン・ゼラチン・ファーセルラン・タラガム・カラヤガム・トラガントガム・ジェランガム・大豆多糖類等の増粘安定剤、β−カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料、トコフェロール・茶抽出物等の酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全脂粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリーム等の乳製品、アルコール類、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシチン等の乳化剤、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類等の食品素材、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、食品添加物等を挙げることができ、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができる。
【0042】
上記でんぷんとしては、コーン・ワキシーコーン・タピオカ・馬鈴薯・甘藷・小麦・米等のでんぷんや、これらのでんぷんをアミラーゼ等の酵素で処理したものや、酸処理やアルカリ処理、エステル化、リン酸架橋化、加熱、湿熱等の物理的、化学的処理を行ったもの、さらにこれらのでんぷんを、水に溶解し易いように予め加熱処理により糊化させたものが挙げられる。
【0043】
次に本発明のβグルカン配合パンの製造方法について説明する。
本発明のβグルカン配合パンの製造方法としては、βグルカンを配合すること以外は、常法の製パン方法を用いることができる。例えば直捏法や中種法が挙げられる。
【0044】
直捏法は、全材料を最初から混ぜる方法であり、例えばβグルカンを含めた全材料を配合、混捏し、生地をつくり、該生地を発酵した後、適当な大きさに分割し、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成すればよい。この直捏法で、βグルカンを配合する場合、水はβグルカンの仕込み前に仕込んでおくか、βグルカンと一緒に仕込むことが好ましい。水と一緒に仕込むβグルカンは、水に溶解または分散させた状態で仕込むのが好ましい。また、更に好ましい方法として、βグルカンを前記で例示した油脂中に分散させた状態(以下βグルカン含有油脂組成物ともいう)で仕込むことが好ましく、この時も先に水を仕込んでおくか、水と該βグルカン含有油脂組成物を同時に仕込むことが好ましい。この時使用する油脂は可塑性油脂であることが好ましい。
【0045】
次に中種法について説明する。中種法は、例えば小麦粉の一部にイーストと水を加えて中種生地をつくり1次発酵を行なう。そして、残りの材料と混捏し、生地をつくる。その後室温でフロアータイムをとり、適当な大きさに分割した後、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成すればよい。本発明で中種法を行なう場合、中種にβグルカンを配合してもよいし、本捏で配合してもよく、もちろん両方に配合してもよい。いずれにしても、βグルカンを仕込む前に水を仕込んでおくか、βグルカンと一緒に水を仕込むのが好ましい。水と一緒に仕込むβグルカンは、水に溶解または分散させた状態で仕込むのが好ましい。また、更に好ましい方法として、βグルカンを前記で例示した油脂中に分散させた状態(以下βグルカン含有油脂組成物ともいう)で仕込むことが好ましく、この時も先に水を仕込んでおくか、水と該βグルカン含有油脂組成物を同時に仕込むことが好ましい。この時使用する油脂は可塑性油脂であることが好ましい。
【0046】
本発明では、βグルカンを油脂中に分散させた状態(βグルカン含有油脂組成物)で仕込んだ場合、油脂中のβグルカンが均一に分散し吸水するまでに、多少の時間を要するので、その他の場合に比べて、低速でのミキシング時間を0.5〜1分程度延長させるのが好ましい。
【0047】
本発明のβグルカン配合パン及びその製造方法は、従来公知のパン類に使用できる。例えば、ホットケーキ、クレープ、スポンジケーキ、ドーナツ、菓子パン、食パン、フランスパン、ハードロール、デニッシュペストリー、パイなどが、挙げられる。また、これらの冷凍生地の場合も可能である。
【0048】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0049】
〔実施例1〕
式(1)のW=X(A+B)+YBにおいて、X=0.75、Y=4.3の場合。
下記表1に記載の配合で、本発明のβグルカン配合パンを製造した。表1中の配合量は全て重量部である。βグルカンは大麦から抽出された大麦由来のβグルカンを使用した。油脂はショートニングを使用した。製造方法は直捏法とした。仕込み時に、βグルカンは水に分散させて同時に仕込んだ。発酵は28℃湿度75%の条件で90分でガス抜き(パンチ)を行い、同条件でさらに30分発酵させた。分割、丸めの後、ベンチタイム20分を経て成型し、38℃湿度85%で45分発酵させたのち、200℃で40分焼成した。
出来あがったパンの評価として、焼成後の体積と重量から比容積を求めた。さらに食味・食感と、ボリューム感を以下の評価基準で評価した。結果は表1に示す。
【0050】
(食味・食感評価基準)
◎:歯ごたえのある良好な食感と食味
○:やや歯ごたえがないが良好な食感と食味
×:歯ごたえのない好ましくない食感と食味
【0051】
(ボリューム感評価基準)
◎:ボリューム感があり、硬さが均一
○:ボリューム感があるが、やや硬さが不均一
×:ボリューム感もなく、硬さも不均一
【0052】
〔実施例2〕
βグルカンを油脂に分散させて、水と同時に仕込む以外は前記実施例1と同様に行なった。結果は表1に示す。
【0053】
〔実施例3〕
式(1)のW=X(A+B)+YBにおいて、X=0.75、Y=2.4の配合とする以外は、前記実施例2と同様に行なった。結果は表1に示す。
【0054】
〔実施例4〕
バイタルグルテンを配合する以外は、実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0055】
〔参考例1〕
βグルカンを配合しないパンを参考例として、下記表1の配合で製造した。結果を表1に示す。
【0056】
〔比較例1〕
式(1)のW=X(A+B)+YBにおいて、X=0.75、Y=0.9の配合とする以外は、前記実施例2と同様に行なった。結果は表1に示す。
【0057】
〔比較例2〕
式(1)のW=X(A+B)+YBにおいて、X=0.75、Y=6.1の配合とする以外は、前記実施例2と同様に行なったが、水分が多すぎて生地としてまとまらなかった。
【0058】
【表1】
表1
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた生体調節機能を有するβグルカンが、機能性が発揮できるに必要とされる量が配合され、しかもボリュームダウン、食味・食感の低下等がないβグルカン入りのパンを提供することができる。
Claims (5)
- βグルカンを配合させるパンにおいて、小麦粉の量をA重量部、βグルカンの量をB重量部とした場合に、配合する水の量Wが、下記式(1)で示される重量部であるβグルカン配合パン。
式(1) W=X(A+B)+YB
(但しXは0.5〜1.0、Yは1〜6の数値を表す) - バイタルグルテンを配合した請求項1記載のβグルカン配合パン。
- βグルカンを水と一緒に添加する工程を有する請求項1または2記載のβグルカン配合パンの製造方法。
- βグルカンが、油脂成分に分散させたβグルカンである請求項3記載のβグルカン配合パンの製造方法。
- βグルカンが、水に分散もしくは溶解させたβグルカンである請求項3記載のβグルカン配合パンの製造方法。
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|---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003026758A patent/JP2004236520A/ja active Pending
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