JP2004236531A - 濃縮調味液及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】澱粉を高濃度で含有するにもかかわらず、加熱殺菌時に澱粉の糊化が抑制されて低粘性に保たれることで、当該調味液の容器からの排出などの作業が簡単で、しかも水などにより適度に希釈することができる濃縮タイプのあんかけ用低粘性調味液とその製造法の提供を目的とする。
【解決手段】馬鈴薯、タピオカ、ワキシーコーン及びクズの中から選ばれる1種又は2種以上の澱粉またはその化工澱粉を10〜35重量%並びに塩分を3〜20重量%含有し、BRIX糖度が40〜70である調味液であって、該調味液を65℃を超え80℃未満の温度で1〜60分間加熱殺菌した後の粘度が100〜10000cp(20℃)であることを特徴とする濃縮タイプのあんかけ用調味液並びに当該調味液の製造法を提供する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調味液及びその製造法に関し、詳しくは容器からの排出が容易で、希釈性に優れ、かつ保存性の高い濃縮タイプのあんかけ用調味液及びその製造法に関する。更に詳しくは、調味液の組成、BRIX糖度並びに加熱殺菌条件を特定することにより、澱粉を高濃度で含有しているにもかかわらず、一般に澱粉が膨潤するとされる温度帯にて加熱殺菌しても低粘性であり、容器排出が容易である上に、保存性も高く、しかも加熱調理したときにとろみのある物性を付与する、濃縮タイプのあんかけ用調味液及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
あんかけうどんやあんかけ炒飯、あんかけ焼きそば等の上からあんをかけた料理や酢豚、エビチリ等のソースにとろみを加えた料理、湯豆腐や温野菜、鍋料理等の葛引き料理、中華あんかけスープやカレー、吉野汁等のように汁物に若干のとろみを与えた汁物等の、食感の嗜好性を高めた料理、すなわちとろみを付与した多くのあんかけ料理が知られている。
これらのあんかけ料理の味付け用調味液としては、予め澱粉を糊化させてとろみのついたものが上市されているが、特に濃縮タイプのものは、ストレートタイプのものに比べ澱粉の含量が高く、あんかけ用調味液としてはかなり高粘性の、ゲル様の粘性が付与されている。そのため、水などで希釈する際に溶解しにくい上に、加熱調理を行なうとダマが残りやすいという問題があった。
また、高粘性の調味液は、使用時に容器内に付着して排出しがたいと言う欠点があった。
【0003】
一方、未加熱の澱粉を含む調味液では上記の問題は回避できるが、原料由来の微生物が調味液にそのまま残存し、保存性に問題があった。また、未加熱の澱粉を水中油型乳化食品に加えることで保存性の向上を図っている食品(特許文献1)は、油脂を含む乳化食品に限定されるため、幅広いあんかけ料理の味付け用調味料として応用できないという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特公平6−22463号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、調味液の組成及び加熱殺菌の条件を工夫することにより、製造工程中で65℃を超える温度で加熱しても澱粉が糊化しにくく、調味液が低粘性に保たれることで、使用時には容器から調味液を排出しやすく、また水等で適度な濃度に容易に希釈しやすいという特性があり、しかも加熱調理後には、とろみのある物性を付与することができる、保存性の高い濃縮タイプのあんかけ用調味液及びその製造法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ない、種々の調味液の組成、BRIX糖度、加熱殺菌条件等について検討した結果、澱粉を高濃度で含む調味液を高BRIX糖度条件に調整し、かつ特定の温度帯で加熱殺菌処理することにより、澱粉の糊化を抑制することができ、しかも調味液が低粘性に保たれること、並びに該調味液があんかけ料理用として良好な風味を有しており、また保存性が高いことを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成された。
【0007】
すなわち、請求項1記載の本発明は、馬鈴薯、タピオカ、ワキシーコーン及びクズの中から選ばれる1種又は2種以上の澱粉またはその化工澱粉を10〜35重量%並びに塩分を3〜20重量%含有し、BRIX糖度が40〜70である調味液であって、該調味液を65℃を超え80℃未満の温度で1〜60分間加熱殺菌した後の粘度が100〜10000cp(20℃)であることを特徴とする濃縮タイプのあんかけ用調味液である。
請求項2記載の本発明は、2〜20重量倍に希釈し、95℃で5分間加熱調理した後の調味液の粘度が、加熱調理前粘度の5〜500倍であることを特徴とする請求項1記載の調味液である。
請求項3記載の本発明は、澱粉またはその化工澱粉が、殺菌処理されていない澱粉またはその化工澱粉である請求項1又は2記載の濃縮タイプのあんかけ用調味液である。
請求項4記載の本発明は、馬鈴薯、タピオカ、ワキシーコーン及びクズの中から選ばれる1種又は2種以上の澱粉またはその化工澱粉を10〜35重量%並びに塩分を3〜20重量%含有し、BRIX糖度が40〜70である調味液を、65℃を超え80℃未満の温度で1〜60分間加熱殺菌することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の濃縮タイプのあんかけ用調味液の製造法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るあんかけ用調味液は、濃縮タイプのものであり、使用時に通常は2〜20重量倍に希釈される。
本発明で用いる澱粉としては、馬鈴薯、タピオカ、ワキシーコーン、クズ澱粉及びその化工澱粉が好ましく、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コーン澱粉や小麦澱粉及びその化工澱粉は、ショートボディー物性であり、あんかけ用途としての好ましい食感が得られにくい。
馬鈴薯澱粉やタピオカ澱粉及びその化工澱粉は、ロングボディー物性であるので、あんかけにした時に好ましいテクスチャーを有し、料理への付着性が良い。特に、タピオカ澱粉及びその化工澱粉は、あんかけにした後の老化速度が遅く、食感もよく最適である。
澱粉は、未化工澱粉(生澱粉)及び化工澱粉のいずれでもよく、化工澱粉については、酸化、エステル化、エーテル化、架橋化などの処理を受けた澱粉が、本発明の調味液の食感を損なわない限り用いることができる。
【0009】
澱粉は、できるだけ殺菌処理を施していない生澱粉を使用するとよい。ここで言う澱粉の殺菌処理とは、マイクロ波処理などによる乾熱殺菌、有機酸を含む調味液配合成分中での65℃以下の低温殺菌、エチレンオキサイド等のガス殺菌等、澱粉の殺菌もしくは滅菌を目的とした公知の処理を意味する。これは、調味液の製造において、澱粉の殺菌処理工程が加わることで、工程が複雑化するという問題が生じると同時に、殺菌処理方法によっては有機酸等の使用時に使用した有機酸が調味液の風味に微妙に影響を与え、幅広いあんかけ料理の味付けに不向きになる場合がある。
また、澱粉は、一般的な乾燥処理工程によって、澱粉の水分含量が10〜20重量%(20℃、相対湿度60%)となるように調整されるが、この水分範囲に調整する程度の乾燥加熱工程では、殺菌効果、静菌効果は充分に得られない。
【0010】
次に、調味液の澱粉含量は10〜35重量%、特に10〜20重量%が好ましい。澱粉の含量が、10重量%未満であると、調理時に調味液を水などで希釈した後の澱粉濃度が低くなり、加熱調理後の粘性が低すぎてタレてしまい、あんかけした時に、料理具材に上手く絡まない。一方、澱粉の含量が35重量%を上回ると、調理時に調味液を水などで希釈した後の澱粉濃度が高くなり、加熱調理後に高粘度になる。そのため、料理具材の上に載置したようになり、あんかけが料理に適さない。
【0011】
本発明に係る調味料を構成する原料の種類及び濃度については、上記の澱粉以外は、あんかけ料理の種類によって異なり、特に限定されず適宜決定すればよいが、みそ、醤油、食酢、みりん、食塩、砂糖等の糖類、香辛料、有機酸など通常の調味液の製造に用いられるものが挙げられる。本発明では、食塩濃度は3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%であり、調味液のBRIX糖度40以上70以下、好適には45〜65であることを特徴とする。
ここで、BRIX糖度が40未満であると、澱粉の糊化の抑制効果が不十分であり、70を超えると、調味液に含まれる水分量が少なくなるため、調味液構成原料を溶解させることが難しくなる。
これに対して、食塩濃度が3〜20重量%で、かつBRIX糖度が40以上70以下に調整すると、調味液は微生物に対する静菌性が高いものとなるため、その製造工程において65℃を超え80℃未満の温度で1分以上60分以下という条件での加熱殺菌により、変敗菌となる乳酸菌やカビなどを殺菌もしくは静菌し、耐熱性の著しい芽胞菌の増殖を抑えることができる。尚、加熱時間について好ましくは、10分以上60分以下であるが、10分未満にするには、殺菌効果を高める目的で、調味料に食用有機酸を添加混合するなどのpH調整やアルコール添加などにより達成できる。
【0012】
食塩濃度とBRIX糖度を調整した調味液を、上記の条件で加熱殺菌した後の調味液の粘度は100〜10000cp(20℃)、好ましくは100〜5000cp(20℃)である。ここでいう粘度とは、加熱調理した調味液を20℃まで冷やし、B型粘度計(形式:BL,東京計器株式会社製)にてローターNo.4を使用し、回転数30rpm、温度20℃の条件で20秒間回転させて測定した値である。
そのため、このようにして調味液の組成や加熱殺菌の条件等を定め、かつ加熱殺菌後の粘度が調整された低粘性調味液は、長期保存に適しており、使用時には容器から排出しやすく、さらに水、だし、牛乳などの水系原料による希釈が容易である。希釈後、調味液を95℃で5分間程度の加熱調理をすることにより、あんかけとして適当なとろみのある物性が付与される。
これに対して、調味液の製造工程中における加熱殺菌温度が80℃以上であると、本発明に係る調味液のBRIX糖度が高い上に、該調味液が濃縮タイプの味付けのため、高濃度の組成となっていることから、加熱によってメイラード反応に代表される構成原料の化学変化が生じやすく、調味液の風味変化や色調変化を招いてしまう。
【0013】
また、上記の条件により製造される調味液の加熱殺菌後の粘度を、より好適な範囲に調整する手段として、調味液の加熱殺菌に平行して、または加熱殺菌後に粉砕機による粉砕処理を行なうことで、加熱並びに混合中にできる、所謂ダマ状態のものを粉砕して、より低い粘性に調整することができる。
【0014】
次に、本発明に係る調味液の製造方法について説明する。馬鈴薯、タピオカ、ワキシーコーン及びクズの中から選ばれる1種又は2種以上の澱粉またはその化工澱粉を10〜35重量%並びに塩分を3〜20重量%含有し、BRIX糖度が40〜70である調味液を、65℃を超え80℃未満の温度で1〜60分間加熱殺菌することを特徴とする濃縮タイプのあんかけ用調味液の製造法である。加熱殺菌の温度は、70℃以上80℃未満が好ましく、加熱時間は、10分以上60分以下が好ましい。
調味液を構成する原料の混合、加熱並びに混合中にできる所謂ダマの粉砕は、公知の方法で行なうことができる。
混合に用いる手段としては、垂直軸式プロペラ型攪拌翼ミキサーなどの攪拌機や、斜軸ニーダーなどの練り混ぜ機が挙げられる。これらの混合用機器は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用い、調味液を構成する原料を水や水系構成原料に分散もしくは溶解させる。
加熱手段としては、ジャケットケトル、多管式熱交換器等の伝熱装置が用いられ、これも単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いる。また、加熱殺菌の効果を高める目的で、調味液の加熱殺菌前に真空ポンプなどの減圧機を使用して、原料組成物の粒子間隙にある空気を脱気させてもよい。
混合中にできるダマの粉砕に用いる手段としては、カッターミキサーやホモミキサー等が用いられ、これらも単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。ホモミキサーを使用すると更に均質化処理が同時にできるので好適である。上記各機器の形式や稼動条件等は、適宜設定すればよく任意である。
【0015】
本発明に係る調味液は、プラスチックボトル、ガラス瓶、紙器、ラミネートチューブ、プラスチックフィルム等の公知の包装材料に公知の方法で充填包装することができる。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例などにより本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
実施例1 甘酢あんかけ用の低粘性調味液の製造
下記第1表に示した処方にしたがい組成の異なる5種類の甘酢あんかけ用低粘性調味液を製造した。なお、ワキシーコーン化工澱粉は松谷化学(株)製「パインエース#1(エーテル化架橋)」を、ポリデキストリンはダニスコルタージャパン(株)製「ライテスIIIシロップ」を使用した。
また、砂糖の配合量を段階的に増やしてBRIX糖度を変化させ、各調味液の混合、攪拌を行ない、混合のしやすさを比較評価した。なお、混合のしやすさの評価は、調味液800gを1リットル容量のステンレス製ジョッキ内でステンレス製ファンタービン付のシャフトをチャックした卓上用小型攪拌機による混合を行なう際に、配合原料の全てが水系原料に混合された試験区を○、配合原料の一部が混合しにくく、ダマが生じてしまった試験区を×で表示した。結果を第2表に示す。
【0018】
次に、得られた各調味液を70℃で20分間加熱した後、20℃における粘度の測定及び容器(ペットボトル)へ充填した調味液の容器からの出しやすさ並びに調味液の希釈のしやすさを評価した。なお、容器からの出しやすさは、容器に340gの調味液を充填した後、容器を逆さにして3分間自然に排出させた時の状態を評価し、かつ容器内壁に付着して容器内に残った調味液の重量(調味液の付着残量)を測定した。評価は、男女各10名のパネルで行ない、半数以上が出しやすいと判定した試験区を○で表示し、半数未満の者の評価しか得られなかった場合は、×で表示した。結果を第2表に示す。
希釈のしやすさについては、調味液100gと水300gを1リットル容量のステンレス製手つき鍋に投入し、木製の匙で混合、溶解した時の希釈のしやすさを上記パネラーが評価した。半数以上が希釈しやすいと評価した試験区を○で表示し、半数未満の者の評価しか得られなかった場合は、×で表示した。×とした主な評価理由としては、鍋の内壁面に調味液の部分的な塊が残っていたことによる。結果を第2表に示す。
【0019】
【表1】
Figure 2004236531
Figure 2004236531
※単位:重量%
【0020】
【表2】
Figure 2004236531
Figure 2004236531
【0021】
第2表から明らかなように、BRIX糖度が40以上70以下、粘度が100〜10000cp(20℃)の試験区2〜4では、調味液組成の混合が容易で、しかも製造された調味液は容器から出しやすく、また希釈も容易であった。
【0022】
実施例2 異なる加熱殺菌温度による和風あんかけ用低粘性調味液の製造
第3表に示した処方の原料を混合、攪拌した後、未加熱又は60℃、65℃、70℃、75℃、79℃、80℃の各温度で10分間加熱殺菌して和風あんかけ用の低粘性調味液を製造した。なお、ワキシーコーン化工澱粉は松谷化学(株)の「パインエース#1(エーテル化架橋)」を使用した。
得られた調味液を水で5重量倍希釈した後に95℃で5分間加熱調理した和風あんの官能評価を行なった。官能評価は、熟練パネラー男女各10名が和風あんを食したり、外観を目視したりして、未加熱品を対照として、だしの風味が良好か、醤油の風味が良好か、また色調に変化が無いかなどを総合的に評価して、半数以上が優れていると判定した試験区を○で表示し、半数未満の者の評価しか得られなかった場合は、×で表示した。結果を第4表に示す。また、調味液を加熱殺菌後、直ちに透明なガラス製のボトル容器に充填し、鉄製のキャップで密栓したものを30℃で2ヶ月間保管し、2週間後、1ヵ月後、2ヵ月後に調味液の保存性を確認した。保存性の確認は、微生物による変敗の顕著な指標として、容器の外側から調味液全体の目視確認を行ない、特に乳酸菌による白濁がないかを中心に確認を行なった。目視確認において変化のない試験区を○で示し、白濁した試験区を×で表示した。
【0023】
【表3】
Figure 2004236531
Figure 2004236531
【0024】
【表4】
Figure 2004236531
Figure 2004236531
【0025】
第4表から明らかなように、加熱殺菌温度が65℃を超え80℃未満の試験区8〜10では官能評価が良好であり保存性も良好であった。尚、目視確認において変化の無かった試験区について、調味液を水で5重量倍希釈後、95℃で5分間加熱調理した和風あんの風味と香味の確認を行ない、異味や異臭が生じていないかなどの確認を行なった結果、異常は認められず、全て良好であった。
【0026】
実施例3 澱粉の種類が異なる和風あんかけ用低粘性調味液の製造
種類の異なる澱粉を用いて和風あんかけ用低粘性調味液を製造した。なお、タピオカ化工澱粉は松谷化学(株)製「ばら(エステル化架橋)」を、タピオカ澱粉は松谷化学(株)製を、馬鈴薯化工澱粉は松谷化学(株)製「セレクトアミールXF(エーテル化架橋)」を、ワキシーコーン化工澱粉は松谷化学(株)製「パインエース#1(エーテル化架橋)」を、クズ澱粉は(株)森野吉野葛本舗製「吉野本葛」を使用し、比較例としてのコーン化工澱粉は松谷化学(株)製「ファリネックスLCF(エーテル化架橋)」を、小麦化工澱粉は松谷化学(株)製「やまぶき(エーテル化)」を使用した。
下記第5表に示した処方の原料を混合、攪拌後、70℃で20分間加熱殺菌して製造した調味液について、BRIX糖度及び20℃における粘度の測定を行なった。
また、得られた調味液を4重量倍希釈した後に95℃で5分間加熱調理して得た和風あんの20℃における粘度測定及び食感の評価を行なった。食感の評価は、熟練パネラー男女各10名が和風あんを食した時の粘り、口溶けなどを総合的に評価して、半数以上が優れていると評価した試験区を○で表示し、半数未満の者の評価しか得られなかった場合は、×で表示した。得られた結果を第6表に示す。
【0027】
【表5】
Figure 2004236531
Figure 2004236531
Figure 2004236531
【0028】
【表6】
Figure 2004236531
Figure 2004236531
【0029】
第6表から明らかなように、タピオカ化工澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯化工澱粉、ワキシーコーン化工澱粉、クズ澱粉を使用した試験区12〜16は希釈加熱後の食感は良好であった。更に、この中でタピオカ化工澱粉及びタピオカ澱粉を使用した試験区12及び13は、希釈加熱後の経時的な物性の変化が少なく、最も良好な食感を保った。
【0030】
実施例4 カレーあんかけ用低粘性調味液の製造
下記第7表に示した処方の原料を混合、攪拌後、70℃で10分間加熱してカレーあんかけ用低粘性調味液を製造した。得られた調味液のBRIX糖度は52.9であり、20℃における粘度は5300cpであった。また、この調味液を加熱後に、TKホモミキサーで9000rpm、2分間の均質化と粉砕処理して得られた調味液の20℃における粘度は4540cpであった。
この粉砕処理した調味液に、1重量倍の水と1重量倍の牛乳を加えて3重量倍に希釈後に、95℃で5分間加熱調理して得たカレーあんの粘度は5500cpであり、茹でうどんへの絡まり具合、食した時の風味、食感は良好であった。
なお、馬鈴薯化工澱粉は松谷化学(株)製「セレクトアミールXF(エーテル化架橋)」を使用した。
【0031】
【表7】
Figure 2004236531
Figure 2004236531
Figure 2004236531
【0032】
実施例5 鼈甲あんかけ用低粘性調味液の製造
下記第8表に示した処方の原料を混合、攪拌後、カッターミキサーにて2000rpmの条件で粉砕処理しながら70℃で25分間加熱し、だしまたはだしエキスに醤油を加えて鼈甲色に加熱着色した鼈甲あんかけ用低粘性調味液を製造した。得られた調味液のBRIX糖度は59.0であり、塩分は6.9重量%、20℃における粘度は3100cpであった。なお、タピオカ化工澱粉は松谷化学(株)製「ばら(エステル化架橋)」を、ポリデキストリンはダニスコルタージャパン(株)製「ライテスIIIシロップ」を使用した。
この調味液に、3重量倍の水を加えて4重量倍に希釈後した後の粘度は120cpで、95℃で5分間加熱調理して得た鼈甲あんの粘度は2100cpであった。
水分含量12.5%の包装袋から直接取り出した殺菌処理を予め施していない上記のタピオカ化工澱粉を11重量%並びに、塩分を6.9重量%含有し、BRIXが59であって、70℃で25分間加熱殺菌処理と平行して粉砕処理を施した後の粘度が3100cp(20℃)であるこの調味液は、容器より排出しやすく、水に4重量倍に希釈しやすかった。また、95℃で5分間加熱調理した後の粘度が、加熱調理前の17.5倍であり、風呂吹き大根茹への絡まり具合、食した時の風味、食感および鼈甲の着色状態も良好であった。また、この調味液をプラスチック製の袋に充填、密封したものを、30℃で1ヵ月間保管後も白濁等の外観変化は無く、調理後の風味も良好なため、保存性が高いことが確認された。
【0033】
【表8】
Figure 2004236531
Figure 2004236531
Figure 2004236531
【0034】
【発明の効果】
本発明に従えば、調味液組成及び調味液の加熱殺菌条件を特定することにより、澱粉を高濃度で含有するにもかかわらず、加熱殺菌時に澱粉の糊化が抑制されて低粘性に保たれることで、当該調味液の容器からの排出などの作業が簡単であり、しかも水などにより適度に希釈することができる濃縮タイプのあんかけ用低粘性調味液とその製造法が提供される。
この調味液は、保存性が高い上に、調味液を加熱調理することによって、とろみのある物性を付与することができる。

Claims (4)

  1. 馬鈴薯、タピオカ、ワキシーコーン及びクズの中から選ばれる1種又は2種以上の澱粉またはその化工澱粉を10〜35重量%並びに塩分を3〜20重量%含有し、BRIX糖度が40〜70である調味液であって、該調味液を65℃を超え80℃未満の温度で1〜60分間加熱殺菌した後の粘度が100〜10000cp(20℃)であることを特徴とする濃縮タイプのあんかけ用調味液。
  2. 2〜20重量倍に希釈し、95℃で5分間加熱調理した後の調味液の粘度が、加熱調理前粘度の5〜500倍であることを特徴とする請求項1記載の濃縮タイプのあんかけ用調味液。
  3. 澱粉またはその化工澱粉が、殺菌処理されていない澱粉またはその化工澱粉である請求項1または2記載の濃縮タイプのあんかけ用調味液。
  4. 馬鈴薯、タピオカ、ワキシーコーン及びクズの中から選ばれる1種又は2種以上の澱粉またはその化工澱粉を10〜35重量%並びに塩分を3〜20重量%含有し、BRIX糖度が40〜70である調味液を、65℃を超え80℃未満の温度で1〜60分間加熱殺菌することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の濃縮タイプのあんかけ用調味液の製造法。
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