JP2004236877A - マッサージ機 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも短いマッサージ時間で十分なマッサージ効果を得ることの出来るマッサージ機を提供する。
【解決手段】本発明に係るマッサージ機は、被施療者の自律神経系の生体情報を検知する生体情報センサー5と、該生体情報センサー5によって検知される生体情報に基づいてマッサージ動作を制御する制御回路6とを具え、該制御回路6は、予備マッサージにより生体情報センサー5によって検知される生体情報の変化に基づいて被施療者の心理状態を推定した後、推定された心理状態に応じて本マッサージの動作を調整するものであって、予備マッサージにおいては、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の内、代表的な1つのマッサージ動作のみを実行する。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明に係るマッサージ機は、被施療者の自律神経系の生体情報を検知する生体情報センサー5と、該生体情報センサー5によって検知される生体情報に基づいてマッサージ動作を制御する制御回路6とを具え、該制御回路6は、予備マッサージにより生体情報センサー5によって検知される生体情報の変化に基づいて被施療者の心理状態を推定した後、推定された心理状態に応じて本マッサージの動作を調整するものであって、予備マッサージにおいては、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の内、代表的な1つのマッサージ動作のみを実行する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被施療者に複数種類のマッサージを施すことが可能なマッサージ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マッサージ機は図1に示す如く、脚(11)、座(12)、背もたれ(13)、及び左右一対の肘掛け(14)(14)からなる椅子本体(10)に、複数の施療子(21)を具えたマッサージ機構(2)を組み込んで構成され、これら複数の施療子(21)を振動させながら上下に往復移動させることによって、人体にマッサージを施すものである。
【0003】
ところで、この種のマッサージ機において、施療の前後にこり部等の硬い部位を検出して、最適な部位に対して集中的なマッサージを行なうマッサージ機が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、該マッサージ機では、被施療者のこり部を検出して、該こり部に対して集中的にマッサージを施すことは可能であるが、「気持ち良い」、「痛い」等の被施療者の心理状態を検知することが出来ないため、リラックス度やリフレッシュ度を高めるための効果的なマッサージを行なうことが出来ない問題があった。
【0004】
そこで、被施療者の脈拍、体温、皮膚電気抵抗等のリラックス状態検知要素を検知して、被施療者のリラックス度に応じてマッサージ機構を制御するマッサージ機が提案されている(特許文献2参照)。
ところが、該マッサージ機においては、リラックス状態検知要素の検知と、該検知に基づくマッサージ機構の制御とが、同時並行して行なわれるため、被施療者のリラックス度を充分にマッサージ動作に反映させることが出来ない問題があった。
又、脈拍、体温、皮膚電気反射(GSR)等の情報と、被施療者の各種の感覚、好み、体調等との関係が、充分に実証されておらず、被施療者の様々な心理状態に応じて、効果的なマッサージを施すことが出来ない問題があった。
【0005】
そこで、出願人は、被施療者の様々な心理状態に応じて効果的なマッサージを施すことが出来るマッサージ機を提案している(特許文献3参照)。
該マッサージ機は、被施療者の脈拍、体温、GSR等の生体情報を検知する生体情報センサーと、該生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいて、マッサージ動作を制御する制御回路とを具え、該制御回路は、先ず予備マッサージを実施して、生体情報センサーによって検知される生体情報の変化に基づいて被施療者の心理状態を推定した後、本マッサージにおいて、推定された心理状態に応じてマッサージ動作を調整する。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−75413号公報
【特許文献2】
特開平6−209号公報
【特許文献3】
特開2002−165853号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、予備マッサージによる心理状態の推定と推定結果に基づく本マッサージとを行なう従来のマッサージ機においては、施療効果のある本マッサージの前に予備マッサージを実施する必要があるため、予備マッサージに必要な時間だけマッサージ時間が長くなる欠点があった。
又、最初の予備マッサージの実施によって被施療者の心理状態を推定したとしても、本マッサージにおいては施療効果によって被施療者の心理状態は刻々と変化するために、本マッサージの前半では、被施療者の心理状態が反映された効果的なマッサージ動作が行なわれるが、本マッサージの後半では、その後の被施療者の心理状態の変化によって、被施療者の真の心理状態がマッサージ動作に反映されなくなり、マッサージ効果が低減する欠点があった。
【0008】
そこで本発明の第1の目的は、従来よりも短いマッサージ時間で十分なマッサージ効果を得ることの出来るマッサージ機を提供することである。
又、本発明の第2の目的は、施療の進行状況に追従した効果的なマッサージ動作が行なわれるマッサージ機を提供することである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る第1のマッサージ機は、被施療者の生体情報を検知する生体情報センサーと、該生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいてマッサージ動作を制御する制御回路とを具えている。
制御回路は、予備マッサージの実施により生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいて被施療者の心理状態を推定する心理状態推定手段と、推定された心理状態に応じて本マッサージの動作を調整するマッサージ動作調整手段とを具え、予備マッサージにおいては、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の内、代表的な1つのマッサージ動作を実行して生体情報の変化を検知する。
【0010】
上記本発明のマッサージ機においては、予備マッサージとして、代表的な1つのマッサージ動作のみを実行すればよいので、複数種類のマッサージ動作の全てによって予備マッサージを行なう構成に比べて、予備マッサージの1回当たりの時間が短縮され、この結果、マッサージ開始から終了までの時間が従来よりも短縮される。
ここで、予備マッサージとしては代表的なマッサージ動作が行なわれるので、被施療者の心理状態は概ね正確に検知され、その結果、本マッサージでは十分な施療効果が得られる。
【0011】
具体的には、前記代表的な1つのマッサージ動作として、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の全てを連続して実施した場合と最も近い心理状態が得られる1種類のマッサージ動作が選定されている。
これによって、予備マッサージを複数種類のマッサージ動作によって行なった場合と同等の精度で心理状態が検知され、その結果、本マッサージにおいては、予備マッサージを複数種類のマッサージ動作によって行なった場合と同等の高い施療効果が得られる。
【0012】
本発明に係る第2のマッサージ機において、制御回路は、予備マッサージの実施により生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいて被施療者の心理状態を推定する心理状態推定手段と、推定された心理状態に応じて本マッサージの動作を調整するマッサージ動作調整手段とを具え、予備マッサージと本マッサージを交互に繰り返すことによって、被施療者にマッサージを施す。
【0013】
上記本発明のマッサージ機によれば、予備マッサージが本マッサージに先だって行なわれるだけでなく、その後の一連の本マッサージの途中でも行なわれ、本マッサージの進行に伴う被施療者の心理状態の変化が本マッサージに反映されるので、被施療者の真の心理状態に基づくマッサージ動作が実施されることとなり、この結果、従来よりも高いマッサージ効果が得られる。
【0014】
尚、1回の予備マッサージにて、本マッサージで施療すべき全ての部位に対するマッサージ動作を実行する構成に限らず、1回の予備マッサージでは、本マッサージで施療すべき全ての部位の内、1部位に対するマッサージ動作を実行し、予備マッサージ毎に施療すべき部位を切り替える構成も採用可能である。
これによって、予備マッサージ1回当たりのマッサージ時間を短縮することが出来る。
【0015】
又、1回の本マッサージにて、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の全てを実施する構成に限らず、1回の本マッサージでは、本マッサージで実施すべき複数のマッサージ動作の内、1種類だけを実施し、本マッサージ毎にマッサージ動作の種類を切り替える構成も採用可能である。
これによって、より頻繁に予備マッサージによる心理状態の推定を行なうことが出来る。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る第1のマッサージ機によれば、従来よりも短いマッサージ時間で十分なマッサージ効果を得ることが出来る。又、本発明の第2のマッサージ機によれば、施療の進行状況に追従した効果的なマッサージ動作を実現することが出来る。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るマッサージ機は、図1に示す如く、脚(11)、座(12)、背もたれ(13)、及び左右一対の肘掛け(14)(14)からなる椅子本体(10)に、複数の施療子(21)を具えたマッサージ機構(2)を組み込んで構成され、これら複数の施療子(21)を振動させながら上下に往復移動させることによって、人体にマッサージを施すものである。
【0018】
マッサージ機構(2)は、図2に示す如く椅子本体(10)の背もたれ(13)の背部に、前記施療子を振動させるための施療子駆動装置(3)を具え、該施療子駆動装置(3)は、背もたれ(13)の背面に取り付けられたサイドフレーム(15)(15)に沿って昇降可能に支持されている。又、椅子本体(10)には、施療子昇降用モータ(22)が配備され、該施療子昇降用モータ(22)はベルト式動力伝達機構(20)を介してねじ軸(23)に連繋している。該ねじ軸(23)は、施療子駆動装置(3)に取り付けられた軸受け(24)に螺合している。
従って、施療子昇降用モータ(22)によってねじ軸(23)が回転駆動されると、これに伴って施療子駆動装置(3)が昇降することになる。
【0019】
施療子駆動装置(3)は、図3に示す如く、両側部に複数のローラ(43)(43)を具え、これらのローラ(43)(43)がサイドフレーム(15)(15)に係合して、施療子駆動装置(3)の昇降が案内されている。
施療子駆動装置(3)には揉み用モータ(31)が配備され、該揉み用モータ(31)は、ベルト式動力伝達機構(32)及び変速機構(33)を介して、シャフト(34)に連繋している。該シャフト(34)には、左右一対の偏心軸受け(35)(35)が取り付けられており、これらの偏心軸受け(35)(35)によって左右一対の支持アーム(42)(42)が支持されている。各支持アーム(42)の先端部には、略L字状の揺動アーム(36)が枢支され、該揺動アーム(36)の両端部に施療子(21)(21)が回転可能に取り付けられている。
従って、揉み用モータ(31)によってシャフト(34)が回転駆動されると、これに伴って支持アーム(42)(42)が開閉方向に揺動駆動され、これによって、施療子(21)(21)による揉み動作が実現されることになる。
【0020】
又、施療子駆動装置(3)には叩き用モータ(37)が配備され、該叩き用モータ(37)は、ベルト式動力伝達機構(38)を介してシャフト(39)に連繋している。該シャフト(39)には、左右一対の偏心軸受け(40)(40)が取り付けられており、これらの偏心軸受け(40)(40)によって左右一対のロッド(41)(41)が支持されている。そして、各ロッド(41)の先端部が前記アーム(42)の基端部に連結されている。
従って、叩き用モータ(37)によってシャフト(39)が回転駆動されると、これに伴ってロッド(41)(41)が前後方向に揺動駆動され、これによって施療子(21)(21)による叩き動作が実現されることになる。
【0021】
上記本発明のマッサージ機は、図1に示す様に、リモートコントローラ(7)を操作することによって、動作させることが可能である。
リモートコントローラ(7)は、図5に示す如く、縦型のケーシング(70)の表面にディスプレイ(71)及び複数の操作釦(72)を配備して構成されている。ケーシング(70)の右側面には、発光素子及び受光素子によって構成される脈拍センサー(52)と、サーミスタによって構成される皮膚温センサー(53)が配備されると共に、ケーシング(70)の両側面には、一対の電極(51a)(51b)からなるGSRセンサー(51)が配備されており、鎖線で示す様に左手で把持したとき、人差し指が皮膚温センサー(53)に、中指が脈拍センサー(52)に、薬指及び小指がGSRセンサー(51)の一方の電極(51b)に、手のひらがGSRセンサー(51)の他方の電極(51a)に接触するようになっている。
【0022】
図4は、上記マッサージ機の制御系の構成を表わしており、GSRセンサー(51)、脈拍センサー(52)及び皮膚温センサー(53)によって構成される生体情報センサー(5)が、マイクロコンピュータからなる制御回路(6)の入力ポートに接続されている。又、制御回路(6)の他の入力ポートには、マッサージ動作を開始させる際に操作すべきスタート釦(54)と、リラックスモードとリフレッシュモードを相互に切り替える際に操作すべきモード選択釦(55)とが接続されている。
又、制御回路(6)の出力ポートには、前述の昇降用モータ(22)、もみ用モータ(31)及びたたき用モータ(37)が接続されている。
制御回路(6)は、スタート釦(54)が操作されたとき、モード選択釦(55)によって選択されているモードで立ち上がり、先ず、生体情報センサー(5)からの信号に基づいて後述する予備マッサージの手続きを実行した後、後述する本マッサージの手続きを実行する。
【0023】
ところで、生体情報センサー(5)によって検出される生体情報、即ち、GSR、皮膚温及び脈拍数と、被施療者(ユーザ)の心理状態との関係には、次のような関係が存在することが知られている(上記特許文献3参照)。
即ち、自律神経系の活性の度合いに応じて、GSR、皮膚温及び脈拍数の変化が異なり、活性度が低いときは、GSR及び脈拍数は低下し、皮膚温は上昇する。活性度がやや低いときは、GSRは横這いであるが、皮膚温は上昇し、脈拍数は低下する。活性度がやや高いとき、GSRは横這いから上昇し、皮膚温は低下し、脈拍数は上昇する。更に、活性度が高いときは、GSRは大きく上昇すると共に、皮膚温は低下し、脈拍数は上昇する。
この様に生体情報が変化した場合、被施療者の心理状態としては、活性度が低いときは、リラックスして気持ちの良い状態と推定することが出来、活性度がやや高いときは、例えばこり部をマッサージしたときに受ける独特の感情である、痛いと気持ち良いの両方が混ざった心理状態と推定することが出来、活性度が高いときは、痛いと感じる状態と推定することが出来る。又、活性度が中立のときは、気持ち良くもなく痛くもないニュートラルの状態と推定することが出来る。
【0024】
図12は、上記関係に基づく心理状態の推定を定式化したものであって、GSRの変化ΔG、皮膚温の変化ΔT、及び脈拍の変化ΔHの組合せから、「痛い」、「活性」、「ニュートラル」、「リラックス」を判定することが出来る。従って、予備マッサージにより、被施療者の各部位に各種のマッサージを施しながら、GSR、皮膚温及び脈拍数の変化を検出することによって、被施療者の心理状態を推定することが出来る。
その後、本マッサージにおいては、被施療者の心理状態から各部位に対する各種マッサージの好みを認識することによって、被施療者の好みに合ったマッサージを施す。
【0025】
尚、本マッサージにおけるのマッサージ動作は、各部位(肩、背中、腰、脚)に対して種々のマッサージ動作(たたき、もみ、たたきもみ、ローリング等)を順次、施すものであって、選択されたモード(リラックスモード/リフレッシュモード)と、予備マッサージの実施によって推定された心理状態とに応じて、マッサージ動作の時間と回数が調整される。
【0026】
図13(a)(b)は、それぞれリラックスモードとリフレッシュモードにおける心理状態に応じたマッサージ時間及びマッサージ速度の調整ルールを表わしている。
例えば、リラックスモードが選択されている場合において、心理状態が「リラックス」と推定されたときは、背中以外はマッサージ時間を延長し、マッサージ速度は中程度を維持する。その他は同図(a)のとおりである。これによって、よりリラックス度が向上することになる。
又、リフレッシュモードが選択されている場合において、心理状態が「活性(痛いと気持ち良いの両方)」と推定されたときは、背中以外はマッサージ時間を延長し、マッサージ速度は中程度を維持する。その他は同図(b)のとおりである。これによって、よりリフレッシュ度が向上することになる。
【0027】
従来の予備マッサージにおいては、全ての部位に対して、本マッサージで実施される複数種類のマッサージ動作の全てを連続して実行することが行なわれていたが、本発明の予備マッサージにおいては、代表的な1種類のマッサージ動作のみを実行する。
図11は、複数種類のマッサージ動作の中から代表的な1種類のマッサージ動作を選定するために行なった実験の結果を表わしている。実験では、被験者45名を対象として、「もみ」「たたき」「たたきもみ」の3種類のマッサージ動作を連続して行なった場合の各被験者の心理状態の主観(リラックス、ニュートラル、活性、痛い)と、何れか1種類のマッサージ動作のみを行なった場合の各被験者の心理状態の主観とを聴取し、両者の一致/不一致(ずれ)を図11のマトリックスに表わした。
【0028】
図11(a)(b)(c)の各マトリックスは、それぞれ横軸に3種類のマッサージ動作を行なった場合の心理状態(総合的状態)をとり、縦軸にはそれぞれ「もみ」「たたき」「たたきもみ」の何れか1種類のマッサージ動作のみを行なった場合の心理状態をとって、マトリックスの交差位置に該当する被験者の人数を記入したものである。
図11(a)の「もみ」についてのマトリックスでは、横軸と縦軸の心理状態が一致した例数が31であり、総数45に占める割合が0.69と最も大きくなり、次に図11(c)の「たたきもみ」のマトリックスにおける一致割合が0.6と大きく、図11(b)の「たたき」のマトリックスにおける一致割合が0.51と最も小さくなっている。
【0029】
この結果から、「もみ」「たたき」「たたきもみ」の3種類のマッサージ動作の中では、「もみ」のみを行なった場合の心理状態が、3種類の全てのマッサージ動作を行なった場合の心理状態と最も近似しており、「もみ」が代表的なマッサージ動作であると言うことが出来る。
従って、予備マッサージでは、本マッサージで実施される3種類のマッサージ動作の内、「もみ」のみを実行したとしても、これによって推定される心理状態は、3種類のマッサージ動作の全てを連続して実行した場合に推定される心理状態と概ね一致することになる。
【0030】
図6は、本発明に係るマッサージ機の一連の動作を表わしている。
先ずステップS1では、ユーザの選択操作に応じてリラックスモード又はリフレッシュモードを設定し、ステップS2では、予備マッサージによって心理状態の推定を実施する。尚、予備マッサージは、上述の代表的なマッサージ動作(もみ)のみを実行するものであり、全ての部位(肩、背中、腰)に対して予備マッサージを施す。
その後、ステップS3では、心理状態の推定結果に基づいて、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定して、ステップS4にて本マッサージを実施する。図7は、本マッサージのシーケンス例を表わしている。
【0031】
続いて、図6のステップS5では、再度、予備マッサージ(「もみ」のみ)による状態推定を実施し、ステップS6では、状態推定結果を更新する。そして、ステップS7にて、更新した状態推定結果に基づき、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定した後、ステップS8にて本マッサージを実施する。
その後、ステップS9にて、本マッサージの実施回数が所定値を越えたかどうかによってマッサージを終了するかどうかを判定し、ノーの場合はステップS5に戻って、予備マッサージによる推定、その推定結果に基づく本マッサージの実施を繰り返す。
そして、本マッサージの実施回数が所定値を越えたとき、一連のマッサージを終了する。
【0032】
又、図8は、本発明に係るマッサージ機における他のマッサージ動作例を表わしている。
先ずステップS11では、ユーザの操作に応じてリラックスモード又はリフレッシュモードを設定し、ステップS12では、予備マッサージによって心理状態の推定を実施する。尚、最初の予備マッサージにおいては、全ての部位(肩、背中、腰)に対して、代表的なマッサージ動作である「もみ」のみを実行する。
その後、ステップS13では、心理状態の推定結果に基づいて、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定して、ステップS14にて本マッサージ▲1▼を実施する。図10に、本マッサージ▲1▼のシーケンス例を示す。
【0033】
続いて、図8のステップS15のフェーズ動作に移行する。
フェーズ動作においては、図9に示す如く、先ずステップS21にて、肩に対して予備マッサージ(「もみ」のみ)による状態推定を実施し、ステップS22では、肩に関する状態推定結果を更新する。そして、ステップS23では、更新した状態推定結果に基づき、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定して、ステップS24にて本マッサージ▲2▼を実施する。図10に、本マッサージ▲2▼のシーケンス例を示す。
【0034】
その後、図9のステップS25にて、背中に対する予備マッサージ(「もみ」のみ)による状態推定を実施し、ステップS26では、背中に関する状態推定結果を更新する。そして、ステップS27では、更新した状態推定結果に基づき、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定して、ステップS28にて本マッサージ▲3▼を実施する。図10に、本マッサージ▲3▼のシーケンス例を示す。
【0035】
その後、図9のステップS29にて、腰に対する予備マッサージ(「もみ」のみ)による状態推定を実施し、ステップS30では、腰に関する状態推定結果を更新する。そして、ステップS31では、更新した状態推定結果に基づき、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定して、ステップS32にて再び、本マッサージ▲1▼を実施する。
【0036】
その後、図8のステップS16に移行して、本マッサージの実施回数が所定値を越えたかどうかによってマッサージを終了するかどうかを判定し、ノーの場合はステップS15に戻って、上述のフェーズ動作(予備マッサージによる推定、その推定結果に基づく本マッサージの実施)を繰り返す。
そして、本マッサージの実施回数が所定値を越えたとき、一連のマッサージを終了する。
【0037】
上記本発明のマッサージ機によれば、予備マッサージとして、代表的な1つのマッサージ動作のみを実行すればよいので、複数種類のマッサージ動作の全てによって予備マッサージを行なう構成に比べて、予備マッサージの1回当たりの時間が短縮され、この結果、マッサージ開始から終了までの時間が従来よりも短縮される。
ここで、予備マッサージとしては代表的なマッサージ動作が行なわれるので、予備マッサージを複数種類のマッサージ動作によって行なった場合と同等の精度で心理状態が検知され、その結果、本マッサージにおいては、予備マッサージを複数種類のマッサージ動作によって行なった場合と同等の高い施療効果が得られる。
【0038】
又、上記マッサージ機においては、予備マッサージが本マッサージに先だって行なわれるだけでなく、その後の一連の本マッサージの途中でも行なわれ、本マッサージの進行に伴う被施療者の心理状態の変化が本マッサージに反映されるので、被施療者の真の心理状態に基づくマッサージ動作が実施されることとなり、この結果、従来よりも高いマッサージ効果が得られる。
【0039】
更に又、図8及び図9に示すマッサージ動作によれば、本マッサージの途中で繰り返し実施される予備マッサージがそれぞれ1つの部位に対するマッサージ動作によって行なわれるので、予備マッサージ1回当たりのマッサージ時間が更に短縮される。
ここで、予備マッサージを施すべき部位は順次切り替えられるので、マッサージ動作全体としては全部位から心理状態についての情報が得られ、その結果、効果的な本マッサージを施すことが出来る。
【0040】
尚、被施療者の心理状態を推定するための生体情報としては、脳波を用いることも可能である。即ち、マッサージ中の脳波を測定して、脳波の周波数情報に基づき、例えば8〜13Hzの波形(α波)が検出された場合には、被施療者の心理状態はリラックス状態であると推定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマッサージ機の使用状態を表わす斜視図である。
【図2】マッサージ機構の構成を表わす背面図である。
【図3】施療子駆動装置の構成を表わす背面図である。
【図4】マッサージ機の制御系の構成を表わすブロック図である。
【図5】リモートコントローラの外観を示す斜視図である。
【図6】本発明に係るマッサージ機の動作例を表わすフローチャートである。
【図7】該動作例における本マッサージのシーケンス例を表わす図表である。
【図8】本発明に係るマッサージ機の他の動作例を表わすフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートの分図である。
【図10】該動作例における本マッサージのシーケンス例を表わす図表である。
【図11】複数種類のマッサージ動作から代表的なマッサージ動作を設定するために行なった実験の結果を表わす図表である。
【図12】生体情報から心理状態を推定するための関係を表わす図表である。
【図13】本マッサージにおいてモード及び心理状態に応じてマッサージ速度とマッサージ速度を変化させる際のルールを表わす図表である。
【符号の説明】
(10) 椅子本体
(2) マッサージ機構
(21) 施療子
(3) 施療子駆動装置
(5) 生体情報センサー
(51) GSRセンサー
(52) 脈拍センサー
(53) 皮膚温センサー
(6) 制御回路
(7) リモートコントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、被施療者に複数種類のマッサージを施すことが可能なマッサージ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マッサージ機は図1に示す如く、脚(11)、座(12)、背もたれ(13)、及び左右一対の肘掛け(14)(14)からなる椅子本体(10)に、複数の施療子(21)を具えたマッサージ機構(2)を組み込んで構成され、これら複数の施療子(21)を振動させながら上下に往復移動させることによって、人体にマッサージを施すものである。
【0003】
ところで、この種のマッサージ機において、施療の前後にこり部等の硬い部位を検出して、最適な部位に対して集中的なマッサージを行なうマッサージ機が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、該マッサージ機では、被施療者のこり部を検出して、該こり部に対して集中的にマッサージを施すことは可能であるが、「気持ち良い」、「痛い」等の被施療者の心理状態を検知することが出来ないため、リラックス度やリフレッシュ度を高めるための効果的なマッサージを行なうことが出来ない問題があった。
【0004】
そこで、被施療者の脈拍、体温、皮膚電気抵抗等のリラックス状態検知要素を検知して、被施療者のリラックス度に応じてマッサージ機構を制御するマッサージ機が提案されている(特許文献2参照)。
ところが、該マッサージ機においては、リラックス状態検知要素の検知と、該検知に基づくマッサージ機構の制御とが、同時並行して行なわれるため、被施療者のリラックス度を充分にマッサージ動作に反映させることが出来ない問題があった。
又、脈拍、体温、皮膚電気反射(GSR)等の情報と、被施療者の各種の感覚、好み、体調等との関係が、充分に実証されておらず、被施療者の様々な心理状態に応じて、効果的なマッサージを施すことが出来ない問題があった。
【0005】
そこで、出願人は、被施療者の様々な心理状態に応じて効果的なマッサージを施すことが出来るマッサージ機を提案している(特許文献3参照)。
該マッサージ機は、被施療者の脈拍、体温、GSR等の生体情報を検知する生体情報センサーと、該生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいて、マッサージ動作を制御する制御回路とを具え、該制御回路は、先ず予備マッサージを実施して、生体情報センサーによって検知される生体情報の変化に基づいて被施療者の心理状態を推定した後、本マッサージにおいて、推定された心理状態に応じてマッサージ動作を調整する。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−75413号公報
【特許文献2】
特開平6−209号公報
【特許文献3】
特開2002−165853号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、予備マッサージによる心理状態の推定と推定結果に基づく本マッサージとを行なう従来のマッサージ機においては、施療効果のある本マッサージの前に予備マッサージを実施する必要があるため、予備マッサージに必要な時間だけマッサージ時間が長くなる欠点があった。
又、最初の予備マッサージの実施によって被施療者の心理状態を推定したとしても、本マッサージにおいては施療効果によって被施療者の心理状態は刻々と変化するために、本マッサージの前半では、被施療者の心理状態が反映された効果的なマッサージ動作が行なわれるが、本マッサージの後半では、その後の被施療者の心理状態の変化によって、被施療者の真の心理状態がマッサージ動作に反映されなくなり、マッサージ効果が低減する欠点があった。
【0008】
そこで本発明の第1の目的は、従来よりも短いマッサージ時間で十分なマッサージ効果を得ることの出来るマッサージ機を提供することである。
又、本発明の第2の目的は、施療の進行状況に追従した効果的なマッサージ動作が行なわれるマッサージ機を提供することである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る第1のマッサージ機は、被施療者の生体情報を検知する生体情報センサーと、該生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいてマッサージ動作を制御する制御回路とを具えている。
制御回路は、予備マッサージの実施により生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいて被施療者の心理状態を推定する心理状態推定手段と、推定された心理状態に応じて本マッサージの動作を調整するマッサージ動作調整手段とを具え、予備マッサージにおいては、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の内、代表的な1つのマッサージ動作を実行して生体情報の変化を検知する。
【0010】
上記本発明のマッサージ機においては、予備マッサージとして、代表的な1つのマッサージ動作のみを実行すればよいので、複数種類のマッサージ動作の全てによって予備マッサージを行なう構成に比べて、予備マッサージの1回当たりの時間が短縮され、この結果、マッサージ開始から終了までの時間が従来よりも短縮される。
ここで、予備マッサージとしては代表的なマッサージ動作が行なわれるので、被施療者の心理状態は概ね正確に検知され、その結果、本マッサージでは十分な施療効果が得られる。
【0011】
具体的には、前記代表的な1つのマッサージ動作として、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の全てを連続して実施した場合と最も近い心理状態が得られる1種類のマッサージ動作が選定されている。
これによって、予備マッサージを複数種類のマッサージ動作によって行なった場合と同等の精度で心理状態が検知され、その結果、本マッサージにおいては、予備マッサージを複数種類のマッサージ動作によって行なった場合と同等の高い施療効果が得られる。
【0012】
本発明に係る第2のマッサージ機において、制御回路は、予備マッサージの実施により生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいて被施療者の心理状態を推定する心理状態推定手段と、推定された心理状態に応じて本マッサージの動作を調整するマッサージ動作調整手段とを具え、予備マッサージと本マッサージを交互に繰り返すことによって、被施療者にマッサージを施す。
【0013】
上記本発明のマッサージ機によれば、予備マッサージが本マッサージに先だって行なわれるだけでなく、その後の一連の本マッサージの途中でも行なわれ、本マッサージの進行に伴う被施療者の心理状態の変化が本マッサージに反映されるので、被施療者の真の心理状態に基づくマッサージ動作が実施されることとなり、この結果、従来よりも高いマッサージ効果が得られる。
【0014】
尚、1回の予備マッサージにて、本マッサージで施療すべき全ての部位に対するマッサージ動作を実行する構成に限らず、1回の予備マッサージでは、本マッサージで施療すべき全ての部位の内、1部位に対するマッサージ動作を実行し、予備マッサージ毎に施療すべき部位を切り替える構成も採用可能である。
これによって、予備マッサージ1回当たりのマッサージ時間を短縮することが出来る。
【0015】
又、1回の本マッサージにて、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の全てを実施する構成に限らず、1回の本マッサージでは、本マッサージで実施すべき複数のマッサージ動作の内、1種類だけを実施し、本マッサージ毎にマッサージ動作の種類を切り替える構成も採用可能である。
これによって、より頻繁に予備マッサージによる心理状態の推定を行なうことが出来る。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る第1のマッサージ機によれば、従来よりも短いマッサージ時間で十分なマッサージ効果を得ることが出来る。又、本発明の第2のマッサージ機によれば、施療の進行状況に追従した効果的なマッサージ動作を実現することが出来る。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るマッサージ機は、図1に示す如く、脚(11)、座(12)、背もたれ(13)、及び左右一対の肘掛け(14)(14)からなる椅子本体(10)に、複数の施療子(21)を具えたマッサージ機構(2)を組み込んで構成され、これら複数の施療子(21)を振動させながら上下に往復移動させることによって、人体にマッサージを施すものである。
【0018】
マッサージ機構(2)は、図2に示す如く椅子本体(10)の背もたれ(13)の背部に、前記施療子を振動させるための施療子駆動装置(3)を具え、該施療子駆動装置(3)は、背もたれ(13)の背面に取り付けられたサイドフレーム(15)(15)に沿って昇降可能に支持されている。又、椅子本体(10)には、施療子昇降用モータ(22)が配備され、該施療子昇降用モータ(22)はベルト式動力伝達機構(20)を介してねじ軸(23)に連繋している。該ねじ軸(23)は、施療子駆動装置(3)に取り付けられた軸受け(24)に螺合している。
従って、施療子昇降用モータ(22)によってねじ軸(23)が回転駆動されると、これに伴って施療子駆動装置(3)が昇降することになる。
【0019】
施療子駆動装置(3)は、図3に示す如く、両側部に複数のローラ(43)(43)を具え、これらのローラ(43)(43)がサイドフレーム(15)(15)に係合して、施療子駆動装置(3)の昇降が案内されている。
施療子駆動装置(3)には揉み用モータ(31)が配備され、該揉み用モータ(31)は、ベルト式動力伝達機構(32)及び変速機構(33)を介して、シャフト(34)に連繋している。該シャフト(34)には、左右一対の偏心軸受け(35)(35)が取り付けられており、これらの偏心軸受け(35)(35)によって左右一対の支持アーム(42)(42)が支持されている。各支持アーム(42)の先端部には、略L字状の揺動アーム(36)が枢支され、該揺動アーム(36)の両端部に施療子(21)(21)が回転可能に取り付けられている。
従って、揉み用モータ(31)によってシャフト(34)が回転駆動されると、これに伴って支持アーム(42)(42)が開閉方向に揺動駆動され、これによって、施療子(21)(21)による揉み動作が実現されることになる。
【0020】
又、施療子駆動装置(3)には叩き用モータ(37)が配備され、該叩き用モータ(37)は、ベルト式動力伝達機構(38)を介してシャフト(39)に連繋している。該シャフト(39)には、左右一対の偏心軸受け(40)(40)が取り付けられており、これらの偏心軸受け(40)(40)によって左右一対のロッド(41)(41)が支持されている。そして、各ロッド(41)の先端部が前記アーム(42)の基端部に連結されている。
従って、叩き用モータ(37)によってシャフト(39)が回転駆動されると、これに伴ってロッド(41)(41)が前後方向に揺動駆動され、これによって施療子(21)(21)による叩き動作が実現されることになる。
【0021】
上記本発明のマッサージ機は、図1に示す様に、リモートコントローラ(7)を操作することによって、動作させることが可能である。
リモートコントローラ(7)は、図5に示す如く、縦型のケーシング(70)の表面にディスプレイ(71)及び複数の操作釦(72)を配備して構成されている。ケーシング(70)の右側面には、発光素子及び受光素子によって構成される脈拍センサー(52)と、サーミスタによって構成される皮膚温センサー(53)が配備されると共に、ケーシング(70)の両側面には、一対の電極(51a)(51b)からなるGSRセンサー(51)が配備されており、鎖線で示す様に左手で把持したとき、人差し指が皮膚温センサー(53)に、中指が脈拍センサー(52)に、薬指及び小指がGSRセンサー(51)の一方の電極(51b)に、手のひらがGSRセンサー(51)の他方の電極(51a)に接触するようになっている。
【0022】
図4は、上記マッサージ機の制御系の構成を表わしており、GSRセンサー(51)、脈拍センサー(52)及び皮膚温センサー(53)によって構成される生体情報センサー(5)が、マイクロコンピュータからなる制御回路(6)の入力ポートに接続されている。又、制御回路(6)の他の入力ポートには、マッサージ動作を開始させる際に操作すべきスタート釦(54)と、リラックスモードとリフレッシュモードを相互に切り替える際に操作すべきモード選択釦(55)とが接続されている。
又、制御回路(6)の出力ポートには、前述の昇降用モータ(22)、もみ用モータ(31)及びたたき用モータ(37)が接続されている。
制御回路(6)は、スタート釦(54)が操作されたとき、モード選択釦(55)によって選択されているモードで立ち上がり、先ず、生体情報センサー(5)からの信号に基づいて後述する予備マッサージの手続きを実行した後、後述する本マッサージの手続きを実行する。
【0023】
ところで、生体情報センサー(5)によって検出される生体情報、即ち、GSR、皮膚温及び脈拍数と、被施療者(ユーザ)の心理状態との関係には、次のような関係が存在することが知られている(上記特許文献3参照)。
即ち、自律神経系の活性の度合いに応じて、GSR、皮膚温及び脈拍数の変化が異なり、活性度が低いときは、GSR及び脈拍数は低下し、皮膚温は上昇する。活性度がやや低いときは、GSRは横這いであるが、皮膚温は上昇し、脈拍数は低下する。活性度がやや高いとき、GSRは横這いから上昇し、皮膚温は低下し、脈拍数は上昇する。更に、活性度が高いときは、GSRは大きく上昇すると共に、皮膚温は低下し、脈拍数は上昇する。
この様に生体情報が変化した場合、被施療者の心理状態としては、活性度が低いときは、リラックスして気持ちの良い状態と推定することが出来、活性度がやや高いときは、例えばこり部をマッサージしたときに受ける独特の感情である、痛いと気持ち良いの両方が混ざった心理状態と推定することが出来、活性度が高いときは、痛いと感じる状態と推定することが出来る。又、活性度が中立のときは、気持ち良くもなく痛くもないニュートラルの状態と推定することが出来る。
【0024】
図12は、上記関係に基づく心理状態の推定を定式化したものであって、GSRの変化ΔG、皮膚温の変化ΔT、及び脈拍の変化ΔHの組合せから、「痛い」、「活性」、「ニュートラル」、「リラックス」を判定することが出来る。従って、予備マッサージにより、被施療者の各部位に各種のマッサージを施しながら、GSR、皮膚温及び脈拍数の変化を検出することによって、被施療者の心理状態を推定することが出来る。
その後、本マッサージにおいては、被施療者の心理状態から各部位に対する各種マッサージの好みを認識することによって、被施療者の好みに合ったマッサージを施す。
【0025】
尚、本マッサージにおけるのマッサージ動作は、各部位(肩、背中、腰、脚)に対して種々のマッサージ動作(たたき、もみ、たたきもみ、ローリング等)を順次、施すものであって、選択されたモード(リラックスモード/リフレッシュモード)と、予備マッサージの実施によって推定された心理状態とに応じて、マッサージ動作の時間と回数が調整される。
【0026】
図13(a)(b)は、それぞれリラックスモードとリフレッシュモードにおける心理状態に応じたマッサージ時間及びマッサージ速度の調整ルールを表わしている。
例えば、リラックスモードが選択されている場合において、心理状態が「リラックス」と推定されたときは、背中以外はマッサージ時間を延長し、マッサージ速度は中程度を維持する。その他は同図(a)のとおりである。これによって、よりリラックス度が向上することになる。
又、リフレッシュモードが選択されている場合において、心理状態が「活性(痛いと気持ち良いの両方)」と推定されたときは、背中以外はマッサージ時間を延長し、マッサージ速度は中程度を維持する。その他は同図(b)のとおりである。これによって、よりリフレッシュ度が向上することになる。
【0027】
従来の予備マッサージにおいては、全ての部位に対して、本マッサージで実施される複数種類のマッサージ動作の全てを連続して実行することが行なわれていたが、本発明の予備マッサージにおいては、代表的な1種類のマッサージ動作のみを実行する。
図11は、複数種類のマッサージ動作の中から代表的な1種類のマッサージ動作を選定するために行なった実験の結果を表わしている。実験では、被験者45名を対象として、「もみ」「たたき」「たたきもみ」の3種類のマッサージ動作を連続して行なった場合の各被験者の心理状態の主観(リラックス、ニュートラル、活性、痛い)と、何れか1種類のマッサージ動作のみを行なった場合の各被験者の心理状態の主観とを聴取し、両者の一致/不一致(ずれ)を図11のマトリックスに表わした。
【0028】
図11(a)(b)(c)の各マトリックスは、それぞれ横軸に3種類のマッサージ動作を行なった場合の心理状態(総合的状態)をとり、縦軸にはそれぞれ「もみ」「たたき」「たたきもみ」の何れか1種類のマッサージ動作のみを行なった場合の心理状態をとって、マトリックスの交差位置に該当する被験者の人数を記入したものである。
図11(a)の「もみ」についてのマトリックスでは、横軸と縦軸の心理状態が一致した例数が31であり、総数45に占める割合が0.69と最も大きくなり、次に図11(c)の「たたきもみ」のマトリックスにおける一致割合が0.6と大きく、図11(b)の「たたき」のマトリックスにおける一致割合が0.51と最も小さくなっている。
【0029】
この結果から、「もみ」「たたき」「たたきもみ」の3種類のマッサージ動作の中では、「もみ」のみを行なった場合の心理状態が、3種類の全てのマッサージ動作を行なった場合の心理状態と最も近似しており、「もみ」が代表的なマッサージ動作であると言うことが出来る。
従って、予備マッサージでは、本マッサージで実施される3種類のマッサージ動作の内、「もみ」のみを実行したとしても、これによって推定される心理状態は、3種類のマッサージ動作の全てを連続して実行した場合に推定される心理状態と概ね一致することになる。
【0030】
図6は、本発明に係るマッサージ機の一連の動作を表わしている。
先ずステップS1では、ユーザの選択操作に応じてリラックスモード又はリフレッシュモードを設定し、ステップS2では、予備マッサージによって心理状態の推定を実施する。尚、予備マッサージは、上述の代表的なマッサージ動作(もみ)のみを実行するものであり、全ての部位(肩、背中、腰)に対して予備マッサージを施す。
その後、ステップS3では、心理状態の推定結果に基づいて、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定して、ステップS4にて本マッサージを実施する。図7は、本マッサージのシーケンス例を表わしている。
【0031】
続いて、図6のステップS5では、再度、予備マッサージ(「もみ」のみ)による状態推定を実施し、ステップS6では、状態推定結果を更新する。そして、ステップS7にて、更新した状態推定結果に基づき、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定した後、ステップS8にて本マッサージを実施する。
その後、ステップS9にて、本マッサージの実施回数が所定値を越えたかどうかによってマッサージを終了するかどうかを判定し、ノーの場合はステップS5に戻って、予備マッサージによる推定、その推定結果に基づく本マッサージの実施を繰り返す。
そして、本マッサージの実施回数が所定値を越えたとき、一連のマッサージを終了する。
【0032】
又、図8は、本発明に係るマッサージ機における他のマッサージ動作例を表わしている。
先ずステップS11では、ユーザの操作に応じてリラックスモード又はリフレッシュモードを設定し、ステップS12では、予備マッサージによって心理状態の推定を実施する。尚、最初の予備マッサージにおいては、全ての部位(肩、背中、腰)に対して、代表的なマッサージ動作である「もみ」のみを実行する。
その後、ステップS13では、心理状態の推定結果に基づいて、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定して、ステップS14にて本マッサージ▲1▼を実施する。図10に、本マッサージ▲1▼のシーケンス例を示す。
【0033】
続いて、図8のステップS15のフェーズ動作に移行する。
フェーズ動作においては、図9に示す如く、先ずステップS21にて、肩に対して予備マッサージ(「もみ」のみ)による状態推定を実施し、ステップS22では、肩に関する状態推定結果を更新する。そして、ステップS23では、更新した状態推定結果に基づき、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定して、ステップS24にて本マッサージ▲2▼を実施する。図10に、本マッサージ▲2▼のシーケンス例を示す。
【0034】
その後、図9のステップS25にて、背中に対する予備マッサージ(「もみ」のみ)による状態推定を実施し、ステップS26では、背中に関する状態推定結果を更新する。そして、ステップS27では、更新した状態推定結果に基づき、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定して、ステップS28にて本マッサージ▲3▼を実施する。図10に、本マッサージ▲3▼のシーケンス例を示す。
【0035】
その後、図9のステップS29にて、腰に対する予備マッサージ(「もみ」のみ)による状態推定を実施し、ステップS30では、腰に関する状態推定結果を更新する。そして、ステップS31では、更新した状態推定結果に基づき、本マッサージのマッサージ動作を構成する各フェーズの時間とマッサージ速度を設定して、ステップS32にて再び、本マッサージ▲1▼を実施する。
【0036】
その後、図8のステップS16に移行して、本マッサージの実施回数が所定値を越えたかどうかによってマッサージを終了するかどうかを判定し、ノーの場合はステップS15に戻って、上述のフェーズ動作(予備マッサージによる推定、その推定結果に基づく本マッサージの実施)を繰り返す。
そして、本マッサージの実施回数が所定値を越えたとき、一連のマッサージを終了する。
【0037】
上記本発明のマッサージ機によれば、予備マッサージとして、代表的な1つのマッサージ動作のみを実行すればよいので、複数種類のマッサージ動作の全てによって予備マッサージを行なう構成に比べて、予備マッサージの1回当たりの時間が短縮され、この結果、マッサージ開始から終了までの時間が従来よりも短縮される。
ここで、予備マッサージとしては代表的なマッサージ動作が行なわれるので、予備マッサージを複数種類のマッサージ動作によって行なった場合と同等の精度で心理状態が検知され、その結果、本マッサージにおいては、予備マッサージを複数種類のマッサージ動作によって行なった場合と同等の高い施療効果が得られる。
【0038】
又、上記マッサージ機においては、予備マッサージが本マッサージに先だって行なわれるだけでなく、その後の一連の本マッサージの途中でも行なわれ、本マッサージの進行に伴う被施療者の心理状態の変化が本マッサージに反映されるので、被施療者の真の心理状態に基づくマッサージ動作が実施されることとなり、この結果、従来よりも高いマッサージ効果が得られる。
【0039】
更に又、図8及び図9に示すマッサージ動作によれば、本マッサージの途中で繰り返し実施される予備マッサージがそれぞれ1つの部位に対するマッサージ動作によって行なわれるので、予備マッサージ1回当たりのマッサージ時間が更に短縮される。
ここで、予備マッサージを施すべき部位は順次切り替えられるので、マッサージ動作全体としては全部位から心理状態についての情報が得られ、その結果、効果的な本マッサージを施すことが出来る。
【0040】
尚、被施療者の心理状態を推定するための生体情報としては、脳波を用いることも可能である。即ち、マッサージ中の脳波を測定して、脳波の周波数情報に基づき、例えば8〜13Hzの波形(α波)が検出された場合には、被施療者の心理状態はリラックス状態であると推定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマッサージ機の使用状態を表わす斜視図である。
【図2】マッサージ機構の構成を表わす背面図である。
【図3】施療子駆動装置の構成を表わす背面図である。
【図4】マッサージ機の制御系の構成を表わすブロック図である。
【図5】リモートコントローラの外観を示す斜視図である。
【図6】本発明に係るマッサージ機の動作例を表わすフローチャートである。
【図7】該動作例における本マッサージのシーケンス例を表わす図表である。
【図8】本発明に係るマッサージ機の他の動作例を表わすフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートの分図である。
【図10】該動作例における本マッサージのシーケンス例を表わす図表である。
【図11】複数種類のマッサージ動作から代表的なマッサージ動作を設定するために行なった実験の結果を表わす図表である。
【図12】生体情報から心理状態を推定するための関係を表わす図表である。
【図13】本マッサージにおいてモード及び心理状態に応じてマッサージ速度とマッサージ速度を変化させる際のルールを表わす図表である。
【符号の説明】
(10) 椅子本体
(2) マッサージ機構
(21) 施療子
(3) 施療子駆動装置
(5) 生体情報センサー
(51) GSRセンサー
(52) 脈拍センサー
(53) 皮膚温センサー
(6) 制御回路
(7) リモートコントローラ
Claims (9)
- 被施療者の生体情報を検知する生体情報センサーと、該生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいてマッサージ動作を制御する制御回路とを具え、該制御回路は、予備マッサージの実施により生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいて被施療者の心理状態を推定する心理状態推定手段と、推定された心理状態に応じて本マッサージの動作を調整するマッサージ動作調整手段とを具え、予備マッサージにおいては、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の内、代表的な1つのマッサージ動作を実行して生体情報の変化を検知することを特徴とするマッサージ機。
- 前記代表的な1つのマッサージ動作として、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の全てを連続して実施した場合の心理状態に最も近い心理状態が得られる1種類のマッサージ動作が選定されている請求項1に記載のマッサージ機。
- 被施療者の生体情報を検知する生体情報センサーと、該生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいて、マッサージ動作を制御する制御回路とを具え、該制御回路は、予備マッサージの実施により生体情報センサーによって検知される生体情報に基づいて被施療者の心理状態を推定する心理状態推定手段と、推定された心理状態に応じて本マッサージの動作を調整するマッサージ動作調整手段とを具え、予備マッサージと本マッサージを交互に繰り返すことによって、被施療者にマッサージを施すことを特徴とするマッサージ機。
- 予備マッサージにおいては、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の内、代表的な1つのマッサージ動作を実行して生体情報の変化を検知する請求項3に記載のマッサージ機。
- 前記代表的な1つのマッサージ動作として、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の全てを連続して実施した場合の心理状態に最も近い心理状態が得られる1種類のマッサージ動作が選定されている請求項4に記載のマッサージ機。
- 1回の予備マッサージにて、本マッサージで施療すべき全ての部位に対するマッサージ動作を実行する請求項3乃至請求項5の何れかに記載のマッサージ機。
- 1回の予備マッサージでは、本マッサージで施療すべき全ての部位の内、1部位に対するマッサージ動作を実行し、予備マッサージ毎に施療すべき部位を切り替える請求項3乃至請求項5の何れかに記載のマッサージ機。
- 1回の本マッサージにて、本マッサージで実施すべき複数種類のマッサージ動作の全てを実施する請求項3乃至請求項7の何れかに記載のマッサージ機。
- 1回の本マッサージでは、本マッサージで実施すべき複数のマッサージ動作の内、1種類だけを実施し、本マッサージ毎にマッサージ動作の種類を切り替える請求項3乃至請求項7の何れかに記載のマッサージ機。
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