JP2004236949A - エネルギー照射装置 - Google Patents

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泰亮 佐藤
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武文 上杉
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Abstract

【課題】本発明は反射手段による照射位置を変えながら目的部位に対してレーザー光が照射する場合にレーザー光照射むらを解消することができるレーザー照射装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、挿入部2の軸方向へ移動可能であり、上記挿入部2の側方に向けて上記レーザー光を出射する出射部20を上記挿入部2の軸方向へ移動させると共に、出射部20に上記レーザー光を供給し、上記レーザー光を上記挿入部2の側方または斜方に向けて反射させる反射体22を設け、反射体22は上記出射部20の移動に伴い、生体組織に向けて照射するエネルギー量を調整するようにしたレーザー照射装置である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生体組織にレーザー光等のエネルギーを照射して治療を施すエネルギー照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体の病変部位にレーザー光を照射して、その病変部位の組織を加温、変性、壊死、凝固、焼灼、あるいは蒸散させて病変部を消滅させることにより治療するレーザー照射装置が知られている。
【0003】
この種のレーザー照射装置として例えば特許文献1に示されたものがある。このレーザー照射装置は体腔内に挿入するためのアプリケータを備え、このアプリケータを生体の血管や尿道等の管腔を通じ、あるいは生体に小切開を施すことによって体腔内に挿入して、レーザー光発生器からのレーザー光をアプリケータによって生体内の病変部位に照射し、加熱治療を施すものである。
【0004】
一般的にレーザー照射装置は体腔内の生体組織の表層またはその近傍に位置する病変部位に対し一箇所または複数の箇所からレーザー光を照射して病変部位を加熱治療する。特に、生体組織の深部に位置する前立腺病変部を治療する場合には、次のようにして行われる。
【0005】
まず、レーザー照射装置のアプリケータを尿道内に挿入し、そのアプリケータに組み込まれた内視鏡により尿道内を観察しながらレーザー光出射部を前立腺部尿道(前立腺に囲まれた部分の尿道)に到達させる。そして、アプリケータの出射部から尿道内の病変部位に向けてレーザー光を照射する。
【0006】
この場合、前立腺の治療では加熱治療する部位は尿道より深部の前立腺部位であり、その表層に位置する尿道付近を加熱することはできるだけ避けたい。この要求を満たすため、従来のレーザー照射装置ではレーザー光出射部の位置を周期的に変化させて照射軌道を前立腺部尿道の1点にのみに集中させず、また、目的の前立腺部位には常にレーザー光が照射するようにしている。つまり、アプリケータの先端部内に反射ミラーを側方の照射窓に沿って往復移動自在に設け、この反射ミラーは光ファイバによって移動する際にカム溝によってその反射角度を変えるようにしてある。レーザー光出射部の位置を変えながら常に深部の病変部一箇所に向けてレーザー光を照射するようになっている。また、反射ミラーを移動させる光ファイバの駆動手段は所謂スライダクランク機構によって構成され、モータによってクランクを回転させることによって光ファイバを往復移動させるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−46396号公報(段落番号「0020」「0027」「0029」、図2、図6、図7及び図9を参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレーザー照射装置は光ファイバをスライダクランク機構によって往復移動させることによって反射ミラーが照射窓に沿って往復移動し、出射部の位置を変えるので、尿道表層の照射位置が変わり、表層に位置する前立腺部尿道を過剰に加熱することはない。
【0009】
しかし、反射ミラーの移動速度はスライダクランク機構によって光ファイバを介して往復移動する際、スライダクランク機構の回転子の回転位置によって変わる。つまり、スライダクランク機構のロッドと光ファイバとが直線になったときに光ファイバの移動速度がもっとも遅く、光ファイバとクランクが直角になったときに光ファイバの移動速度がもっとも速い。反射ミラーの往復移動速度は一定ではなく、ストロークの中央付近において速く、往復移動ストロークの両端付近において遅い。このため、反射ミラーから生体の治療部位に向けて照射するレーザー光量にむらが生じる。このように特許文献1のレーザー照射装置は反射ミラーの移動速度の変動に伴って前立腺部尿道(表層)に対するレーザー光照射量にむらが生じてしまう可能性があった。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、反射手段による照射位置を変えながら目的部位に対してエネルギーを照射する場合にエネルギー照射のむらを解消することができるエネルギー照射装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生体深達性を有するエネルギーを生体組織に照射する側射式のエネルギー照射装置において、
長尺状の本体と、
上記本体に設置され、上記本体の軸方向へ移動可能であり、上記本体の側方または斜方に向けて上記エネルギーを出射する出射部と、
上記出射部を上記本体の軸方向へ移動させる移動手段と、
上記出射部に上記エネルギーを供給するエネルギー伝達手段と、
上記出射部に設けられ、上記エネルギー伝達手段から受けるエネルギーを上記本体の側方または斜方に向けて反射する反射手段と、
上記出射部の移動に伴い、上記反射手段によるエネルギー反射角度を変化させる連動手段と、
上記出射部の移動に伴い、生体組織に照射するエネルギーの量を調整する手段と
を備えた事を特徴とするエネルギー照射装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜図7を参照して本発明の第1実施形態に係るレーザー照射装置1について説明する。本レーザー照射装置1は挿入部2の側方または斜方に向けて治療用レーザー光を出射する側射形式であって、生体深達性を有するエネルギーとしてレーザー光を生体組織に照射する、例えば前立腺肥大症の治療に用いるようになっている。
【0013】
図1に示すように、本レーザー照射装置1は生体内に挿入可能な長尺なシャフト状の挿入部2を本体としてなり、この挿入部2の基端には手元部3が接続されている。
【0014】
図2に示すように、挿入部2は長尺なシース状に形成したハウジング4と、このハウジング4の外周に密着して被嵌したシース状のカバー部材5と、ハウジング4の先端に取り付けられた先端キャップ6とを含み構成されている。挿入部2の内部は密閉されている。ハウジング4は硬質の管状体で構成されており、管状体の先端付近の側部位にはレーザー光の出射と側方の観察に兼用する側方窓7が形成されている。側方窓7の開口は挿入部2の軸縦方向に長い開口として形成され、その開口は上記カバー部材5によって覆われ、密に閉塞されている。上記カバー部材5はレーザー光の透過性がよく、かつ観察光の透光性のよい材料によって形成されている。このため、側方窓7がカバー部材5によって覆われていてもレーザー光の出射と側方観察の機能を損うことがない。
【0015】
先端キャップ6には挿入部2の前方を確認するための前方観察窓8と、この前方観察窓8を洗浄するための送水口9とが設けられている。送水口9には後述するモノレールパイプ51の内孔を利用して形成したチャンネル(図示せず)に接続されていて、そのチャンネルを通じて送水口9に送水または送気を行なうことができるようになっている。
【0016】
図1及び図3に示すように、このレーザー照射装置1には内視鏡10が着脱自在に装着されている。内視鏡10は光学視管からなる内視鏡挿入部11と手元接眼部12からなり、手元接眼部12の側部には照明光ケーブル13を着脱自在に接続する照明口金14が設けられている。内視鏡10の手元接眼部12にはTVカメラ15が装着され、このTVカメラ15によって内視鏡10による観察像を撮像して図示しないTVモニタによって観察するようになっている。
【0017】
図2に示すように、内視鏡10はレーザー照射装置1に手元部3から挿入部2にわたり、内視鏡挿入部11を挿通すると共に、その挿入部2の長手軸方向へ移動可能に装着される。内視鏡10は図3に示すように、レーザー照射装置1の手元部3に組み込まれた後述する駆動装置40と一緒に組み込まれたスライド保持機構16に保持され、前後方向へ移動させられるようになっている。そして、内視鏡挿入部11を前後に移動させて、内視鏡挿入部11の先端の観察窓の位置をレーザー照射装置1の側方窓7または前方観察窓8に合わせることにより体腔内を観察できるようになっている。
【0018】
図2に示すように、内視鏡挿入部11における先端にはレーザー光カット用フィルタ17が設けられている。このフィルタ17により後述する出射部20付近で散乱したレーザー光の入射を遮断し、内視鏡10内にレーザー光が入り込むことを防止している。このフィルタ17は透明なものであるため、内視鏡10による体腔内の観察を妨げるものではない。
【0019】
図2に示すように、レーザー照射装置1の挿入部2内には側方窓7から挿入部2の外へ向けてレーザー光を出射する出射部20が前後方向へ往復移動自在に設置されている。すなわち、出射部20は挿入部2の軸方向に往復移動自在なスライド部材21と、このスライド部材21に枢着された反射体22とを備える。反射体22はスライド部材21に軸ピン23で枢着され、紙面に垂直な向きの軸ピン23の回りに回動可能なものであり、軸ピン23の回りに回動することにより反射体22は反射面24の傾斜角を変更する。反射体22は後述する光ファイバ36によって伝達してきたレーザー光を反射面24で受けて側方窓7に向けて反射し、側方窓7から挿入部2の外へレーザー光を出射し、生体組織に照射するようになっている。
【0020】
図5に示すように、上記反射体22は基材26の片面に平滑な反射面部材27を貼り付けて形成したものである。上記反射面部材27は基材26と一体のものでもよいが、ここでは別の部材によって形成した。上記反射面部材27は、例えば、樹脂、ガラス、金属等、あるいはこれらの複合材料によって形成する。具体例としては金属ベース材の片面を鏡面に研磨したもの、樹脂や金属ベース材の片面に薄膜を蒸着等により鏡面を形成したもの、樹脂や金属等のベース材の片面にガラス製の鏡等の反射材を接着したものなどがある。上記反射体22の基材26と上記反射面部材27のベース材を同一部材で形成してもよいことは勿論である。
【0021】
次に、本実施形態の反射体22における反射面24について説明する。図5に示すように反射体22は中央に位置する平坦面30を残して、回動両端側部分を平坦面30の縁から基材26側へ傾斜する傾斜面31,32として形成する。つまり、反射面24は中央に位置する平坦面30と、反射体22の回動基端側反射面部分を斜めに切り取った形の第1の傾斜面31と、反射体22の回動先端側反射面部分を斜めに切り取った形の第2の傾斜面32とを有する。第1の傾斜面31と第2の傾斜面32はそれぞれ中央に位置する平坦面30の縁から反射体22の後方側に向けて逆向きの角度で傾斜している。これら平坦面30と第1の傾斜面31と第2の傾斜面32はいずれもレーザー光を反射出来る反射面として機能する。
【0022】
また、図5に示すように、上記基材26の回動基端には左右方向に貫通した軸孔34が形成されており、この軸孔34に軸ピン23を挿入し、軸ピン23をスライド部材21に取り付けることにより、反射体22はスライド部材21に対し回動自在である。また、反射体22の回動先端の左右両壁には左右一対のガイド用突起35が側方へ突き出して設けられている。この突起35は後述するレール溝55に嵌め込まれ、そのレール溝55に沿って摺動可能である。
【0023】
図2に示すように、スライド部材21には上記レーザー光を上記出射部20に供給するためのエネルギー伝達手段として光ファイバ36が接続されている。光ファイバ36によって伝達してきたレーザー光は出射部20における反射体22に向けてある広がり角を有して出射するようになっている。この光ファイバ36はレーザー照射装置1における挿入部2及び手元部3にわたり進退自在に挿通されている。光ファイバ36の基端は図示しない光コネクタを介して図示しないレーザー発生装置に接続されている。
【0024】
なお、光ファイバ36は少なくとも挿入部2内では先端部分を除いて例えばステンレス鋼製の保護パイプ等によって覆われ、スライド部材21に力を伝達する際でも破損や湾曲または座屈等の不都合が起きないように補強的処理がなされている。
【0025】
また、光ファイバ36はレーザー照射装置1の手元部3に組み付けられた駆動装置40によって操作され、内視鏡挿入部11内を往復移動して駆動装置40による駆動力を出射部20のスライド部材21に伝達するようになっている。つまり、光ファイバ36は駆動装置40の操作によって出射部20を挿入部2の軸方向へ移動させる移動手段を構成している。
【0026】
図1に示すように、上記駆動装置40はレーザー照射装置1の手元部3に組み付けられ、図3に示すように構成されている。つまり、駆動装置40は回転運動を往復運動に変換する一般的なスライダクランク機構を用いたものである。また、駆動装置40はモータ41と、このモータ41の出力軸に接続される図示しない減速用ギア列と、回転自在な円盤(クランク)42と、この円盤42の周部側壁面部分に一端が回動自在に接続されたレバー43と、レバー43の他端に取り付けられたピン(スライダ)44と、このピン44をスライドさせるガイド溝45と、上記ピン44に取り付けた出力部材としてのファイバ保持部材46とを備えている。ファイバ保持部材46には光ファイバ36の途中部分を固定する。
【0027】
モータ41を回転すると、図示しない減速用ギア列を介して円盤42に回転が伝達され、円盤42は回転する。この円盤42の回転に伴い、レバー43を介してピン44がガイド溝45内を移動し、ファイバ保持部材46は光ファイバ36と共に挿入部2の軸方向と平行に往復運動する。ファイバ保持部材46の往復運動が光ファイバ36を介して出射部20に伝達され、その結果、出射部20のスライド部材21は後述するモノレールパイプ51に沿って挿入部2の軸方向に往復移動する。
【0028】
図2に示すように、挿入部2内において、その挿入部2の軸線と平行にモノレールパイプ51が配設され、出射部20のスライド部材21はそのモノレールパイプ51に沿って挿入部2の軸方向に往復移動できるように案内される。図4に示すように、スライド部材21には挿入部2内においてその挿入部2の軸線と平行に配置されたモノレールパイプ51を挿通するための貫通孔52が形成されている。スライド部材21はモノレールパイプ51に沿って摺動し、挿入部2の軸線と平行な方向へ案内される。また、ハウジング4内にはスライド部材21の移動領域の左右に位置して壁部材53を配置し、この左右の壁部材53の壁面によって上記スライド部材21を案内する。このため、モノレールパイプ51回りの横揺れが規制され、スライド部材21は挿入部2の軸方向へ揺れることなく直線的に往復移動する。
【0029】
また、各壁部材53の、互いに対向する両壁面にはそれぞれ左右対称にレール溝55が配設され、それぞれのレール溝55には反射体22のガイド用突起35が摺動可能に嵌め込まれている。左右一対のレール溝55の向きは出射部20のスライド部材21の往復運動方向とは一致せず、非平行な配置で形成されている。ここではモノレールパイプ51とレール溝55は図2に示すようにいずれも直線的に設けられているが、両者は挿入部2の前方側程、互いに離れる関係で配置されている。従って、光ファイバ36によってスライド部材21を移動させた際、反射体22はその移動に伴って突起35が係合するレール溝55の作用によって傾斜角度を変化させつつ往復運動する。そして、スライド部材21が先端側へ移動する程、反射体22は起き上がり、反射体22の反射面24の傾斜角度が急になる。
【0030】
なお、図3に示すように、上記駆動装置40には内視鏡10を前後方向へ移動させるスライド保持機構57が設けられ、内視鏡10を前後方向へ移動させ得るようになっている。
【0031】
次に、このレーザー照射装置1を使用して、例えば前立腺肥大症を治療する場合について説明する。まず、レーザー照射装置1の挿入部2を患者の尿道内に挿入し、挿入部2の側方窓7の部位が病変領域、すなわち、図6及び図7に示すように、前立腺60の照射目標部61に向き合う部位に位置させる。この導入操作のとき、術者は内視鏡10により体腔内を観察する画像を確認しながら側方窓7を照射目標部61の方向に向ける位置調整を行なうことにより、図6及び図7に示すように治療位置に挿入部2を正しく定置できる。
【0032】
そこで、治療部位にレーザー光を照射する場合、レーザー光発生装置から発生したレーザー光を光ファイバ36により伝達し、光ファイバ36の先端から出射部20に向けて照射し、このレーザー光を出射部20の反射体22における反射面24で反射し、側方窓7より挿入部2の外部の照射目標部61に向けて照射する。この際、図6に示すように、駆動装置40によって光ファイバ36を前後に往復移動し、出射部20のスライド部材21をモノレールパイプ51に沿って往復運動させることにより、出射部20の反射体22は突起35が係合するレール溝55のガイド作用によって反射面24の傾斜角度を変える。また、光ファイバ36はスライド部材21に固定されているため、その光ファイバ36の出射端面の高さ位置は定まっている。従って、反射体22の反射面24の傾斜する角度によって、光ファイバ36から出射したレーザー光がその反射面24に当たる位置は図6に示すようにずれることになる。
【0033】
すなわち、出射部20のスライド部材21が先端位置近傍(P1)に位置する場合、反射体22は挿入部2の軸方向に対して垂直に近い向きになるまで起立し、レーザー光を小さい反射角で反射する。このときのレーザー光は反射面24の下部領域に当たる。逆に、出射部20のスライド部材21が基端位置近傍(P3)に位置する場合、反射体22は挿入部2の軸方向に平行に近い向きになるまで傾き、レーザー光を大きい反射角で反射する。このときのレーザー光は反射面24の上部領域に当たる。また、出射部20のスライド部材21が中央寄り(P2)に位置する場合には反射面24の平坦面30にレーザー光の全てが当り、全てのレーザー光が反射され、側方窓7を通過し、そのレーザー光が生体組織62に照射される。
【0034】
レーザー光は生体深達性を有するエネルギーであるため、図7に示すように、生体組織62に照射されたレーザー光は生体組織62内の照射目標部61まで到達する。同じく図7に示すように、反射体22は移動と共に反射面24の傾斜角を変え、常に照射目標部61に向けてレーザー光を反射し、照射目標部61の一箇所のみにレーザー光を集中させ、効率的に治療する。レーザー光の航路軸は連続的に変更されるため、生体組織62の表層の一箇所のみにレーザー光が照射されない。このため、照射目標部61以外の領域においては比較的低い温度で維持され、レーザー光による影響から保護される。しかし、すべてレーザー光の航路軸は照射目標部61の位置で交差する。これにより前立腺60の内部に位置する照射目標部61は常にレーザー光の照射を浴び続ける状態となり、照射されたレーザー光により効率的に加熱され、所望温度に達する。
【0035】
一方、図7に示すように、出射部20の反射体22の位置がある点よりも先端側領域部(Px)に位置する場合は反射体22の起き上がり角度がより大きくなり、レーザー光の一部は第1の傾斜面31において反射され、この第1の傾斜面31において反射したレーザー光は側方窓7の有無に拘わらず、再び挿入部2内に向かって進行し、挿入部2内で散乱、吸収される。このため、第1の傾斜面31において反射したレーザー光は生体組織62に照射されることは無い。つまり、光ファイバ36から出射したレーザー光は反射体22で複数の航路に分かれて反射し、生体組織62に照射されるエネルギーの量を制限する。
【0036】
また、同じく図7に示すように、出射部20の反射体22がある点よりも基端側領域部(Py)に位置する場合にはレーザー光の一部は反射体22の反射面24から外れて反射面24に当たることなく、そのまま前方へ直進する。この直進した一部のレーザー光は挿入部2内で散乱、吸収されるため、生体組織62に照射されることは無い。
【0037】
なお、レーザー照射装置1の挿入部2内に散乱したレーザー光が内視鏡10内に進入する向きで反射してしまう可能性もあるが、内視鏡10の先端にはレーザー光カット用フィルタ17を設けてあるため、そのフィルタ17によってレーザー光を遮断でき、内視鏡10による観察に支障を来たすことがない。
【0038】
ところで、駆動装置40のモータ41を駆動し、出射部20が反射体22の傾斜角度を変化させながら往復し、レーザー光の出射位置を変えながら、レーザー光の光軸は加熱部位であるターゲットポイントである照射目標部61に常に向き、レーザー光を照射目標部61の一箇所に集中させる。つまり、生体組織62の表層には間欠的に照射しかなされず、照射量は少ないが、照射目標部61には連続的にレーザー光を照射し、照射効率を高めている。
【0039】
また、出射部20は移動はスライダクランク機構により行われるため、反射体22の移動速度は一定ではなく、出射部20が移動ストロークの両端、つまり移動ストロークの先端または基端に近づくに従って反射体22の移動速度は低下してしまう。このため、生体組織62の表層に対するレーザー光の照射時間が中央領域の照射時間に比べて長くなってしまう。
【0040】
しかし、本実施形態では生体組織62の表層に対するレーザー光の照射量は移動ストロークの両端領域でも中央領域でも大きな差がない。すなわち、前述したように、出射部20のスライド部材21が先端側領域(Px)または基端側領域(Py)に位置する場合にはレーザー光の一部を側方窓7以外の方向に反射させることで、生体組織62に当るレーザー光量を抑制するため、出射部20のスライド部材21が移動ストロークの両端領域で移動速度が低下するにも拘わらず、生体組織表層へのレーザー光照射量が増加してしまうことが無い。つまり、反射体22の反射面24の端面領域に傾斜面を設けることで、体腔表面へのレーザー光照射量を調節し、体腔表面へのレーザー光照射量のむらを抑える事が出来る。よって、生体組織表層など組織は過熱されず、照射目標部61のみがレーザー光により連続的に加熱され、治療効果を高めることができる。
【0041】
(第2実施形態)
図8乃至図10を参照して本発明の第2実施形態に係るレーザー照射装置について説明する。本レーザー照射装置は出射部20における反射体22の構成の一部が上述した第1実施形態とは異なるのみであり、その他は第1実施形態と同様である。
【0042】
本実施形態における反射体22は反射面24の全面が略一致した平面を有している。また、反射面24の中央部65のみがレーザー光を反射できるように処理されており、中央部65を間に向かい合った両端面領域部(第1実施形態において傾斜面が存在していた部分に対応する領域部分)にはレーザー吸収部材66,67が設けられ、このレーザー吸収部材66,67には照射したレーザー光を反射させない処理が施されている。
【0043】
次に、本実施形態に係るレーザー照射装置についての作用を説明する。
【0044】
第1実施形態の場合と同様、図9に示すように、出射部20のスライド部材21は光ファイバ36の往復運動に連動して、反射体22の傾斜角度を変化させる。また、光ファイバ36は出射部20のスライド部材21に固定されているため、出射位置の高さは定まっている。このため、光ファイバ36から照射されたレーザー光が反射体22の反射面24に当たる位置は反射体22の傾斜角度に応じて変化する。
【0045】
まず、図9に示すように、出射部20が移動ストロークの両端付近を除く略中央領域(P1)(P2)(P3)に位置する場合には第1実施形態と同様、レーザー光の全てが反射面24で反射し、反射したレーザー光の全てが照射目標部61に向かう。
【0046】
しかし、図10に示すように、出射部20のスライド部材21が移動ストロークの両端付近に位置する先端側領域部(Px)及び基端側領域部(Py)に位置する場合にはレーザー光の一部はレーザー吸収部材66またはレーザー吸収部材67に当たり、それにレーザー光が吸収される。従って、駆動装置40を駆動し、出射部20の反射体22がその傾斜角度を変化させながら往復運動する場合、前述の通り、出射部20が先端または基端に近づくに従って速度が低下してしまうが、レーザー光の一部はレーザー吸収部材66,67により吸収されるため、出射部20における反射体22の移動速度の低下にも拘わらず、生体組織表層へのレーザー光照射量が増加してしまうことが無い。
【0047】
上記説明の通り、本実施形態では出射部20の反射面24の端部領域面にレーザー吸収部材66,67を設けることで、体腔表面へのレーザー光照射量を調節することが出来、体腔表面へのレーザー光照射量のむらを抑える事が出来る。さらに不用意な方向へレーザー光を反射させることが無い。
【0048】
(第3実施形態)
図11乃至図15を参照して本発明の第3実施形態に係るレーザー照射装置について説明する。
【0049】
図11に示すように、本実施形態におけるレーザー照射装置70は管状体より成る長尺状の挿入部71と本体部72を備える。挿入部71は樹脂等の材質により形成された基端部73と、レーザー光を側方に透過するための開口である側方窓74を有したハウジング75の部分と、先端キャップ76の領域に分かれており、生体内に挿入可能な外形のものに構成されている。
【0050】
図12に示すように、挿入部71における基端部73は樹脂等の材質から成り、円柱状硬質のマルチルーメンチューブ77で形成されている。このマルチルーメンチューブ77の外径は患者の尿道内に挿入するのに適した外径、例えば7ミリ程度の太さを有している。さらに基端部73の最先端の部分は他の部分の外径よりも僅かに細い外径、例えば1ミリ程度細い外径を有する細径部78として形成されている。
【0051】
また、図13に示すように、基端部73の内部には内視鏡10を挿通できる内視鏡挿通路81、光ファイバ36を挿通できる光ファイバ挿通路82、図示しない温度センサケーブルを挿通できる温度センサケーブル挿通路83、冷却水を流すための冷却水路84及び薬液を送出するための薬液路85がその全長にわたって設けられている。図12に示すように、薬液路85は基端部73の先端部付近にて曲げられ、細径部78の側面において外部に開口して設けた薬液孔86に通じている。
【0052】
図12に示すように、上記ハウジング75はレーザー光を透過するための開口である側方窓74を有する硬質の管状体より形成されている。ハウジング75の外周はレーザー光透過性がよい透光性の材料によって形成したシース状のカバー部材87によって覆われている。
【0053】
このハウジング75の内部にはレーザー光を側方に照射するための出射部20が内包されている。この出射部20の構成は前述した第1実施形態及び第2実施形態のものと同様なものであるため、その説明を省略する。
【0054】
上記先端キャップ76は樹脂等の硬質材料により形成され、上記基端部73の、細径部78を除く部分の外径と同径を有する本体部91と、ハウジング75と繋がる細径部92と、半円球状を呈した先端部93とから成っている。
【0055】
本実施形態におけるレーザー照射装置70は上記のような構成とすることにより、図12に示すように挿入部71の先端側の一領域部分に窪み部95を形成し、その窪み部95の領域に上記側方窓74と薬液孔86を配設している。
【0056】
また、図11に示すように、本レーザー照射装置70の本体部72には薬液チューブ96が設けられ、この薬液チューブ96は本体部72の内部において上記薬液路85と繋がっている。また、薬液チューブ96にはシリンジポート97が設けられている。そして、薬液チューブ96のシリンジポート97から図示しないシリンジ等の注入手段によって薬液チューブ96に送出した薬液を、上記薬液路85を通って挿入部71の先端側に送り込み、薬液孔86から挿入部71の外部へと流出させる構成になっている。
【0057】
次に、本実施形態のレーザー照射装置70の作用について説明する。
【0058】
図14および図15を用いて
まず、図14に示すように、レーザー照射装置70の挿入部71を先端側部分から患者の尿道内に挿入し、側方窓74があるハウジング75の部分を病変領域、すなわち前立腺60における照射目標部61に向き合う部位に位置させる。このとき、術者は内視鏡10の画像を確認しながら側方窓74を照射目標部61の方へ向けるように回動させて挿入部71の位置や向きを調整し、その位置に固定する。
【0059】
次に、シリンジポート97にシリンジ等の注入手段を接続し、グリセリン溶液を上記シリンジポート97より薬液路85に注入する。グリセリン溶液は挿入部71の先端窪み部95に位置した薬液孔86より挿入部71の外部に流出し、尿道表面98と窪み部95との間隙に形成される貯液部99内に貯えられる。貯液部99内に貯えられたグリセリン溶液は時間の経過と共に尿道表面98において徐々に前立腺60の生体組織の内部に浸透していく。
【0060】
そして、前立腺60の生体組織へのグリセリン溶液の浸透が十分に進んだ時点で、レーザー照射処置が開始される。ハウジング75の内部を冷却水が還流し、尿道表面98を冷却しながらレーザー光が前立腺60に向けて照射される。
【0061】
図14に示すように、レーザー光発生装置により出力されたレーザー光は光ファイバ36により導かれ、反射体22の反射面24によって側方に反射され、ハウジング75の側方窓74より照射目標部61に向けて照射される。その際、前述した実施形態の場合と同様に反射体22は軸方向に往復運動しながらその反射面24の反射角度を変化させるため、レーザー光の航路軸は連続的に変更され、生体組織62の表層の一箇所のみにレーザー光が照射されないが、すべて照射目標部61の位置で交差する。これにより前立腺60の内部に位置する照射目標部61は常にレーザー光の照射を浴び続ける状態となり、照射されたレーザー光により効率的に加熱され、所望温度に達する。
【0062】
一方、照射目標部61と尿道表面98の間に位置する領域においては前述したと同様、レーザー光の照射の集中がなく、レーザー光の照射が分散するため、一箇所でのレーザー光の照射時間は短く、発生する熱量も少ない。従って、照射目標部61以外の領域においては比較的低い温度で維持され、レーザー光による影響から保護される。
【0063】
ここで、図15に示すように、通常の組織の場合、レーザー光は前立腺60内において生体組織中の散乱因子により散乱され、その一部は照射目標部61までに達せず、周辺の領域に照射される。つまり、散乱されるレーザー光のエネルギーは照射目標部61以外の部位の温度を上昇させるのに使われ、浪費される。
【0064】
しかし、本実施形態の場合には組織がグリセリンの浸透により散乱率の低い状態に変化しているため、効率よく照射目標部61の温度を上昇させることが可能となる。グリセリン(グリセロール)は生体組織に含有させると、レーザーの散乱率を下げる効果がある。グリセロールは少量であるが人体自身でも生成される物質であり、無害である。そこで、上述したようにレーザー照射に先駆けて、照射を行う部位に対しグリセリンを導入して浸透させ、組織の散乱率を下げた上で治療を行う。
【0065】
本実施形態のレーザー照射装置70によれば、容易にレーザー出射部位に対してグリセリンを導入することができ、照射目標部に効率よく、レーザー光を集中することが可能となるので、エネルギーの浪費が少なくて済む効果が得られる。一般に生体組織は光に対し強い散乱を呈するため、複数の場所から特定の1点に向けて照射しても、レーザーが分散されてしまい集中せず、エネルギ効率が悪くなってしまう。本実施形態では、生体の散乱を弱め、エネルギーの集中効率を高めることのできるアプリケータを提供できる。
【0066】
なお、本発明は前述した実施形態のものに限定されるものではなく、種々の変形例が得られるものである。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、エネルギー反射手段による照射位置を変えながら目的部位に対してエネルギーを照射する場合にエネルギー照射むらを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るレーザー照射装置の外観斜視図。
【図2】上記レーザー照射装置における挿入部の先端付近部分の縦断面図。
【図3】上記レーザー照射装置の本体部に組み込む駆動装置の側面図。
【図4】図2中のA−A線に沿う横断面図。
【図5】上記レーザー照射装置の出射部を構成する反射体の斜視図。
【図6】上記レーザー照射装置を使用するときの出射部における反射体の動きの説明図。
【図7】同じく上記レーザー照射装置を使用するときの出射部における反射体の動きとその反射状態の説明図。
【図8】本発明の第2実施形態に係るレーザー照射装置の反射体における反射面の拡大図。
【図9】上記レーザー照射装置における出射部の作用の説明図。
【図10】上記レーザー照射装置における出射部の作用の説明図。
【図11】本発明の第3実施形態に係るレーザー照射装置の外観斜視図。
【図12】上記レーザー照射装置における挿入部の先端付近部分の縦断面図。
【図13】図12中のB−B線に沿う横断面図。
【図14】上記レーザー照射装置を使用するときの出射部における反射体の動きの説明図。
【図15】レーザー照射装置を使用する場合のレーザー光の伝播状態の説明図。
【符号の説明】
1…レーザー照射装置、2…挿入部、7…側方窓、10…内視鏡
20…出射部、21…スライド部材、22…反射体、24…反射面
30…平坦面、31…第1の傾斜面、32…第2の傾斜面
35…突起、36…光ファイバ、40…駆動装置

Claims (9)

  1. 生体深達性を有するエネルギーを生体組織に照射する側射式のエネルギー照射装置において、
    長尺状の本体と、
    上記本体に設置され、上記本体の軸方向へ移動可能であり、上記本体の側方または斜方に向けて上記エネルギーを出射する出射部と、
    上記出射部を上記本体の軸方向へ移動させる移動手段と、
    上記出射部に上記エネルギーを供給するエネルギー伝達手段と、
    上記出射部に設けられ、上記エネルギー伝達手段から受けるエネルギーを上記本体の側方または斜方に向けて反射する反射手段と、
    上記出射部の移動に伴い、上記反射手段によるエネルギー反射角度を変化させる連動手段と、
    上記出射部の移動に伴い、生体組織に照射するエネルギーの量を調整する手段と
    を備えた事を特徴とするエネルギー照射装置。
  2. 上記反射手段は、上記出射部の移動に伴い、エネルギーの反射航路方向の数が変わり、上記生体組織に向けて照射するエネルギーの量を調整する事を特徴とする請求項1に記載のレーザー照射装置。
  3. 上記反射手段は、互いに向きの異なる2つ以上の平面を有し、上記出射部の移動に伴い、上記エネルギー伝達手段から受けるエネルギーを反射し、上記生体組織に向けて照射するエネルギーの量が変わることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー照射装置。
  4. 上記反射手段は、上記出射部の移動に伴い、2つ以上の方向へエネルギーを反射させる位置において、その中のただ1つの方向のエネルギーのみを上記生体組織に向けて照射する事を特徴とする請求項2または請求項3に記載のエネルギー照射装置。
  5. 上記反射手段は、その一部にエネルギーを吸収するエネルギー吸収手段を有する事を特徴とする請求項1に記載のエネルギー照射装置。
  6. 上記エネルギー吸収手段は、上記反射手段が所定の位置にあるときに限り、上記エネルギー伝達手段から受けるエネルギーを吸収する事を特徴とする請求項5に記載のエネルギー照射装置。
  7. エネルギー照射部位を観察するための内視鏡を有し、かつ上記内視鏡は上記エネルギーを遮断するためのフィルタを有する事を特徴とする請求項1〜6に記載のエネルギー照射装置。
  8. 上記エネルギーがレーザー光である事を特徴とする請求項1〜7に記載のエネルギー照射装置。
  9. 上記エネルギー伝達手段から上記反射手段に向かう上記レーザー光は、上記反射手段に向かってある広がり角を有する事を特徴とする請求項8に記載のエネルギー照射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010201068A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Fujikura Ltd 歯科用プローブ
JP2013092478A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Yoshida Dental Mfg Co Ltd プローブ
JP2017503623A (ja) * 2013-11-18 2017-02-02 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 誘導血栓分散カテーテル
CN109744992A (zh) * 2019-01-07 2019-05-14 中南大学湘雅医院 关节镜

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