JP2004237178A - イオン交換体の前処理方法及び装置 - Google Patents

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邦夫 藤原
Yohei Takahashi
洋平 高橋
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Toru Akiyama
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Abstract

【課題】イオン交換処理や電気式脱塩処理において用いるイオン交換体を、使用前に前処理して、溶出物などに起因する問題点を解決する方法及び装置を提供する。
【解決手段】上記の課題を解決するための手段として、本発明は、イオン交換体を使用前に前処理する方法であって、電場下の液体中に未使用のイオン交換体を配置することを特徴とするイオン交換体の前処理方法を提供する。更に本発明の他の態様では、液体の供給及び排出機構を備え、その中に未使用のイオン交換体が配置される液体槽と、液体槽中の液体に電場をかけるための電極とを有することを特徴とする、被処理液の精製又は脱イオン化処理に使用するイオン交換体を前処理するための装置が提供される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体や気体の清浄化処理などに用いられるイオン交換体を、使用前にコンディショニング(前処理)する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高純度の純水が要求される産業、例えば火力・原子力発電所、半導体工場、及び医薬品工場などにおいては、イオン交換樹脂などを用いた純水製造装置が一般的に用いられている。
【0003】
イオン交換樹脂は、一般に、スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体樹脂を基材としてこれにイオン交換基を導入したものである。例えば、クロロスルホン酸や濃硫酸等の薬品を用いて基材樹脂のスルホン化処理を行なってスルホン酸基を導入すればカチオン交換樹脂が得られ、また、例えば、基材樹脂にクロロメチル化処理を行なった後、トリメチルアミンなどの3級アミンを反応させて4級アンモニウム基を導入すればアニオン交換樹脂が得られる。
【0004】
上述のような高純度の純水が使用される場所では、純水の精製用に設置するイオン交換体に対して、液体中のイオンを効率よく除去する機能に加えて、樹脂からの溶出物を低減することが厳しく要求される。
【0005】
例えば、スチレンとジビニルベンゼンとを共重合させると、架橋によって3次元網目構造が形成されるが、この際、架橋構造の形成に関与しなかった単独重合物(ホモポリマー)、即ちポリスチレンも、3次元網目構造の中に残留する。このような基材に、スルホン化処理や4級アンモニウム化処理を行なって樹脂重合体骨格にイオン交換基を導入した場合、3次元網目構造中に残留している単独重合物などにもイオン交換基が導入されて親水化される。この親水化された単独重合物や残留薬品などが、主たる溶出物として処理対象の水などを汚染する可能性がある。
【0006】
イオン交換樹脂からのこのような溶出物を低減する前処理方法としては、イオン交換樹脂を使用する前に、酸、アルカリなどの薬液処理を行なった後に純水で洗浄するコンディショニング法や、或いは単に純水を大量に使用して樹脂を洗浄するといった方法が採用されてきた(非特許文献1及び特許文献1)。しかしながら、3次元網目構造に絡みついた高分子鎖である単独重合物などを薬液や純水で洗い出すことは容易ではなく、大量の薬液及び洗浄水を必要としていた。薬液や純水によるイオン交換樹脂の洗浄はこのような問題点を包含しているが、現状では樹脂基材から単独重合物や残留薬剤を洗浄除去する有効な手段が他にないので、省資源・省エネルギーの社会的要求に逆行するにも拘らず、いまだこのような前処理方法が採用され、更にコスト高を招いているのが実情である。しかも、溶出物の低減効果は十分ではなかった。
【0007】
また、最近、脱塩処理の分野においては、電気透析装置にイオン交換体を充填した電気式脱塩装置が、従来のイオン交換樹脂に代わって採用され始めた。これは、電気式脱塩装置では、再生用の酸・アルカリが不要で廃液が生成せず、コンパクト、省エネルギーといった社会の要求に合致しているためである。電気式脱塩装置に充填するイオン交換体としては、上述したイオン交換樹脂や、不織布などの繊維基材にイオン交換基を導入したイオン交換繊維材料などが使用されている。このような装置においても、基材からの溶出物に起因した電圧上昇、処理水純度の低下などの問題が起こっている。これは、カチオン交換体から溶出したスルホン酸基を有する物質がアニオン交換体の表面に吸着して汚染したり、逆にアニオン交換体からの溶出物がカチオン交換体の表面に吸着して汚染することによるものと考えられる。
【0008】
【非特許文献1】
三菱化学株式会社編集・発行、「ダイヤイオン イオン交換樹脂・合成吸着剤マニュアル[I]基礎編」改訂版(1996年)、p.136
【0009】
【特許文献1】
特開平6−238271号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような状況において、イオン交換処理や電気式脱塩処理において用いるイオン交換体を、使用前に前処理して、溶出物などに起因する問題点を解決する方法を提供することが望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、電気式脱塩装置に充填するイオン交換樹脂を、未使用の状態でカラムに入れて酸やアルカリによるコンディショニングを行なった後、洗浄に用いた純水と洗浄後の洗浄水の水質がほぼ同程度になるまで徹底的に超純水で洗浄して、これを電気式脱塩装置の脱塩室に充填して運転試験を行なった。その結果、このように徹底的に洗浄したイオン交換樹脂を用いたにも拘らず、運転開始後まもなくから運転電圧の上昇傾向が認められ、通常の洗浄を行なったイオン交換樹脂を充填した場合と大差ない場合が多いことが分かった。
【0012】
一方、既に電気式脱塩装置で使用したイオン交換樹脂を電気式脱塩装置の脱塩室内に再充填して運転試験を行なったところ、運転電圧の上昇が起こらない場合が多いことを見出した。本発明者らは、この現象について鋭意検討を重ねた結果、次のような知見を得るに至った。
【0013】
上記に説明したような従来法のイオン交換体の薬液/純水による前処理で溶出物を除去するメカニズムは、次のような2段階のものであると考えられる。まず、第一段工程の薬剤によるコンディショニングにおいて、濃度の高い酸、アルカリ又は塩を用いて、3次元網目構造を膨潤・収縮させて、そこに絡みついている単独重合物等の高分子鎖をほぐして、溶液中へ移行させ易くする。次に、第二段工程の純水洗浄において、専ら拡散によって溶出物を溶液中へ移行させる。この第二段工程においては、溶出物の除去速度は、水中への拡散速度に依存する。
【0014】
しかしながら、このような方法では、3次元網目構造の中に入り込んだ単独重合物や、それらにイオン交換基が導入された高分子化合物、更にはイオン交換基導入時に使用された残留薬剤などの除去速度が小さい。
【0015】
これに対して、直流電圧が印加された電場下の溶液中にイオン交換体を配置すると、イオン交換体基材の3次元網目構造の中に入り込んだ単独重合物のイオン交換基付加体や、残留薬剤などが電場によって脱離して溶液中に移行するため、酸やアルカリによる膨潤・収縮や、自然拡散のみによる場合と比べて、不純物の溶出速度を格段に大きくすることができる。
【0016】
本発明者らは、以上の知見に基づき、本発明を完成した。即ち、本発明の一態様は、イオン交換体を使用前に前処理する方法であって、電場下の液体中に未使用のイオン交換体を配置することを特徴とするイオン交換体の前処理方法に関する。
【0017】
例えば、スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体樹脂ビーズにスルホン酸基が導入された強酸性カチオン交換樹脂の洗浄(コンディショニング)を本発明方法によって行なう場合を説明すると、このようなカチオン交換樹脂では、ポリスチレン(単独重合物)にスルホン酸基が導入されたものが溶出物として種々の問題を引き起こすことが知られている。この溶出物は、基材であるスチレンとジビニルベンゼンとの3次元網目構造の中に絡みついているため、酸やアルカリ或いは水による洗浄によって基材から能動的に除去しようとしても容易には溶出しない。しかしながら、かかる樹脂をイオン交換装置や電気式脱塩装置などに充填して長時間用いると、この単独重合物などが微量ではあるが徐々に溶出し、処理液中に混入する。このような単独重合物などの不純物を含んだカチオン交換樹脂ビーズを、電場下の液体(洗浄用の水)中に配置すると、スルホン酸基を有する単独重合物は、電位勾配により陽極側に引かれて移動し、基材から離脱して液体中に移行する。逆に、イオン交換基として4級アンモニウム基が導入された強塩基性アニオン交換樹脂の場合には、4級アンモニウム基を有する単独重合物が、電位勾配により陰極側に引かれて移動して、基材から離脱して液体中に移行する。このように、本発明によれば、基材の3次元網目構造の中に絡みついている単独重合物や残留薬剤などのような不純物を、電場の作用によって基材から離脱させて除去することができる。
【0018】
本発明方法は、また、織布、不織布などの繊維材料、多孔質膜、或いは斜交網などのスペーサー基材にグラフト重合法などによってイオン交換基を導入した、非架橋構造のイオン交換体の前処理にも用いることができる。このような非架橋構造のイオン交換体としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリマー材料によって形成される織布、不織布などの繊維材料、多孔質膜、或いは斜交網などのスペーサー基材に対して、放射線グラフト重合法を用いてイオン交換基を導入したものを挙げることができる。かかるイオン交換体においては、基材の高分子主鎖に導入されたグラフト側鎖上にイオン交換基が導入されており、グラフト側鎖に単独重合物や残留薬剤などの不純物が絡みついて残留している。このような残留不純物は、イオン交換樹脂の3次元網目構造の中に絡みついている場合と同様に、酸やアルカリによる基材の膨潤・収縮や、拡散による除去によっては、その除去速度が小さい。しかしながら、このような非架橋構造のイオン交換体を本発明にかかる方法によって前処理すると、電場の作用によってグラフト側鎖の揺らぎが生じ、側鎖に絡みついた単独重合物などが遊離しやすくなる。
【0019】
本発明は、また、上記に説明したような本発明にかかるイオン交換体の前処理方法を実施するための装置を提供する。即ち、本発明の他の態様は、液体の供給及び排出機構を備え、その中に未使用のイオン交換体が配置される液体槽と、液体槽中の液体に電場をかけるための電極とを有することを特徴とする、被処理液の精製又は脱イオン化処理に使用するイオン交換体を前処理するための装置に関する。
【0020】
ここで、液体槽内に、隔膜によって隔室を形成し、この隔室内に処理対象のイオン交換体を充填するようにすることにより、イオン交換体からの溶出物の除去をより効率的に行なうことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の各種形態について説明する。
図1は、本発明の一態様に係るイオン交換体の前処理装置の概念を示す図である。図1に示すイオン交換体の前処理装置では、陽極2と陰極3との間に液体槽が配置されている。液体槽内には隔膜4が配置され、これによって隔室10が形成されている。隔室10内に、処理対象である未使用のイオン交換体1が充填され、隔室10の両側は液流通室11として機能する。陽極2と陰極3は、それぞれ直流電源の正極、陰極に接続される。電極に接続する電源は直流電源が好ましいが、両電極を交流電源に接続してもよいし、或いは陽極/陰極の切替え装置を配してもよい。電極材料は、電気化学装置において用いられる任意の導電性材料を用いることができるが、できるだけ不活性で溶出物の少ないものを用いることが好ましい。
【0022】
隔室10を形成するために配置する隔膜4としては、水及びイオンは通過することができるが、イオン交換体は通過できない膜材料を用いることができる。具体的には、多孔質膜、織布、不織布などの繊維材料、サランネットなどのネット材料、斜交網などの形態のスペーサー材料などを用いることができる。また、隔膜4としてイオン交換膜を用いることもできる。イオン交換体には、カチオン交換体とアニオン交換体の2種類があり、カチオン交換体からはスルホン酸基が導入された単独重合物などが、アニオン交換体からは4級アンモニウム基が導入された単独重合物などが溶出するので、これらを通過するアニオン交換膜又はカチオン交換膜をそれぞれ1枚づつ用いることが好ましい。なお、イオン交換膜を隔膜4として用いる場合には、陰極側にカチオン交換膜、陽極側にアニオン交換膜を配置して、それぞれ陰極及び陽極に引かれて移動するカチオン及びアニオンが隔膜を容易に通過できるように構成することが好ましい。
【0023】
なお、処理対象であるイオン交換体がビーズ状や粒子状である場合には、上記の各種膜材料を用いて、袋状、箱状、カラム状の隔室10を形成することもできる。このように袋状やカラム状の隔室10を形成すれば、隔室が洗浄装置から着脱可能となる。したがって、イオン交換体を洗浄装置に装填したり、処理後のイオン交換体を取り出すのが極めて簡便になるので、好ましい。
【0024】
図1に示す構成のイオン交換体の前処理装置の隔室10内に処理対象の未使用のイオン交換体1を充填し、液体槽に洗浄用の水5を流通させながら両電極に直流電圧を印加して電場を形成すると、イオン交換体中に含まれる単独重合物のイオン交換基付加体や、イオン交換体にイオン交換基を導入した際の残留薬品などが、電位勾配によって、それぞれの物質の極性にしたがって電極の方向に移動し、流通している水5中に拡散する。例えば、処理対象のイオン交換体が、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体樹脂ビーズにスルホン酸基が導入されたカチオン交換樹脂ビーズである場合には、樹脂の3次元網目構造の中に絡みついた単独重合物のイオン交換基付加体であるポリスチレンスルホン酸などが陽極側に引かれて移動し、液体槽中に導入されている流通水内に移行する。この際、イオン交換体が隔膜4によって分離されていると、イオン交換体から遊離した溶出物を、イオン交換体から効率的に分離することができるので好ましい。
【0025】
なお、隔膜4は、イオン及び液体を通過させるので、電場をかけた場合、隔膜の電極側の液流通室11において溶出物の液中濃度が高くなり、これにつれて反対側の方向、即ち液流通室11から隔室10への逆拡散が起こりやすくなる。したがって、本発明にかかるイオン交換体の前処理装置においては、溶出物を溶解した流通水6を液体槽から装置外に排出する流路を配することが望ましい。
【0026】
電場下での洗浄工程が終了したら、処理済のイオン交換体を取出し、所定のイオン交換装置や電気式脱塩装置に組み込んで使用することができる。
なお、洗浄対象のイオン交換体がアニオン交換体とカチオン交換体の両方である場合には、これらを一緒に処理すると、一方のイオン交換体からの溶出物が他方のイオン交換体を汚染する可能性があるので、本発明においては、アニオン交換体、カチオン交換体をそれぞれ別々に処理にかけることが好ましい。
【0027】
本発明は、液体の清浄化に用いるイオン交換体のみならず、気体の清浄化に用いるイオン交換体の前処理にも好適である。イオン交換体を空気又は気体の浄化に用いる場合、イオン交換体中の単独重合体及びそのイオン交換基付加体が、気相中への微粒子放出の原因となるおそれがあり、また、イオン交換体製造過程での揮発性の残留薬剤等は、気体の汚染の原因となる。したがって、気体中で用いるイオン交換体を、本発明にしたがって前処理(湿式洗浄処理)した後、乾燥して使用することができる。
【0028】
本発明によって特に有効に除去することのできる対象物質は、イオン交換体の製造過程において基材中に残留する、単独重合物にイオン交換基が導入された物質である。このような物質は、当該物質が持つイオン交換基と対イオンの関係になるイオン交換体のイオン交換基に強く化学吸着するので、これを電気式脱塩装置で使用すると、処理水純度を低下させるばかりでなく、みかけ上のイオン交換基の減少によって導電性が低下することにより、運転電圧上昇などの電気特性の低下をもたらす。したがって、かかるイオン交換体を本発明によって洗浄した後に使用すると、溶出物に起因する問題が解消されるので極めて好ましい。
【0029】
以上に説明したように、本発明は、未使用のイオン交換体を、使用前にコンディショニング(前処理)するのに好適に利用することができる。特に、本発明方法は、電気式脱塩装置内に組み込むイオン交換体のコンディショニング(前処理)方法として極めて好適である。
【0030】
次に、織布、不織布などの繊維材料、多孔質膜、斜交網などの形状のスペーサーの形態の長尺シート状のイオン交換体を本発明に従って前処理するための装置の構成例を、図2を参照して説明する。図2に示す装置においては、円筒状の陽極22と、中心に配置された棒状の陰極23とによって、液体槽24が形成されている。処理対象の長尺シート状の未使用のイオン交換体を、中心の陰極23の周りにのり巻き状に巻回する。そして、液体槽24に洗浄用の水を流通させながら両電極に電圧を印加する。例えば、図2に示す装置によってスルホン酸基を有するカチオン交換体を処理すると、ポリスチレンスルホン酸などの不純物が電位勾配によって徐々に外側の陽極に向かって移動し、排出される。また、処理対象が、例えば第4級アンモニウム基を有するアニオン交換体である場合には、電極の極性を逆転させて、外側に陰極が配置されるように構成することによって、不純物を外側に向かって移動させて排出することができる。
【0031】
上記のように、長尺シート状のイオン交換体をのり巻き状に巻回する際には、水の流通をよくするため、透水性のシートをスペーサーとして一緒に巻回して、イオン交換体シートの間に間隔を設けることができる。装置をこのように構成すれば、イオン交換体の隙間を通して水を効率よく流通させることができるので、図1に示すように隔膜によって隔室を形成することは、必ずしも必要ではない。
【0032】
本発明に係る装置の更に他の形態として、図3に示すような構成も挙げられる。図3に示す装置においては、上下に電極(図3の場合には上に陰極33、下に陽極32)を配置した容器内に、水及びイオンは通過させるが、洗浄対象のイオン交換体は通過させない隔膜37を配置し、この隔膜37の上に、洗浄対象の未使用のイオン交換体34を載置する。イオン交換体34と上下の電極の間には、それぞれ、液流通室35及び36が形成されるようにすることができる。このような装置にカチオン交換体を装填して、洗浄用の水を図3の矢印の方向に流しながら電場をかけて処理を行なうと、ポリスチレンスルホン酸などの不純物は陽極に向かって移動し、イオン交換体から除去される。この際、水の流れ方向と、不純物の移動方向とが一致しているので、洗浄・除去効果が高くなる。アニオン交換体を処理する場合には、電極の極性を逆にすればよい。
【0033】
【実施例】
以下の実施例によって、本発明を更に具体的に説明する。以下の記載は、本発明の幾つかの具体的実施形態を説明するもので、本発明を限定するものではない。
【0034】
実施例1
図1に示す本発明にかかるイオン交換体の前処理装置を用いて、イオン交換体の前処理実験を行なった。隔膜4としては、陽極2の側にアニオン交換膜を、陰極3の側にカチオン交換膜をそれぞれ配置した。用いたイオン交換膜は、トクヤマ製の商品名CMB及びAHAであった。液体槽の大きさは300mm×200mm×厚さ10mmであった。隔膜4によって形成された隔室10内に、強酸性カチオン交換樹脂(三菱化学製ダイヤイオンSK1B)500mLを装填し、純水を通水しながら、50V、300mAで6時間通電した。
【0035】
同様に、強塩基性アニオン交換樹脂(三菱化学製ダイヤイオンSA10A)500mLを隔室10内に装填して、通電によるイオン交換体の前処理(コンディショニング)を行なった。
【0036】
処理済のカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を混合して、図1に示す構造の隔室内に混合充填して、電気式脱塩装置を構成した。藤沢市の市水を逆浸透装置で処理した後の水(比抵抗0.9MΩ・cm、TOC30ppb)を、流量20L/hで通水しながら通電を行なった。電流値は100mA(一定)であった。1週間経過後も、処理水質(隔室10から排出される水の水質)は、比抵抗17.7MΩ・cm、TOC 12ppbであり、運転電圧は26Vで安定していた。
【0037】
比較例1
実施例1で用いたものと同じイオン交換樹脂を、従来の方法にしたがって、以下の条件でコンディショニングした。
−強酸性カチオン交換樹脂:
▲1▼5%塩酸水溶液1L中に1時間浸漬した。
▲2▼純水1L中に20分浸漬し、これを3回繰り返した。
▲3▼3%塩化ナトリウム水溶液1L中に1時間浸漬した。
▲4▼純水1L中に20分浸漬した。
▲5▼3%水酸化ナトリウム水溶液1L中に1時間浸漬した。
▲6▼純水1L中に20分浸漬し、これを2回繰り返した。
▲7▼5%塩酸水溶液1L中に1時間浸漬した。
▲8▼純水1L中に20分浸漬し、これを4回繰り返した。
▲9▼純水5L中に24時間浸漬した。
−強塩基性アニオン交換樹脂:
▲1▼5%水酸化ナトリウム水溶液1L中に1時間浸漬した。
▲2▼純水1L中に20分浸漬し、これを3回繰り返した。
▲3▼3%塩化ナトリウム水溶液1L中に1時間浸漬した。
▲4▼純水1L中に20分浸漬した。
▲5▼3%塩酸水溶液1L中に1時間浸漬した。
▲6▼純水1L中に20分浸漬し、これを2回繰り返した。
▲7▼5%水酸化ナトリウム水溶液1L中に1時間浸漬した。
▲8▼純水1L中に20分浸漬し、これを4回繰り返した。
▲9▼純水5L中に24時間浸漬した。
【0038】
上記のコンディショニングを行なったイオン交換樹脂を、実施例1と同様に混合して図1に示す装置の隔室10内に装填し、実施例1と同様の条件で通水通電運転を行なった。
【0039】
運転初期の処理水質は比抵抗17.5MΩ・cmであったが、TOCが51ppbと高かった。運転電圧は24Vであった。運転1週間後の処理水質は比抵抗17.2MΩ・cmと、通水初期とほぼ同等の値であったが、TOCが19ppbと依然高い値を示した。運転電圧は34Vと高く、更に上昇の傾向を見せていた。
【0040】
実施例2
強酸性カチオン交換不織布の製造
鞘成分がポリエチレン、芯成分がポリエチレンテレフタレートの芯鞘複合繊維(直径17μm)よりなり、目付50g/m、厚さ0.25mmの熱融着不織布を基材として用いた。この基材に、窒素雰囲気中でガンマ線を150kGy照射した後、メタクリル酸グリシジル/メタノール溶液(重量比1/1)中に浸漬し、45℃で6時間反応させた。反応終了後の不織布をジメチルホルムアミド溶液で洗浄し、メタノールで置換した後、真空乾燥した。重量測定によって算出したグラフト率が131%のメタクリル酸グリシジルグラフト不織布が得られた。この不織布を、亜硫酸ナトリウムの10%水溶液中に浸漬し、80℃で8時間反応させて、スルホン化を行なった。得られた不織布を塩酸で再生した。中性塩分解容量が2.64meq/gの強酸性カチオン交換不織布が得られた。
【0041】
強塩基性アニオン交換不織布の製造
強酸性カチオン交換不織布の場合と同じ不織布基材に、窒素雰囲気でガンマ線を150kGy照射した後、クロロメチルスチレン溶液に浸漬し、45℃で6時間反応させた。反応終了後の不織布をトルエン溶液で洗浄し、メタノールで置換した後、真空乾燥した。重量測定によって算出したグラフト率が107%のクロロメチルスチレングラフト不織布が得られた。この不織布を、トリメチルアミン10%水溶液中に浸漬し、50℃で4時間反応させて、4級アンモニウム化を行なった。得られた不織布を水酸化ナトリウムで再生した。中性塩分解容量が2.48meq/gの強塩基性アニオン交換不織布が得られた。
【0042】
強塩基性アニオン交換ネットの製造
ピッチ3mm、厚さ1.5mmのポリエチレン製斜交網を基材として用い、上記の強塩基性アニオン交換不織布の場合と同様の条件で、グラフト重合と4級アンモニウム化を行ない、中性塩分解容量2.28meq/gの強塩基性アニオン交換ネットを得た。
【0043】
前処理・通水実験
上記で製造された各イオン交換体を、それぞれ、実施例1で示す前処理装置の隔室10内に収容した。なお、本実施例においては、隔膜4として、イオン交換膜に代えて、ポリエチレン製の斜交網を用いた。純水5L/hを通水しながら、電圧100Vで24時間前処理を行なった。
【0044】
図4に示す電気式脱塩装置を用いて通水実験を行なった。図4に示す装置においては、陽極側のアニオン交換膜57と陰極側のカチオン交換膜58によって脱塩室を形成した。この脱塩室内に上記で前処理された各イオン交換体を装填した。アニオン交換膜57に接してアニオン交換不織布55を、カチオン交換膜58に接してカチオン交換不織布56を装填し、両イオン交換不織布の間にアニオン交換ネット54を装填した。陽極52と陰極53とに直流電圧を通電しながら、実施例1と同じく、藤沢市の市水を逆浸透装置で処理した後の水を原水として、イオン交換体が装填された脱塩室、及び濃縮室(59,60)に流量20L/hで通水した。図4において、61,62及び63は、それぞれ、脱塩室、濃縮室への供給水であり、64,65及び66は、それぞれ、脱塩室からの処理水、濃縮室からの排水(濃縮水)である。100mAの定電流運転において、通水初期の処理水質(脱塩室から排出される処理水64の水質)は、比抵抗17.8MΩ・cm、TOC 9ppbであり、運転電圧は26Vで安定していた。1週間後の処理水質は、比抵抗17.8MΩ・cmと通水初期とほぼ同等の値であり、TOCも6ppbと良好であった。運転電圧は27Vと殆ど変らなかった。
【0045】
比較例2
実施例2で製造された各イオン交換体を、比較例1で示したカチオン交換体及びアニオン交換体のコンディショニング法に従ってコンディショニング処理した。但し、強酸性カチオン交換不織布に関しては、▲5▼の水酸化ナトリウム処理工程は省略した。コンディショニング処理を行なった各イオン交換体を、実施例2と同様に図4に示す電気式脱塩装置の脱塩室内に装填し、実施例2と同じ条件で通水実験を行なった。通水初期の処理水質は、比抵抗17.8MΩ・cm、TOC 26ppbであり、運転電圧は29Vであった。1週間後の処理水質は、比抵抗17.7MΩ・cmと通水初期とほぼ同等の値であったが、TOCは21ppbと依然高い値であった。運転電圧は34Vと高くなり、更に上昇傾向を示していた。
【0046】
【発明の効果】
本発明によるイオン交換体の前処理方法によれば、イオン交換体の基材中に混入している単独重合体などの不純物を、電場の作用によって効率的に除去することが可能になる。本発明によれば、従来の酸・アルカリなどの薬液の使用、及び大量の純水の使用の必要性がなくなり、コストやエネルギーだけでなく、環境負荷をも大きく低減することができる。更に、電気式脱塩装置で用いるイオン交換体を本発明によって前処理すれば、電気式脱塩装置の初期性能の向上、並びに電圧上昇等の電気的特性の悪化を防止する、という効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一態様に係るイオン交換体の前処理装置の構成を示す概念図である。
【図2】図2は、本発明の他の態様に係るイオン交換体の前処理装置の構成を示す概念図である。
【図3】図3は、本発明の更に他の態様に係るイオン交換体の前処理装置の構成を示す概念図である。
【図4】図4は、実施例2及び比較例2の通水実験で用いた電気式脱塩装置の構成を示す概念図である。

Claims (6)

  1. イオン交換体を使用前に前処理する方法であって、電場下の液体中に未使用のイオン交換体を配置することを特徴とするイオン交換体の前処理方法。
  2. 電場は直流電圧が印加されたものである請求項1に記載の方法。
  3. イオン交換体を被処理液の精製又は脱イオン化処理に使用する前に請求項1又は2に記載の方法によって洗浄することを特徴とするイオン交換体の前処理方法。
  4. 被処理液の脱イオン化処理が、電気式脱塩装置による被処理液の脱イオン化処理である請求項3に記載の方法。
  5. 液体の供給及び排出機構を備え、その中に未使用のイオン交換体が配置される液体槽と、液体槽中の液体に電場をかけるための電極とを有することを特徴とする、被処理液の精製又は脱イオン化処理に使用するイオン交換体を前処理するための装置。
  6. 液体槽内に隔膜で囲まれた隔室が形成されており、この隔室内にイオン交換体が配置される請求項5に記載の装置。
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WO2025169530A1 (ja) * 2024-02-06 2025-08-14 栗田工業株式会社 純水製造システム及び純水製造システムの運転方法

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