JP2004237345A - はんだ用フラックス - Google Patents

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Mutsuharu Tsunoda
睦晴 角田
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Abstract

【課題】高い予備加熱温度において良好な濡れ性、広がり性を有し、且つ保存時の安定性に優れた高融点はんだ用フラックスを提供する。
【解決手段】ロジンを主成分として含むはんだ用フラックスであって、平均分子量350〜3000のポリブテンをロジンに対し1〜20重量%含有する。このはんだ用フラックスは、Sn−Ag系はんだ粉末を含むソルダーペーストに好適である。

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明ははんだ用フラックスに関し、特に鉛フリーはんだに好適な耐熱性に優れたはんだ用フラックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
はんだの一般的な適用例として、回路基板への電子部品のリフロー法によるはんだ付けがある。このリフロー法では、はんだ粉末は、粘性の高いフラックス材料と混合してクリーム状にしたソルダーペーストとして利用される。具体的には、基板の所定位置にソルダーペーストを印刷し、その上にはんだ付けされる電子部品を載せて、予備加熱後、はんだ付けの加熱条件で加熱する。
【0003】
ところで、従来はんだ合金の主流は、低融点の鉛/スズはんだであったが、近年、スズ/銀、スズ/アンチモン、スズ/ビスマスなどの鉛フリーの低毒性はんだが開発され、実用されている。これら鉛フリーのはんだの多くは、融点が鉛/スズ共晶はんだに比べ約40℃高いため、上述したリフロー法に適用する場合、はんだ付け温度も高くする必要がある。この際、基板に実装する電子部品の中には熱に弱いものもあり、はんだ付けの加熱時間をできるだけ少なくし、また高温時の温度ばらつきをなくすために、予備加熱を高く設定するようになっている。具体的には、170℃以上の温度で数10秒以上予備加熱される。
【0004】
しかし予備加熱温度が高くなると、それによってはんだ粉末の酸化が促進されたり、フラックス中のロジンが劣化し、濡れ性や広がり性が悪くなるという問題を生じ、はんだ付けし難い場合があった。従来、低融点はんだを対象とするフラックスとして、その耐熱性を向上する目的で、高融点ワックス及びプロピレン系ポリマーを添加したフラックスが例えば特許文献1に提案されている。また低融点はんだを対象とするフラックスとして、粘着性を改善する目的で、液状ポリプロピレン等の絶縁性低重合体を添加したフラックスも特許文献2に提案されている。
【特許文献1】特開2001−334394号公報
【特許文献2】特開平1−278091号公報
【0005】
しかし上述したような高い予備加熱温度において良好な濡れ性、広がり性を有し、且つフラックスの安定性を維持することが可能なフラックス組成物は未だ提供されていない。そこで本発明は、170℃以上の予備加熱温度において良好な濡れ性、広がり性を有し、且つ保存時の安定性に優れた高融点はんだ用フラックスを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者等はロジンを含むフラックスと混合したときにフラックスの安定性を損なうことなく、その耐熱性を向上することができる添加物について種々の高分子材料を研究した結果、特定の分子量のポリブテンをロジンに対し所定量、混合したときに、はんだ上がりが極めて良好で、しかもはんだ付け後の残留物による絶縁性の低下等の問題もないことを見出し、本発明に至ったものである。
【0007】
即ち、本発明のはんだ用フラックスは、ロジンを主成分として含むはんだ用フラックスであって、平均分子量350〜3000のポリブテンをロジンに対し1〜20重量%含有することを特徴とするはんだ用フラックスである。
【0008】
以下、本発明のはんだ用フラックスについて詳細に説明する。
本発明のフラックスは、ロジン、溶剤、活性剤、増粘剤(チキソ剤)を含むフラックスにポリブテンを加えたものであり、ポリブテンを添加することにより、予備加熱を170℃以上の高温で行なった場合にも、フラックス成分、特にロジンの劣化が抑制され、安定したはんだ付けを行なうことができる。
【0009】
ポリブテンとしては、分子量350〜3000、好ましくは400〜2300のものを用いる。分子量350未満では、170℃を超える高温条件での予備加熱時に、一度濡れ広がったはんだが収縮し、ディウェッティング部が多くなりやすい。また分子量3000を超えるものを用いた場合には、フラックス成分が分離しやすくなり、保存安定性が低下する。
【0010】
ポリブテンの添加量は、ロジンに対し1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%とする。このような範囲とすることにより、耐熱性向上の効果が得られる。またポリブテンの添加量が20重量%を超えると、フラックス成分が分離しやすくなる。
【0011】
ロジンとしては、ガムロジン、ウッドロジン等の天然ロジンや、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、酸変成ロジン等のロジンエステル等公知のものを用いることができる。特に、水添ロジン、重合ロジン、酸変成ロジンが好ましい。
【0012】
その他の成分としては、一般にフラックス成分として用いられているものを用いることができる。例えば、活性剤としては、アジピン酸、こはく酸、グルタル酸、スベリン酸などの有機酸やトリエタノールアミンなどの有機アミンから選択される1種または2種以上を混合して用いることができる。また、増粘剤としては、高級脂肪酸アミド、硬化ひまし油、油脂系ワックスなど公知の増粘剤を用いることができる。溶剤としては、アルキルカルビトールや、ジエチレングリコール等のグリコール系溶剤を用いる。さらにこれら成分のほかに、必要に応じて表面保護材を添加することができる。
【0013】
これら成分の組成比は、通常、ロジンに対し、活性剤が1〜10重量%、増粘剤が1〜20重量%、溶剤が50〜100重量%とする。
【0014】
本発明のソルダーペーストは、このようなフラックスとはんだ粉末とを混練したものである。はんだ粉末としては、鉛フリーのはんだ粉末を用いる。具体的には、Sn−Agを主成分としてBi、Cu、In、Sb、Zn等を含むSn−Ag系のはんだ粉末やSn−Znを主成分としてBi、Cu、In、Ag等を含むSn−Zn系のはんだ粉末を用いることができる。
はんだ粉末とフラックスの混合比は、特に限定されないが、通常重量比で80〜95:20〜5の範囲とする。
【0015】
本発明のソルダーペーストは、フラックス成分として特定分子量範囲のポリブテンを含有せしめることにより、保存時の安定性が優れ、また表面実装品のリフロー工程の予備加熱時に、比較的高温、例えば200℃以上の温度で加熱した場合にもはんだ粉末の酸化やフラックス成分の劣化が抑制される。その結果、濡れ性に優れ、ディウェッティング部が少なく、良好なはんだ付けを行なうことができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。尚、以下の実施例において、特に断らない限り%は重量%を意味する。
【0017】
[実施例1〜4、比較例1〜3]
溶剤としてグリコールエーテル系溶剤、増粘剤として硬化ひまし油を用い、また活性剤として有機酸と有機アミンとを混合して用い、これらとロジン、ポリブテンを表1に示す配合比で混合してはんだ用フラックスを作成した。このフラックスを室温で一週間放置し、外観を観察し、フラックスの安定を評価した。結果を表1に示す。評価は、一週間放置後、変化しなかった場合を○、分離していないが液が濁った場合を△、分離している場合を×とした。
【0018】
[比較例4]
実施例1と同じ溶剤、ロジン、活性剤及び増粘剤を用い、ポリブテンを用いることなく、表1に示す配合比で混合してはんだ用フラックスを作成した。このフラックスについても、実施例1と同様に室温で一週間放置し、フラックスの安定を評価した。結果を表1に示す。
【0019】
[使用例(実施例1〜4、比較例1〜4)]
実施例1〜4及び比較例1〜4で得たフラックスとSn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末を、重量比で88:12の割合で混練し、ソルダーペーストを得た。このソルダーペーストを、直径6.5mmの穴の開いた、200μm厚のメタルマスクで銅板上に印刷した後、低温及び高温2つの予備加熱条件で、約90秒間予備加熱を行なった。予備加熱の条件は、低温140〜170℃、高温170〜190℃とした。予備加熱時のはんだの濡れ広がり性(ディウェッティング部の多少)を観察した。
【0020】
結果を表1に示す。はんだの濡れ広がりは、予備加熱後の面積が印刷した面積と同じか、それ以上である場合に○、印刷した面積より若干小さくなっている場合に△、ディウェッティング部が多く見られる場合に×とした。
【0021】
【表1】
Figure 2004237345
【0022】
表2に示す結果からも明らかなように、はんだ用フラックスに所定量のポリブテンを添加することにより、低温条件及び高温条件のいずれにおいても良好なはんだの広がりを示した。但し、ポリブテンの分子量が350以下では、印刷時よりも収縮する傾向が見られた。一方、ポリブテンの添加量が所定量未満であるかポリブテンを添加しない場合には、濡れ広がり性が劣り、特に高温条件においてディウェッティング部が多く見られた。またポリブテンの添加量が所定量を超えるとフラックス自体の安定性が低下した。
【0023】
【発明の効果】
本発明のはんだ用フラックスによれば、特定分子量範囲のポリブテンを所定量添加することにより、リフロー工程において高温で予備加熱を行なった場合にも良好なはんだの広がりを確保することができる。これにより良好なはんだ付けを行なうことができる。

Claims (4)

  1. ロジンを主成分として含むはんだ用フラックスであって、平均分子量350〜3000のポリブテンをロジンに対し1〜20重量%含有することを特徴とするはんだ用フラックス。
  2. 請求項1記載のはんだ用フラックスであって、ポリブテンをロジンに対し5〜15重量%含有することを特徴とするはんだ用フラックス。
  3. はんだ粉末とフラックスとを含むソルダーペーストであって、フラックスとして請求項1又は2記載のフラックスを用いたことを特徴とするソルダーペースト。
  4. はんだ粉末が、Sn−Ag系はんだ粉末であることを特徴とする請求項3記載のソルダーペースト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2024011492A1 (en) * 2022-07-14 2024-01-18 Heraeus Materials Technology Shanghai Ltd. Solder paste

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