JP2004237522A - 射出成形装置 - Google Patents

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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Abstract

【課題】ガスを溶融樹脂に定量的に溶解させることができ、ガスシールの問題を解決することができる射出成形装置を提供する。
【解決手段】第1フィード部、第1コンプレッション部および第1メタリング部で構成される第1ステージと同様に構成される第2ステージが直列に連なる2ステージタイプスクリュを備え、第2フィード部にガス供給装置が接続され、第1メタリング部と第2フィード部の間に流量制御部が設けられた射出シリンダを有する射出成形装置であって、スクリュ径(D)に対してスクリュの各部分の長さが特定されている射出成形装置。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂の射出成形装置に係わり、特に二酸化炭素等のガスを溶解させて溶融粘度を低下させた熱可塑性樹脂で成形を行う射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出シリンダ内の溶融樹脂にガス供給装置からガスを供給し、ガスを溶解させた溶融樹脂を射出する射出成形装置は多数提案されている。
たとえば、スクリュの後端部から先端部にかけてその先方部が第1メタリングとなっている第1ステージと、さらにその先方部が第2メタリングとなり、その後方部寄りがスクリュ溝の容積が大きくなった低圧部となっている第2ステージからなり、ガス供給孔が前記第2ステージの低圧部に対応した位置に設けられており、第1メタリングの溶融樹脂により供給させるガスが材料供給孔の方へ逆流しない成形機が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、不活性ガス注入部は樹脂で充満されており、不活性ガスは充満されている樹脂圧力との差圧分しか溶融樹脂に浸透させることしか出来ない、あるいはまた、スクリュの動作により不活性ガス注入部の樹脂圧力は常に変動するため、樹脂中に浸透させる不活性ガスの定量性に欠ける可能性が高いなどの課題がある。
【0003】
また、スクリュが粉体輸送部位、圧縮溶融部位、溶融樹脂輸送部位とガス供給部に相当する溶融樹脂未充満化部分とガス含浸部分とから構成されており、スクリュの全長を既存の成形機のシリンダがそのまま使用できる長さに保持できる成形装置が考案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、スクリュ内部に設けられたガス供給路及び逆流防止弁を設置することによりスクリュ強度が低下する、また、回転動作と軸方向に直線運動するスクリュ本体とシールボックスのガスシール性に懸念があること、さらにまた、ガス供給ラインのメンテナンス性が低いなどの問題点を有しているなどの課題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平13−1379号公報
【特許文献2】
特開平14−205319号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、射出シリンダ内の溶融樹脂にガス供給装置からガスを供給し、ガスを溶解させた溶融樹脂を射出する射出成形装置において、射出成形機の大掛かりな改造を必要とせず構造が簡単で定量的に必要とする量の二酸化炭素などのガスを溶融樹脂に溶解させることができると共に、射出シリンダ内に供給したガスのガスシールの問題が解決された射出成形装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1は、射出シリンダ内の溶融樹脂にガス供給装置からガスを供給し、ガスを溶解させた溶融樹脂を射出する射出成形装置において、樹脂供給部から先端に向かって第1フィード部、第1コンプレッション部および第1メタリング部で構成される第1ステージと同様に第2フィード部、第2コンプレッション部および第2メタリング部で構成される第2ステージとが直列に連なった2ステージタイプスクリュを備え、第2フィード部に開口するガス供給口にガス供給装置が接続され、第1メタリング部と第2フィード部の間に溶融樹脂の流動抵抗の高い流量制御部が設けられた射出シリンダを有する射出成形装置であって、スクリュの各部分の長さが、スクリュ径(D)に対して、
第1フィード部 6〜12D、
第1コンプレッション部 2〜4D、
第1メタリング部 2〜5D、
流量制御部 0.1〜3D、
第2フィード部 最大計量ストローク長以上、
第2コンプレッション部 2〜5D、
第2メタリング部 5〜10D、
となる関係を有することを特徴とする射出成形装置を提供するものである。
上記本発明の第2は、樹脂供給部から先端までのスクリュの長さが、スクリュ径(D)に対して22D以上であることを、その好ましい態様として含むものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の射出成形装置で使用される樹脂は熱可塑性樹脂で、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテル、変成ポリフェニレンエーテル樹脂、全芳香族ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、非晶性ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアミド系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。これらは単独若しくはこれらを一種または二種以上を混合したブレンド物として用いることができる。また、各種充填材や添加剤を配合して用いることもできる。
【0008】
ガスとして二酸化炭素を用いる場合、二酸化炭素との親和性が高く、二酸化炭素の溶解度が高い熱可塑性樹脂が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、変成ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド系樹脂などが特に好ましい。特にポリカーボネートは二酸化炭素の溶解度が高いだけでなく、熱分解したときに二酸化炭素を生じることから、溶融樹脂に二酸化炭素が含まれると分解反応の平衡がずれ、分解反応速度が遅くなる利点もある。
【0009】
本発明の射出成形装置は、一般の射出成形品の成形に適用でき、発泡成形品の成形だけでなく、内部に気泡のない中実の成形品の成形にも使用できる。ガスを溶解した溶融樹脂は発泡性を持つため、成形品表面に発泡模様を生じさせないためには、金型への溶融樹脂の充填中に、溶融樹脂のフローフロントで発泡が生じないように、樹脂充填前にキャビティをあらかじめガスで加圧しておく、カウンタプレッシャ法を本発明の射出成形装置と併用することもできる。
【0010】
本発明の射出成形装置で用いるガスとは、一般に発泡用のガスとして用いられる窒素、ヘリウムやアルゴンなどの希ガスに代表される不活性ガスや、熱可塑性樹脂に溶解しやすく良好な可塑剤効果を示す二酸化炭素、炭素数1〜5の飽和炭化水素およびその一部水素をフッ素で置換したフロン、水、アルコールなどの液体の蒸気等などである。
溶融樹脂の流動性を高める目的でガスを溶解させる場合、二酸化炭素が最も好ましい。二酸化炭素は溶融樹脂に対する溶解度が大きく、樹脂や金型、成形機素材を劣化させないこと、成形する環境に対し危険性がないこと、安価であることなどの制約を満たしているだけでなく、可塑剤として用いた場合、成形後に成形品から速やかに揮発させることができる。また、ガスを発泡剤として用いる場合には、発泡作用の高い窒素が好ましい。
【0011】
本発明の射出成形装置で二酸化炭素を可塑剤として用いる場合、溶融樹脂に溶解させる二酸化炭素量は0.2重量%以上が好ましい。また、二酸化炭素の溶解量の最大量は特に制限はないが、二酸化炭素を多量に溶解させるには高いガス圧力必要になり、むやみに溶解量を増しても二酸化炭素に対する樹脂の流動性向上効果が少なくなることから、実用的な二酸化炭素溶解量は10重量%以下で、より好ましくは7重量%以下である。
【0012】
なお、射出シリンダ中で溶解した二酸化炭素などのガス量を直接測定することは難しいため、二酸化炭素を含む樹脂を用いて射出成形した成形直後における成形品の重量と、成形品を、非晶性樹脂にあってはガラス転移温度、結晶性樹脂にあっては融点よりも約30℃低い熱風乾燥機中に24時間以上放置し、成形品中に含まれていた二酸化炭素量が放散して一定になった成形品の重量の差を、金型キャビティに射出した溶融樹脂中の二酸化炭素量とする。
【0013】
本発明の射出成形装置に用いる射出成形機は、一般に射出成形に使用されているインラインスクリュ式射出成形機、スクリュプリプラ式射出成形機などで、スクリュが間欠的に回転して樹脂可塑化を行うものである。インラインスクリュ式射出成形機ではスクリュが射出プランジャを兼ねており、樹脂の可塑化に伴いスクリュが後退して有効なスクリュ長が短くなるのに対し、スクリュプリプラ式は、樹脂を可塑化する押出機部分と射出プランジャが分離していることから、押出機部分は純粋な押出機として考えることができる。このため、スクリュプリプラ式は、スクリュの設計における制限事項が少なく、L/Dを大きくしたり、谷径を細くすることができるだけでなく、ガス供給位置を最適に保ちやすい利点がある。
【0014】
本発明の射出成形装置では、射出シリンダ内にガスを供給し、射出シリンダ内の溶融樹脂にガスを溶解させる。このガスが溶解した溶融樹脂は発泡性を持つため、射出成形機のノズル部から射出シリンダ内の圧力が逃げ、ガスが溶解した溶融樹脂が射出シリンダ内で発泡しないよう、ノズル部からの内圧の逃げを防止した状態で射出準備が進められる。ノズル部分からの内圧の逃げ防止は、ノズル孔の開閉機構を備えたバルブノズルを有する射出シリンダとすることで行うことができる。
【0015】
この開閉機構としては、可動ニードルでノズル孔を開閉するものや、樹脂流路に設けたロータリ弁を挙げることができる。また、ノズル部に開閉機構を有さない射出成形機を用いる場合でも、バルブゲート方式のホットランナを有する金型を用い、ノズル部を金型に圧接すると共にこのバルブゲートを閉じておくことでも内圧の逃げを防止することができるが、バルブノズルを備えた射出シリンダを用いるのが簡便である。
【0016】
本発明の射出成形装置における溶融樹脂へのガスの溶解は、射出シリンダ内の溶融樹脂部分へガスを供給し、ガス供給部の射出シリンダ内に所定ガス圧のガス空間を形成することで行われる。ガスの溶融樹脂への溶解量は、ガスの種類、樹脂の種類、溶融樹脂の温度、スクリュ回転数、スクリュ先端部の圧力、スクリュの回転および停止時間などにより変わるが、これらの条件が一定であれば、溶融樹脂に接するガスの圧力と溶融樹脂へのガス溶解量とはほぼ比例する。従って、溶融樹脂に接するガス空間を形成すると共に、このガス空間におけるガス圧を所定圧とすることで、ガス溶解量を再現性良く制御することができる。
【0017】
上記ガス空間の確実な形成のために、ガス供給部の溶融樹脂の移送を飢餓状態とすることが好ましい。溶融樹脂の移送を飢餓状態とするとは、移送される溶融樹脂が完全に射出シリンダ内を満たしておらず、部分的に空間を生じた状態で移送される状態にすることをいう。例えば、スクリュが、それぞれ後端側(ホッパ側)から、フィード部、コンプレッション部、メタリング部となった第1ステージと、同様にフィード部、コンプレッション部、メタリング部で構成される第2ステージとなった2ステージタイプスクリュの射出成形機を用い、第1ステージで樹脂を溶融させ、第2ステージのフィード部をガス供給部とすると共に、この部分での溶融樹脂の移送を飢餓状態とし、これによって射出シリンダ内に生じた空間にガスを供給して、第2ステージでガスと樹脂を混練して樹脂中にガスを溶解させることが好ましい。
【0018】
本発明では、樹脂供給部から先端に向かって第1フィード部、第1コンプレッション部および第1メタリング部で構成される第1ステージと同様に第2フィード部、第2コンプレッション部および第2メタリング部で構成される第2ステージとが直列に連なった2ステージタイプスクリュを備え、第2フィード部に開口するガス供給口にガス供給装置が接続され、第1メタリング部と第2フィード部の間に溶融樹脂の流動抵抗の高い流量制御部が設けられた射出シリンダを有する射出成形装置であって、スクリュの各部分の長さが、スクリュ径(D)に対して、
第1フィード部 6〜12D、
第1コンプレッション部 2〜4D、
第1メタリング部 2〜5D、
流量制御部 0.1〜3D、
第2フィード部 最大計量ストローク長以上、
第2コンプレッション部 2〜5D、
第2メタリング部 5〜10D、
となる関係を有することが好ましい。このようにすると樹脂供給部から供給された樹脂の第1ステージでの可塑化をより容易にすることができ計量安定性が向上する。また、第2フィード部を常に飢餓状態に保つことができることから溶融樹脂へのガス溶解性を定量的に行える。さらに、樹脂供給部及びスクリュ先端側へのガスの吹き出しを確実に防止することが出来る。
【0019】
第1ステージは、樹脂供給部から供給された樹脂を完全にかつ均一に溶融させるのが目的である。
従来の射出成形法においてスクリュは樹脂の均一溶融と計量安定性が目的である。このため本発明におけるスクリュ第1ステージ、すなわち樹脂供給部から先端に向かってフィード部、コンプレッション部、メタリング部で構成される1ステージタイプになっており、一般に樹脂供給部から先端までのスクリュの長さが、スクリュ径(D)に対して19〜22Dの範囲にある。
【0020】
従って本発明においても樹脂を完全にかつ均一に溶融させるためには、第1ステージの長さを従来の射出成形法と同様に19〜22Dとするのが好ましいが、本発明ではスクリュ第1ステージの先端側に溶融樹脂とガスを混合し溶解させるスクリュ第2ステージがあるため、スクリュ全体の長さが増加して成形機本体と射出ユニットの取付位置変更等、成形機本体まで改造の必要が出てくる。
本発明では、第1フィードの長さは6〜12Dである。6D以下では計量時のストロークが減少するために樹脂供給部から供給された樹脂の溶融が不安定になり計量安定性が損なわれる。さらに、スクリュ第2ステージ側への溶融樹脂の供給が不安定になるため樹脂供給部側へのガスの吹き出しを防ぐことが困難になる。12D以上ではその他のゾーンを含めたスクリュ全体の長さが増加してしまい成形機本体まで改造の必要が出てくる。
【0021】
第1コンプレッションの長さは2〜5Dである。2D以下では樹脂の急激な圧縮により剪断発熱が起こり、樹脂温度が設定した温度よりも高くなり樹脂が分解する恐れがあるため好ましくない。5D以上ではその他のゾーンを含めたスクリュ全体の長さが増加してしまい成形機本体まで改造の必要が出てくる。
第1メタリングの長さは2〜5Dである。2D以下では第2ステージ側への溶融樹脂の供給定量性が不安定になり計量安定性が損なわれる。さらに、第2ステージ側への溶融樹脂の供給が不安定になるため樹脂供給部側へのガスの吹き出しを防ぐことが困難になる。5D以上ではその他のゾーンを含めたスクリュ全体の長さが増加してしまい成形機本体まで改造の必要が出てくる。
【0022】
第2ステージは、第2フィード部の射出シリンダに開口するガス供給口から供給されるガスと、第1ステージから供給される溶融樹脂とを均一に混合もしくは溶解させて、かつスクリュ先端側へのガスの吹き出しを防止するのが目的である。
第2フィードの長さは最大計量ストローク長以上である。第2フィード部では射出シリンダに開口するガス供給口から供給されるガスと、第1ステージから供給される溶融樹脂とを均一に混合し溶解させる。第2フィード部は成形機の最大計量ストローク分以上の長さを確保できていれば良い。最大計量ストローク分以下の長さだと、最大ストロークまで計量した場合、ガス供給口が第2コンプレッション部にかかってしまい溶融樹脂により塞がれてしまう。
【0023】
第2コンプレッションの長さは2〜5Dである。2D以下では樹脂の急激な圧縮により剪断発熱が起こり、樹脂温度が設定した温度よりも高くなり樹脂が分解する恐れがあるため好ましくない。5D以上ではその他のゾーンを含めたスクリュ全体の長さが増加してしまい成形機本体まで改造の必要が出てくる。
第2メタリングの長さは5〜10Dである。5D以下では溶融樹脂とガスとの混合・溶解が充分にされず、ガスが溶融樹脂中に気泡状態で混ざったまま計量され、溶融樹脂の計量がばらついたり、成形品中にボイドを生じ、型開時にボイド内部のガスが膨張し成形品が膨れたりする。10D以上ではその他のゾーンを含めたスクリュ全体の長さが増加してしまい成形機本体まで改造の必要が出てくる。
【0024】
樹脂流量制御部は、第2フィード部を常に飢餓状態にするためにスクリュ第2ステージへ流入する樹脂量を制限すると共に、樹脂供給部側へのガスの吹き出しを防止するのが目的である。
溶融樹脂の移送を飢餓状態とするとは、移送される溶融樹脂が完全に射出シリンダ内を満たしておらず、部分的に空間を生じた状態で移送される状態にすることをいう。
【0025】
ガス供給部の溶融樹脂の移送を飢餓状態とするためには、第1ステージのメタリング部と第2ステージのベント部の間に溶融樹脂の流動抵抗の高い流量制御部を設け、第2ステージへの溶融樹脂の流入を制限するのが最も簡便である。この溶融樹脂流動抵抗の高い流量制御部としては、ダルメージやマドックといった混練に用いられるデザインや、シリンダとの隙間を0.1〜1mm程度、好ましくは0.1〜0.5mmに狭めた単純な円柱状のバリアなどが挙げられる。
【0026】
また、上記流量制御部と併せて、スクリュ1回転あたりの溶融樹脂移送量が、第1ステージよりも第2ステージの方が多くなるようにすることが好ましい。具体的には、第2ステージのスクリュ溝ピッチやスクリュ溝深さを第1ステージよりも大きくする手法を用いることができる。また、ホッパに供給樹脂の計量装置を設け、第1ステージへの樹脂供給量を制御により飢餓状態を発生させる手法を併用することも好ましい。
【0027】
上記流量制御部は、スクリュ停止時など、第1ステージ内の樹脂の圧力勾配が減少した時に、ガス供給部に供給したガスが、第1ステージの樹脂中を通ってホッパ側に吹き出すことを防止するためにも有効である。ホッパ側へのガスの吹き出しを防止するためには、一般にスクリュヘッドに用いられる可動式の逆流防止リングを使用することも可能であるが、スクリュ構造として複雑になる。つまり、逆流防止リングをスクリュの途中に挿入するには、挿入部でスクリュを2分割するか、薄い逆流防止リングを分割する必要があり、いずれにせよ製作が難しく、強度的低下が避けられないと共に、樹脂の滞留部を生じやすい。
【0028】
本発明の射出成形装置では、ガス供給部の溶融樹脂の移送を安定して飢餓状態とし、溶融樹脂にガスを均質に溶解させることができるようにするために、スクリュ先端部の圧力を、前記ガス空間のガス圧以上で、かつガス供給部の射出シリンダ内にガス空間を維持できる範囲の圧力として運転する。スクリュ先端部の圧力が低すぎると、ガス供給部に供給したガスが溶融樹脂に完全に溶け込まず、気泡状態で溶融樹脂中に混ざったまま計量され、溶融樹脂の計量がばらついたり、成形品中にボイドを生じ、型開時にボイド内部のガスが膨張し成形品が膨れたりする。スクリュ先端部の圧力とは、スクリュ先端部の溶融樹脂の圧力で、スクリュ背圧と等しく、スクリュもしくは射出プランジャを射出方向に押す圧力である。
【0029】
スクリュ先端部の圧力の下限の設定法には、次の2種の方法が挙げられる。一つは簡便な方法で、ガス供給部のガス空間のガス圧とスクリュ先端部の圧力を等しく設定する方法である。もう一つは、樹脂の可塑化時にスクリュの回転と可塑化樹脂量が比例する圧力に設定する方法、つまりスクリュ回転速度を一定としたときに、スクリュもしくは射出プランジャが一定速度で後退する最低限の圧力とする方法である。
【0030】
上記前者の方法は、ガス供給部に形成されるガス空間のガス圧を検出する圧力センサを射出シリンダに設けておき、この圧力センサで検出した圧力に基づいてスクリュ先端部の圧力を制御する制御装置を設けておくことで容易に行うことができる。この場合、ガス空間の圧力とスクリュ先端部の圧力を等しくなるように制御するだけでなく、スクリュ先端部の圧力がガス空間の圧力より所定圧力だけ大きくなるように制御することもできる。上記後者の方法は、ガス供給部に供給したガスが溶融樹脂に気泡状態で混ざるときに、スクリュにより送られる見かけの溶融樹脂量、つまり溶融樹脂と気泡の体積の和が一時的に増し、それに伴ってスクリュもしくは射出プランジャの後退速度が突然速くなることに着目したものである。
【0031】
また、スクリュ先端部の圧力が高すぎると、樹脂の可塑化速度が遅くなるばかりか、本発明の2ステージタイプのスクリュを用いた場合に、第2ステージにおいて、スクリュ先端部の高い圧力に対抗して溶融樹脂を送ることができなくなり、ガス供給部の溶融樹脂圧が高まり、ガス空間を存在させることができなくなる。このような状態では、十分な量のガスを溶融樹脂に溶解させられないばかりか、溶融樹脂へのガス溶解量を制御することが難しくなる。スクリュ先端部の圧力の上限は、ガスを供給せずに樹脂の可塑化を行ったときに、ガス供給部の溶融樹脂圧がガスの供給圧力と等しくなる圧力である。スクリュ先端部の圧力をこの圧力未満とすれば、ガス供給部にガス空間を存在させることができ、溶解量を制御しつつ必要量のガスを溶融樹脂に溶解させることができる。
【0032】
しかし、ガスを供給しないときにガス供給部が大気圧以上の溶融樹脂で満たされてしまうような状態においては、溶融樹脂圧以上のガスをガス供給部に供給することでガス空間を形成できるが、溶融樹脂圧が変動した場合に、ガス空間の圧力も変わり、結果として溶融樹脂中のガス溶解量も変動することになる。このため、ガス供給とは関係なく、ガス供給部の溶融樹脂の移送を常に飢餓状態とし、これによってガス供給部の溶融樹脂圧を大気圧以下としておくことが好ましい。この場合、ガス供給部のガス空間は溶融樹脂により圧縮されることはなく、溶融樹脂へのガス溶解量はガス供給部への供給ガス圧で制御可能となる。
【0033】
本発明のスクリュ先端部の圧力(スクリュ背圧)の絶対値は、スクリュの大きさ、スクリュのデザイン、スクリュの回転速度、樹脂の種類、樹脂の温度、供給するガスの圧力等によって異なるが、ガス供給部への供給ガス圧以上であり、かつガス供給部における溶融樹脂圧がガス供給部への供給ガス圧未満となる範囲で選択される。
【0034】
ガスを溶解した溶融樹脂は発泡性を持つため、可塑化終了後射出開始までのスクリュ停止時も、発泡を抑えるために、上記スクリュ先端部の圧力を保持することが望ましい。保持するスクリュ先端部の圧力は、樹脂の可塑化時のスクリュ先端部の圧力と同じでよく、溶融樹脂の発泡によりスクリュやプランジャが後退しない最低限の圧力であればよい。可塑化終了後射出開始までの間保持するスクリュ先端部の圧力が高すぎると、射出動作までにスクリュやプランジャが前進し、可塑化時に計量した溶融樹脂量に誤差を生じる。また、成形を一時休止する場合でも、射出シリンダ内に残る溶融樹脂の発泡を防止するために、常にスクリュやプランジャが後退しないスクリュ先端部の圧力を保つことが好ましい。
【0035】
上記スクリュ停止時にスクリュ先端部の圧力を一定に保つ手法としては、スクリュを前進させる力を一定に保つ手法、例えばスクリュの前進が油圧駆動で行われる場合、スクリュ前進用の油圧力を一定に保持することで行うことができる。また、この油圧駆動の場合には、スクリュ停止時にスクリュ前進用の油圧バルブを閉じ、スクリュ先端部の圧力に対抗するための作動油の流れを遮断し、いわばスクリュの後退をロックしてしまうことでも行うことができる。
ガス供給部における射出シリンダ内へのガスの供給は、供給側の圧力と、ガス供給部のシリンダ内の圧力との差圧によって自動的に開閉される自動開閉弁を介して行うことが好ましい。
【0036】
上記自動開閉弁の具体例としては、ガス供給部の射出シリンダ内に開口するガス供給路の先端に、弁座と密着する方向にスプリングで付勢されて設けられ、供給ガス圧で押されてスプリングに抗して射出シリンダの内側方向に移動したときにガス供給路を開放するキノコ弁(錐台形、一般的には円錐台形をなす弁体。)を挙げることができる。このようなキノコ弁を用いると、ガス供給時にはガス流量に応じてガス供給路が開き、比較的広い開口面積が得られるので、短時間で必要なガス量を供給することができる。また、ガスが流れないときには、自動的にガス供給路が閉鎖されるので、溶融樹脂がガス供給路に逆流しない。更に、ガスが流れている場合であっても、溶融樹脂がガス供給路に侵入しようとした場合、溶融樹脂がキノコ弁の底を押して自動的にキノコ弁を閉鎖状態にするので、溶融樹脂の逆流を防止できる。
【0037】
次に、図面に基づいて本発明の射出成形装置の一例について説明する。本例の装置は、インラインスクリュ式射出成形機を用い、ガスには二酸化炭素を用いたものである。
図1に示されるように、1は射出成形機で、熱可塑性樹脂の可塑化と射出を行う射出シリンダ2、金型3および型締め装置4とを備えたものとなっている。この射出成形機1の射出シリンダ2には、二酸化炭素源5から、二酸化炭素昇圧装置6および二酸化炭素調圧装置7からなるガス供給装置を介して二酸化炭素が供給されるものとなっている。
【0038】
なお、二酸化炭素は、金型3に供給して、カウンタプレッシャ用のガスとして用いたり、射出シリンダ2のホッパ8供給して、ホッパ8から射出シリンダ2に供給される樹脂に吸収させることもできる。この場合、射出シリンダ2に供給する二酸化炭素、金型3に供給する二酸化炭素およびホッパ8に供給する二酸化炭素を、供給の開始と停止および圧力などをそれぞれ独立に制御できるようにしておくことが好ましい。
【0039】
上記射出シリンダ2、二酸化炭素源5、二酸化炭素昇圧装置6および二酸化炭素供給装置7について図2により更に説明する。
図2に示されるように、本例における二酸化炭素源5としては液化二酸化炭素ボンベ9が用いられている。
二酸化炭素昇圧装置6は、液化状態の二酸化炭素を加圧して昇圧する液化二酸化炭素圧縮機11を備えたもので、上記液化二酸化炭素ボンベ9が電磁開閉弁10を介してこの液化二酸化炭素圧縮機11に連結されている。二酸化炭素源5と二酸化炭素昇圧装置6間は、二酸化炭素の液化状態を保つことができるよう、二酸化炭素の臨界温度(31.1℃)未満に保持されている。液化二酸化炭素ボンベ9より液化二酸化炭素圧縮機11に供給され、圧縮されて昇圧した液化二酸化炭素は、二酸化炭素調圧装置7へと送られる。
【0040】
二酸化炭素調圧装置7へと送られる液化二酸化炭素は、電磁開閉弁12を経て加熱器13に供給される。加熱器13に供給された液化二酸化炭素はここで臨界温度以上のガスとなり、減圧弁14を経て射出シリンダ2のメインタンク15に供給される。メインタンク15には、内部の圧力が異常に高くなった時にガスを逃がすリリーフ弁16と、メインタンク15内のガス圧をチェックするためのメータ17が接続されている。
【0041】
上記メインタンク15と射出シリンダ2間を接続するガス供給配管18には、メインタンク15から順に、電磁開閉弁19、逆止弁20が介在している。また、逆止弁20と射出シリンダ2との間にはリリーフ弁21と大気開放バルブ22が接続されている。
上記ガス供給装置を用いて射出シリンダ2内のガス供給部26に二酸化炭素を供給する手順を説明する。
【0042】
まず、電磁開閉弁19と電磁開閉弁12を閉じた状態で電磁開閉弁10を開くと、液化二酸化炭素ボンベ9から液化二酸化炭素圧縮機11に液化二酸化炭素が供給される。液化二酸化炭素圧縮機11で圧縮された液化二酸化炭素は電磁開閉弁12を開くことにより加熱器13に供給されて暖められ、減圧弁14で必要な圧力まで減圧され、メインタンク15に蓄えられる。そして、メインタンク15に必要圧力の加圧ガスが蓄えられた状態で、電磁開閉弁19が開放されて、所定圧の二酸化炭素がガス供給配管18を介して射出シリンダ2に供給されることになる。
【0043】
射出シリンダ2は、樹脂供給部から先端に向かって順次フィード部、コンプレッション部、メタリング部で構成されるステージが直列に2回繰り返される2ステージタイプのスクリュ23を備えたもので、ホッパ8側がスクリュ第1ステージ23a、ノズル部24側がスクリュ第2ステージ23bである。
ガス供給部26は第2ステージ23bのフィード部(ベント部)に設置されており、このガス供給部26にはガス供給路27が開口している。このガス供給路27は、前記ガス供給配管18に接続されているものである。
【0044】
図3に拡大して示すように、第1ステージ23aのメタリング部(ガス供給部26と第1ステージ23aの間)には、流量制御部28が設けられている。流量制御部28は、射出シリンダ2のバレル内面とのクリアランスを小さくして、第1ステージ23aより移送される溶融樹脂量を制御し、ガス供給部26における溶融樹脂の移送を飢餓状態にすると共に、ガス供給部26に供給された二酸化炭素がホッパ8側に逆流しないようにするためのものである。
【0045】
上記流量制御部28と、射出シリンダ2のバレル内面とのクリアランスは、スクリュ径によっても異なるが、0.1〜1mm程度であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.5mm程度である。流量制御部28の長さは、スクリュ径の5〜200%程度が好ましく、更に好ましくはスクリュ径の10〜100%程度である。
【0046】
上記クリアランスと長さは樹脂の溶融粘度や供給ガス圧力により適宜選択される。使用する樹脂の溶融粘度が低いほど、またガス供給部26に供給される二酸化炭素の圧力が高いほど、クリアランスを小さくし、また長さを長くする。これらの値を調整することにより、第1ステージ23aが樹脂で満たされている場合、成形操作中にガス供給部26の二酸化炭素がホッパ8側に逆流することを確実に防止することができる。また、流量制御部28を通過する溶融樹脂の温度を低くしてその粘度を高めることも、ガス供給部26に供給された二酸化炭素のホッパ8側への逆流防止に効果的である。
【0047】
ガス供給部26への二酸化炭素の供給は、上記流量制御部28によってガス供給部26における溶融樹脂の移送を飢餓状態とし、これによってガス供給部26に生じる空間(溶融樹脂で満たされていない部分)に、図4に示される自動開閉弁29を介して二酸化炭素を送り込むことで行われる。
本例の自動開閉弁29は、図4に示されるように、スプリング30で射出シリンダ2の外方へ付勢されて、弁座31に押し付けられるキノコ弁で構成されたものとなっている。
【0048】
更に説明すると、ガス供給路27の先端に上記自動開閉弁29が位置していると共に、ガス供給路27の先端周縁には、自動開閉弁29の背面と対向して弁座31が設けられている。自動開閉弁29の背面には、弁軸32が接続されており、この弁軸32は、周囲に隙間を持ってガス供給路27内を伸び、スプリング30で射出シリンダ2の外方へ付勢されているものである。
上記自動開閉弁29は、ガス供給路27内と射出シリンダ2のガス供給部26内の圧力が等しいときにはスプリング30の力によって弁座31に押し付けられてガス供給路27を閉鎖し、ガス供給路27に二酸化炭素が供給されて、ガス供給路27内の圧力が射出シリンダ2のガス供給部26内の圧力より高くなり、この二酸化炭素の圧力による力がスプリング30の力を上回ると、スプリング30に抗して射出シリンダ2の内方に移動して、ガス供給路27を開放するものである。
【0049】
上記キノコ弁を用いた自動開閉弁29を介して二酸化炭素の供給を行うと、二酸化炭素の供給時にはその流量に応じてガス供給路27が開き、比較的広い開口面積が得られるので、短時間で必要な量の二酸化炭素を供給することができる。また、二酸化炭素が流れないときには、自動的にガス供給路27が閉鎖されるので、溶融樹脂がガス供給路27に逆流しない。更に、二酸化炭素が流れている場合であっても、溶融樹脂がガス供給路27に侵入しようとした場合、溶融樹脂が自動開閉弁29の底を押して自動的にガス供給路27を閉鎖するので、溶融樹脂の逆流を防止できる。
【0050】
上記自動開閉弁29は、その先端面(射出シリンダ2の内側の面)付近に溶融樹脂が対流するのを防止するために、開放時の先端面が射出シリンダ2の内面とほぼ一致する位置に設けることが好ましい。具体的には、閉鎖時の先端面の位置が、射出シリンダ2の内面とほぼ等しい位置か、もしくは0.5mm程度窪んだ位置にあることが好ましい。
図2に示されるように、スクリュ23の先端部には、射出時の溶融樹脂の逆流を防止するための逆流防止シリング33が設けられている。また、ノズル部24には、ノズル孔34を開閉するためのニードル弁35が設けられている。このニードル弁35は、ノズル部24の内側に、ノズル孔34に向かって進退可能に設けられており、油圧シリンダなどの駆動装置に36によって駆動ロッド37を傾動させることで進退し、前進時にノズル孔34を閉鎖し、後退時にノズル孔34を開放するものとなっている。
【0051】
上記のようなニードル弁35を設けてノズル孔34を開閉可能としておくと、ノズル孔34を閉鎖した状態で、スクリュ23の先端部に圧力(スクリュ背圧)を加えながら可塑化計量操作を行うことで、計量されて射出シリンダ2の先端部に溜まる、二酸化炭素が溶解した溶融樹脂の発泡を防ぐことができる。
本発明の射出成形装置では、ノズル孔34を開閉できる射出シリンダ2を用いることが好ましく、ノズル孔34を開閉する機構としては、上記のような機械的に強制開閉されるものの他、射出シリンダ2内の溶融樹脂圧、特に先端部の溶融樹脂圧が所定圧力となると自動的に開くタイプのものもある。つまり、本発明で用いる射出成形機としては、開閉可能なバルブノズルを備えた射出シリンダ2を用いることが好ましい。
なお、上述の装置はガスとして二酸化炭素を用いているが、二酸化炭素以外のガスを用いる場合でも同様の装置で本射出成形法を行うことができる。
【0052】
【実施例】
次に、実施例および比較例によって本発明を更に説明する。
まず、実施例および比較例で用いた機材および材料、計量安定性の測定方法、スクリュ先端部圧力とガス供給部の溶融樹脂圧力の関係の測定方法、ノズル側および樹脂供給部側へのガス吹き抜け性の測定方法について説明する。
(樹脂)
ポリカーボネート樹脂:帝人化成製 パンライトL−1225Y
(二酸化炭素)
純度99%以上の二酸化炭素を用いた。
【0053】
(射出成形機)
住友重機械工業製「SG125M−HP」をベースとして使用した。スクリュ径はφ32mm、最大スクリュストロークは160mmである。射出シリンダ温度は300℃に設定した。ガス供給部は図3に示す構造であり、自動開閉弁として図4に示すキノコ弁を取り付けた。キノコ弁の弁座接触部の径は4.6mmであり、スプリングがこのキノコ弁を閉じる力は300gである。ノズル部は、図5に示す機械的な開閉機構を有するものとした。また、図には示していないが、ガス供給部のガス供給路の開口位置とは反対側のシリンダ内面には、溶融樹脂圧力もしくはガス圧力測定用の圧力センサを取り付けた。圧力センサにはダイニスコ社製「NP465XL」を用いた。
【0054】
(スクリュ先端部圧力とガス供給部の溶融樹脂圧力の関係の測定方法)
ガスを供給せずに、ノズル孔を閉じた状態で、スクリュストローク120mmで樹脂を可塑化しパージする動作を繰り返した。スクリュ回転数100、150rpmにおいて、スクリュ先端部の圧力を変え、各スクリュ先端部の圧力でガス供給部にかかる溶融樹脂の圧力を圧力センサで測定した。
(計量安定性の測定方法)
スクリュ回転数150rpm、スクリュ先端部の圧力12MPaで、ガス供給部に12MPa二酸化炭素を供給し、ノズル孔を閉じた状態で、スクリュストローク120mmで樹脂を可塑化しパージする動作を30回繰り返し行い、可塑化時間を測定した。
【0055】
(ノズル側へのガス吹き抜け性の評価方法)
スクリュ回転数150rpm、スクリュ先端部の圧力12MPaで、ガス供給部に12MPa二酸化炭素を供給し、ノズル孔を閉じた状態で、スクリュストローク120mmで樹脂を可塑化しパージする動作を30回繰り返し行い、ノズル部からのストランドが切れたり、気泡の破裂による破裂音発生の有り無しによってノズル部へのガス吹き抜けの有り無しの判断をした。
【0056】
(樹脂供給部側へのガス吹き抜け性の評価方法)
スクリュ回転数150rpm、スクリュ先端部の圧力12MPaで、ガス供給部に12MPa二酸化炭素を供給し、樹脂を可塑化し、その状態で10分間保持させる。この状態で10分の間に樹脂供給部側へのガス吹き抜けの有り無しを評価した。吹き抜けた時はガス供給部のガス供給路の開口位置とは反対側のシリンダ内面に取り付けた圧力センサの数値が降下することで判断した。スクリュストローク40mmから開始し、20mmずつスクリュストロークを増やしていき最大140mmまで測定した。
【0057】
【実施例1】
スクリュは各部分の長さが、スクリュ径(D)に対して、第1フィード部=9D、第1コンプレッション部=3D、第1メタリング部=2D、樹脂流量制御部=0.5Dとし、シリンダ内面とのクリアランスは0.3mmとした。第2フィード部=160mm、第2コンプレッション部=2D、第2メタリング部=6.5Dとし、樹脂供給部から先端までのスクリュの長さが28Dのものとした。
この成形機を用いて樹脂を射出成形した。結果を表1、3、4および5に示す。
【0058】
【実施例2】
スクリュは各部分の長さが、スクリュ径(D)に対して、第1フィード部=10D、第1コンプレッション部=2D、第1メタリング部=2D、樹脂流量制御部=1Dとし、シリンダ内面とのクリアランスは0.4mmとした。第2フィード部=160mm、第2コンプレッション部=2D、第2メタリング部=6Dとし、樹脂供給部から先端までのスクリュの長さが28Dのものとした。
この成形機を用いて樹脂を射出成形した。結果を表1、3、4および5に示す。
【0059】
【実施例3】
スクリュは各部分の長さが、スクリュ径(D)に対して、第1フィード部=6D、第1コンプレッション部=2D、第1メタリング部=2D、樹脂流量制御部=0.5Dとし、シリンダ内面とのクリアランスは0.3mmとした。第2フィード部=160mm、第2コンプレッション部=2D、第2メタリング部=6Dとし、樹脂供給部から先端までのスクリュの長さが23.5Dのものとした。
この成形機を用いて樹脂を射出成形した。結果を表1、3、4および5に示す。
【0060】
【実施例4】
スクリュは各部分の長さが、スクリュ径(D)に対して、第1フィード部=6D、第1コンプレッション部=2D、第1メタリング部=2D、樹脂流量制御部=1Dとし、シリンダ内面とのクリアランスは0.4mmとした。第2フィード部=160mm、第2コンプレッション部=1.5D、第2メタリング部=5.5Dとし、樹脂供給部から先端までのスクリュの長さが23.5Dのものとした。
この成形機を用いて樹脂を射出成形した。結果を表1、3、4および5に示す。
【0061】
【比較例1】
スクリュは各部分の長さが、スクリュ径(D)に対して、第1フィード部=6D、第1コンプレッション部=2D、第1メタリング部=1.5D、樹脂流量制御部=0.5Dとし、シリンダ内面とのクリアランスは0.3mmとした。第2フィード部=130mm、第2コンプレッション部=2D、第2メタリング部=5Dとし、樹脂供給部から先端までのスクリュの長さが21Dのものとした。
この成形機を用いて樹脂を射出成形した。結果を表2〜5に示す。
【0062】
【比較例2】
スクリュは各部分の長さが、スクリュ径(D)に対して、第1フィード部=6D、第1コンプレッション部=3D、第1メタリング部=2D、樹脂流量制御部=0.5Dとし、シリンダ内面とのクリアランスは0.3mmとした。第2フィード部=110mm、第2コンプレッション部=1.5D、第2メタリング部=4.5Dとし、樹脂供給部から先端までのスクリュの長さが21Dのものとした。
この成形機を用いて樹脂を射出成形した。結果を表2〜5に示す。
【0063】
【比較例3】
スクリュは各部分の長さが、スクリュ径(D)に対して、第1フィード部=10D、第1コンプレッション部=3D、第1メタリング部=4D、樹脂流量制御部=1Dとし、シリンダ内面とのクリアランスは0.4mmとした。第2フィード部=160mm、第2コンプレッション部=0.5D、第2メタリング部=4.5Dとし、樹脂供給部から先端までのスクリュの長さが28Dのものとした。
この成形機を用いて樹脂を射出成形した。結果を表2〜5に示す。
【0064】
【表1】
Figure 2004237522
【0065】
【表2】
Figure 2004237522
【0066】
【表3】
Figure 2004237522
【0067】
【表4】
Figure 2004237522
【0068】
【表5】
Figure 2004237522
【0069】
【発明の効果】
本発明の射出成形装置により、ガスを溶融樹脂に定量的に溶解させることができると共に、射出シリンダー内に供給したガスのガスシールの問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形装置の概略図である。
【図2】図1に示される二酸化炭素源、二酸化炭素昇圧装置および二酸化炭素調圧装置からなるガス供給装置と射出シリンダ部分の詳細を示す模式図である。
【図3】射出シリンダのガス供給部付近の拡大断面図である。
【図4】ガス供給部の自動開閉弁機構を示す断面図である。
【図5】スクリュ各部位の詳細を示す図である。
【符号の説明】
1 射出成形機
2 射出シリンダ
3 金型
4 型締め装置
5 二酸化炭素源
6 二酸化炭素昇圧装置
7 二酸化炭素調圧装置
8 ホッパ
9 液化二酸化炭素ボンベ
10 電磁開閉弁
11 液化二酸化炭素圧縮機
12 電磁開閉弁
13 加熱器
14 減圧弁
15 メインタンク
16 リリーフ弁
17 メータ
18 ガス供給配管
19 電磁開閉弁
20 逆止弁
21 リリーフ弁
22 大気開放バルブ
23 スクリュ
23a スクリュ第1ステージ
23b スクリュ第2ステージ
24 ノズル部
25 樹脂計量装置
26 ガス供給部
27 ガス供給路
28 流量制御部
29 自動開閉弁
30 スプリング
31 弁座
32 弁軸
33 逆流防止シリング
34 ノズル孔
35 ニードル弁
36 駆動装置
37 駆動ロッド
L1 第1フィード部
L2 第1コンプレッション部
L3 第1メタリング部
L4 第2フィード部
L5 第2コンプレッション部
L6 第2メタリング部

Claims (2)

  1. 射出シリンダ内の溶融樹脂にガス供給装置からガスを供給し、ガスを溶解させた溶融樹脂を射出する射出成形装置において、樹脂供給部から先端に向かって第1フィード部、第1コンプレッション部および第1メタリング部で構成される第1ステージと同様に第2フィード部、第2コンプレッション部および第2メタリング部で構成される第2ステージとが直列に連なった2ステージタイプスクリュを備え、第2フィード部に開口するガス供給口にガス供給装置が接続され、第1メタリング部と第2フィード部の間に溶融樹脂の流動抵抗の高い流量制御部が設けられた射出シリンダを有する射出成形装置であって、スクリュの各部分の長さが、スクリュ径(D)に対して、
    第1フィード部 6〜12D、
    第1コンプレッション部 2〜4D、
    第1メタリング部 2〜5D、
    流量制御部 0.1〜3D、
    第2フィード部 最大計量ストローク長以上、
    第2コンプレッション部 2〜5D、
    第2メタリング部 5〜10D、
    となる関係を有することを特徴とする射出成形装置。
  2. 樹脂供給部から先端までのスクリュの長さが、スクリュ径(D)に対して22D以上であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置。
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