JP2004238247A - ガラスセラミック組成物および厚膜ガラスペースト組成物 - Google Patents
ガラスセラミック組成物および厚膜ガラスペースト組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004238247A JP2004238247A JP2003028830A JP2003028830A JP2004238247A JP 2004238247 A JP2004238247 A JP 2004238247A JP 2003028830 A JP2003028830 A JP 2003028830A JP 2003028830 A JP2003028830 A JP 2003028830A JP 2004238247 A JP2004238247 A JP 2004238247A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- ceramic composition
- mass
- dielectric
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/062—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
- C03C3/064—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
- C03C3/066—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron containing zinc
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A47—FURNITURE; DOMESTIC ARTICLES OR APPLIANCES; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; SUCTION CLEANERS IN GENERAL
- A47L—DOMESTIC WASHING OR CLEANING; SUCTION CLEANERS IN GENERAL
- A47L9/00—Details or accessories of suction cleaners, e.g. mechanical means for controlling the suction or for effecting pulsating action; Storing devices specially adapted to suction cleaners or parts thereof; Carrying-vehicles specially adapted for suction cleaners
- A47L9/20—Means for cleaning filters
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C14/00—Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
- C03C14/004—Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix the non-glass component being in the form of particles or flakes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C8/00—Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
- C03C8/14—Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
Abstract
【課題】有害な鉛やビスマスを含ないで、ソーダライムガラス上に緻密な焼成膜を得ることができるガラスセラミック組成物、有害物を含まないガラスペーストを提案する。
【解決手段】PDPにおいて、前面板(10a)上のバス電極(12)を覆うように形成される誘電体膜(15)、背面板(10b)上のアドレス電極を覆うように形成される誘電体膜(15)、および隔壁(16)に使用されるガラスセラミック組成物は、鉛およびビスマスを含まず、軟化点が520℃〜580℃のSiO2−B2O3−ZnO−R2O系ガラス粉末と、アルミナ、シリカ、フォルステライト、ジルコニア、ジルコン、チタニアおよび耐熱無機顔料からなる群から選択された1種類以上の無機酸化物粉末からなる。厚膜ガラスペースト組成物は、該ガラスセラミック組成物を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】PDPにおいて、前面板(10a)上のバス電極(12)を覆うように形成される誘電体膜(15)、背面板(10b)上のアドレス電極を覆うように形成される誘電体膜(15)、および隔壁(16)に使用されるガラスセラミック組成物は、鉛およびビスマスを含まず、軟化点が520℃〜580℃のSiO2−B2O3−ZnO−R2O系ガラス粉末と、アルミナ、シリカ、フォルステライト、ジルコニア、ジルコン、チタニアおよび耐熱無機顔料からなる群から選択された1種類以上の無機酸化物粉末からなる。厚膜ガラスペースト組成物は、該ガラスセラミック組成物を用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)、蛍光表示管(以下、「VFD」という)およびフィールドエミッションディスプレイ(以下、「FED」という)の誘電体および隔壁の形成に用いるガラスセラミック組成物、および該ガラスセラミック組成物を用いた厚膜ガラスペースト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDPは、大型フラットディスプレイとして脚光を浴び、大型テレビ受像機として実現化され、広く用いられている。VFDは、文字や記号の表示デバイスとして、特に、自動車、オーディオ機器、デジタルマルチメータ等の計測器等の表示デバイスとして、用いられている。FEDは、将来、ブラウン管に代わるディスプレイデバイスとして、期待を集めている。
【0003】
図1は、一般的なAC型PDPの構造を示す一部破断斜視図である。説明のために一角を切断した状態で、中央で上下に分離して示し、さらに、一部を破断させて示した。
【0004】
PDPは、微少間隔を設けて、一対のガラス板(10a)、(10b)を対向させ、周囲を封着して放電空間を設け、放電により発生する紫外線で刺激発光する蛍光体により、映像を映す。PDPにおいて、映像が表示される側のガラス板(10a)を前面板と呼び、反対側のガラス板(10b)を背面板と呼ぶ。
【0005】
背面板(10b)には、ストライプ状の隔壁(16)が形成され、これらの隔壁(16)の間の凹部の底面には、隔壁(16)と平行に1本の電極(以下、アドレス電極という)(13)が形成され、アドレス電極(13)の表面を覆う誘電体膜(15)が形成される。さらに、これらの隔壁(16)の壁面などには、紫外線で励起する蛍光体(17)が塗付される。
【0006】
前面板(10a)には、ITO等により形成されるストライプ状の透明電極(11)と、該透明電極上に設けられ、銀等により形成された1本のバス電極(12)が配線される。このバス電極(12)を覆うように、ガラス等で構成され、可視光に透明である誘電体膜(15)が形成される。誘電体膜(15)を覆うように、MgO膜(14)が蒸着により形成される。
【0007】
以上のような構造のPDPを形成する方法において、銀で形成される電極、誘電体や隔壁等の形成方法には、既存の厚膜技術が用いられる。
【0008】
図2は、VFDの構造を示す一部破断斜視図である。説明のために、一部を破断させて示している。
【0009】
一般的なVFDは、フェイスガラス(21)とガラス基板(22)から構成される真空容器を持ち、真空容器中のフィラメント(26)より放出された電子を格子電極(23)で制御し、セグメント電極(24)に衝突せしめ、セグメント電極(24)上の蛍光体を刺激発光させ、文字、記号等を表示する。ガラス基板(22)に、表示部となるセグメント電極(24)が形成されるように、端子(28)からセグメント電極(24)への信号を伝達する配線(27)と、該配線(27)とセグメント電極(24)との間を絶縁する絶縁層(25)が配置される。
【0010】
以上のような構造のVFDを形成する方法において、電極や絶縁層の形成方法には、既存の厚膜技術が多く用いられる。セグメント電極(24)への配線(27)は、厚膜銀ペーストで形成することが多く、これらを覆う絶縁層(25)は、厚膜ガラスペーストによる誘電体であり、セグメント電極(24)は、グラファイトを主成分とする厚膜ガラスペーストで形成される。なお、セグメント電極(24)と配線(27)の導通を確保するため、絶縁層(25)にはスルーホールが形成されるように印刷する。
【0011】
図3は、FEDの構造を示す断面図である。図3は、図面の左右方向に連続する内の一部のみを示した。
【0012】
FEDは、対向する2枚のガラス基板(31a)、(31b)で構成される真空容器の一方のガラス基板(31b)に、電子を放出する電子放出素子(36)を形成し、放出された電子を他方のガラス基板(31a)上の蛍光体(33)に衝突せしめ、刺激発光させる。電子放出素子(36)が形成されたガラス基板(31b)には、電子放出素子(36)への信号を送る配線(38)と、該配線(38)を覆う誘電体(37)と、スペーサー(35)上に設けられるゲート電極(34)が、形成される。電子放出素子(36)は、スペーサー(35)が設けられていない個所に設けられる。
【0013】
FEDの各構成要素の形成方法には、薄膜技術を多用するが、誘電体は厚膜技術により形成される。
【0014】
PDP、VFDおよびFEDは、ガラス基板に高歪点ガラス(例えば、旭硝子社製、PD−200)や、ソーダライムガラスが用いられるため、デバイスの寸法安定性の見地から、厚膜の焼成温度は高くても600℃であり、望ましくは580℃以下である。
【0015】
さらに、PDP、VFDおよびFEDとも、作製・加工したガラス基板等を封着して真空容器とする工程がある。該工程では、450℃に加熱し、封着用のガラスセラミックス材料を溶融し、封着して行う。しかし、隔壁または誘電体が軟化変形することは、デバイスの寸法安定性確保の見地から認められない。従って、厚膜中のガラス成分のガラス転位点を、450℃以上、望ましくは470℃以上とすることで、隔壁または誘電体が軟化変形するという事態を防ぐことができるが、そのようなガラス転位点を有するガラス成分を含む厚膜の焼成温度は、500℃以上、望ましくは520℃以上としなければ、緻密な焼成膜が得られない。
【0016】
従って、厚膜の焼成温度は、500〜600℃、望ましくは520〜580℃であり、厚膜中のガラス成分の軟化点をこの温度範囲にしなければ、隔壁および誘電体に適した緻密な焼成膜が得られないこととなる。
【0017】
従来は、有害物である鉛、ビスマスやバリウムを厚膜中に含有させて、軟化点を前記の温度範囲内に収めていた。例えば、特開平8−119725号公報に記載のガラスセラミックス組成物、特開平11−60273号公報に記載のプラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料、または特開2000−001334号公報に記載のガラスペースト組成物には、鉛が含有される。さらに、特開平9−268026号公報に記載の絶縁用ガラス組成物、または特開平9−283035号公報に記載のプラズマディスプレイには、ビスマスが含有される。
【0018】
ガラス組成物に含まれるこれらの有害物は、ガラス組成物が使われたディスプレイデバイスが廃棄されるときはもちろん、ディスプレイデバイスを製造する際も、廃棄物として地球環境に放出され、土壌、地下水、河川等の汚染、公害などの環境問題を引き起こすという問題があった。
【0019】
また、ガラスセラミック材料のガラス基板は、広く絶縁体として用いられるが、誘電体としての機能も有し、電極に挟むことによりコンデンサとして機能する。
【0020】
しかし、PDPでは、積極的に電荷をチャージさせるように、ガラスセラミック材料を誘電体に用いる個所もあるが、そのような箇所はごく一部であり、その他の多くの絶縁体にチャージした電荷は、発光には何らの寄与はせず、電力を消費するのみである。従って、電荷のチャージを目的としない箇所の絶縁体にチャージする電荷を低く抑えることが、ディスプレイデバイスの消費電力の観点から望ましい。VFDおよびFEDの材料も同様である。
【0021】
さらに、絶縁体にチャージする電荷量は、絶縁体の誘電率が大きくなると増加し、前述のように、ガラスセラミック材料は誘電体として知られるが、特に、鉛、ビスマスやバリウムを含むガラスセラミック材料は、含有される鉛、ビスマスやバリウムの影響で、誘電率が高く、鉛、ビスマスやバリウムを含む従来のガラスセラミック材料の誘電率は、10を優に超える値を示す。従来は、このように高い誘電率を下げることができず、その結果、ディスプレイデバイスの消費電力が増大する問題を生じていた。
【0022】
かかる課題を解決するために、鉛やビスマスを含まないガラスセラミック組成物として、P2O5−SiO2−ZnO系ガラスが、特開平8−301631号公報および特開2000−128570号公報に開示されているが、耐水性および耐薬品性が劣り、実用には適さないという問題があった。
【0023】
また、鉛やビスマスを含まず、誘電率を下げたガラスとして、SiO2−B2O3−ZnO系ガラスが、特開平9−283035号公報に開示されているが、開示された組成範囲には耐水性が極端に劣る範囲があり、実用に適さないという問題があった。
【0024】
また、SiO2−B2O3−ZnO系ガラスは、特開2000−226232号公報にも開示されているが、ZnOの含有率が多すぎて、均質なガラスを得ることが困難であった。均質なガラスが得られないと、ディスプレイデバイスの構成材料を均質とすることができず、ディスプレイデバイスの誤動作等につながるという問題があった。
【0025】
また、特開2000−313635号公報に開示されるSiO2−B2O3−ZnO系ガラスの組成範囲には、耐水性が極端に劣る範囲があり、実用に適さないという問題があった。
【0026】
また、特開2001−163635号公報にも、SiO2−B2O3−ZnO系ガラスの使用が開示されているが、範囲が特定できず、所望のガラスを得ることが困難であるという問題があった。
【0027】
鉛やビスマスを含まず、アルカリ金属酸化物も含まないガラスとして、SiO2−B2O3−BaO系ガラスが、特開2000−327367号公報に開示されているが、かかるガラスは軟化点が高すぎて、PDP等の用途には適さない。
【0028】
特開2000−001334号公報には、隔壁材料に適した無機酸化物含有量が開示されているが、併用されるガラスが鉛を含むガラスであり、鉛やビスマスを含まないガラスとの最適な組み合わせは開示されていない。
【0029】
特開2002−190255号公報では、鉛やビスマスを含まないガラスにも適した無機酸化物と、その配合量が開示され、α−石英やクリストバライトを必須の構成要素としている。クリストバライトは、ガラス基板に対して熱膨張係数が1桁高い。また、α−石英は、クリストバライトに相転位するが、相転位は急激な熱膨張係数の変化を伴うことが知られ、隔壁や誘電体の材料の熱膨張係数が基板に追従しなくなり、結果として、ディスプレイデバイスにクラックなどの不具合を発生せしめることから不適切である。
【0030】
【特許文献1】
特開平8−119725号公報
【0031】
【特許文献2】
特開平8−301631号公報
【0032】
【特許文献3】
特開平9−268026号公報
【0033】
【特許文献4】
特開平9−283035号公報
【0034】
【特許文献5】
特開平11−60273号公報
【0035】
【特許文献6】
特開2000−001334号公報
【0036】
【特許文献7】
特開2000−128567号公報
【0037】
【特許文献8】
特開2000−226232号公報
【0038】
【特許文献9】
特開2000−313635号公報
【0039】
【特許文献10】
特開2000−327370号公報
【0040】
【特許文献11】
特開2001−163635号公報
【0041】
【特許文献12】
特開2002−190255号公報
【0042】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有害な鉛やビスマスを含まないで、ソーダライムガラス上に緻密な焼成膜を得ることができるガラスセラミック組成物、および有害物を含まない厚膜ガラスペースト組成物を提案する。
【0043】
【課題を解決するための手段】
本発明のガラスセラミックス組成物の一態様では、無機酸化物粉末が5〜30質量%と、残部がガラス粉末とからなり、前記無機酸化物粉末は、アルミナ、シリカ、フォルステライト、ジルコニア、ジルコン、チタニアおよび耐熱無機顔料からなる群から選択された1種類以上からなり、前記ガラス粉末は、酸化物換算で、SiO2:3〜30質量%、B2O3:20〜45質量%、ZnO:20〜45質量%、アルカリ金属の酸化物:5〜20質量%から実質的になり。前記アルカリ金属の酸化物は、K2O、Na2OおよびLi2Oからなる群から選択された1種類以上である。
【0044】
さらに、前記ガラス粉末に、酸化物換算で、ZrO2:10質量%以下を含むことが好ましい。
【0045】
さらに、前記ガラス粉末に、酸化物換算で、Al2O3:10質量%以下を含むことが好ましい。
【0046】
本発明のガラスセラミック組成物により、プラズマディスプレイの誘電体または隔壁、あるいは両者、蛍光表示管の誘電体または隔壁、あるいは両者、フィールドエミッションディスプレイの誘電体または隔壁、あるいは両者を成形する。
【0047】
本発明の厚膜ガラスペースト組成物は、前記ガラスセラミック組成物に、ビヒクルを混合して得られる。
【0048】
【発明の実施の形態】
ディスプレイデバイスの隔壁や誘電体には緻密さが要求され、隔壁に多数のボイドがあると、ディスプレイデバイスの気密性、機械的強度等に問題を生じる。これらを形成するガラスセラミック材料に関し、本発明者らは鋭意研究を重ねる過程で、緻密な隔壁や誘電体が実現できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0049】
ガラス粉末の組成中、SiO2は必須の構成要素であり、ガラスセラミック組成物のネットワークフォーマーである。3質量%未満では、ガラスセラミック組成物の耐水性や耐薬品性が劣り、30質量%を超えると、軟化点が高くなり、所望の軟化点が得られない。
【0050】
ガラス粉末の組成中、B2O3は必須の構成要素であり、軟化点を下げ、流動性を増加し、ガラスセラミック組成物を安定させる効果がある。20質量%未満では、軟化点が高くなり、所望の軟化点が得られない。45質量%を超えると、軟化点が低くなり、所望の軟化点が得られないとともに、ガラスセラミック組成物の耐水性や耐薬品性が劣る結果となる。
【0051】
ガラス粉末の組成中、ZnOは必須の構成要素であり、軟化点を下げ、熱膨張係数を適宜に調整する効果がある。20質量%未満では、所望の軟化点が得られず、45質量%を超えると、均質なガラス化を困難とする。
【0052】
ガラス粉末の組成中、アルカリ金属酸化物は必須の構成要素であり、軟化点を下げ、流動性を増す効果を有するとともに、熱膨張係数を上昇させる。5質量%未満では、軟化点が高くなりすぎ、所望の軟化点を得ることができず、20質量%を超えると、熱膨張係数が大きくなり、ソーダライムガラス等を基板とするには不適切となるばかりではなく、ガラス転位点および軟化点も低くなり、所望のガラスセラミック組成物が得られなくなる。
【0053】
ガラス粉末の組成中、ZrO2は、必須の構成要素ではないが、耐水性や耐薬品性を高める効果がある。しかし、10質量%を超えると、軟化点を上昇させ、所望の軟化点が得られない。
【0054】
ガラス粉末の組成中、アルカリ土類酸化物(CaO、SrO)は、軟化点を下げ、流動性を増加し、熱膨張係数を適宜に調整する効果を有する。3質量%未満では、効果が望めず、所望の軟化点が得られず、40質量%を超えると、熱膨張係数が上昇する。アルカリ土類酸化物のうち、BaOは誘電率を上げる効果があるが、有害であることから含まないことが望ましい。
【0055】
ガラス粉末の組成中、Al2O3は必須の構成要素ではないが、耐水性、耐薬品性向上の効果がある。しかし、10質量%を超えると、軟化点が高くなり、所望の軟化点が得られない。
【0056】
ガラス粉末の粒度は、D50で10μm以下が望ましく、さらに望ましくは5μm以下である。D50で10μmより大きいと、緻密な隔壁および誘電体を得られなくなる。所望の粒度のガラス粉末を得るには、ボールミル、ジェットミル等の公知の粉砕方法を用いることができる。ガラス粉末の粒度の確認は、公知の粒度解析計(例えば、「マイクロトラック」(登録商標))を用いることができる。なお、D50は、累積粒度分布と粒径との関係で累積粒度が50%となる粒径をいい、粒度のメジアン値にあたる。
【0057】
無機酸化物粉末は、アルミナ、シリカ、フォルステライト、ジルコニア、ジルコン、チタニアおよび耐熱無機顔料からなる群から選択された1種類以上で、無機酸化物粉末を加えることが、ガラスセラミック組成物の機械的強度の向上になる。
【0058】
焼成過程では、緻密な焼成膜が形成される温度よりも高い温度で焼成される(過剰に焼成される)と、気泡(ボイド)が発生しやすくなる。ボイドの発生は、ガラス粉末の溶融による粘性低下に起因すると考えられる。無機酸化物の添加は、焼成過程でガラス粉末の焼結を阻害し、これにより、ガラス粉末の焼成が過剰になっても、気泡などのボイドの発生を抑制できるが、ボイドを発生させずに、焼成ができる温度域は狭い。
【0059】
特に、本発明のガラスセラミック組成物におけるガラス粉末のように、鉛やビスマスを含むガラス組成物よりも、ガラスセラミック組成物の粘性を下げる成分のB2O3やアルカリ金属の酸化物を多く含有すると、ボイドが発生せずに、焼成が可能な温度域がさらに狭くなる。
【0060】
また、PDPやFEDなどの大型ディスプレイパネル用の焼成炉は、炉内の温度を完全に均一することが困難である。従って、ピンポイントに過ぎない焼成温度を有する最適領域の材料を、かかる焼成炉で焼成すると、部分的に焼成が過剰となる部位や、焼成が不足する部位が生じ、その結果、焼成膜には焼成過剰によるボイドの多い部位と、焼成不足によるボイドが多い部位とが発生し、全体として緻密な焼成膜が得られなくなる。
【0061】
以上のように、本発明により、緻密に焼成可能で、ボイドが発生しない温度領域を広く取れる障壁材料および誘電体材料を提供できることは、ディスプレイデバイスの生産性向上にも適う。また、ボイド発生の抑制や機械的強度の向上により、誘電体の耐電圧特性向上の効果がある。
【0062】
ガラスセラミック組成物中において、無機酸化物粉末が5質量%未満では、前述の効果は期待できない。また、30質量%を超えると、無機酸化物によりガラスの焼結が阻害されすぎて、逆に多数のボイドを生じ、緻密な隔壁や誘電体が得られない。
【0063】
シリカ、フォルステライトは、誘電率が低いことが知られ、これらを添加することで、特性の向上と、誘電率を下げる効果も有する。
【0064】
耐熱顔料は、Fe−Co−Cr複合酸化物系等の黒色顔料を用いることができる。
【0065】
無機酸化物粉末の粒度は、D50で10μm以下が望ましく、さらに望ましくは5μm以下が望ましい。これより大きいと、緻密な隔壁および誘電体を得られなくなる。
【0066】
ガラスセラミック組成物の熱膨張係数は、ガラス粉末と無機酸化物粉末の組成比により定まる。熱膨張係数は、50〜87×10−7の範囲が望ましい。ソーダライムガラス等の基板の熱膨張係数は、83〜87×10−7であり、この値に近接していなければ、焼成の際にディスプレイデバイスの反りを生じる。さらに、これらの値以下とすることにより、基板に圧縮をかけるので割れにくくなる。
【0067】
ガラスセラミック組成物の熱膨張係数は、ガラス粉末と無機酸化物粉末の組み合わせで制御可能である。シリカの熱膨張係数は55×10−7であり、熱膨張係数を下げる効果を有し、フォルステライトの熱膨張係数は95×10−7であり、熱膨張係数を上げる効果がある。
【0068】
シリカとして、石英ガラス粉末を用いることができる。シリカのうち、α−石英は相転位することが知られ、クリストバライト等に相転位すると、熱膨張係数は急激に変化し、熱膨張係数の変化により、隔壁や誘電体にクラックが生じることもある。石英ガラス粉末では、かかる事態は発生しない。石英ガラス粉末を用いても、本発明のその他の無機酸化物粉末と同様の効果を有し、熱膨張係数および誘電率の効果は、シリカ(α−石英)と変わるところはない。
【0069】
無機酸化物粉末は、1種類のみの選択に限定されるのではなく、複数種類を組み合わせることができる。隔壁や誘電体を白色にしたい場合は、TiO2を添加できる。また、誘電率を上昇させたいときは、TiO2の添加が効果的である。
【0070】
誘電率を10以下に抑えつつ、隔壁や誘電体を白色にしたい場合は、TiO2の添加量はガラスセラミック組成物中で3質量%以下にし、シリカ、フォルステライト等の無機酸化物粉末を併用すればよい。この場合、ガラスセラミック組成物中の無機酸化物粉末の総量を30質量%以下とすれば、本発明の目的を達成できる。
【0071】
本発明の厚膜ガラスペースト組成物は、本発明のガラスセラミック組成物に、樹脂および溶剤、その他の公知の添加物からなるビヒクルで構成される。
【0072】
ビヒクルは、エチルセルロース、アクリルおよびポリビニルブチラールからなる群から選択される1種類以上の樹脂と、これらを溶解するテルピノール、ジヒドロテルピノール、ブチルカルビトールアセテートおよびブチルカルビトール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレートからなる群から選択される1種類以上の溶剤とを必須の構成要素とする。
【0073】
PDP、VFDまたはFEDのペースト印刷(塗布)は、公知の方法、例えばスクリーン印刷、ダイコーター、ロールコーターで行うことができる。
【0074】
厚膜ガラスペースト組成物の粘度は、これらの印刷(塗布)装置に適応した粘度にあわせればよく、樹脂と溶剤の量により調整できる。
【0075】
厚膜ガラスペースト組成物には、消泡剤、分散剤などのように、厚膜ガラスペーストで公知の添加物を加えることができる。
【0076】
厚膜ガラスペースト組成物の製造には、ロールミル、ボールミルなどの公知の方法を用いることができる。
【0077】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0078】
(実施例1〜10、比較例1〜4)
ガラスの作成
ガラス粉末A〜Fは、表1に示す組成を、1300℃で溶融、急冷し、ボールミルで粉砕した。得られたガラス粉末の粒度は、マイクロトラック(登録商標)9320−X100型で測定し、ガラス転位点及び軟化点は、TG−DTA(セイコー電子社製、TG/DTA320型)で測定した。
【0079】
得られたガラス粉末のガラス転位点、軟化点、熱膨張係数および粒径を、表1に示す。
【0080】
ガラスペーストの作成
ビヒクルは、樹脂にエチルセルロース(平均分子量80000)10質量%、溶剤にテルピノール50質量%、ブチルカルビトールアセテート30質量%、可塑剤にジオクチルアジペート10質量%を混合し、60℃に加熱して得た。
【0081】
さらに、ガラス粉末および無機酸化物粉末を、表2の組成に配合して得られたガラスセラミック組成物に、ビヒクルを質量比で100対40で加え、ロールミルで混合して厚膜ガラスペースト組成物を得た。
【0082】
隔壁の焼成膜の緻密さの評価
厚膜ガラスペースト組成物を、ソーダライムガラス基板にギャップ700μmのアプリケーターで塗布し、120℃、保持時間30分のベルト式乾燥炉で乾燥し、膜厚150μmの乾燥膜を得た。この乾燥膜に、フォトレジストで200μm幅のマスクをし、研磨材にCaCO3を用いてサンドブラスト(不二製作所製、サンドブラスト装置)で研削した。これを、520℃、540℃、560℃、580℃のピーク温度保持時間30分のベルト式焼成炉で焼成し、断面をSEMで観察し、焼成膜の緻密さを評価した。測定結果を表2に示す。
【0083】
誘電率の評価
厚膜ガラスペースト組成物を、あらかじめ銀電極が印刷されたソーダライムガラス基板に、スクリーン印刷で印刷と乾燥を4回繰り返し、膜厚150μmの乾燥膜を得た。この乾燥膜を、560℃のピーク温度保持時間30分のベルト式焼成炉で焼成し、さらに、銀ペーストを500℃、保持時間5分のベルト式焼成炉で焼き付けた。得られた試料は、銀電極にガラスペースト焼成膜が挟まれた状態である。この試料を、Qメータ法(横河ヒューレットパッカード社製、4278A型)で誘電率を測定し、算出した。測定結果を表2に示す。
【0084】
耐電圧測定
厚膜ガラスペースト組成物を、あらかじめ銀電極が印刷されたソーダライムガラス基板に、スクリーン印刷で印刷して乾燥し、560℃のピーク温度保持時間30分のベルト式焼成炉で焼成して、膜厚20μmのガラスペースト焼成膜を得た。さらに、銀ペーストを500℃、保持時間5分のベルト式焼成炉で焼き付けた。得られた試料は、銀電極にガラスペースト焼成膜が挟まれた状態である。この試料に、定電圧電源で電圧を上昇させながら負荷し、絶縁破壊が発生する電圧を調査した。測定結果を表2に示す。
【0085】
熱膨張係数の測定
厚膜ガラスペースト組成物の無機成分のみを配合し、ダイスで成形し、570℃のボックス式焼成炉で30分、焼成して、直径4mm、長さ10mmの円筒を得た。TMA(セイコー電子社製、TMA320型)で、この円筒の熱膨張係数(温度50℃〜350℃、昇温速度10℃/分)を測定した。
【0086】
測定結果を表2に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
実施例1から10において、ガラス粉末A〜Dの軟化点が540℃〜580℃の温度範囲であり、緻密な焼結体で良好な隔壁が焼成でき、得られる焼成膜の誘電率は10未満であり、耐電圧特性も1000Vを確保できた。
【0090】
一方、比較例1によれば、無機酸化物粉末の含有率が少なすぎて、適切な焼成温度域が見られず、耐電圧も著しく劣っていた。比較例2によれば、無機酸化物粉末の含有率が多すぎて、緻密に焼成できなかった。比較例3および4は、ガラス粉末E、Fの組成が最適ではなく、緻密な焼成膜を得られなかった。
【0091】
【発明の効果】
本発明のガラスセラミック組成物は、ガラス成分に鉛やビスマス等の有害物質を含まなくても、ソーダライムガラス基板上に緻密な焼成膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なAC型PDPの構造の前面板および背面板を示す一部破断斜視図である。
【図2】VFDの構造を示す一部破断斜視図である。
【図3】FEDの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10a 前面板
10b 背面板
11 透明電極
12 バス電極
13 アドレス電極
14 MgO電極
15 誘電体膜
16 隔壁
17 蛍光体
21 フェイスガラス
22 ガラス電極
23 格子電極
24 セグメント電極
25 絶縁層
26 フィラメント
27 配線
28 端子
31a、31b ガラス基板
32 陽極
33 蛍光体
34 ゲート電極
35 スペーサー
36 エミッタ電極
37 抵抗層
38 カソード電極
B 青色
G 緑色
R 赤色
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)、蛍光表示管(以下、「VFD」という)およびフィールドエミッションディスプレイ(以下、「FED」という)の誘電体および隔壁の形成に用いるガラスセラミック組成物、および該ガラスセラミック組成物を用いた厚膜ガラスペースト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDPは、大型フラットディスプレイとして脚光を浴び、大型テレビ受像機として実現化され、広く用いられている。VFDは、文字や記号の表示デバイスとして、特に、自動車、オーディオ機器、デジタルマルチメータ等の計測器等の表示デバイスとして、用いられている。FEDは、将来、ブラウン管に代わるディスプレイデバイスとして、期待を集めている。
【0003】
図1は、一般的なAC型PDPの構造を示す一部破断斜視図である。説明のために一角を切断した状態で、中央で上下に分離して示し、さらに、一部を破断させて示した。
【0004】
PDPは、微少間隔を設けて、一対のガラス板(10a)、(10b)を対向させ、周囲を封着して放電空間を設け、放電により発生する紫外線で刺激発光する蛍光体により、映像を映す。PDPにおいて、映像が表示される側のガラス板(10a)を前面板と呼び、反対側のガラス板(10b)を背面板と呼ぶ。
【0005】
背面板(10b)には、ストライプ状の隔壁(16)が形成され、これらの隔壁(16)の間の凹部の底面には、隔壁(16)と平行に1本の電極(以下、アドレス電極という)(13)が形成され、アドレス電極(13)の表面を覆う誘電体膜(15)が形成される。さらに、これらの隔壁(16)の壁面などには、紫外線で励起する蛍光体(17)が塗付される。
【0006】
前面板(10a)には、ITO等により形成されるストライプ状の透明電極(11)と、該透明電極上に設けられ、銀等により形成された1本のバス電極(12)が配線される。このバス電極(12)を覆うように、ガラス等で構成され、可視光に透明である誘電体膜(15)が形成される。誘電体膜(15)を覆うように、MgO膜(14)が蒸着により形成される。
【0007】
以上のような構造のPDPを形成する方法において、銀で形成される電極、誘電体や隔壁等の形成方法には、既存の厚膜技術が用いられる。
【0008】
図2は、VFDの構造を示す一部破断斜視図である。説明のために、一部を破断させて示している。
【0009】
一般的なVFDは、フェイスガラス(21)とガラス基板(22)から構成される真空容器を持ち、真空容器中のフィラメント(26)より放出された電子を格子電極(23)で制御し、セグメント電極(24)に衝突せしめ、セグメント電極(24)上の蛍光体を刺激発光させ、文字、記号等を表示する。ガラス基板(22)に、表示部となるセグメント電極(24)が形成されるように、端子(28)からセグメント電極(24)への信号を伝達する配線(27)と、該配線(27)とセグメント電極(24)との間を絶縁する絶縁層(25)が配置される。
【0010】
以上のような構造のVFDを形成する方法において、電極や絶縁層の形成方法には、既存の厚膜技術が多く用いられる。セグメント電極(24)への配線(27)は、厚膜銀ペーストで形成することが多く、これらを覆う絶縁層(25)は、厚膜ガラスペーストによる誘電体であり、セグメント電極(24)は、グラファイトを主成分とする厚膜ガラスペーストで形成される。なお、セグメント電極(24)と配線(27)の導通を確保するため、絶縁層(25)にはスルーホールが形成されるように印刷する。
【0011】
図3は、FEDの構造を示す断面図である。図3は、図面の左右方向に連続する内の一部のみを示した。
【0012】
FEDは、対向する2枚のガラス基板(31a)、(31b)で構成される真空容器の一方のガラス基板(31b)に、電子を放出する電子放出素子(36)を形成し、放出された電子を他方のガラス基板(31a)上の蛍光体(33)に衝突せしめ、刺激発光させる。電子放出素子(36)が形成されたガラス基板(31b)には、電子放出素子(36)への信号を送る配線(38)と、該配線(38)を覆う誘電体(37)と、スペーサー(35)上に設けられるゲート電極(34)が、形成される。電子放出素子(36)は、スペーサー(35)が設けられていない個所に設けられる。
【0013】
FEDの各構成要素の形成方法には、薄膜技術を多用するが、誘電体は厚膜技術により形成される。
【0014】
PDP、VFDおよびFEDは、ガラス基板に高歪点ガラス(例えば、旭硝子社製、PD−200)や、ソーダライムガラスが用いられるため、デバイスの寸法安定性の見地から、厚膜の焼成温度は高くても600℃であり、望ましくは580℃以下である。
【0015】
さらに、PDP、VFDおよびFEDとも、作製・加工したガラス基板等を封着して真空容器とする工程がある。該工程では、450℃に加熱し、封着用のガラスセラミックス材料を溶融し、封着して行う。しかし、隔壁または誘電体が軟化変形することは、デバイスの寸法安定性確保の見地から認められない。従って、厚膜中のガラス成分のガラス転位点を、450℃以上、望ましくは470℃以上とすることで、隔壁または誘電体が軟化変形するという事態を防ぐことができるが、そのようなガラス転位点を有するガラス成分を含む厚膜の焼成温度は、500℃以上、望ましくは520℃以上としなければ、緻密な焼成膜が得られない。
【0016】
従って、厚膜の焼成温度は、500〜600℃、望ましくは520〜580℃であり、厚膜中のガラス成分の軟化点をこの温度範囲にしなければ、隔壁および誘電体に適した緻密な焼成膜が得られないこととなる。
【0017】
従来は、有害物である鉛、ビスマスやバリウムを厚膜中に含有させて、軟化点を前記の温度範囲内に収めていた。例えば、特開平8−119725号公報に記載のガラスセラミックス組成物、特開平11−60273号公報に記載のプラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料、または特開2000−001334号公報に記載のガラスペースト組成物には、鉛が含有される。さらに、特開平9−268026号公報に記載の絶縁用ガラス組成物、または特開平9−283035号公報に記載のプラズマディスプレイには、ビスマスが含有される。
【0018】
ガラス組成物に含まれるこれらの有害物は、ガラス組成物が使われたディスプレイデバイスが廃棄されるときはもちろん、ディスプレイデバイスを製造する際も、廃棄物として地球環境に放出され、土壌、地下水、河川等の汚染、公害などの環境問題を引き起こすという問題があった。
【0019】
また、ガラスセラミック材料のガラス基板は、広く絶縁体として用いられるが、誘電体としての機能も有し、電極に挟むことによりコンデンサとして機能する。
【0020】
しかし、PDPでは、積極的に電荷をチャージさせるように、ガラスセラミック材料を誘電体に用いる個所もあるが、そのような箇所はごく一部であり、その他の多くの絶縁体にチャージした電荷は、発光には何らの寄与はせず、電力を消費するのみである。従って、電荷のチャージを目的としない箇所の絶縁体にチャージする電荷を低く抑えることが、ディスプレイデバイスの消費電力の観点から望ましい。VFDおよびFEDの材料も同様である。
【0021】
さらに、絶縁体にチャージする電荷量は、絶縁体の誘電率が大きくなると増加し、前述のように、ガラスセラミック材料は誘電体として知られるが、特に、鉛、ビスマスやバリウムを含むガラスセラミック材料は、含有される鉛、ビスマスやバリウムの影響で、誘電率が高く、鉛、ビスマスやバリウムを含む従来のガラスセラミック材料の誘電率は、10を優に超える値を示す。従来は、このように高い誘電率を下げることができず、その結果、ディスプレイデバイスの消費電力が増大する問題を生じていた。
【0022】
かかる課題を解決するために、鉛やビスマスを含まないガラスセラミック組成物として、P2O5−SiO2−ZnO系ガラスが、特開平8−301631号公報および特開2000−128570号公報に開示されているが、耐水性および耐薬品性が劣り、実用には適さないという問題があった。
【0023】
また、鉛やビスマスを含まず、誘電率を下げたガラスとして、SiO2−B2O3−ZnO系ガラスが、特開平9−283035号公報に開示されているが、開示された組成範囲には耐水性が極端に劣る範囲があり、実用に適さないという問題があった。
【0024】
また、SiO2−B2O3−ZnO系ガラスは、特開2000−226232号公報にも開示されているが、ZnOの含有率が多すぎて、均質なガラスを得ることが困難であった。均質なガラスが得られないと、ディスプレイデバイスの構成材料を均質とすることができず、ディスプレイデバイスの誤動作等につながるという問題があった。
【0025】
また、特開2000−313635号公報に開示されるSiO2−B2O3−ZnO系ガラスの組成範囲には、耐水性が極端に劣る範囲があり、実用に適さないという問題があった。
【0026】
また、特開2001−163635号公報にも、SiO2−B2O3−ZnO系ガラスの使用が開示されているが、範囲が特定できず、所望のガラスを得ることが困難であるという問題があった。
【0027】
鉛やビスマスを含まず、アルカリ金属酸化物も含まないガラスとして、SiO2−B2O3−BaO系ガラスが、特開2000−327367号公報に開示されているが、かかるガラスは軟化点が高すぎて、PDP等の用途には適さない。
【0028】
特開2000−001334号公報には、隔壁材料に適した無機酸化物含有量が開示されているが、併用されるガラスが鉛を含むガラスであり、鉛やビスマスを含まないガラスとの最適な組み合わせは開示されていない。
【0029】
特開2002−190255号公報では、鉛やビスマスを含まないガラスにも適した無機酸化物と、その配合量が開示され、α−石英やクリストバライトを必須の構成要素としている。クリストバライトは、ガラス基板に対して熱膨張係数が1桁高い。また、α−石英は、クリストバライトに相転位するが、相転位は急激な熱膨張係数の変化を伴うことが知られ、隔壁や誘電体の材料の熱膨張係数が基板に追従しなくなり、結果として、ディスプレイデバイスにクラックなどの不具合を発生せしめることから不適切である。
【0030】
【特許文献1】
特開平8−119725号公報
【0031】
【特許文献2】
特開平8−301631号公報
【0032】
【特許文献3】
特開平9−268026号公報
【0033】
【特許文献4】
特開平9−283035号公報
【0034】
【特許文献5】
特開平11−60273号公報
【0035】
【特許文献6】
特開2000−001334号公報
【0036】
【特許文献7】
特開2000−128567号公報
【0037】
【特許文献8】
特開2000−226232号公報
【0038】
【特許文献9】
特開2000−313635号公報
【0039】
【特許文献10】
特開2000−327370号公報
【0040】
【特許文献11】
特開2001−163635号公報
【0041】
【特許文献12】
特開2002−190255号公報
【0042】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有害な鉛やビスマスを含まないで、ソーダライムガラス上に緻密な焼成膜を得ることができるガラスセラミック組成物、および有害物を含まない厚膜ガラスペースト組成物を提案する。
【0043】
【課題を解決するための手段】
本発明のガラスセラミックス組成物の一態様では、無機酸化物粉末が5〜30質量%と、残部がガラス粉末とからなり、前記無機酸化物粉末は、アルミナ、シリカ、フォルステライト、ジルコニア、ジルコン、チタニアおよび耐熱無機顔料からなる群から選択された1種類以上からなり、前記ガラス粉末は、酸化物換算で、SiO2:3〜30質量%、B2O3:20〜45質量%、ZnO:20〜45質量%、アルカリ金属の酸化物:5〜20質量%から実質的になり。前記アルカリ金属の酸化物は、K2O、Na2OおよびLi2Oからなる群から選択された1種類以上である。
【0044】
さらに、前記ガラス粉末に、酸化物換算で、ZrO2:10質量%以下を含むことが好ましい。
【0045】
さらに、前記ガラス粉末に、酸化物換算で、Al2O3:10質量%以下を含むことが好ましい。
【0046】
本発明のガラスセラミック組成物により、プラズマディスプレイの誘電体または隔壁、あるいは両者、蛍光表示管の誘電体または隔壁、あるいは両者、フィールドエミッションディスプレイの誘電体または隔壁、あるいは両者を成形する。
【0047】
本発明の厚膜ガラスペースト組成物は、前記ガラスセラミック組成物に、ビヒクルを混合して得られる。
【0048】
【発明の実施の形態】
ディスプレイデバイスの隔壁や誘電体には緻密さが要求され、隔壁に多数のボイドがあると、ディスプレイデバイスの気密性、機械的強度等に問題を生じる。これらを形成するガラスセラミック材料に関し、本発明者らは鋭意研究を重ねる過程で、緻密な隔壁や誘電体が実現できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0049】
ガラス粉末の組成中、SiO2は必須の構成要素であり、ガラスセラミック組成物のネットワークフォーマーである。3質量%未満では、ガラスセラミック組成物の耐水性や耐薬品性が劣り、30質量%を超えると、軟化点が高くなり、所望の軟化点が得られない。
【0050】
ガラス粉末の組成中、B2O3は必須の構成要素であり、軟化点を下げ、流動性を増加し、ガラスセラミック組成物を安定させる効果がある。20質量%未満では、軟化点が高くなり、所望の軟化点が得られない。45質量%を超えると、軟化点が低くなり、所望の軟化点が得られないとともに、ガラスセラミック組成物の耐水性や耐薬品性が劣る結果となる。
【0051】
ガラス粉末の組成中、ZnOは必須の構成要素であり、軟化点を下げ、熱膨張係数を適宜に調整する効果がある。20質量%未満では、所望の軟化点が得られず、45質量%を超えると、均質なガラス化を困難とする。
【0052】
ガラス粉末の組成中、アルカリ金属酸化物は必須の構成要素であり、軟化点を下げ、流動性を増す効果を有するとともに、熱膨張係数を上昇させる。5質量%未満では、軟化点が高くなりすぎ、所望の軟化点を得ることができず、20質量%を超えると、熱膨張係数が大きくなり、ソーダライムガラス等を基板とするには不適切となるばかりではなく、ガラス転位点および軟化点も低くなり、所望のガラスセラミック組成物が得られなくなる。
【0053】
ガラス粉末の組成中、ZrO2は、必須の構成要素ではないが、耐水性や耐薬品性を高める効果がある。しかし、10質量%を超えると、軟化点を上昇させ、所望の軟化点が得られない。
【0054】
ガラス粉末の組成中、アルカリ土類酸化物(CaO、SrO)は、軟化点を下げ、流動性を増加し、熱膨張係数を適宜に調整する効果を有する。3質量%未満では、効果が望めず、所望の軟化点が得られず、40質量%を超えると、熱膨張係数が上昇する。アルカリ土類酸化物のうち、BaOは誘電率を上げる効果があるが、有害であることから含まないことが望ましい。
【0055】
ガラス粉末の組成中、Al2O3は必須の構成要素ではないが、耐水性、耐薬品性向上の効果がある。しかし、10質量%を超えると、軟化点が高くなり、所望の軟化点が得られない。
【0056】
ガラス粉末の粒度は、D50で10μm以下が望ましく、さらに望ましくは5μm以下である。D50で10μmより大きいと、緻密な隔壁および誘電体を得られなくなる。所望の粒度のガラス粉末を得るには、ボールミル、ジェットミル等の公知の粉砕方法を用いることができる。ガラス粉末の粒度の確認は、公知の粒度解析計(例えば、「マイクロトラック」(登録商標))を用いることができる。なお、D50は、累積粒度分布と粒径との関係で累積粒度が50%となる粒径をいい、粒度のメジアン値にあたる。
【0057】
無機酸化物粉末は、アルミナ、シリカ、フォルステライト、ジルコニア、ジルコン、チタニアおよび耐熱無機顔料からなる群から選択された1種類以上で、無機酸化物粉末を加えることが、ガラスセラミック組成物の機械的強度の向上になる。
【0058】
焼成過程では、緻密な焼成膜が形成される温度よりも高い温度で焼成される(過剰に焼成される)と、気泡(ボイド)が発生しやすくなる。ボイドの発生は、ガラス粉末の溶融による粘性低下に起因すると考えられる。無機酸化物の添加は、焼成過程でガラス粉末の焼結を阻害し、これにより、ガラス粉末の焼成が過剰になっても、気泡などのボイドの発生を抑制できるが、ボイドを発生させずに、焼成ができる温度域は狭い。
【0059】
特に、本発明のガラスセラミック組成物におけるガラス粉末のように、鉛やビスマスを含むガラス組成物よりも、ガラスセラミック組成物の粘性を下げる成分のB2O3やアルカリ金属の酸化物を多く含有すると、ボイドが発生せずに、焼成が可能な温度域がさらに狭くなる。
【0060】
また、PDPやFEDなどの大型ディスプレイパネル用の焼成炉は、炉内の温度を完全に均一することが困難である。従って、ピンポイントに過ぎない焼成温度を有する最適領域の材料を、かかる焼成炉で焼成すると、部分的に焼成が過剰となる部位や、焼成が不足する部位が生じ、その結果、焼成膜には焼成過剰によるボイドの多い部位と、焼成不足によるボイドが多い部位とが発生し、全体として緻密な焼成膜が得られなくなる。
【0061】
以上のように、本発明により、緻密に焼成可能で、ボイドが発生しない温度領域を広く取れる障壁材料および誘電体材料を提供できることは、ディスプレイデバイスの生産性向上にも適う。また、ボイド発生の抑制や機械的強度の向上により、誘電体の耐電圧特性向上の効果がある。
【0062】
ガラスセラミック組成物中において、無機酸化物粉末が5質量%未満では、前述の効果は期待できない。また、30質量%を超えると、無機酸化物によりガラスの焼結が阻害されすぎて、逆に多数のボイドを生じ、緻密な隔壁や誘電体が得られない。
【0063】
シリカ、フォルステライトは、誘電率が低いことが知られ、これらを添加することで、特性の向上と、誘電率を下げる効果も有する。
【0064】
耐熱顔料は、Fe−Co−Cr複合酸化物系等の黒色顔料を用いることができる。
【0065】
無機酸化物粉末の粒度は、D50で10μm以下が望ましく、さらに望ましくは5μm以下が望ましい。これより大きいと、緻密な隔壁および誘電体を得られなくなる。
【0066】
ガラスセラミック組成物の熱膨張係数は、ガラス粉末と無機酸化物粉末の組成比により定まる。熱膨張係数は、50〜87×10−7の範囲が望ましい。ソーダライムガラス等の基板の熱膨張係数は、83〜87×10−7であり、この値に近接していなければ、焼成の際にディスプレイデバイスの反りを生じる。さらに、これらの値以下とすることにより、基板に圧縮をかけるので割れにくくなる。
【0067】
ガラスセラミック組成物の熱膨張係数は、ガラス粉末と無機酸化物粉末の組み合わせで制御可能である。シリカの熱膨張係数は55×10−7であり、熱膨張係数を下げる効果を有し、フォルステライトの熱膨張係数は95×10−7であり、熱膨張係数を上げる効果がある。
【0068】
シリカとして、石英ガラス粉末を用いることができる。シリカのうち、α−石英は相転位することが知られ、クリストバライト等に相転位すると、熱膨張係数は急激に変化し、熱膨張係数の変化により、隔壁や誘電体にクラックが生じることもある。石英ガラス粉末では、かかる事態は発生しない。石英ガラス粉末を用いても、本発明のその他の無機酸化物粉末と同様の効果を有し、熱膨張係数および誘電率の効果は、シリカ(α−石英)と変わるところはない。
【0069】
無機酸化物粉末は、1種類のみの選択に限定されるのではなく、複数種類を組み合わせることができる。隔壁や誘電体を白色にしたい場合は、TiO2を添加できる。また、誘電率を上昇させたいときは、TiO2の添加が効果的である。
【0070】
誘電率を10以下に抑えつつ、隔壁や誘電体を白色にしたい場合は、TiO2の添加量はガラスセラミック組成物中で3質量%以下にし、シリカ、フォルステライト等の無機酸化物粉末を併用すればよい。この場合、ガラスセラミック組成物中の無機酸化物粉末の総量を30質量%以下とすれば、本発明の目的を達成できる。
【0071】
本発明の厚膜ガラスペースト組成物は、本発明のガラスセラミック組成物に、樹脂および溶剤、その他の公知の添加物からなるビヒクルで構成される。
【0072】
ビヒクルは、エチルセルロース、アクリルおよびポリビニルブチラールからなる群から選択される1種類以上の樹脂と、これらを溶解するテルピノール、ジヒドロテルピノール、ブチルカルビトールアセテートおよびブチルカルビトール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレートからなる群から選択される1種類以上の溶剤とを必須の構成要素とする。
【0073】
PDP、VFDまたはFEDのペースト印刷(塗布)は、公知の方法、例えばスクリーン印刷、ダイコーター、ロールコーターで行うことができる。
【0074】
厚膜ガラスペースト組成物の粘度は、これらの印刷(塗布)装置に適応した粘度にあわせればよく、樹脂と溶剤の量により調整できる。
【0075】
厚膜ガラスペースト組成物には、消泡剤、分散剤などのように、厚膜ガラスペーストで公知の添加物を加えることができる。
【0076】
厚膜ガラスペースト組成物の製造には、ロールミル、ボールミルなどの公知の方法を用いることができる。
【0077】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0078】
(実施例1〜10、比較例1〜4)
ガラスの作成
ガラス粉末A〜Fは、表1に示す組成を、1300℃で溶融、急冷し、ボールミルで粉砕した。得られたガラス粉末の粒度は、マイクロトラック(登録商標)9320−X100型で測定し、ガラス転位点及び軟化点は、TG−DTA(セイコー電子社製、TG/DTA320型)で測定した。
【0079】
得られたガラス粉末のガラス転位点、軟化点、熱膨張係数および粒径を、表1に示す。
【0080】
ガラスペーストの作成
ビヒクルは、樹脂にエチルセルロース(平均分子量80000)10質量%、溶剤にテルピノール50質量%、ブチルカルビトールアセテート30質量%、可塑剤にジオクチルアジペート10質量%を混合し、60℃に加熱して得た。
【0081】
さらに、ガラス粉末および無機酸化物粉末を、表2の組成に配合して得られたガラスセラミック組成物に、ビヒクルを質量比で100対40で加え、ロールミルで混合して厚膜ガラスペースト組成物を得た。
【0082】
隔壁の焼成膜の緻密さの評価
厚膜ガラスペースト組成物を、ソーダライムガラス基板にギャップ700μmのアプリケーターで塗布し、120℃、保持時間30分のベルト式乾燥炉で乾燥し、膜厚150μmの乾燥膜を得た。この乾燥膜に、フォトレジストで200μm幅のマスクをし、研磨材にCaCO3を用いてサンドブラスト(不二製作所製、サンドブラスト装置)で研削した。これを、520℃、540℃、560℃、580℃のピーク温度保持時間30分のベルト式焼成炉で焼成し、断面をSEMで観察し、焼成膜の緻密さを評価した。測定結果を表2に示す。
【0083】
誘電率の評価
厚膜ガラスペースト組成物を、あらかじめ銀電極が印刷されたソーダライムガラス基板に、スクリーン印刷で印刷と乾燥を4回繰り返し、膜厚150μmの乾燥膜を得た。この乾燥膜を、560℃のピーク温度保持時間30分のベルト式焼成炉で焼成し、さらに、銀ペーストを500℃、保持時間5分のベルト式焼成炉で焼き付けた。得られた試料は、銀電極にガラスペースト焼成膜が挟まれた状態である。この試料を、Qメータ法(横河ヒューレットパッカード社製、4278A型)で誘電率を測定し、算出した。測定結果を表2に示す。
【0084】
耐電圧測定
厚膜ガラスペースト組成物を、あらかじめ銀電極が印刷されたソーダライムガラス基板に、スクリーン印刷で印刷して乾燥し、560℃のピーク温度保持時間30分のベルト式焼成炉で焼成して、膜厚20μmのガラスペースト焼成膜を得た。さらに、銀ペーストを500℃、保持時間5分のベルト式焼成炉で焼き付けた。得られた試料は、銀電極にガラスペースト焼成膜が挟まれた状態である。この試料に、定電圧電源で電圧を上昇させながら負荷し、絶縁破壊が発生する電圧を調査した。測定結果を表2に示す。
【0085】
熱膨張係数の測定
厚膜ガラスペースト組成物の無機成分のみを配合し、ダイスで成形し、570℃のボックス式焼成炉で30分、焼成して、直径4mm、長さ10mmの円筒を得た。TMA(セイコー電子社製、TMA320型)で、この円筒の熱膨張係数(温度50℃〜350℃、昇温速度10℃/分)を測定した。
【0086】
測定結果を表2に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
実施例1から10において、ガラス粉末A〜Dの軟化点が540℃〜580℃の温度範囲であり、緻密な焼結体で良好な隔壁が焼成でき、得られる焼成膜の誘電率は10未満であり、耐電圧特性も1000Vを確保できた。
【0090】
一方、比較例1によれば、無機酸化物粉末の含有率が少なすぎて、適切な焼成温度域が見られず、耐電圧も著しく劣っていた。比較例2によれば、無機酸化物粉末の含有率が多すぎて、緻密に焼成できなかった。比較例3および4は、ガラス粉末E、Fの組成が最適ではなく、緻密な焼成膜を得られなかった。
【0091】
【発明の効果】
本発明のガラスセラミック組成物は、ガラス成分に鉛やビスマス等の有害物質を含まなくても、ソーダライムガラス基板上に緻密な焼成膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なAC型PDPの構造の前面板および背面板を示す一部破断斜視図である。
【図2】VFDの構造を示す一部破断斜視図である。
【図3】FEDの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10a 前面板
10b 背面板
11 透明電極
12 バス電極
13 アドレス電極
14 MgO電極
15 誘電体膜
16 隔壁
17 蛍光体
21 フェイスガラス
22 ガラス電極
23 格子電極
24 セグメント電極
25 絶縁層
26 フィラメント
27 配線
28 端子
31a、31b ガラス基板
32 陽極
33 蛍光体
34 ゲート電極
35 スペーサー
36 エミッタ電極
37 抵抗層
38 カソード電極
B 青色
G 緑色
R 赤色
Claims (7)
- 無機酸化物粉末が5〜30質量%と、残部がガラス粉末とからなるガラスセラミックス組成物であり、前記無機酸化物粉末は、アルミナ、シリカ、フォルステライト、ジルコニア、ジルコン、チタニアおよび耐熱無機顔料からなる群から選択された1種類以上からなり、前記ガラス粉末は、酸化物換算で、SiO2:3〜30質量%、B2O3:20〜45質量%、ZnO:20〜45質量%、アルカリ金属の酸化物:5〜20質量%から実質的になり、前記アルカリ金属の酸化物は、K2O、Na2OおよびLi2Oからなる群から選択された1種類以上であるガラスセラミックス組成物。
- 前記ガラス粉末に、酸化物換算で、ZrO2:10質量%以下をさらに含む請求項1に記載のガラスセラミックス組成物。
- 前記ガラス粉末に、酸化物換算で、Al2O3:10質量%以下をさらに含む請求項1または2に記載のガラスセラミックス組成物。
- プラズマディスプレイの誘電体または隔壁、あるいは両者を成形するための請求項1から3のいずれかに記載のガラスセラミック組成物。
- 蛍光表示管の誘電体または隔壁、あるいは両者を成形するための請求項1から3のいずれかに記載のガラスセラミック組成物。
- フィールドエミッションディスプレイの誘電体または隔壁、あるいは両者を成形するための請求項1から3のいずれかに記載のガラスセラミック組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載のガラスセラミック組成物に、ビヒクルを混合して得られる厚膜ガラスペースト組成物。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003028830A JP2004238247A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | ガラスセラミック組成物および厚膜ガラスペースト組成物 |
| KR1020040007311A KR100554248B1 (ko) | 2003-02-05 | 2004-02-04 | 유리 세라믹 조성물 및 후막 유리 페이스트 조성물 |
| CNB2004100036349A CN100366561C (zh) | 2003-02-05 | 2004-02-04 | 玻璃陶瓷组合物和厚膜玻璃浆组合物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003028830A JP2004238247A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | ガラスセラミック組成物および厚膜ガラスペースト組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004238247A true JP2004238247A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32956178
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003028830A Pending JP2004238247A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | ガラスセラミック組成物および厚膜ガラスペースト組成物 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004238247A (ja) |
| KR (1) | KR100554248B1 (ja) |
| CN (1) | CN100366561C (ja) |
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007048864A (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-22 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 蛍光体複合材料 |
| WO2007112340A3 (en) * | 2006-03-27 | 2007-12-21 | 3M Innovative Properties Co | Glass ceramic self-supporting film and process for its production |
| JP2008050233A (ja) * | 2006-08-28 | 2008-03-06 | Noritake Co Ltd | プラズマディスプレイパネル用無鉛ガラス組成物 |
| JP2008201593A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Asahi Glass Co Ltd | プラズマディスプレイパネル背面誘電体用ガラスセラミックス組成物 |
| JP2009035471A (ja) * | 2007-06-28 | 2009-02-19 | Asahi Glass Co Ltd | 電極付きガラス基板の製造方法 |
| JP2009040676A (ja) * | 2007-07-13 | 2009-02-26 | Asahi Glass Co Ltd | 電極付きガラス基板の製造方法 |
| WO2012017631A1 (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-09 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネル |
| JP2014231441A (ja) * | 2013-05-28 | 2014-12-11 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 導電性接合材、導電性接合材の製造方法 |
| JP2023067444A (ja) * | 2021-11-01 | 2023-05-16 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター | 加飾用ガラスフリット |
| JPWO2023095605A1 (ja) * | 2021-11-25 | 2023-06-01 |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100931291B1 (ko) * | 2008-01-14 | 2009-12-11 | 엘지전자 주식회사 | 플라즈마 디스플레이 패널 유전체용 조성물, 이를 포함하는플라즈마 디스플레이 패널 |
| CN102491645A (zh) * | 2011-12-08 | 2012-06-13 | 安徽鑫昊等离子显示器件有限公司 | 等离子显示面板用后介质玻璃粉、后介质浆料及其制备方法 |
| CN102791049B (zh) * | 2012-08-09 | 2014-04-16 | 舒定涛 | 晶瓷厚膜电热器件及其制作方法 |
| CN112500172B (zh) * | 2020-05-11 | 2021-10-01 | 深圳前海发维新材料科技有限公司 | 一种高软化点、低热膨胀系数、高耐磨、低热导率的玻璃复合材料在发动机气轮机中的应用 |
| KR102557687B1 (ko) * | 2021-03-19 | 2023-07-24 | 주식회사 베이스 | 유기 발광 표시장치 실링용 유리 조성물 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2995728B2 (ja) * | 1996-04-12 | 1999-12-27 | 日本電気硝子株式会社 | 低誘電率ガラス組成物 |
| JP2000226231A (ja) * | 1999-02-08 | 2000-08-15 | Okuno Chem Ind Co Ltd | 無鉛低融点ガラス組成物 |
| JP2000313635A (ja) * | 1999-04-26 | 2000-11-14 | Nippon Electric Glass Co Ltd | プラズマディスプレーパネル用材料 |
| CN1189411C (zh) * | 2002-07-12 | 2005-02-16 | 清华大学 | 一种低介电常数低损耗微晶玻璃陶瓷及其制备方法 |
-
2003
- 2003-02-05 JP JP2003028830A patent/JP2004238247A/ja active Pending
-
2004
- 2004-02-04 KR KR1020040007311A patent/KR100554248B1/ko not_active Expired - Fee Related
- 2004-02-04 CN CNB2004100036349A patent/CN100366561C/zh not_active Expired - Fee Related
Cited By (14)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007048864A (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-22 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 蛍光体複合材料 |
| WO2007112340A3 (en) * | 2006-03-27 | 2007-12-21 | 3M Innovative Properties Co | Glass ceramic self-supporting film and process for its production |
| JP2008050233A (ja) * | 2006-08-28 | 2008-03-06 | Noritake Co Ltd | プラズマディスプレイパネル用無鉛ガラス組成物 |
| JP2008201593A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Asahi Glass Co Ltd | プラズマディスプレイパネル背面誘電体用ガラスセラミックス組成物 |
| JP2009035471A (ja) * | 2007-06-28 | 2009-02-19 | Asahi Glass Co Ltd | 電極付きガラス基板の製造方法 |
| JP2009040676A (ja) * | 2007-07-13 | 2009-02-26 | Asahi Glass Co Ltd | 電極付きガラス基板の製造方法 |
| WO2012017631A1 (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-09 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネル |
| JP2014231441A (ja) * | 2013-05-28 | 2014-12-11 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 導電性接合材、導電性接合材の製造方法 |
| JP2023067444A (ja) * | 2021-11-01 | 2023-05-16 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター | 加飾用ガラスフリット |
| JP7821384B2 (ja) | 2021-11-01 | 2026-02-27 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター | 加飾用ガラスフリット |
| JPWO2023095605A1 (ja) * | 2021-11-25 | 2023-06-01 | ||
| WO2023095605A1 (ja) * | 2021-11-25 | 2023-06-01 | 株式会社村田製作所 | ガラスセラミックス及び電子部品 |
| CN118284586A (zh) * | 2021-11-25 | 2024-07-02 | 株式会社村田制作所 | 玻璃陶瓷和电子部件 |
| JP7758056B2 (ja) | 2021-11-25 | 2025-10-22 | 株式会社村田製作所 | ガラスセラミックス及び電子部品 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| CN100366561C (zh) | 2008-02-06 |
| KR20040071081A (ko) | 2004-08-11 |
| CN1522980A (zh) | 2004-08-25 |
| KR100554248B1 (ko) | 2006-02-24 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3827987B2 (ja) | 無鉛ガラスフリット | |
| KR100301661B1 (ko) | 플라즈마표시장치용유전체조성물 | |
| KR100554248B1 (ko) | 유리 세라믹 조성물 및 후막 유리 페이스트 조성물 | |
| KR100605755B1 (ko) | 플라즈마 표시장치용 유전체 조성물 | |
| US7298085B2 (en) | Composition of glass for plasma display panel and fabrication method thereof | |
| KR100256970B1 (ko) | 봉착유리 조성물 | |
| KR101148826B1 (ko) | 혼합 분산제를 포함하는 페이스트 조성물 및 이를 채용한표시 소자 | |
| KR20000018344A (ko) | 플라즈마 표시장치용 격벽 조성물 및 격벽 제조방법 | |
| KR20060105443A (ko) | 유리 조성물 및 유리 페이스트 조성물 | |
| JP2005194120A (ja) | ガラスセラミック粉末組成物及びガラスペースト | |
| US7888870B2 (en) | Plasma display panel, method of producing the same, and sealing member | |
| US20070001608A1 (en) | Paste composition | |
| KR101417009B1 (ko) | 절연층을 형성하기 위한 무연 붕규산염 유리 프릿 및 그의 유리 페이스트 | |
| KR100747207B1 (ko) | 플라즈마 표시장치용 유전체 조성물 | |
| JP2004172250A (ja) | 厚膜抵抗体組成物、これを用いた厚膜抵抗体及びその形成方法 | |
| KR100524777B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널 제조 방법 | |
| KR100266205B1 (ko) | 플라즈마 표시장치용 유전체 조성물 | |
| JP2008214144A (ja) | 誘電体組成物とこの誘電体組成物を用いた誘電体および誘電体ペースト | |
| KR100268587B1 (ko) | 플라즈마 표시장치용 유전체 조성물 | |
| KR100658732B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이패널의 진공 봉착용 유리 조성물 | |
| JP2001146436A (ja) | 蛍光表示管用絶縁材料及び隔壁材料 | |
| JP2005097084A (ja) | ガラスペースト及びその製造方法 | |
| KR100322605B1 (ko) | 플라즈마표시장치용유전체조성물 | |
| JP4017816B2 (ja) | プラズマディスプレイの製造方法 | |
| KR20060116117A (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널의 제조방법 |
