JP2004238475A - シール用ゴム組成物およびシール - Google Patents
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Abstract
【課題】着色を容易に施し得、かつ良好な耐摩耗性を有するシール、およびそのためのゴム組成物を提供する。
【解決手段】ニトリルゴムにホワイトカーボンおよびシランカップリング剤を添加してなるシール用ゴム組成物、およびそれを成形してなるシール。
【選択図】 なし
【解決手段】ニトリルゴムにホワイトカーボンおよびシランカップリング剤を添加してなるシール用ゴム組成物、およびそれを成形してなるシール。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールおよびそのためのゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、耐油性の要求される部分の密封に、ニトリルゴム(NBR)を主体成分とするゴム組成物を成形してなるシールが多く使用されている。上記用途に用いられるシールは、ゴムとしての良好な機械的特性を有するものであるのは勿論であるが、相手部材と摺動するような場合、耐摩耗性に優れることも要求される。従来、NBRを用いたシール用ゴム組成物においては、NBRの耐摩耗性を向上させるため、充填剤としてカーボンブラックを配合するのが一般的であった。このようなカーボンブラックを配合したゴム組成物を用いると、このカーボンブラックの色に起因してシールの色味は黒色のみとなる。
【0003】
そこで、充填剤としてカーボンブラックの代わりにホワイトカーボンを用いることが検討されている。すなわち、NBRにホワイトカーボンを配合し、これにさらに顔料を配合することによって様々に着色されたシール(カラーシール)が製造されている。しかし、このホワイトカーボンを配合したシールでは、上記カーボンブラックを配合したシールと比較して耐摩耗性が悪いという問題があり、かかるホワイトカーボンを配合したシールにおいてカーボンブラックを配合した場合と同等以上の耐摩耗性を有するシールの開発が要求されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−062328号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、着色を容易に施し得、かつ良好な耐摩耗性を有するシール、およびそのためのゴム組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)ニトリルゴムにホワイトカーボンおよびシランカップリング剤を添加してなるシール用ゴム組成物。
(2)さらに、顔料が添加されてなることを特徴とする上記(1)に記載のゴム組成物。
(3)シランカップリング剤がメルカプトシランであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のゴム組成物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物を成形したものであるシール。
(5)相手部材と摺動するように使用されるものである、上記(4)に記載のシール。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ニトリルゴム(NBR)にホワイトカーボンおよびシランカップリング剤を添加してなるシール用ゴム組成物である。本発明のゴム組成物によれば、着色を容易に施し得、かつ充填剤としてカーボンブラックを配合していた従来のシールと同等かあるいはそれ以上の良好な耐摩耗性を有するシールを実現することができる。すなわち、上記ゴム組成物を成形して得られたゴム成形物である本発明のシールは、たとえば図1に模式的に示す装置を用いて後述するようにして測定された耐摩耗性が0.1mm以下である。また本発明のシールは、JISK 6262−1997の規定に準拠して測定された圧縮永久歪みが、10%〜30%程度というように優れたシール性を呈するための良好な圧縮永久歪みを有する。
このような本発明のシールによれば、後述するように適宜の顔料を配合することで、良好な耐摩耗性、シール性を呈するカラーシールを実現することができる。
【0008】
本発明におけるNBRとしては、ブタジエンゴムとアクリロニトリルの共重合により得られるゴム状物質であれば特に限定はなく、たとえば、ニトリル−共役ジエン共重合ゴム、ニトリル−共役ジエン−エチレン性不飽和モノマー三元共重合ゴム、ニトリル−エチレン性不飽和モノマー系共重合ゴムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このようなNBRの具体例として、ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、イソプレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、イソプレン−アクリロニトリル共重合ゴムなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。これらのNBRは通常の重合手段によって得られるが、その手段も特別の限定はない。
【0009】
本発明におけるNBRは、その結合アクリロニトリル量に特に制限はないが、31重量%〜36重量%であるのが好ましい。
【0010】
このようなNBRは、従来公知の手法によって適宜製造することができ、また市販のもの、例えば、ニポールDN202(日本ゼオン社製)、ニポールDN202H(日本ゼオン社製)などを用いてもよい。
【0011】
本発明に用いるホワイトカーボンは、二酸化ケイ素を主体としたゴム用充填材であり、一般的にシリカとして知られており、具体的には乾式法シリカ、湿式法シリカ、合成ケイ酸塩系シリカなどが挙げられ、本発明においては特に制限なく使用することができる。
【0012】
本発明に用いるホワイトカーボンの平均粒径は特に制限されるものではないが、10μm〜50μmの範囲内であるのが好ましい。ホワイトカーボンの平均粒径が10μm未満であると、NBR中への分散性が低下する傾向にあるためであり、また、ホワイトカーボンの平均粒径が50μmを越えると、耐摩耗性が向上し難くなる傾向にあるためである。上記平均粒径は、公知の測定方法、測定機器を適用して測定すればよい。
【0013】
本発明のゴム組成物におけるホワイトカーボンの添加量に特に制限はないが、耐摩耗性と圧縮永久歪みの特性のバランスから、NBR100重量部に対し100重量部〜200重量部であるのが好ましく、110重量部〜170重量部であるのがより好ましい。ホワイトカーボンの添加量がNBR100重量部に対し100重量部未満であると、耐摩耗性が低下する虞があるためであり、またホワイトカーボンの添加量がNBR100重量部に対し200重量部を越えると、圧縮永久歪みが大きくなる虞があるためである。
【0014】
このようなホワイトカーボンは、従来公知の手法によって適宜製造することができ、また市販のもの、例えば、ニップシールVN−3(日本シリカ工業社製)、デキシークレー(バンダービルト社製)、min−u−sil(U.S. Silica Company製)などを用いてもよい。
【0015】
本発明に用いられるシランカップリング剤としては、従来公知の種々のシランカップリング剤、たとえば、メルカプトシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ノルマルヘキシルトリメトキシシランなどから選ばれる少なくとも1種を、加硫系に応じて制限なく用いることができる。たとえば含硫黄加硫を用いた場合には、メルカプトシランが好ましい。
【0016】
本発明のゴム組成物におけるシランカップリング剤の添加量に特に制限はないが、NBR100重量部に対し0.5重量部〜10重量部であるのが好ましく、1重量部〜3重量部であるのがより好ましい。シランカップリング剤の添加量がNBR100重量部に対し0.5重量部未満であると、耐摩耗性が低下する虞があるためであり、またシランカップリング剤の添加量がNBR100重量部に対し10重量部を越えると、伸び特性が低下する虞があるためである。
【0017】
このようなシランカップリング剤は、従来公知の手法によって適宜製造することができ、また市販のもの、例えば、A−189(日本ユニカー社製)などを用いてもよい。
【0018】
本発明におけるゴム組成物は、顔料を添加すると、所望の着色を施したシール(カラーシール)を実現することができ、好ましい。本発明のゴム組成物に配合できる顔料としては、特に制限はない。
【0019】
本発明のゴム組成物における顔料の添加量に特に制限はなく、標準的な量であればよい。
【0020】
本発明のゴム組成物においては、さらに架橋剤として硫黄を配合することが好ましい。硫黄の配合量に特に制限はなく、標準的な配合量であればよい。硫黄は、通常、NBR100重量部に対し0.1重量部〜2重量部配合される。
【0021】
本発明のシールは、上述のように配合されたゴム組成物を成形して得られたゴム成形物して製造される。該ゴム成形物は、上記ゴム組成物を従来公知のインタミックス、ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機あるいはオープンロールなどを用いて混練した後、射出成形機、圧縮成形機、押出成形機などを用いて所望の形状に成形して得ることができる。ゴムの架橋は、たとえば150℃〜170℃で10分間〜30分間の一次加硫を行うというような条件が好ましい。
【0022】
本発明のシールの形状は特に限定されず、Oリング、パッキン、リップシール(軸シール)などその目的に応じて適宜選ばれる。またゴム成形物の大きさも特に限定はなく、目的に応じ適宜選ばれる。
【0023】
また本発明のシールは、上述したようにカーボンブラックを配合した従来のシールと同等かそれ以上に優れた耐摩耗性を有するものであるので、相手部材と摺動するように好適に使用できる。すなわち本発明のシールは、シールすべき相手部材がたとえば回転軸のような可動部材でありこれとゴム成形物が摺動するように使用されても、摩耗して厚みが薄くなってしまう部分がゴム成形物に生じにくく、良好なシール性を長寿命で実現できる。
【0024】
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲(着色の利点を阻害しない範囲)で充填剤としてカーボンブラックを配合してもよい。カーボンブラックを配合する場合には、上記観点より、0.01重量部〜1重量部配合されるのが好ましく、0.05重量部〜0.5重量部配合されるのがより好ましい。
【0025】
また本発明のゴム組成物には、必要に応じて、従来公知の架橋助剤、老化防止剤、滑剤、可塑剤などを適宜添加してもよい。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
下記配合比にて各成分をブレンドしてなるゴム組成物を調製した。
NBR 100重量部
ホワイトカーボン(平均粒径:20μm) 140重量部
シランカップリング剤 2重量部
架橋剤 1重量部
架橋助剤 7重量部
老化防止剤 2.5重量部
滑剤 2重量部
可塑剤 5重量部
顔料 0.2重量部
上記顔料としては、CyanineBlue BST EX(山陽色素株式会社製、色:青)を使用した。
上記組成物を、ニーダおよびオープンロールを用いて混合(ブレンド)した後、170℃で10分間の加硫を経て成形し、シールのサンプルを得た。
【0027】
実施例2
シランカップリング剤の配合量を6重量部とした以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0028】
実施例3
顔料にPMP DN30(大日精化株式会社製、色:赤)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0029】
実施例4
顔料にPigment yellow BB(山陽色素株式会社製、色:黄)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0030】
比較例1
シランカップリング剤を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0031】
比較例2
シランカップリング剤、ホワイトカーボンおよび顔料を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0032】
比較例3
ホワイトカーボンの代わりにカーボンブラックを配合したこと以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0033】
〔評価試験〕
得られた各サンプルについて、下記の評価試験を行った。
(1)耐摩耗性試験
図1に模式的に示すような装置を用いて、下記の条件で一定引張方式摩耗試験を行い、摩耗量を測定した。
・試料:円柱状(直径=6.3mm、高さ=8mm)
・相手金属板材料:SS400
・相手金属板表面粗さ:3.2S
・往復動方向:相手金属板の仕上げ方向と直角に往復動
・駆動速度:60cpm
・ストローク:10mm
・荷重:0.784MPa
・作動回数:10万サイクル
・潤滑の有無:無
・温度:常温(25℃)
摩耗量=[(W1−W2)/S]/A×103
〔W1:試験前の試料重量(g)、W2:試験後の試料重量(g)、S:試料の比重、A:試料の底面積(mm2)〕
の式にて、各摩耗量(mm)を算出し、摩耗量0.1mm以下のものを合格(○)とし、0.1mmを越えたものを不合格(×)と評価した。
【0034】
(2)圧縮永久歪み試験
JIS K 6262に規定される測定方法によって、100℃の環境で25%の圧縮率にて70時間圧縮し、各シールについて圧縮永久歪みを測定し、30%以下であったものを合格(○)とし、30%を越えたものを不合格(×)と評価した。
【0035】
(3)着色の評価
得られたシールの各サンプルにつき、目視により色を判別した。
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、着色を容易に施し得、かつ良好な耐摩耗性を有するシール、およびそのためのゴム組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐摩耗性試験に用いる装置を簡略化して示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールおよびそのためのゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、耐油性の要求される部分の密封に、ニトリルゴム(NBR)を主体成分とするゴム組成物を成形してなるシールが多く使用されている。上記用途に用いられるシールは、ゴムとしての良好な機械的特性を有するものであるのは勿論であるが、相手部材と摺動するような場合、耐摩耗性に優れることも要求される。従来、NBRを用いたシール用ゴム組成物においては、NBRの耐摩耗性を向上させるため、充填剤としてカーボンブラックを配合するのが一般的であった。このようなカーボンブラックを配合したゴム組成物を用いると、このカーボンブラックの色に起因してシールの色味は黒色のみとなる。
【0003】
そこで、充填剤としてカーボンブラックの代わりにホワイトカーボンを用いることが検討されている。すなわち、NBRにホワイトカーボンを配合し、これにさらに顔料を配合することによって様々に着色されたシール(カラーシール)が製造されている。しかし、このホワイトカーボンを配合したシールでは、上記カーボンブラックを配合したシールと比較して耐摩耗性が悪いという問題があり、かかるホワイトカーボンを配合したシールにおいてカーボンブラックを配合した場合と同等以上の耐摩耗性を有するシールの開発が要求されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−062328号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、着色を容易に施し得、かつ良好な耐摩耗性を有するシール、およびそのためのゴム組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)ニトリルゴムにホワイトカーボンおよびシランカップリング剤を添加してなるシール用ゴム組成物。
(2)さらに、顔料が添加されてなることを特徴とする上記(1)に記載のゴム組成物。
(3)シランカップリング剤がメルカプトシランであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のゴム組成物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物を成形したものであるシール。
(5)相手部材と摺動するように使用されるものである、上記(4)に記載のシール。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ニトリルゴム(NBR)にホワイトカーボンおよびシランカップリング剤を添加してなるシール用ゴム組成物である。本発明のゴム組成物によれば、着色を容易に施し得、かつ充填剤としてカーボンブラックを配合していた従来のシールと同等かあるいはそれ以上の良好な耐摩耗性を有するシールを実現することができる。すなわち、上記ゴム組成物を成形して得られたゴム成形物である本発明のシールは、たとえば図1に模式的に示す装置を用いて後述するようにして測定された耐摩耗性が0.1mm以下である。また本発明のシールは、JISK 6262−1997の規定に準拠して測定された圧縮永久歪みが、10%〜30%程度というように優れたシール性を呈するための良好な圧縮永久歪みを有する。
このような本発明のシールによれば、後述するように適宜の顔料を配合することで、良好な耐摩耗性、シール性を呈するカラーシールを実現することができる。
【0008】
本発明におけるNBRとしては、ブタジエンゴムとアクリロニトリルの共重合により得られるゴム状物質であれば特に限定はなく、たとえば、ニトリル−共役ジエン共重合ゴム、ニトリル−共役ジエン−エチレン性不飽和モノマー三元共重合ゴム、ニトリル−エチレン性不飽和モノマー系共重合ゴムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このようなNBRの具体例として、ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、イソプレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、イソプレン−アクリロニトリル共重合ゴムなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。これらのNBRは通常の重合手段によって得られるが、その手段も特別の限定はない。
【0009】
本発明におけるNBRは、その結合アクリロニトリル量に特に制限はないが、31重量%〜36重量%であるのが好ましい。
【0010】
このようなNBRは、従来公知の手法によって適宜製造することができ、また市販のもの、例えば、ニポールDN202(日本ゼオン社製)、ニポールDN202H(日本ゼオン社製)などを用いてもよい。
【0011】
本発明に用いるホワイトカーボンは、二酸化ケイ素を主体としたゴム用充填材であり、一般的にシリカとして知られており、具体的には乾式法シリカ、湿式法シリカ、合成ケイ酸塩系シリカなどが挙げられ、本発明においては特に制限なく使用することができる。
【0012】
本発明に用いるホワイトカーボンの平均粒径は特に制限されるものではないが、10μm〜50μmの範囲内であるのが好ましい。ホワイトカーボンの平均粒径が10μm未満であると、NBR中への分散性が低下する傾向にあるためであり、また、ホワイトカーボンの平均粒径が50μmを越えると、耐摩耗性が向上し難くなる傾向にあるためである。上記平均粒径は、公知の測定方法、測定機器を適用して測定すればよい。
【0013】
本発明のゴム組成物におけるホワイトカーボンの添加量に特に制限はないが、耐摩耗性と圧縮永久歪みの特性のバランスから、NBR100重量部に対し100重量部〜200重量部であるのが好ましく、110重量部〜170重量部であるのがより好ましい。ホワイトカーボンの添加量がNBR100重量部に対し100重量部未満であると、耐摩耗性が低下する虞があるためであり、またホワイトカーボンの添加量がNBR100重量部に対し200重量部を越えると、圧縮永久歪みが大きくなる虞があるためである。
【0014】
このようなホワイトカーボンは、従来公知の手法によって適宜製造することができ、また市販のもの、例えば、ニップシールVN−3(日本シリカ工業社製)、デキシークレー(バンダービルト社製)、min−u−sil(U.S. Silica Company製)などを用いてもよい。
【0015】
本発明に用いられるシランカップリング剤としては、従来公知の種々のシランカップリング剤、たとえば、メルカプトシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ノルマルヘキシルトリメトキシシランなどから選ばれる少なくとも1種を、加硫系に応じて制限なく用いることができる。たとえば含硫黄加硫を用いた場合には、メルカプトシランが好ましい。
【0016】
本発明のゴム組成物におけるシランカップリング剤の添加量に特に制限はないが、NBR100重量部に対し0.5重量部〜10重量部であるのが好ましく、1重量部〜3重量部であるのがより好ましい。シランカップリング剤の添加量がNBR100重量部に対し0.5重量部未満であると、耐摩耗性が低下する虞があるためであり、またシランカップリング剤の添加量がNBR100重量部に対し10重量部を越えると、伸び特性が低下する虞があるためである。
【0017】
このようなシランカップリング剤は、従来公知の手法によって適宜製造することができ、また市販のもの、例えば、A−189(日本ユニカー社製)などを用いてもよい。
【0018】
本発明におけるゴム組成物は、顔料を添加すると、所望の着色を施したシール(カラーシール)を実現することができ、好ましい。本発明のゴム組成物に配合できる顔料としては、特に制限はない。
【0019】
本発明のゴム組成物における顔料の添加量に特に制限はなく、標準的な量であればよい。
【0020】
本発明のゴム組成物においては、さらに架橋剤として硫黄を配合することが好ましい。硫黄の配合量に特に制限はなく、標準的な配合量であればよい。硫黄は、通常、NBR100重量部に対し0.1重量部〜2重量部配合される。
【0021】
本発明のシールは、上述のように配合されたゴム組成物を成形して得られたゴム成形物して製造される。該ゴム成形物は、上記ゴム組成物を従来公知のインタミックス、ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機あるいはオープンロールなどを用いて混練した後、射出成形機、圧縮成形機、押出成形機などを用いて所望の形状に成形して得ることができる。ゴムの架橋は、たとえば150℃〜170℃で10分間〜30分間の一次加硫を行うというような条件が好ましい。
【0022】
本発明のシールの形状は特に限定されず、Oリング、パッキン、リップシール(軸シール)などその目的に応じて適宜選ばれる。またゴム成形物の大きさも特に限定はなく、目的に応じ適宜選ばれる。
【0023】
また本発明のシールは、上述したようにカーボンブラックを配合した従来のシールと同等かそれ以上に優れた耐摩耗性を有するものであるので、相手部材と摺動するように好適に使用できる。すなわち本発明のシールは、シールすべき相手部材がたとえば回転軸のような可動部材でありこれとゴム成形物が摺動するように使用されても、摩耗して厚みが薄くなってしまう部分がゴム成形物に生じにくく、良好なシール性を長寿命で実現できる。
【0024】
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲(着色の利点を阻害しない範囲)で充填剤としてカーボンブラックを配合してもよい。カーボンブラックを配合する場合には、上記観点より、0.01重量部〜1重量部配合されるのが好ましく、0.05重量部〜0.5重量部配合されるのがより好ましい。
【0025】
また本発明のゴム組成物には、必要に応じて、従来公知の架橋助剤、老化防止剤、滑剤、可塑剤などを適宜添加してもよい。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
下記配合比にて各成分をブレンドしてなるゴム組成物を調製した。
NBR 100重量部
ホワイトカーボン(平均粒径:20μm) 140重量部
シランカップリング剤 2重量部
架橋剤 1重量部
架橋助剤 7重量部
老化防止剤 2.5重量部
滑剤 2重量部
可塑剤 5重量部
顔料 0.2重量部
上記顔料としては、CyanineBlue BST EX(山陽色素株式会社製、色:青)を使用した。
上記組成物を、ニーダおよびオープンロールを用いて混合(ブレンド)した後、170℃で10分間の加硫を経て成形し、シールのサンプルを得た。
【0027】
実施例2
シランカップリング剤の配合量を6重量部とした以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0028】
実施例3
顔料にPMP DN30(大日精化株式会社製、色:赤)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0029】
実施例4
顔料にPigment yellow BB(山陽色素株式会社製、色:黄)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0030】
比較例1
シランカップリング剤を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0031】
比較例2
シランカップリング剤、ホワイトカーボンおよび顔料を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0032】
比較例3
ホワイトカーボンの代わりにカーボンブラックを配合したこと以外は実施例1と同様にして、シールのサンプルを得た。
【0033】
〔評価試験〕
得られた各サンプルについて、下記の評価試験を行った。
(1)耐摩耗性試験
図1に模式的に示すような装置を用いて、下記の条件で一定引張方式摩耗試験を行い、摩耗量を測定した。
・試料:円柱状(直径=6.3mm、高さ=8mm)
・相手金属板材料:SS400
・相手金属板表面粗さ:3.2S
・往復動方向:相手金属板の仕上げ方向と直角に往復動
・駆動速度:60cpm
・ストローク:10mm
・荷重:0.784MPa
・作動回数:10万サイクル
・潤滑の有無:無
・温度:常温(25℃)
摩耗量=[(W1−W2)/S]/A×103
〔W1:試験前の試料重量(g)、W2:試験後の試料重量(g)、S:試料の比重、A:試料の底面積(mm2)〕
の式にて、各摩耗量(mm)を算出し、摩耗量0.1mm以下のものを合格(○)とし、0.1mmを越えたものを不合格(×)と評価した。
【0034】
(2)圧縮永久歪み試験
JIS K 6262に規定される測定方法によって、100℃の環境で25%の圧縮率にて70時間圧縮し、各シールについて圧縮永久歪みを測定し、30%以下であったものを合格(○)とし、30%を越えたものを不合格(×)と評価した。
【0035】
(3)着色の評価
得られたシールの各サンプルにつき、目視により色を判別した。
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、着色を容易に施し得、かつ良好な耐摩耗性を有するシール、およびそのためのゴム組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐摩耗性試験に用いる装置を簡略化して示す図である。
Claims (5)
- ニトリルゴムにホワイトカーボンおよびシランカップリング剤を添加してなるシール用ゴム組成物。
- さらに、顔料が添加されてなることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- シランカップリング剤がメルカプトシランであることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を成形したものであるシール。
- 相手部材と摺動するように使用されるものである、請求項4に記載のシール。
Priority Applications (1)
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| JP2003028712A JP2004238475A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | シール用ゴム組成物およびシール |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008523294A (ja) * | 2004-12-07 | 2008-07-03 | シエツフレル コマンディートゲゼルシャフト | 制御弁 |
| JP2012219230A (ja) * | 2011-04-13 | 2012-11-12 | Nok Corp | ニトリルゴム組成物 |
| CN113402888A (zh) * | 2021-06-25 | 2021-09-17 | 湖北迪曼特科技有限公司 | 一种隔垫、混炼胶及其制备方法 |
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2003
- 2003-02-05 JP JP2003028712A patent/JP2004238475A/ja active Pending
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