JP2004238531A - 硬質塩化ビニール樹脂シート及び包装体 - Google Patents

硬質塩化ビニール樹脂シート及び包装体 Download PDF

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Yuji Kawachi
優治 河内
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

【課題】顆粒状の薬品包装用として、シートに要求される帯電防止、帯電圧の減衰効果を向上させ、安定的に顆粒状の薬品の取り出しが可能な真空または圧空成形機用硬質塩化ビニール樹脂シートを提供する。
【解決手段】表面固有抵抗値1.0×1012以下、曇度20%以下、耐電圧減衰時間10秒以下の硬質塩ビニール樹脂シート。塩化ビニール樹脂100重量部に対し、グリセリンモノステアレート2.5〜5.0重量部、アルキルスルホン酸ナトリウム0.15〜1.00重量部を主成分とし、帯電防止剤添加の、厚みが0.1〜0.5mmであることが望ましい。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品包装の分野で、顆粒状薬品包装用途における、真空成形あるいは圧空成形機用硬質塩化ビニール樹脂シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医薬品包装の分野で、顆粒状薬品包装用として一般に用いられている包装材は透明性、成形性、腰の強さ、コスト面から主に硬質ポリ塩化ビニールからなるシートを底材として用い、該底材をポケット形状、容器形状に成形し、その中に顆粒状薬品を充填し、アルミ箔等からなる蓋材で密封した包装体であり、1960年代前半に実用化され広く普及してきたPTP(パックスルー包装体)の応用包装体である。
【0003】
内容物が顆粒状薬品である為、固形状錠剤と異なり、内容物の取り出し時に発生、帯電する静電気に影響され、顆粒状薬品が包装体に付着し、包装体から取り出しにくいという問題があった。帯電防止を付与するため、カチオン系、アニオン系、非イオン系の帯電防止剤を添加するが、カチオン系の帯電防止剤は、その効果には優れるものの、塩化ビニール系樹脂の分解を促進させることがあり、また塩ビ食品衛生協議会・JHP規格や米食品医薬品局(FDA)の適合しない物がその殆どである。そのため、塩ビ食品衛生協議会・JHP規格や米食品医薬品局(FDA)に適合した非イオン系、グリセリンモノステアレート等を帯電防止剤として添加し、静電気の影響を回避しようとしてきた。
【0004】
一般的なカレンダー加工による硬質塩化ビニール樹脂シートの場合、グリセリンモノステアレート等の添加量を多くしていくと、揮発量の増加を招き、カレンダー圧延工程で気泡の除去が有効に行えず、シートの外観に欠点を残す事となりやすい。また、生産された硬質塩化ビニール樹脂シートを使用し、包装体を作成し、顆粒状薬品を充填し、内容物を取り出す際の静電気の影響を調査すると、グリセリンモノステアレート等の添加量を多くしていく程の効果は期待できず、一部の顆粒状薬品が包装体に付着し、全ての顆粒状薬品が容易に取り出せないという問題が残っていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−49224号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、硬質塩化ビニール樹脂シートにおける前述の問題点を解決するため種々の検討を行った結果なされたもので、その目的とするところは、包装体素材として、成形条件範囲が広く、シワが発生せず、成形不良の発生しない、顆粒状薬品の取り出しが容易に行える、真空成形機、圧空成形機用硬質塩化ビニール樹脂シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1) 表面固有抵抗値1.0×1012以下、曇度20%以下、耐電圧減衰時間10秒以下の硬質塩ビニール樹脂シート。
(2) 塩化ビニール樹脂100重量部に対し、グリセリンモノステアレート2.5〜5.0重量部、アルキルスルホン酸ナトリウム0.15〜1.00重量部を主成分とする帯電防止剤添加の、厚みが0.1〜0.5mmである(1)の硬質塩化ビニール樹脂シート
(3) 塩化ビニール樹脂100重量部に対し、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを0.05〜0.50重量部添加した、(1)、(2)の硬質塩化ビニールシート。
(4) (1)〜(3)の硬質塩化ビニールシートを用いた包装体。
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の硬質塩化ビニール樹脂シートは、塩化ビニール樹脂の平均重合度、重合方法、安定剤の種類・添加量、補強剤の種類・添加量、滑剤の種類・添加量、その他、顔料、帯電防止剤以外の紫外線吸収剤等の機能性付与剤の種類・添加量に規定、限定されるものではない。
【0009】
本発明は、帯電防止剤の主成分の種類、添加量の調整により、塩ビ食品衛生協議会・JHP規格や米食品医薬品局(FDA)に適合した、顆粒状薬品の取り出しの際に静電気の影響を受けない硬質塩化ビニール樹脂シートである。
【0010】
錠剤のプッシュスルー包装においては、静電気の影響を受け難いが、粒径の小さい顆粒状の薬品は、静電気の影響を受けやすく、薬の取り出しの際に、包装材に貼りつき取り出しにくいという課題が発生する。
その課題を回避するため、帯電防止剤をシートに練りこむ。
【0011】
一般にカレンダーで製膜される硬質塩化ビニール樹脂シートで、塩ビ食品衛生協議会・JHP規格や米食品医薬品局(FDA)に適合し、帯電防止性を付与する際には、グリセリンモノステアレート、アルキルスルホン酸ナトリウムが良く使用される。モノグリセリンステアレートはカレンダー圧延加工において、滑剤として使用され、添加量を多くすると帯電防止剤として使用できる。しかし、グリセリンモノステアレートは揮発性が高く、カレンダー加工の際に気泡等の外観欠点の原因となることがあり、添加量には制限が出る。
一般的にモノグリセリンステアレートが帯電防止材として効果を有する為には、シート表面に成分が染み出してくる必要がある。グリセリンモノステアレートは、シート表面に成分が染み出して帯電防止効果を有する様になるが、その後、染み出し量が増加し配列して効果が減少してくることとなる。
また、モノグリセリンステアレートの添加のみでは、帯電した静電気の減衰が遅いという課題も有り、静電気が発生し顆粒状薬が包材に貼り付くと、顆粒状薬取り難くなる
【0012】
アルキルスルホン酸ナトリウムを成分とする帯電防止剤は、塩ビ食品衛生協議会・JHP規格において添加制限があり、その制限内の添加量であっても、多く添加すると硬質塩化ビニール樹脂シートの透明性を損ない、白濁が強くなる問題がある。
【0013】
滑剤効果と帯電防止効果のあるグリセリンモノステアレートの特性を生かし、不足する性能を補う為アルキルスルホン酸ナトリウムを併用し、安定した帯電防止性を得ることができる。しかしながら特許文献1記載のシートでは、一度静電気が発生し、帯電すると、耐電圧の減衰時間が長くかかり、顆粒状の薬品の場合、シートに薬品が付着し取り出しにくい。ところが、本発明者はグリセリンモノステアレートとアルキルスルホン酸ナトリウムの混合比により、帯電圧の減衰時間が効果的に短くなる領域を見出し、顆粒状の薬品の取り出し性が容易なシート、および包装体を得ることができた。
【0014】
塩化ビニール樹脂100重量部に対し、滑剤効果と帯電防止効果のあるグリセリンモノステアレートは2.5〜5.0重量部、アルキルスルホン酸ナトリウム0.15〜1.00重量部、望ましくは塩化ビニール樹脂100重量部に対し、グリセリンモノステアレートは3.0〜4.0重量部、アルキルスルホン酸ナトリウム0.2〜0.6重量部添加することにより、透明性を維持し帯電防止性能を確保できる。
【0015】
更に、グリセリンモノステアレートがシート表面に染み出し、その後、染み出し量が増加し配列して効果が減少してくることを防ぐ為、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー0.05〜0.50重量部添加、望ましくは0.2〜0.4重量部添加することにより効果の延長が期待できる。
【0016】
【実施例】
下記に示す原材料を主成分とする、厚み0.25mmのシートを作成した。
【0017】
Figure 2004238531
【0018】
【表1】
Figure 2004238531
【0019】
評価は、JIS K 6911に準拠し表面固有抵抗値、JIS K 6714に準拠し曇度、MIL−B−81705Cに準拠し帯電圧の減衰時間を測定した。
また、実用評価として、ブリスター成形し顆粒状物を充填し、その取り出し性を評価した。
実施例1〜実施例10は、帯電防止効果に優れ、顆粒状物の取り出し性についても良好な結果が得られた。比較例1〜比較例4においては、静電気の影響により顆粒状物の取り出し性が悪い結果となった。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、顆粒状の薬品包装用として、シートに要求される帯電防止、帯電圧の減衰効果を向上させることができるため、安定的に顆粒状の薬品の取り出しが可能な真空または圧空成形機用硬質塩化ビニール樹脂シートを提供することができ、有用である。

Claims (4)

  1. 表面固有抵抗値1.0×1012以下、曇度20%以下、耐電圧減衰時間10秒以下の硬質塩ビニール樹脂シート。
  2. 塩化ビニール樹脂100重量部に対し、グリセリンモノステアレート2.5〜5.0重量部、アルキルスルホン酸ナトリウム0.15〜1.00重量部を主成分とする帯電防止剤添加の、厚みが0.1〜0.5mmである請求項1記載の硬質塩化ビニール樹脂シート
  3. 塩化ビニール樹脂100重量部に対し、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを0.05〜0.50重量部添加した、請求項1または2記載の硬質塩化ビニールシート。
  4. 請求項1〜3何れか一項記載の硬質塩化ビニールシートを用いた包装体。
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