JP2004239399A - 円すいころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】円すいころ軸受のすべり摩擦を低減する。
【解決手段】円すいころ軸受を、内周部に軌道面を有する外輪と、外周部に軌道面を有する内輪と、外輪の軌道面と内輪の軌道面との間に組み込まれる円すい台状のころと、前記内輪の軌道面の外周側に配置される環状の案内輪とを有し、案内輪はころの大端面に当接する面部を有し、案内輪と内輪との間に該内輪の軸心に沿った方向の荷重を負荷し得るスラスト軸受を備えてなる構成とする。案内輪はスラスト軸受によって内輪に対し、その軸心回りに回動可能である。したがって、案内輪は面部を介して当接するころによって回転力を受け、略ころの公転速度と同じ回転速度において回転するから、ころに加わるスキューモーメントが低減され、その結果ころの側面と内輪、外輪の軌道面とのすべり摩擦が低減される
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円すいころ軸受に関し、特に、転動時における摩擦の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
円すいころ軸受は、円すい台状のころを転動体とし、外輪と内輪とにそれぞれテーパ状に軸方向の径変化を設けて形成された軌道面を有する軸受である。このような円すいころ軸受は、ラジアル荷重および一方向のアキシアル荷重を負荷することができ、広く用いられている。
【0003】
ところで、円すいころ軸受のころには、負荷によってころを大端面側に、軸方向に押す力が加わる。これに対し、ころを保持するため、通常内輪にころの大端面と当接するつば部が形成される。
【0004】
このような円すいころ軸受において、純ころがりであったとすると、ころの側面と内輪の軌道面とのそれぞれの速度ベクトルは、軸受の軸方向にわたって等しくなる。これに対し、ころの大端面と内輪のつば部とのそれぞれの速度ベクトルは、ころの大端面の径方向に沿ってずれが生じ、すべり摩擦が発生する。
【0005】
すなわち、図1は、円すいころ軸受の内輪の軌道面における回転時の速度ベクトルA1B1および、この軌道面より内輪の軸心O1からの径が大きいつば部の表面における速度ベクトルC1D1を示す図である。図1に示すように、各速度ベクトルは、軸受の軸心O1からの半径に比例して大きくなる。一方、図2は、ころの軌道面における回転時の速度ベクトルA2B2および、この軌道面よりころの軸心O2からの径が大きい大端面の表面における速度ベクトルC2D2を示す図である。図2に示すように、各速度ベクトルは、このの軸心O2からの半径に比例して大きくなる。
【0006】
ここで、A1C1間の距離と、A2C2間の距離が等しく、かつO1A1間の距離と、O1A2間の距離が等しいとすると、軌道面およびころの側面における速度ベクトルA1B1とA2B2とは等しくなるから、ここではすべりが生じない。一方、大端面とつば面との接触面上の点、C1およびC2においては、内輪側の速度ベクトルC1D1は、ころ側の速度ベクトルC2D2よりも大きくなり、すべり摩擦が生ずる。
【0007】
このようなすべり摩擦を低減することを目的として、2列の円すいころ列を対として組み合わせ、各列の円すいころの大端面どうしを接触させて円すいころのころ軸方向の移動を規制することが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特表2001−520354号公報(第1ページ、図3等。)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来技術においては、各列の円すいころの公転速度が等しくなければならない。理論上、列ごとに公転速度を等しくすることは可能であるが、実際には製作上の誤差から異なってくると思われる。公転速度が列ごとに少しでも異なると、ころを正規の自転軸から傾けようとするスキューモーメントが生じ、ころの自転軸が傾く現象(スキューイング、またはスキューと称される。)が生ずる。スキューが生じると、ころの側面と内外輪の軌道面との間で相対すべりが生じ、すべり摩擦が増大することが懸念される。
【0009】
上述した問題点に鑑み、本発明の課題は、円すいころ軸受のすべり摩擦を低減することにある。
【0010】
【課題を解決する手段】
本発明は、内周部に軌道面を有する外輪と、外周部に軌道面を有する内輪と、外輪の軌道面と内輪の軌道面との間に組み込まれる円すい台状のころと、前記内輪の軌道面の外周側に配置される環状の案内輪とを有し、案内輪はころの大端面に当接する面部を有し、案内輪と内輪との間に該内輪の軸心に沿った方向の荷重を負荷し得るスラスト軸受を備えてなる円すいころ軸受によって上述した課題を解決する。
【0011】
本発明によれば、案内輪はスラスト軸受によって内輪に対し、その軸心回りに回動可能である。したがって、案内輪は面部を介して当接するころによって回転力を受け、略ころの公転速度と同じ回転速度において回転するから、ころに加わるスキューモーメントが低減され、その結果ころの側面と内輪、外輪の軌道面とのすべり摩擦が低減されると同時に、案内輪ところ頭部のすべり摩擦が低減されるという効果がある。
【0012】
なお、本発明におけるスラスト軸受は、ころが大端面側に進行しようとする力に相当するスラスト力、換言すればアキシアル力を負荷し得るものであればよいが、例えば、スラスト玉軸受を適用することができる。また、スラストころ軸受を適用することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる円すいころ軸受の一実施形態について説明する。図3は、本実施形態の円すいころ軸受の環状部を径方向に切断して見た状態を示す断面図である。図3に示すように、本実施形態の円すいころ軸受1は、支持対象の軸が挿入される筒状またはスリーブ状の内輪3と、内輪3と略同心となるように配置されるリング状の外輪5と、内輪3および外輪5の軌道面間に組み込まれるころ7とを有する。ころ7は円すい台状に形成されたいわゆる円すいころであり、その自転軸は、小端面側が内向き、大端面側が外向きとなるように、回転軸の軸方向に対し角度をつけられている。そして、内輪3および外輪5のそれぞれの軌道面9、11は、ころ7の側面と適切なクリアランスを有して対向し、当接可能に形成されている。
【0014】
そして、内輪3に対し径方向で見ると軌道面9よりも外周側であって、軸方向においてはころ7の大端面側に配置される環状の案内輪13が設けられている。案内輪13は、ころ7との大端面側の内縁部を面取りして形成され、この大端面と当接する面部を有する。図3に示すように、この面部は、ころ7の大端面に対し、大端面の中心部より内輪3の軸心に近い位置において接する。一方、内輪3は、案内輪13のころと当接する側と反対側の端面に対向して、内輪3の端部から外側につば状に張り出して形成されたつば部15を有する。そして、案内輪13のつば部15に対向する端面と、この端面に対向するつば部15の表面とに、それぞれ円弧状に掘り込まれた溝が形成されている。この各溝の円弧は、略共通の中心を有する関係となっている。そして、両者の溝を軌道面として転動する玉17が周状に複数配列されており、これによって内輪3と、案内輪13とは、一組の単列スラスト玉軸受を構成している。なお、この玉17の中心の位置は、軸受1の軸心からの半径に着目すると、ころ7と案内輪13が当接する面部よりは半径が大きく、また、ころ7の大端面の中心よりは半径が小さいような位置となっている。なお、案内輪13の内周面は、つば部15を除く内輪3の外周面と適当な間隔を隔てている。
【0015】
ここで、内輪3の径方向断面形状に着目すると、ころ7の小端面側に相当する軌道面の端部には、軌道面から突出してころ7の小端面と当接するつば部が形成されている。一方、ころ7の大端面側に相当する軌道面の端部には、大端面と当接するつば部は、本実施形態の場合には設けていない。なお、つば部15の案内輪13とは対向しない側の面は、内輪3の軸心に対して垂直な平坦面上に形成されている。
【0016】
また、外輪5の外周面と内周面とは同心状に配置され、いずれも軸方向にわたって径の変化はない。軌道輪はその内周面から外周面にかけて、断面で見ると、ころ7の側面とは当接しない範囲も含めて直線状に形成されている。そして、外輪5の軌道面が形成されている側とは反対側の端面は、外輪5の軸心に対して垂直な平坦面として形成されている。
【0017】
そして、案内輪13は、内輪15のつば部15と略同じ外径を有する。ちなみに、外輪5の外径は、これらの外径よりも大きい。
【0018】
次に、上述した本実施形態の円すいころ軸受の動作について説明する。まず、軸受本来の役割に起因して、内輪3と外輪5とが軸受1の軸周りに相対的に回転すると、ころ7は、内輪3と外輪5との相対運動に応じた回転速度で自転し、かつ公転する。なお、ころの自転とは、円すい台状のころがその円すい台の軸心回りに回転することを指し、公転とは、軸受1の軸心回りに回転することを指す。一方、案内輪13は、スラスト玉軸受の介在により内輪15に対し、ほとんど抵抗なく回動可能であるとともに、自転しかつ公転しているころ7の大端面からの入力を受ける。その結果、案内輪13は、ころ7の公転速度と略同じ回転速度で軸受1の軸回りに回転する。なお、このとき、ころ7と玉17との軸受1の軸心に対するいわゆる公転速度は、異なっていても問題ない。
【0019】
以上のように、本実施形態によれば、ころの自転軸方向力を、ころの公転速度と略同じ回転速度で自転する案内輪によって負荷しているから、案内輪ところ頭部間で発生するすべり摩擦が小さく、スキューの発生を極限まで抑えることができるので、ころの側面と各軌道面とのすべり摩擦が低減される。
【0020】
ところで、図4は、一般的な円すいころ軸受における回転数と、すべり摩擦、転がり摩擦およびこれらの和である全体の摩擦にそれぞれ消費されるトルクの関係を示したグラフである。これによれば、すべり摩擦は回転数が低いときに大きなトルクを消費する傾向がある。したがって、本発明によれば、すべり摩擦が低減される結果、軌道トルクおよび低速運転時の消費トルクを低減することができる。
【0021】
なお、上述した実施形態においては、案内輪と内輪との間にスラスト玉軸受を適用しているが、この軸受はいわゆるスラスト力ないしはアキシアル力を負荷し得るものであれば、これに限らず適宜発明の範囲内で他の種類の軸受を適用することができる。例えば、スラストころ軸受を適用してもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、円すいころ軸受のすべり摩擦を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円すいころ軸受の内輪の軌道面における回転時の速度ベクトルおよび、この軌道面より内輪の軸心からの径が大きいつば部の表面における速度ベクトルを示す図である。
【図2】ころの軌道面における回転時の速度ベクトルおよび、この軌道面よりころの軸心からの径が大きい大端面の表面における速度ベクトルを示す図である。
【図3】本発明を適用してなる円すいころ軸受の一実施形態の径方向断面図である。
【図4】円すいころ軸受における回転数と、すべり摩擦、転がり摩擦および全体の摩擦にそれぞれ消費されるトルクの関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 軸受
3 内輪
5 外輪
7 ころ
9 軌道面
11 軌道面
13 案内輪
15 つば部
17 玉

Claims (3)

  1. 内周部に軌道面を有する外輪と、外周部に軌道面を有する内輪と、前記外輪の軌道面と前記内輪の軌道面との間に組み込まれる円すい台状のころと、前記内輪の軌道面より外周側に配置される環状の案内輪とを有し、前記案内輪は前記ころの大端面に当接する面部を有し、前記案内輪と前記内輪との間に該内輪の軸心に沿った方向の荷重を負荷し得るスラスト軸受を備えてなる円すいころ軸受。
  2. 前記スラスト軸受は、スラスト玉軸受であることを特徴とする請求項1に記載の円すいころ軸受。
  3. 前記スラスト軸受は、スラストころ軸受であることを特徴とする請求項1に記載の円すいころ軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102006010655A1 (de) * 2006-03-08 2007-09-20 Minebea Co., Ltd. Wälzlager mit Vorspannung
CN118391349A (zh) * 2024-06-28 2024-07-26 洛阳轴研科技有限公司 一种滚动滑动复合轴承
EP4617518A1 (en) 2024-03-14 2025-09-17 Leonardo S.p.a. Roller bearing for a transmission assembly for an aircraft

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