JP2004239557A - ロータリーキルン - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で簡単な構成でキルン内壁の付着物を効果的に除去できるロータリーキルンを提供することである。
【解決手段】付着物除去部材としての三角形断面で中空の細長部材14を、六角形断面のキルン1の筒方向に向けて装入し、キルン1の回転に伴って、細長部材14をその内壁に沿わせて滑落させるとともに、六角形断面の内壁コーナに引っ掛けて転動させることにより、細長部材14の滑落に伴う鋭角の側稜のキルン1内壁との摺接による付着物の剥ぎ取り作用に、細長部材14の転動に伴う衝撃によるキルン1内壁からの付着物の浮かせ効果や剥離効果を組み合わせて、キルン1内壁の付着物を効果的に除去できるようにした。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、キルン内壁の付着物を除去する付着物除去部材を設けたロータリーキルンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物、セメント原料、石灰石等の焼成や乾燥に使用されるロータリーキルンでは、キルンの内壁に付着物が付着する。キルン内壁の付着物は、焼成や乾燥される被処理物の移動を阻害するのみでなく、間接加熱方式のものでは熱伝導率も低下させる。このため、回転駆動されるキルン内に、内壁の付着物を除去する付着物除去部材を設けたロータリーキルンがある。
【0003】
このような付着物除去部材を設けたロータリーキルンとしては、ロータリーキルンの前端部に、キルンの回転に従動する付着物除去部材としての環状体を取り付け、この環状体の一部をキルン内周壁面に摺接させるもの(例えば、特許文献1参照。)や、中心軸の円周方向に3枚以上の羽根を有する付着物除去部材をキルンの回転軸と平行に装入して、キルン内で転動させるもの(例えば、特許文献2参照。)等がある。
【0004】
【特許文献1】
特開昭53−40682号公報(第2−3頁、第1−3図)
【特許文献2】
特開2002−81866号公報(第2−4頁、第1−4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載されたキルンに従動回転する環状体をキルン内周壁面に摺接させるロータリーキルンは、付着物の除去効率は優れているが、従動回転する環状体の取り付けに精度を必要とし、かつ、環状体も大径で複雑な構造となるので高価なものとなる問題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載されたものは、羽根を有する付着物除去部材をキルン内に簡単に装入できるが、付着物除去部材の転動による羽根の付着物剥ぎ取り力は小さく、効果的に付着物を除去することができない。
【0007】
そこで、この発明の課題は、安価で簡単な構成でキルン内壁の付着物を効果的に除去できるロータリーキルンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、回転駆動される筒状のキルン内に、キルン内壁の付着物を除去する付着物除去部材を設けたロータリーキルンにおいて、前記付着物除去部材を、断面が三角形または四角形で、中実または中空の細長部材として、その断面高さ寸法をキルン内径寸法の1/2〜1/5に形成し、この細長部材を前記キルンの筒方向に向けて装入した構成を採用した。
【0009】
すなわち、付着物除去部材を、断面が三角形または四角形で、中実または中空の細長部材として、その断面高さ寸法をキルン内径寸法の1/2〜1/5に形成し、この細長部材を前記キルンの筒方向に向けて装入することにより、鋭角または直角の側稜を有する細長部材を、キルンの回転に伴ってキルン内周壁面に沿わせて滑落させ、この細長部材の滑落に伴う鋭角または直角の側稜のキルン内壁との摺接により付着物を剥ぎ取って、キルン内壁の付着物を効果的に除去できるようにした。
【0010】
前記細長部材の断面高さ寸法Hをキルン内径寸法Dの1/2〜1/5としたのは、以下の理由による。すなわち、高さ寸法Hが内径寸法Dの1/2を超えると、細長部材が転動しやすくなって、前記側稜の摺接による付着物の剥ぎ取り作用が低下し、高さ寸法Hが内径寸法Dの1/5未満では、細長部材がキルン内の被処理物に埋没して、細長部材がキルン内壁から浮き上がりやすくなるからである。
【0011】
前記キルンの内壁面に突起を設けることにより、前記細長部材を突起に引っ掛けて高く持ち上げてから転動落下させ、この転動落下の衝撃によるキルン内壁からの付着物の浮かせ効果や剥離効果を、前記滑落の摺接による剥ぎ取り作用と組み合わせて、より効果的にキルン内壁の付着物を除去することができる。
【0012】
前記キルンの内径断面を多角形状とすることにより、滑落する細長部材を多角形状のコーナに引っ掛けて、細長部材に滑落と転動を交互に生じさせ、転動の衝撃によるキルン内壁からの付着物の浮かせ効果や剥離効果を、前記滑落の摺接による剥ぎ取り作用と組み合わせて、より効果的にキルン内壁の付着物を除去することができる。
【0013】
前記細長部材を中空のものとし、その長手方向側面の少なくとも1つに、キルン内の被処理物が出入り可能な開口を設けることにより、この開口から細長部材の中に入る被処理物を、前記細長部材の転動落下または転動によって攪拌し、被処理物の焼成や乾燥をより効率よく行うことができる。
【0014】
前記長手方向側面の全てに開口を設け、これらの開口を設けた各側面が前記キルンの回転方向を向く状態で、その開口の下端が側面の下端から所定の高さに位置するようにし、このキルンの回転方向を向く側面の下部に、前記開口に出入りする被処理物の堰が形成されるようにすることにより、キルンの回転方向を向く細長部材側面の前面側の被処理物を側面の下部で塞き止め、この側面がキルンの回転に伴って水平向きに傾斜してから、塞き止められた被処理物を開口から細長部材の中に落下させ、被処理物の攪拌作用をより高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図8に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1乃至図5は、第1の実施形態を示す。このロータリーキルンは、図1および図2に示すように、キルン1の外周がヒータ2を組み込んだカバー3で覆われた間接加熱方式のものである。キルン1の供給端側には入口フード4が、排出端側には出口フード5が設けられ、入口フード4を貫通して、被処理物の投入管6がキルン1の供給端に挿入されている。キルン1は、その両端部に取り付けられた各タイヤ7を支持台8の一対のローラ9で回転自在に支持され、チェーン10とスプロケット11を介してモータ12で回転駆動されるようになっている。
【0016】
前記キルン1の内径断面は六角筒状に形成され、その筒方向中央部に環状のストッパ13が設けられて、その両側に付着物除去部材としての三角形断面で中空の細長部材14が、キルン1の筒方向に向けて1本ずつ装入されている。ストッパ13は、キルン1の排出端側端面に内向きに取り付けられたパイプ部材15の先端に、放射状のアーム部材16を介して取り付けられている。各細長部材14の高さ寸法Hは、キルン1の内径寸法Dの1/2〜1/5に形成され、長さ寸法は、前記ストッパ13で仕切られたキルン1の半分ずつの領域とほぼ等しい長さに形成されている。
【0017】
図3に示すように、前記細長部材14は、三角形断面の各頂点部に配した広幅部17aと狭幅部17bを有する非対称なV字のアングル部材17の両端部を連結板18で連結して三角筒状としたものであり、その長手方向各側面19に開口20が形成されている。図2に示したように、各細長部材14は、キルン1の回転方向を向く側面19aで、アングル部材17の広幅部17aが側面19aの下側に、狭幅部17bが側面19aの上側にくる向きに装入され、側面19aの開口20の下方に、広幅部17aで堰が形成されるようになっている。なお、開口20は、一部の側面19のみに設けてもよく、その位置と形状も任意に設計することができる。
【0018】
図4は、前記キルン1の回転に伴う細長部材14の動きを示す。▲1▼は、細長部材14がキルン1内壁の最下辺左側に位置する状態であり、キルン1の回転方向を向く側面19aの前面側には、被処理物Aの一部がアングル部材17の広幅部17aで塞き止められている。キルン1の時計回りの回転に伴って、▲2▼に示すように、細長部材14はキルン1の内壁に沿って最下辺右側に滑落し、さらに、▲3▼に示すように、水平向きに傾斜する側面19aの広幅部17a上端の開口20から、塞き止められていた被処理物Aが細長部材14の中に落下する。さらにキルン1が回転すると、▲4▼に示すように、細長部材14は次に最下辺となるキルン1内壁へ転動して、▲1▼に示した状態に戻り、上述した動きを繰り返す。
【0019】
したがって、前記細長部材14の滑落によるキルン1内壁の付着物の剥ぎ取り作用に、細長部材14の転動に伴う衝撃によるキルン1内壁からの付着物の浮かせ効果や剥離効果が組み合わされ、キルン1内壁の付着物が効果的に除去される。なお、図5に示すように、前記細長部材14がキルン1内壁の最下辺を右側へ滑落する際には、滑落先端側の鋭角の稜のみでなく、最下辺に沿うアングル部材17の狭幅部17b先端も、キルン1内壁に摺接するので、キルン1内壁の付着物がより効果的に除去される。
【0020】
また、この実施形態では、上記細長部材14の動きに伴って、被処理物Aが細長部材14の中に落下するとともに、転動する細長部材14の中でも大きく移動するので、被処理物Aの攪拌作用を高めて、焼成や乾燥をより効率よく行うことができる。
【0021】
図6は、第2の実施形態を示す。このロータリーキルンの本体は、第1の実施形態のものと同じであり、三角形断面の細長部材21が中実とされている点のみが異なる。細長部材21の高さ寸法は、キルン1の内径寸法の1/2〜1/5に形成されている。
【0022】
この実施形態では、図6に示す▲1▼の状態でキルン1内壁の最下辺左側に位置する細長部材21が、キルン1の時計回りの回転に伴って、▲2▼に示すように、キルン1の内壁に沿って最下辺右側に滑落し、さらに、▲3▼に示すように、次に最下辺となるキルン1内壁へ転動して、▲1▼に示した状態に戻る。
【0023】
したがって、この実施形態でも、細長部材21の滑落による付着物の剥ぎ取り作用に、細長部材21の転動に伴う衝撃による付着物の浮かせ効果や剥離効果が組み合わされて、付着物がキルン1内壁から効果的に除去される。
【0024】
図7は、第3の実施形態を示す。このロータリーキルンは、キルン22の内径断面が円筒状に形成され、その内壁に180°の位相で2箇所に突起23が設けられている。その他の構成と細長部材14は、第1の実施形態のものと同じであり、細長部材14の高さ寸法は、キルン22の内径寸法の1/2〜1/5とされている。
【0025】
この実施形態では、図7に示す▲1▼の状態でキルン22内壁の下部に位置する細長部材14は、キルン22の時計回りの回転に伴って、▲2▼に示すように、キルン1の内壁に沿って右方へ滑落して、一方の突起23に引っ掛かる。さらに、▲3▼に示すように、細長部材14は突起23で上方に持ち上げられるとともに、キルン22の回転方向を向く側面19aが水平向きに傾斜して、側面19aの広幅部17aに塞き止められていた被処理物Aが、その上端の開口20から細長部材14の中に落下する。▲4▼に示すように、キルン22がさらに回転すると、突起23で高く持ち上げられた細長部材14は下方へ転動落下し、▲1▼に示した状態に戻る。
【0026】
したがって、この実施形態の場合も、第1の実施形態の場合と同様に、キルン22内壁の付着物が効果的に除去されるとともに、被処理物Aが効率よく攪拌される。
【0027】
図8は、第4の実施形態を示す。このロータリーキルンの本体は、第3の実施形態のものと同じであり、細長部材24が四角形断面で中実とされている点のみが異なる。なお、細長部材24の高さ寸法は、キルン22の内径寸法の1/2〜1/5とされている。また、図示は省略するが、細長部材24は、図7に示した第3の実施形態の場合と同様に、キルン22内壁に沿う滑落と突起23からの転動落下を繰り返し、キルン22内壁の付着物を効果的に除去する。
【0028】
上述した各実施形態では、キルンの全長を2つに仕切り、各仕切り領域に付着物除去部材としての細長部材を1本ずつ装入したが、キルンは仕切りなし、または3つ以上に仕切ってもよく、付着物の少ない仕切り領域では、細長部材の装入を省略することもできる。また、ロータリーキルンを間接加熱方式のものとしたが、本発明に係るロータリーキルンは、直接加熱方式のものにも採用することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、この発明のロータリーキルンは、付着物除去部材を、断面が三角形または四角形で、中実または中空の細長部材として、その断面高さ寸法をキルン内径寸法の1/2〜1/5に形成し、この細長部材をキルンの筒方向に向けて装入するようにしたので、鋭角または直角の側稜を有する細長部材を、キルンの回転に伴ってキルン内周壁面に沿わせて滑落させ、この細長部材の滑落による鋭角または直角の側稜のキルン内壁との摺接で付着物を剥ぎ取って、キルン内壁の付着物を効果的に除去することができる。
【0030】
また、前記キルンの内壁面に突起を設けることにより、前記細長部材を突起に引っ掛けて高く持ち上げてから転動落下させ、この転動落下の衝撃によるキルン内壁の付着物の浮かせ効果や剥離効果を、前記滑落による剥ぎ取り作用と組み合わせて、より効果的にキルン内壁の付着物を除去することができる。
【0031】
前記キルンの内径断面を多角形状とすることによっても、滑落する細長部材を多角形状のコーナに引っ掛けて、細長部材に滑落と転動を交互に生じさせ、転動の衝撃によるキルン内壁の付着物の浮かせ効果や剥離効果と、滑落による剥ぎ取り作用とを組み合わせて、より効果的にキルン内壁の付着物を除去することができる。
【0032】
さらに、前記細長部材を中空のものとし、その長手方向側面の少なくとも1つに、キルン内の被処理物が出入り可能な開口を設けることにより、この開口から細長部材の中に入る被処理物を、前記細長部材の転動落下または転動によって攪拌し、被処理物の焼成や乾燥をより効率よく行うことができる。
【0033】
前記長手方向側面の全てに開口を設け、これらの開口を設けた各側面がキルンの回転方向を向く状態で、その開口の下端が側面の下端から所定の高さに位置するようにし、このキルンの回転方向を向く側面の下部に、開口に出入りする被処理物の堰が形成されるようにすれば、キルンの回転方向を向く細長部材側面の前面側の被処理物を側面の下部で塞き止め、この側面がキルンの回転に伴って水平向きに傾斜してから、塞き止められた被処理物を開口から細長部材の中に落下させ、被処理物の攪拌作用をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のロータリーキルンを示す切欠き正面図
【図2】図1のII−II線に沿った断面図
【図3】図2の細長部材を示す一部省略斜視図
【図4】図3の細長部材のキルン内での動きを説明する概念図
【図5】図4の細長部材の動きの一部を説明する概念図
【図6】第2の実施形態のロータリーキルンにおける細長部材のキルン内での動きを説明する概念図
【図7】第3の実施形態のロータリーキルンにおける細長部材のキルン内での動きを説明する概念図
【図8】第4の実施形態のロータリーキルンにおけるキルン内の細長部材の状態を説明する概念図
【符号の説明】
1 キルン
2 ヒータ
3 カバー
4 入口フード
5 出口フード
6 投入管
7 タイヤ
8 支持台
9 ローラ
10 チェーン
11 スプロケット
12 モータ
13 ストッパ
14 細長部材
15 パイプ部材
16 アーム部材
17 アングル部材
17a 広幅部
17b 狭幅部
18 連結板
19、19a 側面
20 開口
21 細長部材
22 キルン
23 突起
24 細長部材

Claims (5)

  1. 回転駆動される筒状のキルン内に、キルン内壁の付着物を除去する付着物除去部材を設けたロータリーキルンにおいて、前記付着物除去部材を、断面が三角形または四角形で、中実または中空の細長部材として、その断面高さ寸法をキルン内径寸法の1/2〜1/5に形成し、この細長部材を前記キルンの筒方向に向けて装入したことを特徴とするロータリーキルン。
  2. 前記キルンの内壁面に突起を設けた請求項1に記載のロータリーキルン。
  3. 前記キルンの内径断面を多角形状とした請求項1に記載のロータリーキルン。
  4. 前記細長部材を中空のものとし、その長手方向側面の少なくとも1つに前記キルン内の被処理物が出入り可能な開口を設けた請求項2または3に記載のロータリーキルン。
  5. 前記長手方向側面の全てに開口を設け、これらの開口を設けた各側面が前記キルンの回転方向を向く状態で、その開口の下端が側面の下端から所定の高さに位置するようにし、このキルンの回転方向を向く側面の下部に、前記開口に出入りする被処理物の堰が形成されるようにした請求項4に記載のロータリーキルン。
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