JP2004239567A - ヒートパイプ - Google Patents
ヒートパイプ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004239567A JP2004239567A JP2003031645A JP2003031645A JP2004239567A JP 2004239567 A JP2004239567 A JP 2004239567A JP 2003031645 A JP2003031645 A JP 2003031645A JP 2003031645 A JP2003031645 A JP 2003031645A JP 2004239567 A JP2004239567 A JP 2004239567A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- working fluid
- heat pipe
- absorbing portion
- heat absorbing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
【課題】微少重力環境下、または加重下の水平姿勢において、常に作動流体が吸熱部に内在可能なヒートパイプを提供する。
【解決手段】本発明は、細管からなる少なくとも一本の管状体において、その一部近傍に配置された発熱体と対向する吸熱部と、この発熱体と離隔させた排熱部とを有するヒートパイプであって、前記作動流体が吸熱部管内に封入されることにより、作動流体を流動または蒸散、かつ還流させた構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、細管からなる少なくとも一本の管状体において、その一部近傍に配置された発熱体と対向する吸熱部と、この発熱体と離隔させた排熱部とを有するヒートパイプであって、前記作動流体が吸熱部管内に封入されることにより、作動流体を流動または蒸散、かつ還流させた構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートパイプに関し、たとえば、人工衛星において、宇宙軌道上の微小重力環境で用いられる熱制御装置のヒートパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、人工衛星の電子系統など発熱機器に用いる熱制御装置では、特定の微小素子を重点的に冷却する場合などに、単管として細管を利用したヒートパイプが実用化されている。このヒートパイプには、発熱機器に近接させた中央部の吸熱領域に、揮発性の作動液が充填してあって、吸熱により得られる蒸気を両端部の排熱領域に拡散させ、放熱に伴って液化させ、吸熱領域に還流させる技術が用いられている。また、宇宙軌道上の微少重力環境での動作を保証するために、ヒートパイプの内周面にウィックなどの液保有構造や、逆止弁を設けたものがある。
【0003】
従来のヒートパイプには、多数の溝の深さと管内径とを一様な所定比に制御してある。これによって、蒸気との接触に抗して作動液の還流を相対的に促し、その最大熱輸送量を維持しようとするものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の他のヒートパイプには、その継目構造を改良したものであって、継目下に形成されてしまうリング状のスリットを、スリット内周に設けたメッシュでブリッジすることにより、特に地上試験などの重力下で、作動液の流路が連結するようにさせたものがある(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−340089号公報
【特許文献2】
実開昭63−116769号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例によるヒートパイプでは、次のような問題点が生じていた。単管のひとつである細管を利用したヒートパイプは、一般に、作動流体の重力偏移を意図した環境で使用されるものであって、微小重力環境下の単管ヒートパイプでは、発熱体と対向した吸熱部の諸所において、常に細管内が作動流体で充たされているとは限らない。状況によっては、作動流体のドライアウト現象などが発生する可能性も考えられる。その場合には、期待通りの熱輸送機能が果たせず、発熱体に対する冷却能力が不安定になったり、まったく熱輸送できずに動作しなくなったりするおそれも考えられる。また、地上試験などの水平姿勢でも類似した状況が生じ得る。
【0006】
本発明の目的は、これら上記課題を解決することにあり、微少重力環境下、または加重下の水平姿勢において、常に作動流体が吸熱部に内在可能なヒートパイプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のヒートパイプは、細管からなる少なくとも一本の管状体において、その一部近傍に配置された発熱体と対向する吸熱部と、この発熱体と離隔させた排熱部とを有するヒートパイプであって、前記作動流体が吸熱部管内に封入されることにより、作動流体を流動または蒸散、かつ還流させた構成とした。
【0008】
これにより、発熱体と近接した吸熱部管内の作動流体が、この発熱体の放熱による吸熱に伴って、排熱部に向けて流動または蒸散し、排熱部管内で排熱することにより、再び吸熱部管内に還流される。半導体素子その他の発熱体に対して、その微小領域に集中的な熱制御を効率よく行うことができる。
【0009】
請求項2記載のヒートパイプは、管状のヒートパイプであって、微小重力環境下の熱制御装置に用いられる構成とした。
これにより、たとえば、宇宙軌道上の微小重力環境下において、人工衛星の各種半導体装置などのための熱制御装置として用いることができる。
【0010】
請求項3記載のヒートパイプは、前記吸熱部から、作動流体の顕熱、潜熱またはこれらの組合せからなる熱輸送をさせた構成とした。
これにより、作動流体の顕熱として作動流体自体を熱拡散させてもよいし、作動流体の状態遷移に伴う潜熱として、たとえば気化、還流させて熱輸送をすることができる。
【0011】
請求項4記載のヒートパイプは、前記吸熱部の管状体内壁面に表面処理がなされたことによって、その少なくとも一部に作動流体を内在させ、この作動流体を介して吸熱部から熱輸送をさせた構成とした。
これにより、管状体内壁面の表面処理を作動流体に作用させることにより、吸熱部管内を常に作動流体が充ちている状態にすることができる。このような表面処理としては、たとえばメッキ処理、アクリルやテフロン(登録商標)の蒸着などのコーティングが挙げられるが、これらの他にも作動流体に対する濡れ性を変化させるいずれの処理であってもよい。すなわち、吸熱部が作動流体を排熱部から引き入れる力、排熱部が作動流体と反発して吸熱部に押し出す力、吸熱部が作動流体を引き留める力、またはこれらの複合からなる細管力がある。
【0012】
請求項5記載のヒートパイプは、前記吸熱部と排熱部を含む吸熱部以外の管状体内壁面の表面処理を異ならせることによって、各内壁面が作動流体に作用するときの表面エネルギーをコントロールさせ、管内を、交互に液による閉塞状態の領域、蒸気の領域となるようにした構成とした。
【0013】
これにより、管状体内壁面の表面処理について、吸熱部管内と排熱部管内とで、たとえば素材、厚み、面積、模様、位置、粗さ、処理内容、処理工程などを相違させる。これにより、作動流体と接触する内壁面が作動流体に作用するときの表面エネルギーをコントロールすることができ、微少重力環境下であっても、吸熱部管内に常に作動流体を偏在させることが可能になる。
【0014】
請求項6記載のヒートパイプは、前記吸熱部の管状体内面部が微細形状に加工されたことによって、その少なくとも一部に作動流体を内在させ、この作動流体を介して吸熱部から熱輸送をさせた構成とした。
【0015】
これにより、管状体内面部の微細形状を作動流体に作用させることにより、吸熱部管内を常に作動流体が充ちている状態にすることができる。このような微細形状としては、たとえばウィックその他の微細な溝加工が挙げられるが、これらの他にも作動流体に対する濡れ性を変化させるいずれの加工であってもよい。すなわち、吸熱部が作動流体を排熱部から引き入れる力、排熱部が作動流体と反発して吸熱部に押し出す力、吸熱部が作動流体を引き留める力、またはこれらの複合からなる細管力がある。
【0016】
請求項7記載のヒートパイプは、前記吸熱部と排熱部との管状体内面部の微細形状が異なることによって、各内面部が作動流体に作用するときの表面エネルギーをコントロールさせた構成とした。
【0017】
これにより、管状体内面部の微細形状について、吸熱部管内と排熱部管内とで、たとえば模様、深さ、長さ、幅、面積、加工断面などを相違させる。これにより、作動流体と接触する内面部が作動流体に作用するときの表面エネルギーをコントロールすることができ、微少重力環境下であっても、吸熱部管内に常に作動流体を偏在させることが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態につき添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るヒートパイプの一部を切り欠いて概略構造例を示す構造図である。
このヒートパイプ1は、図1に示すとおり、細管からなる管状体2の中央部に近接させて発熱機器(発熱体)3を配置した熱制御装置に適用するものであって、直管としての管状体2の中央部近傍を発熱機器3と対向させた吸熱領域(吸熱部)5とし、発熱機器3と離隔した両端部を排熱領域(排熱部)6,6とした単管ヒートパイプである。
【0019】
この管状体2の管内には、発熱機器3からの放熱に伴う熱エネルギーを顕熱または潜熱として熱輸送をするために、所定量の作動液(作動流体)を封入してある。このような管状体2の素材としては、たとえばアルミニウムやアルミニウム合金その他の熱伝導材料が用いられる。また、作動液としては、一般に、アンモニア、アセトンその他の揮発性の液状熱媒体が用いられるが、熱制御のための吸熱時において、前記熱輸送可能な流動性ある素材であればいずれでもよい。
【0020】
図2は、図1に示す管状体中央部を拡大して示す一例の部分拡大図である。
この実施例には、発熱機器3直下に吸熱領域5を設け、吸熱領域5と隣接した左右両端部を排熱領域6,6としてある。吸熱領域5における管状体2内壁(内壁面)は、排熱領域6の管状体2内壁と異なるコーティング(表面処理)51が施されている。例えば、排熱領域6,6内壁には処理を施さず、吸熱領域5にはメッキ処理のようなコーティングを施してある。したがって、内壁が作動液7に接触して作用するときの表面エネルギーを、吸熱領域5の内壁と排熱領域6の内壁とで相対的に相違するようにコントロールすることができる。
【0021】
なお、吸熱領域5は、発熱機器3からの吸熱が特に高くなる部分と対向させることが望ましいので、発熱機器3直下としたが、この直下部分に加えて、管状体2軸方向左右の発熱体3近傍部分を含む領域まで若干拡張させて設けてもよい。また、排熱領域6を管状体2両端部に併設すれば排熱機能を高め得るが、いずれか一端部のみに設けて他端部を有しない構成であってもよい。
【0022】
これにより、宇宙軌道上の人工衛星内など微少重力環境下においても、吸熱領域5内と排熱領域6内とに作動液7が一様に散在してしまうことがなくなる。このため、半導体装置など発熱機器3において、特定の素子と選択的に接触しているヒートパイプ1の吸熱領域5内を常に作動液7で充たさせることができる。したがって、作動液7が、確実に発熱機器3の放熱を顕熱として排熱領域6内に熱拡散させ、また、気化のための潜熱として蒸散に供させる機能を獲得できる。すなわち、熱輸送効率化の基本条件となる「吸熱領域5内を常に作動液7で充たさせる」作用が実現できたことにより、発熱機器3からの放熱を吸熱領域5から効率よく排熱領域6に熱輸送可能となる。また、姿勢制御のための噴射に伴う加重時や、地上試験などにおいても、重力下の水平姿勢における類似した機能が得られる。
【0023】
次に、管状体2中央部の別の実施例は、吸熱領域5における管状体2内壁(内面部)に、排熱領域6の管状体2内壁とは異なる微細な溝加工(微細形状)52が施され、同じく、作動液7に作用する内壁の表面エネルギーを相対的にコントロールしてある。たとえば、軸方向の溝を有したウィックなどを多条にして設けてもよい。なお、本発明は、これらの実施例に限定されることなく、発熱機器下において設置面積が許す限り、複数のヒートパイプを柵状に並行させ、交差させ、または十字形状として併設することにより、広い面積で熱制御を行う構成に適用でき、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲でいずれの構成のものであってもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明のヒートパイプによれば、作動流体が流動または蒸散し、排熱部管内で排熱して吸熱部管内へ還流される。これにより、発熱体からの放熱が吸熱部から効率よく排熱部に熱輸送され、微小重力環境化などにおいて、発熱体の微小領域に集中的な熱制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るヒートパイプの一部を切り欠いて示す概略構造例の構造図。
【図2】図1に示す管状体中央部を拡大して示す一例の部分拡大図。
【符号の説明】
1 ヒートパイプ
2 管状体
3 発熱機器(発熱体)
5 吸熱領域(吸熱部)
6 排熱領域(排熱部)
7 作動液(作動流体)
51 コーティング(表面処理)
52 溝加工(微細形状)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートパイプに関し、たとえば、人工衛星において、宇宙軌道上の微小重力環境で用いられる熱制御装置のヒートパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、人工衛星の電子系統など発熱機器に用いる熱制御装置では、特定の微小素子を重点的に冷却する場合などに、単管として細管を利用したヒートパイプが実用化されている。このヒートパイプには、発熱機器に近接させた中央部の吸熱領域に、揮発性の作動液が充填してあって、吸熱により得られる蒸気を両端部の排熱領域に拡散させ、放熱に伴って液化させ、吸熱領域に還流させる技術が用いられている。また、宇宙軌道上の微少重力環境での動作を保証するために、ヒートパイプの内周面にウィックなどの液保有構造や、逆止弁を設けたものがある。
【0003】
従来のヒートパイプには、多数の溝の深さと管内径とを一様な所定比に制御してある。これによって、蒸気との接触に抗して作動液の還流を相対的に促し、その最大熱輸送量を維持しようとするものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の他のヒートパイプには、その継目構造を改良したものであって、継目下に形成されてしまうリング状のスリットを、スリット内周に設けたメッシュでブリッジすることにより、特に地上試験などの重力下で、作動液の流路が連結するようにさせたものがある(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−340089号公報
【特許文献2】
実開昭63−116769号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例によるヒートパイプでは、次のような問題点が生じていた。単管のひとつである細管を利用したヒートパイプは、一般に、作動流体の重力偏移を意図した環境で使用されるものであって、微小重力環境下の単管ヒートパイプでは、発熱体と対向した吸熱部の諸所において、常に細管内が作動流体で充たされているとは限らない。状況によっては、作動流体のドライアウト現象などが発生する可能性も考えられる。その場合には、期待通りの熱輸送機能が果たせず、発熱体に対する冷却能力が不安定になったり、まったく熱輸送できずに動作しなくなったりするおそれも考えられる。また、地上試験などの水平姿勢でも類似した状況が生じ得る。
【0006】
本発明の目的は、これら上記課題を解決することにあり、微少重力環境下、または加重下の水平姿勢において、常に作動流体が吸熱部に内在可能なヒートパイプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のヒートパイプは、細管からなる少なくとも一本の管状体において、その一部近傍に配置された発熱体と対向する吸熱部と、この発熱体と離隔させた排熱部とを有するヒートパイプであって、前記作動流体が吸熱部管内に封入されることにより、作動流体を流動または蒸散、かつ還流させた構成とした。
【0008】
これにより、発熱体と近接した吸熱部管内の作動流体が、この発熱体の放熱による吸熱に伴って、排熱部に向けて流動または蒸散し、排熱部管内で排熱することにより、再び吸熱部管内に還流される。半導体素子その他の発熱体に対して、その微小領域に集中的な熱制御を効率よく行うことができる。
【0009】
請求項2記載のヒートパイプは、管状のヒートパイプであって、微小重力環境下の熱制御装置に用いられる構成とした。
これにより、たとえば、宇宙軌道上の微小重力環境下において、人工衛星の各種半導体装置などのための熱制御装置として用いることができる。
【0010】
請求項3記載のヒートパイプは、前記吸熱部から、作動流体の顕熱、潜熱またはこれらの組合せからなる熱輸送をさせた構成とした。
これにより、作動流体の顕熱として作動流体自体を熱拡散させてもよいし、作動流体の状態遷移に伴う潜熱として、たとえば気化、還流させて熱輸送をすることができる。
【0011】
請求項4記載のヒートパイプは、前記吸熱部の管状体内壁面に表面処理がなされたことによって、その少なくとも一部に作動流体を内在させ、この作動流体を介して吸熱部から熱輸送をさせた構成とした。
これにより、管状体内壁面の表面処理を作動流体に作用させることにより、吸熱部管内を常に作動流体が充ちている状態にすることができる。このような表面処理としては、たとえばメッキ処理、アクリルやテフロン(登録商標)の蒸着などのコーティングが挙げられるが、これらの他にも作動流体に対する濡れ性を変化させるいずれの処理であってもよい。すなわち、吸熱部が作動流体を排熱部から引き入れる力、排熱部が作動流体と反発して吸熱部に押し出す力、吸熱部が作動流体を引き留める力、またはこれらの複合からなる細管力がある。
【0012】
請求項5記載のヒートパイプは、前記吸熱部と排熱部を含む吸熱部以外の管状体内壁面の表面処理を異ならせることによって、各内壁面が作動流体に作用するときの表面エネルギーをコントロールさせ、管内を、交互に液による閉塞状態の領域、蒸気の領域となるようにした構成とした。
【0013】
これにより、管状体内壁面の表面処理について、吸熱部管内と排熱部管内とで、たとえば素材、厚み、面積、模様、位置、粗さ、処理内容、処理工程などを相違させる。これにより、作動流体と接触する内壁面が作動流体に作用するときの表面エネルギーをコントロールすることができ、微少重力環境下であっても、吸熱部管内に常に作動流体を偏在させることが可能になる。
【0014】
請求項6記載のヒートパイプは、前記吸熱部の管状体内面部が微細形状に加工されたことによって、その少なくとも一部に作動流体を内在させ、この作動流体を介して吸熱部から熱輸送をさせた構成とした。
【0015】
これにより、管状体内面部の微細形状を作動流体に作用させることにより、吸熱部管内を常に作動流体が充ちている状態にすることができる。このような微細形状としては、たとえばウィックその他の微細な溝加工が挙げられるが、これらの他にも作動流体に対する濡れ性を変化させるいずれの加工であってもよい。すなわち、吸熱部が作動流体を排熱部から引き入れる力、排熱部が作動流体と反発して吸熱部に押し出す力、吸熱部が作動流体を引き留める力、またはこれらの複合からなる細管力がある。
【0016】
請求項7記載のヒートパイプは、前記吸熱部と排熱部との管状体内面部の微細形状が異なることによって、各内面部が作動流体に作用するときの表面エネルギーをコントロールさせた構成とした。
【0017】
これにより、管状体内面部の微細形状について、吸熱部管内と排熱部管内とで、たとえば模様、深さ、長さ、幅、面積、加工断面などを相違させる。これにより、作動流体と接触する内面部が作動流体に作用するときの表面エネルギーをコントロールすることができ、微少重力環境下であっても、吸熱部管内に常に作動流体を偏在させることが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態につき添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るヒートパイプの一部を切り欠いて概略構造例を示す構造図である。
このヒートパイプ1は、図1に示すとおり、細管からなる管状体2の中央部に近接させて発熱機器(発熱体)3を配置した熱制御装置に適用するものであって、直管としての管状体2の中央部近傍を発熱機器3と対向させた吸熱領域(吸熱部)5とし、発熱機器3と離隔した両端部を排熱領域(排熱部)6,6とした単管ヒートパイプである。
【0019】
この管状体2の管内には、発熱機器3からの放熱に伴う熱エネルギーを顕熱または潜熱として熱輸送をするために、所定量の作動液(作動流体)を封入してある。このような管状体2の素材としては、たとえばアルミニウムやアルミニウム合金その他の熱伝導材料が用いられる。また、作動液としては、一般に、アンモニア、アセトンその他の揮発性の液状熱媒体が用いられるが、熱制御のための吸熱時において、前記熱輸送可能な流動性ある素材であればいずれでもよい。
【0020】
図2は、図1に示す管状体中央部を拡大して示す一例の部分拡大図である。
この実施例には、発熱機器3直下に吸熱領域5を設け、吸熱領域5と隣接した左右両端部を排熱領域6,6としてある。吸熱領域5における管状体2内壁(内壁面)は、排熱領域6の管状体2内壁と異なるコーティング(表面処理)51が施されている。例えば、排熱領域6,6内壁には処理を施さず、吸熱領域5にはメッキ処理のようなコーティングを施してある。したがって、内壁が作動液7に接触して作用するときの表面エネルギーを、吸熱領域5の内壁と排熱領域6の内壁とで相対的に相違するようにコントロールすることができる。
【0021】
なお、吸熱領域5は、発熱機器3からの吸熱が特に高くなる部分と対向させることが望ましいので、発熱機器3直下としたが、この直下部分に加えて、管状体2軸方向左右の発熱体3近傍部分を含む領域まで若干拡張させて設けてもよい。また、排熱領域6を管状体2両端部に併設すれば排熱機能を高め得るが、いずれか一端部のみに設けて他端部を有しない構成であってもよい。
【0022】
これにより、宇宙軌道上の人工衛星内など微少重力環境下においても、吸熱領域5内と排熱領域6内とに作動液7が一様に散在してしまうことがなくなる。このため、半導体装置など発熱機器3において、特定の素子と選択的に接触しているヒートパイプ1の吸熱領域5内を常に作動液7で充たさせることができる。したがって、作動液7が、確実に発熱機器3の放熱を顕熱として排熱領域6内に熱拡散させ、また、気化のための潜熱として蒸散に供させる機能を獲得できる。すなわち、熱輸送効率化の基本条件となる「吸熱領域5内を常に作動液7で充たさせる」作用が実現できたことにより、発熱機器3からの放熱を吸熱領域5から効率よく排熱領域6に熱輸送可能となる。また、姿勢制御のための噴射に伴う加重時や、地上試験などにおいても、重力下の水平姿勢における類似した機能が得られる。
【0023】
次に、管状体2中央部の別の実施例は、吸熱領域5における管状体2内壁(内面部)に、排熱領域6の管状体2内壁とは異なる微細な溝加工(微細形状)52が施され、同じく、作動液7に作用する内壁の表面エネルギーを相対的にコントロールしてある。たとえば、軸方向の溝を有したウィックなどを多条にして設けてもよい。なお、本発明は、これらの実施例に限定されることなく、発熱機器下において設置面積が許す限り、複数のヒートパイプを柵状に並行させ、交差させ、または十字形状として併設することにより、広い面積で熱制御を行う構成に適用でき、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲でいずれの構成のものであってもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明のヒートパイプによれば、作動流体が流動または蒸散し、排熱部管内で排熱して吸熱部管内へ還流される。これにより、発熱体からの放熱が吸熱部から効率よく排熱部に熱輸送され、微小重力環境化などにおいて、発熱体の微小領域に集中的な熱制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るヒートパイプの一部を切り欠いて示す概略構造例の構造図。
【図2】図1に示す管状体中央部を拡大して示す一例の部分拡大図。
【符号の説明】
1 ヒートパイプ
2 管状体
3 発熱機器(発熱体)
5 吸熱領域(吸熱部)
6 排熱領域(排熱部)
7 作動液(作動流体)
51 コーティング(表面処理)
52 溝加工(微細形状)
Claims (7)
- 管状体において、その一部近傍に配置された発熱体に対向する吸熱部と、この発熱体と離隔させた排熱部とを有するヒートパイプであって、前記作動流体が管内に封入されることにより、作動流体を流動または蒸散、かつ還流させたことを特徴とするヒートパイプ。
- 管状のヒートパイプであって、微小重力環境下の熱制御装置に用いられることを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ。
- 前記吸熱部から、作動流体の顕熱、潜熱またはこれらの組合せからなる熱輸送をさせたことを特徴とする請求項1または2に記載のヒートパイプ。
- 前記吸熱部の管状体内壁面に表面処理がなされたことによって、その少なくとも一部に作動流体を内在させ、この作動流体を介して吸熱部から熱輸送をさせたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のヒートパイプ。
- 前記吸熱部と排熱部との管状体内壁面の表面処理を異ならせることによって、各内壁面が作動流体に作用するときの表面エネルギーをコントロールさせ、管内を、交互に、液による閉塞状態の領域、蒸気の領域となるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のヒートパイプ。
- 前記吸熱部の管状体内面部が微細形状に加工されたことによって、その少なくとも一部に作動流体を内在させ、この作動流体を介して吸熱部から熱輸送をさせたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のヒートパイプ。
- 前記吸熱部と排熱部との管状体内面部の微細形状が異なることによって、各内面部が作動流体に作用するときの表面エネルギーをコントロールさせたことを特徴とする請求項6に記載のヒートパイプ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003031645A JP2004239567A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | ヒートパイプ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003031645A JP2004239567A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | ヒートパイプ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004239567A true JP2004239567A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32958162
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003031645A Pending JP2004239567A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | ヒートパイプ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004239567A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012225622A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Panasonic Corp | 冷却装置およびこれを搭載した電子機器、および電気自動車 |
| JP2012225623A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Panasonic Corp | 冷却装置およびこれを搭載した電子機器、および電気自動車 |
| JP2013242135A (ja) * | 2012-05-22 | 2013-12-05 | Kojun Seimitsu Kogyo Kofun Yugenkoshi | ヒートパイプ |
| CN106839507A (zh) * | 2017-03-13 | 2017-06-13 | 中山大学 | 一种微重力条件下利用电磁控制的热量传递装置及方法 |
| CN114993081A (zh) * | 2022-04-12 | 2022-09-02 | 东南大学 | 一种二维热管及换热器 |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003031645A patent/JP2004239567A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012225622A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Panasonic Corp | 冷却装置およびこれを搭載した電子機器、および電気自動車 |
| JP2012225623A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Panasonic Corp | 冷却装置およびこれを搭載した電子機器、および電気自動車 |
| JP2013242135A (ja) * | 2012-05-22 | 2013-12-05 | Kojun Seimitsu Kogyo Kofun Yugenkoshi | ヒートパイプ |
| CN106839507A (zh) * | 2017-03-13 | 2017-06-13 | 中山大学 | 一种微重力条件下利用电磁控制的热量传递装置及方法 |
| CN106839507B (zh) * | 2017-03-13 | 2019-04-12 | 中山大学 | 一种微重力条件下利用电磁控制的热量传递装置及方法 |
| CN114993081A (zh) * | 2022-04-12 | 2022-09-02 | 东南大学 | 一种二维热管及换热器 |
| CN114993081B (zh) * | 2022-04-12 | 2025-09-02 | 东南大学 | 一种二维热管及换热器 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6945317B2 (en) | Sintered grooved wick with particle web | |
| US20070056714A1 (en) | Flat-plate heat pipe containing channels | |
| US9746248B2 (en) | Heat pipe having a wick with a hybrid profile | |
| TWI778292B (zh) | 冷卻裝置及使用冷卻裝置之冷卻系統 | |
| EP0316044B1 (en) | Heat pipe working liquid distribution system | |
| US20050011633A1 (en) | Tower heat sink with sintered grooved wick | |
| US20130133871A1 (en) | Multiple Thermal Circuit Heat Spreader | |
| WO2014157147A1 (ja) | 冷却装置 | |
| CN101660880B (zh) | 传导率可变热管 | |
| CN101762194A (zh) | 蒸发器及应用该蒸发器的回路式热管 | |
| US20070284088A1 (en) | Cooling Apparatus of Looped Heat Pipe Structure | |
| KR20040088554A (ko) | 모세관 증발기 | |
| JP2001221584A (ja) | ループ型ヒートパイプ | |
| JP2009115396A (ja) | ループ型ヒートパイプ | |
| CN101762196A (zh) | 多通道嵌入吸液芯式平板热管 | |
| TWM621971U (zh) | 具強化兩相流沸騰結構之均溫板 | |
| US20190195569A1 (en) | Wick structure and loop heat pipe using same | |
| TW201408979A (zh) | 熱管及其製造方法 | |
| US3828849A (en) | Heat transfer device | |
| JP2010216712A (ja) | ヒートパイプ | |
| JP2000074536A (ja) | 沸騰冷却装置 | |
| CN102056468B (zh) | 一种冷凝辐射散热板 | |
| KR100411852B1 (ko) | 반도체 칩의 전열관식 냉각장치 및 이의 제조방법 | |
| TWI779873B (zh) | 具強化兩相流沸騰結構之均溫板 | |
| RU2219455C2 (ru) | Тепловая труба |