JP2004239955A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】あらゆる環境下において高感度、特に半導体レーザー波長域で高感度特性を維持しつつ電位安定性に優れ、画像欠陥のない画像が得られる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびオキシチタニウムフタロシアニン顔料を含有し、かつアゾ化合物を含有し、前記オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量が前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対して0.005質量%以上0.5質量%未満であり、かつ前記アゾ化合物の含有量が前記フタロシアニン顔料に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置。
【選択図】 なし
【解決手段】導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびオキシチタニウムフタロシアニン顔料を含有し、かつアゾ化合物を含有し、前記オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量が前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対して0.005質量%以上0.5質量%未満であり、かつ前記アゾ化合物の含有量が前記フタロシアニン顔料に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは特定の化合物を電荷発生物質として含有する感光層を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真技術を応用した複写機やプリンター(電子写真装置)が広く普及している。これらは、主として、レーザー光を光源としており、その光源としては、コストや電子写真装置の大きさなどの点から半導体レーザーが用いられる。
【0003】
現在、主として用いられている半導体レーザーは、その発振波長が650〜820nmと長波長のため、これらの長波長の光に十分な感度を有する電子写真感光体の開発が進められてきた。また、最近は高解像度化に向けて短波長半導体レーザーの光に十分な感度を有する電子写真感光体の開発が進められている。
【0004】
フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域また短波長領域まで感度を有する電荷発生物質として極めて有効であり、レーザービームプリンターに用いられる電子写真感光体用の電荷発生物質として広く用いられている。
【0005】
フタロシアニン顔料としては、オキシチタニウムフタロシアニンやヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形が開示されている(例えば、特許文献1〜8参照)。
【0006】
特に、CuKα特性X線回折における回折角(2θ)の27.2゜±0.2゜に最も強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを用いた電子写真感光体は、非常に高感度で帯電性も良好であるが、特に残留電位、フォトメモリーおよび電位安定性の点でより優れた特性を有するものが望まれている。また、CuKα特性X線回折における回折角(2θ)の7.4゜±0.2゜および28.2゜±0.2゜に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いた電子写真感光体は、感度、残留電位および、フォトメモリーは良好だが、帯電性や電位安定性に関しては、更に優れたものが望まれている。
【0007】
また、フタロシアニン顔料の問題点を改良するために特定のアゾ顔料と組み合わせて用いることが開示されている(例えば、特許文献9、10参照)。
【0008】
また、オキシチタニウムフタロシアニンとヒドロキシガリウムフタロシアニンとを組み合わせて用いた電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献11参照)。
【0009】
しかしながら、電荷発生物質を組み合わせて用いることにより、感度特性や、電位安定性、メモリー等に改善が見られるものの、組み合わせる顔料同士の分散性が違うために複雑な分散方法が必要であることや、分散状態が不安定なものが多く、また、プロセスの更なる高速化あるいは更なる高画質化の観点から、感度や繰り返し使用時の電位安定性、残留電位、帯電不良による黒ポチやかぶり等、更には白色光に対するメモリー等の点で未だ十分とはいえず、更に優れた特性を有する電子写真感光体が求められている。
【0010】
また、フタロシアニン化合物を電荷発生層に用いた電子写真感光体は非常に高感度であり且、赤外領域にまで感度を有しているが、高感度ゆえキャリアの絶対数が多く、ホールが注入した後のエレクトロンが電荷発生層中に残存し易く、一種のメモリーとして電位変動を起こし易いという欠点があった。
【0011】
原理的には電荷発生層中に残されたエレクトロンが何らかの理由で電荷発生層と電荷輸送層の界面に進行し、界面近傍のホール注入のバリア性を下げるものと思われる。
【0012】
実際に電子写真感光体として用いた場合表現する現象としては、連続プリント時の明部電位および残留電位の低下として現れる。例えば、現在プリンターでよく使用されている暗部電位部分を非現像部とし明部電位部分を現像部分とする現像プロセス(いわゆる反転現像系)で使用した場合、前プリント時に光が当たった所の感度が高くなり次プリント時に全面黒画像を取ると、前プリント部分が黒く浮き出る、いわゆるゴースト現象(以下、ポジゴーストと称す)が顕著に現れてしまう。
【0013】
また、感光層(電荷発生層)と中間層との界面、または、中間層と導電層との界面に電子が留まる場合は、逆にプリント時の明部電位の上昇として現れる。反転現像系で使用した場合、前プリント時に光が当たった箇所の感度が遅くなるため、次プリント時に全面黒画像を取ると、前プリント部分が白く浮き出る、いわゆるゴースト現象(以下、ネガゴーストと称す)が顕著に現れてしまう。
【0014】
これらの現象のうち、ネガゴーストはプリント初期に、ポジゴーストは連続プリント中に出ることが多い。
【0015】
このようなゴースト現象を改善するために、カリックスアレーン化合物を用いることが開示されている(例えば、特許文献12、13参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開昭61−239248号公報
【特許文献2】
特開昭61−217050号公報
【特許文献3】
特開昭62−67094号公報
【特許文献4】
特開昭63−218768号公報
【特許文献5】
特開昭64−17066号公報
【特許文献6】
特開平5−98181号公報
【特許文献7】
特開平5−263007号公報
【特許文献8】
特開平10−67946号公報
【特許文献9】
特開平7−128888号公報
【特許文献10】
特開平9−34149号公報
【特許文献11】
特開2000−137340公報
【特許文献12】
特開2001−066804公報
【特許文献13】
特開2001−290293公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、プロセスの更なる高速化、高画質化、特にカラー化に対しては、あらゆる環境下においてゴースト現象による画質劣化の改善が望まれており、特に厳しい条件である高温高湿下、低温低湿下、及び耐久による画像劣化に対して更なる改善が望まれている。
【0018】
本発明の目的は、上記問題を解決し、あらゆる環境下において高感度、特に半導体レーザー波長域で高感度特性を維持しつつ電位安定性に優れ、画像欠陥のない画像を供給することのできる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、感光層が特定のアゾ化合物の存在下で、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとヒドロキシガリウムフタロシアニンに対し極少量のチタニウムフタロシアニンとを含有することで、上記課題を解決することができることを見出し本発明に至った。
【0020】
すなわち、本発明は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびオキシチタニウムフタロシアニン顔料を含有し、かつアゾ化合物を含有し、前記オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量が前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対して0.005質量%以上0.5質量%未満であり、かつ前記アゾ化合物の含有量が前記フタロシアニン顔料に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする電子写真感光体である。
【0021】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真感光体に用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびオキシチタニウムフタロシアニン顔料はいかなる結晶形でもよいが、その中でもCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)の7.4°±0.2°および28.2°±0.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)の27.2°±0.2°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンが優れた感度特性を有し好ましい。更には、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンまたはCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンが好ましい。更には、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンまたはCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
【0023】
本発明においては、感光層中にアゾ化合物の存在下でヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とオキシチタニウムフタロシアニン顔料とを含有するが、オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量はヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対し0.005質量%以上、0.1質量%未満である。オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量が0.005質量%未満では帯電不良による黒ポチおよびカブリ等の画像欠陥を起こし易く、0.5質量%以上では残留電位、フォトメモリーが大きくなると共に、電位安定性が不十分になる。
【0024】
本発明の電子写真感光体に用いられるアゾ化合物としては、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾおよびテトラキスアゾなどのいかなるアゾ化合物を使用することが可能であるが、中でも下記式(1)で示されるカリックスアレーン化合物が、フタロシアニン顔料の分散性、分散安定性を損なうことなく、ゴースト現象に極めて有効である。
【0025】
【化1】
(式中、nは4〜8の整数を示し、Arは少なくとも1つが異なった、置換基を有してもよい芳香族炭化水素環または置換基を有してもよい複素環の1価の基を示す。)
【0026】
更に、下記式(2)または(3)で示されるカリックスアレーン化合物がゴースト現象に対してより有効に作用し好ましい。
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
上記式(2)または(3)で示されるカリックスアレーン化合物の合成法については、J.Org.Chem.Vol.59,No.4,(1994),p754−757に従ってモノ、ジ、およびトリ置換体を合成した後、アゾニウム塩を替えて再度カップリングすることにより非対称アゾ化カリックスアレーンを合成することができる。
【0030】
本発明の電子写真感光体の感光層は、アゾ化合物および電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびチタニウムフタロシアニン顔料、更には電荷輸送物質を単一の層に含有する単層型感光層と、アゾ化合物および電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびチタニウムフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した積層型感光層に大別されるが、積層型感光層が好ましい。また、電荷発生層と電荷輸送層の積層関係はどちらが上であってもよいが、電荷発生層が下層であることがより好ましい。このアゾ化合物としては、上記式(1)で示されるカリックスアレーン化合物であることが好ましく、上記式(2)または(3)で示される構造を有するカリックスアレーン化合物であることが特に好ましい。
【0031】
支持体は、導電性を有するものであればよく、アルミニウムやステンレスなどの金属あるいは導電層を設けた金属、プラスチックおよび紙などが挙げられ、形状としては円筒状またはフィルム状などが挙げられる。
【0032】
支持体と感光層の間には、バリア機能と接着機能を持つ中間層を設けることもできる。
【0033】
中間層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわおよびゼラチンなどが用いられる。これらは、適当な溶剤に溶解して支持体上に塗布される。
【0034】
中間層の膜厚は0.2〜3.0μmであることが好ましい。
【0035】
更に、支持体と中間層との間に、支持体のムラや欠陥の被覆、干渉縞防止を目的とした導電層を設けることが好適である。
【0036】
導電層は、カーボンブラック、金属粒子および金属酸化物などの導電性粉体を、結着樹脂中に分散して形成することができる。
【0037】
導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0038】
単層型感光層を形成する場合、アゾ化合物と電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびチタニウムフタロシアニン顔料と電荷輸送物質とを適当な結着樹脂溶液中に混合して、この混合液を支持体上に塗布し、乾燥して形成される。
【0039】
積層型感光層を形成する場合、電荷発生層は、アゾ化合物と電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびチタニウムフタロシアニン顔料を適当な結着樹脂溶液と共に分散し、この分散液を塗布し、乾燥して形成することができる。
【0040】
電荷輸送層は、主として電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗布し、乾燥して形成する。
【0041】
電荷輸送物質としては、各種のトリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物およびトリアリルメタン化合物などが挙げられるが、アゾ化合物と組み合わせる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物が好ましい。
【0042】
各層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体およびポリビニルベンザールなどの樹脂が用いられるが、アゾ化合物を分散させる樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザールが好ましい。
【0043】
各層の塗布方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法およびビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
【0044】
感光層が単層型である場合、膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0045】
感光層が積層型である場合は、電荷発生層の膜厚は0.01〜10μmであることが好ましく、特には0.05〜5μmであることが好ましい。電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0046】
感光層が単層型である場合、電荷発生物質の含有量は、感光層全質量に対して3〜30質量%であることが好ましい。電荷輸送物質の含有量は、感光層全質量に対して30〜70質量%であることが好ましい。
【0047】
感光層が積層型である場合、電荷発生物質の含有量は、電荷発生層全質量に対して30〜90質量%であることが好ましく、特には50〜80質量%であることが好ましい。電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜70質量%であることが好ましい。
【0048】
いずれの場合においても、アゾ化合物の含有量は、電荷発生物質に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、特には0.2〜5質量%であることが好ましい。アゾ化合物の含有量が電荷発生物質に対して0.1〜10質量%であれば、電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とチタニウムフタロシアニン顔料とを同時に含有しても、これらフタロシアニン顔料の分散性が良好で、かつ、電荷発生層用塗料中でのこれらフタロシアニン顔料の分散安定性も良好に維持される。さらには、これらフタロシアニン顔料の問題点であるゴースト現象に対しても著しい改善効果が得られた。一方、アゾ化合物の含有量が電荷発生物質に対して10質量%より多いと、電荷発生物質としてのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料やチタニウムフタロシアニン顔料の電荷発生層用塗料中での顔料の沈降、凝集を引き起こし易くなり、電荷発生層形成時にムラ、ポチ等の発生を引き起こし、画像ムラやポチの原因となる。また、アゾ化合物の含有量が電荷発生物質に対して0.1質量%より少ないと電荷発生物質としてのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料やチタニウムフタロシアニン顔料の分散性が十分でなく、やはり電荷発生層用塗料中での顔料の沈降、凝集を引き起こし易くなると共に、ゴースト現象に対しても十分な効果が得られない。
【0049】
次に、本発明の電子写真感光体を備えた電子写真装置について説明する。
【0050】
図1に接触帯電方式の電子写真装置の一例を示した。本例は転写式複写機もしくはプリンターである。
【0051】
1は本発明の対象となっている電子写真感光体でドラム型のものである。この電子写真感光体1は矢印Aの時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0052】
2は帯電手段としての接触帯電部材である帯電ローラである。この帯電ローラ2は該帯電ローラに圧設した感光体1の回転に従動して回転し、バイアス電源2AからDC電圧またはAC電圧を重畳されたDC電圧が印加される。この帯電ローラ2により感光体1の周面が所定の極性・電位にかつ一様に接触帯電方式で帯電処理される。
【0053】
その感光体1の帯電処理面に不図示の露光手段(原稿像の結像露光手段、レーザービームスキャナなど)により目的画像情報の露光3がなされて感光体1面に目的画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。
【0054】
その形成静電潜像は現像器4の荷電粒子(トナー)5で正規現像または反転現像により可転写粒子像(トナー像)5aとして顕画化される。
【0055】
次いでそのトナー像は感光体1と該感光体に圧設している転写手段としての転写ローラ7とのニップ部(転写部)に給紙カセット9から給紙ローラ10およびレジストローラ11により所定のタイミングで一枚づつ給送された用紙6に被転写粒子5bが付着する。転写ローラ7にはバイアス電源7Aからトナー5の保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加されている。
【0056】
トナー像転写を受けた用紙6は感光体1面から分離されて不図示の定着手段へ搬送されてトナー像の定着処理を受ける。
【0057】
トナー像転写後の感光体1面はクリーナー(クリーニング装置)8により転写残りトナーなどの付着汚染物の除去を受けて洗浄面化されて繰返して作像に供される。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。実施例中、「部」は、「質量部」を意味する。
【0059】
[カリックスアレーン化合物の合成例]
本発明の前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物の合成例を下記に示す。
【0060】
合成例
窒素雰囲気下、3径フラスコにカリックス[4]アレ−ン2.5部、テトラヒドロフラン80部、ピリジン20部を入れ、−15℃に冷却した後、温度を保ちながら下記構造式
【0061】
【化4】
のホウフッ化塩4.5部を3時間かけてゆっくり加えた。そのままの温度で30分間攪拌した後、析出物を濾取し、クロロホルム、アセトン、次いでテトラヒドロフランで洗浄した。ここで得られた黄赤色化合物を窒素雰囲気下、3径フラスコに戻し、テトラヒドロフラン200部を加え、0℃まで冷却し下記構造式
【0062】
【化5】
のホウフッ化塩1.4部を加えた後、次いでピリジン10部をゆっくり加えた。この反応液を60℃まで昇温させ、3時間攪拌した後、ろ過した。ろ取物をテトラヒドロフラン、5%塩酸水溶液、アセトンで充分洗浄した後、室温で減圧乾燥し、前記式(2)で示される黄色のカリックスアレーン化合物を3.2部得た。
【0063】
質量分析スペクトル、m/z=1154.2(M−1)
質量スペクトル測定装置
メーカー:BRUKER
形式:REFLEXIII−TOF
測定モード:NEGA
【0064】
(実施例1)
SnO2コート処理硫酸バリウム粉体50部、酸化チタン粉体12.5部、シリコーン樹脂粉体5.25部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して導電層用塗料を調製した。
【0065】
支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径30mm×長さ260.5mm)上に、上記塗料をディッピング法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚が15μmの導電層を形成した。
【0066】
この導電層の上に、6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体樹脂5部をメタノール70部/ブタノール25部の混合溶媒に溶解した溶液をディッピング法で塗布し、乾燥して、膜厚が0.8μmの中間層を設けた。
【0067】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部と、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン0.01部および前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物0.1部およびポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)5部をシクロヘキサノン250部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これに250部の酢酸エチルを加えて希釈し、これを中間層上に塗布した後、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0068】
次に、下記式で示される構造を有する電荷輸送物質9部と、
【0069】
【化6】
下記式で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂(Mw=101000)
【0070】
【化7】
10部とを、モノクロロベンゼン70部に溶解した溶液を作製し、電荷発生層上にディッピング法により塗布した。これを110℃の温度で1時間乾燥して、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成し、ドラム形状の電子写真感光体を得た。
【0071】
(実施例2)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンをCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を作製した。
【0072】
(実施例3)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを0.0005部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製した。
【0073】
(実施例4)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを0.001部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4の電子写真感光体を作製した。
【0074】
(実施例5)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを0.04部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製した。
【0075】
(実施例6)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を0.05部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6の電子写真感光体を作製した。
【0076】
(実施例7)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を0.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例7の電子写真感光体を作製した。
【0077】
(実施例8)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を1部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例8の電子写真感光体を作製した。
【0078】
(実施例9)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物0.05と前記式(3)で示されるカリックスアレーン化合物0.05部の組み合わせに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例9の電子写真感光体を作製した。
【0079】
(比較例1)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を用いなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製した。
【0080】
(比較例2)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを用いなかった以外は、実施例1と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した。
【0081】
(比較例3)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを0.0002部に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例3の電子写真感光体を作製した。
【0082】
(比較例4)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを0.08部に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例4の電子写真感光体を作製した。
【0083】
(比較例5)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を0.008部に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例5の電子写真感光体を作製した。
【0084】
(比較例6)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を1.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例6の電子写真感光体を作製した。
【0085】
このようにして作製した実施例1〜9および比較例1〜6の電子写真感光体について、図1に示されるような構成を有するヒューレットパッカード製LBP「レーザージェット4000」(プロセススピード94.2mm/sec)をDC帯電に改造し、明部電位測定および画像評価を行った。
【0086】
まず、温度23℃/湿度55%RHの常温常湿環境下における初期明部電位の測定を以下のプロセス条件設定で行った。
【0087】
電子写真感光体暗部電位 −630V
像露光量 0.32μj/cm2
次に、初期画像評価を以下のプロセス条件設定で行った。
【0088】
電子写真感光体暗部電位 −630V
電子写真感光体明部電位 −140V
現像バイアス −400V(直流電圧のみ)
【0089】
更に、同環境で10000枚の連続通紙耐久試験を行い、明部電位の測定および画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0090】
画像の評価は以下の様に行った。プリント画像書き出しから電子写真感光体の1回転目部分に25mm角の正方形のベタ黒部を並べ、電子写真感光体の2回転目以降に1ドットを桂馬パターンで印字したハーフトーンのテストチャートでゴーストを評価した。また、プリント全面に1ドットを桂馬パターンで印字したハーフトーンのテストチャートで画像の均一性およびベタ黒、ベタ白画像によりポチ、カブリ画像の評価を行った。
【0091】
通紙耐久の条件は、A4サイズ紙に面積比率4%印字の文字パターンで2000枚の連続プリントモードで行った。
【0092】
また、ゴースト画像の評価は目視で行い、ゴーストの程度で下記のようにランク付けした。
【0093】
ランク1:ゴーストは全く見えない。
【0094】
ランク2:ゴーストはほとんど見えない。
【0095】
ランク3:ゴーストがうっすら見える
ランク4:ゴーストが見える
ランク5:ゴーストがはっきり見える
なお、ランク3、4、5は、本発明の効果が十分に得られていないと判断した。
【0096】
次に、低温低湿(15℃、10%RH)および高温高湿(30℃、80%RH)の環境下で、常温常湿下と同様の評価を行った。評価結果を表2および3に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
評価の結果、本発明の感光体は、表1〜3に示すように、初期、連続10,000枚耐久後も、低温低湿から高温高湿までいずれの環境でも高感度で安定した電位を示し、不要な黒点画像やカブリ、ゴースト、干渉縞のない非常に優れた画質の画像が安定して得られた。
【0101】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明の好適な実施の態様を以下のとおり列挙する
[実施態様1]
導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびオキシチタニウムフタロシアニン顔料を含有し、かつアゾ化合物を含有し、前記オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量が前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対して0.005質量%以上0.5質量%未満であり、かつ前記アゾ化合物の含有量が前記フタロシアニン顔料に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする電子写真感光体。
【0102】
[実施態様2]
前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)の7.4°±0.2°および28.2°±0.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンであり、かつ、前記オキシチタニウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)の27.2°±0.2°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンである実施態様1に記載の電子写真感光体。
【0103】
[実施態様3]
前記オキシチタニウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンである実施態様2に記載の電子写真感光体。
【0104】
[実施態様4]
前記オキシチタニウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンである実施態様2に記載の電子写真感光体。
【0105】
[実施態様5]
前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンである実施態様2〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
【0106】
[実施態様6]
前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンである実施態様2〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
【0107】
[実施態様7]
前記アゾ化合物が下記式(1)で示される構造を有する実施態様1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
【0108】
【化8】
(式中、nは4〜8の整数を示し、Arは少なくとも1つが異なった、置換基を有してもよい芳香族炭化水素環または置換基を有してもよい複素環の1価の基を示す。)
[実施態様8]
前記アゾ化合物が下記式(2)または(3)で示される構造を有する実施態様7に記載の電子写真感光体。
【0109】
【化9】
【0110】
【化10】
[実施態様9]
実施態様1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0111】
[実施態様10]
実施態様1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
【0112】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、初期および連続10,000枚耐久後において、低温低湿から高温高湿までのいずれの環境でも、高感度で安定した電位を示し、不要な黒点画像やカブリ、ゴースト、干渉縞のない非常に優れた画質の画像が安定して得られる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 (一次)帯電ローラ
2A バイアス電源
3 露光
4 現像器
5 荷電粒子(トナー)
5a 可転写粒子像(トナー像)
5b 被転写粒子
6 用紙
7 転写ローラ
7A バイアス電源
8 クリーナー(クリーニング装置)
9 給紙カセット
10 給紙ローラ
11 レジストローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは特定の化合物を電荷発生物質として含有する感光層を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真技術を応用した複写機やプリンター(電子写真装置)が広く普及している。これらは、主として、レーザー光を光源としており、その光源としては、コストや電子写真装置の大きさなどの点から半導体レーザーが用いられる。
【0003】
現在、主として用いられている半導体レーザーは、その発振波長が650〜820nmと長波長のため、これらの長波長の光に十分な感度を有する電子写真感光体の開発が進められてきた。また、最近は高解像度化に向けて短波長半導体レーザーの光に十分な感度を有する電子写真感光体の開発が進められている。
【0004】
フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域また短波長領域まで感度を有する電荷発生物質として極めて有効であり、レーザービームプリンターに用いられる電子写真感光体用の電荷発生物質として広く用いられている。
【0005】
フタロシアニン顔料としては、オキシチタニウムフタロシアニンやヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形が開示されている(例えば、特許文献1〜8参照)。
【0006】
特に、CuKα特性X線回折における回折角(2θ)の27.2゜±0.2゜に最も強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを用いた電子写真感光体は、非常に高感度で帯電性も良好であるが、特に残留電位、フォトメモリーおよび電位安定性の点でより優れた特性を有するものが望まれている。また、CuKα特性X線回折における回折角(2θ)の7.4゜±0.2゜および28.2゜±0.2゜に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いた電子写真感光体は、感度、残留電位および、フォトメモリーは良好だが、帯電性や電位安定性に関しては、更に優れたものが望まれている。
【0007】
また、フタロシアニン顔料の問題点を改良するために特定のアゾ顔料と組み合わせて用いることが開示されている(例えば、特許文献9、10参照)。
【0008】
また、オキシチタニウムフタロシアニンとヒドロキシガリウムフタロシアニンとを組み合わせて用いた電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献11参照)。
【0009】
しかしながら、電荷発生物質を組み合わせて用いることにより、感度特性や、電位安定性、メモリー等に改善が見られるものの、組み合わせる顔料同士の分散性が違うために複雑な分散方法が必要であることや、分散状態が不安定なものが多く、また、プロセスの更なる高速化あるいは更なる高画質化の観点から、感度や繰り返し使用時の電位安定性、残留電位、帯電不良による黒ポチやかぶり等、更には白色光に対するメモリー等の点で未だ十分とはいえず、更に優れた特性を有する電子写真感光体が求められている。
【0010】
また、フタロシアニン化合物を電荷発生層に用いた電子写真感光体は非常に高感度であり且、赤外領域にまで感度を有しているが、高感度ゆえキャリアの絶対数が多く、ホールが注入した後のエレクトロンが電荷発生層中に残存し易く、一種のメモリーとして電位変動を起こし易いという欠点があった。
【0011】
原理的には電荷発生層中に残されたエレクトロンが何らかの理由で電荷発生層と電荷輸送層の界面に進行し、界面近傍のホール注入のバリア性を下げるものと思われる。
【0012】
実際に電子写真感光体として用いた場合表現する現象としては、連続プリント時の明部電位および残留電位の低下として現れる。例えば、現在プリンターでよく使用されている暗部電位部分を非現像部とし明部電位部分を現像部分とする現像プロセス(いわゆる反転現像系)で使用した場合、前プリント時に光が当たった所の感度が高くなり次プリント時に全面黒画像を取ると、前プリント部分が黒く浮き出る、いわゆるゴースト現象(以下、ポジゴーストと称す)が顕著に現れてしまう。
【0013】
また、感光層(電荷発生層)と中間層との界面、または、中間層と導電層との界面に電子が留まる場合は、逆にプリント時の明部電位の上昇として現れる。反転現像系で使用した場合、前プリント時に光が当たった箇所の感度が遅くなるため、次プリント時に全面黒画像を取ると、前プリント部分が白く浮き出る、いわゆるゴースト現象(以下、ネガゴーストと称す)が顕著に現れてしまう。
【0014】
これらの現象のうち、ネガゴーストはプリント初期に、ポジゴーストは連続プリント中に出ることが多い。
【0015】
このようなゴースト現象を改善するために、カリックスアレーン化合物を用いることが開示されている(例えば、特許文献12、13参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開昭61−239248号公報
【特許文献2】
特開昭61−217050号公報
【特許文献3】
特開昭62−67094号公報
【特許文献4】
特開昭63−218768号公報
【特許文献5】
特開昭64−17066号公報
【特許文献6】
特開平5−98181号公報
【特許文献7】
特開平5−263007号公報
【特許文献8】
特開平10−67946号公報
【特許文献9】
特開平7−128888号公報
【特許文献10】
特開平9−34149号公報
【特許文献11】
特開2000−137340公報
【特許文献12】
特開2001−066804公報
【特許文献13】
特開2001−290293公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、プロセスの更なる高速化、高画質化、特にカラー化に対しては、あらゆる環境下においてゴースト現象による画質劣化の改善が望まれており、特に厳しい条件である高温高湿下、低温低湿下、及び耐久による画像劣化に対して更なる改善が望まれている。
【0018】
本発明の目的は、上記問題を解決し、あらゆる環境下において高感度、特に半導体レーザー波長域で高感度特性を維持しつつ電位安定性に優れ、画像欠陥のない画像を供給することのできる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、感光層が特定のアゾ化合物の存在下で、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとヒドロキシガリウムフタロシアニンに対し極少量のチタニウムフタロシアニンとを含有することで、上記課題を解決することができることを見出し本発明に至った。
【0020】
すなわち、本発明は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびオキシチタニウムフタロシアニン顔料を含有し、かつアゾ化合物を含有し、前記オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量が前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対して0.005質量%以上0.5質量%未満であり、かつ前記アゾ化合物の含有量が前記フタロシアニン顔料に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする電子写真感光体である。
【0021】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真感光体に用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびオキシチタニウムフタロシアニン顔料はいかなる結晶形でもよいが、その中でもCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)の7.4°±0.2°および28.2°±0.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)の27.2°±0.2°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンが優れた感度特性を有し好ましい。更には、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンまたはCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンが好ましい。更には、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンまたはCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
【0023】
本発明においては、感光層中にアゾ化合物の存在下でヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とオキシチタニウムフタロシアニン顔料とを含有するが、オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量はヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対し0.005質量%以上、0.1質量%未満である。オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量が0.005質量%未満では帯電不良による黒ポチおよびカブリ等の画像欠陥を起こし易く、0.5質量%以上では残留電位、フォトメモリーが大きくなると共に、電位安定性が不十分になる。
【0024】
本発明の電子写真感光体に用いられるアゾ化合物としては、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾおよびテトラキスアゾなどのいかなるアゾ化合物を使用することが可能であるが、中でも下記式(1)で示されるカリックスアレーン化合物が、フタロシアニン顔料の分散性、分散安定性を損なうことなく、ゴースト現象に極めて有効である。
【0025】
【化1】
(式中、nは4〜8の整数を示し、Arは少なくとも1つが異なった、置換基を有してもよい芳香族炭化水素環または置換基を有してもよい複素環の1価の基を示す。)
【0026】
更に、下記式(2)または(3)で示されるカリックスアレーン化合物がゴースト現象に対してより有効に作用し好ましい。
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
上記式(2)または(3)で示されるカリックスアレーン化合物の合成法については、J.Org.Chem.Vol.59,No.4,(1994),p754−757に従ってモノ、ジ、およびトリ置換体を合成した後、アゾニウム塩を替えて再度カップリングすることにより非対称アゾ化カリックスアレーンを合成することができる。
【0030】
本発明の電子写真感光体の感光層は、アゾ化合物および電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびチタニウムフタロシアニン顔料、更には電荷輸送物質を単一の層に含有する単層型感光層と、アゾ化合物および電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびチタニウムフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した積層型感光層に大別されるが、積層型感光層が好ましい。また、電荷発生層と電荷輸送層の積層関係はどちらが上であってもよいが、電荷発生層が下層であることがより好ましい。このアゾ化合物としては、上記式(1)で示されるカリックスアレーン化合物であることが好ましく、上記式(2)または(3)で示される構造を有するカリックスアレーン化合物であることが特に好ましい。
【0031】
支持体は、導電性を有するものであればよく、アルミニウムやステンレスなどの金属あるいは導電層を設けた金属、プラスチックおよび紙などが挙げられ、形状としては円筒状またはフィルム状などが挙げられる。
【0032】
支持体と感光層の間には、バリア機能と接着機能を持つ中間層を設けることもできる。
【0033】
中間層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわおよびゼラチンなどが用いられる。これらは、適当な溶剤に溶解して支持体上に塗布される。
【0034】
中間層の膜厚は0.2〜3.0μmであることが好ましい。
【0035】
更に、支持体と中間層との間に、支持体のムラや欠陥の被覆、干渉縞防止を目的とした導電層を設けることが好適である。
【0036】
導電層は、カーボンブラック、金属粒子および金属酸化物などの導電性粉体を、結着樹脂中に分散して形成することができる。
【0037】
導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0038】
単層型感光層を形成する場合、アゾ化合物と電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびチタニウムフタロシアニン顔料と電荷輸送物質とを適当な結着樹脂溶液中に混合して、この混合液を支持体上に塗布し、乾燥して形成される。
【0039】
積層型感光層を形成する場合、電荷発生層は、アゾ化合物と電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびチタニウムフタロシアニン顔料を適当な結着樹脂溶液と共に分散し、この分散液を塗布し、乾燥して形成することができる。
【0040】
電荷輸送層は、主として電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗布し、乾燥して形成する。
【0041】
電荷輸送物質としては、各種のトリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物およびトリアリルメタン化合物などが挙げられるが、アゾ化合物と組み合わせる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物が好ましい。
【0042】
各層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体およびポリビニルベンザールなどの樹脂が用いられるが、アゾ化合物を分散させる樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザールが好ましい。
【0043】
各層の塗布方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法およびビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
【0044】
感光層が単層型である場合、膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0045】
感光層が積層型である場合は、電荷発生層の膜厚は0.01〜10μmであることが好ましく、特には0.05〜5μmであることが好ましい。電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0046】
感光層が単層型である場合、電荷発生物質の含有量は、感光層全質量に対して3〜30質量%であることが好ましい。電荷輸送物質の含有量は、感光層全質量に対して30〜70質量%であることが好ましい。
【0047】
感光層が積層型である場合、電荷発生物質の含有量は、電荷発生層全質量に対して30〜90質量%であることが好ましく、特には50〜80質量%であることが好ましい。電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜70質量%であることが好ましい。
【0048】
いずれの場合においても、アゾ化合物の含有量は、電荷発生物質に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、特には0.2〜5質量%であることが好ましい。アゾ化合物の含有量が電荷発生物質に対して0.1〜10質量%であれば、電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とチタニウムフタロシアニン顔料とを同時に含有しても、これらフタロシアニン顔料の分散性が良好で、かつ、電荷発生層用塗料中でのこれらフタロシアニン顔料の分散安定性も良好に維持される。さらには、これらフタロシアニン顔料の問題点であるゴースト現象に対しても著しい改善効果が得られた。一方、アゾ化合物の含有量が電荷発生物質に対して10質量%より多いと、電荷発生物質としてのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料やチタニウムフタロシアニン顔料の電荷発生層用塗料中での顔料の沈降、凝集を引き起こし易くなり、電荷発生層形成時にムラ、ポチ等の発生を引き起こし、画像ムラやポチの原因となる。また、アゾ化合物の含有量が電荷発生物質に対して0.1質量%より少ないと電荷発生物質としてのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料やチタニウムフタロシアニン顔料の分散性が十分でなく、やはり電荷発生層用塗料中での顔料の沈降、凝集を引き起こし易くなると共に、ゴースト現象に対しても十分な効果が得られない。
【0049】
次に、本発明の電子写真感光体を備えた電子写真装置について説明する。
【0050】
図1に接触帯電方式の電子写真装置の一例を示した。本例は転写式複写機もしくはプリンターである。
【0051】
1は本発明の対象となっている電子写真感光体でドラム型のものである。この電子写真感光体1は矢印Aの時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0052】
2は帯電手段としての接触帯電部材である帯電ローラである。この帯電ローラ2は該帯電ローラに圧設した感光体1の回転に従動して回転し、バイアス電源2AからDC電圧またはAC電圧を重畳されたDC電圧が印加される。この帯電ローラ2により感光体1の周面が所定の極性・電位にかつ一様に接触帯電方式で帯電処理される。
【0053】
その感光体1の帯電処理面に不図示の露光手段(原稿像の結像露光手段、レーザービームスキャナなど)により目的画像情報の露光3がなされて感光体1面に目的画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。
【0054】
その形成静電潜像は現像器4の荷電粒子(トナー)5で正規現像または反転現像により可転写粒子像(トナー像)5aとして顕画化される。
【0055】
次いでそのトナー像は感光体1と該感光体に圧設している転写手段としての転写ローラ7とのニップ部(転写部)に給紙カセット9から給紙ローラ10およびレジストローラ11により所定のタイミングで一枚づつ給送された用紙6に被転写粒子5bが付着する。転写ローラ7にはバイアス電源7Aからトナー5の保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加されている。
【0056】
トナー像転写を受けた用紙6は感光体1面から分離されて不図示の定着手段へ搬送されてトナー像の定着処理を受ける。
【0057】
トナー像転写後の感光体1面はクリーナー(クリーニング装置)8により転写残りトナーなどの付着汚染物の除去を受けて洗浄面化されて繰返して作像に供される。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。実施例中、「部」は、「質量部」を意味する。
【0059】
[カリックスアレーン化合物の合成例]
本発明の前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物の合成例を下記に示す。
【0060】
合成例
窒素雰囲気下、3径フラスコにカリックス[4]アレ−ン2.5部、テトラヒドロフラン80部、ピリジン20部を入れ、−15℃に冷却した後、温度を保ちながら下記構造式
【0061】
【化4】
のホウフッ化塩4.5部を3時間かけてゆっくり加えた。そのままの温度で30分間攪拌した後、析出物を濾取し、クロロホルム、アセトン、次いでテトラヒドロフランで洗浄した。ここで得られた黄赤色化合物を窒素雰囲気下、3径フラスコに戻し、テトラヒドロフラン200部を加え、0℃まで冷却し下記構造式
【0062】
【化5】
のホウフッ化塩1.4部を加えた後、次いでピリジン10部をゆっくり加えた。この反応液を60℃まで昇温させ、3時間攪拌した後、ろ過した。ろ取物をテトラヒドロフラン、5%塩酸水溶液、アセトンで充分洗浄した後、室温で減圧乾燥し、前記式(2)で示される黄色のカリックスアレーン化合物を3.2部得た。
【0063】
質量分析スペクトル、m/z=1154.2(M−1)
質量スペクトル測定装置
メーカー:BRUKER
形式:REFLEXIII−TOF
測定モード:NEGA
【0064】
(実施例1)
SnO2コート処理硫酸バリウム粉体50部、酸化チタン粉体12.5部、シリコーン樹脂粉体5.25部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して導電層用塗料を調製した。
【0065】
支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径30mm×長さ260.5mm)上に、上記塗料をディッピング法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚が15μmの導電層を形成した。
【0066】
この導電層の上に、6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体樹脂5部をメタノール70部/ブタノール25部の混合溶媒に溶解した溶液をディッピング法で塗布し、乾燥して、膜厚が0.8μmの中間層を設けた。
【0067】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部と、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン0.01部および前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物0.1部およびポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)5部をシクロヘキサノン250部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これに250部の酢酸エチルを加えて希釈し、これを中間層上に塗布した後、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0068】
次に、下記式で示される構造を有する電荷輸送物質9部と、
【0069】
【化6】
下記式で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂(Mw=101000)
【0070】
【化7】
10部とを、モノクロロベンゼン70部に溶解した溶液を作製し、電荷発生層上にディッピング法により塗布した。これを110℃の温度で1時間乾燥して、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成し、ドラム形状の電子写真感光体を得た。
【0071】
(実施例2)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンをCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を作製した。
【0072】
(実施例3)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを0.0005部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製した。
【0073】
(実施例4)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを0.001部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4の電子写真感光体を作製した。
【0074】
(実施例5)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを0.04部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製した。
【0075】
(実施例6)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を0.05部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6の電子写真感光体を作製した。
【0076】
(実施例7)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を0.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例7の電子写真感光体を作製した。
【0077】
(実施例8)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を1部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例8の電子写真感光体を作製した。
【0078】
(実施例9)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物0.05と前記式(3)で示されるカリックスアレーン化合物0.05部の組み合わせに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例9の電子写真感光体を作製した。
【0079】
(比較例1)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を用いなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製した。
【0080】
(比較例2)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを用いなかった以外は、実施例1と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した。
【0081】
(比較例3)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを0.0002部に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例3の電子写真感光体を作製した。
【0082】
(比較例4)
実施例1において、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを0.08部に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例4の電子写真感光体を作製した。
【0083】
(比較例5)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を0.008部に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例5の電子写真感光体を作製した。
【0084】
(比較例6)
実施例1において、前記式(2)で示されるカリックスアレーン化合物を1.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例6の電子写真感光体を作製した。
【0085】
このようにして作製した実施例1〜9および比較例1〜6の電子写真感光体について、図1に示されるような構成を有するヒューレットパッカード製LBP「レーザージェット4000」(プロセススピード94.2mm/sec)をDC帯電に改造し、明部電位測定および画像評価を行った。
【0086】
まず、温度23℃/湿度55%RHの常温常湿環境下における初期明部電位の測定を以下のプロセス条件設定で行った。
【0087】
電子写真感光体暗部電位 −630V
像露光量 0.32μj/cm2
次に、初期画像評価を以下のプロセス条件設定で行った。
【0088】
電子写真感光体暗部電位 −630V
電子写真感光体明部電位 −140V
現像バイアス −400V(直流電圧のみ)
【0089】
更に、同環境で10000枚の連続通紙耐久試験を行い、明部電位の測定および画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0090】
画像の評価は以下の様に行った。プリント画像書き出しから電子写真感光体の1回転目部分に25mm角の正方形のベタ黒部を並べ、電子写真感光体の2回転目以降に1ドットを桂馬パターンで印字したハーフトーンのテストチャートでゴーストを評価した。また、プリント全面に1ドットを桂馬パターンで印字したハーフトーンのテストチャートで画像の均一性およびベタ黒、ベタ白画像によりポチ、カブリ画像の評価を行った。
【0091】
通紙耐久の条件は、A4サイズ紙に面積比率4%印字の文字パターンで2000枚の連続プリントモードで行った。
【0092】
また、ゴースト画像の評価は目視で行い、ゴーストの程度で下記のようにランク付けした。
【0093】
ランク1:ゴーストは全く見えない。
【0094】
ランク2:ゴーストはほとんど見えない。
【0095】
ランク3:ゴーストがうっすら見える
ランク4:ゴーストが見える
ランク5:ゴーストがはっきり見える
なお、ランク3、4、5は、本発明の効果が十分に得られていないと判断した。
【0096】
次に、低温低湿(15℃、10%RH)および高温高湿(30℃、80%RH)の環境下で、常温常湿下と同様の評価を行った。評価結果を表2および3に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
評価の結果、本発明の感光体は、表1〜3に示すように、初期、連続10,000枚耐久後も、低温低湿から高温高湿までいずれの環境でも高感度で安定した電位を示し、不要な黒点画像やカブリ、ゴースト、干渉縞のない非常に優れた画質の画像が安定して得られた。
【0101】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明の好適な実施の態様を以下のとおり列挙する
[実施態様1]
導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびオキシチタニウムフタロシアニン顔料を含有し、かつアゾ化合物を含有し、前記オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量が前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対して0.005質量%以上0.5質量%未満であり、かつ前記アゾ化合物の含有量が前記フタロシアニン顔料に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする電子写真感光体。
【0102】
[実施態様2]
前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)の7.4°±0.2°および28.2°±0.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンであり、かつ、前記オキシチタニウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)の27.2°±0.2°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンである実施態様1に記載の電子写真感光体。
【0103】
[実施態様3]
前記オキシチタニウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンである実施態様2に記載の電子写真感光体。
【0104】
[実施態様4]
前記オキシチタニウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンである実施態様2に記載の電子写真感光体。
【0105】
[実施態様5]
前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンである実施態様2〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
【0106】
[実施態様6]
前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ)±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンである実施態様2〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
【0107】
[実施態様7]
前記アゾ化合物が下記式(1)で示される構造を有する実施態様1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
【0108】
【化8】
(式中、nは4〜8の整数を示し、Arは少なくとも1つが異なった、置換基を有してもよい芳香族炭化水素環または置換基を有してもよい複素環の1価の基を示す。)
[実施態様8]
前記アゾ化合物が下記式(2)または(3)で示される構造を有する実施態様7に記載の電子写真感光体。
【0109】
【化9】
【0110】
【化10】
[実施態様9]
実施態様1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0111】
[実施態様10]
実施態様1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
【0112】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、初期および連続10,000枚耐久後において、低温低湿から高温高湿までのいずれの環境でも、高感度で安定した電位を示し、不要な黒点画像やカブリ、ゴースト、干渉縞のない非常に優れた画質の画像が安定して得られる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 (一次)帯電ローラ
2A バイアス電源
3 露光
4 現像器
5 荷電粒子(トナー)
5a 可転写粒子像(トナー像)
5b 被転写粒子
6 用紙
7 転写ローラ
7A バイアス電源
8 クリーナー(クリーニング装置)
9 給紙カセット
10 給紙ローラ
11 レジストローラ
Claims (3)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびオキシチタニウムフタロシアニン顔料を含有し、かつアゾ化合物を含有し、前記オキシチタニウムフタロシアニン顔料の含有量が前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対して0.005質量%以上0.5質量%未満であり、かつ前記アゾ化合物の含有量が前記フタロシアニン顔料に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする電子写真感光体。
- 請求項1に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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|---|---|---|---|
| JP2003026007A JP2004239955A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
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|---|---|
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014092033A1 (en) * | 2012-12-14 | 2014-06-19 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus, and gallium phthalocyanine crystal |
| JP2015069089A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
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2003
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