JP2004246685A - グリーン電力供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】託送事業者や電力事業者や一般消費者に経済的負担を生じさせないようにして、グリーン電力を良好に普及する。
【解決手段】最低プレミアム料金記憶手段10により、特定期間におけるグリーン電力の種類別の最低プレミアム料金を受信して記憶する。需要家側情報入手手段11により、需要家7から指示される、使用電力に対して購入可能なグリーン電力が占める最大割合と、グリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金とを入手する。料金判別手段12により、指示されたプレミアム料金が適正かどうかを判別してから、需要家側情報記憶手段13により、指示された最大割合とプレミアム料金とを記憶し、料金算出手段15により、特定期間内に託送事業者1が得たグリーン電力量に基づき、前記最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、各需要家7、発電事業者6および託送事業者1に対する電力料金を算出する。
【選択図】 図2
【解決手段】最低プレミアム料金記憶手段10により、特定期間におけるグリーン電力の種類別の最低プレミアム料金を受信して記憶する。需要家側情報入手手段11により、需要家7から指示される、使用電力に対して購入可能なグリーン電力が占める最大割合と、グリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金とを入手する。料金判別手段12により、指示されたプレミアム料金が適正かどうかを判別してから、需要家側情報記憶手段13により、指示された最大割合とプレミアム料金とを記憶し、料金算出手段15により、特定期間内に託送事業者1が得たグリーン電力量に基づき、前記最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、各需要家7、発電事業者6および託送事業者1に対する電力料金を算出する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽光発電、風力発電、地熱発電、大規模なダム等を用いない小規模発電、ゴミ処理時に発生する熱を利用したバイオマス発電などによって発電する、いわゆるグリーン電力を分配供給するグリーン電力供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
地球規模での環境問題により、化石燃料や原子力といった既存の方法以外で発電する上述のようなグリーン電力が注目され、近年、徐々に普及し始めている。
ところが、グリーン電力は、コストが高い、天候等に左右されやすいために発電出力が不安定であるといった理由から、十分な普及が図りづらい問題がある。
【0003】
例えば、太陽光発電の場合であれば、一般消費者が、自宅の屋根に太陽電池パネルを取り付けて太陽光発電を行い、自家消費分を賄い、不足分は商用電力で補充する一方で余剰分の電力を託送事業者や電力事業者(従来方法で発電する電力事業を行う事業者であり、託送事業と電力事業の両方を行う事業者もある)に売電することが普及しつつある。
ところが、託送事業者や電力事業者が通常の電力単価と同価格で買い取るという優遇策を講じているにもかかわらず、イニシャルコストやメンテナンスコストとのバランス面など採算性に問題があるために、普及率が高くないのが実情である。
【0004】
また、優遇策を講じながらの普及では、託送事業者や電力事業者に余剰電力の買取時に経済的負担を強いることになり、太陽光発電が大規模に普及した場合には、その負担が大きくなりすぎて限界を越え、成立しなくなる。
これは、環境負荷が低く、付加価値の高いグリーン電力も、一旦託送事業者や電力事業者に買い取られた場合には、他の化石燃料や原子力による発電電力と同様の電力として取り扱われ、他の一般消費者や企業に高価に転売できないことが一因である。
【0005】
一方、電力を消費している一般消費者や企業などの需要家は、環境負荷の低いグリーン電力であれば、地球環境の改善に貢献するという視点から、電力単価が高くても購入を希望している場合も多い。ところが、過去の日本の電力システムでは、例え需要家が環境負荷の低いグリーン電力を選択しようとしても、選択することはできなかった。
【0006】
そこで、グリーン電力の普及を促進するために、特許文献1に記載されるものが提案されている。
この公知例によれば、需要家が予め日時を指定してグリーンエネルギーにより発電された電力(グリーン電力)の使用予約量を指示し、それに基づいて、指示された使用予約量分の電力を供給するように発電設備に指示するように構成されている。
また、グリーン電力の供給量に比べて使用予約量が多い場合には、過去の使用量の多少によって使用者を決定するようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−184406号公報(段落番号[0010]、[0011]、[0014]、[0015])
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公知例の場合、グリーン電力が天候や時間によって発電量が大きく変動するという特性を無視したものであり、このグリーン電力の特性と実際の使用状況との間で整合性が取れていない欠点があった。
例えば、使用予約量が実際の発電量を下回った場合には、発電した電力が無駄になり、逆に使用予約量が実際の発電量を上回った場合には、過去の使用量に基づいて使用者を決定している結果、一部の需要家にしかグリーン電力が行き渡らないという欠点があった。
【0009】
また、グリーン電力の発電パターンや、グリーン電力の需要と供給のバランスとは無関係に、予約によってグリーン電力を購入したことになるものであるために、例えば、平日の昼間に太陽光発電によるグリーン電力の使用予約が、そして、夜間に風力発電によるグリーン電力の使用予約がそれぞれ集中し、休日の昼間に太陽光発電によるグリーン電力が、昼間に風力発電によるグリーン電力がそれぞれ使用予約量よりも過剰供給になって余るといった欠点があった。
【0010】
また、例えば、正月休みに工場を稼動しない企業が、年間を通じて風力発電によるグリーン電力を使用予約していても、正月休みやゴールデンウィークやお盆などに実際に発電された風力発電によるグリーン電力を使用せず、風力発電によるグリーン電力が無いときに工場を稼動するというミスマッチを生じてしまう場合がある。このような場合、風力発電によるグリーン電力が無いときに使用する分は、託送事業者や電力事業者が、他の発電設備による発電電力で補うこととなり、そのようなミスマッチに対処するために、託送事業者や電力事業者は余剰の発電設備用を確保しておかなければならず、不経済になる欠点があった。
【0011】
更に、天候や時間の影響を受けて発電量が不安定であるグリーン電力が広く普及してくると、需要パターンとグリーン電力の発電パターンとの不一致が拡大し、系統電力網に過大な負担が掛かったり、グリーン電力の多大な過不足を生じることが懸念される。
例えば、夏場の午後に冷房需要が増大したときに無風状態となって風力発電によるグリーン電力が不足するとか、春や秋の中間期、特にゴールデンウィーク中の休日の昼休みなどに、工場などの稼動が停止しているときに太陽光発電によるグリーン電力が余ってしまうといったことが考えられる。また、例えば、東京では風力発電によるグリーン電力の需要に対して供給量が不足し、北海道では逆に風力発電によるグリーン電力の供給が過剰で、北海道から東京に電力を供給しようとすると、その系統電力網を強化する必要がある。
このような事態に対処するためには、託送事業者や電力事業者にとって、予備の発電設備の確保や、系統電力網の強化、揚水発電設備や蓄電設備の強化など、設備費の増大に繋がり、ひいては一般消費者が負担する電力コストの増大に繋がる欠点があった。
【0012】
また、需要家の使用予約に対応させてグリーン電力の供給量をコントロールするために、いわゆる単位時間内における需要量と供給量とを一致させる同時同量の原則が維持されているとは言えるものの、グリーン電力の発電事業者側における発電量を規制することになり、グリーン電力の発電事業者の育成を阻害し、地球環境の改善効果が低減する欠点があった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、託送事業者や電力事業者や一般消費者に経済的負担を生じさせないようにして、グリーン電力を良好に普及できるようにすることを目的とし、請求項2に係る発明は、グリーン電力の需要量と供給量との不一致を良好に回避できるようにすることを目的とし、請求項3に係る発明は、グリーン電力を一層普及できるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のグリーン電力供給システムは、上述のような目的を達成するために、
グリーン電力を発電する発電事業者からの発電電力を需要家に託送する託送事業者から提示される特定期間におけるグリーン電力の種類別の最低プレミアム料金を受信して記憶する最低プレミアム料金記憶手段と、
グリーン電力を購入しようとする需要家から指示される、使用電力に対して購入可能なグリーン電力が占める最大割合と、グリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金とを入手する需要家側情報入手手段と、
前記需要家側情報入手手段で入手した需要家から指示されるプレミアム料金が前記最低プレミアム料金記憶手段で記憶された最低プレミアム料金以上であるかどうかを判別し、最低プレミアム料金以上であるときに指示されたプレミアム料金を出力する料金判別手段と、
前記需要家側情報入手手段で入手した最大割合と、前記料金判別手段から出力されたプレミアム料金とを記憶する需要家側情報記憶手段と、
前記特定期間内に託送事業者が得たグリーン電力量に基づいて、そのグリーン電力量を、需要家の実使用電力量と前記需要家側情報記憶手段に記憶された需要家が指示した最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、前記発電事業者および託送事業者それぞれに支払うべき電力料金を算出する料金算出手段とを備えて構成する。
託送事業者とは、電力事業者が所有する化石燃料や原子力といった既存の方法による発電設備と、一般消費者や企業の電気設備とを接続する送配電線網を所有して電力を託送する事業を行う事業者のことであり、託送事業と発電事業とを行う電力事業者も含まれる。
特定期間とは、通常1ヶ月であるが、1週間や2週間、更には、季節を考慮した3ヶ月など、適宜設定されるものである。
プレミアム料金とは、グリーン電力を使用するために、託送事業者の託送手数料に上乗せする料金として設定された単位量当たりの電力料金のことであり、通常、従来発電所の電力に上乗せする電力料金よりも高く設定される。また、太陽光発電、風力発電、地熱発電、大規模なダム等を用いない小規模発電、ゴミ処理時に発生する熱を利用したバイオマス発電など、グリーン電力を発電する設備の種類によって個別に所定の電力料金が設定され、互いに異なる電力料金が設定される場合が多い。
【0015】
(作用・効果)
請求項1に係る発明のグリーン電力供給システムの構成によれば、特定期間内に託送事業者が得たグリーン電力量、すなわち、発電事業者が発電したグリーン電力の電力量に基づいて、需要家が指示した最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、その配分結果により、発電事業者および託送事業者それぞれに支払うべき電力料金を算出する。
したがって、需要家が指示した最大割合の総合計の範囲までは、発電事業者で発電したグリーン電力を配分して供給し、需要量をグリーン電力の供給量に合わせるようにするから、需要家が予約した使用量に合わせる従来例のようにグリーン電力の発電事業者に供給量を規制したりせずに済み、グリーン電力の過不足に起因する系統電力網や電力設備の強化に伴う費用増大を回避でき、託送事業者や電力事業者や一般消費者に経済的負担を生じさせないようにして、グリーン電力を良好に普及できる。
また、本システムの運営者は、発電事業者からは、発電電力を安定して供給できる需要家を確保する分の見返りとして、受け取るプレミアム料金の一部を受け取り、一方、託送事業者や電力事業者からは、系統電力網や電力設備の強化に伴う費用増大を回避できる見返りとして、発電電力量などに応じた所定比率の費用を受け取ることでビジネスを成立できる。
【0016】
また、請求項2に係る発明は、上述のような目的を達成するために、
請求項1に記載のグリーン電力供給システムにおいて、
最低プレミアム料金記憶手段、需要家側情報入手手段、料金判別手段、需要家側情報記憶手段および料金算出手段を有するホストコンピュータと、需要家および発電事業者それぞれの端末に通信回線を介して接続する送受信端末とを有し、前記料金算出手段を、リアルタイムから設定時間のうちの所定の一定時間毎に電力料金を算出するように構成する。
設定時間としては、例えば、正月休みやゴールデンウィークやお盆などの時期の午後0時から午後3時とか、太陽光が予想以上に強かったり風の状況が極めて好適であるなど、太陽光発電や風力発電の発電電力量が需要量を越えるであろうと推定される時間が設定され、通常3時間など、2時間から6時間程度の時間が設定される。また、一定時間とは、30分とか1時間などの時間が設定される。
【0017】
(作用・効果)
請求項2に係る発明のグリーン電力供給システムの構成によれば、工場が休みで需要が急激に減少するとか、太陽光が強くて太陽光発電による発電電力量が増加したり、風が強くて風力発電の発電電力量が増加するとか、あるいは、逆に曇りや雨になって太陽光発電による発電電力量が減少したり、無風状態になって風力発電の発電電力量が減少するといった、急激な変化を生じたときに、それらの情報を発電事業者から通信回線を介して需要家に送ることができる。
したがって、需要家は、発電事業者からの情報に基づき、余剰が生じたときには、スポット的にグリーン電力を追加購入し、逆にグリーン電力の発電電力量が減少したときには、例えば、夏場においてエアコンの設定温度を高くするとか、電気機器を極力使用しないようにするとか、グリーン電力以外の電力の消費を減少させるなど、急激なグリーン電力の発電電力量に良好に対処でき、地球環境の改善を図りながら、グリーン電力の需要量と供給量との不一致を良好に回避できる。
【0018】
また、請求項3に係る発明は、上述のような目的を達成するために、
請求項1または2に記載のグリーン電力供給システムにおいて、
需要家から指示されるグリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金に基づき、特定期間内に託送事業者が得たグリーン電力量を、指示したプレミアム料金が高い需要家ほど供給される電力量が多くなるように分配する分配量演算手段を備えて構成する。
【0019】
(作用・効果)
請求項3に係る発明のグリーン電力供給システムの構成によれば、より高いプレミアム料金を指示した需要家には、安いプレミアム料金を指示した需要家よりグリーン電力の供給量が多くなるようにする。
したがって、地球環境の改善に貢献しようという意欲が強くて高いプレミアム料金を指示した需要家の要望に答えることができ、また、安いプレミアム料金を指示した需要家に対しても、供給量が少なくなるもののグリーン電力を供給して要望を満たすことができ、一方、グリーン電力の発電事業者は、受け取る料金が増加し、グリーン電力の発電設備を増加する意欲を向上し、更に、グリーン電力の発電事業に進出する事業者増大にも繋がり、グリーン電力を一層普及できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るグリーン電力供給システムの第1実施例の説明に供する全体概略構成図であり、託送事業者1に、系統電力網2と、変電所3と配電用変電所4とが備えられている。
【0021】
系統電力網2には、火力発電所や原子力発電所などの従来発電所5、および、発電事業者が保有する風力発電所や太陽光発電所などのグリーン電力発電所(以下、発電事業者とも称する)6それぞれが変電所3を介して接続されている。
【0022】
また、系統電力網2には、需要家7や、太陽電池パネルなどのグリーン電力発電設備を有する需要家8が配電用変電所4を介して接続され、発電事業者6やグリーン電力発電設備を有する需要家8で発電された発電電力(グリーン電力)を託送事業者1を介して需要家7,8に託送するように構成されている。
託送事業者1、発電事業者6、需要家7、および、グリーン電力発電設備を有する需要家8それぞれにホストコンピュータ9が接続されている。
【0023】
ホストコンピュータ9には、図2のブロック図に示すように、最低プレミアム料金記憶手段10、需要家側情報入手手段11、料金判別手段12、需要家側情報記憶手段13、分配量演算手段14および料金算出手段15が備えられている。ここでは、自家消費を主体としている、グリーン電力発電設備を有する需要家8を省いているが、グリーン電力の購入を希望している場合には需要家7に含まれ、余剰分のグリーン電力を託送事業者1に売電している場合には発電事業者6にも含まれることになる。
【0024】
ホストコンピュータ9には受信端末16が付設され、最低プレミアム料金記憶手段10および分配量演算手段14と託送事業者1の端末(図示せず)、ならびに、需要家側情報入手手段11と需要家7の端末(図示せず)それぞれがインターネットなどの通信回線17を介して接続されている。また、ホストコンピュータ9には送信端末18が付設され、料金判別手段12と、託送事業者1、発電事業者6および需要家7それぞれの端末(図示せず)それぞれがインターネットなどの通信回線17を介して接続されている。通信回線17としては、既存の電話回線、ISDN回線、ADSL回線、無線、電力線、光ファイバーなどが適用できる。
【0025】
最低プレミアム料金記憶手段10では、託送事業者1から提示される特定期間におけるグリーン電力の種類別の最低プレミアム料金を受信して記憶するようになっている。
需要家側情報入手手段11では、グリーン電力を購入しようとする需要家7から指示される、使用電力に対して購入可能なグリーン電力が占める最大割合と、グリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金とを入手するようになっている。
【0026】
料金判別手段12では、需要家側情報入手手段11で入手した需要家7から指示されるプレミアム料金が最低プレミアム料金記憶手段10で記憶された最低プレミアム料金以上であるかどうかを判別し、最低プレミアム料金以上であるときに指示されたプレミアム料金を出力するようになっている。需要家7から指示されるプレミアム料金が最低プレミアム料金未満であるときには、その旨を送信端末16およびインターネット17を介して該当する需要家7に通知するようになっている。
【0027】
需要家側情報記憶手段13では、需要家側情報入手手段11で入手した最大割合と、料金判別手段12から出力されたプレミアム料金とを記憶するようになっている。
【0028】
分配量演算手段14では、需要家7から指示されるグリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金に基づき、特定期間内に託送事業者が得たグリーン電力量を、指示したプレミアム料金が高い需要家7ほど供給される電力量が多くなるように分配する分配量を演算して求めるようになっている。
【0029】
料金算出手段15では、特定期間内に託送事業者1が得たグリーン電力量に基づいて、そのグリーン電力量を、需要家7の実使用電力量と需要家側情報記憶手段13に記憶された需要家7が指示した最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、発電事業者6および託送事業者1それぞれに支払うべき電力料金を算出するようになっている。
【0030】
本システムの運営者は、上記算出結果に基づき、併せて、各需要家7それぞれに請求する料金を算出し、請求書を発行して通知することになる。
【0031】
次に、上記構成による処理手順を図3のフローチャートを用いて説明する。
先ず、最低プレミアム料金記憶手段10により、託送事業者1から提示される特定期間におけるグリーン電力の種類別の最低プレミアム料金を受信して記憶する。これは、例えば、表1に示すように、太陽光発電と風力発電それぞれにおいて、一般家庭向け(従量電灯契約)と業務用(業務用電力契約)とに需要家7を区別して記憶され、この内容が需要家7に通知される(S1)。
【0032】
【表1】
【0033】
このとき、発電事業者6に対して、参考のために、表2に示すように、その最低プレミアム料金を通知するようにしても良い。ここで、電力事業者や託送事業者1からの補助金の有無により、需要家7の場合よりも発電事業者6の場合の方が、プレミアム料金が等しいか高い料金に設定される(JS1≦HS1、JS2≦HS2、JW1≦HW1、JW2≦HW2)。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
次いで、需要家側情報入手手段11により、グリーン電力を購入しようとする需要家7から指示される、使用電力に対して購入可能なグリーン電力が占める最大割合と、グリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金とを入手する(S2)。これは、例えば、表3に示すように、太陽光発電と風力発電それぞれにおいて、一般家庭向け(従量電灯契約)と業務用(業務用電力契約)とに需要家7を区別して入手される。
【0037】
その後、料金判別手段12により、需要家側情報入手手段11で入手した需要家7から指示されるプレミアム料金が最低プレミアム料金記憶手段10で記憶された最低プレミアム料金以上であるかどうかを判別する(S3)。
【0038】
指示されたプレミアム料金が最低プレミアム料金未満のときには、ステップS4に移行し、該当する需要家7に通知して修正指示を出してから、ステップS2に戻る。
【0039】
一方、最低プレミアム料金以上であるときには、指示されたプレミアム料金を出力し、ステップS5に移行し、需要家側情報記憶手段13により、需要家側情報入手手段11で入手した最大割合と、料金判別手段12から出力されたプレミアム料金とを記憶する。
【0040】
その後、分配量演算手段14により、需要家7から指示されるグリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金に基づいて通常時およびピーク時それぞれに区別して分配量を演算し、特定期間内に託送事業者1が得たグリーン電力量を、指示したプレミアム料金が高い需要家7ほど供給される電力量が多くなるように分配する(S6)。この分配手法としては、適宜各種の手法を採用すれば良いが、例えば、指定したプレミアム料金の最も低い需要家7に対する分配量に対して、順に5%づつ増加していくなどすれば良い。今、便宜的に三軒の需要家7があるとして、最低分配量をK、分配可能なグリーン電力の総電力量をW(kwh)とすれば、
K+1.05K+1.10K=3.15K=W
となり、
K=(1/3.15)Wとして求めることができ、これに基づいて、各需要家7に分配すれば良い。
【0041】
しかる後、上記分配量を加味した上で、料金算出手段15により、特定期間内に託送事業者1が得たグリーン電力量に基づいて、そのグリーン電力量を、需要家7の実使用電力量と需要家側情報記憶手段13に記憶された需要家7が指示した最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、各需要家7それぞれに請求する料金を算出し(S7)、請求書を発行して通知する(S8)。
【0042】
また、発電事業者6および託送事業者1それぞれに支払うべき電力料金を算出し(S9)、発電事業者6および託送事業者1それぞれに通知するとともに支払い手続を行う(S10)。
これらの一連の処理を1ヶ月などの特定期間毎に繰り返す。
【0043】
図4は、本発明に係るグリーン電力供給システムの第2実施例の構成を示すブロック図であり、ホストコンピュータ9に、スポット購入期間判別手段21、カウンタ22、グリーン電力量入手手段23、需要家側情報入手手段24、余剰電力量演算手段25、スポット料金算出手段26および料金算出手段15aが備えられている。
【0044】
スポット購入期間判別手段21では、スポット購入期間設定手段27で設定される特定月日の設定時間(例えば、ゴールデンウィーク期間の午後0時から午後3時とか、お盆期間の午後0時から午後3時など、工場やオフィスビルなどが休みで業務用電力の需要が著しく減少している時間)と、年タイマ28からの日時とが比較され、設定時間かどうかを判別し、設定時間に達したときに起動信号を出力するようになっている。
【0045】
カウンタ22では、スポット購入期間判別手段21からの起動信号に応答して、例えば、30分間などの所定の一定時間ごとに指令信号を出力するようになっている。
【0046】
グリーン電力量入手手段23では、指令信号に応答して、その時点で託送事業者1が得たグリーン電力量を入手するようになっている。
需要家側情報入手手段24では、前述した設定時間における需要家7が購入を希望するグリーン電力量の総量を入手するようになっている。
【0047】
余剰電力量演算手段25では、託送事業者1が得たグリーン電力量に基づき、例えば、リアルタイムから1分間のグリーン電力量を30倍するなどにより、一定時間内に得るグリーン電力量を求め、そのグリーン電力量と需要家7のグリーン電力の購入希望電力量とを比較し、各需要家7に分配される購入電力量を演算するようになっている。
【0048】
スポット料金算出手段26では、一定時間ごとに各需要家7の購入電力量に基づいて料金を算出するとともに積算し、設定時間において購入したグリーン電力量に応じた電力料金、すなわち、スポット料金を算出するようになっている。
【0049】
料金算出手段15aでは、スポット料金算出手段26で算出したスポット料金と、前述第1実施例の場合と同様にして求めた設定時間以外の特定期間の電力料金とを加算し、需要家7それぞれに請求する料金を算出し、請求書を発行して通知するとともに、発電事業者6および託送事業者1それぞれに支払うべき電力料金を算出し、発電事業者6および託送事業者1それぞれに通知するようになっている。
【0050】
この第2実施例によれば、グリーン電力に余剰が生じる時期を意識でき、例えば、設定時間内に合わせて洗濯機を駆動するとか、オフィスビルなどでタイマー設定によって設定時間内に氷蓄熱式システムを駆動するといったようにしてグリーン電力を消費し、余剰分が発生しないようにできる。
【0051】
上記第2実施例において、中間期などの電力消費の少ない時期で好転とか風が強くて風力発電の風況が好適と予測される場合に、急遽スポット購入期間を設定するといったこともできる。
【0052】
上述実施例において、グリーン電力量が減少した場合には、その減少情報を通信用回線17を介して需要家7に送り、夏場にあってはエアコンの設定温度を高くするとか、電気機器を極力使用しないようにするといったことを促すようにしても良い。
【0053】
また、上記実施例において、例えば、スポット料金を割り引くとか、発電事業者6と需要家7が地域的に同一である場合には、同一変電所を経由して電力を供給できて系統電力網の負荷が小さくて済むために割り引くなど、各種のサービス形態が可能であり、状況に応じて料金を設定するようにすれば良い。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明のグリーン電力供給システムによれば、需要家が指示した最大割合の総合計の範囲までは、発電事業者で発電したグリーン電力を配分して供給し、需要量をグリーン電力の供給量に合わせるようにするから、需要家が予約した使用量に合わせる従来例のようにグリーン電力の発電事業者に供給量を規制したりせずに済み、グリーン電力の過不足に起因する系統電力網や電力設備の強化に伴う費用増大を回避でき、託送事業者や電力事業者や一般消費者に経済的負担を生じさせないようにして、グリーン電力を良好に普及できる。
また、本システムの構築者は、発電事業者からは、発電電力を安定して供給できる需要家を確保する分の見返りとして、受け取るプレミアム料金の一部を受け取り、一方、託送事業者や電力事業者からは、系統電力網や電力設備の強化に伴う費用増大を回避できる見返りとして、発電電力量などに応じた所定比率の費用を受け取ることでビジネスを成立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグリーン電力供給システムの第1実施例を示す全体概略構成図である。
【図2】第1実施例のブロック図である。
【図3】処理手順を説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係るグリーン電力供給システムの第2実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…託送事業者
6…グリーン電力発電所(発電事業者)
7…需要家
9…ホストコンピュータ
10…最低プレミアム料金記憶手段
11…需要家情報入手手段
12…料金判別手段
13…需要家側情報記憶手段
14…分配量演算手段
15,15a…料金算出手段
16…受信端末
17…通信回線
18…送信端末
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽光発電、風力発電、地熱発電、大規模なダム等を用いない小規模発電、ゴミ処理時に発生する熱を利用したバイオマス発電などによって発電する、いわゆるグリーン電力を分配供給するグリーン電力供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
地球規模での環境問題により、化石燃料や原子力といった既存の方法以外で発電する上述のようなグリーン電力が注目され、近年、徐々に普及し始めている。
ところが、グリーン電力は、コストが高い、天候等に左右されやすいために発電出力が不安定であるといった理由から、十分な普及が図りづらい問題がある。
【0003】
例えば、太陽光発電の場合であれば、一般消費者が、自宅の屋根に太陽電池パネルを取り付けて太陽光発電を行い、自家消費分を賄い、不足分は商用電力で補充する一方で余剰分の電力を託送事業者や電力事業者(従来方法で発電する電力事業を行う事業者であり、託送事業と電力事業の両方を行う事業者もある)に売電することが普及しつつある。
ところが、託送事業者や電力事業者が通常の電力単価と同価格で買い取るという優遇策を講じているにもかかわらず、イニシャルコストやメンテナンスコストとのバランス面など採算性に問題があるために、普及率が高くないのが実情である。
【0004】
また、優遇策を講じながらの普及では、託送事業者や電力事業者に余剰電力の買取時に経済的負担を強いることになり、太陽光発電が大規模に普及した場合には、その負担が大きくなりすぎて限界を越え、成立しなくなる。
これは、環境負荷が低く、付加価値の高いグリーン電力も、一旦託送事業者や電力事業者に買い取られた場合には、他の化石燃料や原子力による発電電力と同様の電力として取り扱われ、他の一般消費者や企業に高価に転売できないことが一因である。
【0005】
一方、電力を消費している一般消費者や企業などの需要家は、環境負荷の低いグリーン電力であれば、地球環境の改善に貢献するという視点から、電力単価が高くても購入を希望している場合も多い。ところが、過去の日本の電力システムでは、例え需要家が環境負荷の低いグリーン電力を選択しようとしても、選択することはできなかった。
【0006】
そこで、グリーン電力の普及を促進するために、特許文献1に記載されるものが提案されている。
この公知例によれば、需要家が予め日時を指定してグリーンエネルギーにより発電された電力(グリーン電力)の使用予約量を指示し、それに基づいて、指示された使用予約量分の電力を供給するように発電設備に指示するように構成されている。
また、グリーン電力の供給量に比べて使用予約量が多い場合には、過去の使用量の多少によって使用者を決定するようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−184406号公報(段落番号[0010]、[0011]、[0014]、[0015])
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公知例の場合、グリーン電力が天候や時間によって発電量が大きく変動するという特性を無視したものであり、このグリーン電力の特性と実際の使用状況との間で整合性が取れていない欠点があった。
例えば、使用予約量が実際の発電量を下回った場合には、発電した電力が無駄になり、逆に使用予約量が実際の発電量を上回った場合には、過去の使用量に基づいて使用者を決定している結果、一部の需要家にしかグリーン電力が行き渡らないという欠点があった。
【0009】
また、グリーン電力の発電パターンや、グリーン電力の需要と供給のバランスとは無関係に、予約によってグリーン電力を購入したことになるものであるために、例えば、平日の昼間に太陽光発電によるグリーン電力の使用予約が、そして、夜間に風力発電によるグリーン電力の使用予約がそれぞれ集中し、休日の昼間に太陽光発電によるグリーン電力が、昼間に風力発電によるグリーン電力がそれぞれ使用予約量よりも過剰供給になって余るといった欠点があった。
【0010】
また、例えば、正月休みに工場を稼動しない企業が、年間を通じて風力発電によるグリーン電力を使用予約していても、正月休みやゴールデンウィークやお盆などに実際に発電された風力発電によるグリーン電力を使用せず、風力発電によるグリーン電力が無いときに工場を稼動するというミスマッチを生じてしまう場合がある。このような場合、風力発電によるグリーン電力が無いときに使用する分は、託送事業者や電力事業者が、他の発電設備による発電電力で補うこととなり、そのようなミスマッチに対処するために、託送事業者や電力事業者は余剰の発電設備用を確保しておかなければならず、不経済になる欠点があった。
【0011】
更に、天候や時間の影響を受けて発電量が不安定であるグリーン電力が広く普及してくると、需要パターンとグリーン電力の発電パターンとの不一致が拡大し、系統電力網に過大な負担が掛かったり、グリーン電力の多大な過不足を生じることが懸念される。
例えば、夏場の午後に冷房需要が増大したときに無風状態となって風力発電によるグリーン電力が不足するとか、春や秋の中間期、特にゴールデンウィーク中の休日の昼休みなどに、工場などの稼動が停止しているときに太陽光発電によるグリーン電力が余ってしまうといったことが考えられる。また、例えば、東京では風力発電によるグリーン電力の需要に対して供給量が不足し、北海道では逆に風力発電によるグリーン電力の供給が過剰で、北海道から東京に電力を供給しようとすると、その系統電力網を強化する必要がある。
このような事態に対処するためには、託送事業者や電力事業者にとって、予備の発電設備の確保や、系統電力網の強化、揚水発電設備や蓄電設備の強化など、設備費の増大に繋がり、ひいては一般消費者が負担する電力コストの増大に繋がる欠点があった。
【0012】
また、需要家の使用予約に対応させてグリーン電力の供給量をコントロールするために、いわゆる単位時間内における需要量と供給量とを一致させる同時同量の原則が維持されているとは言えるものの、グリーン電力の発電事業者側における発電量を規制することになり、グリーン電力の発電事業者の育成を阻害し、地球環境の改善効果が低減する欠点があった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、託送事業者や電力事業者や一般消費者に経済的負担を生じさせないようにして、グリーン電力を良好に普及できるようにすることを目的とし、請求項2に係る発明は、グリーン電力の需要量と供給量との不一致を良好に回避できるようにすることを目的とし、請求項3に係る発明は、グリーン電力を一層普及できるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のグリーン電力供給システムは、上述のような目的を達成するために、
グリーン電力を発電する発電事業者からの発電電力を需要家に託送する託送事業者から提示される特定期間におけるグリーン電力の種類別の最低プレミアム料金を受信して記憶する最低プレミアム料金記憶手段と、
グリーン電力を購入しようとする需要家から指示される、使用電力に対して購入可能なグリーン電力が占める最大割合と、グリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金とを入手する需要家側情報入手手段と、
前記需要家側情報入手手段で入手した需要家から指示されるプレミアム料金が前記最低プレミアム料金記憶手段で記憶された最低プレミアム料金以上であるかどうかを判別し、最低プレミアム料金以上であるときに指示されたプレミアム料金を出力する料金判別手段と、
前記需要家側情報入手手段で入手した最大割合と、前記料金判別手段から出力されたプレミアム料金とを記憶する需要家側情報記憶手段と、
前記特定期間内に託送事業者が得たグリーン電力量に基づいて、そのグリーン電力量を、需要家の実使用電力量と前記需要家側情報記憶手段に記憶された需要家が指示した最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、前記発電事業者および託送事業者それぞれに支払うべき電力料金を算出する料金算出手段とを備えて構成する。
託送事業者とは、電力事業者が所有する化石燃料や原子力といった既存の方法による発電設備と、一般消費者や企業の電気設備とを接続する送配電線網を所有して電力を託送する事業を行う事業者のことであり、託送事業と発電事業とを行う電力事業者も含まれる。
特定期間とは、通常1ヶ月であるが、1週間や2週間、更には、季節を考慮した3ヶ月など、適宜設定されるものである。
プレミアム料金とは、グリーン電力を使用するために、託送事業者の託送手数料に上乗せする料金として設定された単位量当たりの電力料金のことであり、通常、従来発電所の電力に上乗せする電力料金よりも高く設定される。また、太陽光発電、風力発電、地熱発電、大規模なダム等を用いない小規模発電、ゴミ処理時に発生する熱を利用したバイオマス発電など、グリーン電力を発電する設備の種類によって個別に所定の電力料金が設定され、互いに異なる電力料金が設定される場合が多い。
【0015】
(作用・効果)
請求項1に係る発明のグリーン電力供給システムの構成によれば、特定期間内に託送事業者が得たグリーン電力量、すなわち、発電事業者が発電したグリーン電力の電力量に基づいて、需要家が指示した最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、その配分結果により、発電事業者および託送事業者それぞれに支払うべき電力料金を算出する。
したがって、需要家が指示した最大割合の総合計の範囲までは、発電事業者で発電したグリーン電力を配分して供給し、需要量をグリーン電力の供給量に合わせるようにするから、需要家が予約した使用量に合わせる従来例のようにグリーン電力の発電事業者に供給量を規制したりせずに済み、グリーン電力の過不足に起因する系統電力網や電力設備の強化に伴う費用増大を回避でき、託送事業者や電力事業者や一般消費者に経済的負担を生じさせないようにして、グリーン電力を良好に普及できる。
また、本システムの運営者は、発電事業者からは、発電電力を安定して供給できる需要家を確保する分の見返りとして、受け取るプレミアム料金の一部を受け取り、一方、託送事業者や電力事業者からは、系統電力網や電力設備の強化に伴う費用増大を回避できる見返りとして、発電電力量などに応じた所定比率の費用を受け取ることでビジネスを成立できる。
【0016】
また、請求項2に係る発明は、上述のような目的を達成するために、
請求項1に記載のグリーン電力供給システムにおいて、
最低プレミアム料金記憶手段、需要家側情報入手手段、料金判別手段、需要家側情報記憶手段および料金算出手段を有するホストコンピュータと、需要家および発電事業者それぞれの端末に通信回線を介して接続する送受信端末とを有し、前記料金算出手段を、リアルタイムから設定時間のうちの所定の一定時間毎に電力料金を算出するように構成する。
設定時間としては、例えば、正月休みやゴールデンウィークやお盆などの時期の午後0時から午後3時とか、太陽光が予想以上に強かったり風の状況が極めて好適であるなど、太陽光発電や風力発電の発電電力量が需要量を越えるであろうと推定される時間が設定され、通常3時間など、2時間から6時間程度の時間が設定される。また、一定時間とは、30分とか1時間などの時間が設定される。
【0017】
(作用・効果)
請求項2に係る発明のグリーン電力供給システムの構成によれば、工場が休みで需要が急激に減少するとか、太陽光が強くて太陽光発電による発電電力量が増加したり、風が強くて風力発電の発電電力量が増加するとか、あるいは、逆に曇りや雨になって太陽光発電による発電電力量が減少したり、無風状態になって風力発電の発電電力量が減少するといった、急激な変化を生じたときに、それらの情報を発電事業者から通信回線を介して需要家に送ることができる。
したがって、需要家は、発電事業者からの情報に基づき、余剰が生じたときには、スポット的にグリーン電力を追加購入し、逆にグリーン電力の発電電力量が減少したときには、例えば、夏場においてエアコンの設定温度を高くするとか、電気機器を極力使用しないようにするとか、グリーン電力以外の電力の消費を減少させるなど、急激なグリーン電力の発電電力量に良好に対処でき、地球環境の改善を図りながら、グリーン電力の需要量と供給量との不一致を良好に回避できる。
【0018】
また、請求項3に係る発明は、上述のような目的を達成するために、
請求項1または2に記載のグリーン電力供給システムにおいて、
需要家から指示されるグリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金に基づき、特定期間内に託送事業者が得たグリーン電力量を、指示したプレミアム料金が高い需要家ほど供給される電力量が多くなるように分配する分配量演算手段を備えて構成する。
【0019】
(作用・効果)
請求項3に係る発明のグリーン電力供給システムの構成によれば、より高いプレミアム料金を指示した需要家には、安いプレミアム料金を指示した需要家よりグリーン電力の供給量が多くなるようにする。
したがって、地球環境の改善に貢献しようという意欲が強くて高いプレミアム料金を指示した需要家の要望に答えることができ、また、安いプレミアム料金を指示した需要家に対しても、供給量が少なくなるもののグリーン電力を供給して要望を満たすことができ、一方、グリーン電力の発電事業者は、受け取る料金が増加し、グリーン電力の発電設備を増加する意欲を向上し、更に、グリーン電力の発電事業に進出する事業者増大にも繋がり、グリーン電力を一層普及できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るグリーン電力供給システムの第1実施例の説明に供する全体概略構成図であり、託送事業者1に、系統電力網2と、変電所3と配電用変電所4とが備えられている。
【0021】
系統電力網2には、火力発電所や原子力発電所などの従来発電所5、および、発電事業者が保有する風力発電所や太陽光発電所などのグリーン電力発電所(以下、発電事業者とも称する)6それぞれが変電所3を介して接続されている。
【0022】
また、系統電力網2には、需要家7や、太陽電池パネルなどのグリーン電力発電設備を有する需要家8が配電用変電所4を介して接続され、発電事業者6やグリーン電力発電設備を有する需要家8で発電された発電電力(グリーン電力)を託送事業者1を介して需要家7,8に託送するように構成されている。
託送事業者1、発電事業者6、需要家7、および、グリーン電力発電設備を有する需要家8それぞれにホストコンピュータ9が接続されている。
【0023】
ホストコンピュータ9には、図2のブロック図に示すように、最低プレミアム料金記憶手段10、需要家側情報入手手段11、料金判別手段12、需要家側情報記憶手段13、分配量演算手段14および料金算出手段15が備えられている。ここでは、自家消費を主体としている、グリーン電力発電設備を有する需要家8を省いているが、グリーン電力の購入を希望している場合には需要家7に含まれ、余剰分のグリーン電力を託送事業者1に売電している場合には発電事業者6にも含まれることになる。
【0024】
ホストコンピュータ9には受信端末16が付設され、最低プレミアム料金記憶手段10および分配量演算手段14と託送事業者1の端末(図示せず)、ならびに、需要家側情報入手手段11と需要家7の端末(図示せず)それぞれがインターネットなどの通信回線17を介して接続されている。また、ホストコンピュータ9には送信端末18が付設され、料金判別手段12と、託送事業者1、発電事業者6および需要家7それぞれの端末(図示せず)それぞれがインターネットなどの通信回線17を介して接続されている。通信回線17としては、既存の電話回線、ISDN回線、ADSL回線、無線、電力線、光ファイバーなどが適用できる。
【0025】
最低プレミアム料金記憶手段10では、託送事業者1から提示される特定期間におけるグリーン電力の種類別の最低プレミアム料金を受信して記憶するようになっている。
需要家側情報入手手段11では、グリーン電力を購入しようとする需要家7から指示される、使用電力に対して購入可能なグリーン電力が占める最大割合と、グリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金とを入手するようになっている。
【0026】
料金判別手段12では、需要家側情報入手手段11で入手した需要家7から指示されるプレミアム料金が最低プレミアム料金記憶手段10で記憶された最低プレミアム料金以上であるかどうかを判別し、最低プレミアム料金以上であるときに指示されたプレミアム料金を出力するようになっている。需要家7から指示されるプレミアム料金が最低プレミアム料金未満であるときには、その旨を送信端末16およびインターネット17を介して該当する需要家7に通知するようになっている。
【0027】
需要家側情報記憶手段13では、需要家側情報入手手段11で入手した最大割合と、料金判別手段12から出力されたプレミアム料金とを記憶するようになっている。
【0028】
分配量演算手段14では、需要家7から指示されるグリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金に基づき、特定期間内に託送事業者が得たグリーン電力量を、指示したプレミアム料金が高い需要家7ほど供給される電力量が多くなるように分配する分配量を演算して求めるようになっている。
【0029】
料金算出手段15では、特定期間内に託送事業者1が得たグリーン電力量に基づいて、そのグリーン電力量を、需要家7の実使用電力量と需要家側情報記憶手段13に記憶された需要家7が指示した最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、発電事業者6および託送事業者1それぞれに支払うべき電力料金を算出するようになっている。
【0030】
本システムの運営者は、上記算出結果に基づき、併せて、各需要家7それぞれに請求する料金を算出し、請求書を発行して通知することになる。
【0031】
次に、上記構成による処理手順を図3のフローチャートを用いて説明する。
先ず、最低プレミアム料金記憶手段10により、託送事業者1から提示される特定期間におけるグリーン電力の種類別の最低プレミアム料金を受信して記憶する。これは、例えば、表1に示すように、太陽光発電と風力発電それぞれにおいて、一般家庭向け(従量電灯契約)と業務用(業務用電力契約)とに需要家7を区別して記憶され、この内容が需要家7に通知される(S1)。
【0032】
【表1】
【0033】
このとき、発電事業者6に対して、参考のために、表2に示すように、その最低プレミアム料金を通知するようにしても良い。ここで、電力事業者や託送事業者1からの補助金の有無により、需要家7の場合よりも発電事業者6の場合の方が、プレミアム料金が等しいか高い料金に設定される(JS1≦HS1、JS2≦HS2、JW1≦HW1、JW2≦HW2)。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
次いで、需要家側情報入手手段11により、グリーン電力を購入しようとする需要家7から指示される、使用電力に対して購入可能なグリーン電力が占める最大割合と、グリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金とを入手する(S2)。これは、例えば、表3に示すように、太陽光発電と風力発電それぞれにおいて、一般家庭向け(従量電灯契約)と業務用(業務用電力契約)とに需要家7を区別して入手される。
【0037】
その後、料金判別手段12により、需要家側情報入手手段11で入手した需要家7から指示されるプレミアム料金が最低プレミアム料金記憶手段10で記憶された最低プレミアム料金以上であるかどうかを判別する(S3)。
【0038】
指示されたプレミアム料金が最低プレミアム料金未満のときには、ステップS4に移行し、該当する需要家7に通知して修正指示を出してから、ステップS2に戻る。
【0039】
一方、最低プレミアム料金以上であるときには、指示されたプレミアム料金を出力し、ステップS5に移行し、需要家側情報記憶手段13により、需要家側情報入手手段11で入手した最大割合と、料金判別手段12から出力されたプレミアム料金とを記憶する。
【0040】
その後、分配量演算手段14により、需要家7から指示されるグリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金に基づいて通常時およびピーク時それぞれに区別して分配量を演算し、特定期間内に託送事業者1が得たグリーン電力量を、指示したプレミアム料金が高い需要家7ほど供給される電力量が多くなるように分配する(S6)。この分配手法としては、適宜各種の手法を採用すれば良いが、例えば、指定したプレミアム料金の最も低い需要家7に対する分配量に対して、順に5%づつ増加していくなどすれば良い。今、便宜的に三軒の需要家7があるとして、最低分配量をK、分配可能なグリーン電力の総電力量をW(kwh)とすれば、
K+1.05K+1.10K=3.15K=W
となり、
K=(1/3.15)Wとして求めることができ、これに基づいて、各需要家7に分配すれば良い。
【0041】
しかる後、上記分配量を加味した上で、料金算出手段15により、特定期間内に託送事業者1が得たグリーン電力量に基づいて、そのグリーン電力量を、需要家7の実使用電力量と需要家側情報記憶手段13に記憶された需要家7が指示した最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、各需要家7それぞれに請求する料金を算出し(S7)、請求書を発行して通知する(S8)。
【0042】
また、発電事業者6および託送事業者1それぞれに支払うべき電力料金を算出し(S9)、発電事業者6および託送事業者1それぞれに通知するとともに支払い手続を行う(S10)。
これらの一連の処理を1ヶ月などの特定期間毎に繰り返す。
【0043】
図4は、本発明に係るグリーン電力供給システムの第2実施例の構成を示すブロック図であり、ホストコンピュータ9に、スポット購入期間判別手段21、カウンタ22、グリーン電力量入手手段23、需要家側情報入手手段24、余剰電力量演算手段25、スポット料金算出手段26および料金算出手段15aが備えられている。
【0044】
スポット購入期間判別手段21では、スポット購入期間設定手段27で設定される特定月日の設定時間(例えば、ゴールデンウィーク期間の午後0時から午後3時とか、お盆期間の午後0時から午後3時など、工場やオフィスビルなどが休みで業務用電力の需要が著しく減少している時間)と、年タイマ28からの日時とが比較され、設定時間かどうかを判別し、設定時間に達したときに起動信号を出力するようになっている。
【0045】
カウンタ22では、スポット購入期間判別手段21からの起動信号に応答して、例えば、30分間などの所定の一定時間ごとに指令信号を出力するようになっている。
【0046】
グリーン電力量入手手段23では、指令信号に応答して、その時点で託送事業者1が得たグリーン電力量を入手するようになっている。
需要家側情報入手手段24では、前述した設定時間における需要家7が購入を希望するグリーン電力量の総量を入手するようになっている。
【0047】
余剰電力量演算手段25では、託送事業者1が得たグリーン電力量に基づき、例えば、リアルタイムから1分間のグリーン電力量を30倍するなどにより、一定時間内に得るグリーン電力量を求め、そのグリーン電力量と需要家7のグリーン電力の購入希望電力量とを比較し、各需要家7に分配される購入電力量を演算するようになっている。
【0048】
スポット料金算出手段26では、一定時間ごとに各需要家7の購入電力量に基づいて料金を算出するとともに積算し、設定時間において購入したグリーン電力量に応じた電力料金、すなわち、スポット料金を算出するようになっている。
【0049】
料金算出手段15aでは、スポット料金算出手段26で算出したスポット料金と、前述第1実施例の場合と同様にして求めた設定時間以外の特定期間の電力料金とを加算し、需要家7それぞれに請求する料金を算出し、請求書を発行して通知するとともに、発電事業者6および託送事業者1それぞれに支払うべき電力料金を算出し、発電事業者6および託送事業者1それぞれに通知するようになっている。
【0050】
この第2実施例によれば、グリーン電力に余剰が生じる時期を意識でき、例えば、設定時間内に合わせて洗濯機を駆動するとか、オフィスビルなどでタイマー設定によって設定時間内に氷蓄熱式システムを駆動するといったようにしてグリーン電力を消費し、余剰分が発生しないようにできる。
【0051】
上記第2実施例において、中間期などの電力消費の少ない時期で好転とか風が強くて風力発電の風況が好適と予測される場合に、急遽スポット購入期間を設定するといったこともできる。
【0052】
上述実施例において、グリーン電力量が減少した場合には、その減少情報を通信用回線17を介して需要家7に送り、夏場にあってはエアコンの設定温度を高くするとか、電気機器を極力使用しないようにするといったことを促すようにしても良い。
【0053】
また、上記実施例において、例えば、スポット料金を割り引くとか、発電事業者6と需要家7が地域的に同一である場合には、同一変電所を経由して電力を供給できて系統電力網の負荷が小さくて済むために割り引くなど、各種のサービス形態が可能であり、状況に応じて料金を設定するようにすれば良い。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明のグリーン電力供給システムによれば、需要家が指示した最大割合の総合計の範囲までは、発電事業者で発電したグリーン電力を配分して供給し、需要量をグリーン電力の供給量に合わせるようにするから、需要家が予約した使用量に合わせる従来例のようにグリーン電力の発電事業者に供給量を規制したりせずに済み、グリーン電力の過不足に起因する系統電力網や電力設備の強化に伴う費用増大を回避でき、託送事業者や電力事業者や一般消費者に経済的負担を生じさせないようにして、グリーン電力を良好に普及できる。
また、本システムの構築者は、発電事業者からは、発電電力を安定して供給できる需要家を確保する分の見返りとして、受け取るプレミアム料金の一部を受け取り、一方、託送事業者や電力事業者からは、系統電力網や電力設備の強化に伴う費用増大を回避できる見返りとして、発電電力量などに応じた所定比率の費用を受け取ることでビジネスを成立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグリーン電力供給システムの第1実施例を示す全体概略構成図である。
【図2】第1実施例のブロック図である。
【図3】処理手順を説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係るグリーン電力供給システムの第2実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…託送事業者
6…グリーン電力発電所(発電事業者)
7…需要家
9…ホストコンピュータ
10…最低プレミアム料金記憶手段
11…需要家情報入手手段
12…料金判別手段
13…需要家側情報記憶手段
14…分配量演算手段
15,15a…料金算出手段
16…受信端末
17…通信回線
18…送信端末
Claims (3)
- グリーン電力を発電する発電事業者からの発電電力を需要家に託送する託送事業者から提示される特定期間におけるグリーン電力の種類別の最低プレミアム料金を受信して記憶する最低プレミアム料金記憶手段と、
グリーン電力を購入しようとする需要家から指示される、使用電力に対して購入可能なグリーン電力が占める最大割合と、グリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金とを入手する需要家側情報入手手段と、
前記需要家側情報入手手段で入手した需要家から指示されるプレミアム料金が前記最低プレミアム料金記憶手段で記憶された最低プレミアム料金以上であるかどうかを判別し、最低プレミアム料金以上であるときに指示されたプレミアム料金を出力する料金判別手段と、
前記需要家側情報入手手段で入手した最大割合と、前記料金判別手段から出力されたプレミアム料金とを記憶する需要家側情報記憶手段と、
前記特定期間内に託送事業者が得たグリーン電力量に基づいて、そのグリーン電力量を、需要家の実使用電力量と前記需要家側情報記憶手段に記憶された需要家が指示した最大割合およびプレミアム料金に応じて配分し、前記発電事業者および託送事業者それぞれに支払うべき電力料金を算出する料金算出手段と、
を備えてあることを特徴とするグリーン電力供給システム。 - 請求項1に記載のグリーン電力供給システムにおいて、
最低プレミアム料金記憶手段、需要家側情報入手手段、料金判別手段、需要家側情報記憶手段および料金算出手段を有するホストコンピュータと、需要家および発電事業者それぞれの端末に通信回線を介して接続する送受信端末とを有し、前記料金算出手段が、リアルタイムから設定時間のうちの所定の一定時間毎に電力料金を算出するものであるグリーン電力供給システム。 - 請求項1または2に記載のグリーン電力供給システムにおいて、
需要家から指示されるグリーン電力の種類別ごとのプレミアム料金に基づき、特定期間内に託送事業者が得たグリーン電力量を、指示したプレミアム料金が高い需要家ほど供給される電力量が多くなるように分配する分配量演算手段を備えているグリーン電力供給システム。
Priority Applications (1)
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2003
- 2003-02-14 JP JP2003036813A patent/JP2004246685A/ja active Pending
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