JP2004247579A - 電極箔へのリード取付方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】電極箔12の表面にレーザ光を照射することにより、酸化皮膜12bを除去して母材12aを電極箔12の表面に露出させ、電極箔12の表面に露出された母材12aにリード16を位置決めし、リード16および電極箔12に針を突き刺して針が突き抜けた側に電極箔12およびリード16のバリ32を生じさせ、バリ32を押しつぶすことにより電極箔12とリード16とを係合させる。したがって、母材12aとリード16との間に電気抵抗となる酸化皮膜12bが巻き込まれる心配はない。
【選択図】 図8
Description
【産業上の利用分野】
この発明は、母材の表面に絶縁皮膜が形成されている電極箔、たとえばアルミ電界コンデンサ,電気二重層コンデンサまたはリチウム電池等の電極箔にリードを取り付けるためのリード取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミ電界コンデンサは、陽極側電極箔(アルミ箔),電解紙および陰極側電極箔(アルミ箔)を重ねて巻くことにより得られた素子本体と、各電極箔から引き出されたリードとによって構成されており、各リードは、各電極箔に対して電気的に接続されている。
【0003】
従来、リードを電極箔に対して物理的および電気的に接続する際には、「針かしめ」と称される方法が用いられていた。この方法は、電極箔の表面にリードを位置決めし、リードおよび電極箔に針を突き刺して針が突き抜けた側に電極箔およびリードのバリを生じさせ、バリを押しつぶすことによって電極箔とリードとを係合させるものである(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−106203
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術では、電極箔(アルミ箔)の表面に形成されている絶縁性の酸化皮膜(絶縁皮膜)が電気抵抗となってコンデンサのESR(直列抵抗)を増大させるおそれがあり、コンデンサの機能が損なわれるおそれがあった。
【0006】
すなわち、従来技術において、リード1および電極箔2に針を突き刺すと、図12に示すように、電極箔2の表面に形成されている酸化皮膜2bが母材2aとリード1との間に巻き込まれ、この酸化皮膜2bがリード1と母材2aとの間でESR(直列抵抗)を増大させるおそれがあった。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、絶縁皮膜による抵抗の増大を生じることなく、電極箔にリードを確実に接合できる、電極箔へのリード取付方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明は、「母材12aの表面に絶縁皮膜12bが形成されている電極箔12にリード16を取り付けるためのリード取付方法であって、(a)電極箔12の表面にレーザ光を照射することにより、絶縁皮膜12bを除去して母材12aを電極箔12の表面に露出させ、(b)電極箔12の表面に露出された母材12aにリード16を位置決めし、(c)リード16および電極箔12の母材12aが露出された箇所に針36aを突き刺して針36aが突き抜けた側に電極箔12およびリード16のバリ32を生じさせ、(d)バリ32を押しつぶすことにより、電極箔12とリード16とを係合させる、電極箔へのリード取付方法」である。
【0009】
この発明では、電極箔12の表面の絶縁皮膜12bをレーザ光により除去した後に、電極箔12とリード16とを「針かしめ」により接合するようにしているので、電極箔12の母材12aとリード16との間に電気抵抗となる絶縁皮膜12bが巻き込まれる心配はない。
【0010】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、「(d)工程の後に、(e)針36aによって形成された孔48の内周部にレーザ光を照射することにより、リード16と電極箔12の母材12aとを溶接するようにした」ことを特徴とする。
【0011】
この発明では、リード16と電極箔12の母材12aとを孔48の内周部で溶接するようにしているので、これらをより確実に接合できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例の「電極箔へのリード取付方法」は、図1に示すようなアルミ電解コンデンサ10において、陽極側電極箔12および陰極側電極箔14のそれぞれにリード16を取り付けるために用いられるものである。
【0013】
アルミ電解コンデンサ10(図1)は、陽極側電極箔(アルミ箔)12,電解紙18および陰極側電極箔(アルミ箔)14を重ねて巻くことにより得られた素子本体20と、各電極箔12および14から引き出されたリード16とを備えており、リード16には、各電極箔12および14との接続が容易なように、図2に示すような板状の接続部16aが形成されている。
【0014】
以下には、図3〜図7に従って、この実施例の「電極箔へのリード取付方法」について説明する。ただし、リード16を陽極側電極箔12に取り付ける場合と陰極側電極箔14に取り付ける場合とでは何ら相違がないので、以下には、リード16を陽極側電極箔12に取り付ける場合についてのみ説明する。
【0015】
この実施例では、まず、図3に示すように、レーザ光照射装置22を用いて電極箔12の表面にある絶縁皮膜12bを除去する。つまり、電極箔12は、導電性の母材(アルミニウム)12aの表面に絶縁性の酸化皮膜(アルマイト)12bが形成された構造を有しているため、後工程において電極箔12とリード16との電気的な接続を確保するために酸化皮膜12bを予め除去しておく。
【0016】
レーザ光照射装置22は、電極箔12の表面の所定箇所にレーザ光を照射することにより、酸化皮膜12bを除去するものであり、レーザ発振部24,スキャニングヘッド26およびこれらを互いに接続するための光ファイバー28によって構成されている。
【0017】
レーザ発振部24は、YAGロッド24a,全反射ミラー24b,出力ミラー24c,励起源24d,レーザ電源24eおよび集光レンズ24fによって構成されており、レーザ電源24eから励起源24dに与える電力を調節することによりレーザ光の出力が所定範囲内で任意に設定される。
【0018】
スキャニングヘッド26は、X軸ガルバノメータ(図示省略)によって駆動されるX軸スキャンミラー26a,Y軸ガルバノメータ(図示省略)によって駆動されるY軸スキャンミラー26b,コリメータレンズ26cおよび集光レンズ26dによって構成されており、X軸スキャンミラー26aおよびY軸スキャンミラー26bの角度を調節することにより酸化皮膜12bに対するレーザ光の照射位置が所定範囲内で任意に設定される。
【0019】
レーザ光照射装置22を用いて酸化皮膜12bを除去する際には、図3に示すように、電極箔12の表面にある酸化皮膜12bに対して集光レンズ26dの焦点を位置決めし、所定の出力でレーザ光を照射する。
【0020】
酸化皮膜12bの除去が完了すると、図4に示すように、電極箔12の表面に露出した母材12aに対してリード16を位置決めし、続いて、図5および図6に示すように、バリ形成装置30を用いてバリ32(図6)を形成する。
【0021】
バリ形成装置30は、電極箔12およびリード16を支持する支持部34と、電極箔12およびリード16に穿孔する穿孔部36とによって構成されている。支持部34は、電極箔12を受ける台座34aと、リード16を電極箔12に押し付ける押圧部34bとによって構成されており、台座34aには、バリ32を受け入れるための孔38が形成されており、押圧部34bには、穿孔部36の針36aを挿通させるための孔40が形成されている。一方、穿孔部36は、電極箔12およびリード16に穿孔する2本の針36aと、針36aを支持部34に対して近接・離間する方向へ移動させるための駆動部36bとによって構成されている。
【0022】
バリ形成装置30を用いてバリ32(図6)を形成する際には、まず、図5に示すように、支持部34の台座34aで電極箔12を受け、押圧部34bによってリード16を電極箔12に押し付けて固定する。そして、図6に示すように、駆動部36bによって針36aを押し下げることにより、針36aをリード16および電極箔12の母材12aが露出された箇所に突き刺して、針36aが突き抜けた側に電極箔12およびリード16のバリ32を生じさせる。
【0023】
すると、針36aによって突き破られたリード16が電極箔12の母材12aに押し付けられ、リード16と電極箔12とが電気的に接続される(図8参照)。つまり、針36aが突き刺される箇所では、電極箔12の表面の酸化皮膜12bが除去されているので、リード16と電極箔12の母材12aとが酸化皮膜12bを介さずに直接接触される。
【0024】
リード16および電極箔12にバリ32を形成した後は、図7に示すように、圧接装置42を用いてバリ32を押しつぶし、リード16と電極箔12とを係合させる。
【0025】
圧接装置42は、リード16を押さえるリード側押圧部44と、バリ32を押さえる電極側押圧部46とによって構成されている。リード側押圧部44は、リード16に当接される押圧板44aと、押圧板44aをリード16に対して近接・離間する方向へ移動させるための駆動部44bとによって構成されており、電極側押圧部46は、バリ32に圧接される圧接部46aと、圧接部46aを電極箔12に対して近接・離間する方向へ移動させるための駆動部46bとによって構成されている。
【0026】
圧接装置42を用いてバリ32を押しつぶす際には、駆動部44bによって押圧板44aをリード16の表面に位置決めするとともに、駆動部46bによって圧接部46aをバリ32に押し付ける。
【0027】
すると、図8に示すように、バリ32が電極箔12の表面に圧接されて、リード16と電極箔12とが係合され、リード16が電極箔12から離脱するのが防止される。
【0028】
この実施例によれば、酸化皮膜12bを予め除去しておくことによって、リード16と電極箔12の母材12aとを確実に接触させるようにしているので、酸化皮膜12bによってESR(直列抵抗)が増大するのを防止でき、アルミ電解コンデンサ10の機能低下を防止できる。
【0029】
なお、上述の実施例では、電極箔12の片面においてのみ酸化皮膜12bを除去するようにしているが、両面において酸化皮膜12bを除去するようにしてもよい。この場合には、レーザ光照射装置22(図3)を電極箔12の上面側だけでなく、下面側にも配置する必要があるが、レーザ発振部24は上下両側で共有してもよい。
【0030】
また、上述の実施例では、リード16と電極箔12とを2点で接合するようにしているが、1点または3点以上で接合するようにしてもよい。
【0031】
そして、上述の実施例では、リード16と電極箔12とを互いに係合させた段階で接合作業を終了するようにしているが、たとえば図9に示すように、係合工程の後に、針36aによって形成された孔48の内周部にレーザ光を照射することによって、リード16と電極箔12とを互いに溶接するようにしてもよい。そして、この場合のレーザ光照射装置としては、酸化皮膜12bの除去に用いたものを、出力を高めて用いるようにしてもよいし、これとは別のレーザ光照射装置を用いるようにしてもよい。
【0032】
また、上述の実施例では、スキャニングヘッド26を用いて電極箔12の複数箇所(2箇所)にレーザ光を照射するようにしているが、たとえば図10に示すように、酸化皮膜12bを除去しようとする箇所のそれぞれに対応させて照射ユニット50を配置し、レーザ発振部52において分光されたレーザ光を、光ファイバ54を通して各照射ユニット50へ与えるようにしてもよい。このような複数の照射ユニット50を用いる構成は、大型コンデンサの電極箔12にリード16を取り付ける場合に適する。
【0033】
また、上述の実施例では、酸化皮膜12bを除去するためにYAGレーザを用いるようにしているが、これに代えて、エキシマレーザ,ガラスレーザ,CO2レーザまたは半導体レーザ等を用いるようにしてもよい。ただし、CO2レーザのように光ファイバーによる伝送が困難なものについては、図11に示すように、ビームスプリッタ56やミラー58を用いて伝送するようにしてもよい。
【0034】
さらに、本発明は、アルミ電解コンデンサ10の他に、電気二重層コンデンサやリチウム電池等の電極箔にリードを取り付ける場合にも適用可能である。つまり、本発明は、絶縁皮膜が形成されている電極箔にリードを取り付ける場合に幅広く適用可能である。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、電極箔の表面にレーザ光を照射することにより絶縁皮膜を予め除去するようにしているので、リードおよび電極箔に針を突き刺したときには、リードと電極箔の母材とが絶縁皮膜を介さずに直接接触することになる。したがって、絶縁皮膜によってESR(直列抵抗)が増大する心配はなく、電解コンデンサの機能低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミ電解コンデンサを示す斜視図である。
【図2】電極箔にリードを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図3】酸化皮膜を除去する工程を示す図である。
【図4】電極箔に対してリードを位置決めする工程を示す図である。
【図5】電極箔に対してリードを固定する工程を示す図である。
【図6】リードおよび電極箔に針を突き刺す工程を示す図である。
【図7】バリを押しつぶす工程を示す図である。
【図8】リードと電極箔とを互いに係合させた状態を示す図である。
【図9】リードと電極箔とを互いに溶接した状態を示す図である。
【図10】レーザ光照射装置の変形例を示す図である。
【図11】レーザ光照射装置の他の変形例を示す図である。
【図12】従来のリードと電極箔との接合状態を示す図である。
【符号の説明】
12,14… 電極箔
12a… 母材
12b… 酸化皮膜
16… リード
22… レーザ光照射装置
30… バリ形成装置
32… バリ
42… 圧接装置
Claims (2)
- 母材の表面に絶縁皮膜が形成されている電極箔にリードを取り付けるためのリード取付方法であって、
(a)前記電極箔の表面にレーザ光を照射することにより、前記絶縁皮膜を除去して前記母材を前記電極箔の表面に露出させ、
(b)前記電極箔の表面に露出された前記母材に前記リードを位置決めし、
(c)前記リードおよび前記電極箔の前記母材が露出された箇所に針を突き刺して前記針が突き抜けた側に前記電極箔および前記リードのバリを生じさせ、
(d)前記バリを押しつぶすことにより、前記電極箔と前記リードとを係合させる、電極箔へのリード取付方法。 - 前記(d)工程の後に、(e)前記針によって形成された孔の内周部にレーザ光を照射することにより、前記リードと前記電極箔の前記母材とを溶接するようにした、請求項1に記載の電極箔へのリード取付方法。
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|---|---|---|---|
| JP2003036854A JP2004247579A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 電極箔へのリード取付方法 |
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