JP2004249199A - 遠心ろ過装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶吸引管を用いずに、バスケット内の結晶を効率よく回収できる横型の遠心ろ過装置を提供する。
【解決手段】バスケット10内に掻取駆動軸21を挿入し、掻き取った結晶をバスケット外に排出する結晶移送部31cを有する移送部付き掻取刃31と、掻き取った結晶を移送部付き掻取刃31側に移動させるように板面が傾斜した補助掻取刃32,33とを掻取駆動軸21に取り付ける。補助掻取刃32,33により掻き取った結晶を移送部付き掻取刃31側に移動させる。補助掻取刃32,33により移動させられた結晶を移送部付き掻取刃31により掻き取って移送部31cを通してバスケットの外部に排出する。
【選択図】 図4
【解決手段】バスケット10内に掻取駆動軸21を挿入し、掻き取った結晶をバスケット外に排出する結晶移送部31cを有する移送部付き掻取刃31と、掻き取った結晶を移送部付き掻取刃31側に移動させるように板面が傾斜した補助掻取刃32,33とを掻取駆動軸21に取り付ける。補助掻取刃32,33により掻き取った結晶を移送部付き掻取刃31側に移動させる。補助掻取刃32,33により移動させられた結晶を移送部付き掻取刃31により掻き取って移送部31cを通してバスケットの外部に排出する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラリ(原液)を液分と結晶とに分離する遠心ろ過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学プラント等においては、製品を製造する過程でスラリ(結晶を含む原液)から液分を分離して結晶を得る固液分離工程(固体と液体とを分離する工程)を行うことがしばしばある。また固液分離工程に続いて、結晶を洗浄液により洗浄する洗浄工程と、洗浄された結晶を乾燥させる乾燥工程とを併せて行うことが多い。
【0003】
固液分離工程を行う装置としては、スラリを圧搾してフィルタに供給することによりスラリを液分と結晶とに分離するフィルタ式ろ過装置と、高速回転するバスケット内にスラリを供給して遠心力によりスラリを液分と結晶とに分離する遠心ろ過装置とが広く用いられている。
【0004】
フィルタ式ろ過装置では、ろ過の際に結晶が圧搾されるため、結晶がブロック化して(塊になって)その組織が緻密になるのを避けられない。そのため、フィルタ式ろ過装置を用いた場合には、洗浄工程で洗浄液を結晶中に均一に浸透させることが難しく、結晶を充分に洗浄することは容易でない。
【0005】
これに対し、遠心ろ過装置を用いた場合には、結晶が圧搾されることがなく、結晶の組織内に適当な空隙が形成されるため、結晶中に洗浄液を均一に浸透させて結晶の洗浄を短時間で充分に行わせることができ、高品質の結晶を得ることができる。
【0006】
またフィルタ式ろ過装置では、得られる結晶の組織が緻密であるため、結晶を乾燥させる工程に長い時間を要するが、遠心ろ過装置では、得られる結晶の組織が緻密になることがないため、結晶の乾燥を比較的短時間で行なうことができる。
【0007】
上記のように、遠心ろ過装置を用いると、結晶の洗浄を効率よく、かつ均一に行なうことができるだけでなく、得られた結晶の乾燥を短時間で行なうことができるため、不純物が少い高品質の結晶を能率よく得ることができる。
【0008】
上記のように、遠心ろ過装置は、フィルタ式ろ過装置に比べて数々の利点を有しているが、籠形のバスケット内に結晶を形成するため、得られた結晶を回収することが容易でないという問題を有している。特に不純物の混入を防止するためにバスケットを密閉構造のケーシング内に配置して固液分離処理を行わせる場合には、結晶の回収に特別の工夫が必要である。
【0009】
本出願人は、例えば、特許文献1に示されているように、結晶を回収する際にバスケットの中心軸線を水平方向に対して一定の角度傾斜させて、該バスケットの底壁部を斜め下方に向けておくことにより、結晶の回収率を向上させた遠心ろ過装置を提案した。
【0010】
この遠心ろ過装置では、バスケット内で結晶を乾燥させた後、バスケット内の上部に配置した掻取刃によりバスケットの内周の結晶を掻き落としてバスケットの下部に集める。そして、結晶吸引管の先端をバスケットの下部の結晶中に進入させて結晶を吸引し、最終的には該吸引管の先端を、傾斜したバスケットの周壁部の最下部と該バスケットの底壁部との間の隅部に近接した位置に設定した最終吸引位置まで変位させて、最終吸引位置に集った結晶を吸引して効率よく回収するようにしている。
【0011】
また例えば特許文献2や特許文献3に示されているように、バスケットの内周に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置をバスケット内の上部に配置するとともに、バスケットの開口部からバスケット内にシュートを挿入して、結晶掻取装置により掻き取られた結晶をシュートを通して外部に排出するようにした遠心ろ過装置が知られている。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−253532号公報
【0013】
【特許文献2】
特開平5−200327号公報
【0014】
【特許文献3】
特開2002−143722号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示されたように、結晶吸引管により結晶を吸引するようにした場合には、バスケット内に形成される結晶の含水率が高い場合や、結晶の比重が大きい場合に結晶の吸引が困難になることがあり、吸引された結晶を輸送するパイプが詰まるなどのトラブルが生じるおそれがあった。
【0016】
特許文献2や特許文献3に示されたように、バスケット内にシュートを挿入して、結晶掻取装置により掻き取った結晶を該シュートを通してバスケット外に排出するようにすれば、結晶に含まれる水分が多い場合や、結晶の比重が大きい場合であっても、問題なく結晶をバスケット外に排出することができるが、従来のこの種の遠心ろ過装置では、バスケット内に、給液パイプなどとともに、結晶掻取装置と、シュートとを挿入する必要があったため、遠心ろ過装置の構造が複雑になるだけでなく、大形のシュートがバスケットの開口部の正面に配置されることになるため、固液分離処理を行う過程でバスケット内を観察し難くなるという問題があった。
【0017】
特にファインケミカル等の分野で用いる遠心ろ過装置において、結晶に雑菌や不純物等が混入するのを防ぐために、バスケットを密閉されたケーシング内に配置する構成をとる場合には、ケーシングに設けた覗き窓を通してケーシングの外部からバスケット内を観察し得るようにしておくことが望ましいが、バスケット内にシュートを挿入した場合には、該シュートがじゃまになって、覗き窓からバスケット内を観察することがほとんどできなくなるという問題があった。
【0018】
本発明の目的は、結晶掻取装置自体に、結晶を吸引によらずにバスケット外に排出する機能を持たせることにより、バスケット内に挿入される機器の数を少なくして、構造の簡素化を図ることができるようにした遠心ろ過装置を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、バスケット内に挿入される機器の数を少なくして、バスケット内の観察を容易に行い得るようにした遠心ろ過装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多数の透過孔が形成された円筒状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と該周壁部の軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出した環状の端部壁とを有して中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態で回転自在に支持されたバスケットと、該バスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタと、該バスケットを回転駆動する回転駆動装置と、バスケット内に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置とを備えた遠心ろ過装置を対象とする。
【0021】
本発明においては、上記結晶掻取装置が、掻き取った結晶をバスケット外に排出する機能を有する移送部付き掻取刃を備えている。
【0022】
この移送部付き掻取刃は、バスケット内を該バスケットの中心軸線にほぼ沿った方向に延びるように設けられた結晶掻取用刃部と、バスケットの端部壁の内側に形成された開口部を通してバスケットの外部に突出した状態で配置された結晶排出用端末部と、上記刃部により掻き取られた結晶を端末部に向けて移送するために該刃部と端末部との間をつなぐように設けられたシュート状の結晶移送部とを一体に有して、設定された退避位置と最終掻取位置との間を変位し得るように設けられている。
【0023】
そして、本発明においては、上記掻取刃が退避位置にあるときに掻取刃全体がバスケットの端部壁の内周部に相応する位置よりも径方向の内側に配置されるように該退避位置が設定される。
【0024】
また掻取刃が最終掻取位置にあるときに刃部がバスケットの上下方向の中間位置よりも上方寄りで、かつ前記バスケットの最上部よりも該バスケットの結晶掻取時の回転方向の前方側に寄った位置でフィルタに近接した状態になるように該最終掻取位置が設定される。
【0025】
更に上記掻取刃は、退避位置から最終掻取位置まで変位する過程で端末部を刃部よりも低い位置に保持して結晶移送部を傾斜させた状態に保つように設けられ、バスケットを上記結晶掻取時の回転方向に回転させながら掻取刃を最終掻取位置側に変位させてバスケット内に形成された結晶中に進入させたときに、刃部により掻き取られた結晶が結晶移送部を通して端末部側に移送されて該端末部からバスケットの外部に排出されるように構成されている。
【0026】
なおバスケットの結晶掻取時の回転方向は、バスケット内に形成された結晶中に掻取刃を食い込ませる方向であり、掻取刃の先端の刃が指向する方向に逆らう方向である。
【0027】
上記のように、結晶掻取装置に移送部付き掻取刃を設けて、該掻取刃により掻き取られた結晶を該掻取刃に一体に設けられた結晶移送部を通してバスケット外に移送するようにすると、掻取装置と別個にシュートを設ける必要がないため、結晶吸引管を設ける必要がなくなることと相俟って、バスケットの開口部付近の構造の簡素化を図ることができる。
【0028】
また上記のように構成すると、吸引によることなく結晶をバスケット外に移送することができるため、バスケット内に形成される結晶の含水率が高い場合や、結晶の比重が大きい場合でも、何ら問題なく結晶をバスケット外に排出することができる。
【0029】
更に上記のように構成すると、バスケット内に挿入する機器の数が少なくなるため、バスケット内の観察を容易に行うことができる。
【0030】
バスケットが小形に構成される場合には、上記移送部付き掻取刃のみによりバスケットの全体をカバーできるため、該移送部付き掻取刃を設けるだけで結晶掻取装置を構成することができるが、バスケットの容量が大きく、その軸線方向寸法が大きい場合には、一つの掻取刃のみではバスケット内の結晶をすべて掻き取ることが困難になる。
【0031】
そこで、本発明の好ましい態様では、移送部付き掻取刃の外に、該移送部付き掻取刃の側方に配置されて、該移送部付き掻取刃とともに変位させられる少なくとも一つの補助掻取刃を設ける。
【0032】
この場合、移送部付き掻取刃の退避位置及び最終掻取位置の設定の仕方は前記と同様である。また移送部付き掻取刃は、退避位置から最終掻取位置まで変位する過程で端末部を刃部よりも低い位置に保持して結晶移送部を傾斜させた状態に保つように設けられる。
【0033】
補助掻取刃は、移送部付き掻取刃が退避位置にある時にバスケットの端部壁の内周に相応する位置よりも径方向の内側に退避した位置に配置され、移送部付き掻取刃が最終掻取位置に達した時に先端がフィルタに近接した位置に配置されるように設けられる。
【0034】
また補助掻取刃により掻き取られた結晶が移送部付き掻取刃側に移動させられるように補助掻取刃の板面が移送部付き掻取刃側に傾斜させられ、バスケットを結晶掻取時の回転方向に回転させながら移送部付き掻取刃及び補助掻取刃をバスケットの内周に形成された結晶中に進入させたときに、補助掻取刃により掻き取られた結晶が移送部付き掻取刃側に移動させられるとともに、移送部付き掻取刃により掻き取られた結晶が結晶移送部を通して結晶排出用端末部側に移送されて該端末部からバスケットの外部に排出されるように構成される。
【0035】
上記のように補助掻取刃を設ける場合、移送部付き掻取刃は、バスケットの端部壁に隣接した位置(バスケットの開口部に近い位置)に配置し、該移送部付き掻取刃とバスケットの底壁部との間に補助掻取刃を設けて、補助掻取刃により掻き取った結晶を移送部付き掻取刃側に移動させていく(寄せていく)ようにするるのが好ましい。
【0036】
上記補助掻取刃を複数個設ける場合には、該複数個の補助掻取刃をバスケットの軸線方向に並べて配置する。補助掻取刃の数は、バスケットの軸線方向寸法に応じて適宜に設定する。
【0037】
上記のように補助掻取刃を設けた場合、補助掻取刃により掻き取られた結晶は、該補助掻取刃の傾斜した板面により移送部付き掻取刃側に寄せられる。補助掻取刃により掻き取られ、移送部付き掻取刃側に寄せられた結晶のうち、移送部付き掻取刃の上に乗せられた部分は、そのまま該掻取刃の移送部を通して外部に排出されるが、他の部分は、補助掻取刃の傾斜した板面に沿って落下して、移送部付き掻取刃寄りの部分に寄せられた状態で、バスケットの周壁部の下部に位置する部分の内側のフィルタの内面に形成されている結晶の内周面またはフィルタの内周面(フィルタの内周面が露出している場合)に付着する。補助掻取刃の板面に沿って落下して結晶の内周面またはフィルタの内周面に付着した結晶は、バスケットの回転により生じる遠心力によりバスケットの周壁部側に押しつけられるため、落下した位置に保持された状態で移送部付き掻取刃の刃部側に移動させられ、該刃部により掻き取られて結晶移送部を通して外部に排出される。
【0038】
本発明の好ましい態様では、上記バスケットが開閉可能な扉を備えたケーシング内に配置される。この場合、ケーシング内は、バスケットの周壁部を通して排出される液分を受け入れる液分回収室と、バスケットの端部壁の内周部の内側に形成された開口部に臨む結晶回収室とに区画され、結晶回収室の下部に移送部付き掻取刃の端末部から排出された結晶をケーシング外に排出する結晶排出口が形成される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明を適用した遠心ろ過装置の一実施形態を側面から見て垂直面に沿って断面して示した側面断面図、図2は図1の遠心ろ過装置の一部を切り欠いて示した正面図、図3は同遠心ろ過装置の最終掻取位置にある移送部付き掻取刃及び補助掻取刃をバスケットの一部の断面とともに示した要部の正面図、図4は図1の遠心ろ過装置の掻取装置の要部を示した側面図である。
【0040】
図1において、1は設置ベース、2は設置ベース1の上に配置されて該ベースにボルトなどにより固定されたベースフレームである。ベースフレーム2の上には、ベース板3が固定され、ベース板3の一端に、該ベース板3と板面が直交するように配置されたフレーム板4の下端が固定されている。フレーム板4には軸受装置5が支持され、この軸受装置5により、回転軸6がその中心軸線を水平方向に向けた状態で回転自在に支持されている。
【0041】
フレーム板4には、円筒状のケーシング基部7aの一端が固定され、このケーシング基部7aの他端に円筒状に形成されたケーシング本体7bの一端が固定されている。ケーシング本体7bの他端には、扉7cが図2に示したヒンジ8を介して開閉自在に取り付けられている。ケーシング基部7aの下部には、排液孔7dが形成されている。
【0042】
この例では、ケーシング基部7aと、ケーシング本体7bと、扉7cとによりケーシング7が構成され、フレーム板4によりケーシング7の底部が構成されている。
【0043】
軸受装置5により支持された回転軸6の一端はフレーム板4に取り付けられたシール部材を通してケーシング7内に導入され、ケーシング7内に導入された回転軸の一端にバスケット10が取り付けられている。また回転軸6の他端は軸受装置5の端部から外部に導出され、外部に導出された回転軸の他端にプーリ11が取り付けられている。
【0044】
バスケット10は、周壁部10aと該周壁部10aの軸線方向の一端を閉じるように設けられた底壁部10bと周壁部10aの軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出するように設けられた環状の端部壁10cとを有する籠形のもので、このバスケット10は、その底壁部10bの中央部に設けられたボス10dを回転軸6に結合することにより、中心軸線を水平方向に向けた状態でケーシング内に回転自在に支持されている。
【0045】
バスケットの周壁部10aには無数の透過孔(図示せず。)が、該周壁部全体に均一に分散させた状態で形成され、該周壁部10aの内周には、多孔板と金網との積層体などにより構成されたフィルタ12が取り付けられている。
【0046】
ベース板3の上には、バスケット10の回転駆動源である電動機15が取り付けられ、該電動機の回転軸に取り付けられたプーリ16と軸受装置5に支持された回転軸6に取り付けられたプーリ11とにベルト17が巻掛けされている。
【0047】
電動機15とプーリ11及び16とベルト17とにより、バスケット10を回転駆動する回転駆動装置18が構成されている。本実施形態では、この回転駆動装置により、バスケット10が図2及び図3に示した矢印CCW方向に回転駆動される。
【0048】
ベース板3にはまた、軸受装置5と回転駆動装置18とを覆うカバー19が取り付けられている。
【0049】
バスケット10の端部壁10cに対向するケーシングの扉7cの端部壁7c1の上部には、軸受装置20を介して掻取駆動軸21の一端が回転自在に支持されている。掻取駆動軸21は、バスケット10の中心に対して偏心した位置に軸線をバスケット10の中心軸線と平行させた状態で配置されていて、その他端側は、バスケット10の端部壁10cの内周部の内側に形成された開口部からバスケット10内に挿入されている。
【0050】
ケーシング7の扉の外側には、電動機22と、該電動機の回転を減速する減速機23とを備えた掻取駆動軸駆動機構24が支持され、この駆動機構24により、掻取駆動軸21が一定の角度範囲で往復回転するように駆動される。
【0051】
掻取駆動軸21のバスケット内に位置する部分には、移送部付き掻取刃31と、第1及び第2の補助掻取刃32及び33とが取り付けられている。
【0052】
移送部付き掻取刃31は、バスケットの端部壁10cに近接させた状態でバスケット10内に配置されて、支持アーム34を介して掻取駆動軸21に支持されている。掻き取られずに残る結晶をできるだけ少なくするため、移送部付き掻取刃31とバスケットの端部壁10cとの間の隙間は十分に小さく設定されている。
【0053】
また第1及び第2の補助掻取刃32及び33は、移送部付き掻取刃31とバスケットの底壁部10bとの間に、バスケットの軸線方向に並べた状態で配置されて、それぞれ支持アーム35及び36(図4参照)を介して掻取駆動軸21に支持されている。
【0054】
なお図2及び図3においては、補助掻取刃については、第1の補助掻取刃32のみが図示され、第2の補助掻取刃33の図示は省略されている。
【0055】
更に詳細に説明すると、移送部付き掻取刃31は、図3及び図4に示されているように、バスケット10内を、該バスケットの中心軸線O−O(図1参照)の方向に沿った方向に延びる結晶掻取用刃部31aと、バスケット10の端部壁の内側に形成された開口部を通してバスケットの外部に突出した状態で配置された結晶排出用端末部31bと、結晶掻取用刃部により掻き取られた結晶を結晶排出用端末部に向けて移送するために刃部と端末部との間をつなぐように設けられたシュート状の結晶移送部31cとを有して、掻取駆動軸21の回転に伴って、図2に鎖線で示した退避位置と、図2に実線で示した最終掻取位置との間を変位(旋回)させられるように設けられている。
【0056】
本発明においては、移送部付き掻取刃31が退避位置にあるときに、該移送部付き掻取刃全体がバスケット10の端部壁10cの内周部に相応する位置よりも径方向の内側に配置されるように、上記退避位置が設定されている。
【0057】
また、移送部付き掻取刃31が図2に実線で示した最終掻取位置にあるときに、結晶掻取用刃部31aがバスケット10の上下方向の中間位置よりも上方寄りで、かつバスケット10の最上部よりも該バスケットの結晶掻取時の回転方向(本実施形態では図2の矢印CCW方向)の前方側に寄った位置でフィルタ12に近接した状態になるように、上記最終掻取位置が設定されている。
【0058】
なおバスケットの結晶掻取時の回転方向は、固液分離処理を行う際のバスケットの回転方向と同一でもよく、異なっていてもよい。
【0059】
移送部付き掻取刃31は、退避位置から最終掻取位置まで変位する過程でその端末部31bを結晶掻取用刃部31aよりも低い位置に保持して、結晶移送部31cを傾斜させた状態に保つように設けられている。
【0060】
なお図3及び図4は、移送部付き掻取刃31が最終掻取位置にあるときの状態を示している。
【0061】
移送部付き掻取刃31の結晶移送部31cは、刃部31aにより掻き取られた結晶を、該移送部の板面に沿って滑落させながら、端末部31b側に案内するように(物体を滑落させながら移送するシュートとしての機能を果たすように)設けられればよく、その構成には種々の変形が考え得るが、その結晶を滑落させる面は、結晶を詰まらせるおそれがあるような角部や、凹所などを有しない、できるだけ滑らかな面としておくことが望ましい。
【0062】
図示の例では、移送部付き掻取刃31が最終掻取位置にあるときに比較的急な傾斜角をもって傾斜した状態で配置される傾斜板部31c1と、該傾斜板部31c1の、バスケット10の底壁部10b側に位置する端部から湾曲した状態でバスケットの周壁部10aとは反対側に立ち上がったガイド壁部31c2とにより結晶移送部31cが構成され、刃部31aにより掻き取られて、傾斜板部31c1の上を滑落してきた結晶を、端末部31b側に案内するように、ガイド壁部31c2が湾曲した形状(図4参照)に形成されている。
【0063】
第1及び第2の補助掻取刃32及び33は、断面がくの字形を呈する平行四辺形状の板の先端にバスケットの周壁部の内周に設けられたフィルタ12の内周面に沿う円弧状の刃32a,33a(図4参照)を形成したものからなっていて、支持アーム35及び36を介して掻取駆動軸21に支持されている。図示の例では、第1の補助掻取刃32が移送部付き掻取刃31に隣接する位置に配置され、第1の補助掻取刃32とバスケットの底壁部10bとの間に第2の補助掻取刃33が配置されている。第1の補助掻取刃32は、その移送部付き掻取刃31側の端部を、隙間を介して移送部付き掻取刃31と一部ラップさせた状態で配置され、第2の補助掻取刃33は、その第1の補助掻取刃側の端部を一部隙間を介してラップさせた状態で配置されている。掻き取られずに残る結晶をできるだけ少なくするため、第2の補助掻取刃33とバスケットの底壁部10bとの間の隙間は十分に小さく設定されている。
【0064】
これらの補助掻取刃は、移送部付き掻取刃31が退避位置にある時にバスケット10の端部壁10cの内周に相応する位置よりも径方向の内側に退避した位置に配置され、移送部付き掻取刃31が最終掻取位置に達した時に先端がフィルタ12に近接した位置に配置されるように設けられていて、補助掻取刃32及び33により掻き取られた結晶が移送部付き掻取刃31側に移動させられるように(寄せられるように)、補助掻取刃32及び33の板面が、移送部付き掻取刃31側に傾斜させられている。
【0065】
本実施形態では、掻取駆動軸21と、掻取駆動軸駆動機構24と、移送部付き掻取刃31と、補助掻取刃32,33とにより、結晶掻取装置が構成されている。
【0066】
図1に示したように、ケーシング7内は、バスケット10の周壁部10aを通して排出される液分を受け入れる液分回収室7Aと、バスケット10の端部壁の内周部の内側に形成された開口部に臨む結晶回収室7Bとに区画され、結晶回収室7Bの下部に、移送部付き掻取刃31の端末部31bから排出された結晶をケーシング7外に排出するための結晶排出口7eが設けられている。図示の例では、結晶排出口7eに、結晶回収容器40の結晶受け入れ口が接続されている。
【0067】
図示の例では、ケーシング本体7bの扉7C側の端部に形成されたフランジ7b1の内径部が僅かなギャップを介してバスケット10の端部壁10c側の端部外周に対向するように構成され、フランジ7b1の内径部とバスケット10の端部外周部との間にシール38が配置されている。シール38は、バスケットの回転を妨げないように設けられていて、このシール38により、液分回収室7A内の液のミストが結晶回収室7B内に侵入しないように、両室7A,7B間が仕切られている。
【0068】
図示してないが、ケーシングの扉7cを貫通させて設けられた給液パイプがバスケット10内に挿入され、図示しない原液供給源から該給液パイプを通してバスケット内にスラリ(原液)が供給されるようになっている。
【0069】
図示の例において、ケーシングを密閉し得るように扉7cを設け、結晶排出口7eと結晶回収容器40とを気密保持構造で接続するようにしておくと、完全密閉型の遠心ろ過装置を構成することができる。
【0070】
上記の遠心ろ過装置を用いてスラリを液分と結晶とに分離する処理を行う際には、バスケットを所定の回転速度で回転させながら、図示しない給液パイプを通してバスケット10内にスラリ(原液)を供給する。給液の過程で図示しない液面検出器によりスラリの液面が限界位置に達したことが検出されたときにバスケット内へのスラリの供給を中断する。バスケットの回転に伴って生じる遠心力によりスラリ中の液分がフィルタ12を通してバスケット外に排出され、スラリに含まれる結晶がバスケット10の周壁部10aの内周に堆積していく。バスケット外に排出された液分はケーシング7内を流下して排液孔7dから外部に排出される。
【0071】
脱液が進み、液面レベルが所定位置まで低下したことが検出されたときにスラリの供給を再開し、液面が限界位置に達したことが検出されたときに再びスラリの供給を中断する。
【0072】
上記の動作を繰り返えすと、バスケットの内周に形成される結晶の層の厚みが厚くなっていき、結晶の層の厚みの増大に伴って脱液にかかる時間が長くなっていく。結晶の層の厚みが充分に厚くなって、液面レベルの低下が一定の時間以内に検出されない状態が生じたときにバスケット内へのスラリの供給を停止し、給液工程を終了する。給液工程が終了した後、バスケット10を脱液時の回転速度まで増速し、予め実験的に求めた一定の脱液時間の間その回転速度を保って脱液を行わせる。
【0073】
脱液時間が経過した後バスケット内の結晶を洗浄する洗浄工程を行う。この洗浄工程では、洗浄時に適した回転速度でバスケットを回転させながら給液パイプを通して、または別途設けた洗浄液供給パイプを通してバスケット内に洗浄液を供給し、この洗浄液によりバスケット内の結晶を洗浄する。一定の洗浄時間が経過した後、バスケットを脱液回転速度まで増速して結晶中に含まれる洗浄液を結晶から離脱させる。
【0074】
洗浄工程が終了し、脱液を行わせた後、バスケット10を一方向(結晶掻取時の回転方向、この例では図2及び図3に示す矢印CCW方向)に回転させながら移送部付き掻取刃31及び補助掻取刃32,33をバスケット10内に形成された結晶中に進入させる。このときのバスケットの回転速度は、バスケットの上部で掻取刃により掻き取られて落下した結晶を、落下した位置に保持したままバスケットの回転に伴って再び上方の掻取刃の位置まで移動させるために必要な遠心力を生じさせるのに十分な速度に設定する。
【0075】
バスケット10を回転させながら掻取刃31ないし33を結晶中に進入させると、それぞれの掻取刃の先端の刃によりバスケットの周壁部の内側に形成された結晶が掻き取られる。移送部付き掻取刃31の先端の刃部31aにより掻き取られた結晶は、該掻取刃31の結晶移送部31cを通して滑落し、該掻取刃31の端末部31bからバスケット外(結晶回収室7B内)に排出される。結晶回収室7B内に排出された結晶は結晶排出口7eから結晶回収容器40内に回収される。
【0076】
補助掻取刃32,33により掻き取られた結晶は、それぞれの補助掻取刃の傾斜した板面により移送部付き掻取刃31側に寄せられる。移送部付き掻取刃31に隣接する第1の補助掻取刃32により掻き取られ、移送部付き掻取刃31側に寄せられた結晶のうち、移送部付き掻取刃31の上に乗せられた部分は、そのまま該掻取刃31の移送部を通して外部に排出されるが、他の部分は、補助掻取刃の傾斜した板面に沿って落下して、移送部付き掻取刃31寄りの部分に寄せられた状態で、バスケットの周壁部の下部に位置する部分の内側のフィルタの内面に形成されている結晶の内周面またはフィルタの内周面(フィルタの内周面が露出している場合)に付着する。第1の補助掻取刃32の板面に沿って落下して結晶の内周面またはフィルタ12の内周面に付着した結晶は、バスケット10の回転により生じる遠心力によりバスケットの周壁部10a側に押しつけられるため、落下した位置に保持された状態で移送部付き掻取刃31の刃部31a側に移動させられ、該刃部により掻き取られて結晶移送部31cを通して外部に排出される。
【0077】
第2の補助掻取刃33により掻き取られた結晶は、第1の補助掻取刃32側に寄せられ、更に第1の補助掻取刃32により移送部付き掻取刃31側に寄せられて、該掻取刃31の移送部31cを通してバスケット外に排出される。
【0078】
上記の一連の動作は、バスケットを駆動する電動機15、給液パイプへの原液の供給を制御するバルブ、掻取駆動軸21を駆動する電動機22などを所定のシーケンスで動作させるように制御することにより、自動的に行わせることができる。
【0079】
上記のように、本発明に係わる遠心ろ過装置は、バスケット10を一方向に回転させながら移送部付き掻取刃31及び補助掻取刃32,33をバスケット内に形成された結晶中に進入させたときに、補助掻取刃32,33により掻き取られた結晶が移送部付き掻取刃31側に移動させられるとともに、移送部付き掻取刃31により掻き取られた結晶が該掻取刃31に設けられた結晶移送部31cを通して結晶排出用端末部31bからケーシング内の結晶回収室内に排出されるように構成されている。
【0080】
上記のように、結晶掻取装置に移送部付き掻取刃31を設けて、該掻取刃により掻き取られた結晶を該掻取刃に一体に設けられた結晶移送部を通してバスケット外に移送するようにすると、掻取装置と別個にシュートを設ける必要がないため、結晶吸引管を設ける必要がなくなることと相俟って、遠心ろ過装置の構造の簡素化を図ることができる。
【0081】
またシュートを別個に設ける場合に比べて、バスケット内に挿入される機器の数が少なくなり、掻取刃31に一体に設けられる結晶移送部31cは、別個に設けられるシュートに比べて遙かに小形に構成することができるため、バスケットの開口部周りの構成の簡素化を図って、バスケットの開口部に多くの隙間を形成することができる。そのため、固液分離処理を行う際、及び結晶を回収する際にバスケット内の観察を容易に行わせることができる。上記の例のように、ケーシングが設けられる場合には、その扉7cに覗き窓(図示せず。)を設けることにより、ケーシング外からバスケット内の観察を行うようにすることができる。
【0082】
上記の例では、移送部付き掻取刃31全体が上方に開放された形状を有するように構成されているが、図5及び図6に示したように、移送部付き掻取刃31の結晶移送部31cを、傾斜板部31c1と、該傾斜板部31c1の幅方向の両端からそれぞれ起立した側壁部31c2,31c2と、側壁部31c2,31c2の先端部間に跨って取り付けられた天井板31c3とを備えた構造として、傾斜板部31c1と、側壁部31c2,31c2と、天井板31c3とにより、一端が結晶掻取用刃部31a側に開口し、他端が端末部31b側に開口したダクト部を構成するようにしてもよい。
【0083】
このように、結晶移送部31cにダクト部を設けて、該ダクト部を通して結晶を排出させるようにすると、結晶移送部31cの上に乗った結晶が該結晶移送部を滑落する過程でバスケット内に落下するのを防ぐことができるため、結晶の回収を効率よく行わせることができる。
【0084】
図7は、移送部付き掻取刃31に設ける結晶移送部31cの他の構成例を示したもので、この例では、結晶移送部31cが、90°向きが異なる刃部31aと端末部31bとの間を傾斜しながら連続的につなぐように、湾曲した形状に形成された底板部31c1´と、底板部31c1´の幅方向の両端から起立した側壁部31c2´,31c2´とにより、湾曲した滑り台のような形状に構成されている。
【0085】
このように結晶移送部31cを構成する場合も、側壁部31c2´,31c2´の上に天井板を取り付けることにより、ダクト部を構成することができる。
【0086】
上記の各実施形態では、補助掻取刃を2つ設けているが、補助掻取刃の数はバスケットの大きさに応じて増減できる。バスケットの軸線方向寸法が小さい場合には、移送部付き掻取刃31と、一つの補助掻取刃32との2つの掻取刃だけを設けるようにしてもよい。
【0087】
またバスケットの軸線方向寸法が更に小さく、移送部付き掻取刃31のみでバスケット内に形成された結晶を掻き取ることができる場合には、補助掻取刃を省略することができる。
【0088】
上記の遠心ろ過装置において、掻取刃の最終掻取位置をバスケットの最上部に設定すると、掻き取った結晶がそのまま落下してしまい、掻き取った結晶を結晶移送部31cを通して効率よく排出することができなくなる。そのため、掻取刃の最終掻取位置は、バスケットの周壁部の最上部よりもバスケットの結晶掻取時の回転方向の前方側に(下方に)寄った位置に設定する。
【0089】
移送部付き掻取刃の刃部31aは、バスケット内をその軸線方向に延びるように設ければよいが、該刃部31aはバスケットの中心軸線に対して多少傾斜させた状態で設けても差し支えがない。従って本発明においては、移送部付き掻取刃の結晶掻取用刃部31aをバスケットの中心軸線にほぼ沿った方向に延びるように設けるとしている。
【0090】
上記の実施形態においては、バスケットの中心軸線を水平方向に向けて配置しているが、バスケットは、その中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態で配置されていればよく、横型の遠心ろ過装置の範疇から逸脱しない範囲で、バスケットの中心軸線が水平方向に対して多少傾いていても差し支えない。
【0091】
上記の実施形態では、バスケットをケーシング内に配置しているが、バスケットをケーシング内に配置しない形式の遠心ろ過装置にも本発明を適用することができる。
【0092】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、結晶掻取装置に移送部付き掻取刃を設けて、該掻取刃により掻き取った結晶を該掻取刃に一体に設けられた結晶移送部を通してバスケット外に排出するようにしたので、バスケット内に、掻取刃とは別個に形成されたシュートを挿入して掻き取った結晶を外部に排出するように構成されていた従来の遠心ろ過装置に比べて、バスケットの開口部付近の構造の簡素化を図ることができ、バスケット内の観察を容易にすることができる。
【0093】
また別個に構成されたシュートを設けないことと、結晶吸引管を用いないこととが相俟って部品点数が少なくなり、構造を簡単にすることができるため、遠心ろ過装置の小形化と、コストの低減とを図ることができる。
【0094】
更に本発明によれば、別個に構成されたシュートを設けないため、密閉されるケーシング内にバスケットを配置する構成を容易にとることができ、結晶吸引管を用いなくても密閉型の遠心ろ過装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した遠心ろ過装置の一実施形態を側面から見て垂直面に沿って断面して示した側面断面図である。
【図2】図1の遠心ろ過装置のケーシングの扉の一部を取り除いて示した正面図である。
【図3】図1の遠心ろ過装置の最終掻取位置にある移送部付き掻取刃及び補助掻取刃を、バスケットの一部の断面とともに示した要部の正面図である。
【図4】図1の遠心ろ過装置の掻取刃が最終掻取位置にある状態を示した側面図である。
【図5】本発明の他の実施形態の最終掻取位置にある移送部付き掻取刃及び補助掻取刃を、バスケットの一部の断面とともに示した要部の正面図である。
【図6】図5の実施形態の遠心ろ過装置の掻取刃が最終掻取位置にある状態を示した側面図である。
【図7】本発明で用いることができる移送部付き掻取刃の変形例を示した斜視図である。
【符号の説明】
2… ベースフレーム、5…軸受装置、6…回転軸、7…ケーシング、7c…ケーシングの扉、7e…結晶排出口、10…バスケット、10a…周壁部、10b…底壁部、10c…端部壁、12…フィルタ、21…掻取駆動軸、31…移送部付き掻取刃、31a…結晶掻取用刃部、31b…移送部付き掻取刃の端末部、32…第1の補助掻取刃、33…第2の補助掻取刃。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラリ(原液)を液分と結晶とに分離する遠心ろ過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学プラント等においては、製品を製造する過程でスラリ(結晶を含む原液)から液分を分離して結晶を得る固液分離工程(固体と液体とを分離する工程)を行うことがしばしばある。また固液分離工程に続いて、結晶を洗浄液により洗浄する洗浄工程と、洗浄された結晶を乾燥させる乾燥工程とを併せて行うことが多い。
【0003】
固液分離工程を行う装置としては、スラリを圧搾してフィルタに供給することによりスラリを液分と結晶とに分離するフィルタ式ろ過装置と、高速回転するバスケット内にスラリを供給して遠心力によりスラリを液分と結晶とに分離する遠心ろ過装置とが広く用いられている。
【0004】
フィルタ式ろ過装置では、ろ過の際に結晶が圧搾されるため、結晶がブロック化して(塊になって)その組織が緻密になるのを避けられない。そのため、フィルタ式ろ過装置を用いた場合には、洗浄工程で洗浄液を結晶中に均一に浸透させることが難しく、結晶を充分に洗浄することは容易でない。
【0005】
これに対し、遠心ろ過装置を用いた場合には、結晶が圧搾されることがなく、結晶の組織内に適当な空隙が形成されるため、結晶中に洗浄液を均一に浸透させて結晶の洗浄を短時間で充分に行わせることができ、高品質の結晶を得ることができる。
【0006】
またフィルタ式ろ過装置では、得られる結晶の組織が緻密であるため、結晶を乾燥させる工程に長い時間を要するが、遠心ろ過装置では、得られる結晶の組織が緻密になることがないため、結晶の乾燥を比較的短時間で行なうことができる。
【0007】
上記のように、遠心ろ過装置を用いると、結晶の洗浄を効率よく、かつ均一に行なうことができるだけでなく、得られた結晶の乾燥を短時間で行なうことができるため、不純物が少い高品質の結晶を能率よく得ることができる。
【0008】
上記のように、遠心ろ過装置は、フィルタ式ろ過装置に比べて数々の利点を有しているが、籠形のバスケット内に結晶を形成するため、得られた結晶を回収することが容易でないという問題を有している。特に不純物の混入を防止するためにバスケットを密閉構造のケーシング内に配置して固液分離処理を行わせる場合には、結晶の回収に特別の工夫が必要である。
【0009】
本出願人は、例えば、特許文献1に示されているように、結晶を回収する際にバスケットの中心軸線を水平方向に対して一定の角度傾斜させて、該バスケットの底壁部を斜め下方に向けておくことにより、結晶の回収率を向上させた遠心ろ過装置を提案した。
【0010】
この遠心ろ過装置では、バスケット内で結晶を乾燥させた後、バスケット内の上部に配置した掻取刃によりバスケットの内周の結晶を掻き落としてバスケットの下部に集める。そして、結晶吸引管の先端をバスケットの下部の結晶中に進入させて結晶を吸引し、最終的には該吸引管の先端を、傾斜したバスケットの周壁部の最下部と該バスケットの底壁部との間の隅部に近接した位置に設定した最終吸引位置まで変位させて、最終吸引位置に集った結晶を吸引して効率よく回収するようにしている。
【0011】
また例えば特許文献2や特許文献3に示されているように、バスケットの内周に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置をバスケット内の上部に配置するとともに、バスケットの開口部からバスケット内にシュートを挿入して、結晶掻取装置により掻き取られた結晶をシュートを通して外部に排出するようにした遠心ろ過装置が知られている。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−253532号公報
【0013】
【特許文献2】
特開平5−200327号公報
【0014】
【特許文献3】
特開2002−143722号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示されたように、結晶吸引管により結晶を吸引するようにした場合には、バスケット内に形成される結晶の含水率が高い場合や、結晶の比重が大きい場合に結晶の吸引が困難になることがあり、吸引された結晶を輸送するパイプが詰まるなどのトラブルが生じるおそれがあった。
【0016】
特許文献2や特許文献3に示されたように、バスケット内にシュートを挿入して、結晶掻取装置により掻き取った結晶を該シュートを通してバスケット外に排出するようにすれば、結晶に含まれる水分が多い場合や、結晶の比重が大きい場合であっても、問題なく結晶をバスケット外に排出することができるが、従来のこの種の遠心ろ過装置では、バスケット内に、給液パイプなどとともに、結晶掻取装置と、シュートとを挿入する必要があったため、遠心ろ過装置の構造が複雑になるだけでなく、大形のシュートがバスケットの開口部の正面に配置されることになるため、固液分離処理を行う過程でバスケット内を観察し難くなるという問題があった。
【0017】
特にファインケミカル等の分野で用いる遠心ろ過装置において、結晶に雑菌や不純物等が混入するのを防ぐために、バスケットを密閉されたケーシング内に配置する構成をとる場合には、ケーシングに設けた覗き窓を通してケーシングの外部からバスケット内を観察し得るようにしておくことが望ましいが、バスケット内にシュートを挿入した場合には、該シュートがじゃまになって、覗き窓からバスケット内を観察することがほとんどできなくなるという問題があった。
【0018】
本発明の目的は、結晶掻取装置自体に、結晶を吸引によらずにバスケット外に排出する機能を持たせることにより、バスケット内に挿入される機器の数を少なくして、構造の簡素化を図ることができるようにした遠心ろ過装置を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、バスケット内に挿入される機器の数を少なくして、バスケット内の観察を容易に行い得るようにした遠心ろ過装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多数の透過孔が形成された円筒状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と該周壁部の軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出した環状の端部壁とを有して中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態で回転自在に支持されたバスケットと、該バスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタと、該バスケットを回転駆動する回転駆動装置と、バスケット内に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置とを備えた遠心ろ過装置を対象とする。
【0021】
本発明においては、上記結晶掻取装置が、掻き取った結晶をバスケット外に排出する機能を有する移送部付き掻取刃を備えている。
【0022】
この移送部付き掻取刃は、バスケット内を該バスケットの中心軸線にほぼ沿った方向に延びるように設けられた結晶掻取用刃部と、バスケットの端部壁の内側に形成された開口部を通してバスケットの外部に突出した状態で配置された結晶排出用端末部と、上記刃部により掻き取られた結晶を端末部に向けて移送するために該刃部と端末部との間をつなぐように設けられたシュート状の結晶移送部とを一体に有して、設定された退避位置と最終掻取位置との間を変位し得るように設けられている。
【0023】
そして、本発明においては、上記掻取刃が退避位置にあるときに掻取刃全体がバスケットの端部壁の内周部に相応する位置よりも径方向の内側に配置されるように該退避位置が設定される。
【0024】
また掻取刃が最終掻取位置にあるときに刃部がバスケットの上下方向の中間位置よりも上方寄りで、かつ前記バスケットの最上部よりも該バスケットの結晶掻取時の回転方向の前方側に寄った位置でフィルタに近接した状態になるように該最終掻取位置が設定される。
【0025】
更に上記掻取刃は、退避位置から最終掻取位置まで変位する過程で端末部を刃部よりも低い位置に保持して結晶移送部を傾斜させた状態に保つように設けられ、バスケットを上記結晶掻取時の回転方向に回転させながら掻取刃を最終掻取位置側に変位させてバスケット内に形成された結晶中に進入させたときに、刃部により掻き取られた結晶が結晶移送部を通して端末部側に移送されて該端末部からバスケットの外部に排出されるように構成されている。
【0026】
なおバスケットの結晶掻取時の回転方向は、バスケット内に形成された結晶中に掻取刃を食い込ませる方向であり、掻取刃の先端の刃が指向する方向に逆らう方向である。
【0027】
上記のように、結晶掻取装置に移送部付き掻取刃を設けて、該掻取刃により掻き取られた結晶を該掻取刃に一体に設けられた結晶移送部を通してバスケット外に移送するようにすると、掻取装置と別個にシュートを設ける必要がないため、結晶吸引管を設ける必要がなくなることと相俟って、バスケットの開口部付近の構造の簡素化を図ることができる。
【0028】
また上記のように構成すると、吸引によることなく結晶をバスケット外に移送することができるため、バスケット内に形成される結晶の含水率が高い場合や、結晶の比重が大きい場合でも、何ら問題なく結晶をバスケット外に排出することができる。
【0029】
更に上記のように構成すると、バスケット内に挿入する機器の数が少なくなるため、バスケット内の観察を容易に行うことができる。
【0030】
バスケットが小形に構成される場合には、上記移送部付き掻取刃のみによりバスケットの全体をカバーできるため、該移送部付き掻取刃を設けるだけで結晶掻取装置を構成することができるが、バスケットの容量が大きく、その軸線方向寸法が大きい場合には、一つの掻取刃のみではバスケット内の結晶をすべて掻き取ることが困難になる。
【0031】
そこで、本発明の好ましい態様では、移送部付き掻取刃の外に、該移送部付き掻取刃の側方に配置されて、該移送部付き掻取刃とともに変位させられる少なくとも一つの補助掻取刃を設ける。
【0032】
この場合、移送部付き掻取刃の退避位置及び最終掻取位置の設定の仕方は前記と同様である。また移送部付き掻取刃は、退避位置から最終掻取位置まで変位する過程で端末部を刃部よりも低い位置に保持して結晶移送部を傾斜させた状態に保つように設けられる。
【0033】
補助掻取刃は、移送部付き掻取刃が退避位置にある時にバスケットの端部壁の内周に相応する位置よりも径方向の内側に退避した位置に配置され、移送部付き掻取刃が最終掻取位置に達した時に先端がフィルタに近接した位置に配置されるように設けられる。
【0034】
また補助掻取刃により掻き取られた結晶が移送部付き掻取刃側に移動させられるように補助掻取刃の板面が移送部付き掻取刃側に傾斜させられ、バスケットを結晶掻取時の回転方向に回転させながら移送部付き掻取刃及び補助掻取刃をバスケットの内周に形成された結晶中に進入させたときに、補助掻取刃により掻き取られた結晶が移送部付き掻取刃側に移動させられるとともに、移送部付き掻取刃により掻き取られた結晶が結晶移送部を通して結晶排出用端末部側に移送されて該端末部からバスケットの外部に排出されるように構成される。
【0035】
上記のように補助掻取刃を設ける場合、移送部付き掻取刃は、バスケットの端部壁に隣接した位置(バスケットの開口部に近い位置)に配置し、該移送部付き掻取刃とバスケットの底壁部との間に補助掻取刃を設けて、補助掻取刃により掻き取った結晶を移送部付き掻取刃側に移動させていく(寄せていく)ようにするるのが好ましい。
【0036】
上記補助掻取刃を複数個設ける場合には、該複数個の補助掻取刃をバスケットの軸線方向に並べて配置する。補助掻取刃の数は、バスケットの軸線方向寸法に応じて適宜に設定する。
【0037】
上記のように補助掻取刃を設けた場合、補助掻取刃により掻き取られた結晶は、該補助掻取刃の傾斜した板面により移送部付き掻取刃側に寄せられる。補助掻取刃により掻き取られ、移送部付き掻取刃側に寄せられた結晶のうち、移送部付き掻取刃の上に乗せられた部分は、そのまま該掻取刃の移送部を通して外部に排出されるが、他の部分は、補助掻取刃の傾斜した板面に沿って落下して、移送部付き掻取刃寄りの部分に寄せられた状態で、バスケットの周壁部の下部に位置する部分の内側のフィルタの内面に形成されている結晶の内周面またはフィルタの内周面(フィルタの内周面が露出している場合)に付着する。補助掻取刃の板面に沿って落下して結晶の内周面またはフィルタの内周面に付着した結晶は、バスケットの回転により生じる遠心力によりバスケットの周壁部側に押しつけられるため、落下した位置に保持された状態で移送部付き掻取刃の刃部側に移動させられ、該刃部により掻き取られて結晶移送部を通して外部に排出される。
【0038】
本発明の好ましい態様では、上記バスケットが開閉可能な扉を備えたケーシング内に配置される。この場合、ケーシング内は、バスケットの周壁部を通して排出される液分を受け入れる液分回収室と、バスケットの端部壁の内周部の内側に形成された開口部に臨む結晶回収室とに区画され、結晶回収室の下部に移送部付き掻取刃の端末部から排出された結晶をケーシング外に排出する結晶排出口が形成される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明を適用した遠心ろ過装置の一実施形態を側面から見て垂直面に沿って断面して示した側面断面図、図2は図1の遠心ろ過装置の一部を切り欠いて示した正面図、図3は同遠心ろ過装置の最終掻取位置にある移送部付き掻取刃及び補助掻取刃をバスケットの一部の断面とともに示した要部の正面図、図4は図1の遠心ろ過装置の掻取装置の要部を示した側面図である。
【0040】
図1において、1は設置ベース、2は設置ベース1の上に配置されて該ベースにボルトなどにより固定されたベースフレームである。ベースフレーム2の上には、ベース板3が固定され、ベース板3の一端に、該ベース板3と板面が直交するように配置されたフレーム板4の下端が固定されている。フレーム板4には軸受装置5が支持され、この軸受装置5により、回転軸6がその中心軸線を水平方向に向けた状態で回転自在に支持されている。
【0041】
フレーム板4には、円筒状のケーシング基部7aの一端が固定され、このケーシング基部7aの他端に円筒状に形成されたケーシング本体7bの一端が固定されている。ケーシング本体7bの他端には、扉7cが図2に示したヒンジ8を介して開閉自在に取り付けられている。ケーシング基部7aの下部には、排液孔7dが形成されている。
【0042】
この例では、ケーシング基部7aと、ケーシング本体7bと、扉7cとによりケーシング7が構成され、フレーム板4によりケーシング7の底部が構成されている。
【0043】
軸受装置5により支持された回転軸6の一端はフレーム板4に取り付けられたシール部材を通してケーシング7内に導入され、ケーシング7内に導入された回転軸の一端にバスケット10が取り付けられている。また回転軸6の他端は軸受装置5の端部から外部に導出され、外部に導出された回転軸の他端にプーリ11が取り付けられている。
【0044】
バスケット10は、周壁部10aと該周壁部10aの軸線方向の一端を閉じるように設けられた底壁部10bと周壁部10aの軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出するように設けられた環状の端部壁10cとを有する籠形のもので、このバスケット10は、その底壁部10bの中央部に設けられたボス10dを回転軸6に結合することにより、中心軸線を水平方向に向けた状態でケーシング内に回転自在に支持されている。
【0045】
バスケットの周壁部10aには無数の透過孔(図示せず。)が、該周壁部全体に均一に分散させた状態で形成され、該周壁部10aの内周には、多孔板と金網との積層体などにより構成されたフィルタ12が取り付けられている。
【0046】
ベース板3の上には、バスケット10の回転駆動源である電動機15が取り付けられ、該電動機の回転軸に取り付けられたプーリ16と軸受装置5に支持された回転軸6に取り付けられたプーリ11とにベルト17が巻掛けされている。
【0047】
電動機15とプーリ11及び16とベルト17とにより、バスケット10を回転駆動する回転駆動装置18が構成されている。本実施形態では、この回転駆動装置により、バスケット10が図2及び図3に示した矢印CCW方向に回転駆動される。
【0048】
ベース板3にはまた、軸受装置5と回転駆動装置18とを覆うカバー19が取り付けられている。
【0049】
バスケット10の端部壁10cに対向するケーシングの扉7cの端部壁7c1の上部には、軸受装置20を介して掻取駆動軸21の一端が回転自在に支持されている。掻取駆動軸21は、バスケット10の中心に対して偏心した位置に軸線をバスケット10の中心軸線と平行させた状態で配置されていて、その他端側は、バスケット10の端部壁10cの内周部の内側に形成された開口部からバスケット10内に挿入されている。
【0050】
ケーシング7の扉の外側には、電動機22と、該電動機の回転を減速する減速機23とを備えた掻取駆動軸駆動機構24が支持され、この駆動機構24により、掻取駆動軸21が一定の角度範囲で往復回転するように駆動される。
【0051】
掻取駆動軸21のバスケット内に位置する部分には、移送部付き掻取刃31と、第1及び第2の補助掻取刃32及び33とが取り付けられている。
【0052】
移送部付き掻取刃31は、バスケットの端部壁10cに近接させた状態でバスケット10内に配置されて、支持アーム34を介して掻取駆動軸21に支持されている。掻き取られずに残る結晶をできるだけ少なくするため、移送部付き掻取刃31とバスケットの端部壁10cとの間の隙間は十分に小さく設定されている。
【0053】
また第1及び第2の補助掻取刃32及び33は、移送部付き掻取刃31とバスケットの底壁部10bとの間に、バスケットの軸線方向に並べた状態で配置されて、それぞれ支持アーム35及び36(図4参照)を介して掻取駆動軸21に支持されている。
【0054】
なお図2及び図3においては、補助掻取刃については、第1の補助掻取刃32のみが図示され、第2の補助掻取刃33の図示は省略されている。
【0055】
更に詳細に説明すると、移送部付き掻取刃31は、図3及び図4に示されているように、バスケット10内を、該バスケットの中心軸線O−O(図1参照)の方向に沿った方向に延びる結晶掻取用刃部31aと、バスケット10の端部壁の内側に形成された開口部を通してバスケットの外部に突出した状態で配置された結晶排出用端末部31bと、結晶掻取用刃部により掻き取られた結晶を結晶排出用端末部に向けて移送するために刃部と端末部との間をつなぐように設けられたシュート状の結晶移送部31cとを有して、掻取駆動軸21の回転に伴って、図2に鎖線で示した退避位置と、図2に実線で示した最終掻取位置との間を変位(旋回)させられるように設けられている。
【0056】
本発明においては、移送部付き掻取刃31が退避位置にあるときに、該移送部付き掻取刃全体がバスケット10の端部壁10cの内周部に相応する位置よりも径方向の内側に配置されるように、上記退避位置が設定されている。
【0057】
また、移送部付き掻取刃31が図2に実線で示した最終掻取位置にあるときに、結晶掻取用刃部31aがバスケット10の上下方向の中間位置よりも上方寄りで、かつバスケット10の最上部よりも該バスケットの結晶掻取時の回転方向(本実施形態では図2の矢印CCW方向)の前方側に寄った位置でフィルタ12に近接した状態になるように、上記最終掻取位置が設定されている。
【0058】
なおバスケットの結晶掻取時の回転方向は、固液分離処理を行う際のバスケットの回転方向と同一でもよく、異なっていてもよい。
【0059】
移送部付き掻取刃31は、退避位置から最終掻取位置まで変位する過程でその端末部31bを結晶掻取用刃部31aよりも低い位置に保持して、結晶移送部31cを傾斜させた状態に保つように設けられている。
【0060】
なお図3及び図4は、移送部付き掻取刃31が最終掻取位置にあるときの状態を示している。
【0061】
移送部付き掻取刃31の結晶移送部31cは、刃部31aにより掻き取られた結晶を、該移送部の板面に沿って滑落させながら、端末部31b側に案内するように(物体を滑落させながら移送するシュートとしての機能を果たすように)設けられればよく、その構成には種々の変形が考え得るが、その結晶を滑落させる面は、結晶を詰まらせるおそれがあるような角部や、凹所などを有しない、できるだけ滑らかな面としておくことが望ましい。
【0062】
図示の例では、移送部付き掻取刃31が最終掻取位置にあるときに比較的急な傾斜角をもって傾斜した状態で配置される傾斜板部31c1と、該傾斜板部31c1の、バスケット10の底壁部10b側に位置する端部から湾曲した状態でバスケットの周壁部10aとは反対側に立ち上がったガイド壁部31c2とにより結晶移送部31cが構成され、刃部31aにより掻き取られて、傾斜板部31c1の上を滑落してきた結晶を、端末部31b側に案内するように、ガイド壁部31c2が湾曲した形状(図4参照)に形成されている。
【0063】
第1及び第2の補助掻取刃32及び33は、断面がくの字形を呈する平行四辺形状の板の先端にバスケットの周壁部の内周に設けられたフィルタ12の内周面に沿う円弧状の刃32a,33a(図4参照)を形成したものからなっていて、支持アーム35及び36を介して掻取駆動軸21に支持されている。図示の例では、第1の補助掻取刃32が移送部付き掻取刃31に隣接する位置に配置され、第1の補助掻取刃32とバスケットの底壁部10bとの間に第2の補助掻取刃33が配置されている。第1の補助掻取刃32は、その移送部付き掻取刃31側の端部を、隙間を介して移送部付き掻取刃31と一部ラップさせた状態で配置され、第2の補助掻取刃33は、その第1の補助掻取刃側の端部を一部隙間を介してラップさせた状態で配置されている。掻き取られずに残る結晶をできるだけ少なくするため、第2の補助掻取刃33とバスケットの底壁部10bとの間の隙間は十分に小さく設定されている。
【0064】
これらの補助掻取刃は、移送部付き掻取刃31が退避位置にある時にバスケット10の端部壁10cの内周に相応する位置よりも径方向の内側に退避した位置に配置され、移送部付き掻取刃31が最終掻取位置に達した時に先端がフィルタ12に近接した位置に配置されるように設けられていて、補助掻取刃32及び33により掻き取られた結晶が移送部付き掻取刃31側に移動させられるように(寄せられるように)、補助掻取刃32及び33の板面が、移送部付き掻取刃31側に傾斜させられている。
【0065】
本実施形態では、掻取駆動軸21と、掻取駆動軸駆動機構24と、移送部付き掻取刃31と、補助掻取刃32,33とにより、結晶掻取装置が構成されている。
【0066】
図1に示したように、ケーシング7内は、バスケット10の周壁部10aを通して排出される液分を受け入れる液分回収室7Aと、バスケット10の端部壁の内周部の内側に形成された開口部に臨む結晶回収室7Bとに区画され、結晶回収室7Bの下部に、移送部付き掻取刃31の端末部31bから排出された結晶をケーシング7外に排出するための結晶排出口7eが設けられている。図示の例では、結晶排出口7eに、結晶回収容器40の結晶受け入れ口が接続されている。
【0067】
図示の例では、ケーシング本体7bの扉7C側の端部に形成されたフランジ7b1の内径部が僅かなギャップを介してバスケット10の端部壁10c側の端部外周に対向するように構成され、フランジ7b1の内径部とバスケット10の端部外周部との間にシール38が配置されている。シール38は、バスケットの回転を妨げないように設けられていて、このシール38により、液分回収室7A内の液のミストが結晶回収室7B内に侵入しないように、両室7A,7B間が仕切られている。
【0068】
図示してないが、ケーシングの扉7cを貫通させて設けられた給液パイプがバスケット10内に挿入され、図示しない原液供給源から該給液パイプを通してバスケット内にスラリ(原液)が供給されるようになっている。
【0069】
図示の例において、ケーシングを密閉し得るように扉7cを設け、結晶排出口7eと結晶回収容器40とを気密保持構造で接続するようにしておくと、完全密閉型の遠心ろ過装置を構成することができる。
【0070】
上記の遠心ろ過装置を用いてスラリを液分と結晶とに分離する処理を行う際には、バスケットを所定の回転速度で回転させながら、図示しない給液パイプを通してバスケット10内にスラリ(原液)を供給する。給液の過程で図示しない液面検出器によりスラリの液面が限界位置に達したことが検出されたときにバスケット内へのスラリの供給を中断する。バスケットの回転に伴って生じる遠心力によりスラリ中の液分がフィルタ12を通してバスケット外に排出され、スラリに含まれる結晶がバスケット10の周壁部10aの内周に堆積していく。バスケット外に排出された液分はケーシング7内を流下して排液孔7dから外部に排出される。
【0071】
脱液が進み、液面レベルが所定位置まで低下したことが検出されたときにスラリの供給を再開し、液面が限界位置に達したことが検出されたときに再びスラリの供給を中断する。
【0072】
上記の動作を繰り返えすと、バスケットの内周に形成される結晶の層の厚みが厚くなっていき、結晶の層の厚みの増大に伴って脱液にかかる時間が長くなっていく。結晶の層の厚みが充分に厚くなって、液面レベルの低下が一定の時間以内に検出されない状態が生じたときにバスケット内へのスラリの供給を停止し、給液工程を終了する。給液工程が終了した後、バスケット10を脱液時の回転速度まで増速し、予め実験的に求めた一定の脱液時間の間その回転速度を保って脱液を行わせる。
【0073】
脱液時間が経過した後バスケット内の結晶を洗浄する洗浄工程を行う。この洗浄工程では、洗浄時に適した回転速度でバスケットを回転させながら給液パイプを通して、または別途設けた洗浄液供給パイプを通してバスケット内に洗浄液を供給し、この洗浄液によりバスケット内の結晶を洗浄する。一定の洗浄時間が経過した後、バスケットを脱液回転速度まで増速して結晶中に含まれる洗浄液を結晶から離脱させる。
【0074】
洗浄工程が終了し、脱液を行わせた後、バスケット10を一方向(結晶掻取時の回転方向、この例では図2及び図3に示す矢印CCW方向)に回転させながら移送部付き掻取刃31及び補助掻取刃32,33をバスケット10内に形成された結晶中に進入させる。このときのバスケットの回転速度は、バスケットの上部で掻取刃により掻き取られて落下した結晶を、落下した位置に保持したままバスケットの回転に伴って再び上方の掻取刃の位置まで移動させるために必要な遠心力を生じさせるのに十分な速度に設定する。
【0075】
バスケット10を回転させながら掻取刃31ないし33を結晶中に進入させると、それぞれの掻取刃の先端の刃によりバスケットの周壁部の内側に形成された結晶が掻き取られる。移送部付き掻取刃31の先端の刃部31aにより掻き取られた結晶は、該掻取刃31の結晶移送部31cを通して滑落し、該掻取刃31の端末部31bからバスケット外(結晶回収室7B内)に排出される。結晶回収室7B内に排出された結晶は結晶排出口7eから結晶回収容器40内に回収される。
【0076】
補助掻取刃32,33により掻き取られた結晶は、それぞれの補助掻取刃の傾斜した板面により移送部付き掻取刃31側に寄せられる。移送部付き掻取刃31に隣接する第1の補助掻取刃32により掻き取られ、移送部付き掻取刃31側に寄せられた結晶のうち、移送部付き掻取刃31の上に乗せられた部分は、そのまま該掻取刃31の移送部を通して外部に排出されるが、他の部分は、補助掻取刃の傾斜した板面に沿って落下して、移送部付き掻取刃31寄りの部分に寄せられた状態で、バスケットの周壁部の下部に位置する部分の内側のフィルタの内面に形成されている結晶の内周面またはフィルタの内周面(フィルタの内周面が露出している場合)に付着する。第1の補助掻取刃32の板面に沿って落下して結晶の内周面またはフィルタ12の内周面に付着した結晶は、バスケット10の回転により生じる遠心力によりバスケットの周壁部10a側に押しつけられるため、落下した位置に保持された状態で移送部付き掻取刃31の刃部31a側に移動させられ、該刃部により掻き取られて結晶移送部31cを通して外部に排出される。
【0077】
第2の補助掻取刃33により掻き取られた結晶は、第1の補助掻取刃32側に寄せられ、更に第1の補助掻取刃32により移送部付き掻取刃31側に寄せられて、該掻取刃31の移送部31cを通してバスケット外に排出される。
【0078】
上記の一連の動作は、バスケットを駆動する電動機15、給液パイプへの原液の供給を制御するバルブ、掻取駆動軸21を駆動する電動機22などを所定のシーケンスで動作させるように制御することにより、自動的に行わせることができる。
【0079】
上記のように、本発明に係わる遠心ろ過装置は、バスケット10を一方向に回転させながら移送部付き掻取刃31及び補助掻取刃32,33をバスケット内に形成された結晶中に進入させたときに、補助掻取刃32,33により掻き取られた結晶が移送部付き掻取刃31側に移動させられるとともに、移送部付き掻取刃31により掻き取られた結晶が該掻取刃31に設けられた結晶移送部31cを通して結晶排出用端末部31bからケーシング内の結晶回収室内に排出されるように構成されている。
【0080】
上記のように、結晶掻取装置に移送部付き掻取刃31を設けて、該掻取刃により掻き取られた結晶を該掻取刃に一体に設けられた結晶移送部を通してバスケット外に移送するようにすると、掻取装置と別個にシュートを設ける必要がないため、結晶吸引管を設ける必要がなくなることと相俟って、遠心ろ過装置の構造の簡素化を図ることができる。
【0081】
またシュートを別個に設ける場合に比べて、バスケット内に挿入される機器の数が少なくなり、掻取刃31に一体に設けられる結晶移送部31cは、別個に設けられるシュートに比べて遙かに小形に構成することができるため、バスケットの開口部周りの構成の簡素化を図って、バスケットの開口部に多くの隙間を形成することができる。そのため、固液分離処理を行う際、及び結晶を回収する際にバスケット内の観察を容易に行わせることができる。上記の例のように、ケーシングが設けられる場合には、その扉7cに覗き窓(図示せず。)を設けることにより、ケーシング外からバスケット内の観察を行うようにすることができる。
【0082】
上記の例では、移送部付き掻取刃31全体が上方に開放された形状を有するように構成されているが、図5及び図6に示したように、移送部付き掻取刃31の結晶移送部31cを、傾斜板部31c1と、該傾斜板部31c1の幅方向の両端からそれぞれ起立した側壁部31c2,31c2と、側壁部31c2,31c2の先端部間に跨って取り付けられた天井板31c3とを備えた構造として、傾斜板部31c1と、側壁部31c2,31c2と、天井板31c3とにより、一端が結晶掻取用刃部31a側に開口し、他端が端末部31b側に開口したダクト部を構成するようにしてもよい。
【0083】
このように、結晶移送部31cにダクト部を設けて、該ダクト部を通して結晶を排出させるようにすると、結晶移送部31cの上に乗った結晶が該結晶移送部を滑落する過程でバスケット内に落下するのを防ぐことができるため、結晶の回収を効率よく行わせることができる。
【0084】
図7は、移送部付き掻取刃31に設ける結晶移送部31cの他の構成例を示したもので、この例では、結晶移送部31cが、90°向きが異なる刃部31aと端末部31bとの間を傾斜しながら連続的につなぐように、湾曲した形状に形成された底板部31c1´と、底板部31c1´の幅方向の両端から起立した側壁部31c2´,31c2´とにより、湾曲した滑り台のような形状に構成されている。
【0085】
このように結晶移送部31cを構成する場合も、側壁部31c2´,31c2´の上に天井板を取り付けることにより、ダクト部を構成することができる。
【0086】
上記の各実施形態では、補助掻取刃を2つ設けているが、補助掻取刃の数はバスケットの大きさに応じて増減できる。バスケットの軸線方向寸法が小さい場合には、移送部付き掻取刃31と、一つの補助掻取刃32との2つの掻取刃だけを設けるようにしてもよい。
【0087】
またバスケットの軸線方向寸法が更に小さく、移送部付き掻取刃31のみでバスケット内に形成された結晶を掻き取ることができる場合には、補助掻取刃を省略することができる。
【0088】
上記の遠心ろ過装置において、掻取刃の最終掻取位置をバスケットの最上部に設定すると、掻き取った結晶がそのまま落下してしまい、掻き取った結晶を結晶移送部31cを通して効率よく排出することができなくなる。そのため、掻取刃の最終掻取位置は、バスケットの周壁部の最上部よりもバスケットの結晶掻取時の回転方向の前方側に(下方に)寄った位置に設定する。
【0089】
移送部付き掻取刃の刃部31aは、バスケット内をその軸線方向に延びるように設ければよいが、該刃部31aはバスケットの中心軸線に対して多少傾斜させた状態で設けても差し支えがない。従って本発明においては、移送部付き掻取刃の結晶掻取用刃部31aをバスケットの中心軸線にほぼ沿った方向に延びるように設けるとしている。
【0090】
上記の実施形態においては、バスケットの中心軸線を水平方向に向けて配置しているが、バスケットは、その中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態で配置されていればよく、横型の遠心ろ過装置の範疇から逸脱しない範囲で、バスケットの中心軸線が水平方向に対して多少傾いていても差し支えない。
【0091】
上記の実施形態では、バスケットをケーシング内に配置しているが、バスケットをケーシング内に配置しない形式の遠心ろ過装置にも本発明を適用することができる。
【0092】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、結晶掻取装置に移送部付き掻取刃を設けて、該掻取刃により掻き取った結晶を該掻取刃に一体に設けられた結晶移送部を通してバスケット外に排出するようにしたので、バスケット内に、掻取刃とは別個に形成されたシュートを挿入して掻き取った結晶を外部に排出するように構成されていた従来の遠心ろ過装置に比べて、バスケットの開口部付近の構造の簡素化を図ることができ、バスケット内の観察を容易にすることができる。
【0093】
また別個に構成されたシュートを設けないことと、結晶吸引管を用いないこととが相俟って部品点数が少なくなり、構造を簡単にすることができるため、遠心ろ過装置の小形化と、コストの低減とを図ることができる。
【0094】
更に本発明によれば、別個に構成されたシュートを設けないため、密閉されるケーシング内にバスケットを配置する構成を容易にとることができ、結晶吸引管を用いなくても密閉型の遠心ろ過装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した遠心ろ過装置の一実施形態を側面から見て垂直面に沿って断面して示した側面断面図である。
【図2】図1の遠心ろ過装置のケーシングの扉の一部を取り除いて示した正面図である。
【図3】図1の遠心ろ過装置の最終掻取位置にある移送部付き掻取刃及び補助掻取刃を、バスケットの一部の断面とともに示した要部の正面図である。
【図4】図1の遠心ろ過装置の掻取刃が最終掻取位置にある状態を示した側面図である。
【図5】本発明の他の実施形態の最終掻取位置にある移送部付き掻取刃及び補助掻取刃を、バスケットの一部の断面とともに示した要部の正面図である。
【図6】図5の実施形態の遠心ろ過装置の掻取刃が最終掻取位置にある状態を示した側面図である。
【図7】本発明で用いることができる移送部付き掻取刃の変形例を示した斜視図である。
【符号の説明】
2… ベースフレーム、5…軸受装置、6…回転軸、7…ケーシング、7c…ケーシングの扉、7e…結晶排出口、10…バスケット、10a…周壁部、10b…底壁部、10c…端部壁、12…フィルタ、21…掻取駆動軸、31…移送部付き掻取刃、31a…結晶掻取用刃部、31b…移送部付き掻取刃の端末部、32…第1の補助掻取刃、33…第2の補助掻取刃。
Claims (8)
- 多数の透過孔が形成された円筒状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と該周壁部の軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出した環状の端部壁とを有して中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態で回転自在に支持されたバスケットと、前記バスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタと、前記バスケットを回転駆動する回転駆動装置と、前記バスケット内に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置とを備えた遠心ろ過装置であって、
前記結晶掻取装置は、前記バスケット内を前記中心軸線にほぼ沿った方向に延びるように設けられた結晶掻取用刃部と、前記バスケットの端部壁の内側に形成された開口部を通してバスケットの外部に突出した状態で配置された結晶排出用端末部と、前記刃部により掻き取られた結晶を前記端末部に向けて移送するために前記刃部と前記端末部との間をつなぐように設けられたシュート状の結晶移送部とを一体に有して、設定された退避位置と最終掻取位置との間を変位し得るように設けられた移送部付き掻取刃を備え、
前記掻取刃が前記退避位置にあるときに前記掻取刃全体が前記バスケットの端部壁の内周部に相応する位置よりも径方向の内側に配置されるように前記退避位置が設定されるとともに、前記掻取刃が前記最終掻取位置にあるときに前記刃部が前記バスケットの上下方向の中間位置よりも上方寄りで、かつ前記バスケットの最上部よりも該バスケットの結晶掻取時の回転方向の前方側に寄った位置で前記フィルタに近接した状態になるように前記最終掻取位置が設定され、
前記移送部付き掻取刃は、前記退避位置から最終掻取位置まで変位する過程で前記端末部を前記刃部よりも低い位置に保持して前記結晶移送部を傾斜させた状態に保つように設けられ、
前記バスケットを前記回転方向に回転させながら前記掻取刃を前記最終掻取位置側に変位させて前記バスケット内に形成された結晶中に進入させたときに前記刃部により掻き取られた結晶が前記結晶移送部を通して前記端末部側に移送されて該端末部から前記バスケットの外部に排出されるように構成されていること、
を特徴とする遠心ろ過装置。 - 多数の透過孔が形成された円筒状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と該周壁部の軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出した環状の端部壁とを有して中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態で回転自在に支持されたバスケットと、前記バスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタと、前記バスケットを回転駆動する回転駆動装置と、前記バスケットの周壁部の内周に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置とを備えた遠心ろ過装置であって、
前記結晶掻取装置は、
前記バスケット内を前記バスケットの軸線方向にほぼ沿った方向に延びるように設けられた結晶掻取用刃部と、前記バスケットの端部壁の内側に形成された開口部を通してバスケットの外部に突出した状態で配置された結晶排出用端末部と、前記結晶掻取用刃部により掻き取られた結晶を前記結晶排出用端末部に向けて移送するために前記刃部と前記端末部との間をつなぐように設けられたシュート状の結晶移送部とを一体に有して、設定された退避位置と最終掻取位置との間を変位し得るように設けられた移送部付き掻取刃と、
前記移送部付き掻取刃の側方に配置されて、前記移送部付き掻取刃とともに変位させられる少なくとも一つの補助掻取刃と、
を備え、
前記移送部付き掻取刃が前記退避位置にあるときに前記移送部付き掻取刃全体が前記バスケットの端部壁の内周部に相応する位置よりも径方向の内側に配置されるように前記退避位置が設定されるとともに、前記移送部付き掻取刃が前記最終掻取位置にあるときに前記刃部が前記バスケットの上下方向の中間位置よりも上方寄りで、かつ前記バスケットの最上部よりも該バスケットの結晶掻取時の回転方向の前方側に寄った位置で前記フィルタに近接した状態になるように前記最終掻取位置が設定され、
前記移送部付き掻取刃は、前記退避位置から最終掻取位置まで変位する過程で前記端末部を前記刃部よりも低い位置に保持して前記結晶移送部を傾斜させた状態に保つように設けられ、
前記補助掻取刃は、前記移送部付き掻取刃が前記退避位置にある時に前記バスケットの端部壁の内周に相応する位置よりも径方向の内側に退避した位置に配置され、かつ前記移送部付き掻取刃が前記最終掻取位置に達した時に先端が前記フィルタに近接した位置に配置されるように設けられていて、前記補助掻取刃により掻き取られた結晶が前記移送部付き掻取刃側に移動させられるように前記補助掻取刃の板面が前記移送部付き掻取刃側に傾斜させられ、
前記バスケットを前記回転方向に回転させながら前記移送部付き掻取刃及び補助掻取刃を前記バスケットの内周に形成された結晶中に進入させたときに、前記補助掻取刃により掻き取られた結晶が前記移送部付き掻取刃側に移動させられるとともに、前記移送部付き掻取刃により掻き取られた結晶が前記結晶移送部を通して前記結晶排出用端末部側に移送されて該端末部から前記バスケットの外部に排出されるように構成されていること、
を特徴とする遠心ろ過装置。 - 前記移送部付き掻取刃は、前記バスケットの端部壁に隣接した位置に配置され、
前記補助掻取刃は、前記移送部付き掻取刃と前記バスケットの底壁部との間に配置されている請求項2に記載の遠心ろ過装置。 - 前記補助掻取刃は複数個設けられて該複数の補助掻取刃が前記バスケットの軸線方向に並べて配置されている請求項2または3に記載の遠心ろ過装置。
- 前記バスケットは開閉可能な扉を前面に備えたケーシング内に配置され、
前記ケーシング内は、前記バスケットの周壁部を通して排出される液分を受け入れる液分回収室と、前記バスケットの端部壁の内周部の内側に形成された開口部に臨む結晶回収室とに区画され、
前記結晶回収室の下部に前記移送部付き掻取刃の端末部から排出された結晶を前記ケーシング外に排出する結晶排出口が形成されていること、
を特徴とする請求項1,2,3または4に記載の遠心ろ過装置。 - 開閉自在な扉を前面に備えたケーシングと、多数の透過孔が形成された円筒状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と該周壁部の軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出した環状の端部壁とを有して中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態で前記ケーシング内に回転自在に支持されたバスケットと、前記バスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタと、前記バスケットを回転駆動する回転駆動装置と、前記バスケットの周壁部の内周に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置とを備えた遠心ろ過装置であって、
前記結晶掻取装置は、前記バスケットの中心に対して偏心した位置に軸線を前記バスケットの中心軸線と平行させた状態で配置されて一端が前記ケーシングの扉に支持されるとともに、他端側が前記バスケットの端部壁の内周部の内側の開口部から前記バスケット内に挿入された掻取駆動軸と、前記ケーシングの扉の外側に支持されて前記掻取駆動軸を回転駆動する掻取駆動軸駆動機構と、前記バスケットの端部壁に隣接させた状態で前記バスケット内に配置されて前記掻取駆動軸に支持された移送部付き掻取刃と、前記移送部付き掻取刃と前記バスケットの底壁部との間に配置されて前記掻取駆動軸に支持された少なくとも一つの板状の補助掻取刃とを備え、
前記移送部付き掻取刃は、前記バスケット内を前記中心軸線の方向にほぼ沿った方向に延びる結晶掻取用刃部と、前記バスケットの端部壁の内側に形成された開口部を通して前記バスケットの外部に突出した状態で配置された結晶排出用端末部と、前記結晶掻取用刃部により掻き取られた結晶を前記結晶排出用端末部に向けて移送するために前記刃部と前記端末部との間をつなぐように設けられたシュート状の結晶移送部とを有して、前記掻取駆動軸の回転に伴って、設定された退避位置と最終掻取位置との間を変位させられるように設けられ、
前記移送部付き掻取刃が前記退避位置にあるときに前記移送部付き掻取刃全体が前記バスケットの端部壁の内周部に相応する位置よりも径方向の内側に配置されるように前記退避位置が設定されるとともに、前記移送部付き掻取刃が前記最終掻取位置にあるときに前記刃部が前記バスケットの上下方向の中間位置よりも上方寄りで、かつ前記バスケットの最上部よりも該バスケットの結晶掻取時の回転方向の前方側に寄った位置で前記フィルタに近接した状態になるように前記最終掻取位置が設定され、
前記移送部付き掻取刃は、前記退避位置から最終掻取位置まで変位する過程で前記端末部を前記刃部よりも低い位置に保持して前記結晶移送部を傾斜させた状態に保つように設けられ、
前記補助掻取刃は、前記移送部付き掻取刃が前記退避位置にある時に前記バスケットの端部壁の内周に相応する位置よりも径方向の内側に退避した位置に配置され、かつ前記移送部付き掻取刃が前記最終掻取位置に達した時に先端が前記フィルタに近接した位置に配置されるように設けられていて、前記補助掻取刃により掻き取られた結晶が前記移送部付き掻取刃側に移動させられるように前記補助掻取刃の板面が前記移送部付き掻取刃側に傾斜させられ、
前記ケーシング内は、前記バスケットの周壁部を通して排出される液分を受け入れる液分回収室と、バスケットの端部壁の内周部の内側に形成された開口部に臨む結晶回収室とに区画され、
前記結晶回収室の下部に前記移送部付き掻取刃の端末部から排出された結晶を前記ケーシング外に排出する結晶排出口が形成され、
前記バスケットを前記回転方向に回転させながら前記移送部付き掻取刃及び補助掻取刃を前記バスケット内に形成された結晶中に進入させたときに、前記補助掻取刃により掻き取られた結晶が前記移送部付き掻取刃側に移動させられるとともに、前記移送部付き掻取刃により掻き取られた結晶が前記結晶移送部を通して前記結晶排出用端末部側に移送されて該端末部から前記ケーシング内の結晶回収室内に排出されるように構成されていること、
を特徴とする遠心ろ過装置。 - 前記補助掻取刃は複数個設けられ、該複数個の補助掻取刃は前記バスケットの軸線方向に並べて配置されている請求項6に記載の遠心ろ過装置。
- 前記移送部付き掻取刃の結晶移送部は、一端が前記結晶掻取用刃部側に開口し、他端が前記端末部側に開口したダクト部を備えていて、前記結晶掻取用刃部により掻き取られた結晶が前記ダクト部の内部を通して前記バスケットの外部に排出されるように構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の遠心ろ過装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003041405A JP2004249199A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | 遠心ろ過装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003041405A JP2004249199A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | 遠心ろ過装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004249199A true JP2004249199A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33024994
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003041405A Withdrawn JP2004249199A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | 遠心ろ過装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004249199A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102284382A (zh) * | 2011-06-09 | 2011-12-21 | 张家港市盛丰药化机械厂 | 一种离心机 |
| CN112604577A (zh) * | 2020-12-09 | 2021-04-06 | 江西三和新材料有限公司 | 一种新材料生产用规整球形碳酸钙的生产设备 |
| CN118479622A (zh) * | 2024-07-16 | 2024-08-13 | 黄山学院 | 一种环氧树脂生产污水处理设备及处理方法 |
-
2003
- 2003-02-19 JP JP2003041405A patent/JP2004249199A/ja not_active Withdrawn
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| Date | Code | Title | Description |
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| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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