JP2004249609A - 製版装置 - Google Patents

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Kenro Takeda
謙郎 武田
Tomiya Mori
富也 森
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Abstract

【課題】初期セット時におけるマスタへのしわやよりの発生を防止して良好な製版を行うことができると共に、プラテンローラとサーマルヘッドとの間にマスタが存在しない状態でのマスタ搬送動作の開始を防止することが可能な製版装置を提供する。
【解決手段】マスタロール8aから繰り出されたマスタ8を搬送するプラテンローラ2と、マスタ8を穿孔製版するサーマルヘッド3と、マスタ8を切断する切断手段6とを有する製版装置において、プラテンローラ2としてマスタロール8aから送り出す正方向Aとマスタロール8aに戻す逆方向Bとにマスタ8を搬送可能なものを用い、マスタロール8aとプラテンローラ2との間に逆方向Bへのみマスタ8を搬送可能な逆搬送手段4を、プラテンローラ2と切断手段6との間に正方向Aへのみマスタ8を搬送可能な正搬送手段5をそれぞれ設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製版されたマスタを巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関し、詳しくはマスタを製版する製版装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、孔版印刷に使用されているマスタは、厚み2〜8μm程度の薄い熱可塑性樹脂フィルムと、和紙、合成繊維、あるいは和紙と合成繊維とを混抄したもの等からなる多孔性支持体とを貼り合わせたラミネート構造である。このマスタを製版した後に版胴に巻装し、版胴内部よりインキを供給すると共にプレスローラ等の押圧部材によって印刷用紙を版胴外周面に対して押圧し、版胴内部からのインキを版胴開口部及びマスタ穿孔部を介して印刷用紙に転写することで孔版印刷が行われる。
【0003】
この孔版印刷ではマスタとして一般的にロール状のものが用いられており、孔版印刷を行う孔版印刷装置に用いられる製版装置としては、マスタロールからマスタを引き出して搬送するプラテンローラと、マスタの熱可塑性樹脂フィルムを加熱穿孔製版するサーマルヘッドと、マスタを切断する切断手段とを具備したものが通常用いられている。このような製版装置を具備した孔版印刷装置が、例えば「特許文献1」あるいは「特許文献2」に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−341401号公報 (第5頁、図2)
【特許文献2】
特開2002−137356号公報 (第7頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
印刷時において、インキはマスタの多孔性支持体を構成する和紙等の繊維を通過するため、インキ通過部に繊維が複雑に絡み合った部分がある場合や熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を繊維が横切っている場合等にはインキが良好に通過せず、べた部に繊維模様が現れたり細線が切れたりかすれたりする、いわゆる繊維目という不具合が発生してしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、繊維目発生の原因となる繊維を有する多孔性支持体を薄くしたマスタ、あるいは多孔性支持体を用いずに熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行い、繊維目による不具合を低減させる試みがなされている。しかし、従来のマスタにおける見かけの強度は多孔性支持体が担っており、多孔性支持体の薄いマスタや熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタでは熱可塑性樹脂フィルムが薄いためにマスタの強度(腰)が大幅に低下してしまう。
【0007】
一般にマスタは、プラテンローラ及びそのマスタ搬送方向下流側に設けられたマスタ搬送手段等により搬送されるが、マスタロールの初期セット後にそのまま製版を行うと、マスタにしわやよりが発生して正常な製版が行えないという問題点がある。これは、特に上述した強度の低いマスタにおいて顕著である。また、プラテンローラとサーマルヘッドとは所定の圧力で圧接されるため、プラテンローラとサーマルヘッドとの間にマスタが存在しない状態でプラテンローラが回転駆動されると、プラテンローラの外周面でサーマルヘッドを擦ってしまい、これによりサーマルヘッドを破損させてしまう虞が生じる。
【0008】
本発明は上記問題点を解決し、初期セット時におけるマスタへのしわやよりの発生を防止して良好な製版を行うことができると共に、プラテンローラとサーマルヘッドとの間にマスタが存在しない状態でのマスタ搬送動作の開始を防止することが可能な製版装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、マスタロールから繰り出されたマスタを搬送するプラテンローラと、前記マスタを穿孔製版するサーマルヘッドと、前記マスタを切断する切断手段とを有する製版装置において、前記プラテンローラは、前記マスタロールから送り出す正方向と前記マスタロールに戻す逆方向とに前記マスタを搬送可能であり、前記マスタロールと前記プラテンローラとの間に前記逆方向へのみ前記マスタを搬送可能な逆搬送手段を、前記プラテンローラと前記切断手段との間に前記正方向へのみ前記マスタを搬送可能な正搬送手段をそれぞれ有することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の製版装置において、さらに前記逆搬送手段及び前記正搬送手段の搬送速度は、共に前記プラテンローラの搬送速度よりも速く設定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の製版装置において、さらに前記マスタの先端を検知するマスタ先端検知手段を前記正搬送手段と前記切断手段との間に設けると共に前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに対して接離可能とし、前記マスタ先端検知手段により前記マスタの先端が検知されない場合には、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラより離間させた後、前記マスタをその先端が前記マスタ先端検知手段を超える位置まで所定量搬送することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の製版装置において、さらに前記逆搬送手段及び前記正搬送手段が共にローラ対であることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のうちの何れか1つに記載の製版装置を具備した孔版印刷装置であることを特徴とする。
【0014】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例を採用した孔版印刷装置の製版装置を示している。同図において製版装置1は、プラテンローラ2、サーマルヘッド3、逆搬送手段としてのバックテンションローラ対4、正搬送手段としてのフロントテンションローラ対5、切断手段6、マスタ先端検知手段としてのマスタ先端検知センサ7、マスタ搬送手段としてのマスタ搬送ローラ対10、マスタガイド板11等を有している。
【0015】
プラテンローラ2は製版装置1の図示しない側板に回転自在に支持されており、図示しないマスタ貯容手段に回転自在かつ着脱自在に支持されたマスタロール8aからマスタ8を引き出して搬送する。プラテンローラ2は製版装置1に配設された正逆転可能なステッピングモータ9によって回転駆動され、マスタロール8aからマスタ8を送り出す方向である、図1に矢印Aで示す正方向と、マスタロール8aにマスタ8を戻す方向である、図1に矢印Bで示す逆方向とに回転駆動される。
【0016】
サーマルヘッド3は上面に図示しない複数の発熱素子を有しており、図示しないサーマルヘッドドライバからの指令に基づいて各発熱素子が選択的に発熱することにより、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせてなるマスタ8の熱可塑性樹脂フィルムを加熱溶融穿孔製版する。サーマルヘッド3は製版装置1に設けられた図示しない昇降手段に昇降自在に支持されており、図1に実線で示すプラテンローラ2に所定の圧接力で圧接する製版位置と、図1に二点鎖線で示すプラテンローラ2より離隔する退避位置とを選択的に占める。
【0017】
バックテンションローラ対4は、共に製版装置1の図示しない側板に回転自在に支持された駆動ローラ4aと従動ローラ4bとを有している。駆動ローラ4aは内部に図示しないワンウェイクラッチを有しており、図示しない駆動手段によってマスタロール8aにマスタ8を戻す方向である図1の矢印方向にのみ回転駆動される。従動ローラ4bは図示しない付勢手段によってその周面を所定の圧接力で駆動ローラ4aの周面に圧接されている。バックテンションローラ対4は、そのマスタ搬送速度がプラテンローラ2の逆方向Bへのマスタ搬送速度よりも若干速くなるように、駆動ローラ4aの回転周速度が設定されている。
【0018】
フロントテンションローラ対5もバックテンションローラ対4と同様に、共に製版装置1の図示しない側板に回転自在に支持された駆動ローラ5aと従動ローラ5bとを有している。駆動ローラ5aは内部に図示しないワンウェイクラッチを有しており、図示しない駆動手段によってマスタロール8aからマスタ8を送り出す方向である図1の矢印方向にのみ回転駆動される。従動ローラ5bは図示しない付勢手段によってその周面を所定の圧接力で駆動ローラ5aの周面に圧接されている。フロントテンションローラ対5も、そのマスタ搬送速度がプラテンローラ2の正方向Aへのマスタ搬送速度よりも若干速くなるように、駆動ローラ5aの回転周速度が設定されている。
【0019】
切断手段6は、下刃6aを有する図示しない下刃ホルダと上刃6bを有する図示しない上刃ホルダとを有しており、固定された下刃6aに対して上刃6bが回転移動してマスタ8を切断する周知の構成である。反射型センサからなるマスタ先端検知センサ7は、マスタ8の搬送経路の上方に位置する製版装置1の図示しない側板に設けられている。マスタ先端検知センサ7は、反射率の違いからマスタ8の先端を検知し、マスタ8の先端を検知した際に図示しない制御手段に向けて信号を出力する。
【0020】
マスタロール8aとバックテンションローラ対4との間、バックテンションローラ対4とプラテンローラ2及びサーマルヘッド3との間、プラテンローラ2及びサーマルヘッド3とフロントテンションローラ対5との間、及びフロントテンションローラ対5と切断手段6との間に位置するマスタ搬送経路には、マスタ8の搬送を補助するための図示しないガイド板がそれぞれ配設されている。
【0021】
切断手段6のマスタ搬送方向下流側には、マスタ搬送ローラ対10及びマスタガイド板11が配設されている。マスタ搬送ローラ対10は、共に製版装置1の図示しない側板に回転自在に支持された駆動ローラ10aと従動ローラ10bとを有しており、駆動ローラ10aは図示しない駆動手段によって図1の矢印方向に回転駆動され、従動ローラ10bは図示しない付勢手段によってその周面を所定の圧接力で駆動ローラ10aの周面に圧接されている。製版されたマスタ8を後述する版胴12へと案内するマスタガイド板11は、製版装置1の図示しない側板に固着されている。
【0022】
マスタガイド板11の左方には、孔版印刷装置13を構成する版胴12が配設されている。図示しない版胴駆動手段によって回転駆動される版胴12は、周面に複数の開孔12bを有する多孔性支持板12aをその外周面に有しており、内部には図示しないインキ供給手段を有している。また、版胴12の下方には図示しないプレスローラが、製版装置1の下方には図示しない給紙装置がそれぞれ配設されており、製版装置1によって製版されたマスタ8が版胴12の外周面上に巻装された後、給紙装置より用紙が版胴12とプレスローラとの間に向けて給送され、プレスローラにより用紙が版胴12に押圧されることにより、版胴12の内部から供給されたインキが開孔12b及びマスタ8の穿孔部を介して用紙に転移されることで印刷が行われる。
【0023】
上述の構成に基づき、以下にこの製版装置1におけるマスタロール8aの初期セット動作を説明する。オペレータは製版装置1の上部に設けられた図示しない蓋を開放してマスタ貯容手段にマスタロール8aをセットする。図示しない蓋を開放することによりプラテンローラ2、各駆動ローラ4a,5aが図示しない蓋と共に開放され、それぞれサーマルヘッド3、各従動ローラ4b,5bより離間する。
【0024】
オペレータは、マスタ貯容手段にマスタロール8aをセットした後、マスタ8の先端部を引き出して所定の位置にセットする。セット後、図示しない蓋が閉じられることによりマスタ8が自動的に正方向Aへ搬送され、やがてその先端をマスタ先端検知センサ7に検知される。先端をマスタ先端検知センサ7に検知されたマスタ8はその後も所定量だけさらに搬送され、その先端は図2に示す位置を占める。この搬送時において、バックテンションローラ対4は停止されていてマスタ8の搬送に伴って従動回転し、フロントテンションローラ対5は駆動されていてマスタ8は駆動ローラ5aの回転力によっても搬送される。
【0025】
マスタ8の先端が図2に示す位置を占めると、図示しない昇降手段が作動してサーマルヘッド3が製版位置に位置決めされる。次に、プラテンローラ2が逆方向Bに回転駆動されると共に駆動ローラ4aが回転駆動され、マスタ8が逆方向Bに向けて搬送される。この搬送時において、バックテンションローラ対4とプラテンローラ2との間には周速度差が生じているので、この間のマスタ8には張力が付与され、そのしわやよりが戻される。そして、マスタ8の先端が図3に示すようにマスタ先端検知センサ7の下方を抜け、マスタ先端検知センサ7によってマスタ8の先端が検知されなくなると、プラテンローラ2及び駆動ローラ4aの回転が停止される。
【0026】
マスタ8の先端が図3に示す位置を占めると、プラテンローラ2が正方向Aに回転駆動されると共に駆動ローラ5aが回転駆動され、マスタ8が正方向Aに向けて搬送される。この搬送時において、フロントテンションローラ対5とプラテンローラ2との間には周速度差が生じているので、この間のマスタ8には張力が付与され、そのしわやよりが戻される。そして、マスタ8の先端が図1に示すようにマスタ先端検知センサ7によって検知された後、さらに所定量搬送されて切断手段6の切断位置まで到達すると、プラテンローラ2及び駆動ローラ5aの回転が停止されてマスタ8の初期セットが完了する。
【0027】
上述の構成とすることにより、プラテンローラ2のマスタ搬送方向上流側及び下流側でのマスタ8のしわやよりを完全に除去することができ、以後の製版動作時において良好な製版を行うことができる。また、マスタ先端検知センサ7によりマスタ8の先端が検知された場合にのみサーマルヘッド3をプラテンローラ2に圧接させるので、マスタ8が存在しない状態でプラテンローラ2とサーマルヘッド3とが圧接し、さらにプラテンローラ2が回転することによりサーマルヘッド3の発熱素子を傷付けてしまうという不具合の発生を確実に防止することができる。
【0028】
本実施例では、マスタロール8aの初期セット時における動作のみを説明したが、例えばこのような動作を行うモードを孔版印刷装置13に搭載しておき、必要なときにオペレータの操作によってこのような動作を行わせることも可能である。これにより、例えば長期間にわたって孔版印刷装置13を使用せず、その間にマスタ8に弛みやしわが生じてしまった場合であっても、弛みやしわを除去することができる。このような構成の場合、マスタ先端検知センサ7からの信号を常時チェックする構成とし、動作開始時にマスタ先端検知センサ7がマスタ8の先端を検知している場合には、マスタ8の先端がマスタ先端検知センサ7に検知されてからさらに所定量搬送される動作を省略し、マスタ8の逆方向Bへの搬送から行うことができ、作業時間を短縮することができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、プラテンローラのマスタ搬送方向上流側及び下流側でのマスタのしわやよりを完全に除去することができ、以後の製版動作時において良好な製版を行うことができる。また、マスタ先端検知手段によりマスタの先端が検知された場合にのみサーマルヘッドをプラテンローラに圧接させるので、マスタが存在しない状態でプラテンローラとサーマルヘッドとが圧接し、さらにプラテンローラが回転することによりサーマルヘッドを破損させてしまうという不具合の発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を採用した製版装置の概略正面図である。
【図2】本発明の一実施例における正方向搬送時でのマスタ先端位置を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施例における逆方向搬送時でのマスタ先端位置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 製版装置
2 プラテンローラ
3 サーマルヘッド
4 逆搬送手段(バックテンションローラ対)
5 正搬送手段(フロントテンションローラ対)
6 切断手段
7 マスタ先端検知手段(マスタ先端検知センサ)
8 マスタ
8a マスタロール
13 孔版印刷装置
A 正方向
B 逆方向

Claims (5)

  1. マスタロールから繰り出されたマスタを搬送するプラテンローラと、前記マスタを穿孔製版するサーマルヘッドと、前記マスタを切断する切断手段とを有する製版装置において、
    前記プラテンローラは、前記マスタロールから送り出す正方向と前記マスタロールに戻す逆方向とに前記マスタを搬送可能であり、
    前記マスタロールと前記プラテンローラとの間に前記逆方向へのみ前記マスタを搬送可能な逆搬送手段を、前記プラテンローラと前記切断手段との間に前記正方向へのみ前記マスタを搬送可能な正搬送手段をそれぞれ有することを特徴とする製版装置。
  2. 請求項1記載の製版装置において、
    前記逆搬送手段及び前記正搬送手段の搬送速度は、共に前記プラテンローラの搬送速度よりも速く設定されていることを特徴とする製版装置。
  3. 請求項2記載の製版装置において、
    前記マスタの先端を検知するマスタ先端検知手段を前記正搬送手段と前記切断手段との間に設けると共に前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに対して接離可能とし、前記マスタ先端検知手段により前記マスタの先端が検知されない場合には、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラより離間させた後、前記マスタをその先端が前記マスタ先端検知手段を超える位置まで所定量搬送することを特徴とする製版装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の製版装置において、
    前記逆搬送手段及び前記正搬送手段が共にローラ対であることを特徴とする製版装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちの何れか1つに記載の製版装置を具備することを特徴とする孔版印刷装置。
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