JP2004254604A - 育苗ポット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】育苗ポットは、垂直方向に二分した2個の半割部材の組み合わせから成る。半割部材には、開口上部を閉じる半割形状の蓋部分が一体成形され、同蓋部分のほぼ中央部に苗木の茎部分を導き出す孔部が切り欠き形状に設けられている。半割部材の上端の外周縁の全長に少なくとも一定以上の幅のフランジが略水平に設けられ、半割部材の筒壁部に充填した培土が漏れない形状、大きさの複数の通孔が形成されている。2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段が設けられている。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、公園緑地や道路の路肩、造成地の法面等に苗木を植え付ける緑化工事に使用する育苗ポットの技術分野に属し、更に云えば、苗木及び培土の充填を簡単、迅速、確実にできる育苗ポットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、緑化工事において、草木の種子や苗木を地面に植え付ける様々な育苗ポットが開発され、種々公知であり、実用に供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、倒立円錐形状の筒体表面に螺旋状のネジ山と複数の孔を設けた育苗ポット(植生容器)が開示されている。また、この特許文献1の[使用状態を示す参考図]には、育苗ポットに充填した培土の上部を苗木の茎が通る程度の小孔を設けた蓋により塞いだ構造も開示されている。
【0004】
特許文献2には、円筒体の胴部と円錐形状に尖った底部とを備え、前記胴部外周に螺旋状のねじれ凸部又は凹部と貫通穴とを設けた、苗木等の植え付けに用いられる育苗ポット(容器)が開示されている。
【0005】
特許文献3は、本出願人の登録意匠であって、緑化工事の現場に敷設した防草シートの上から直接地面へ打ち込んで前記防草シートを固定する機能を兼ねた育苗ポットが開示されている。この育苗ポットは、下端部が尖った四角錐体形状の筒体から成り、上端外周部の四辺にそれぞれ独立したフランジを有すると共に、筒壁部にスリット状の通孔と、地中に該育苗ポットを打ち込んだ際に抜け止め機能を働く爪が設けられている。[使用状態を示す参考図]には、敷設された防草シートの上から育苗ポットを地面へ打ち込み、更にフランジの孔へ釘を打って固定する実施例が開示されている。
【0006】
特許文献4も、本出願人の特許出願に係るものであり、緑化工事の現場の地面に敷設した防草シートの上から地面へ打ち込んで前記防草シートを固定する機能を兼ねた育苗ポットが開示されている。この育苗ポットは、円錐型又は角錐型若しくは柱状体を斜めに切断した形状から成り、側壁に通気等のための複数の孔が設けられている。
【0007】
【特許文献1】
意匠登録第995241号公報
【特許文献2】
特許第2726253号公報
【特許文献3】
意匠登録第1072239号公報
【特許文献4】
特開平11−229385号公報
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献1〜4に開示された育苗ポットは、いずれも上端の開口から苗木及び培土を充填する構成において共通する。
しかし、育苗ポットの多くは開口部の直径がおよそ5cm、高さ14cm程度に小さいものが一般的である。このように小さく狭い育苗ポット上端開口部から筒体内へ培土を充填し、且つ苗木を程良く中央部へ植え込む作業は甚だ面倒で作業性が悪い。一方、一つの緑化工事では、通常、苗木等を充填した育苗ポットを数百〜数千個のオーダーで使用するので、前記の如く苗木を植え込む作業の生産性の低さがこれら育苗ポットの実用化の大きな課題となっている。
【0009】
とりわけ、特許文献1の[使用状態を示す参考図]に開示された育苗ポットの如く、筒体の上端開口部を蓋で塞ぐ構成の場合は、前記蓋によって雑草の発生を抑制する効果を認められるものの、同蓋の中央部に設けた小孔へ苗木の茎を通す細かい作業を必要とするため、その作業性及び生産性は極端に悪く、充填作業の熟練者でも音を上げるほど困難で効率の悪い作業となっている。元々、苗木は、その根部が団子状をなし、且つ茎部分は枝分かれして広がっており、小さな孔へ通すには適さない形態だからである。
【0010】
次に、特許文献3及び4に開示された育苗ポットは、緑化工事において地面に敷設した防草シートの上から打ち込んで固定する機能、効果に特長を有する。しかし、筒体の打ち込みにより防草シートは部分的に破断され、筒体の外周面とシートの間に地面の露出部分が生じやすい。特許文献3に開示された育苗ポットは、筒体の上端外周部の四辺に設けたフランジによって地面の露出部分を覆い隠す効果もあるが、フランジが欠如した四隅部分は、実は防草シートが最も大きく破断されるところで、地面の露出が最も大きく生じやすい。この露出部分からは、雑草が発生し、苗木の生育が阻害される等々の問題が指摘されている。
【0011】
本発明の目的は、育苗ポットを垂直方向に分割した2つの半割部材を組み合わせて成る構成とし、培土及び苗木の充填を熟練を要さずに誰でも簡単、迅速、且つ能率良く行うことができる育苗ポットを提供することである。
【0012】
本発明の次の目的は、育苗ポットの上端外周縁に沿ってその全周にほぼ等しい幅で延びるフランジを有し、防草シートの上から地面に育苗ポットを埋込んで前記防草シートを固定した際に、育苗ポットの外周に地面の露出部分を生じさせない育苗ポットを提供することである。
【0013】
本発明の更なる目的は、道路の縁石の傍らの狭い場所、石垣等における石と石の隙間、又はその窪地等へ苗木を植え付けることが容易な育苗ポットを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る育苗ポットは、下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポットにおいて、
育苗ポットは、垂直方向に二分した2個の半割部材の組み合わせから成ること、
前記半割部材には、開口上部を閉じる半割形状の蓋部分が一体成形され、同蓋部分のほぼ中央部に苗木の茎部分を導き出す孔部が切り欠き形状に設けられていること、
前記半割部材の上端の外周縁の全長に、少なくとも一定以上の幅のフランジが略水平に設けられていること、
前記半割部材の筒壁部に、充填した培土が漏れない形状、大きさの複数の通孔が形成されていること、
前記2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段が設けられていることをそれぞれ特徴とする。
【0015】
請求項2に記載した発明に係る育苗ポットは、下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポットにおいて、
育苗ポットは、垂直方向に二分した2個の半割部材の組み合わせから成ること、
前記半割部材には、開口上部を閉じる半割形状の蓋部分が一体成形され、同蓋部分のほぼ中央部に苗木の茎部分を導き出す孔部が切り欠き形状に設けられていること、
前記半割部材の筒壁部に、充填した培土が漏れない形状、大きさの複数の通孔が形成されていること、
前記2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段が設けられていることをそれぞれ特徴とする。
【0016】
請求項3に記載した発明に係る育苗ポットは、下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポットにおいて、
育苗ポットは、垂直方向に二分した2個の半割部材の組み合わせから成ること、
前記半割部材には、開口上部を閉じる半割形状の蓋部分が一体成形され、同蓋部分のほぼ中央部に苗木の茎部分を導き出す孔部が切り欠き形状に設けられていること、
前記半割部材の筒壁部に、充填した培土が漏れない形状、大きさの複数の通孔が形成されていること、
前記2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段が設けられていること、
育苗ポットの上端の外周部を締め付けるリング部材を含み、該リング部材の外周の全長に少なくとも一定以上の幅のフランジが略水平に連続して設けられていることをそれぞれ特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、半割部材の蓋部分は、その中央部の切り欠き形状の孔部の両側の接合端のうちの一方の接合端が少し延長された重ね代部に形成され、2個の半割部材の組み合わせ状態において前記重ね代部が相手側の蓋部分の接合端に重なることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1又は4に記載した育苗ポットにおいて、半割部材のフランジは、その両端のうち一方の接合端が少し延長された重ね代部に形成され、2個の半割部材の組み合わせ状態において前記重ね代部が相手側のフランジの接合端に重なることを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段として、育苗ポットの外周部を締め付けるリング部材が嵌め込まれていることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段として、半割部材の分割面に前記組み合わせ状態において互い違いに結合される掛止め部が設けられていることを特徴する。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、半割部材の筒壁部に、当該育苗ポットを地中へ埋込んだ際に抜け止め機能を働く形状の抜止め突起が外方へ突き出されていることを特徴とする。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、半割部材の分割面に、抜け止め機能を働く抜止め突起が分割面と平行方向に幅広い当接面を兼ねる形状で設けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項10記載の発明は、請求項9に記載した育苗ポットにおいて、半割部材の分割面と平行方向に設けた幅広い当接面を兼ねる形状の抜止め突起の当接面に、2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段として掛止め部が設けられていることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施形態及び実施例】
以下、図面に基づいて、請求項1〜10に記載した発明に係る育苗ポットの実施形態について、それぞれ説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
先ず、請求項1に記載した発明に係る育苗ポットの実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0026】
この育苗ポット1は、図1と図2に使用状態を示したように、下端部が尖った円錐型形状の筒体を垂直方向に二分したに等しい同形、同大の2個の半割部材1a,1aの組み合わせで構成され、筒体内に苗木2及び培土4を充填して地面へ埋込み、前記苗木2の植え付けを行うものである。前記半割部材1a,1aの組み合わせ状態を保持する結合手段としてのリング部材30を含む。図示した半割部材1aは、最も好ましい実施例として二等分に分割した形態を示すがこの限りではない。非等分に二分した形態の組み合わせで実施することもできる。
【0027】
この育苗ポット1の形状は、その下部が地面へ埋込む(又は打ち込む)のに適した尖り形状であれば良く、図1に示したような円錐体形状に限らない。例えば四角錐体等の多角錐型形状や、柱状体を斜めに切断したような形状でもよい。育苗ポット1の材質はプラスチック製樹脂、好ましくは生分解性プラスチック又は崩壊性プラスチックを用いると環境に優しくて好都合である。とりわけ、材質に生分解性プラスチック又は崩壊性プラスチックを用いると、地面に埋込まれた育苗ポット1は半年〜数年で分解されるので、植え付けた苗木2が成長と共に根を張り、茎(幹)が太くなっても、その成長を当該育苗ポット1が妨害し又は阻害するおそれは一切無い。もっとも、発泡した又は発泡しない通常の樹脂、或いはセメント、粘土、紙や樹皮等の動植物由来の腐食性材料等で同様に育苗ポット1を製作して実施することもできる。
【0028】
図3A,Bは、前記半割部材1aの正面図及び平面図を示している。この半割部材1aの大きさは、高さHが約150mm程度である。もちろん、寸法は植え付ける苗木2や種の大きさ等に従って適宜設計される。
【0029】
半割部材1aには、上端の開口部を閉じる半割形状の蓋部分12が、上端部よりも少し下がった位置、例えば約3mm程度低い位置に略水平に一体成形されている。蓋部分12を半割部材1aの上端部よりも少し低く設けた理由は、育苗ポット1の上端部に窪みを設け、この窪みに雨水を溜めて苗木2の根本の培土4へ水分を供給するためである。もちろん、前記蓋部分12は、筒体上端に付設して前記窪みを設けない構成でも実施できる。
【0030】
上記した蓋部分12のほぼ中央部には、育苗ポット1に植え付ける苗木2の茎を導き出すための孔部3が切り欠き形状(半円形)に設けられている。この孔部3の大きさ(寸法又は直径L)は、植え付ける苗木2の茎の太さを許容して、できるだけ茎と孔部3との間に隙間を生じさせない寸法にする。培土4の露出部分、即ち雑草の発生面積を少なくし、苗木2の生育不良を防止し、且つ雑草の除草作業を軽減するためである。
【0031】
次に、前記半割部材1aの上端の外周縁には、少なくとも一定以上の幅のフランジ10が、外周縁に沿って全長に(半周に連続して)略水平に設けられている。従って、2個の半割部材1a,1aを図1のように組み合わせると、フランジ10,10は完全な円形状となる。よって、緑化工事の現場において、地面に敷設した防草シート等のシート材の上から育苗ポット1を地面へ埋込んだ際に、仮にシート材に破断が生じても、前記フランジ10によって当該シート材が押さえられ、地面の露出が防止されて雑草の発生が抑制される。フランジ10を少なくとも一定以上の幅に設ける意味は、前記地面の露出を防ぐ効果を達成するためであり、前記効果を奏する幅以上であれば、フランジ10の幅寸の大小変化を問うものではない。
【0032】
フランジ10,10の平面形状は、例えば筒体が四角錐体、多角錐体形状であれば、夫々四角形、多角形状に連続する形状が好適である。フランジ10に釘打ち用の孔を設けても良い。
【0033】
半割部材1aの筒壁部には、充填した培土4が漏れない形状、大きさの複数の通孔11が形成されている。この通孔11は、育苗ポット1内の培土4における空気の通気、水分の排水を保ち、苗木2の成長に伴う根の延び出しを許容するために育苗ポット1の筒壁部に満遍なく多数設けられている。従って、この通孔11の形状、大きさは、図1等に示したスリット形状の孔に限定されない。例えば円形又は楕円形状の孔でも好適に実施される。
【0034】
半割部材1aの筒壁部には、更に育苗ポット1を地中へ埋込んだ際に抜け止め機能を働く形状、例えば楔形状の抜止め突起16が複数外方へ突き出されている(請求項8記載の発明)。
【0035】
前記抜止め突起16の一部は、前記半割部材1aの分割面に該分割面と平行方向に複数設けられている。この分割面に設けられた抜止め突起16は、当該分割面と平行方向に幅広く形成され、2個の半割部材1a,1aを組み合わせる際に当接面を兼ねるものとされ、分割面の上下方向に3個ずつ、各々左右対称な配置で設けられている(請求項9記載の発明)。
【0036】
分割面に設けた前記抜止め突起16のうち、下方側の2個ずつの当接面には、図3に示すように、2個の半割部材1a,1aの組み合わせ状態を保持する結合手段としての掛止め部18が付設されている(請求項7,10記載の発明)。
【0037】
図4と図5は、前記抜止め突起16に付設した掛止め部18の構造を概略的に示している。
図4において左側の抜止め突起16の当接面には、前記掛止め部18を構成する鈎形状の雄型留め突起18aと雌型留め孔18dの対が設けられている。右側の抜止め突起16の当接面には、前記雌型留め孔18dへ嵌り込む鈎形状の雄型留め突起18cと、前記雄型留め突起18aを受け入れる雌型留め孔18bの対が設けられている。
【0038】
従って、これら雄型留め突起18a,18cと雌型留め孔18b,18dの対は、図5に示したように、2個の半割部材1a,1aが向かい合わせに組み合わされた際に、相向かいとなるもの同士が嵌り合って、当該2個の半割部材1a,1aの結合状態をしっかり保持する。
【0039】
上記した掛止め部18による接合のみで組み合わされた育苗ポット1は、通例はほぼ同形、同大の孔を地面(及びシート)に掘って埋込むが、柔らかい地面の場合はハンマー等で直接地面へ打ち込むこともある。その際の衝撃で前記掛止め部18が外れて分解することの無いように、2個の半割部材1a,1aの組み合わせ状態を保持する更なる手段として、図2に示したように、育苗ポット1の外周部を締め付けるリング部材30が好適に使用される(請求項6記載の発明)。
【0040】
リング部材30は、上記したように2個の半割部材を保持する手段であり、その形態は図1に示した筒形状からなるリング状の形態のみならず、ゴムバンドやプラスチックバンドの如き締め付け力を発揮する形態でも好適に実施される。リング部材30の材質は、育苗ポット1と同様、生分解性又は崩壊性プラスチック等のプラスチック製樹脂、セメント、粘土、動植物由来の腐食性材料の他に、ゴム等の弾性樹脂も好適に使用される。因みに、図1では、前記リング部材30の取り付け場所をフランジ10の直下の平行部位としているが、これに限定されない。リング部材30の取り付け場所は、育苗ポット1の筒体の上下何れの場所でも良い。
【0041】
図6は、半割部材1aの尖端部を結合する手段として、尖頭部に設けた、だぼ20とだぼ孔21の結合構造を示している。だぼ20とだぼ孔21は、2個の半割部材1a,1aを組み合わせた際に相互に嵌り合い、尖頭部の位置ズレを防止する効果がある。
【0042】
次に図7は、上記構成の育苗ポット1を使用した緑化工事の一実施例を示している。
育苗ポット1は、図2に示したように、培土4を密実に充填した2つの半割部材1a,1aの一方に、苗木2を、その茎が孔部3を通るように植え付ける。そして、2つの半割部材1a,1aを相向かいに組み合わせ、掛止め部18により結合させ、更にリング部材30を嵌めて拘束させ図1のように完成する。斯くして用意された育苗ポット1は、緑化工事の現場に必要数搬入される。そして、予め地面に防草シート等のシート材33を敷く等して、そのシート材33の上から孔あけ機を用いて地面に育苗ポット1とほぼ同形、同大の孔を掘り、その孔の中へ埋込む。育苗ポット1は、例えば30cm間隔位で地面へ複数埋込み、苗木2を植える目的と同時に前記シート材33を地面に固定する目的の双方を達成する。地面が柔らかい場合には、シート材33の上から育苗ポット1をハンマー等を用いて直接地面へ打ち込むことも行う。
【0043】
(第2の実施形態)
次に図8A,Bは、蓋部分12’及びフランジ10’の接合端に重ね代部17,19を有した半割部材1a’,1a’から成る育苗ポット1’の実施形態を示している。
【0044】
この育苗ポット1’は、上記第1の実施形態と大部分共通する構成であるが、半割部材1a’の蓋部分12’及びフランジ10’における夫々2つの接合端のうちの一方に重ね代部17,19を設けた構成を特徴とする。即ち、育苗ポット1’は、半割部材1a’の蓋部分12’及びフランジ10’の接合端における形状を除けば、全て上記第1の実施形態の育苗ポット1と構造、材質等において同じである。
【0045】
前記蓋部分12’には、図8A,Bに示したように、その中央部の切り欠き形状の孔部3’の両側の接合端のうちの一方の接合端を少し延長した重ね代部17が形成されている。この重ね代部17は、その厚みにテーパー処理が施されており、半割部材1a’、1a’の組み合わせ状態において前記重ね代部17が向かい合う蓋部分12’の接合端の上面に乗り上げて(又は下面に潜り込んで)重なる接合構造を採る。蓋部分12’の重ね代部17の形状は、図示した形状に限らず、半割部材1a’,1a’の接合状態において蓋部分12’,12’の接合部分の合わせ目が透かない接合構造をとり得る形状であれば良い(以上、請求項4記載の発明)。
【0046】
前記フランジ10’は、図8A,Bに示したように、当該フランジ10’の両端の接合端のうち、一方の接合端が少し延長され、その延長部分をフランジ10’の厚み相当分だけ印籠型に隆起した重ね代部19が形成されている。この重ね代部19は、半割部材1’a、1’aの組み合わせ状態において前記重ね代部19が向かい合う相手側のフランジ10’との隙間を覆い隠すように重なり合う印籠型の接合構造をとる。フランジ10’における重ね代部19の形状は、図示した形状に限らず、蓋部分12’と同様にフランジ10’,10’の接合部分の合わせ目が透かない接合構造をとりうる形状であれば良い(以上、請求項5記載の発明)。
【0047】
前記蓋部分12’及びフランジ10’の重ね代部17,19の機能は、上記した第1の実施形態の育苗ポット1において、2個の半割部材1a,1aを組み合わせた場合にその組み立て精度等の問題から生じる蓋部分12,12、又はフランジ10,10の各接合部分の隙間を塞ぐことにある。従って、本実施形態の育苗ポット1’は、より確実に前記接合部分の隙間を塞いで極僅かな培土4又は地面の露出部分をなくし、雑草の発生を抑えることができるのである。
【0048】
(第3の実施形態)
次に図9は、請求項2に記載した発明に係る育苗ポット7の実施形態を示している。
【0049】
この育苗ポット7も、上記第1の実施形態と大部分共通する構成であるが、半割部材7aのフランジを全部除去した構成が異なる。即ち、育苗ポット7は、図1と照らし合わせてみると明らかなように、半割部材7aにフランジを設けていない点を除けば、基本的に上記第1の実施形態に示した育苗ポット1と構造、材質等においてほぼ同様である。半割部材7aの上端外周縁には、2個の半割部材7a,7aを組み合わせた育苗ポット7の外周部を締め付けるリング部材30が突き当たる鍔部15が外側に向かって設けられている。
【0050】
本実施形態の育苗ポット7は、フランジを省略して実質的に細身の形状に構成したので、育苗ポットを埋め込む際にフランジが邪魔となる場所、例えば道路の縁石の傍らとか、石垣における石と石との隙間又は窪地、法面に積み上げた土嚢と土嚢との隙間等の狭隘部へフランジを気にすることなく容易に埋込むことができる。
【0051】
(第4の実施形態)
次に図10及び図11は、請求項3に記載した発明に係る育苗ポット7’の実施形態を示している。
【0052】
この育苗ポット7’は、実質的に上記第3の実施形態において説明した2個の半割部材7a,7aを共通に使用するもので、その組み合わせ状態を保持するリング部材31との組み合わせを特徴とする。とりわけ、前記リング部材31は、その上端外周縁の全長(全周)に完全円形状に連続した一定幅のフランジ40を一体に備えた構成を特徴とする。リング部材31の本来の機能は、組み合わせた2個の半割部材7a,7aの形態を保持することであり、フランジ40を一体に成形されたゴムバンド又はプラスチックバンドの如き締め付け力を発揮する材であれば十分であり、図11に示した形態に限定されない。
【0053】
この育苗ポット7’は、上記第3の実施形態の育苗ポット7の用途が狭い場所に限定されることに鑑み、フランジ40を備えたリング部材31と組み合わせることで、第1の実施形態の育苗ポット1と同様な用途にも使用できるよう汎用性を付与したことを特徴とする。従って、上記した第1の実施形態の育苗ポット1と同様に地面の露出を防止しつつもシート材33の固定を行い、前記苗木2の植え付けができる。即ち、リング部材31のフランジ40は、上記第1の実施形態の育苗ポット1におけるフランジ10,10と同様の目的と作用を働く。
【0054】
本実施形態の場合、フランジ40は、当初からリング部材31の外周縁、即ち育苗ポット7’の外周縁を一周する完全円形状に一体成形されている。よって、上記第1の実施形態の円形状のフランジ10,10が半割部材1aの組み合わせ状態において接合部に隙間を生じやすく、雑草が芽を出す可能性があることと対照的である。即ち、当該育苗ポット7’のフランジ40は、地面に敷設したシート材33の上から育苗ポット7’を地面へ打ち込んだ際に、より確実に地面の露出部分を覆うことができる。
【0055】
【本発明が奏する効果】
請求項1〜10に記載した発明に係る育苗ポットは、垂直方向に分割した2個の半割部材に培土を夫々充填し、更に一方の半割部材に茎が孔部を通るように苗木を付設し、その上で2個の半割部材を相向かいに組み合わせて完成する構成としたので、熟練を要さなくとも、手間がかからず、簡便、迅速、確実に能率良く大量の苗付き育苗ポットを作成できる。
【0056】
更に、請求項1又は3記載の育苗ポットは、その上端外周縁に沿って隙間なく放射状に延びるフランジを設けたので、防草シートの上から地面に育苗ポットを埋込んで前記防草シートを固定した際に、育苗ポットの外周に生じやすい地面の露出を確実に防ぐことができる。従って、防草シートと育苗ポットとの間に露出した地面から雑草が発生する不都合を可及的に防止でき、除草作業の煩わしさからも大幅に解放される。
【0057】
また、請求項2記載の育苗ポットは、道路の縁石の傍らとか、石垣の石と石の隙間、又は積み上げた土嚢の隙間等の狭隘部への苗木の植え付けに適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る育苗ポットの使用状態の概略を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る育苗ポットの使用状態における構造の概略を示した分解斜視図である。
【図3】Aは本発明に係る育苗ポットの正面図であり、Bは本発明に係る育苗ポットの平面図である。
【図4】図3AのF−F線矢視の断面図である。
【図5】図1のI−I線矢視の端面図である。
【図6】図3AのH−H線矢視の断面図である。
【図7】本発明に係る育苗ポットをシート材の上から地面へ打ち込んで前記シート材を固定した使用態様を表した説明図である。
【図8】Aは、第2の実施形態に係る育苗ポットの使用状態を示した斜視図である。Bは、第2の実施形態に係る育苗ポットに使用する半割部材の平面図である。
【図9】第3の実施形態に係る育苗ポットの使用状態の概略を示した斜視図である。
【図10】第4の実施形態に係る育苗ポットの使用状態の概略を示した斜視図である。
【図11】第4の実施形態に係る育苗ポットの使用状態における構造の概略を示した分解斜視図である。
【符号の説明】
1,1’,7,7’ 育苗ポット
2 苗木
4 培土
1a,1a’,7a 半割部材
12,12’ 蓋部分
10,10’,40 フランジ
17,19 重ね代部
11 通孔
18 掛止め部(結合手段)
30,31 リング部材(結合手段)
16 抜止め突起
Claims (10)
- 下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポットにおいて、
育苗ポットは、垂直方向に二分した2個の半割部材の組み合わせから成ること、
前記半割部材には、開口上部を閉じる半割形状の蓋部分が一体成形され、同蓋部分のほぼ中央部に苗木の茎部分を導き出す孔部が切り欠き形状に設けられていること、
前記半割部材の上端の外周縁の全長に、少なくとも一定以上の幅のフランジが略水平に設けられていること、
前記半割部材の筒壁部に、充填した培土が漏れない形状、大きさの複数の通孔が形成されていること、
前記2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段が設けられていることをそれぞれ特徴とする、育苗ポット。 - 下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポットにおいて、
育苗ポットは、垂直方向に二分した2個の半割部材の組み合わせから成ること、
前記半割部材には、開口上部を閉じる半割形状の蓋部分が一体成形され、同蓋部分のほぼ中央部に苗木の茎部分を導き出す孔部が切り欠き形状に設けられていること、
前記半割部材の筒壁部に、充填した培土が漏れない形状、大きさの複数の通孔が形成されていること、
前記2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段が設けられていることをそれぞれ特徴とする、育苗ポット。 - 下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポットにおいて、
育苗ポットは、垂直方向に二分した2個の半割部材の組み合わせから成ること、
前記半割部材には、開口上部を閉じる半割形状の蓋部分が一体成形され、同蓋部分のほぼ中央部に苗木の茎部分を導き出す孔部が切り欠き形状に設けられていること、
前記半割部材の筒壁部に、充填した培土が漏れない形状、大きさの複数の通孔が形成されていること、
前記2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段が設けられていること、
育苗ポットの上端の外周部を締め付けるリング部材を含み、該リング部材の外周の全長に少なくとも一定以上の幅のフランジが略水平に連続して設けられていることをそれぞれ特徴とする、育苗ポット。 - 半割部材の蓋部分は、その中央部の切り欠き形状の孔部の両側の接合端のうちの一方の接合端が少し延長された重ね代部に形成され、2個の半割部材の組み合わせ状態において前記重ね代部が相手側の蓋部分の接合端に重なることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した育苗ポット。
- 半割部材のフランジは、その両端のうち一方の接合端が少し延長された重ね代部に形成され、2個の半割部材の組み合わせ状態において、前記重ね代部が相手側のフランジの接合端に重なることを特徴とする、請求項1又は4に記載した育苗ポット。
- 2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段として、育苗ポットの外周部を締め付けるリング部材が嵌め込まれていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した育苗ポット。
- 2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段として、半割部材の分割面に前記組み合わせ状態において互い違いに結合される掛止め部が設けられていることを特徴する、請求項1〜6のいずれか一に記載した育苗ポット。
- 半割部材の筒壁部に、当該育苗ポットを地中へ埋込んだ際に抜け止め機能を働く形状の抜止め突起が外方へ突き出されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載した育苗ポット。
- 半割部材の分割面に、抜け止め機能を働く抜止め突起が分割面と平行方向に幅広い当接面を兼ねる形状で設けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載した育苗ポット。
- 半割部材の分割面と平行方向に設けた幅広い当接面を兼ねる形状の抜止め突起の当接面に、2個の半割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段として掛止め部が設けられていることを特徴とする、請求項9に記載した育苗ポット。
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