JP2004254827A - 睡眠状態判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】睡眠状態を個人差やその日の体調等にあわせて精度よく判定する睡眠状態判定方法を提供する。
【解決手段】本発明は、皮膚温、体温、脈拍、心拍、血圧、呼吸、発汗及び体動を含む生体情報をセンサにより検出する生体情報検出部11と、生体情報を統合してクラスタリングを行い、睡眠状態の時間的変化を状態遷移確率によりモデル化し、一時的な生体情報のばらつきを吸収する睡眠状態モデルを作成する睡眠状態モデル部12と、睡眠状態や睡眠障害の有無を表示する表示部14と、利用者の自覚症状や眠気等を入力するユーザ入力部15と、利用者の自覚症状、過去の睡眠状態モデル並びに過去の入眠及び起床時刻から状態遷移確率を更新する学習部13とを含むものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体情報を計測して、生体の睡眠状態を判定する睡眠状態判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、睡眠の状態変化を検出することが様々試みられており、睡眠状態は、身体は眠っているにも関わらず、脳は覚醒状態にあるレム睡眠期(REM)と、脳も休息している状態にあるノンレム睡眠期(NON−REM)とに分けられる。更に、睡眠状態の深さに応じて生体情報が変化することが知られおり、皮膚温、体動、心拍数などの生体情報を基に睡眠状態の深さを判定する方法が提案されている。
【0003】
このような生体情報には、個人差と、一時的な変動とがあることが知られている。このような問題の解決のために、心拍数などの生体情報を計測し、生体情報の時間変化の増減方向を表すトレンド曲線を算出し、このトレンド曲線を基に、睡眠状態を判定するものであり、更に、生体情報の一時的な変動を吸収するばらつき度算出部を備えることによって、睡眠状態を精度良く検出することが可能である(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−61820号公報(第1頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、生体情報の一時的な変動に加え、個人の睡眠の差異には複数の種類があることが知られている。例えば、年齢差、男女差、季節差及び個人差がある。個人差としては、6時間未満寝る短眠者、9時間以上寝る長眠者、朝型及び夜型などがある。更に、睡眠状態は月経周期とも相関があることが知られている。
【0006】
個人の睡眠の差異は、複数の要因が重なりあって生じているために、事前に、その差異に適応したモデルを設計することが難しかった。そのため、睡眠の差異に応じて、睡眠状態を精度よく判定することができないという課題を有していた。
【0007】
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、複数の要因が複雑に重なり合う事によって生じる個人の睡眠の差異に適応することができ、精度良く睡眠状態を検出することができ、また、ユーザの自覚症状を入力することで、ユーザが快適に入眠、起床することができる睡眠状態判定装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、生体情報を予め定めた時間間隔毎に測定する生体情報検出部と、前記生体情報を統合することにより現測定時間の睡眠状態を推定し、前記現測定時間の推定した睡眠状態と予め求めた睡眠状態が遷移する確率である状態遷移確率を参照して、前記現測定時間の睡眠状態を決定する睡眠状態モデル部とを含む構成である。
【0009】
本構成によって、生体情報の一時的な変動を吸収しながら年齢差、男女差、季節差、個人差などの複数の要因に起因した個人の睡眠の差異に適応することが可能となるため、睡眠状態の判定精度が向上し、快適な入眠及び起床を促すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、生体情報を予め定めた時間間隔毎に測定する生体情報検出部と、前記生体情報を統合することにより現測定時間の睡眠状態を推定し、前記現測定時間の推定した睡眠状態と予め求めた睡眠状態が遷移する確率である状態遷移確率とを参照して、前記現測定時間の睡眠状態を決定する睡眠状態モデル部とを含む睡眠状態判定装置としたものであり、生体情報の一時的な変動を吸収し、年齢差、男女差、季節差、個人差及び月経周期を含む複数の要因が重なりあって生じる個人の睡眠の差異に適応し、精度の良い睡眠状態が判定可能となるという作用を有する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、利用者が起床時に自覚症状を入力するユーザ入力部と、前記自覚症状又は過去の睡眠状態の遷移を用いて、状態遷移確率を更新する学習部とを、更に含む請求項1記載の睡眠状態判定装置としたものであり、状態遷移確率を利用者に適応させることで、精度の良い睡眠状態が判定可能となるという作用を有する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、生体情報を用いて睡眠障害を検出する睡眠障害判定部と、睡眠状態及び前記睡眠障害を表示する表示部とを、更に含む請求項1又は2記載の睡眠状態判定装置としたものであり、自覚症状の有無に関わらず睡眠障害の検出が可能であり、個人に適した睡眠状態モデルを生成可能であるという作用を有する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、自覚症状、現測定時間の睡眠状態、過去の睡眠状態の遷移並びに過去の入眠及び起床時刻を用いて、入眠時刻及び起床時刻を算出する入眠起床時刻判定部を、更に含む請求項3記載の睡眠状態判定装置としたものであり、利用者が入力した自覚症状と実際の生体情報をもとに、最適な入眠時刻及び起床時刻を算出することが可能であるという作用を有する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、起床時刻に感覚的刺激によって、起床を促す感覚刺激出力部を、更に含む請求項4記載の睡眠状態判定装置としたものであり、起床に適した時刻に感覚的刺激によって起床を促すことが可能であるという作用を有する。
【0015】
請求項6に記載の発明は、生体情報は、皮膚温、体温、脈拍、心拍、血圧、呼吸、発汗及び体動の少なくとも1つを含む情報である請求項1ないし5のいずれか記載の睡眠状態判定装置としたものであり、生体情報を容易に測定することが可能であるという作用を有する。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態による睡眠状態判定装置の構成を示す図である。
【0018】
ここで、生体情報検出部11は、皮膚温、体温、脈拍、心拍、血圧、呼吸、発汗及び体動を含む生体情報を予め定めた時間間隔毎に測定するセンサを有するものであり、睡眠状態モデル部12は、年齢差、男女差、季節差及び個人差を含む個人の睡眠の差異に対応するために、生体情報を統合することで現測定時間の睡眠状態を推定し、更に、現測定時間に推定された睡眠状態と睡眠状態が遷移する確率である状態遷移確率とを用いて、現測定時間の睡眠状態を決定するものであり、学習部13は、利用者が起床時に入力する自覚症状と、睡眠状態モデル部12に蓄積されている過去の睡眠状態の遷移と、入眠起床時刻判定部に蓄積されている過去の入眠及び起床時刻とを用いて、状態遷移確率を更新するものであり、表示部14は、睡眠状態や睡眠障害の有無、入眠時刻、起床時刻を表示するものである。
【0019】
ここでは、睡眠状態を推定する方法として、現測定時間に推定された睡眠状態と睡眠状態が遷移する確率である状態遷移確率とを用いて決定するとしたが、前測定時間の睡眠状態変化を一定時間観察することによって、睡眠状態の時間的変動に応じて、複数の状態遷移確率を用いることも可能である。
【0020】
また、前測定時間の睡眠状態及び現測定時間に推定された睡眠状態に遷移し易くなるように、状態遷移確率に一定の重みを掛けることも可能である。このように、生体情報によって推定された睡眠状態と状態遷移確率とを用いて睡眠状態を決定する方法は、さまざまな手法を用いることが可能である。
【0021】
更に、ユーザ入力部15は、利用者が起床時に睡眠の快適さ等の自覚症状を入力するものであり、入眠起床時刻判定部16は、利用者の自覚症状と、現測定時間の睡眠状態と、過去の睡眠状態の遷移と、過去の入眠時刻及び起床時刻とを対応づけ、睡眠状態が周期的に変化する性質を利用することによって、利用者にとって快適な睡眠を行うための最適な入眠及び起床時刻の算出を行うものであり、感覚刺激出力部17は、入眠起床時刻判定部16が出力する最適な入眠時刻及び起床時刻に基づいて、光又は音を含む感覚刺激を出力するものであり、睡眠障害判定部18は、生体情報により睡眠障害の有無と、呼吸障害及び四肢異常運動の障害の種類とを判定するものである。
【0022】
なお、生体情報を測定する時間間隔は、個人によって異なるが、本実施の形態では、5分間隔とする。
【0023】
以上の構成により、利用者の睡眠状態を決定し、更に、利用者にとって最適的な入眠時刻及び起床時刻を表示し、起床時刻の起床を促し、睡眠障害等を発見することが可能である。
【0024】
次に、本発明の実施の形態による睡眠状態判定装置の動作を説明する。
【0025】
まず、生体情報検出部11は、皮膚温、体温、脈拍、心拍、血圧、呼吸、発汗及び体動を含む生体情報をセンサにより検出し、睡眠状態モデル部12に出力する。
【0026】
なお、睡眠時異常である睡眠時呼吸障害や睡眠時四肢異常運動を検出する場合は、体動及び呼吸数を検出するセンサを備えることで検出が可能である。
【0027】
図2は、睡眠状態の遷移を示したものである。縦軸は、睡眠状態の深さを示し、WAKEは、脳と身体とが覚醒している状態を示し、REMは、身体は眠っているが、脳が覚醒している浅い睡眠状態を示し、また、NON−REMは、身体と脳とが睡眠している深い睡眠状態を示す。更に、NON−REMは、4段階の睡眠に分けることができ、NON−REM4が最も深い睡眠状態である。横軸は、時間を示す。例えば、時間tでは、REMの状態となる。
【0028】
また、睡眠には周期が存在し、REMからNON−REM4に到達し、また、REMに戻るものである。この周期は、基本的には共通しているものの、個人によって微妙に周期が異なることが知られており、また、個人の生活リズムによっても差異が生じる。
【0029】
次に、睡眠状態モデル部12では、個人毎の睡眠の差異と、生体情報の一時的な変動とを吸収するために状態遷移確率を用いて、睡眠状態を決定する。
【0030】
図3に、睡眠状態モデル部12の構成図を示す。生体情報統合特徴抽出部121121及び睡眠状態遷移部122から構成され、生体情報統合特徴抽出部121121では、複数の生体情報の統合し、現測定時間の睡眠状態の推定を行う。睡眠状態遷移部122では、生体情報統合特徴抽出部121121で推定された現測定時間の睡眠状態と予め蓄積された状態遷移確率とを用いて現在の睡眠状態を決定する。
【0031】
また本実施の形態では、ベクトル量子化などのクラスタリングを用いて生体情報を統合する。本実施の形態では、クラスタリングのために、ニューラルネットワークを用いた。複数の時系列生体情報をニューラルネットワークの入力として、事前に設定した6個の睡眠状態に対応するように、クラスタリングすることによって、現在の生体情報がどの睡眠状態に対応するかを判定することができる。
【0032】
ここで、クラスタリングは、2層構造のニューラルネットワークを用いて以下のように行う。
【0033】
生体情報ベクトルをxとすると、睡眠状態yは、(数1)で計算される。ここで、fはシグモイド関数であり、wijは、ニューラルネットワークの結合荷重である。
【0034】
【数1】
Figure 2004254827
【0035】
(数1)の出力結果によって、一時的に睡眠状態が推定されるが、このままでは、生体情報の一時的に変動により影響を受けるため、睡眠状態遷移部122において、状態遷移確率を用いて現測定時間の睡眠状態を決定する。
【0036】
例えば、NON−REM4からWAKEに睡眠状態が遷移するなどの、一時的な変動がある。
【0037】
また、結合荷重は、生体情報ベクトルセットと、それに対応する睡眠状態情報とを事前に用意することによって、教師あり学習法によって生成しておく。
【0038】
また、ベクトル量子化手法の代わりに、独立成分分析を用いることで、複数種類の生体情報から互いに独立な成分を抽出し、各睡眠状態に対応させることも可能である。
【0039】
なお、本実施の形態においては、2層構造のニューラルネットワークを用いたが、多層のニューラルネットワークを用いて誤差逆伝播法(Back Propagation:BP法)によって結合荷重を生成してもよいし、他のクラスタリング手法を用いることも可能である。
【0040】
しかしながら、生体情報は常に変動し、また、個人差等の差異も大きいことが考えられるために、クラスタリングした結果を逐次、睡眠状態に反映させると誤った睡眠状態と判定することがある。そのため、図3における睡眠状態遷移部122において、睡眠状態が遷移する確率である状態遷移確率と、前測定時間の睡眠状態とから、現測定時間の睡眠状態を決定することで、生体情報の一時的な変動による悪影響を防ぐことができる。
【0041】
次に、睡眠状態遷移部122での処理について述べる。睡眠状態遷移部122では、生体情報統合特徴抽出部121でクラスタリング結果により推定された現測定時間の睡眠状態が、状態遷移確率を用いて、非決定性の確率的な状態遷移を行うことによって睡眠状態の判定を行う。
【0042】
図4は、睡眠状態遷移部122の動作による状態遷移確率のモデルを示す図である。S1〜Snの睡眠状態31は、生体情報統合特徴抽出部121121の推定した現測定時間の睡眠状態と、状態遷移確率pijによって決定される睡眠状態を表すものであり、睡眠状態の時間的変化をマルコフモデルによって記述したものである。これにより、生体情報の一時的な変動を吸収することが可能である。
【0043】
また、図4における状態遷移確率p11と状態遷移確率p12とは、睡眠状態31S1からS2への状態遷移確率である。状態遷移確率p11は、睡眠状態31がS1から遷移することなく、S1に留まる確率を表現している。一方、状態遷移確率p12はS1からS2へ睡眠状態31が遷移する確率を示している。この状態遷移確率pijは、学習部13により更新される。
【0044】
次に、図4のモデルを基本として、睡眠状態モデル部12の睡眠状態遷移部122を有限オートマトンで構成した場合について図5を用いて説明する。
【0045】
図5において、縦軸は睡眠の深さを6つの状態で表し、横軸は測定時間を示すものであり、睡眠状態の遷移を6つの睡眠状態と睡眠状態間を遷移する確率である状態遷移確率pij32とを用いて表現するものである。睡眠状態31は、睡眠の深さを表すものであり、WAKE(S1)は、脳と身体との覚醒状態を示し、REM(S2)は、身体は覚醒状態、脳は睡眠状態である最も浅い睡眠状態を示し、NON−REM1(S3)は、脳と身体とが睡眠状態であり、NON−REM4(S6)が最も深い睡眠状態を示す。
【0046】
図6は、睡眠状態SiからSjへの状態遷移確率pij32を示している。これにより、生体情報の一時的な変動を吸収することが可能である。
【0047】
例えば、WAKE(S1)から同じ睡眠状態S1のWAKEへの状態遷移確率32は、60%となる。同様にS1からS2へは35%、S1からS3へは2%、S1からS4、S5及びS6へは1%である。ただし、初期状態と最終状態とはS1であるとする。
【0048】
ここで、推定した睡眠状態と、状態遷移確率32とを用いて、睡眠状態の遷移を説明する。
【0049】
前測定時間tでは、睡眠状態がWAKE(S1)であり、現測定時間t+1において、生体情報から推定された睡眠状態が、REM(S2)であった場合に、前測定時間tの睡眠状態と現測定時間t+1の睡眠状態が異なるために、図6の状態遷移確率32を用いて睡眠状態の遷移を行う。
【0050】
例えば、1から100までの値を、状態遷移確率32の値に対応して割り当て、ランダムに選択することで、睡眠状態の遷移を決定する。
【0051】
本発明の実施の形態では、図6から、WAKE(S1)からWAKE(S1)への状態遷移確率32は60%であるため、1から60を割り当て、WAKE(S1)からREM(S2)への状態遷移確率32は35%であるため、61から95を割り当て、WAKE(S1)からNON−REM1(S3)への状態遷移確率32は2%であるため、96、97を割り当て、WAKE(S1)からNON−REM2(S4)への状態遷移確率32は1%であるため、98を割り当て、WAKE(S1)からNON−REM3(S5)への状態遷移確率32は1%であるため、99を割り当て、WAKE(S1)からNON−REM4(S6)への状態遷移確率32は1%であるため、100を割り当てる。
【0052】
次に、状態遷移確率32に対応して割り当てられた1から100までの値をランダムに選択し、その値が80である場合は、WAKE(S1)からREM(S2)への状態遷移に該当し、現測定時間t+1の睡眠状態をREM(S2)に決定する。
【0053】
以上の動作を繰り返すことによって、生体情報から推定された睡眠状態が一時的に変動した場合においても、状態遷移確率32を用いることによって、その変動の影響を吸収することが可能である。
【0054】
なお、状態遷移確率pij32は、トレーニングデータセットを用いて事前に生成しておく。
【0055】
しかしながら、個人の睡眠の差異に対応するために、睡眠状態遷移部122に保持されている状態遷移確率pij32は、学習部13によって逐次更新される。
【0056】
また、睡眠状態遷移部122は、有限オートマトンのかわりに、隠れマルコフモデルや動的計画法を用いることも可能である。
【0057】
なお、年齢差、男女差、季節差、個人差及び月経周期に起因する個人の睡眠の差異を特定できる場合は、複数のニューラルネットを用いてそれぞれクラスタリングを行い、それぞれに対応した状態遷移確率32を持つことによって、睡眠状態の遷移を決定することも可能であり、一回の睡眠時における睡眠状態変動の個人差及び睡眠状態の一時的な変動を吸収することが可能となり、更に精度良く睡眠状態を判定可能である。
【0058】
次に、ユーザ入力部15では、利用者が自覚症状としての目覚めの良さを、例えば、「良い」、「普通」、「悪い」の3段階により評価したユーザ情報を入力し、学習部13及び入眠起床時刻判定部16に出力する。
【0059】
次に、学習部13では、入眠起床時刻判定部16から入眠及び起床時刻を入力し、睡眠状態モデル部12から、1回の睡眠における睡眠状態の遷移の時系列データを入力し、睡眠状態遷移部122に保持されている状態遷移確率pij32の更新を行う。
【0060】
睡眠状態遷移部122に保持されている状態遷移確率32が、学習部13により更新されることによって、個人の睡眠の差異に適応することが可能であり、精度良く睡眠状態を判定可能である。
【0061】
状態遷移確率pij32の更新は、過去の睡眠状態の遷移に基づいた方法と、ユーザ入力部15から入力される自覚症状に基づいた方法とによって行う。
【0062】
状態遷移の履歴に基づいた方法は、睡眠状態モデル部12から入力される過去の睡眠状態の遷移を用いて、特定の2個の睡眠状態間を頻繁に遷移するような場合は、状態遷移確率32が適切でないと判断して、状態遷移が頻繁に起こらないように睡眠状態遷移部122に保持されている状態遷移確率pij32を更新する。
【0063】
一方で、一定測定時間において、現測定時間の推定された睡眠状態と、前測定時間の睡眠状態とが異なるにもかかわらず、状態遷移が行われない場合は、状態遷移が起こり易くなる様に睡眠状態遷移部122に保持されている状態遷移確率pij32を更新する。
【0064】
これにより、一時的な生体情報の変動に影響されず睡眠状態を判定可能になる。
【0065】
また、ユーザ入力部15から入力される自覚症状に基づいた方法は、ユーザ入力部15で目覚めが「良い」と入力された場合は、起床時における睡眠状態遷移部122で決定される睡眠状態31が、より眠りの浅い睡眠状態31に遷移し易くなるように、学習部13により睡眠状態遷移部122に保持されている状態遷移確率pij32を更新し、ユーザ入力部15で目覚めが「悪い」と入力された場合は、起床時における睡眠状態遷移部122で決定される睡眠状態が、より深い睡眠状態31に遷移し易くなるように、学習部13により睡眠状態遷移部122に保持されている状態遷移確率pij32を更新する。
【0066】
このように、ユーザの自覚症状に基づいて、睡眠状態遷移部122の状態遷移確率32を書き換えることによって、利用者に適応した睡眠状態の決定が可能となる。
【0067】
なお、状態遷移確率pij32の更新は、遺伝的アルゴリズムやニューラルネットワークによって行うことも可能である。
【0068】
また、ユーザ入力部15から入力される自覚症状をもとに、生体情報を6個の睡眠状態31にクラスタリングするニューラルネットワークの学習結果を更新することも可能である。ただし、このような学習は、複数の要因が重なって生じる個人の睡眠の差異に適応するため、生体情報検出部11から得られた生体情報と、ユーザ入力部15から入力されるユーザの個人情報とに基づいて行う。
【0069】
次に、入眠起床時刻判定部16では、最適な入眠時間及び起床時間を算出し、更に、利用者が起床時刻を設定すると、最適な入眠時刻を算出する。
【0070】
ここで、最適な入眠時間及び起床時間は、過去に利用者が入力した自覚症状等の情報と、自覚症状等の情報に対応する入眠及び起床時刻の情報と、前日の起床時刻とから算出する。
【0071】
また、入眠起床時刻判定部16は、睡眠中においては、睡眠状態モデル部12が決定した現測定時間の睡眠状態31と、ユーザ入力部15から入力される利用者の自覚症状と、睡眠状態モデル部12から入力される過去の睡眠状態の遷移と、過去の入眠時刻及び起床時刻とから起床時刻の睡眠状態31を推定し、最適な起床時刻を決定し、利用者に応じて最適な起床時刻に起床を促すことが可能である。
【0072】
なお、本実施の形態においては、前日の起床時刻より以前の時間で、目覚めが良いと判断した時の入眠及び起床時刻の情報から、最適な入眠及び起床時間を算出することとした。
【0073】
また、利用者が起床時刻を設定した場合においても、過去に利用者が入力した自覚症状と、過去の睡眠状態の遷移と、過去の入眠時刻及び起床時刻とを用いて、利用者にとって目覚めの良いと感じた睡眠時間を算出し、理想の入眠時刻を算出することができる。
【0074】
また、入眠起床時刻判定部16により設定された起床時刻以前において、起床に最適な睡眠状態になった場合には、設定された起床時刻以前においても起床を促す。この時、起床に最適な睡眠状態とは、WAKE又はREMであり、又は、利用者の入力した自覚症状で目覚めの良いとした時の睡眠状態である。これにより、睡眠中に外的な要因によって、睡眠が妨げられ、睡眠状態が通常と異なる遷移をした場合にも対応することができる。
【0075】
図7のフローチャートを用いて、設定された起床時刻以前における起床時刻の決定について説明する。
【0076】
まず、S41にて、入眠起床時刻判定部16が、現測定時間の睡眠状態と、過去における利用者の睡眠状態の遷移から求めた睡眠の周期とから、設定された起床時刻における睡眠状態の予測を行う。
【0077】
次に、S42にて、入眠起床時刻判定部16が、設定された起床時刻における睡眠状態が、WAKE又はREMである場合は、S45に移行し、設定された起床時刻における睡眠状態が、WAKE又はREMでない場合は、S43に移行する。
【0078】
次に、S43にて、入眠起床時刻判定部16が、設定された起床時刻以前において、現測定時間の睡眠状態と、過去に利用者が入力した自覚症状と、過去の睡眠状態の遷移とから、目覚めの良い時刻を推定する。例えば、睡眠状態が、NON−REM1であっても、過去の自覚症状では、目覚めが良いと入力している利用者の場合は、設定された起床時刻以前にNON−REM1となる時刻を新たな起床時刻とする。
【0079】
なお、目覚めの良さの推定は、学習手法を用いて行うことも可能である。
【0080】
次に、S44にて、入眠起床時刻判定部16が、設定された起床時刻を、S43で算出した新たな起床時刻に変更する。
【0081】
次に、S45にて、入眠起床時刻判定部16が、起床時刻に達した場合は、S46に移行し、起床時刻に達してない場合は、S41に移行する。
【0082】
次に、S46にて、入眠起床時刻判定部16が、感覚刺激出力部17に利用者の起床を促す指示を出力する。
【0083】
以上が、入眠起床時刻判定部16の動作である。
【0084】
次に、感覚刺激出力部17が、入眠起床時刻判定部16の出力する起床を促す指示を参照し、光又は音を含む感覚刺激を出力し、利用者の起床を促す。
【0085】
なお、室内灯、テレビ、ラジオ又は携帯電話のリモートコントロールを、感覚刺激部17に含む構成とすることで、室内灯を点灯したり、テレビを起動したり、ラジオを起動したり、携帯電話の着信音を鳴らしたりすることで、感覚刺激とするこができる。
【0086】
次に、睡眠障害判定部18は、自覚症状の無い睡眠障害を検出する。本実施の形態では、呼吸障害及び四肢異常運動の検知について説明する。
【0087】
図8は、睡眠障害の判定を行う睡眠障害判定部18の構成を示す図である。睡眠時に起こる睡眠時の呼吸障害及び四肢異常運動を検知する。
【0088】
ここで、体動計算部52は、生体情報検出部11から得られる生体情報をもとに、睡眠時間1時間当たりに出現する筋運動の出現回数を計算するものであり、四肢異常運動判定部53は、四肢異常運動を判定するものであり、呼吸数計算部54は、生体情報検出部11から得られる生体情報をもとに、無呼吸及び低呼吸指数を計算するものであり、呼吸障害判定部55は、無呼吸及び低呼吸指数から呼吸障害を判定するものであり、判定部56は、四肢異常運動及び呼吸障害を用いて、睡眠時間1時間あたりに出現する運動の出現回数、無呼吸及び低呼吸指数を計算し、経験によって定まる閾値を超えた場合に睡眠時異常の判定結果を出力し、睡眠障害の有無を判断するものである。
【0089】
なお、自覚症状については、目覚めの良さに加えて、頭痛、不眠、入眠困難などを選択する形式とし、これらの情報はユーザ入力部15から入力するものとし、睡眠時異常の判定に用いる。
【0090】
以上の構成により、睡眠障害判定部18が、自覚症状の無い睡眠障害を検知することができる。
【0091】
次に、表示部14では、睡眠障害判定部18から出力される睡眠時異常の判定結果を表示する。また、入眠から起床直前までの睡眠状態を6段階の睡眠状態のうち対応する状態を表示する。更に、入眠起床時刻判定部16から入力される入眠時刻及び起床時刻を表示する。
【0092】
このように、本発明による睡眠状態判定装置を用いれば、年齢差、男女差、季節差、個人差及び月経周期を含む複数の要因が重なりあって生じる個人の睡眠の差異に適応して、精度良く睡眠状態を検出することができる。
【0093】
更に、利用者が自己の睡眠に対して評価を行い、自覚症状を入力することによって、最適な入眠起床時間を決定し、快適な目覚めを実現でき、睡眠時障害を発見することが可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、利用者の睡眠の差異に適応することによって、高精度で睡眠状態を判定することが可能である、入眠起床時間を決定し、快適な目覚めを実現できる。また、睡眠時に起こる障害を自覚症状が無い場合にも発見することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施の形態による睡眠状態判定装置の構成を示す図
【図2】本発明第1の実施の形態による睡眠時の睡眠状態変化を示す図
【図3】本発明第1の実施の形態による睡眠状態モデル部の構成を示す図
【図4】本発明第1の実施の形態による睡眠状態の遷移を示す図
【図5】本発明第1の実施の形態による睡眠状態遷移部の動作を示す図
【図6】本発明第1の実施の形態による睡眠状態遷移部の状態遷移確率を示す図
【図7】本発明第1の実施の形態による入眠起床時刻判定部の動作を示すフローチャート
【図8】本発明第1の実施の形態による睡眠障害判定部の構成を示す図
【符号の説明】
11 生体情報検出部
12 睡眠状態モデル部
13 学習部
14 表示部
15 ユーザ入力部
16 入眠起床時刻判定部
17 感覚刺激出力部
18 睡眠障害判定部
31 睡眠状態
32 状態遷移確率
52 体動計算部
53 四肢異常運動判定部
54 呼吸数計算部
55 呼吸障害判定部
56 判定部
121 生体情報統合特徴抽出部
122 睡眠状態遷移部

Claims (6)

  1. 生体情報を予め定めた時間間隔毎に測定する生体情報検出部と、前記生体情報を統合することにより現測定時間の睡眠状態を推定し、前記現測定時間の推定した睡眠状態と予め求めた睡眠状態が遷移する確率である状態遷移確率とを参照して、前記現測定時間の睡眠状態を決定する睡眠状態モデル部とを含む睡眠状態判定装置。
  2. 利用者が起床時に自覚症状を入力するユーザ入力部と、前記自覚症状又は過去の睡眠状態の遷移を用いて、状態遷移確率を更新する学習部とを、更に含む請求項1記載の睡眠状態判定装置。
  3. 生体情報を用いて睡眠障害を検出する睡眠障害判定部と、睡眠状態及び前記睡眠障害を表示する表示部とを、更に含む請求項1又は2記載の睡眠状態判定装置。
  4. 自覚症状、現測定時間の睡眠状態、過去の睡眠状態の遷移並びに過去の入眠及び起床時刻を用いて、入眠時刻及び起床時刻を算出する入眠起床時刻判定部を、更に含む請求項3記載の睡眠状態判定装置。
  5. 起床時刻に感覚的刺激によって、起床を促す感覚刺激出力部を、更に含む請求項4記載の睡眠状態判定装置。
  6. 生体情報は、皮膚温、体温、脈拍、心拍、血圧、呼吸、発汗及び体動の少なくとも1つを含む情報である請求項1ないし5のいずれか記載の睡眠状態判定装置。
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