JP2004255155A - 透熱灸緩熱押棒 - Google Patents

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Abstract

【課題】透熱灸(直接灸)は痛みを伴う疾患(腰痛、五十肩、膝痛等)の治療法として卓越した効果があることは知られているが、直接もぐさを肌上で燃焼させるため、その灼熱感を緩和する灸熱緩和器が考案されてきた。しかし、使いずらさやもぐさが消えてしまう欠点があった。
本発明は誰が使っても扱い易く、体のどんな部位(腰、肩、殿部、指等)に施灸してももぐさは完全に燃焼し、しかも灸熱を緩和できる灸熱緩和器を提供することにある。
【解決手段】本発明の灸熱緩和器(押棒)の一例は、図4に示すもので、もぐさに点火したら肌に熱が伝わらない前に押棒を圧入する。空気は2の通気孔より入るが、図では皮ふの表面が変形して、2が皮ふで塞がれている。しかし4の空気導入溝が2につながっているため5の上方より空気は2に流れ込みもぐさは消えず、完全燃焼する。又もぐさが燃え切って押棒を戻すタイミングは観察窓7で確認できる。骨が体表に近い部位(脊柱や、手足の指関節)では、1の形状を鞍形にして骨を押すことをさけるようにすれば、完全な灸熱緩和効果が得られる。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鍼灸の分野で透熱灸を施すときに、使用する灸熱緩和器で、もぐさ燃焼に不可欠な空気を導することのできる特殊な空気導入溝を備えた灸熱緩和器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通気孔のない灸熱緩和器
お灸で病気を治した話(第1集)、深谷伊三郎著、に灸熱緩和器が記載されている。それによれば、灸熱緩和器は2種類で、A、Bとある。現在使われている主なものは図1に示した。深谷式のものには蓋がついているが、実用されているものには蓋がないものが多い。筒の直径は1.7cm〜2.0cm、長さは約12cmで、上部を握り、施灸時に肌面に向って患部に押しあて、灸熱緩和に役立てている。
通気孔のある灸熱緩和器。
公開特許公報(A)(昭62−281945)、発明の名称、お灸用熱さ緩和具には図2に示すように通気孔がある。この灸熱緩和器は円筒形のプラスチック製、多数の空気孔がある。厚さ0.05cm,直径2cm,長さ5cmとされている。多数ある孔の最上部は高さ約2cmである。この多数の空気孔をもつ円筒形の灸熱緩和器は、現在鍼灸の分野では実用されていない。不具合な点があったものと思われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
鍼灸による治療法の中で、灸、特に透熱灸は最も治療効果の優れた方法である。しかし、その透熱灸は施灸時に灼熱感を伴うため敬遠されているのが実状である。この灼熱感は深谷氏の研究によって竹筒の灸熱緩和器(図1)でほぼ解決された。実際にこの器具を使ってみると、不具合があることが判った。もぐさが完全に燃焼しないで残っていることが多いのである。そこで患部に押込むタイミングを遅らせると、もぐさは完全に燃え切るが、患者に不必要な灼熱感を与えてしまい、器具本来の目的である灸熱緩和が果せないのである。図1の灸熱緩和器はもぐさの燃えている状態を良く見て、タイミング良く、緩和器を押込めばもぐさは消えず、灸の効果も得られ、灸熱の灼熱感も軽減できるのであるが、その押込むタイミングが難かしいため、広く鍼灸の分野に普及しないのである。
【0004】
多数の空気孔をもつ図2のお灸熱さ緩和具は空気孔を多く持つことでもぐさは良く燃焼する。この器具は皮ふの比較的薄い、背部には適しているが、腰部,腹部,殿部,大腿後部のように皮肉の厚い部位では多数の孔の効果は出ないのである。空気孔が数多くあっても、皮肉の厚い部位ではもぐさの燃焼を助けることはできないのである。皮肉の厚い軟らかい部位では器具は深く陥没してしまうのである。そうなると、皮ふ面より上2cm附近の空気孔は皮ふで塞がれてしまう。そして、もぐさは不完全燃焼の結果となる。そこで2cmより上部例えば3cm4cmの高さに空気孔をつけたとして、これを使えば、空気はその上部の孔より流入するが、もぐさの方向に流れずにエントツ効果によって上方に移動していくため、もぐさは消えてしまうのである。図2の多数の空気孔をもつ灸熱緩和器は、このような欠点をもっているために実用されていないのである。図1の灸熱緩和器は患部に押込むタイミングを上手にやれば、もぐさは消えず灸熱も有効に使えるので現在日本各地で実用されているが、使い慣れた鍼灸師だけが用いている。図1の灸熱緩和器は使い方が難しいので、広く一般に普及することは望めないのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
図1の深谷式灸熱緩和器はもぐさの燃焼の状態を良く見ながら器具を押込むタイミングを計らねばならない。この微妙なタイミングを計らなくとも、もぐさを完全燃焼させるには空気を送り込めば良い。これは図2にあるように数多くの通気孔をつければ解決するはづであるがこれですべてが解決したわけではない。図1と図2を合体させたような灸熱緩和器で皮肉の厚い殿部や腰部に施灸したとして、結果はうまくいかない。殿部では器具が5cm〜6cmも深く陥没してしまうので多数の孔は皮ふに塞がれてもぐさの火は消えてしまうのである。
課題の解決は身体の皮肉の厚い軟らかい部位に器具が没入してももぐさが完全燃焼する状態をつくりだす工夫が必要なのである。
【0006】
【発明の実施の形態】
透熱灸を施すときの灼熱感を緩和するために、燃えているもぐさの周囲の皮ふを押えつければ、皮ふ表層部の知覚神経を遮断し、灼熱感を緩和することができる。そしてもぐさが完全燃焼すれば、灸熱が治療効果を発揮するのである。図1、図2は従来使われてきたもので、図1のものは患部に押込むタイミングの難かしさ、図2は器具が皮肉の軟らかい部位で陥没するともぐさが不完全燃焼して灸の効果は得られない。
図3に示す器具は上記の問題を完全に解決したものである。図3は透熱灸緩和押棒と命名したもので、殿部を灸するのに実用化したもので発明の器具の一例である。図3の器具の使い方を説明する。まず殿部上のもぐさ6に点火したらすぐにcを被せ矢印の方向に押棒を押し込む。肌面3は変形してcは皮肉の中に陥没して、肌面3は3a又は3bで示すようになって通気孔2の部分は肌面で塞がれてしまう。しかし4の溝は溝の上方5の部分より空気を導入することができる。そして空気は2の孔より入りもぐさは容易に燃焼を続けることができる。もぐさ燃焼の煙は中空の押棒の上方へエントツの効果によって勢い良く上昇する。新らしい空気は5を通って2より入り、もぐさが完全燃焼できるのである。重ねて説明すれば、もぐさを完全に燃焼させるには、もぐさに近い空気流入孔2から新らしい空気が入ってくる必要があり、それを助けるのが4の縦溝(空気導入溝)である。図3は4ケの縦溝付通気孔を有している。これは工作上都合が良いためで、6ケあっても良い。4〜6ケあればもぐさの燃焼を充分助けられる。4の縦溝の長さは、押棒が皮肉に陥没する深さや治療する部位の軟硬の度合に関係するが1の面から上方4cmまでで充分である。
【0007】
図3の押棒でもぐさの完全燃焼が得られたが、治療上は押棒を患部から離すタイミングが大切である。透熱灸の熱を患部に伝えるには、もぐさが消えて2〜3秒経ってから押棒を静かに戻すのが良い。図4は押棒を戻すタイミングを計るために、もぐさの燃焼を肉眼で確認できるもぐさ燃焼観察窓を備けたものである。その観察窓は押棒の空気流入孔2と同じ位置に直径1.3〜1.5cm程度の孔1ケか2ケ備えてあれば良い。図4の観察窓7は、その窓の大きさに合った空気導入溝4を備えている。この4の溝は上方からもぐさの燃焼状態が良く見えるように工夫され又、空気の導入も助けている。この7からもぐさの消えるのが容易に確認できるので押棒をタイミング良く戻すことができる。この観察窓がないと、もぐさが消えないうちに押棒を戻すことになり、患者に灼熱感を与えてしまう。又もぐさが燃焼を完了しているのに押棒を不必要な時間押し込んで、効率の悪い治療になってしまうのである。図4の押棒を臨床で実用してみたが、この観察窓は非常に有効であることを確認している。
【0008】
押棒の先端形状は施灸する部位によって変えなければならない。例えば、図5に示す押棒は肌に接する1の部分を鞍状のRをつけている。この押棒は脊椎部に灸する時に使うものである。例えば、胸椎部は後弯しているため椎骨が表面近くに出ており、押棒の先端が平面だと椎骨を強く押すだけで緩熱効果が達成できない。そこで1の形状を鞍状にすれば椎骨を強圧せずに灸熱緩和の目的が達成できる。施灸部が手足の指関節の場合、押棒の直径も細くし鞍面Rも小さいものが必要になる。要は施灸部の部位によって、その部位の骨の形状を勘案して押棒の先端を造り、灸熱緩和の目的を達成させねばならない。
【0009】
【実施例】
発明者は透熱灸を主体とした灸治療を開業以来行っている。平成12年8月より平成15年1月迄28ケ月間、図3次いで図4、図5の押棒を用いている。患者のカルテの数300余である。治療した患部は主に腰、肩、膝、殿部等であるが、特殊な空気導入溝をもつ緩熱押棒を使った結果、もぐさのもえ残りの失敗例は皆無であった。そして灸熱緩和の目的を達成しながら、灸治療の効果をあげている。図4の押棒は特に殿部を灸するときに有効である。殿部中央の圧痛点を灸する時、殿部は軟らかいため、棒は5〜6cmも深く陥没するが空気誘導溝があるため、もぐさは完全燃焼している。
本押棒の最適条件は特にない。もぐさに点火したら、すぐに筒を被せ、押し込めばよい。強く圧入すると患部の痛さを感ずることになるので圧痛を感じさせない適当な押し方が大切である。そのようにして、観察窓からもぐさの消えるのを確認して押棒を静かに戻せば良いのである。
【0010】
【発明の効果】
本発明による効果は、痛みを伴う疾病、例えば腰痛、五十肩、膝痛、殿部痛など、体の深部に治療点があっても、透熱灸の灼熱感を覚えさせずに、完全な治療ができることである。
本発明による透熱灸緩熱押棒の実用結果は、平成12年8月から平成15年1月迄28ケ月、受付患者数300余名、内完全治癒者75名(25%)であった。痛みがとれて治癒した疾病名は腰痛、肩こり五十肩等であるが詳述は避ける。これらの患者は透熱灸を継続して施すことで著しい治療効果を得たのである。
この押棒が鍼灸の分野で広く使用されるようになれば、痛みを伴う疾病の治療に効果をあげると思われる。そして老齢化に伴う腰痛、膝痛等の患者が減少し、快適な生活を送る高齢者が増えていくであろう。
【0011】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の灸熱緩和器の一部断面を含む正面図である
【図2】従来のお灸用熱さ緩和具の立体図である。
【図3】本発明による透熱灸緩熱押棒の一部断面を含む正面図である。
【図4】本発明による観察窓のついている透熱灸緩熱押棒の一部断面を含む正面図である。
【図5】本発明による接触面が鞍型になっている透熱灸緩熱押棒の一部断面を含む正面図である。
【符号の説明】
A,B,C,D,E, 各種灸熱緩和器
1. 肌に接する押圧部
2. 空気流入孔
3. 移動する皮ふの表面
4. 空気導入溝
5. 空気導入溝の上端
6. もぐさ
7. もぐさ燃焼観察窓
8. 鞍形底面

Claims (3)

  1. 透熱灸を患部に施すとき、灸の灼熱感を緩和する中空の押棒先端(肌を押圧する側)に、もぐさ燃焼に必要な空気を導入する特殊な溝を伴った通気孔を有することを特長とする灸熱緩和器。
  2. 透熱灸を施している時に、もぐさの燃焼を観察することのできる観察窓を備えた灸熱緩和器。
  3. 押棒の先端が施灸する人体の形状に合うような形を、例えば鞍型を有する灸熱緩和器。
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