JP2004256832A - 黒色化処理面を備える表面処理銅箔及びその表面処理銅箔を用いたプラズマディスプレイの前面パネル用の磁気遮蔽導電性メッシュ - Google Patents
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Abstract
【課題】黒色化処理面から粉落ちすることなく良好な黒色を持ち、且つ、通常の銅エッチングプロセスで加工可能な表面処理銅箔、及び、そのような表面処理銅箔で製造された導電性メッシュを提供する。
【解決手段】片面に黒色化処理面を備える表面処理銅箔であって、銅箔層の片面に粗化処理層を設け、その粗化処理層上に硫酸ニッケルメッキ層を設け、その両面に亜鉛−ニッケル合金層を設けたことを特徴とする黒色化処理面を備える表面処理銅箔等を採用する。また、当該表面処理銅箔の製造は、銅箔の片面に粗化処理を施し、当該粗化処理上に、硫酸ニッケル(5水和物)を含み、水酸化アルカリ金属塩でpHを所定範囲とした黒色ニッケルメッキ液を用いて、1A/dm2以上の電流密度で電解し、黒色ニッケルメッキ層を形成し、その両面に亜鉛−ニッケル合金メッキ層を形成し、水洗し、乾燥する手法等を採用する。
【選択図】 図1
【解決手段】片面に黒色化処理面を備える表面処理銅箔であって、銅箔層の片面に粗化処理層を設け、その粗化処理層上に硫酸ニッケルメッキ層を設け、その両面に亜鉛−ニッケル合金層を設けたことを特徴とする黒色化処理面を備える表面処理銅箔等を採用する。また、当該表面処理銅箔の製造は、銅箔の片面に粗化処理を施し、当該粗化処理上に、硫酸ニッケル(5水和物)を含み、水酸化アルカリ金属塩でpHを所定範囲とした黒色ニッケルメッキ液を用いて、1A/dm2以上の電流密度で電解し、黒色ニッケルメッキ層を形成し、その両面に亜鉛−ニッケル合金メッキ層を形成し、水洗し、乾燥する手法等を採用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
黒色化処理面を備える表面処理銅箔及びその表面処理銅箔を用いたプラズマディスプレイの前面パネル用の磁気遮蔽金属メッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイパネルのシールド用導電性メッシュは、進歩の過程において、金属化繊維織物から導電性メッシュへと変遷してきた。この導電性メッシュの製造には、いくつかの方法が確立されている。その一つは、表面処理銅箔をPETフィルムにラミネートして張り合わせ、フォトリソグラフエッチング法を用いて製造するものである。そして、もう一つは、表面処理銅箔を支持基材と共にフォトリソグラフエッチング法でエッチングして、その後、支持基材を剥がした表面処理銅箔単体の導電性メッシュである。
【0003】
更に、近年の省電力化の要求から、プラズマ発生信号電圧を200Vから50Vレベルを目標として開発が行われており、当該電圧の低下に伴う輝度の減少を、導電性メッシュの回路幅を細線化し、導電性メッシュによる前面ガラスパネルの被覆率を減少させる試みがなされてきた。そのため、導電性メッシュの厚さを薄くして、エッチング加工を容易にすることが行われてきた。その一つが、PETフィルム上にスパッタリング蒸着法により、電気メッキの種となるシード層を形成し、その後電解銅メッキ等で薄い銅層を形成し、フォトリソグラフエッチング法で、メッシュ線幅を微細化した導電性メッシュの製造が行われてきた。
【0004】
これらのいずれの方法で導電性メッシュが製造されるにせよ、導電性メッシュ自体は前面パネルの中に組み込まれ、前面ガラスを通して表面から視認できるものであるため、その導電性メッシュに加工される表面処理銅箔の片面は、黒色に処理され透過光の輝度を引き立たせるようにする。従来から、この処理には多層プリント配線板の、内層回路の樹脂層との接着性向上のために行う酸化銅層を形成する黒化処理等が転用されてきた。
【0005】
【非特許文献】
PDP材料の技術動向 日立化成テクニカルレポート 第33号(1999−7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の黒化処理には、重大な問題があった。即ち、銅箔表面に銅の黒色酸化物を多く付けると、確かに黒色の強い良好な黒色化面が得られる。ところが、銅箔の表面に形成した銅の黒色酸化物は、付着量が多くなるほど、黒色化面から脱落しやすく、いわゆる粉落ち現象が起きやすいのである。
【0007】
粉落ち現象が発生すると、脱落した黒色酸化物が無用な箇所に混入したり、前面パネルのガラスと一体化させるための透明化処理の時に、透明接着剤層に分散して透明度を劣化させる要因ともなり得るのである。
【0008】
一方で、黒化処理のように粉落ちがなく、良好な黒色面を形成することの出来る黒色化処理として、一般的な黒色ニッケルメッキ、硫化ニッケルメッキが検討されてきたが、通常の銅のエッチングプロセスで黒色化処理面側からのエッチング加工ができないという問題が生じていた。
【0009】
そのため、市場では、粉落ちすることなく良好な黒色を持つ黒色化処理層を備え且つ通常の銅エッチングプロセスで加工可能な表面処理銅箔、及び、そのような表面処理銅箔で製造された導電性メッシュが望まれてきたのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、以下に示すような表面処理銅箔を用いることで、表面処理銅箔表面にある黒色化処理層からの粉落ちを防止して、高品質のプラズマディスプレイの前面パネル用の磁気遮蔽導電性メッシュを得ることに想到したのである。
【0011】
<黒色化処理面を備える表面処理銅箔> 以下に、2種類の黒色化処理面を備える表面処理銅箔に関して説明する。
第1表面処理銅箔: 本件発明に係る表面処理銅箔は、「片面に黒色化処理面を備える表面処理銅箔であって、銅箔層の片面に粗化処理層を設け、その粗化処理層上に硫酸ニッケルメッキ層を設け、その両面に亜鉛−ニッケル合金層を設けたことを特徴とする黒色化処理面を備える表面処理銅箔。」(以下、「第1表面処理銅箔」と称する。)である。この表面処理銅箔1aの断面層構成を模式的に示したのが図1である。
【0012】
この図1から分かるように、粗化処理層2は、銅箔層Bの片面に微細銅粒3を付着させた状態のものを一例として記載しており、この微細銅粒3で構成する粗化処理層2は片面にのみ設けるのである。通常、この粗化処理層2は、基材との接着性改善を目的として形成されるものであるが、ここでは微細な凹凸形状であるがために表面に当たる光が吸収され暗褐色表面とする役割を果たすのである。従って、この粗化処理層2を構成する方法は、上述のように微細銅粒を付着形成する方法、微細な酸化銅を付着させる等の方法を採用することが可能であり、細かな凹凸であればある程、好ましいのである。なお、銅箔層Bには、電解法で得られた電解銅箔、圧延法で得られた圧延銅箔が主に用いられるのである。
【0013】
そして、この粗化処理層2の表面に硫酸ニッケル層4を設けるのである。ここで言う硫酸ニッケル層4とは、化合物としての硫酸ニッケルで構成された層ではなく、硫酸ニッケル溶液を用いてメッキ法で形成した層を意味するものとして用いているのである。この硫酸ニッケル層4は、通常の黒色ニッケルメッキ液に比べて、銅エッチング液に対する溶解性に優れているという特徴があるのである。
【0014】
続いて、その両面に亜鉛−ニッケル合金層5を設けるのである。この層は、粗化処理層2の微細銅粒3の脱落防止、及び、表面処理銅箔としての外観を維持するための防錆を目的としたものである。しかしながら、亜鉛−ニッケル合金層5は、更に、硫酸ニッケル層4と組みあわせて用いることで、硫酸ニッケル層4をエッチング溶解させる際の溶解プロモータとして機能しているように考えられる。即ち、硫酸ニッケル層4単独の場合よりも、亜鉛−ニッケル合金層5を備える方が、硫酸ニッケル層4の溶解が迅速に起こるのである。
【0015】
第2表面処理銅箔: 更に、図2に表面処理銅箔1bの断面層構成を模式的に示した「片面に黒色化処理面を備える表面処理銅箔であって、銅箔層の片面に粗化処理層を設け、その粗化処理層上に硫酸ニッケルメッキ層を設け、その両面に亜鉛−ニッケル合金層及びクロメート処理層を設けたことを特徴とする黒色化処理面を備える表面処理銅箔。」(以下、「第2表面処理銅箔」と称する。)とすることも好ましいものである。図2から分かるように、前述した黒色化処理面を備える表面処理銅箔との違いは、クロメート処理層を備える点のみであり、その他の構成は同様である。
【0016】
このクロメート処理層6は、亜鉛−ニッケル合金層5を形成した後に、両面に形成するものである。そして、このクロメート処理層6が存在することで、表面処理銅箔の耐酸化性能を著しく向上させ、酸化変色などのコスメティックコロージョンを効果的に防止するのである。
【0017】
<黒色化処理面を備える表面処理銅箔の製造方法> 上述した第1表面処理銅箔の製造方法は、以下のような▲1▼〜▲4▼の工程含む製造方法を採用することが望ましい。
【0018】
▲1▼の工程では、銅箔の片面に粗化処理を施し粗化処理面を形成するのである。このときの粗化処理自体に特段の制限はないが、この段階である程度の暗褐色処理ができることが好ましいため、可能な限り微細な銅粒を付着させる、黒色に見える銅酸化物を付着させられるような方法を採用する事が好ましいのである。例えば、この極微細銅粒の形成には、一般に砒素を含んだ銅電解液が用いることが可能である。例えば、硫酸銅系溶液であって、濃度が銅10g/l、硫酸100g/l、砒素1.5g/l、液温38℃、電流密度10A/dm2の条件とする等である。
【0019】
しかしながら、近年の環境問題の盛り上がりより、人体に影響を与える可能性の高い有害元素を極力排除しようとする動きが高まっている。そこで、本件発明における微細銅粒の形成に関しては、砒素に代え、9−フェニルアクリジンを添加した銅電解液を用いることとした。9−フェニルアクリジンは、銅電解の場において、砒素の果たす役割と同様の役割を果たし、析出する微細銅粒の整粒効果と、均一電着を可能とするものである。9−フェニルアクリジンを添加した極微細銅粒を形成するための銅電解液としては、銅濃度5〜10g/l、硫酸濃度100〜120g/l、塩素濃度20〜30ppm、9−フェニルアクリジン50〜300mg/l、液温30〜40℃、電流密度5〜10A/dm2 が極めて安定した電解操業を可能とすることの出来る範囲となる。
【0020】
▲2▼の工程では、当該粗化処理面上に、銅箔の片面に硫酸ニッケル層を形成するのである。この硫酸ニッケル層は、硫酸ニッケル(5水和物)を10g/l〜300g/l含み、水酸化アルカリ金属塩でpHを5.5〜6.0の範囲とした硫酸ニッケルメッキ液を用いて、1A/dm2以上の電流密度で電解することにより、黒色のニッケルメッキ層として形成するのである。ここで硫酸ニッケルメッキ液中の硫酸ニッケル(5水和物)が10g/l未満となると、形成される硫酸ニッケル層の電着速度が遅くなり、しかも、硫酸ニッケル層の厚さが不均一となる傾向が強くなるのである。これに対し、硫酸ニッケル(5水和物)が300g/lを超えると、形成される硫酸ニッケル層の色調が良好な黒色化状態では無くなるのである。この硫酸ニッケルメッキ液には、pH緩衝剤を含めない点に特徴がある。
【0021】
また、このときの硫酸ニッケルメッキ液の溶液pHは、5.5〜6.0の範囲に調整するのである。この範囲でなければ、良好な黒色を得ることはできないのである。このpH調整には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩を用いるのである。
【0022】
そして、電解を行うときの電流密度には、1A/dm2以上の電流を用いるのである。上述の硫酸ニッケルメッキ液は、過剰な電解電流を流しても、形成されるメッキ面の平滑性は保たれる。そのため、本件発明では、一般的に用いられるpH緩衝剤を意図して用いないようにしてメッキ処理することで、電解時のカソード表面近傍でのpH上昇を積極的に利用することとしたのである。即ち、実質的に強アルカリ環境下で電解を行うことで、硫酸ニッケル層にニッケル酸化物等をインクルードさせ、黒色のメッキ被膜を形成するのである。従って、特に電流密度の上限を設ける必要はなく、工程における生産性を考慮して任意に定めれば良いのである。
【0023】
▲3▼の工程では、片面に黒色の硫酸ニッケルメッキ層の形成が終了した銅箔の両面に、亜鉛−ニッケル合金メッキ液を用いてメッキ処理して、両面に亜鉛−ニッケル合金層を形成するのである。ここで用いる亜鉛−ニッケル合金メッキ液に特に限定はないが、一例を挙げれば、硫酸ニッケルを用いニッケル濃度が1〜2.5g/l、ピロリン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が0.1〜1g/l、ピロリン酸カリウム50〜500g/l、液温20〜50℃、pH8〜11、電流密度0.3〜10A/dm2の条件等を採用するのである。
【0024】
▲4▼の工程では、以上の工程を経た銅箔を、水洗し、乾燥することで黒色化処理面を備える表面処理銅箔を得るのである。ここでの水洗方法、乾燥方法に特段の限定はなく、通常考えられる方式を採用することが可能である。
【0025】
第2表面処理銅箔の場合には、銅箔の表面に亜鉛−ニッケル合金層を形成した後に、クロメート層を形成すればよいのである。即ち、上述の▲3▼工程の亜鉛−ニッケル合金層を形成後に、クロメート処理工程を設ければよいのである。このクロメート処理工程では、クロメート溶液と当該銅箔表面とを接触させての置換処理でも、クロメート溶液中で電解してクロメート被膜を形成する電解クロメート処理のいずれの方法を採用しても構わないのである。また、ここで用いるクロメート溶液に関しても、常法で用いられる範囲のものを使用することが可能である。そして、その後、水洗し、乾燥することで黒色化処理面を備える表面処理銅箔を得るのである。
【0026】
<磁気遮蔽導電性メッシュ> 以上に述べてきた本件発明に係る黒色化処理面を備えた表面処理銅箔は、黒色化処理面からの粉落ちがなく、しかも、良好な黒色を持ちつつも、その黒色化処理層は通常の銅エッチングプロセスでエッチング除去が可能である。よって、プリント配線板を製造するプロセスを使用して、容易に任意の形状に加工することが可能である。これらのことを考えると、プラズマディスプレイパネルの前面パネルに組み込まれる磁気遮蔽導電性メッシュの用途に最適なものと言えるのである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、上述してきた黒色化処理面を備えた表面処理銅箔を製造し、銅エッチング液を用いて磁気遮蔽導電性メッシュを製造した結果を示すこととする。
【0028】
第1実施形態: 本実施形態では、上述の第1表面処理銅箔1aを製造し、磁気遮蔽導電性メッシュ形状をエッチング法で試験的に製造しエッチング性能を確認した。
【0029】
本実施形態では、硫酸銅溶液を電解することにより得られた公称厚さ25μmの銅箔を用いた。そして、銅箔を、硫酸濃度150g/l、液温30℃の希硫酸溶液を用いて、この溶液に30秒浸漬して、表面の清浄化を行った。
【0030】
そして、▲1▼の工程として、公称厚さ18μm銅箔の片面に粗化処理を施した。このときの粗化処理は、この微細銅粒を銅箔の片面に付着形成するものであり、硫酸銅系溶液であって、濃度が銅10g/l、硫酸100g/l、塩素25ppm、9−フェニルアクリジン140mg/lの溶液、液温38℃、電流密度10A/dm2の電解条件を採用した。
【0031】
▲2▼の工程として、当該粗化処理面上に、銅箔の片面に硫酸ニッケル層を形成した。硫酸ニッケル層の形成は、硫酸ニッケル(5水和物)を100g/l、水酸化ナトリウムでpHを6.0に調整し、液温30℃とした硫酸ニッケルメッキ液を用いて、1A/dm2の電流密度で電解することにより、黒色の硫酸ニッケルメッキ層として形成したのである。
【0032】
▲3▼の工程として、片面に黒色の硫酸ニッケルメッキ層の形成が終了した銅箔の両面に、亜鉛−ニッケル合金メッキ液を用いてメッキ処理して、両面に亜鉛−ニッケル合金層を形成したのである。亜鉛−ニッケル合金層は、硫酸ニッケルを用いニッケル濃度が2.0g/l、ピロリン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が0.5g/l、ピロリン酸カリウム250g/l、液温35℃、pH10、電流密度5A/dm2の条件で5秒間電解して、両面に均一且つ平滑に電析させた。
【0033】
▲4▼の工程として、亜鉛−ニッケル合金層の形成が終了すると、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲気温度を150℃とした乾燥炉内に4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調の黒色化処理面を備えた表面処理銅箔1を得た。なお、上述した各工程間には、原則、15秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止している。
【0034】
以上のようにして得られた表面処理銅箔の両面にエッチングレジストとなるドライフィルムを張り合わせた。そして、黒色化処理面側のドライフィルムにのみ、磁気遮蔽導電性メッシュを試作するための試験用のマスクフィルムを重ねて、メッシュピッチ200μm、メッシュ線幅10μm、メッシュバイアス角度45°であり、周囲にメッシュ電極部を備える導電性メッシュパターンを紫外線露光した。このとき、同時に反対面のエッチングレジスト層の全面にも、紫外線露光することにより、後の現像により除去できないものとした。その後、アルカリ溶液を用いて現像し、エッチングレジストパターンを形成した。
【0035】
そして、銅エッチング液である塩化銅エッチング液を用いて、黒色化処理面側から銅エッチングして、その後、エッチングレジスト層を剥離することにより、磁気遮蔽導電性メッシュを製造した。その結果、エッチング残りもなく、非常に良好なエッチングが行われた。
【0036】
第2実施形態: 本実施形態では、上述の第2表面処理銅箔を製造し、磁気遮蔽導電性メッシュ形状をエッチング法で試験的に製造しエッチング性能を確認した。
【0037】
本実施形態は、最初の酸洗処理を行い、▲1▼工程から▲3▼工程までは、第1実施形態と同様である。従って、重複した記載を避けるため、これらに関しての説明は省略するものとし、▲4▼工程から述べることとする。
【0038】
▲4▼の工程では、亜鉛−ニッケル合金メッキ液を用いて、両面に亜鉛−ニッケル合金層を形成した後に、両面にクロメート処理を行ったのである。ここでは、電解クロメート処理を採用し、電解条件は、クロム酸5.0g/l、pH 11.5、液温35℃、電流密度8A/dm2、電解時間5秒とした。
【0039】
▲5▼の工程として、クロメート層の形成が終了すると、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲気温度を150℃とした乾燥炉内に4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調の黒色化処理面を備えた表面処理銅箔1を得た。なお、上述した各工程間には、原則、15秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止している。
【0040】
以上のようにして得られた表面処理銅箔の両面にエッチングレジストとなるドライフィルムを張り合わせ、第1実施形態と同様の方法で導電性メッシュパターンを形成した。その結果、エッチング残りもなく、非常に良好なエッチングが行われた。
【0041】
【発明の効果】
本件発明に係る黒色化処理面を備えた表面処理銅箔は、黒色化処理面からの粉落ちが無く、しかも、通常の銅エッチング液を用いてのエッチング加工が可能であり、プラズマディスプレイパネルの前面パネルの磁気遮蔽導電性メッシュに用いることで、高品質のブラックマスクの形成が可能となる。また、黒色化処理面を備えた表面処理銅箔としての供給が出来れば、前面パネルの製造プロセスでの黒色化処理工程の省略が可能となる。更に、この黒色化処理面を備えた表面処理銅箔は、上述した製造方法を採用することで、従来の銅箔の表面処理プロセスを応用することが可能であり新たな製造設備を必要としない。従って、高品質の製品を歩留まり良く製造できるため、生産コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成を模式的に示した図。
【図2】黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成を模式的に示した図。
【符号の説明】
1a,1b 表面処理銅箔
2 粗化処理層
3 微細銅粒
4 硫酸ニッケル層
5 亜鉛−ニッケル合金層
6 クロメート処理層
B 銅箔層
【産業上の利用分野】
黒色化処理面を備える表面処理銅箔及びその表面処理銅箔を用いたプラズマディスプレイの前面パネル用の磁気遮蔽金属メッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイパネルのシールド用導電性メッシュは、進歩の過程において、金属化繊維織物から導電性メッシュへと変遷してきた。この導電性メッシュの製造には、いくつかの方法が確立されている。その一つは、表面処理銅箔をPETフィルムにラミネートして張り合わせ、フォトリソグラフエッチング法を用いて製造するものである。そして、もう一つは、表面処理銅箔を支持基材と共にフォトリソグラフエッチング法でエッチングして、その後、支持基材を剥がした表面処理銅箔単体の導電性メッシュである。
【0003】
更に、近年の省電力化の要求から、プラズマ発生信号電圧を200Vから50Vレベルを目標として開発が行われており、当該電圧の低下に伴う輝度の減少を、導電性メッシュの回路幅を細線化し、導電性メッシュによる前面ガラスパネルの被覆率を減少させる試みがなされてきた。そのため、導電性メッシュの厚さを薄くして、エッチング加工を容易にすることが行われてきた。その一つが、PETフィルム上にスパッタリング蒸着法により、電気メッキの種となるシード層を形成し、その後電解銅メッキ等で薄い銅層を形成し、フォトリソグラフエッチング法で、メッシュ線幅を微細化した導電性メッシュの製造が行われてきた。
【0004】
これらのいずれの方法で導電性メッシュが製造されるにせよ、導電性メッシュ自体は前面パネルの中に組み込まれ、前面ガラスを通して表面から視認できるものであるため、その導電性メッシュに加工される表面処理銅箔の片面は、黒色に処理され透過光の輝度を引き立たせるようにする。従来から、この処理には多層プリント配線板の、内層回路の樹脂層との接着性向上のために行う酸化銅層を形成する黒化処理等が転用されてきた。
【0005】
【非特許文献】
PDP材料の技術動向 日立化成テクニカルレポート 第33号(1999−7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の黒化処理には、重大な問題があった。即ち、銅箔表面に銅の黒色酸化物を多く付けると、確かに黒色の強い良好な黒色化面が得られる。ところが、銅箔の表面に形成した銅の黒色酸化物は、付着量が多くなるほど、黒色化面から脱落しやすく、いわゆる粉落ち現象が起きやすいのである。
【0007】
粉落ち現象が発生すると、脱落した黒色酸化物が無用な箇所に混入したり、前面パネルのガラスと一体化させるための透明化処理の時に、透明接着剤層に分散して透明度を劣化させる要因ともなり得るのである。
【0008】
一方で、黒化処理のように粉落ちがなく、良好な黒色面を形成することの出来る黒色化処理として、一般的な黒色ニッケルメッキ、硫化ニッケルメッキが検討されてきたが、通常の銅のエッチングプロセスで黒色化処理面側からのエッチング加工ができないという問題が生じていた。
【0009】
そのため、市場では、粉落ちすることなく良好な黒色を持つ黒色化処理層を備え且つ通常の銅エッチングプロセスで加工可能な表面処理銅箔、及び、そのような表面処理銅箔で製造された導電性メッシュが望まれてきたのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、以下に示すような表面処理銅箔を用いることで、表面処理銅箔表面にある黒色化処理層からの粉落ちを防止して、高品質のプラズマディスプレイの前面パネル用の磁気遮蔽導電性メッシュを得ることに想到したのである。
【0011】
<黒色化処理面を備える表面処理銅箔> 以下に、2種類の黒色化処理面を備える表面処理銅箔に関して説明する。
第1表面処理銅箔: 本件発明に係る表面処理銅箔は、「片面に黒色化処理面を備える表面処理銅箔であって、銅箔層の片面に粗化処理層を設け、その粗化処理層上に硫酸ニッケルメッキ層を設け、その両面に亜鉛−ニッケル合金層を設けたことを特徴とする黒色化処理面を備える表面処理銅箔。」(以下、「第1表面処理銅箔」と称する。)である。この表面処理銅箔1aの断面層構成を模式的に示したのが図1である。
【0012】
この図1から分かるように、粗化処理層2は、銅箔層Bの片面に微細銅粒3を付着させた状態のものを一例として記載しており、この微細銅粒3で構成する粗化処理層2は片面にのみ設けるのである。通常、この粗化処理層2は、基材との接着性改善を目的として形成されるものであるが、ここでは微細な凹凸形状であるがために表面に当たる光が吸収され暗褐色表面とする役割を果たすのである。従って、この粗化処理層2を構成する方法は、上述のように微細銅粒を付着形成する方法、微細な酸化銅を付着させる等の方法を採用することが可能であり、細かな凹凸であればある程、好ましいのである。なお、銅箔層Bには、電解法で得られた電解銅箔、圧延法で得られた圧延銅箔が主に用いられるのである。
【0013】
そして、この粗化処理層2の表面に硫酸ニッケル層4を設けるのである。ここで言う硫酸ニッケル層4とは、化合物としての硫酸ニッケルで構成された層ではなく、硫酸ニッケル溶液を用いてメッキ法で形成した層を意味するものとして用いているのである。この硫酸ニッケル層4は、通常の黒色ニッケルメッキ液に比べて、銅エッチング液に対する溶解性に優れているという特徴があるのである。
【0014】
続いて、その両面に亜鉛−ニッケル合金層5を設けるのである。この層は、粗化処理層2の微細銅粒3の脱落防止、及び、表面処理銅箔としての外観を維持するための防錆を目的としたものである。しかしながら、亜鉛−ニッケル合金層5は、更に、硫酸ニッケル層4と組みあわせて用いることで、硫酸ニッケル層4をエッチング溶解させる際の溶解プロモータとして機能しているように考えられる。即ち、硫酸ニッケル層4単独の場合よりも、亜鉛−ニッケル合金層5を備える方が、硫酸ニッケル層4の溶解が迅速に起こるのである。
【0015】
第2表面処理銅箔: 更に、図2に表面処理銅箔1bの断面層構成を模式的に示した「片面に黒色化処理面を備える表面処理銅箔であって、銅箔層の片面に粗化処理層を設け、その粗化処理層上に硫酸ニッケルメッキ層を設け、その両面に亜鉛−ニッケル合金層及びクロメート処理層を設けたことを特徴とする黒色化処理面を備える表面処理銅箔。」(以下、「第2表面処理銅箔」と称する。)とすることも好ましいものである。図2から分かるように、前述した黒色化処理面を備える表面処理銅箔との違いは、クロメート処理層を備える点のみであり、その他の構成は同様である。
【0016】
このクロメート処理層6は、亜鉛−ニッケル合金層5を形成した後に、両面に形成するものである。そして、このクロメート処理層6が存在することで、表面処理銅箔の耐酸化性能を著しく向上させ、酸化変色などのコスメティックコロージョンを効果的に防止するのである。
【0017】
<黒色化処理面を備える表面処理銅箔の製造方法> 上述した第1表面処理銅箔の製造方法は、以下のような▲1▼〜▲4▼の工程含む製造方法を採用することが望ましい。
【0018】
▲1▼の工程では、銅箔の片面に粗化処理を施し粗化処理面を形成するのである。このときの粗化処理自体に特段の制限はないが、この段階である程度の暗褐色処理ができることが好ましいため、可能な限り微細な銅粒を付着させる、黒色に見える銅酸化物を付着させられるような方法を採用する事が好ましいのである。例えば、この極微細銅粒の形成には、一般に砒素を含んだ銅電解液が用いることが可能である。例えば、硫酸銅系溶液であって、濃度が銅10g/l、硫酸100g/l、砒素1.5g/l、液温38℃、電流密度10A/dm2の条件とする等である。
【0019】
しかしながら、近年の環境問題の盛り上がりより、人体に影響を与える可能性の高い有害元素を極力排除しようとする動きが高まっている。そこで、本件発明における微細銅粒の形成に関しては、砒素に代え、9−フェニルアクリジンを添加した銅電解液を用いることとした。9−フェニルアクリジンは、銅電解の場において、砒素の果たす役割と同様の役割を果たし、析出する微細銅粒の整粒効果と、均一電着を可能とするものである。9−フェニルアクリジンを添加した極微細銅粒を形成するための銅電解液としては、銅濃度5〜10g/l、硫酸濃度100〜120g/l、塩素濃度20〜30ppm、9−フェニルアクリジン50〜300mg/l、液温30〜40℃、電流密度5〜10A/dm2 が極めて安定した電解操業を可能とすることの出来る範囲となる。
【0020】
▲2▼の工程では、当該粗化処理面上に、銅箔の片面に硫酸ニッケル層を形成するのである。この硫酸ニッケル層は、硫酸ニッケル(5水和物)を10g/l〜300g/l含み、水酸化アルカリ金属塩でpHを5.5〜6.0の範囲とした硫酸ニッケルメッキ液を用いて、1A/dm2以上の電流密度で電解することにより、黒色のニッケルメッキ層として形成するのである。ここで硫酸ニッケルメッキ液中の硫酸ニッケル(5水和物)が10g/l未満となると、形成される硫酸ニッケル層の電着速度が遅くなり、しかも、硫酸ニッケル層の厚さが不均一となる傾向が強くなるのである。これに対し、硫酸ニッケル(5水和物)が300g/lを超えると、形成される硫酸ニッケル層の色調が良好な黒色化状態では無くなるのである。この硫酸ニッケルメッキ液には、pH緩衝剤を含めない点に特徴がある。
【0021】
また、このときの硫酸ニッケルメッキ液の溶液pHは、5.5〜6.0の範囲に調整するのである。この範囲でなければ、良好な黒色を得ることはできないのである。このpH調整には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩を用いるのである。
【0022】
そして、電解を行うときの電流密度には、1A/dm2以上の電流を用いるのである。上述の硫酸ニッケルメッキ液は、過剰な電解電流を流しても、形成されるメッキ面の平滑性は保たれる。そのため、本件発明では、一般的に用いられるpH緩衝剤を意図して用いないようにしてメッキ処理することで、電解時のカソード表面近傍でのpH上昇を積極的に利用することとしたのである。即ち、実質的に強アルカリ環境下で電解を行うことで、硫酸ニッケル層にニッケル酸化物等をインクルードさせ、黒色のメッキ被膜を形成するのである。従って、特に電流密度の上限を設ける必要はなく、工程における生産性を考慮して任意に定めれば良いのである。
【0023】
▲3▼の工程では、片面に黒色の硫酸ニッケルメッキ層の形成が終了した銅箔の両面に、亜鉛−ニッケル合金メッキ液を用いてメッキ処理して、両面に亜鉛−ニッケル合金層を形成するのである。ここで用いる亜鉛−ニッケル合金メッキ液に特に限定はないが、一例を挙げれば、硫酸ニッケルを用いニッケル濃度が1〜2.5g/l、ピロリン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が0.1〜1g/l、ピロリン酸カリウム50〜500g/l、液温20〜50℃、pH8〜11、電流密度0.3〜10A/dm2の条件等を採用するのである。
【0024】
▲4▼の工程では、以上の工程を経た銅箔を、水洗し、乾燥することで黒色化処理面を備える表面処理銅箔を得るのである。ここでの水洗方法、乾燥方法に特段の限定はなく、通常考えられる方式を採用することが可能である。
【0025】
第2表面処理銅箔の場合には、銅箔の表面に亜鉛−ニッケル合金層を形成した後に、クロメート層を形成すればよいのである。即ち、上述の▲3▼工程の亜鉛−ニッケル合金層を形成後に、クロメート処理工程を設ければよいのである。このクロメート処理工程では、クロメート溶液と当該銅箔表面とを接触させての置換処理でも、クロメート溶液中で電解してクロメート被膜を形成する電解クロメート処理のいずれの方法を採用しても構わないのである。また、ここで用いるクロメート溶液に関しても、常法で用いられる範囲のものを使用することが可能である。そして、その後、水洗し、乾燥することで黒色化処理面を備える表面処理銅箔を得るのである。
【0026】
<磁気遮蔽導電性メッシュ> 以上に述べてきた本件発明に係る黒色化処理面を備えた表面処理銅箔は、黒色化処理面からの粉落ちがなく、しかも、良好な黒色を持ちつつも、その黒色化処理層は通常の銅エッチングプロセスでエッチング除去が可能である。よって、プリント配線板を製造するプロセスを使用して、容易に任意の形状に加工することが可能である。これらのことを考えると、プラズマディスプレイパネルの前面パネルに組み込まれる磁気遮蔽導電性メッシュの用途に最適なものと言えるのである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、上述してきた黒色化処理面を備えた表面処理銅箔を製造し、銅エッチング液を用いて磁気遮蔽導電性メッシュを製造した結果を示すこととする。
【0028】
第1実施形態: 本実施形態では、上述の第1表面処理銅箔1aを製造し、磁気遮蔽導電性メッシュ形状をエッチング法で試験的に製造しエッチング性能を確認した。
【0029】
本実施形態では、硫酸銅溶液を電解することにより得られた公称厚さ25μmの銅箔を用いた。そして、銅箔を、硫酸濃度150g/l、液温30℃の希硫酸溶液を用いて、この溶液に30秒浸漬して、表面の清浄化を行った。
【0030】
そして、▲1▼の工程として、公称厚さ18μm銅箔の片面に粗化処理を施した。このときの粗化処理は、この微細銅粒を銅箔の片面に付着形成するものであり、硫酸銅系溶液であって、濃度が銅10g/l、硫酸100g/l、塩素25ppm、9−フェニルアクリジン140mg/lの溶液、液温38℃、電流密度10A/dm2の電解条件を採用した。
【0031】
▲2▼の工程として、当該粗化処理面上に、銅箔の片面に硫酸ニッケル層を形成した。硫酸ニッケル層の形成は、硫酸ニッケル(5水和物)を100g/l、水酸化ナトリウムでpHを6.0に調整し、液温30℃とした硫酸ニッケルメッキ液を用いて、1A/dm2の電流密度で電解することにより、黒色の硫酸ニッケルメッキ層として形成したのである。
【0032】
▲3▼の工程として、片面に黒色の硫酸ニッケルメッキ層の形成が終了した銅箔の両面に、亜鉛−ニッケル合金メッキ液を用いてメッキ処理して、両面に亜鉛−ニッケル合金層を形成したのである。亜鉛−ニッケル合金層は、硫酸ニッケルを用いニッケル濃度が2.0g/l、ピロリン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が0.5g/l、ピロリン酸カリウム250g/l、液温35℃、pH10、電流密度5A/dm2の条件で5秒間電解して、両面に均一且つ平滑に電析させた。
【0033】
▲4▼の工程として、亜鉛−ニッケル合金層の形成が終了すると、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲気温度を150℃とした乾燥炉内に4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調の黒色化処理面を備えた表面処理銅箔1を得た。なお、上述した各工程間には、原則、15秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止している。
【0034】
以上のようにして得られた表面処理銅箔の両面にエッチングレジストとなるドライフィルムを張り合わせた。そして、黒色化処理面側のドライフィルムにのみ、磁気遮蔽導電性メッシュを試作するための試験用のマスクフィルムを重ねて、メッシュピッチ200μm、メッシュ線幅10μm、メッシュバイアス角度45°であり、周囲にメッシュ電極部を備える導電性メッシュパターンを紫外線露光した。このとき、同時に反対面のエッチングレジスト層の全面にも、紫外線露光することにより、後の現像により除去できないものとした。その後、アルカリ溶液を用いて現像し、エッチングレジストパターンを形成した。
【0035】
そして、銅エッチング液である塩化銅エッチング液を用いて、黒色化処理面側から銅エッチングして、その後、エッチングレジスト層を剥離することにより、磁気遮蔽導電性メッシュを製造した。その結果、エッチング残りもなく、非常に良好なエッチングが行われた。
【0036】
第2実施形態: 本実施形態では、上述の第2表面処理銅箔を製造し、磁気遮蔽導電性メッシュ形状をエッチング法で試験的に製造しエッチング性能を確認した。
【0037】
本実施形態は、最初の酸洗処理を行い、▲1▼工程から▲3▼工程までは、第1実施形態と同様である。従って、重複した記載を避けるため、これらに関しての説明は省略するものとし、▲4▼工程から述べることとする。
【0038】
▲4▼の工程では、亜鉛−ニッケル合金メッキ液を用いて、両面に亜鉛−ニッケル合金層を形成した後に、両面にクロメート処理を行ったのである。ここでは、電解クロメート処理を採用し、電解条件は、クロム酸5.0g/l、pH 11.5、液温35℃、電流密度8A/dm2、電解時間5秒とした。
【0039】
▲5▼の工程として、クロメート層の形成が終了すると、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲気温度を150℃とした乾燥炉内に4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調の黒色化処理面を備えた表面処理銅箔1を得た。なお、上述した各工程間には、原則、15秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止している。
【0040】
以上のようにして得られた表面処理銅箔の両面にエッチングレジストとなるドライフィルムを張り合わせ、第1実施形態と同様の方法で導電性メッシュパターンを形成した。その結果、エッチング残りもなく、非常に良好なエッチングが行われた。
【0041】
【発明の効果】
本件発明に係る黒色化処理面を備えた表面処理銅箔は、黒色化処理面からの粉落ちが無く、しかも、通常の銅エッチング液を用いてのエッチング加工が可能であり、プラズマディスプレイパネルの前面パネルの磁気遮蔽導電性メッシュに用いることで、高品質のブラックマスクの形成が可能となる。また、黒色化処理面を備えた表面処理銅箔としての供給が出来れば、前面パネルの製造プロセスでの黒色化処理工程の省略が可能となる。更に、この黒色化処理面を備えた表面処理銅箔は、上述した製造方法を採用することで、従来の銅箔の表面処理プロセスを応用することが可能であり新たな製造設備を必要としない。従って、高品質の製品を歩留まり良く製造できるため、生産コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成を模式的に示した図。
【図2】黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成を模式的に示した図。
【符号の説明】
1a,1b 表面処理銅箔
2 粗化処理層
3 微細銅粒
4 硫酸ニッケル層
5 亜鉛−ニッケル合金層
6 クロメート処理層
B 銅箔層
Claims (6)
- 片面に黒色化処理面を備える表面処理銅箔であって、
銅箔層の片面に粗化処理層を設け、その粗化処理層上に硫酸ニッケルメッキ層を設け、その両面に亜鉛−ニッケル合金層を設けたことを特徴とする黒色化処理面を備える表面処理銅箔。 - 片面に黒色化処理面を備える表面処理銅箔であって、
銅箔層の片面に粗化処理層を設け、その粗化処理層上に硫酸ニッケルメッキ層を設け、その両面に亜鉛−ニッケル合金層及びクロメート処理層を設けたことを特徴とする黒色化処理面を備える表面処理銅箔。 - 請求項1に記載の黒色化処理面を備える表面処理銅箔の製造方法であって、以下の▲1▼〜▲4▼の工程を備えることを特徴とした黒色化処理面を備える表面処理銅箔の製造方法。
▲1▼ 銅箔の片面に粗化処理を施し粗化処理面を形成する。
▲2▼ 当該粗化処理面上に、硫酸ニッケル(5水和物)を10g/l〜300g/l含み、水酸化アルカリ金属塩でpHを5.5〜6.0の範囲とした硫酸ニッケルメッキ液を用いて、1A/dm2以上の電流密度で電解して、黒色の硫酸ニッケルメッキ層を形成する。
▲3▼ 黒色の硫酸ニッケルメッキ層を片面に形成した銅箔の両面に、亜鉛−ニッケル合金メッキ液を用いてメッキ処理して、両面に亜鉛−ニッケル合金層を形成する。
▲4▼ 水洗し、乾燥する。 - 請求項2に記載の黒色化処理面を備える表面処理銅箔の製造方法であって、以下の▲1▼〜▲5▼の工程を備えることを特徴とした黒色化処理面を備える表面処理銅箔の製造方法。
▲1▼ 銅箔の片面に粗化処理を施し粗化処理面を形成する。
▲2▼ 当該粗化処理面上に、硫酸ニッケル(5水和物)を10g/l〜300g/l含み、水酸化アルカリ金属塩でpHを5.5〜6.0の範囲とした硫酸ニッケルメッキ液を用いて、1A/dm2以上の電流密度で電解して、黒色の硫酸ニッケルメッキ層を形成する。
▲3▼ 黒色の硫酸ニッケルメッキ層を片面に形成した銅箔の両面に、亜鉛−ニッケル合金メッキ液を用いてメッキ処理して、両面に亜鉛−ニッケル合金層を形成する。
▲4▼ 亜鉛−ニッケル合金層の上にクロメート層を形成する。
▲5▼ 水洗し、乾燥する。 - 請求項1に記載の黒色化処理面を備える表面処理銅箔を用いて形成したプラズマディスプレイの前面パネル用の磁気遮蔽導電性メッシュ。
- 請求項2に記載の黒色化処理面を備える表面処理銅箔を用いて形成したプラズマディスプレイの前面パネル用の磁気遮蔽導電性メッシュ。
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