JP2004257006A - 開閉システム - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性をより高めることが可能な開閉システムを提供する。
【解決手段】所定の動作限界位置を限度として、所定の軌道上で開閉体を移動することで開閉動作を行う開閉システムにおいて、軌道上に設定された特定位置から所定の動力で動作限界位置まで開閉体が移動するのに要する基準時間をもとに、開閉体が動作限界位置に到達したタイミングを推定する限界位置到達推定手段を備える。また、この構成において、基準時間以外の指標を用いる所定の限界位置到達検出処理により、開閉体が動作限界値位置に到達したことを検出すると、自動的に、動力の供給を停止させる開閉動作制御手段とタイミングから所定のマージン時間が経過した後、動力の供給が継続していたら、動作異常として所定の異常時処理を実行する異常対応手段を備えることも好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】所定の動作限界位置を限度として、所定の軌道上で開閉体を移動することで開閉動作を行う開閉システムにおいて、軌道上に設定された特定位置から所定の動力で動作限界位置まで開閉体が移動するのに要する基準時間をもとに、開閉体が動作限界位置に到達したタイミングを推定する限界位置到達推定手段を備える。また、この構成において、基準時間以外の指標を用いる所定の限界位置到達検出処理により、開閉体が動作限界値位置に到達したことを検出すると、自動的に、動力の供給を停止させる開閉動作制御手段とタイミングから所定のマージン時間が経過した後、動力の供給が継続していたら、動作異常として所定の異常時処理を実行する異常対応手段を備えることも好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は開閉システムに関し、例えば、シャッター、ドア、窓、オーバーヘッドドア、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの動作制御システム等に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
モータを動力源としてシャッターの開閉動作を行う電動シャッターには種々のタイプがあるが、電力を動力源とし、電気制御によって開閉動作を行う機能(電動動作モード)と、ユーザが手作業によって開閉動作を行う機能(手動動作モード)を兼ね備えたものがある。
【0003】
電動動作モードの場合、前記モータ部分から出力されるエンコーダパルスの数をカウントすることにより、開動作(または閉動作)によるシャッターの移動距離や位置などのパラメータを認識できるため、当該パラメータが所定値に到達したら開動作(または閉動作)を停止することによって、所望の動作終了位置(リミット位置)で、自動的にシャッター動作を停止させることができる。
【0004】
次にこの開動作(または閉動作)と反対方向の動作、すなわち閉動作(または開動作)を行う場合には、基本的に、当該動作終了位置が新たな動作開始位置となり、前記動作開始位置が新たな動作終了位置(リミット位置)となる。
【0005】
電動シャッターに関連する文献としては、次の特許文献1があげられる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−274166号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の電動シャッターでは、前記エンコーダパルスに関する障害やエンコーダパルスに関するカウント動作の誤り等が起きると、前記エンコーダパルスをカウントすることによって決まる前記動作終了位置も、本来の位置からずれてしまう可能性がある。
【0008】
当該ずれの影響を受ける以降のシャッター動作で、ユーザが完全開放(または完全閉鎖)を指示すると、電動シャッターが機械的な限界を超えて開動作(または閉動作)を完遂しようとするため、モータ等の加熱などによる電気的な破損や、電動シャッターまたは電動シャッターを取り付けている建物の機械的な破損などが発生するおそれがある。
【0009】
同様な問題は、エンコーダパルスの数をカウントする替わりに、シャッターの移動距離を機械的なカウント値をもとに検出する機械式のカウンタを利用する場合にも起こる可能性がある。
【0010】
このような問題を解決するために、別途、緊急用リミットスイッチ(エマージェンシーリミットスイッチ)を設けることも考えられる。緊急用リミットスイッチは、例えば、シャッターカーテンが巻き取りシャフト等に巻き取られるシャッターの開動作時において、所定の完全開放位置を越えても巻き取りをつづけてしまったために、シャッターカーテンの巻きの厚みが異常に厚くなったことを検出する装置である。
【0011】
しかしながら、緊急用リミットスイッチは、前記巻きの厚みを検出するセンサを含んだ装置となるため、コストが高い。また、シャッターの種類によっては、緊急用リミットスイッチの適用が困難となる場合もある。その理由としては、例えば、シャッターカーテンの厚みが極めて薄いため緊急用リミットスイッチに要求される精度が高くなりすぎたり、巻き取りシャフトの周辺に、緊急用リミットスイッチを取り付けるためのスペースを確保することが困難であること等があげられる。
【0012】
なお、以上の課題は、シートシャッター、ガレージ用シャッター、窓用シャッターなどのシャッター用だけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の開閉システムにも共通している。
【0013】
本発明は、信頼性をより高めることが可能な開閉システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明では、所定の動作限界位置を限度として、所定の軌道上で開閉体を移動することで開閉動作を行う開閉システムにおいて、前記軌道上に設定された特定位置から所定の動力で前記動作限界位置まで前記開閉体が移動するのに要する基準時間をもとに、前記開閉体が動作限界位置に到達したタイミングを推定する限界位置到達推定手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる開閉システムを、シートシャッターのための遠隔操作システム(リモコンシステム)に適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0016】
本実施形態では、当該遠隔操作システムは、有線リモコンシステムと前記無線リモコンシステムを混合した混合システムであるものとする。
【0017】
ここで、有線リモコンシステムとは、シャッターシステムを構成要素として含むリモコンシステムであって、有線通信によってシャッター動作を行うものである。
【0018】
一般に、遠くから離れた不特定の位置からシャッター動作を行うことができ、使い勝手が良いという点では前記無線リモコンシステムが有利であり、通信の信頼性の点や、常に特定の位置でシャッター動作を指定したい場合などには、当該有線リモコンシステムが向いている。
【0019】
また、同じシャッターシステムを有線でも無線でも制御できると、融通性に富み、ユーザの都合によりどちらの方法を取ることも可能となる。したがって実際のリモコンシステムは、これら無線リモコンシステムと有線リモコンシステムの特徴を混合した混合システムとすることも少なくない。
【0020】
本実施形態の遠隔操作システムは、シャッター動作に関する動作モードとして、電力供給されているモータを動力源とし、電気制御によって開閉動作を行う電動動作モードと、ユーザの手作業により人力を動力源として開閉動作を行う手動動作モードの2つを備えている。
【0021】
なお、前記電動動作モードにおいてシャッター動作を指示するユーザの立場からみた操作モードとして、ユーザが後述する操作スイッチを押し続けている期間だけユーザの操作に応じたシャッター動作を行う制限操作モードと、いったん操作スイッチを押せば、押し続けなくても、その操作に応じたシャッター動作を自動的に行う非制限操作モードがあり得るが、以下の説明では、簡単のために非制限操作モードのみを想定する。
【0022】
(A−1)実施形態の構成
シートシャッターの遠隔操作システム10の全体構成例を図2に示す。
【0023】
図2において、当該遠隔操作システム10は、後述する記憶処理部11と、リモコン送信機12と、シートシャッター13と、当該シートシャッター13によって開閉される開口部15とを備えている。
【0024】
このうちシートシャッター13は、鉄などの金属によって構成された多数のスラットを備えるスラットシャッターと異なり、ポリエステルなどの軽い素材によって構成されたシート状のカーテン部を主体とするシャッターである。当該シートシャッター13では、素材が軽量であるから、シャッター13の開閉動作の動力源となるトルクを供給するモータ(図示せず)の出力軸に作用し得る慣性モーメントが小さく、高速な開閉動作が容易に実現できる。一例として、当該モータは、例えばACサーボモータであってよく、シートシャッター13に開動作(または閉動作)を行わせるとき、1秒間に3000回転程度の速度で回転するものであってよい。なお、本実施形態では、シャッターカーテン部が軽くて(スラットシャッターなどに比べると)脆弱な素材であることによる構成上の困難性と、機能の節約のため、当該モータのトルク変動に基づく負荷感知は行わないものとする。
【0025】
高速開閉が可能なことにより、シャッター開放後ただちにシャッター閉鎖を行うこと等が速やかに実行でき、当該シャッター13によって仕切られる空間SP1と空間SP2の相互間で、保温、保冷や、防塵、防虫効果などの向上が期待できる。
【0026】
図2中では、壁WLに設けられたガイドレールGRに沿って矢印D1方向に下端部13Aが移動する閉動作によってシャッター13が閉鎖され、反対に矢印D2方向に移動する開動作によって開放される。なお、図2に示した状態では、シャッター13が完全閉鎖と完全開放の中間位置にある。
【0027】
シャッター13の開閉動作などを行うユーザU1は、壁WLに固定的に設置された固定操作部(操作盤)14を操作するか、または、リモコン送信機12を操作することによって、所望の動作(必要に応じて、前記中間位置の変更なども含む)を行わせることができる。
【0028】
当該リモコン送信機12は、例えば、図3に示すような外観を備えている。当該リモコン送信機12は、携帯性に富み、ユーザU1の手の平に収まる程度にコンパクトなパームサイズの送信機である。このようにコンパクトな本体12A内にすべての機能を収容するため、当該リモコン送信機12の機能は極限まで節約する必要がある。
【0029】
図3において、リモコン送信機12の本体12Aはその上面から突出したPBS(プッシュ・ボタン・スイッチ)形式の3つの操作スイッチ51〜53を備えている。これら操作スイッチ51〜53は、シャッター動作(一般的には、開閉体の開、閉、停などの動作)を行わせ得るシャッター操作スイッチである。
【0030】
本実施形態では、当該シャッター操作スイッチ51〜53のうち、シャッター操作スイッチ51は、シャッター13の開動作を行わせるための開動作スイッチで、シャッター操作スイッチ52はシャッター13の閉動作を行わせるための閉動作スイッチで、シャッター操作スイッチ53はシャッター13の開動作または閉動作を任意のタイミングで停止させるための停止スイッチである。
【0031】
上述したように、本実施形態では、前記非制限操作モードのみを想定するため、ユーザU1が例えば、操作スイッチ51を一度、押せば、その後、操作スイッチ51を押し続けなくても、自動的に、シャッター13は下端部13Aが開口部15の上端に達する完全開放状態に移行して停止する。開口部15の高さは、HT1である。
【0032】
なお、各操作スイッチ51〜53の機能として例えば、閉動作スイッチ52と停止スイッチ53を同時に短く(例えば3秒以内)押すことによって、所定の中間位置(中間停止位置)までの開動作および閉動作(すなわち中間停止動作)を指示できるようにすること等も望ましい。
【0033】
必要に応じて、これらの操作スイッチ51〜53の操作を52,53以外の組合せにしたがって組み合わせることにより、もっと複雑な動作を行わせることも可能である。一例として、当該シャッター13がスラットシャッターなどである場合には、換気動作(隣接するスラット間に設けられた開口の大きさを制御することによりシャッターの内外の空気が流通し得ない状態から流通し得る状態へ移行する動作)などが、当該複雑な動作に該当する。
【0034】
当該リモコン送信機12の内部構成例は図4に示す。
【0035】
(A−1−1)リモコン送信機の内部構成例
図4において、リモコン送信機12は、無線送信部54と、送信処理部55と、プロセッサ56と、手順記憶部57と、操作検出部58と、操作応答部59とを備え、前記操作スイッチ51〜53は、当該操作検出部58に設けられている。
【0036】
このうち無線送信部54は、図2に示した無線伝送路としての空間TRを介してリモコン受信機を構成する記憶処理装置11内の後述する無線受信部41(図1参照)に対向する部分で、送信処理部55から所定の信号線を介して受け取った送信信号WSに対応した無線信号WL1を無線送信する。そのために、当該無線送信部54は、送信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備えている。当該無線信号WL1は、周波数帯域が例えば、300MHzや400MHz程度で、送信電力が例えば1mW程度の微弱な電波であってよい。
【0037】
また、前記送信処理部55は符号化処理や変調処理などの必要な処理を実行する機能を備え、プロセッサ56から供給される送信処理信号RPに応じて、生成する送信信号WSの内容を変化させる。
【0038】
リモコン送信機12の場合、当該送信信号WSの内容は、例えば、指定するシャッター動作や、ID登録操作などの種類に応じて決定される有限個であるので、送信する情報の発生源(この発生源は、例えばROM(リードオンリーメモリ)などであってよい)も送信処理部55の内部に存在し、前記送信処理信号RPに応じて当該発生源のなかから1つの送信情報を選択して読み出す構成であってもよい。
【0039】
ここで、IDとは、使用する周波数帯域などが同じであるためにリモコン受信機である記憶処理装置11が混同する可能性のあるリモコン送信機を一義的に識別し、真に当該記憶処理装置11に対して無線送信することのできるユーザのリモコン送信機から送信された無線信号WL1だけに基づいて、シャッター13の動作等を行うために使用される識別子である。そのため、リモコン送信機12には無線送信するたびに無線信号WL1のなかに当該IDを収容する証明機構(図示せず)が必要であり、記憶処理装置11には当該IDを識別し、ユーザ認証(または端末認証)を行うための検証機構(図示せず)が必要である。
【0040】
なお、シートシャッターの場合、工場などの建物の内部で、ある部屋と別な部屋を仕切る壁(前記WLに相当)に配置されることも多く、スラットシャッターなどに比べ機械的に脆弱であるためもともと防犯の機能などが弱い点を考慮すると、記憶処理装置11の受信範囲内に他のリモコン送信機が存在せず、真にユーザU1の意図したとおりのシャッター動作を行い得る環境では、当該証明機構や検証機構を省略しても差し障りは少ないものと考えられる。
【0041】
前記送信処理部55に送信処理信号RPを出力するプロセッサ56は、当該リモコン送信機12のCPU(中央処理装置)である。
【0042】
機能が極限まで節約されたリモコン送信機12を操作するユーザU1にとって唯一の遠隔操作手段である上述した3つの操作スイッチ51〜53を設けた操作検出部58は、各操作スイッチ51〜53について、その押し下げストロークが所定の長さに達すると操作検出信号PB1、PB2を出力する部分である。
【0043】
操作検出信号PB1は押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとり、その操作手順は手順記憶部57に一時的に記憶される。
【0044】
手順記憶部57は一時記憶している手順がどのような操作または入力データを指定しているかを判定して、その判定結果である判定信号DSをプロセッサ56に供給する部分である。
【0045】
前記操作検出信号PB1が前記手順記憶部57に供給されるのと同時に操作応答部59に供給される操作検出信号PB2も、当該PB1と同様に、押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとるようにしてもよいが、本実施形態では、操作スイッチ51〜53を区別せず、同じ状態をとるものとする。
【0046】
当該操作検出信号PB2を受け取った操作応答部59は、ブザーなどの音響発生器であり、操作スイッチ51〜53の押し下げが有効に検出されたことをユーザU1に伝えるために応答出力RAを出力する部分である。本実施形態では、操作スイッチ51〜53を区別しないので、いずれかの操作スイッチが十分に押し下げられると、一定音程、一定音色のブザー音が応答出力RAとしてユーザU1に聴取されることになる。これにより、ユーザU1は、聴覚的にスイッチ操作の有効性を確認することができる。
【0047】
例えば、豊富なユーザインタフェースを備えるパーソナルコンピュータなどと異なり、高度な携帯性が求められるリモコン送信機12は、前述の機能の節約の観点から、機能が極限まで切りつめられるので、どのようにして小規模な構成で効率的にユーザの操作がマシン(ここではリモコン送信機12)に認識されたか否かを確認するかは、重要になる。
【0048】
なおここでは、操作応答部59の応答出力RAを一定音程、一定音色のブザー音としたが、必要ならば、押し下げられた操作スイッチ51〜53または同時に押し下げられた操作スイッチの組合せに応じて音程や音色などを変化させるようにしてもよい。また、音響発生器による聴覚的な手段にかぎらず、LED(発光ダイオード)等の発光素子などを使用して、視覚的な手段で操作スイッチの操作が有効に検出されたことをユーザU1に伝えるようにしてもよく、視覚的な手段と聴覚的な手段を併用してもよい。
【0049】
ところで、本実施形態の記憶処理装置11においては、シャッター動作に関する動作モードとして、前記電動動作モードと手動動作モードがある。したがって必要ならば、リモコン送信機12から、これらのモード間の移行を制御したり、モード間の移行があったことや、その時点のモードがいずれのモードであるかを明示的に通知する手段を設けるようにしてもよいが、ここでは、リモコン送信機12の機能の節約を重視して、そのような手段は設けないものとする。
【0050】
このため、リモコン送信機12の例えば開動作スイッチ51を押しつづけてもシャッター13が動作しない場合(もちろん、すでに完全開放状態にある場合を除く)、ユーザU1は、給電停止や停電などの理由により記憶処理装置11が手動動作モードにあることを認識することになる。モータが動力源となり得ない手動動作モードでシャッター13の開閉を行うには、ユーザU1が手作業で所定のレバー(図示せず)などを操作したり、直接シャッター13の一部を把持して閉動作したりすること等が必要である。この場合、シャッター13の開閉に必要な動力源は、ユーザの人力である。
【0051】
前記リモコン送信機12から無線信号WL1を受信する記憶処理装置11の主要部の構成例は、図1に示す通りである。
【0052】
(A−1−2)記憶処理装置の内部構成
図1において、当該記憶処理装置11は、中間位置記憶部19と、上限位置記憶部20と、下限位置記憶部21と、学習対応部22と、基本時間記憶部24と、付加時間記憶部25と、比較部26と、タイマ部27と、手順記憶部31と、操作検出部32と、操作応答部36と、モータ制御部39と、無線受信部41と、受信処理部42と、制御部43とを備えている。
【0053】
このうち無線受信部41は受信用のアンテナシステム、フィルタ回路、電力増幅器などを備え、前記リモコン送信機12が無線送信した無線信号WL1を受信する部分で、受信した無線信号WL1に応じて前記送信信号WSに対応する受信信号WSを出力する。
【0054】
また受信処理部42は、前記送信処理部55と対称的な復号処理や復調処理などの必要な処理を実行する機能を備えた部分で、無線受信部41から供給を受けた前記受信信号WSに応じた受信処理信号RPをプロセッサ43に出力する。
【0055】
なお、手順記憶部31は前記手順記憶部57に対応し、操作検出部32は前記操作検出部58に対応し、操作応答部36は前記操作応答部59に対応するので、その詳しい説明は省略する。
【0056】
さらに、操作検出部32に設けられている操作スイッチ33は前記操作スイッチ51に対応し、操作スイッチ34は前記操作スイッチ52に対応し、操作スイッチ35は前記操作スイッチ53に対応する。
【0057】
前記モータ制御部39は厳密には記憶処理装置11の一部としてではなく、記憶処理装置11の外部であって前記モータの近傍に配置される部分で、電動動作モードでシャッター13の開閉動作の動力源となるモータの動作を制御する。当該モータの出力軸の回転量に応じて出力されるエンコーダパルスも、当該モータ制御部39に内蔵されたエンコーダから信号S23として制御部43へ供給される。
【0058】
制御部43はまた、当該記憶処理装置11のCPUでもあり、前記と反対方向に伝送される信号S23を用いてモータ制御部39を制御し、所望の開動作、閉動作、あるいは停止等に応じた動作をモータに行わせる。
【0059】
シートシャッター13の場合、材質などの点から、上述したように機械的に脆弱なので、シャッター13が矢印D2方向に移動して完全開放状態になるときの速度が速すぎると、シャッター収納ボックス(図示せず)にシャッター13が収納されるときの衝撃などによってシャッターカーテンが機械的に破損する可能性もあり、完全開放状態の少しまえにモータの出力軸の回転速度を減速する必要がある。反対に、矢印D1方向に移動して完全閉鎖状態になるときには、完全閉鎖状態にいたる少し前にモータへの電力供給を停止することにより、残りの行程は惰性や重力によるシャッター13の移動の速度が、空気抵抗や、摩擦などによって自然に減速する現象を利用する。このような制御は、速度情報記憶部(図示せず)が格納している速度情報に基づいて、自動的に、すなわち人手や外部装置からの指示等によることなく制御部43自体の判断により、行わせるものである。
【0060】
一方、記憶処理装置11が備える5種類の記憶部19〜21、24,25はすべて、記憶処理装置11に対する給電が停止された場合にもその記憶内容を保持する必要があるため、ROMなどの不揮発性の記憶手段で構成する必要がある。特に、記憶内容の書き換えが必要な場合には、不揮発性を有するとともに書き換えも容易なEEPROM(フラッシュメモリ:Electrical Erasable Programmable ROM)などの記憶手段を用いるとよい。
【0061】
ただしこれらの記憶部のうち位置記憶部19〜21の使用方法は、記憶処理装置11が内部で実行するシャッター13の位置(または移動距離)に関する認識の形成方法に依存して変化する。
【0062】
いずれの認識形成方法でも、制御部43内のカウンタ43Aが前記エンコーダパルスの数をカウントして得られるカウント値に応じて、シャッター13すなわちシャッター下端部13Aの位置(または移動距離)を検出して、シャッター13の移動を停止するタイミングを決めることができるが、具体的な方法として、連続カウント方式と、不連続カウント方式があり得る。
【0063】
連続カウント方式は、前回のシャッター動作の終了時のカウント値を保存(この保存にも、EEPROMなどの記憶手段を用いる)しておいて今回のシャッター動作の開始時のカウント値とするものであり、不連続カウント方式は、各シャッター動作の終了時のカウント値は保存せず、シャッター動作ごとに開始時のカウント値を一定の初期値(ここではこれを、0とする)にリセットするものである。
【0064】
連続カウント方式による動作例を図9(A)に示し、不連続カウント方式による動作例を図9(B)に示す。図9(A)および(B)ともに、完全閉鎖状態から開動作(EA1,EB1)を行って完全開放状態に移行し、当該完全開放状態から閉動作(EA2,EB1)を行って完全閉鎖状態に移り、当該完全閉鎖状態から中間位置への開動作(EA3,EB3)を行って、最後に当該中間位置から閉動作(EA4,EB4)を行って、完全閉鎖状態に移る場合の動作を示している。
【0065】
以下では、この連続カウント方式を例に取って説明を進める。
【0066】
連続カウント方式の場合、図9(A)の例では、前記上限位置記憶部20内に記憶される上限リミット位置データLUPは10000で、前記下限位置記憶部21内に記憶される下限リミット位置データLUNは0で、前記中間位置記憶部19内に記憶される中間位置データINTは5000である。
【0067】
ただし、カウンタ43Aによるエンコーダパルスのカウントは、シャッター下端部13Aが矢印D2方向に移動する開動作の場合には、エンコーダパルスが供給されるたびにインクリメントする処理であり、反対に、矢印D1方向に移動する閉動作の場合には、エンコーダパルスが供給されるたびにデクリメントする処理である。
【0068】
この場合、前記非制限操作モードでユーザU1が例えば、操作スイッチ51を押して開動作を指示すれば、シャッター13は自動的に、前記完全閉鎖状態(または中間位置)から完全開放状態へ移行し、完全開放状態へ移行したときに自動的に停止する。
【0069】
自動的に停止できるのは、その時点のカウンタ43Aのカウント値が上限位置記憶部20内に格納されている上限リミット位置データLUPの値に一致したことを制御部43が検出したためである。したがって、当該上限リミット位置データLUPやカウンタ43Aのカウント値と、実際のシャッター下端部13Aの位置の関係がずれるような事象(例えば、エンコーダパルスS23に関する障害、カウンタ43Aのカウント誤り、手動動作モードにおけるユーザによるシャッター13の移動など)が発生したときには、そのあとの電動動作モードにおける移動で、前記モータが機械的な限界を超えてシャッター13を移動して開動作(または閉動作)を完遂しようとすることが起こり得、上述したモータ等の加熱などによる電気的な破損や、シャッター13またはシャッター13を取り付けている建物の機械的な破損などが発生するおそれがある。
【0070】
この問題に対応するため、本実施形態では、構成要素22,24〜27を設けてある。
【0071】
このうち基本時間記憶部24は、シャッター13が開動作または閉動作を行うために必要とする基本的な時間(基本時間)を記憶した部分である。記憶処理装置11は、シャッター下端部13Aが移動を開始してから、該当する基本時間が経過したとき、シャッター下端部13Aが該当する位置に到達したものと推定することができる。この推定は、その性質上、上述したエンコーダパルスのパルス数をカウントすることによって行う、シャッター13の開動作(または閉動作)の自動的な停止制御(通常停止制御)と、できるだけ独立した処理によって行う必要がある。
【0072】
信頼性の観点から、通常停止制御に関して発生した問題が当該推定に影響することを防ぐ必要があるためである。
【0073】
したがって、コスト面などの条件が許すなら、当該推定のためのプロセッサを、制御部43とは別個に設けて、マルチプロセッサ構成とすることも望ましい。
【0074】
基本時間には様々なものがあり得るが、シャッター下端部13Aの移動方向に応じて、開放方向(矢印D2方向)の基本時間と閉鎖方向(矢印D1方向)の基本時間に2分することができる。
【0075】
一般的にはシャッター下端部13Aの移動距離が同じであれば、移動方向が異なっても同じ基本時間を適用することができる場合も少なくないと考えられるが、重力の影響などを考慮すると、厳密には、開放方向と閉鎖方向では力学的にかなり異なる運動が行われるはずであり、異なる基本時間を適用する必要性も高い。
【0076】
本実施形態のシャッター13も、上述したように、開放方向ではモータ軸の回転速度を減速するように制御し、閉鎖方向では完全閉鎖状態にいたる少し前にモータへの電力供給を停止することにより、残りの行程は惰性や重力によるシャッター13の移動速度が、空気抵抗や、摩擦などによって自然に減速する現象を利用する。
【0077】
したがって本実施形態では、移動距離が同じであっても開放方向と閉鎖方向に異なる基本時間を適用し、その基本時間を示す情報を基本時間記憶部24が格納している。図1に示したPT1がシャッター13が完全閉鎖状態から完全開放状態へ移動する際の基本時間を示し、UT1は、シャッター13が完全開放状態から完全閉鎖状態へ移動する際の基本時間を示す。両者は、移動距離は同じHT1に対応するが、移動方向が異なる。
【0078】
移動の始点または終点が中間位置となる移動、すなわち、中間位置から完全開放状態への移動、中間位置から完全閉鎖状態への移動、完全開放状態から中間位置への移動、完全閉鎖状態から中間位置への移動も行う場合には、それぞれの移動のための基本時間も、当該基本時間記憶部24に格納することになる。
【0079】
なお、中間位置が高さHT1の厳密な中間に位置する場合、移動の始点または終点が中間位置となる移動のなかで、移動距離(HT1/2)と移動方向がともに同じ移動が2組できるが、同じ組のなかでは、同じ基本時間を使用できる可能性が高い。
【0080】
ここで、完全閉鎖状態から中間位置への移動と中間位置から完全開放状態への移動が1つの組に属し、完全開放状態から中間位置への移動と中間位置から完全閉鎖状態への移動がもう1つの組に属する。
【0081】
このケースにおいて、移動距離と移動方向の組み合わせに応じた基本時間は図10に示すPT1,PT11,UT1,UT11となる。
【0082】
図10において、PT1とUT1の意味は上述した通りであり、PT11は、開放方向(矢印D2方向)の移動であって、その始点または終点が中間位置となる移動に対応する基本時間である。同様に、UT11は、閉鎖方向(矢印D1方向)の移動であって、その始点または終点が中間位置となる移動に対応する基本時間である。
【0083】
なお、終点が中間位置となる移動の場合、通常停止制御による停止が遅れたとしても前記電気的な破損や機械的な破損などの問題が生じる可能性は小さいと考えられるが、正確に所定の中間位置の手前で停止させることが必要な場合もあるので、ここでは、終点が中間位置となる移動についても後述する強制停止制御を行うものとしている。
【0084】
正確に所定の中間位置の手前で停止する必要性が低い場合などには、終点が中間位置となる移動に関しては、強制停止制御を行わないようにしてもよく、行う場合でも、付加時間の大きさを比較的大きなものとしてもよい。
【0085】
付加時間記憶部25は、この付加時間を記憶するための記憶部である。
【0086】
付加時間とは、記憶処理装置11内部の処理上、前記基本時間(例えば、PT1)に対して付加される時間である。
【0087】
ある移動(例えば、完全開放状態から完全閉鎖状態への移動)が発生してから基本時間が経過すれば、上述したように、シャッター下端部13Aは当該基本時間に該当する位置(この場合、完全閉鎖状態(完全閉鎖位置))に到達しているものと推定することができるが、この推定は、前記通常停止制御がまだ行われていないことを無視して強制的に停止制御(強制停止制御)を実行するための根拠となる処理であり、この強制停止制御によって、前記電気的な破損や機械的な破損が発生することを防ぐものであるから、通常停止制御が正常に機能しているときには当該推定に基づいて強制停止制御を行うことは好ましくない。
【0088】
もしも、通常停止制御が正常に機能しているのに当該推定に基づいて強制停止制御を行う可能性が少しでもあれば、推定そのものに、より高い精度が要求される可能性が高くなる(例えば、完全閉鎖状態の少し手前で強制停止制御によりシャッター下端部13Aが停止することを防止する必要がある場合には、推定に高い精度が必要となる)が、正常時ならば、直接、モータの出力軸の回転に対応するエンコーダパルスを受け取り、このエンコーダパルスに基づいて実行する通常停止制御のほうが、予め設定した時間情報(例えば、基本時間PT1など)に応じて画一的に実行した前記推定に基く強制停止制御よりも、精度が高いはずであり、通常停止制御の精度に比べ、強制停止制御の精度(推定の精度)は低くなるように構成するのが合理的であると考えられるからである。
【0089】
要求精度が高まれば、一般的に、装置の規模が増大し、コストも高くなる傾向がある点からもそのように構成したほうが望ましいといえる。
【0090】
したがって、本実施形態では、通常停止制御の精度に比べ強制停止制御の精度(推定の精度)は低いものとする。
【0091】
なお、実際のシャッター13の開閉動作では、風圧など、シャッター13が設置されている環境などに応じて発生する不確定要素の影響もあり、移動を開始してから停止制御を行うまでの時間は変動し得る。エンコーダパルスにもとづく通常停止制御がこのような不確定要素を反映することができるのに対し、推定に基づく強制停止制御のほうは反映することができない点が、両者の精度の差となる。
【0092】
通常停止制御の精度に比べ強制停止制御の精度が低い場合において、通常停止制御が正常に機能しているのに強制停止制御を行ってしまう事態の発生を確実に防止するには、前記付加時間が必要であり、前記基本時間が経過し、それにつづく付加時間が経過したときにはじめて、推定にもとづく強制停止制御を実行する構成とする。
【0093】
付加時間は推定の精度(推定の精度は基本時間の精度に対応する)の低さを補うためのマージンであるから、基本時間の精度が低いほど、より長い付加時間が必要になる。
【0094】
また、この基本時間の精度が低いことに加え、前記開口部15の高さHT1(シャッター下端部13Aの移動距離に対応)が長いこと、シャッター下端部13Aの移動時間が長いこと、風圧などの不確定要素の発生頻度が高く、影響の度合いが大きいこと等は、当該付加時間を長くする要因(伸長要因)となり得る。さらに、シャッター13のシャッターカーテンを巻き取る前記巻き取りシャフトのシャフト径、シャッターカーテン部分の重さなども付加時間に影響を与える可能性がある。
【0095】
ただし付加時間の経過後に、前記強制停止制御が実行されるのであるから、上述した電気的な破損や機械的な破損が発生する前に、当該強制停止制御を実行する必要もあり、付加時間を無闇に長くすることはできない。したがって、付加時間の上限は、前記モータなどの電気系統の電気的な頑健性や、前記シャッター13やシャッター13を取り付けている建物などの機械的な耐久性に応じて規定され、付加時間の下限は前記伸長要因に基づいて規定される。
【0096】
電気的な頑健性や機械的な耐久性が著しく低い場合には、適切な付加時間を設定することが困難となることも起こり得るが、ここでは、必要最小限の電気的な頑健性や機械的な耐久性は確保されているものとする。
【0097】
必要最小限の電気的な頑健性や機械的な耐久性が確保されていれば、前記上限を限度として、前記伸長要因に応じた付加時間を設定することができる。
【0098】
伸長要因にはシャッター下端部13Aの移動距離や移動時間が含まれているため、伸長要因に忠実に設定するなら、各基本時間ごとに異なる付加時間を設定することになる。
【0099】
図1中の付加時間PM1は基本時間PT1に対応する付加時間であり、UM1は基本時間UT1に対応する付加時間であり、PM11は基本時間PT11に対応する付加時間であり、UM11は基本時間UT11に対応する付加時間である。ここで、対応する付加時間と基本時間を合わせた時間を、異常検出時間と呼ぶ。
【0100】
したがって、例えば、PM1+PT1は1つの異常検出時間であり、UM1+UT1はそれとは別な異常検出時間である。
【0101】
基本時間や付加時間は上述した伸長要因などに配慮して、製造業者、施工業者、ユーザU1などが、予め明示的に設定できるようにしてもよいが、実際にシャッター13を動作させた結果に基づいて自動的に設定(自動設定)できるようにすること、すなわち、予め定められている規則や方法等により制御部43自体が判断等を行って設定できるようにすることも簡便で望ましい。
【0102】
タイマ部27は、制御部43からのタイマ制御信号CC1に応じて、時間の計測を行う部分で、例えば、所定のクロックパルス(図示せず)の数をカウントする一種のカウンタとして構成することができる。このカウントの値が、タイマ部27が出力する計測時間TM1を示す。
【0103】
当該タイマ部27は、当該タイマ制御信号CC1の状態に応じて、初期値(ここでは、0とする)から、供給されるクロックパルスの数のカウントを開始し、また、タイマ制御信号CC1の状態に応じて、その時点のカウント値(計測時間TM1)を初期値にリセットするものであってよい。
【0104】
初期値からカウントを開始させるタイマ制御信号CC1は、シャッター13がいずれかの移動を開始したタイミングに供給され、カウント値をリセットさせるタイマ制御信号CC1は、上述した通常停止制御(または強制停止制御)が行われたタイミングに供給されるものであってよい。
【0105】
比較部26は、前記基本時間とその付加時間を加算して得られる時間を、計測時間TM1と比較し、比較結果信号MS2を制御部43に供給する部分である。
【0106】
具体的には、必ずしも加算を行う必要はなく、例えば、計測時間TM1を、まず基本時間(例えば、PT1)と比較し、計測時間TM1が当該基本時間に到達したら、計測時間TM1を初期値にリセットし、次に、計測時間TM1のカウントを開始するとともに当該基本時間に対応する付加時間(ここでは、PM1)と計測時間TM1の比較を行うものであってもよい。
【0107】
記憶部24,25中に格納されているいずれの時間(例えば、PT1,PT11、PM1などのいずれか)と比較を行うかは、制御部43から供給される比較制御信号MS1に応じて、比較部26が決定する。制御部43は、移動の種類に応じて比較制御信号MS1を変化させることができる。この比較制御信号MS1により、例えば、完全閉鎖位置から完全開放位置(完全開放状態)への移動の場合には、基本時間PT1とそれに対応する付加時間PM1が、それぞれ計測時間TM1と比較される。
【0108】
なお、前記基本時間記憶部24と付加時間記憶部25に格納されている時間情報(基本時間、付加時間)は、学習対応部22の学習機能に応じて、適応的に変更される。
【0109】
学習機能の内容には、様々なものがあり得るが、統計的な処理を用いたものであってよい。
【0110】
一例として、各移動に要した時間の所定回数(例えば、10回程度)あたりの平均値を求めて、その移動の新たな基本時間として制御部43に渡し、制御部43が基本時間記憶部24内にすでに格納されている古い基本時間を、この新しい基本時間に書き換えるものであってもよい。
【0111】
このような学習を行うため、学習対応部22は、少なくとも、学習用カウンタ22Aを備える必要がある。当該学習用カウンタ22Aは移動の時間を計測するためのタイマ部として機能する。学習用カウンタ22Aは、前記タイマ部27と同じクロックパルスに基づいてカウントを行い、そのカウント値を学習時間TM2として出力するものであってよい。
【0112】
また、前記平均値を算出する演算手段や、過去の移動に関するカウント値を記憶する記憶手段なども当該学習対応部22に搭載され得る。
【0113】
付加時間は基本時間に対応したものであるため、基本時間が書き換えられれば、対応する付加時間の書き換えも行われる。新たな基本時間から新たな付加時間を算出する処理は、制御部43が所定の算出手順にしたがって行うものであってよい。
【0114】
例えば、風圧などの不確定要素の発生頻度や影響の度合いは、シャッター13が設置される場所の環境に応じて大きくことなり、同じ場所でも、時間経過の影響を受ける可能性があるため、このような学習対応部22が必要となる。
【0115】
シャッター13の取り付け工事の際の施工の状況など(例えば、シャッター13とガイドレールGRのあいだの摩擦の大きさ等)も、不安定要素の1つであるとみることができるので、学習対応部22を設けておけば、不安定要素の影響の少ない安定した動作を期待することができる。
【0116】
しかしながらこのような不安定要素の影響が少ない場合には、学習対応部22が不要なこともあり得るため、学習対応部22を記憶処理装置11に搭載しないようにすることも可能である。また、学習対応部22を搭載した上で、ユーザU1からの指示に応じて、学習対応部22を有効化したり、無効化したりすることができるようにしてもよい。
【0117】
学習対応部22を利用する場合には、記憶部24,25に格納されている時間は書き換えが必要であるため、記憶部24,25は前記EEPROMなどを用いて構成するとよい。
【0118】
なお、ユーザU1からの指示(操作スイッチ35または53の押し下げ)に応じて移動の途中で停止が行われることがあるが、その場合、停止後に再開される移動(移動の方向は停止前と同じとは限らない)では、移動の始点が完全開放位置、中間位置、完全閉鎖位置のいずれでもない位置(不定位置)となるのが普通であるから、基本時間記憶部24に格納されている基本時間をそのまま利用することはできない。
【0119】
この場合、カウンタ43Aのカウント値や学習用カウンタ22Aのカウント値(学習時間TM2)などを用いて基本時間(例えば、PT1)を変更した上で利用するとよい。カウンタ43Aのカウント値は、その時点のシャッター下端部13Aの位置をほぼ正確に示している高精度な情報であるが、クロックパルスとは異なるエンコーダパルスをカウントした値であるため、その値をただちに基本時間の変更に利用することはできず、変換処理(換算処理)が必要となる可能性が高い。学習用カウンタ22Aが出力する学習時間TM2は、シャッター下端部13Aの位置を表現する正確さではカウンタ43Aのカウント値に劣るが、前記クロックパルスを利用したカウント値であるため、そのまま基本時間の変更に利用することができる利点がある。
【0120】
学習時間TM2を利用する場合、当該変更は、単なる減算(や加算)でよい。
【0121】
また、位置記憶部19〜21に格納される位置データINT、LUP、LUNは、製造工程等において、予め格納しておくようにしてもよいが、製造後、施工時などに格納するようにしてもよい。製造後に格納する場合、そのための所定の時間記憶モードに、記憶処理装置11が対応できるようにしておくことが望ましい。時間記憶モードに対応する場合、前記リモコン送信機12,固定操作部14、あるいは、図示しない内部操作盤などに、当該時間記憶モードに移行するための機能を持たせることとなる。
【0122】
なお、本実施形態で制御部43の外部に設けた記憶処理装置11の各構成要素(例えば、27、31など)は、実際の実装では、制御部43の内部で主としてソフトウエア的に実現するようにしてもよい。特に、本実施形態の特徴部分である学習対応部22,比較部26,タイマ部27などの機能をソフトウエア的に実現すれば、センサなどの物理的な機器や新たなハードウエアを追加する必要がないため、既存の記憶処理装置11のハードウエアをそのまま活用することができ、実現性に優れている。
【0123】
また、ここでは、記憶処理装置11を固定操作部14の外に配置しているが、記憶処理装置11の構成要素の全部または一部を、当該固定操作部14内に配置することも可能なことは当然である。
【0124】
さらに、本実施形態では、リモコン送信機12、固定操作部14のいずれを用いることもできるものとしたが、これらの操作の一部をリモコン送信機12だけ(または固定操作部14だけ)で行うことができるようにしてもよいことは当然である。
【0125】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作を、図6〜図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0126】
図6は基本時間および付加時間の前記自動設定を示すフローチャートであり、図7は、自動設定完了後、シャッター下端部13Aの下限停止状態(すなわち、完全閉鎖状態)から開始する動作を示すフローチャートであり、図8は、開動作の途中から開始するフローチャートである。
【0127】
図6のフローチャートは、P10〜P22の各ステップから構成されており、図7のフローチャートは、P30〜P45の各ステップから構成されており、図8のフローチャートは、P50〜P69の各ステップから構成されている。
【0128】
(A−2)実施形態の動作
遠隔操作システム10の通常の運用状態では、前記上限位置記憶部20には前記上限リミット位置データLUP(ここでは「10000」とする)が予め記憶処理装置11の製造時や施工時などに格納されており、前記下限位置記憶部21には下限リミット位置データLUN(ここでは「0」とする)が格納されている。また、前記中間位置記憶部18にも前記中間位置データINT(ここでは「5000」とする)が格納されている。
【0129】
そして、ユーザU1が前記リモコン送信機12または固定操作部14を操作することで、所望のシャッター動作を指示すると、指示通りのシャッター動作が、前記非制限操作モードで実行される。
【0130】
例えば、シャッター13が完全開放状態にあるときにリモコン送信機12の閉動作スイッチ52を押して閉動作を指示すれば、当該閉動作スイッチ52を押しつづけなくても、シャッター13は自動的に矢印D1方向へ閉動作を継続し、前記エンコーダパルスが1パルス受信されるごとに、前記カウンタ43Aのカウント値は10000からデクリメントされて行く。そして、当該カウント値が0となったときに、制御部43が通常停止制御を行い、シャッター13は完全閉鎖状態で自動的に停止する。
【0131】
これは、シャッター下端部13Aが図5(A)に示す完全開放位置から、図5(B)に示す完全閉鎖位置へ移動する際の記憶処理装置11内部の処理である。
【0132】
ところが、記憶処理装置11に対する給電が停止されている状態で、ユーザU1が手作業によりシャッター13を移動させると、例えば図5(C)に示すように、これらのいずれにも該当しない静的な位置IR1(前記不定位置の1つ)で、シャッター下端部13Aが停止することが起こる。
【0133】
この状態において、前記非制限操作モードでユーザU1が前記操作スイッチ(52(または34)を押すと、従来の構成ならば、シャッター下端部13Aは位置IR2まで到達しようとするから、上述したモータ等の加熱などによる電気的な破損や、電動シャッターの機械的な破損などの様々な現象が発生するおそれがある。
【0134】
本実施形態では、その対策として、図6〜図8のフローチャートの動作を実行する。
【0135】
図7および図8のフローチャートの動作を実行するためには、予め、図6のフローチャートにしたがって、前記異常検出時間、すなわち、基本時間および付加時間の自動設定を行うことを要する。ここでは、製造や施工の後、ユーザU1が前記時間記憶モードに切り換えることにより、自動設定を行うものとする。
【0136】
施工によるシャッター13や記憶処理装置11などの取り付けを行い、記憶処理装置11に電力供給を開始した直後は、記憶処理装置11はユーザU1からの指示を待ち受ける待機状態にある(P10,P11)。
【0137】
この状態でユーザU1が、前記リモコン送信機12,固定操作部14、あるいは、前記内部操作盤などに対して時間記憶モードに移行するための所定の操作を実行すると、ステップP12はYES側に分岐して、記憶処理装置11は時間記憶モードとなる(P13)。
【0138】
当初のシャッター下端部13Aの位置は(不定位置でさえなければ)いずれの位置であってもかまわないが、ここでは、完全閉鎖位置を想定している。
【0139】
完全閉鎖位置にあるとき、リモコン送信機12などを用いてユーザU1が開動作を指示すると(P14のYES側)、シャッター13は前記非制限操作モードにしたがって自動的に開動作を開始し(P15)、これと同時に、前記学習対応部22内の学習用カウンタ22Aはカウント動作を開始する(P16)。これにより学習時間TM2が増大して行く。
【0140】
このシャッター13とカウンタ22Aの動作は、前記制御部43が、シャッター下端部13Aが完全開放位置に到達したことを検出するまで継続される(P17のNO側の分岐)。
【0141】
シャッター下端部13Aの完全開放位置への到達を制御部43が検出すると、ステップP17はYES側に分岐し、シャッター下端部13は、前記通常停止制御によって自動的に停止する。このとき同時に、学習用カウンタ22Aのカウント動作も停止する(P19)。
【0142】
このときの学習用カウンタ22Aのカウント値(学習時間TM2)は、上述した基本時間PT1にあたる。
【0143】
学習用カウンタ22Aのカウント動作が停止すると、制御部43は当該基本時間PT1を前記基本時間記憶部24に格納する(P20)。これと同様な手順により、PT1以外の前記基本時間PT11,UT1,UT11の値を取得し、基本時間記憶部24に格納することができることは当然である。
【0144】
前記学習用カウンタ22Aが停止して当該基本時間PT1が得られたとき、制御部43は、当該基本時間PT1に対応する付加時間PT11を算出する。この算出は、上述した伸長要因のうち記憶処理装置11の機能だけで検出可能な要因の値を所定の算出式に適用して行うものであってよい。当該基本時間PT1の値は前記伸長要因のなかの移動時間にあたるため、付加時間PT11を決める際の基礎となり得ることは当然である。
【0145】
当該基本時間PT1,付加時間PT11を含め、所望の基本時間や付加時間を全部取得し、時間記憶部24,25に格納すると(P21)、時間記憶モードを終了することができる(P22)。
【0146】
次に、シャッター下端部13Aが下限停止中すなわち完全閉鎖位置にある状態から図7のフローチャートが始まるものとする。
【0147】
この状態で、リモコン送信機12などを操作するユーザU1から開動作が指示されると、制御部43は、シャッター13の開動作を開始させるとともに(P33)、前記タイマ部27に時間計測を開始させる(P34)。これにより、前記計測時間TM1の値が増加して行く。このとき学習対応部22を有効化しておけば、学習用カウンタ22Aにカウント動作を行わせ、学習時間TM2を生成させることもできる。
【0148】
前記非制限操作モードであるから、ユーザU1から新たな指示が出されない限り、前記通常停止制御によってシャッター下端部13Aが完全開放位置で停止するまでこの動作が継続される(P35のNO側、P40のYES側、P41)。通常のシャッターの運用を想定すると、このような動作が、最も発生頻度が高い動作となることが予想される。
【0149】
通常停止制御によって停止した場合、前記計測時間TM1のリセットなどを含む上限停止処理が実行される(P42)。
【0150】
その一方で、例えば、前記手動動作モードでユーザU1がシャッター13の開閉を行った等の理由で、通常停止制御を正常に行うことができずに、タイマ部27が出力する計測時間TM1が前記異常検出時間(PT1+PT11)を越えた場合、制御部43は、上述した強制停止制御によりモータへの電力供給を停止する(P43のYES側、P44)。これによりシャッター13は停止し(、あるいは、移動しようとしなくなり)、モータ等の加熱などによる電気的な破損や、シャッター13またはシャッター13を取り付けている建物の機械的な破損などの発生を防止することができる。
【0151】
このような強制停止制御の発生は、通常のシャッターの運用を想定すると、確率的に極めて希であることが予想される。
【0152】
強制停止制御が発生した場合、必要に応じて、位置記憶部19〜21に格納されている前記位置データ(ここでは、LUP)の書き換えなどを実行する必要が生じるが、このような書き換えへの対応が、ステップP45の異常検出処理に含まれ得る。
【0153】
前記通常停止制御も強制停止制御も実行される前に、ユーザU1から停止の指示が出された場合には、ステップP35がYES側に分岐してシャッター13は停止する(P36)。この停止が起きたときのシャッター下端部13Aの位置は、中間位置、完全開放位置、完全閉鎖位置のいずれでもない前記不定位置となる。
【0154】
当該不定位置での停止とともに、学習用タイマ22Aのカウント動作も停止するが(P37)、そのときの学習時間TM2は、当該不定位置を示す値TM2Aとなっている。
【0155】
シャッター13の停止(P36)にともない、所定の上昇中中間停止処理が実行される(P39)。上昇中中間停止処理の内容には様々なものがあり得るが、そのなかには少なくとも、開動作の途中で停止が行われたことを、制御部43が認識するための処理が含まれる。
【0156】
当該上昇中中間停止処理(P39)は、図8のステップP50と同じ処理であり、以降は図8のフローチャートの動作が実行される。
【0157】
図8において、待機状態(P51)にユーザU1から閉動作の指示が出されると(P52のNO側、P53のYES側)、前記基本時間UM1のかわりに当該学習時間TM2Aを用いて比較部26の動作を行い(P54)、閉動作を実行する(P55)。
【0158】
また、待機状態(P51)にユーザU1から開動作の指示が出されると(P52のYES側)、前記基本時間PT1をPT1−TM2Aに変更した上で、シャッター13の開動作(P57)、タイマ部27の時間計測(P58)などの各動作を行う。ステップP57以降の動作は図7のステップP33以降の動作と同様である。
【0159】
すなわち、ステップP57は前記P33に対応し、ステップP58は前記P34に対応し、ステップP59は前記P35に対応し、ステップP60は前記P36に対応し、ステップP61は前記P37に対応し、ステップP62は前記P38に対応し、ステップP63は前記P39に対応し、ステップP64は前記P40に対応し、ステップP65は前記P41に対応し、ステップP66は前記P42に対応し、ステップP67は前記P43に対応し、ステップP68は前記P44に対応し、ステップP69は前記P45に対応する。
【0160】
ただし、不定位置は停止するたびに動的に変化するため、ステップP62で得られる学習時間TM2の値は、前記TM2Aとは異なるTM2Bである。
【0161】
(A−3)実施形態の効果
本実施形態によれば、信頼性をより高めることが可能な遠隔操作システムを提供することができる。
【0162】
また、本実施形態の遠隔操作システムは実現性にも優れている。
【0163】
具体的には、本実施形態は、エンコーダパルス(S23)に関する障害、カウンタ(43A)のカウント誤り、手動動作モードにおけるユーザによるシャッター(13)の移動などに起因して、カウンタ(43A)のカウント値と実際のシャッター下端部(13A)の位置の関係がずれる現象への対策として有効である。
【0164】
(B)他の実施形態
上記実施形態では、本発明を混合システムに適用した場合を例に説明したが、本発明は、専用の無線リモコンシステムまたは有線リモコンシステムのいずれかに適用することも可能である。
【0165】
有線リモコンシステムに適用する場合、リモコン送信機は所定の装着部などに装着して、前記固定操作部14を使用する場合のように、有線伝送路を介して記憶処理装置11と通信するようにしてもよい。
【0166】
なお、上記実施形態では、無線信号WL1は周波数帯域が300MHzや400MHz程度で、送信電力が1mW程度の微弱な電波であったが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。これよりも高い周波数や低い周波数の電波を使用してもよく、赤外線などを使用してもよい。また、送信電力もこれよりも大きくしてもよく、小さくしてもよい。
【0167】
また、上記実施形態では負荷感知を行わないものとしたが、負荷感知を行う場合には、前記モータのトルク変動に基づいて負荷感知信号を出力する負荷感知部を設ける。負荷感知部は、シャッター下端部13Aが異物に当接したことを検出するために使用されることが多いが、シャッター下端部13Aに当接するのは、必ずしも異物である必要はなく、例えば、開口部15の床面などであってもよい。その場合、閉動作によってシャッター下端部13Aが当該床面に当接したとき、負荷感知信号が負荷の増大(例えば、トルクの増大)を示し、この増大に応じて、シャッターの閉動作を停止するように制御することになる。このような用途に負荷感知部を利用する場合、当該負荷感知部は、前記位置メモリ19〜21およびカウンタ43Aの代替手段として機能することとなる。
【0168】
この場合、当該負荷感知部が正常に動作しなかったときに、タイマ部27などが機能する構成とすることが可能である。
【0169】
また、上記実施形態では、電動動作モードを前提にタイマ部27等の機能を利用したが、必要に応じて、手動動作モードでも利用可能である。
【0170】
人力が動力源となる手動動作モードでは、例えば、機械的にブレーキをかけること等により、シャッターの運動を停止させることが考えられる。
【0171】
もちろんその場合には、手動動作モードであっても、タイマ部27等は有効に動作している必要がある。
【0172】
なお、上記実施形態では、前記停止制御の精度に比べ、前記推定の精度は低くなるように構成したが、もし必要ならば、推定の精度を停止制御と同程度またはそれ以上になるように構成してもかまわない。上述した基本時間(例えば、PT1)などを利用する処理により、推定の精度を、停止制御の精度以上に高めることは通常の条件下では原理的に不可能あると考えられるが、一例として、光電センサなどを利用して、シャッター下端部13Aの位置を直接、検出する構成とすること等により、推定(この場合は、測定)の精度を停止制御の精度以上に高めることが可能である。
【0173】
また、推定の精度を停止制御以上とした場合には、上述した付加時間は短縮または省略することができる。
【0174】
なお、シャッターの動作にそれほど高い精度が要求されない場合、例えば、完全閉鎖状態の少し手前でシャッター下端部13Aが停止しても問題が起きないようなケースでは、推定の精度が低く、なおかつ、付加時間を省略する構成を取ることも可能である。この場合、上述した強制停止制御と、通常停止制御が同程度の頻度で起こる可能性がある。
【0175】
また、上記実施形態では、付加時間の経過後に強制停止制御を行うものとしたが、強制停止制御とともに、ユーザU1(あるいは、制御部43)などへ異常発生を知らせる通報を行うようにしてもよい。一例として、シャッター13の近傍に警告ランプや警告ブザーなどを配置しておけば、この通報に応じて当該警告ランプを点灯させたり、警告ブザーを鳴動させたりすること等が可能となる。
【0176】
シャッターの形態によっては、強制停止制御を行わず、通報のみを行うものとしてもよい。
【0177】
なお、上記実施形態では、各移動の移動速度は前記速度情報に基づいて制御部43が自動的に制御することはあっても、ユーザU1側からの指示に応じて、明示的に移動速度を変更することはできなかったが、インバータ等を搭載することで、それが可能な構成としてもよい。これは、例えば、完全閉鎖状態から完全開放状態への移動を低速で行ったり、高速で行ったりするようにユーザU1が指示できる構成である。そのような構成の場合、上述した基本時間や付加時間は、指示された移動速度に応じて変化することは当然である。
【0178】
さらに、前記開閉動作とは、開方向のみ、閉方向のみ、または開閉両方向の移動動作を意味する。また、「閉」は開口部が存在するような場合にはこれを閉鎖する方向への移動を意味する概念であり、繰り出し、スライド移動、展張等を含む開閉体の前進を意味し、「開」は開口部が存在するような場合にはこれを開放する方向への移動を意味する概念であり、巻取り、収縮、折り畳み等を含む開閉体の後退を意味する。
【0179】
なお、上記実施形態では、エンコーダが出力するエンコーダパルスは、シャッター下端部13Aの絶対的な位置を検出できず相対的な移動距離のみを示すことができるものであったが、パルスエンコーダの場合と比較すると位置ずれ問題の発生はおきにくいとは思われるものの、必要ならば、絶対的な位置を検出することのできるアブソリュート型のエンコーダを用いることも可能である。
【0180】
なお、上記実施形態の構成要素のいくつかを省略したり、他の機能を持つ構成要素に置換したりしても本発明の効果を得ることは可能である。
【0181】
さらに、上記実施形態では、操作スイッチは、PBS形式のスイッチであるものとしたが、本発明は、PBS形式のスイッチに限って適用されるものではない。スライド式スイッチや回転式スイッチなどを使用してもよく、圧力や温度、静電気の変化などに反応する各種のスイッチを適用することもできる。
【0182】
なお、上記実施形態においては主として、シートシャッターについて本発明を適用したが、本発明はシートシャッター以外にも、ガレージ用シャッターや窓用シャッターなど各種のシャッターに適用することも可能である。
【0183】
さらに本発明は、シャッター用としてだけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドア、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの他の開閉装置の混合システムにも適用することが可能である。
【0184】
また、以上の説明において、情報の流れる方向は、基本的にはリモコン送信機からリモコン受信機(記憶処理装置11)へ向かう単方向であったが、本発明の適用範囲はこのような単方向通信に限定されるものではない。
【0185】
すなわち当該リモコン送信機を送信専用の通信機器ではなく遠隔操作用の送受信機である操作送受信機に置換するとともに、当該リモコン受信機を受信専用の通信機器ではなく遠隔被操作用の送受信機である被操作送受信機に置換し、必要に応じて全二重通信や半二重通信が行えるようにしてもよい。
【0186】
このとき操作送受信機から被操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、前記シャッター動作などを指示する動作状態指示信号であってよく、反対に被操作送受信機から操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、シャッター動作の現状を報告するための動作状態報告信号であってよい。
【0187】
当該動作状態報告信号は、その時点のシャッター動作状態が、例えば、「全開放状態」、「全閉鎖状態」、「一部開放状態(部分的に開放して停止している状態)」、「開動作中」、「閉動作中」、「異常発生」、モード(非制限操作または制限操作等の)状態などであることを示す信号であってよい。
【0188】
この場合、当該動作状態報告信号を受け取ることによって、操作送受信機のユーザは、シャッター動作状態が例えば当該「閉動作中」であることを認識することができる。
【0189】
また、当該操作送受信機を携帯受信機に置換し、被操作送受信機を固定送信機に置換することもできる。この場合、情報の流れる方向は、固定送信機から携帯受信機に向かう単方向となる。常時このような単方向通信だけが行われるシステム構成であってもよく、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るシステム構成であってもよい。
【0190】
すなわち、前記操作送受信機と被操作送受信機において、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るようにしてもよい。
【0191】
また、以上の説明では、主として、開閉装置側通信装置が遠隔被操作器であり、非開閉装置側通信装置が遠隔操作器である場合について説明したが、本発明は、このケースに限って適用できるものではない。
【0192】
非開閉装置側通信装置が受信だけを行う(ただし割り当てられているIDは送信する)実質的な受信専用機器である場合も考えられる。
【0193】
この受信専用機器は、例えば、メンテナンスなどを目的としたもので、開閉装置側通信装置が開閉体に関して保有している動作管理情報(開閉体の開閉位置、開閉回数、開閉に関する障害情報、開閉時の障害物当接感知の有無、モード(非制限操作または制限操作等の)状態、LUN等の位置データや補正値(すなわち、上記実施形態で説明した各種データ情報)など)などを受信し、受信結果を表示するものであってよい。
【0194】
また、この動作管理情報を開閉装置側通信装置が送信する送信タイミングについては、例えば、曜日や時間などを固定的に予め決めておいたり、有線で送信指示が与えられた任意のタイミングを、当該送信タイミングとすること等も可能である。
【0195】
さらに、当該送信タイミングで送信される前記動作管理情報の具体的な内容についても、予め固定的に決めておくようにしてもよく、指示された内容だけを送信するようにしてもよい。
【0196】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、信頼性をより高めることが可能な開閉システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る遠隔操作システムで使用する記憶処理装置の構成例を示す概略図である。
【図2】実施形態に係る遠隔操作システムの全体構成例を示す概略図である。
【図3】実施形態に係るリモコン送信機の外観例を示す概略図である。
【図4】実施形態に係るリモコン送信機の主要部の構成を示す概略図である。
【図5】実施形態の動作説明図である。
【図6】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図9】実施形態の動作説明図である。
【図10】実施形態における移動距離、移動方向ごとの基本時間を示す概略図である。
【符号の説明】
10…遠隔操作システム、11…記憶処理装置(リモコン受信機)、12…リモコン送信機、13…シートシャッター(シャッターカーテン部)、14…固定操作部、19…中間位置記憶部、20…上限位置記憶部、21…下限位置記憶部、22…学習対応部、24…基本時間記憶部、25…付加時間記憶部、26…比較部、27…タイマ部、31、57…手順記憶部、32…操作検出部、33〜35、51〜53…操作スイッチ、36…操作応答部、39…モータ制御部、41…無線受信部、42…受信処理部、43…制御部、43A…カウンタ。
【発明の属する技術分野】
本発明は開閉システムに関し、例えば、シャッター、ドア、窓、オーバーヘッドドア、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの動作制御システム等に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
モータを動力源としてシャッターの開閉動作を行う電動シャッターには種々のタイプがあるが、電力を動力源とし、電気制御によって開閉動作を行う機能(電動動作モード)と、ユーザが手作業によって開閉動作を行う機能(手動動作モード)を兼ね備えたものがある。
【0003】
電動動作モードの場合、前記モータ部分から出力されるエンコーダパルスの数をカウントすることにより、開動作(または閉動作)によるシャッターの移動距離や位置などのパラメータを認識できるため、当該パラメータが所定値に到達したら開動作(または閉動作)を停止することによって、所望の動作終了位置(リミット位置)で、自動的にシャッター動作を停止させることができる。
【0004】
次にこの開動作(または閉動作)と反対方向の動作、すなわち閉動作(または開動作)を行う場合には、基本的に、当該動作終了位置が新たな動作開始位置となり、前記動作開始位置が新たな動作終了位置(リミット位置)となる。
【0005】
電動シャッターに関連する文献としては、次の特許文献1があげられる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−274166号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の電動シャッターでは、前記エンコーダパルスに関する障害やエンコーダパルスに関するカウント動作の誤り等が起きると、前記エンコーダパルスをカウントすることによって決まる前記動作終了位置も、本来の位置からずれてしまう可能性がある。
【0008】
当該ずれの影響を受ける以降のシャッター動作で、ユーザが完全開放(または完全閉鎖)を指示すると、電動シャッターが機械的な限界を超えて開動作(または閉動作)を完遂しようとするため、モータ等の加熱などによる電気的な破損や、電動シャッターまたは電動シャッターを取り付けている建物の機械的な破損などが発生するおそれがある。
【0009】
同様な問題は、エンコーダパルスの数をカウントする替わりに、シャッターの移動距離を機械的なカウント値をもとに検出する機械式のカウンタを利用する場合にも起こる可能性がある。
【0010】
このような問題を解決するために、別途、緊急用リミットスイッチ(エマージェンシーリミットスイッチ)を設けることも考えられる。緊急用リミットスイッチは、例えば、シャッターカーテンが巻き取りシャフト等に巻き取られるシャッターの開動作時において、所定の完全開放位置を越えても巻き取りをつづけてしまったために、シャッターカーテンの巻きの厚みが異常に厚くなったことを検出する装置である。
【0011】
しかしながら、緊急用リミットスイッチは、前記巻きの厚みを検出するセンサを含んだ装置となるため、コストが高い。また、シャッターの種類によっては、緊急用リミットスイッチの適用が困難となる場合もある。その理由としては、例えば、シャッターカーテンの厚みが極めて薄いため緊急用リミットスイッチに要求される精度が高くなりすぎたり、巻き取りシャフトの周辺に、緊急用リミットスイッチを取り付けるためのスペースを確保することが困難であること等があげられる。
【0012】
なお、以上の課題は、シートシャッター、ガレージ用シャッター、窓用シャッターなどのシャッター用だけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の開閉システムにも共通している。
【0013】
本発明は、信頼性をより高めることが可能な開閉システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明では、所定の動作限界位置を限度として、所定の軌道上で開閉体を移動することで開閉動作を行う開閉システムにおいて、前記軌道上に設定された特定位置から所定の動力で前記動作限界位置まで前記開閉体が移動するのに要する基準時間をもとに、前記開閉体が動作限界位置に到達したタイミングを推定する限界位置到達推定手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる開閉システムを、シートシャッターのための遠隔操作システム(リモコンシステム)に適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0016】
本実施形態では、当該遠隔操作システムは、有線リモコンシステムと前記無線リモコンシステムを混合した混合システムであるものとする。
【0017】
ここで、有線リモコンシステムとは、シャッターシステムを構成要素として含むリモコンシステムであって、有線通信によってシャッター動作を行うものである。
【0018】
一般に、遠くから離れた不特定の位置からシャッター動作を行うことができ、使い勝手が良いという点では前記無線リモコンシステムが有利であり、通信の信頼性の点や、常に特定の位置でシャッター動作を指定したい場合などには、当該有線リモコンシステムが向いている。
【0019】
また、同じシャッターシステムを有線でも無線でも制御できると、融通性に富み、ユーザの都合によりどちらの方法を取ることも可能となる。したがって実際のリモコンシステムは、これら無線リモコンシステムと有線リモコンシステムの特徴を混合した混合システムとすることも少なくない。
【0020】
本実施形態の遠隔操作システムは、シャッター動作に関する動作モードとして、電力供給されているモータを動力源とし、電気制御によって開閉動作を行う電動動作モードと、ユーザの手作業により人力を動力源として開閉動作を行う手動動作モードの2つを備えている。
【0021】
なお、前記電動動作モードにおいてシャッター動作を指示するユーザの立場からみた操作モードとして、ユーザが後述する操作スイッチを押し続けている期間だけユーザの操作に応じたシャッター動作を行う制限操作モードと、いったん操作スイッチを押せば、押し続けなくても、その操作に応じたシャッター動作を自動的に行う非制限操作モードがあり得るが、以下の説明では、簡単のために非制限操作モードのみを想定する。
【0022】
(A−1)実施形態の構成
シートシャッターの遠隔操作システム10の全体構成例を図2に示す。
【0023】
図2において、当該遠隔操作システム10は、後述する記憶処理部11と、リモコン送信機12と、シートシャッター13と、当該シートシャッター13によって開閉される開口部15とを備えている。
【0024】
このうちシートシャッター13は、鉄などの金属によって構成された多数のスラットを備えるスラットシャッターと異なり、ポリエステルなどの軽い素材によって構成されたシート状のカーテン部を主体とするシャッターである。当該シートシャッター13では、素材が軽量であるから、シャッター13の開閉動作の動力源となるトルクを供給するモータ(図示せず)の出力軸に作用し得る慣性モーメントが小さく、高速な開閉動作が容易に実現できる。一例として、当該モータは、例えばACサーボモータであってよく、シートシャッター13に開動作(または閉動作)を行わせるとき、1秒間に3000回転程度の速度で回転するものであってよい。なお、本実施形態では、シャッターカーテン部が軽くて(スラットシャッターなどに比べると)脆弱な素材であることによる構成上の困難性と、機能の節約のため、当該モータのトルク変動に基づく負荷感知は行わないものとする。
【0025】
高速開閉が可能なことにより、シャッター開放後ただちにシャッター閉鎖を行うこと等が速やかに実行でき、当該シャッター13によって仕切られる空間SP1と空間SP2の相互間で、保温、保冷や、防塵、防虫効果などの向上が期待できる。
【0026】
図2中では、壁WLに設けられたガイドレールGRに沿って矢印D1方向に下端部13Aが移動する閉動作によってシャッター13が閉鎖され、反対に矢印D2方向に移動する開動作によって開放される。なお、図2に示した状態では、シャッター13が完全閉鎖と完全開放の中間位置にある。
【0027】
シャッター13の開閉動作などを行うユーザU1は、壁WLに固定的に設置された固定操作部(操作盤)14を操作するか、または、リモコン送信機12を操作することによって、所望の動作(必要に応じて、前記中間位置の変更なども含む)を行わせることができる。
【0028】
当該リモコン送信機12は、例えば、図3に示すような外観を備えている。当該リモコン送信機12は、携帯性に富み、ユーザU1の手の平に収まる程度にコンパクトなパームサイズの送信機である。このようにコンパクトな本体12A内にすべての機能を収容するため、当該リモコン送信機12の機能は極限まで節約する必要がある。
【0029】
図3において、リモコン送信機12の本体12Aはその上面から突出したPBS(プッシュ・ボタン・スイッチ)形式の3つの操作スイッチ51〜53を備えている。これら操作スイッチ51〜53は、シャッター動作(一般的には、開閉体の開、閉、停などの動作)を行わせ得るシャッター操作スイッチである。
【0030】
本実施形態では、当該シャッター操作スイッチ51〜53のうち、シャッター操作スイッチ51は、シャッター13の開動作を行わせるための開動作スイッチで、シャッター操作スイッチ52はシャッター13の閉動作を行わせるための閉動作スイッチで、シャッター操作スイッチ53はシャッター13の開動作または閉動作を任意のタイミングで停止させるための停止スイッチである。
【0031】
上述したように、本実施形態では、前記非制限操作モードのみを想定するため、ユーザU1が例えば、操作スイッチ51を一度、押せば、その後、操作スイッチ51を押し続けなくても、自動的に、シャッター13は下端部13Aが開口部15の上端に達する完全開放状態に移行して停止する。開口部15の高さは、HT1である。
【0032】
なお、各操作スイッチ51〜53の機能として例えば、閉動作スイッチ52と停止スイッチ53を同時に短く(例えば3秒以内)押すことによって、所定の中間位置(中間停止位置)までの開動作および閉動作(すなわち中間停止動作)を指示できるようにすること等も望ましい。
【0033】
必要に応じて、これらの操作スイッチ51〜53の操作を52,53以外の組合せにしたがって組み合わせることにより、もっと複雑な動作を行わせることも可能である。一例として、当該シャッター13がスラットシャッターなどである場合には、換気動作(隣接するスラット間に設けられた開口の大きさを制御することによりシャッターの内外の空気が流通し得ない状態から流通し得る状態へ移行する動作)などが、当該複雑な動作に該当する。
【0034】
当該リモコン送信機12の内部構成例は図4に示す。
【0035】
(A−1−1)リモコン送信機の内部構成例
図4において、リモコン送信機12は、無線送信部54と、送信処理部55と、プロセッサ56と、手順記憶部57と、操作検出部58と、操作応答部59とを備え、前記操作スイッチ51〜53は、当該操作検出部58に設けられている。
【0036】
このうち無線送信部54は、図2に示した無線伝送路としての空間TRを介してリモコン受信機を構成する記憶処理装置11内の後述する無線受信部41(図1参照)に対向する部分で、送信処理部55から所定の信号線を介して受け取った送信信号WSに対応した無線信号WL1を無線送信する。そのために、当該無線送信部54は、送信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備えている。当該無線信号WL1は、周波数帯域が例えば、300MHzや400MHz程度で、送信電力が例えば1mW程度の微弱な電波であってよい。
【0037】
また、前記送信処理部55は符号化処理や変調処理などの必要な処理を実行する機能を備え、プロセッサ56から供給される送信処理信号RPに応じて、生成する送信信号WSの内容を変化させる。
【0038】
リモコン送信機12の場合、当該送信信号WSの内容は、例えば、指定するシャッター動作や、ID登録操作などの種類に応じて決定される有限個であるので、送信する情報の発生源(この発生源は、例えばROM(リードオンリーメモリ)などであってよい)も送信処理部55の内部に存在し、前記送信処理信号RPに応じて当該発生源のなかから1つの送信情報を選択して読み出す構成であってもよい。
【0039】
ここで、IDとは、使用する周波数帯域などが同じであるためにリモコン受信機である記憶処理装置11が混同する可能性のあるリモコン送信機を一義的に識別し、真に当該記憶処理装置11に対して無線送信することのできるユーザのリモコン送信機から送信された無線信号WL1だけに基づいて、シャッター13の動作等を行うために使用される識別子である。そのため、リモコン送信機12には無線送信するたびに無線信号WL1のなかに当該IDを収容する証明機構(図示せず)が必要であり、記憶処理装置11には当該IDを識別し、ユーザ認証(または端末認証)を行うための検証機構(図示せず)が必要である。
【0040】
なお、シートシャッターの場合、工場などの建物の内部で、ある部屋と別な部屋を仕切る壁(前記WLに相当)に配置されることも多く、スラットシャッターなどに比べ機械的に脆弱であるためもともと防犯の機能などが弱い点を考慮すると、記憶処理装置11の受信範囲内に他のリモコン送信機が存在せず、真にユーザU1の意図したとおりのシャッター動作を行い得る環境では、当該証明機構や検証機構を省略しても差し障りは少ないものと考えられる。
【0041】
前記送信処理部55に送信処理信号RPを出力するプロセッサ56は、当該リモコン送信機12のCPU(中央処理装置)である。
【0042】
機能が極限まで節約されたリモコン送信機12を操作するユーザU1にとって唯一の遠隔操作手段である上述した3つの操作スイッチ51〜53を設けた操作検出部58は、各操作スイッチ51〜53について、その押し下げストロークが所定の長さに達すると操作検出信号PB1、PB2を出力する部分である。
【0043】
操作検出信号PB1は押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとり、その操作手順は手順記憶部57に一時的に記憶される。
【0044】
手順記憶部57は一時記憶している手順がどのような操作または入力データを指定しているかを判定して、その判定結果である判定信号DSをプロセッサ56に供給する部分である。
【0045】
前記操作検出信号PB1が前記手順記憶部57に供給されるのと同時に操作応答部59に供給される操作検出信号PB2も、当該PB1と同様に、押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとるようにしてもよいが、本実施形態では、操作スイッチ51〜53を区別せず、同じ状態をとるものとする。
【0046】
当該操作検出信号PB2を受け取った操作応答部59は、ブザーなどの音響発生器であり、操作スイッチ51〜53の押し下げが有効に検出されたことをユーザU1に伝えるために応答出力RAを出力する部分である。本実施形態では、操作スイッチ51〜53を区別しないので、いずれかの操作スイッチが十分に押し下げられると、一定音程、一定音色のブザー音が応答出力RAとしてユーザU1に聴取されることになる。これにより、ユーザU1は、聴覚的にスイッチ操作の有効性を確認することができる。
【0047】
例えば、豊富なユーザインタフェースを備えるパーソナルコンピュータなどと異なり、高度な携帯性が求められるリモコン送信機12は、前述の機能の節約の観点から、機能が極限まで切りつめられるので、どのようにして小規模な構成で効率的にユーザの操作がマシン(ここではリモコン送信機12)に認識されたか否かを確認するかは、重要になる。
【0048】
なおここでは、操作応答部59の応答出力RAを一定音程、一定音色のブザー音としたが、必要ならば、押し下げられた操作スイッチ51〜53または同時に押し下げられた操作スイッチの組合せに応じて音程や音色などを変化させるようにしてもよい。また、音響発生器による聴覚的な手段にかぎらず、LED(発光ダイオード)等の発光素子などを使用して、視覚的な手段で操作スイッチの操作が有効に検出されたことをユーザU1に伝えるようにしてもよく、視覚的な手段と聴覚的な手段を併用してもよい。
【0049】
ところで、本実施形態の記憶処理装置11においては、シャッター動作に関する動作モードとして、前記電動動作モードと手動動作モードがある。したがって必要ならば、リモコン送信機12から、これらのモード間の移行を制御したり、モード間の移行があったことや、その時点のモードがいずれのモードであるかを明示的に通知する手段を設けるようにしてもよいが、ここでは、リモコン送信機12の機能の節約を重視して、そのような手段は設けないものとする。
【0050】
このため、リモコン送信機12の例えば開動作スイッチ51を押しつづけてもシャッター13が動作しない場合(もちろん、すでに完全開放状態にある場合を除く)、ユーザU1は、給電停止や停電などの理由により記憶処理装置11が手動動作モードにあることを認識することになる。モータが動力源となり得ない手動動作モードでシャッター13の開閉を行うには、ユーザU1が手作業で所定のレバー(図示せず)などを操作したり、直接シャッター13の一部を把持して閉動作したりすること等が必要である。この場合、シャッター13の開閉に必要な動力源は、ユーザの人力である。
【0051】
前記リモコン送信機12から無線信号WL1を受信する記憶処理装置11の主要部の構成例は、図1に示す通りである。
【0052】
(A−1−2)記憶処理装置の内部構成
図1において、当該記憶処理装置11は、中間位置記憶部19と、上限位置記憶部20と、下限位置記憶部21と、学習対応部22と、基本時間記憶部24と、付加時間記憶部25と、比較部26と、タイマ部27と、手順記憶部31と、操作検出部32と、操作応答部36と、モータ制御部39と、無線受信部41と、受信処理部42と、制御部43とを備えている。
【0053】
このうち無線受信部41は受信用のアンテナシステム、フィルタ回路、電力増幅器などを備え、前記リモコン送信機12が無線送信した無線信号WL1を受信する部分で、受信した無線信号WL1に応じて前記送信信号WSに対応する受信信号WSを出力する。
【0054】
また受信処理部42は、前記送信処理部55と対称的な復号処理や復調処理などの必要な処理を実行する機能を備えた部分で、無線受信部41から供給を受けた前記受信信号WSに応じた受信処理信号RPをプロセッサ43に出力する。
【0055】
なお、手順記憶部31は前記手順記憶部57に対応し、操作検出部32は前記操作検出部58に対応し、操作応答部36は前記操作応答部59に対応するので、その詳しい説明は省略する。
【0056】
さらに、操作検出部32に設けられている操作スイッチ33は前記操作スイッチ51に対応し、操作スイッチ34は前記操作スイッチ52に対応し、操作スイッチ35は前記操作スイッチ53に対応する。
【0057】
前記モータ制御部39は厳密には記憶処理装置11の一部としてではなく、記憶処理装置11の外部であって前記モータの近傍に配置される部分で、電動動作モードでシャッター13の開閉動作の動力源となるモータの動作を制御する。当該モータの出力軸の回転量に応じて出力されるエンコーダパルスも、当該モータ制御部39に内蔵されたエンコーダから信号S23として制御部43へ供給される。
【0058】
制御部43はまた、当該記憶処理装置11のCPUでもあり、前記と反対方向に伝送される信号S23を用いてモータ制御部39を制御し、所望の開動作、閉動作、あるいは停止等に応じた動作をモータに行わせる。
【0059】
シートシャッター13の場合、材質などの点から、上述したように機械的に脆弱なので、シャッター13が矢印D2方向に移動して完全開放状態になるときの速度が速すぎると、シャッター収納ボックス(図示せず)にシャッター13が収納されるときの衝撃などによってシャッターカーテンが機械的に破損する可能性もあり、完全開放状態の少しまえにモータの出力軸の回転速度を減速する必要がある。反対に、矢印D1方向に移動して完全閉鎖状態になるときには、完全閉鎖状態にいたる少し前にモータへの電力供給を停止することにより、残りの行程は惰性や重力によるシャッター13の移動の速度が、空気抵抗や、摩擦などによって自然に減速する現象を利用する。このような制御は、速度情報記憶部(図示せず)が格納している速度情報に基づいて、自動的に、すなわち人手や外部装置からの指示等によることなく制御部43自体の判断により、行わせるものである。
【0060】
一方、記憶処理装置11が備える5種類の記憶部19〜21、24,25はすべて、記憶処理装置11に対する給電が停止された場合にもその記憶内容を保持する必要があるため、ROMなどの不揮発性の記憶手段で構成する必要がある。特に、記憶内容の書き換えが必要な場合には、不揮発性を有するとともに書き換えも容易なEEPROM(フラッシュメモリ:Electrical Erasable Programmable ROM)などの記憶手段を用いるとよい。
【0061】
ただしこれらの記憶部のうち位置記憶部19〜21の使用方法は、記憶処理装置11が内部で実行するシャッター13の位置(または移動距離)に関する認識の形成方法に依存して変化する。
【0062】
いずれの認識形成方法でも、制御部43内のカウンタ43Aが前記エンコーダパルスの数をカウントして得られるカウント値に応じて、シャッター13すなわちシャッター下端部13Aの位置(または移動距離)を検出して、シャッター13の移動を停止するタイミングを決めることができるが、具体的な方法として、連続カウント方式と、不連続カウント方式があり得る。
【0063】
連続カウント方式は、前回のシャッター動作の終了時のカウント値を保存(この保存にも、EEPROMなどの記憶手段を用いる)しておいて今回のシャッター動作の開始時のカウント値とするものであり、不連続カウント方式は、各シャッター動作の終了時のカウント値は保存せず、シャッター動作ごとに開始時のカウント値を一定の初期値(ここではこれを、0とする)にリセットするものである。
【0064】
連続カウント方式による動作例を図9(A)に示し、不連続カウント方式による動作例を図9(B)に示す。図9(A)および(B)ともに、完全閉鎖状態から開動作(EA1,EB1)を行って完全開放状態に移行し、当該完全開放状態から閉動作(EA2,EB1)を行って完全閉鎖状態に移り、当該完全閉鎖状態から中間位置への開動作(EA3,EB3)を行って、最後に当該中間位置から閉動作(EA4,EB4)を行って、完全閉鎖状態に移る場合の動作を示している。
【0065】
以下では、この連続カウント方式を例に取って説明を進める。
【0066】
連続カウント方式の場合、図9(A)の例では、前記上限位置記憶部20内に記憶される上限リミット位置データLUPは10000で、前記下限位置記憶部21内に記憶される下限リミット位置データLUNは0で、前記中間位置記憶部19内に記憶される中間位置データINTは5000である。
【0067】
ただし、カウンタ43Aによるエンコーダパルスのカウントは、シャッター下端部13Aが矢印D2方向に移動する開動作の場合には、エンコーダパルスが供給されるたびにインクリメントする処理であり、反対に、矢印D1方向に移動する閉動作の場合には、エンコーダパルスが供給されるたびにデクリメントする処理である。
【0068】
この場合、前記非制限操作モードでユーザU1が例えば、操作スイッチ51を押して開動作を指示すれば、シャッター13は自動的に、前記完全閉鎖状態(または中間位置)から完全開放状態へ移行し、完全開放状態へ移行したときに自動的に停止する。
【0069】
自動的に停止できるのは、その時点のカウンタ43Aのカウント値が上限位置記憶部20内に格納されている上限リミット位置データLUPの値に一致したことを制御部43が検出したためである。したがって、当該上限リミット位置データLUPやカウンタ43Aのカウント値と、実際のシャッター下端部13Aの位置の関係がずれるような事象(例えば、エンコーダパルスS23に関する障害、カウンタ43Aのカウント誤り、手動動作モードにおけるユーザによるシャッター13の移動など)が発生したときには、そのあとの電動動作モードにおける移動で、前記モータが機械的な限界を超えてシャッター13を移動して開動作(または閉動作)を完遂しようとすることが起こり得、上述したモータ等の加熱などによる電気的な破損や、シャッター13またはシャッター13を取り付けている建物の機械的な破損などが発生するおそれがある。
【0070】
この問題に対応するため、本実施形態では、構成要素22,24〜27を設けてある。
【0071】
このうち基本時間記憶部24は、シャッター13が開動作または閉動作を行うために必要とする基本的な時間(基本時間)を記憶した部分である。記憶処理装置11は、シャッター下端部13Aが移動を開始してから、該当する基本時間が経過したとき、シャッター下端部13Aが該当する位置に到達したものと推定することができる。この推定は、その性質上、上述したエンコーダパルスのパルス数をカウントすることによって行う、シャッター13の開動作(または閉動作)の自動的な停止制御(通常停止制御)と、できるだけ独立した処理によって行う必要がある。
【0072】
信頼性の観点から、通常停止制御に関して発生した問題が当該推定に影響することを防ぐ必要があるためである。
【0073】
したがって、コスト面などの条件が許すなら、当該推定のためのプロセッサを、制御部43とは別個に設けて、マルチプロセッサ構成とすることも望ましい。
【0074】
基本時間には様々なものがあり得るが、シャッター下端部13Aの移動方向に応じて、開放方向(矢印D2方向)の基本時間と閉鎖方向(矢印D1方向)の基本時間に2分することができる。
【0075】
一般的にはシャッター下端部13Aの移動距離が同じであれば、移動方向が異なっても同じ基本時間を適用することができる場合も少なくないと考えられるが、重力の影響などを考慮すると、厳密には、開放方向と閉鎖方向では力学的にかなり異なる運動が行われるはずであり、異なる基本時間を適用する必要性も高い。
【0076】
本実施形態のシャッター13も、上述したように、開放方向ではモータ軸の回転速度を減速するように制御し、閉鎖方向では完全閉鎖状態にいたる少し前にモータへの電力供給を停止することにより、残りの行程は惰性や重力によるシャッター13の移動速度が、空気抵抗や、摩擦などによって自然に減速する現象を利用する。
【0077】
したがって本実施形態では、移動距離が同じであっても開放方向と閉鎖方向に異なる基本時間を適用し、その基本時間を示す情報を基本時間記憶部24が格納している。図1に示したPT1がシャッター13が完全閉鎖状態から完全開放状態へ移動する際の基本時間を示し、UT1は、シャッター13が完全開放状態から完全閉鎖状態へ移動する際の基本時間を示す。両者は、移動距離は同じHT1に対応するが、移動方向が異なる。
【0078】
移動の始点または終点が中間位置となる移動、すなわち、中間位置から完全開放状態への移動、中間位置から完全閉鎖状態への移動、完全開放状態から中間位置への移動、完全閉鎖状態から中間位置への移動も行う場合には、それぞれの移動のための基本時間も、当該基本時間記憶部24に格納することになる。
【0079】
なお、中間位置が高さHT1の厳密な中間に位置する場合、移動の始点または終点が中間位置となる移動のなかで、移動距離(HT1/2)と移動方向がともに同じ移動が2組できるが、同じ組のなかでは、同じ基本時間を使用できる可能性が高い。
【0080】
ここで、完全閉鎖状態から中間位置への移動と中間位置から完全開放状態への移動が1つの組に属し、完全開放状態から中間位置への移動と中間位置から完全閉鎖状態への移動がもう1つの組に属する。
【0081】
このケースにおいて、移動距離と移動方向の組み合わせに応じた基本時間は図10に示すPT1,PT11,UT1,UT11となる。
【0082】
図10において、PT1とUT1の意味は上述した通りであり、PT11は、開放方向(矢印D2方向)の移動であって、その始点または終点が中間位置となる移動に対応する基本時間である。同様に、UT11は、閉鎖方向(矢印D1方向)の移動であって、その始点または終点が中間位置となる移動に対応する基本時間である。
【0083】
なお、終点が中間位置となる移動の場合、通常停止制御による停止が遅れたとしても前記電気的な破損や機械的な破損などの問題が生じる可能性は小さいと考えられるが、正確に所定の中間位置の手前で停止させることが必要な場合もあるので、ここでは、終点が中間位置となる移動についても後述する強制停止制御を行うものとしている。
【0084】
正確に所定の中間位置の手前で停止する必要性が低い場合などには、終点が中間位置となる移動に関しては、強制停止制御を行わないようにしてもよく、行う場合でも、付加時間の大きさを比較的大きなものとしてもよい。
【0085】
付加時間記憶部25は、この付加時間を記憶するための記憶部である。
【0086】
付加時間とは、記憶処理装置11内部の処理上、前記基本時間(例えば、PT1)に対して付加される時間である。
【0087】
ある移動(例えば、完全開放状態から完全閉鎖状態への移動)が発生してから基本時間が経過すれば、上述したように、シャッター下端部13Aは当該基本時間に該当する位置(この場合、完全閉鎖状態(完全閉鎖位置))に到達しているものと推定することができるが、この推定は、前記通常停止制御がまだ行われていないことを無視して強制的に停止制御(強制停止制御)を実行するための根拠となる処理であり、この強制停止制御によって、前記電気的な破損や機械的な破損が発生することを防ぐものであるから、通常停止制御が正常に機能しているときには当該推定に基づいて強制停止制御を行うことは好ましくない。
【0088】
もしも、通常停止制御が正常に機能しているのに当該推定に基づいて強制停止制御を行う可能性が少しでもあれば、推定そのものに、より高い精度が要求される可能性が高くなる(例えば、完全閉鎖状態の少し手前で強制停止制御によりシャッター下端部13Aが停止することを防止する必要がある場合には、推定に高い精度が必要となる)が、正常時ならば、直接、モータの出力軸の回転に対応するエンコーダパルスを受け取り、このエンコーダパルスに基づいて実行する通常停止制御のほうが、予め設定した時間情報(例えば、基本時間PT1など)に応じて画一的に実行した前記推定に基く強制停止制御よりも、精度が高いはずであり、通常停止制御の精度に比べ、強制停止制御の精度(推定の精度)は低くなるように構成するのが合理的であると考えられるからである。
【0089】
要求精度が高まれば、一般的に、装置の規模が増大し、コストも高くなる傾向がある点からもそのように構成したほうが望ましいといえる。
【0090】
したがって、本実施形態では、通常停止制御の精度に比べ強制停止制御の精度(推定の精度)は低いものとする。
【0091】
なお、実際のシャッター13の開閉動作では、風圧など、シャッター13が設置されている環境などに応じて発生する不確定要素の影響もあり、移動を開始してから停止制御を行うまでの時間は変動し得る。エンコーダパルスにもとづく通常停止制御がこのような不確定要素を反映することができるのに対し、推定に基づく強制停止制御のほうは反映することができない点が、両者の精度の差となる。
【0092】
通常停止制御の精度に比べ強制停止制御の精度が低い場合において、通常停止制御が正常に機能しているのに強制停止制御を行ってしまう事態の発生を確実に防止するには、前記付加時間が必要であり、前記基本時間が経過し、それにつづく付加時間が経過したときにはじめて、推定にもとづく強制停止制御を実行する構成とする。
【0093】
付加時間は推定の精度(推定の精度は基本時間の精度に対応する)の低さを補うためのマージンであるから、基本時間の精度が低いほど、より長い付加時間が必要になる。
【0094】
また、この基本時間の精度が低いことに加え、前記開口部15の高さHT1(シャッター下端部13Aの移動距離に対応)が長いこと、シャッター下端部13Aの移動時間が長いこと、風圧などの不確定要素の発生頻度が高く、影響の度合いが大きいこと等は、当該付加時間を長くする要因(伸長要因)となり得る。さらに、シャッター13のシャッターカーテンを巻き取る前記巻き取りシャフトのシャフト径、シャッターカーテン部分の重さなども付加時間に影響を与える可能性がある。
【0095】
ただし付加時間の経過後に、前記強制停止制御が実行されるのであるから、上述した電気的な破損や機械的な破損が発生する前に、当該強制停止制御を実行する必要もあり、付加時間を無闇に長くすることはできない。したがって、付加時間の上限は、前記モータなどの電気系統の電気的な頑健性や、前記シャッター13やシャッター13を取り付けている建物などの機械的な耐久性に応じて規定され、付加時間の下限は前記伸長要因に基づいて規定される。
【0096】
電気的な頑健性や機械的な耐久性が著しく低い場合には、適切な付加時間を設定することが困難となることも起こり得るが、ここでは、必要最小限の電気的な頑健性や機械的な耐久性は確保されているものとする。
【0097】
必要最小限の電気的な頑健性や機械的な耐久性が確保されていれば、前記上限を限度として、前記伸長要因に応じた付加時間を設定することができる。
【0098】
伸長要因にはシャッター下端部13Aの移動距離や移動時間が含まれているため、伸長要因に忠実に設定するなら、各基本時間ごとに異なる付加時間を設定することになる。
【0099】
図1中の付加時間PM1は基本時間PT1に対応する付加時間であり、UM1は基本時間UT1に対応する付加時間であり、PM11は基本時間PT11に対応する付加時間であり、UM11は基本時間UT11に対応する付加時間である。ここで、対応する付加時間と基本時間を合わせた時間を、異常検出時間と呼ぶ。
【0100】
したがって、例えば、PM1+PT1は1つの異常検出時間であり、UM1+UT1はそれとは別な異常検出時間である。
【0101】
基本時間や付加時間は上述した伸長要因などに配慮して、製造業者、施工業者、ユーザU1などが、予め明示的に設定できるようにしてもよいが、実際にシャッター13を動作させた結果に基づいて自動的に設定(自動設定)できるようにすること、すなわち、予め定められている規則や方法等により制御部43自体が判断等を行って設定できるようにすることも簡便で望ましい。
【0102】
タイマ部27は、制御部43からのタイマ制御信号CC1に応じて、時間の計測を行う部分で、例えば、所定のクロックパルス(図示せず)の数をカウントする一種のカウンタとして構成することができる。このカウントの値が、タイマ部27が出力する計測時間TM1を示す。
【0103】
当該タイマ部27は、当該タイマ制御信号CC1の状態に応じて、初期値(ここでは、0とする)から、供給されるクロックパルスの数のカウントを開始し、また、タイマ制御信号CC1の状態に応じて、その時点のカウント値(計測時間TM1)を初期値にリセットするものであってよい。
【0104】
初期値からカウントを開始させるタイマ制御信号CC1は、シャッター13がいずれかの移動を開始したタイミングに供給され、カウント値をリセットさせるタイマ制御信号CC1は、上述した通常停止制御(または強制停止制御)が行われたタイミングに供給されるものであってよい。
【0105】
比較部26は、前記基本時間とその付加時間を加算して得られる時間を、計測時間TM1と比較し、比較結果信号MS2を制御部43に供給する部分である。
【0106】
具体的には、必ずしも加算を行う必要はなく、例えば、計測時間TM1を、まず基本時間(例えば、PT1)と比較し、計測時間TM1が当該基本時間に到達したら、計測時間TM1を初期値にリセットし、次に、計測時間TM1のカウントを開始するとともに当該基本時間に対応する付加時間(ここでは、PM1)と計測時間TM1の比較を行うものであってもよい。
【0107】
記憶部24,25中に格納されているいずれの時間(例えば、PT1,PT11、PM1などのいずれか)と比較を行うかは、制御部43から供給される比較制御信号MS1に応じて、比較部26が決定する。制御部43は、移動の種類に応じて比較制御信号MS1を変化させることができる。この比較制御信号MS1により、例えば、完全閉鎖位置から完全開放位置(完全開放状態)への移動の場合には、基本時間PT1とそれに対応する付加時間PM1が、それぞれ計測時間TM1と比較される。
【0108】
なお、前記基本時間記憶部24と付加時間記憶部25に格納されている時間情報(基本時間、付加時間)は、学習対応部22の学習機能に応じて、適応的に変更される。
【0109】
学習機能の内容には、様々なものがあり得るが、統計的な処理を用いたものであってよい。
【0110】
一例として、各移動に要した時間の所定回数(例えば、10回程度)あたりの平均値を求めて、その移動の新たな基本時間として制御部43に渡し、制御部43が基本時間記憶部24内にすでに格納されている古い基本時間を、この新しい基本時間に書き換えるものであってもよい。
【0111】
このような学習を行うため、学習対応部22は、少なくとも、学習用カウンタ22Aを備える必要がある。当該学習用カウンタ22Aは移動の時間を計測するためのタイマ部として機能する。学習用カウンタ22Aは、前記タイマ部27と同じクロックパルスに基づいてカウントを行い、そのカウント値を学習時間TM2として出力するものであってよい。
【0112】
また、前記平均値を算出する演算手段や、過去の移動に関するカウント値を記憶する記憶手段なども当該学習対応部22に搭載され得る。
【0113】
付加時間は基本時間に対応したものであるため、基本時間が書き換えられれば、対応する付加時間の書き換えも行われる。新たな基本時間から新たな付加時間を算出する処理は、制御部43が所定の算出手順にしたがって行うものであってよい。
【0114】
例えば、風圧などの不確定要素の発生頻度や影響の度合いは、シャッター13が設置される場所の環境に応じて大きくことなり、同じ場所でも、時間経過の影響を受ける可能性があるため、このような学習対応部22が必要となる。
【0115】
シャッター13の取り付け工事の際の施工の状況など(例えば、シャッター13とガイドレールGRのあいだの摩擦の大きさ等)も、不安定要素の1つであるとみることができるので、学習対応部22を設けておけば、不安定要素の影響の少ない安定した動作を期待することができる。
【0116】
しかしながらこのような不安定要素の影響が少ない場合には、学習対応部22が不要なこともあり得るため、学習対応部22を記憶処理装置11に搭載しないようにすることも可能である。また、学習対応部22を搭載した上で、ユーザU1からの指示に応じて、学習対応部22を有効化したり、無効化したりすることができるようにしてもよい。
【0117】
学習対応部22を利用する場合には、記憶部24,25に格納されている時間は書き換えが必要であるため、記憶部24,25は前記EEPROMなどを用いて構成するとよい。
【0118】
なお、ユーザU1からの指示(操作スイッチ35または53の押し下げ)に応じて移動の途中で停止が行われることがあるが、その場合、停止後に再開される移動(移動の方向は停止前と同じとは限らない)では、移動の始点が完全開放位置、中間位置、完全閉鎖位置のいずれでもない位置(不定位置)となるのが普通であるから、基本時間記憶部24に格納されている基本時間をそのまま利用することはできない。
【0119】
この場合、カウンタ43Aのカウント値や学習用カウンタ22Aのカウント値(学習時間TM2)などを用いて基本時間(例えば、PT1)を変更した上で利用するとよい。カウンタ43Aのカウント値は、その時点のシャッター下端部13Aの位置をほぼ正確に示している高精度な情報であるが、クロックパルスとは異なるエンコーダパルスをカウントした値であるため、その値をただちに基本時間の変更に利用することはできず、変換処理(換算処理)が必要となる可能性が高い。学習用カウンタ22Aが出力する学習時間TM2は、シャッター下端部13Aの位置を表現する正確さではカウンタ43Aのカウント値に劣るが、前記クロックパルスを利用したカウント値であるため、そのまま基本時間の変更に利用することができる利点がある。
【0120】
学習時間TM2を利用する場合、当該変更は、単なる減算(や加算)でよい。
【0121】
また、位置記憶部19〜21に格納される位置データINT、LUP、LUNは、製造工程等において、予め格納しておくようにしてもよいが、製造後、施工時などに格納するようにしてもよい。製造後に格納する場合、そのための所定の時間記憶モードに、記憶処理装置11が対応できるようにしておくことが望ましい。時間記憶モードに対応する場合、前記リモコン送信機12,固定操作部14、あるいは、図示しない内部操作盤などに、当該時間記憶モードに移行するための機能を持たせることとなる。
【0122】
なお、本実施形態で制御部43の外部に設けた記憶処理装置11の各構成要素(例えば、27、31など)は、実際の実装では、制御部43の内部で主としてソフトウエア的に実現するようにしてもよい。特に、本実施形態の特徴部分である学習対応部22,比較部26,タイマ部27などの機能をソフトウエア的に実現すれば、センサなどの物理的な機器や新たなハードウエアを追加する必要がないため、既存の記憶処理装置11のハードウエアをそのまま活用することができ、実現性に優れている。
【0123】
また、ここでは、記憶処理装置11を固定操作部14の外に配置しているが、記憶処理装置11の構成要素の全部または一部を、当該固定操作部14内に配置することも可能なことは当然である。
【0124】
さらに、本実施形態では、リモコン送信機12、固定操作部14のいずれを用いることもできるものとしたが、これらの操作の一部をリモコン送信機12だけ(または固定操作部14だけ)で行うことができるようにしてもよいことは当然である。
【0125】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作を、図6〜図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0126】
図6は基本時間および付加時間の前記自動設定を示すフローチャートであり、図7は、自動設定完了後、シャッター下端部13Aの下限停止状態(すなわち、完全閉鎖状態)から開始する動作を示すフローチャートであり、図8は、開動作の途中から開始するフローチャートである。
【0127】
図6のフローチャートは、P10〜P22の各ステップから構成されており、図7のフローチャートは、P30〜P45の各ステップから構成されており、図8のフローチャートは、P50〜P69の各ステップから構成されている。
【0128】
(A−2)実施形態の動作
遠隔操作システム10の通常の運用状態では、前記上限位置記憶部20には前記上限リミット位置データLUP(ここでは「10000」とする)が予め記憶処理装置11の製造時や施工時などに格納されており、前記下限位置記憶部21には下限リミット位置データLUN(ここでは「0」とする)が格納されている。また、前記中間位置記憶部18にも前記中間位置データINT(ここでは「5000」とする)が格納されている。
【0129】
そして、ユーザU1が前記リモコン送信機12または固定操作部14を操作することで、所望のシャッター動作を指示すると、指示通りのシャッター動作が、前記非制限操作モードで実行される。
【0130】
例えば、シャッター13が完全開放状態にあるときにリモコン送信機12の閉動作スイッチ52を押して閉動作を指示すれば、当該閉動作スイッチ52を押しつづけなくても、シャッター13は自動的に矢印D1方向へ閉動作を継続し、前記エンコーダパルスが1パルス受信されるごとに、前記カウンタ43Aのカウント値は10000からデクリメントされて行く。そして、当該カウント値が0となったときに、制御部43が通常停止制御を行い、シャッター13は完全閉鎖状態で自動的に停止する。
【0131】
これは、シャッター下端部13Aが図5(A)に示す完全開放位置から、図5(B)に示す完全閉鎖位置へ移動する際の記憶処理装置11内部の処理である。
【0132】
ところが、記憶処理装置11に対する給電が停止されている状態で、ユーザU1が手作業によりシャッター13を移動させると、例えば図5(C)に示すように、これらのいずれにも該当しない静的な位置IR1(前記不定位置の1つ)で、シャッター下端部13Aが停止することが起こる。
【0133】
この状態において、前記非制限操作モードでユーザU1が前記操作スイッチ(52(または34)を押すと、従来の構成ならば、シャッター下端部13Aは位置IR2まで到達しようとするから、上述したモータ等の加熱などによる電気的な破損や、電動シャッターの機械的な破損などの様々な現象が発生するおそれがある。
【0134】
本実施形態では、その対策として、図6〜図8のフローチャートの動作を実行する。
【0135】
図7および図8のフローチャートの動作を実行するためには、予め、図6のフローチャートにしたがって、前記異常検出時間、すなわち、基本時間および付加時間の自動設定を行うことを要する。ここでは、製造や施工の後、ユーザU1が前記時間記憶モードに切り換えることにより、自動設定を行うものとする。
【0136】
施工によるシャッター13や記憶処理装置11などの取り付けを行い、記憶処理装置11に電力供給を開始した直後は、記憶処理装置11はユーザU1からの指示を待ち受ける待機状態にある(P10,P11)。
【0137】
この状態でユーザU1が、前記リモコン送信機12,固定操作部14、あるいは、前記内部操作盤などに対して時間記憶モードに移行するための所定の操作を実行すると、ステップP12はYES側に分岐して、記憶処理装置11は時間記憶モードとなる(P13)。
【0138】
当初のシャッター下端部13Aの位置は(不定位置でさえなければ)いずれの位置であってもかまわないが、ここでは、完全閉鎖位置を想定している。
【0139】
完全閉鎖位置にあるとき、リモコン送信機12などを用いてユーザU1が開動作を指示すると(P14のYES側)、シャッター13は前記非制限操作モードにしたがって自動的に開動作を開始し(P15)、これと同時に、前記学習対応部22内の学習用カウンタ22Aはカウント動作を開始する(P16)。これにより学習時間TM2が増大して行く。
【0140】
このシャッター13とカウンタ22Aの動作は、前記制御部43が、シャッター下端部13Aが完全開放位置に到達したことを検出するまで継続される(P17のNO側の分岐)。
【0141】
シャッター下端部13Aの完全開放位置への到達を制御部43が検出すると、ステップP17はYES側に分岐し、シャッター下端部13は、前記通常停止制御によって自動的に停止する。このとき同時に、学習用カウンタ22Aのカウント動作も停止する(P19)。
【0142】
このときの学習用カウンタ22Aのカウント値(学習時間TM2)は、上述した基本時間PT1にあたる。
【0143】
学習用カウンタ22Aのカウント動作が停止すると、制御部43は当該基本時間PT1を前記基本時間記憶部24に格納する(P20)。これと同様な手順により、PT1以外の前記基本時間PT11,UT1,UT11の値を取得し、基本時間記憶部24に格納することができることは当然である。
【0144】
前記学習用カウンタ22Aが停止して当該基本時間PT1が得られたとき、制御部43は、当該基本時間PT1に対応する付加時間PT11を算出する。この算出は、上述した伸長要因のうち記憶処理装置11の機能だけで検出可能な要因の値を所定の算出式に適用して行うものであってよい。当該基本時間PT1の値は前記伸長要因のなかの移動時間にあたるため、付加時間PT11を決める際の基礎となり得ることは当然である。
【0145】
当該基本時間PT1,付加時間PT11を含め、所望の基本時間や付加時間を全部取得し、時間記憶部24,25に格納すると(P21)、時間記憶モードを終了することができる(P22)。
【0146】
次に、シャッター下端部13Aが下限停止中すなわち完全閉鎖位置にある状態から図7のフローチャートが始まるものとする。
【0147】
この状態で、リモコン送信機12などを操作するユーザU1から開動作が指示されると、制御部43は、シャッター13の開動作を開始させるとともに(P33)、前記タイマ部27に時間計測を開始させる(P34)。これにより、前記計測時間TM1の値が増加して行く。このとき学習対応部22を有効化しておけば、学習用カウンタ22Aにカウント動作を行わせ、学習時間TM2を生成させることもできる。
【0148】
前記非制限操作モードであるから、ユーザU1から新たな指示が出されない限り、前記通常停止制御によってシャッター下端部13Aが完全開放位置で停止するまでこの動作が継続される(P35のNO側、P40のYES側、P41)。通常のシャッターの運用を想定すると、このような動作が、最も発生頻度が高い動作となることが予想される。
【0149】
通常停止制御によって停止した場合、前記計測時間TM1のリセットなどを含む上限停止処理が実行される(P42)。
【0150】
その一方で、例えば、前記手動動作モードでユーザU1がシャッター13の開閉を行った等の理由で、通常停止制御を正常に行うことができずに、タイマ部27が出力する計測時間TM1が前記異常検出時間(PT1+PT11)を越えた場合、制御部43は、上述した強制停止制御によりモータへの電力供給を停止する(P43のYES側、P44)。これによりシャッター13は停止し(、あるいは、移動しようとしなくなり)、モータ等の加熱などによる電気的な破損や、シャッター13またはシャッター13を取り付けている建物の機械的な破損などの発生を防止することができる。
【0151】
このような強制停止制御の発生は、通常のシャッターの運用を想定すると、確率的に極めて希であることが予想される。
【0152】
強制停止制御が発生した場合、必要に応じて、位置記憶部19〜21に格納されている前記位置データ(ここでは、LUP)の書き換えなどを実行する必要が生じるが、このような書き換えへの対応が、ステップP45の異常検出処理に含まれ得る。
【0153】
前記通常停止制御も強制停止制御も実行される前に、ユーザU1から停止の指示が出された場合には、ステップP35がYES側に分岐してシャッター13は停止する(P36)。この停止が起きたときのシャッター下端部13Aの位置は、中間位置、完全開放位置、完全閉鎖位置のいずれでもない前記不定位置となる。
【0154】
当該不定位置での停止とともに、学習用タイマ22Aのカウント動作も停止するが(P37)、そのときの学習時間TM2は、当該不定位置を示す値TM2Aとなっている。
【0155】
シャッター13の停止(P36)にともない、所定の上昇中中間停止処理が実行される(P39)。上昇中中間停止処理の内容には様々なものがあり得るが、そのなかには少なくとも、開動作の途中で停止が行われたことを、制御部43が認識するための処理が含まれる。
【0156】
当該上昇中中間停止処理(P39)は、図8のステップP50と同じ処理であり、以降は図8のフローチャートの動作が実行される。
【0157】
図8において、待機状態(P51)にユーザU1から閉動作の指示が出されると(P52のNO側、P53のYES側)、前記基本時間UM1のかわりに当該学習時間TM2Aを用いて比較部26の動作を行い(P54)、閉動作を実行する(P55)。
【0158】
また、待機状態(P51)にユーザU1から開動作の指示が出されると(P52のYES側)、前記基本時間PT1をPT1−TM2Aに変更した上で、シャッター13の開動作(P57)、タイマ部27の時間計測(P58)などの各動作を行う。ステップP57以降の動作は図7のステップP33以降の動作と同様である。
【0159】
すなわち、ステップP57は前記P33に対応し、ステップP58は前記P34に対応し、ステップP59は前記P35に対応し、ステップP60は前記P36に対応し、ステップP61は前記P37に対応し、ステップP62は前記P38に対応し、ステップP63は前記P39に対応し、ステップP64は前記P40に対応し、ステップP65は前記P41に対応し、ステップP66は前記P42に対応し、ステップP67は前記P43に対応し、ステップP68は前記P44に対応し、ステップP69は前記P45に対応する。
【0160】
ただし、不定位置は停止するたびに動的に変化するため、ステップP62で得られる学習時間TM2の値は、前記TM2Aとは異なるTM2Bである。
【0161】
(A−3)実施形態の効果
本実施形態によれば、信頼性をより高めることが可能な遠隔操作システムを提供することができる。
【0162】
また、本実施形態の遠隔操作システムは実現性にも優れている。
【0163】
具体的には、本実施形態は、エンコーダパルス(S23)に関する障害、カウンタ(43A)のカウント誤り、手動動作モードにおけるユーザによるシャッター(13)の移動などに起因して、カウンタ(43A)のカウント値と実際のシャッター下端部(13A)の位置の関係がずれる現象への対策として有効である。
【0164】
(B)他の実施形態
上記実施形態では、本発明を混合システムに適用した場合を例に説明したが、本発明は、専用の無線リモコンシステムまたは有線リモコンシステムのいずれかに適用することも可能である。
【0165】
有線リモコンシステムに適用する場合、リモコン送信機は所定の装着部などに装着して、前記固定操作部14を使用する場合のように、有線伝送路を介して記憶処理装置11と通信するようにしてもよい。
【0166】
なお、上記実施形態では、無線信号WL1は周波数帯域が300MHzや400MHz程度で、送信電力が1mW程度の微弱な電波であったが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。これよりも高い周波数や低い周波数の電波を使用してもよく、赤外線などを使用してもよい。また、送信電力もこれよりも大きくしてもよく、小さくしてもよい。
【0167】
また、上記実施形態では負荷感知を行わないものとしたが、負荷感知を行う場合には、前記モータのトルク変動に基づいて負荷感知信号を出力する負荷感知部を設ける。負荷感知部は、シャッター下端部13Aが異物に当接したことを検出するために使用されることが多いが、シャッター下端部13Aに当接するのは、必ずしも異物である必要はなく、例えば、開口部15の床面などであってもよい。その場合、閉動作によってシャッター下端部13Aが当該床面に当接したとき、負荷感知信号が負荷の増大(例えば、トルクの増大)を示し、この増大に応じて、シャッターの閉動作を停止するように制御することになる。このような用途に負荷感知部を利用する場合、当該負荷感知部は、前記位置メモリ19〜21およびカウンタ43Aの代替手段として機能することとなる。
【0168】
この場合、当該負荷感知部が正常に動作しなかったときに、タイマ部27などが機能する構成とすることが可能である。
【0169】
また、上記実施形態では、電動動作モードを前提にタイマ部27等の機能を利用したが、必要に応じて、手動動作モードでも利用可能である。
【0170】
人力が動力源となる手動動作モードでは、例えば、機械的にブレーキをかけること等により、シャッターの運動を停止させることが考えられる。
【0171】
もちろんその場合には、手動動作モードであっても、タイマ部27等は有効に動作している必要がある。
【0172】
なお、上記実施形態では、前記停止制御の精度に比べ、前記推定の精度は低くなるように構成したが、もし必要ならば、推定の精度を停止制御と同程度またはそれ以上になるように構成してもかまわない。上述した基本時間(例えば、PT1)などを利用する処理により、推定の精度を、停止制御の精度以上に高めることは通常の条件下では原理的に不可能あると考えられるが、一例として、光電センサなどを利用して、シャッター下端部13Aの位置を直接、検出する構成とすること等により、推定(この場合は、測定)の精度を停止制御の精度以上に高めることが可能である。
【0173】
また、推定の精度を停止制御以上とした場合には、上述した付加時間は短縮または省略することができる。
【0174】
なお、シャッターの動作にそれほど高い精度が要求されない場合、例えば、完全閉鎖状態の少し手前でシャッター下端部13Aが停止しても問題が起きないようなケースでは、推定の精度が低く、なおかつ、付加時間を省略する構成を取ることも可能である。この場合、上述した強制停止制御と、通常停止制御が同程度の頻度で起こる可能性がある。
【0175】
また、上記実施形態では、付加時間の経過後に強制停止制御を行うものとしたが、強制停止制御とともに、ユーザU1(あるいは、制御部43)などへ異常発生を知らせる通報を行うようにしてもよい。一例として、シャッター13の近傍に警告ランプや警告ブザーなどを配置しておけば、この通報に応じて当該警告ランプを点灯させたり、警告ブザーを鳴動させたりすること等が可能となる。
【0176】
シャッターの形態によっては、強制停止制御を行わず、通報のみを行うものとしてもよい。
【0177】
なお、上記実施形態では、各移動の移動速度は前記速度情報に基づいて制御部43が自動的に制御することはあっても、ユーザU1側からの指示に応じて、明示的に移動速度を変更することはできなかったが、インバータ等を搭載することで、それが可能な構成としてもよい。これは、例えば、完全閉鎖状態から完全開放状態への移動を低速で行ったり、高速で行ったりするようにユーザU1が指示できる構成である。そのような構成の場合、上述した基本時間や付加時間は、指示された移動速度に応じて変化することは当然である。
【0178】
さらに、前記開閉動作とは、開方向のみ、閉方向のみ、または開閉両方向の移動動作を意味する。また、「閉」は開口部が存在するような場合にはこれを閉鎖する方向への移動を意味する概念であり、繰り出し、スライド移動、展張等を含む開閉体の前進を意味し、「開」は開口部が存在するような場合にはこれを開放する方向への移動を意味する概念であり、巻取り、収縮、折り畳み等を含む開閉体の後退を意味する。
【0179】
なお、上記実施形態では、エンコーダが出力するエンコーダパルスは、シャッター下端部13Aの絶対的な位置を検出できず相対的な移動距離のみを示すことができるものであったが、パルスエンコーダの場合と比較すると位置ずれ問題の発生はおきにくいとは思われるものの、必要ならば、絶対的な位置を検出することのできるアブソリュート型のエンコーダを用いることも可能である。
【0180】
なお、上記実施形態の構成要素のいくつかを省略したり、他の機能を持つ構成要素に置換したりしても本発明の効果を得ることは可能である。
【0181】
さらに、上記実施形態では、操作スイッチは、PBS形式のスイッチであるものとしたが、本発明は、PBS形式のスイッチに限って適用されるものではない。スライド式スイッチや回転式スイッチなどを使用してもよく、圧力や温度、静電気の変化などに反応する各種のスイッチを適用することもできる。
【0182】
なお、上記実施形態においては主として、シートシャッターについて本発明を適用したが、本発明はシートシャッター以外にも、ガレージ用シャッターや窓用シャッターなど各種のシャッターに適用することも可能である。
【0183】
さらに本発明は、シャッター用としてだけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドア、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの他の開閉装置の混合システムにも適用することが可能である。
【0184】
また、以上の説明において、情報の流れる方向は、基本的にはリモコン送信機からリモコン受信機(記憶処理装置11)へ向かう単方向であったが、本発明の適用範囲はこのような単方向通信に限定されるものではない。
【0185】
すなわち当該リモコン送信機を送信専用の通信機器ではなく遠隔操作用の送受信機である操作送受信機に置換するとともに、当該リモコン受信機を受信専用の通信機器ではなく遠隔被操作用の送受信機である被操作送受信機に置換し、必要に応じて全二重通信や半二重通信が行えるようにしてもよい。
【0186】
このとき操作送受信機から被操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、前記シャッター動作などを指示する動作状態指示信号であってよく、反対に被操作送受信機から操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、シャッター動作の現状を報告するための動作状態報告信号であってよい。
【0187】
当該動作状態報告信号は、その時点のシャッター動作状態が、例えば、「全開放状態」、「全閉鎖状態」、「一部開放状態(部分的に開放して停止している状態)」、「開動作中」、「閉動作中」、「異常発生」、モード(非制限操作または制限操作等の)状態などであることを示す信号であってよい。
【0188】
この場合、当該動作状態報告信号を受け取ることによって、操作送受信機のユーザは、シャッター動作状態が例えば当該「閉動作中」であることを認識することができる。
【0189】
また、当該操作送受信機を携帯受信機に置換し、被操作送受信機を固定送信機に置換することもできる。この場合、情報の流れる方向は、固定送信機から携帯受信機に向かう単方向となる。常時このような単方向通信だけが行われるシステム構成であってもよく、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るシステム構成であってもよい。
【0190】
すなわち、前記操作送受信機と被操作送受信機において、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るようにしてもよい。
【0191】
また、以上の説明では、主として、開閉装置側通信装置が遠隔被操作器であり、非開閉装置側通信装置が遠隔操作器である場合について説明したが、本発明は、このケースに限って適用できるものではない。
【0192】
非開閉装置側通信装置が受信だけを行う(ただし割り当てられているIDは送信する)実質的な受信専用機器である場合も考えられる。
【0193】
この受信専用機器は、例えば、メンテナンスなどを目的としたもので、開閉装置側通信装置が開閉体に関して保有している動作管理情報(開閉体の開閉位置、開閉回数、開閉に関する障害情報、開閉時の障害物当接感知の有無、モード(非制限操作または制限操作等の)状態、LUN等の位置データや補正値(すなわち、上記実施形態で説明した各種データ情報)など)などを受信し、受信結果を表示するものであってよい。
【0194】
また、この動作管理情報を開閉装置側通信装置が送信する送信タイミングについては、例えば、曜日や時間などを固定的に予め決めておいたり、有線で送信指示が与えられた任意のタイミングを、当該送信タイミングとすること等も可能である。
【0195】
さらに、当該送信タイミングで送信される前記動作管理情報の具体的な内容についても、予め固定的に決めておくようにしてもよく、指示された内容だけを送信するようにしてもよい。
【0196】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、信頼性をより高めることが可能な開閉システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る遠隔操作システムで使用する記憶処理装置の構成例を示す概略図である。
【図2】実施形態に係る遠隔操作システムの全体構成例を示す概略図である。
【図3】実施形態に係るリモコン送信機の外観例を示す概略図である。
【図4】実施形態に係るリモコン送信機の主要部の構成を示す概略図である。
【図5】実施形態の動作説明図である。
【図6】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図9】実施形態の動作説明図である。
【図10】実施形態における移動距離、移動方向ごとの基本時間を示す概略図である。
【符号の説明】
10…遠隔操作システム、11…記憶処理装置(リモコン受信機)、12…リモコン送信機、13…シートシャッター(シャッターカーテン部)、14…固定操作部、19…中間位置記憶部、20…上限位置記憶部、21…下限位置記憶部、22…学習対応部、24…基本時間記憶部、25…付加時間記憶部、26…比較部、27…タイマ部、31、57…手順記憶部、32…操作検出部、33〜35、51〜53…操作スイッチ、36…操作応答部、39…モータ制御部、41…無線受信部、42…受信処理部、43…制御部、43A…カウンタ。
Claims (10)
- 所定の動作限界位置を限度として、所定の軌道上で開閉体を移動することで開閉動作を行う開閉システムにおいて、
前記軌道上に設定された特定位置から所定の動力で前記動作限界位置まで前記開閉体が移動するのに要する基準時間をもとに、前記開閉体が動作限界位置に到達したタイミングを推定する限界位置到達推定手段を備えたことを特徴とする開閉システム。 - 請求項1の開閉システムにおいて、
前記基準時間以外の指標を用いる所定の限界位置到達検出処理により、前記開閉体が動作限界値位置に到達したことを検出すると、前記動力の供給を停止させる開閉動作制御手段と、
前記タイミングから所定のマージン時間が経過した後、前記動力の供給が継続していたら、動作異常として所定の異常時処理を実行する異常対応手段を備えたことを特徴とする開閉システム。 - 請求項2の開閉システムにおいて、
前記異常対応手段は、
前記異常時処理として、継続中の動力の供給を強制的に停止させる強制停止部を備えたことを特徴とする開閉システム。 - 請求項2の開閉システムにおいて、
前記異常対応手段は、
前記異常時処理として、異常の発生を通報する異常通報部を備えたことを特徴とする開閉システム。 - 請求項2の開閉システムにおいて、
前記開閉体の形態または周辺環境に応じて、前記マージン時間または前記基準時間の値を適応的に変化させることを特徴とする開閉システム。 - 請求項5の開閉システムにおいて、
前記開閉体が移動を開始してから、前記マージン時間が経過する前に前記開閉動作制御手段が自動的に前記動力の供給を停止するまでの移動時間をもとに、前記マージン時間または前記基準時間の値を学習する学習手段を備えたことを特徴とする開閉システム。 - 請求項1の開閉システムにおいて、
前記開閉体の形態または周辺環境に応じ、前記基準時間として開動作用の第1の基準時間と閉動作用の第2の基準時間を用意することを特徴とする開閉システム。 - 請求項1の開閉システムにおいて、
前記開閉体の形態または周辺環境に応じ、前記マージン時間として開動作用の第1のマージン時間と閉動作用の第2のマージン時間を用意することを特徴とする開閉システム。 - 請求項1の開閉システムにおいて、
前記特定位置は、前記動作限界位置の内の1つであることを特徴とする開閉システム。 - 請求項1の開閉システムにおいて、
前記特定位置は、前記動作限界位置を除く軌道上の中間位置であることを特徴とする開閉システム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003045676A JP2004257006A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 開閉システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003045676A JP2004257006A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 開閉システム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004257006A true JP2004257006A (ja) | 2004-09-16 |
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ID=33112424
Family Applications (1)
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004257006A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20240216790A1 (en) * | 2022-12-29 | 2024-07-04 | Interblock D.O.O. | Method for operating a shutter system for a dice system |
-
2003
- 2003-02-24 JP JP2003045676A patent/JP2004257006A/ja active Pending
Cited By (1)
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| US20240216790A1 (en) * | 2022-12-29 | 2024-07-04 | Interblock D.O.O. | Method for operating a shutter system for a dice system |
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