JP2004257594A - 冷却装置および冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱搬送媒体の送風流量を確保したうえで、熱発生源を予め定める温度範囲に冷却することができる冷却装置および冷却方法を提供する。
【解決手段】循環手段5によって、循環空間8に冷却空気を循環させ、冷却空気によって直流電動機2を冷却する。直流電動機2から熱を奪って加熱された冷却空気は、熱交換器4によって再び冷却される。各制御手段7a,7bによって、熱交換器4は、収容領域9の温度に基づいて、冷却空気を冷却する冷却能力が調整される。これによって連結領域12を通過した冷却空気の温度を変化させることができ、冷却空気の給送流量を確保したうえで、直流電動機2の温度を調整することができる。熱交換器5を制御するとともに、さらに循環手段5によって冷却気体を給送する給送流量が調整することによって、収容領域の温度が急変したとしても、予め定める温度範囲に短時間に調整することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】循環手段5によって、循環空間8に冷却空気を循環させ、冷却空気によって直流電動機2を冷却する。直流電動機2から熱を奪って加熱された冷却空気は、熱交換器4によって再び冷却される。各制御手段7a,7bによって、熱交換器4は、収容領域9の温度に基づいて、冷却空気を冷却する冷却能力が調整される。これによって連結領域12を通過した冷却空気の温度を変化させることができ、冷却空気の給送流量を確保したうえで、直流電動機2の温度を調整することができる。熱交換器5を制御するとともに、さらに循環手段5によって冷却気体を給送する給送流量が調整することによって、収容領域の温度が急変したとしても、予め定める温度範囲に短時間に調整することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱発生源の冷却装置に関する。たとえば本発明は、腐蝕雰囲気中に設けられる直流電動機を冷却するのに好適に用いられる冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の直流電動機の冷却方法としては、ファンを回転させることによって、設置場所の雰囲気気体を直流電動機に送風する技術がある。しかし雰囲気気体が、駆動源を劣化させる気体である場合がある。たとえば酸を用いて鋼帯の脱スケール処理を行う酸洗ラインにおける雰囲気体は、酸成分、すなわち気化した酸や酸化水溶液の液滴を含む。酸洗ラインにおける雰囲気気体を直流電動機に送風すると、絶縁物に付着した酸の成分によって、絶縁物が溶けて、絶縁性が低下してしまう。また整流子片の表面荒れおよびブラシホルダーの錆が発生して、ブラシの摺動性が低下してしまう。これによって直流電動機の寿命が短くなってしまう。
【0003】
また他の従来の冷却方法として、雰囲気気体とは異なる熱搬送気体が循環する循環空間を形成し、その循環空間に電動機を配置する循環冷却方法がある(たとえば特許文献1および特許文献2参照)。これによって循環空間には、雰囲気気体が侵入することがなく、電動機の劣化が防止される。このような循環冷却方法では、さらに循環空間に熱交換器が配置される場合がある。この場合、熱交換器は、冷却管路を流れる冷却水によって熱搬送気体の熱を奪い、電動機がより冷却される。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−164799号公報
【特許文献2】
特開平10−327557号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した循環冷却方法を採用した場合、直流電動機は、設置場所の雰囲気気体の影響を受けることがなくなる。しかしながら冬季には、温度の低い冷却水が熱交換器の冷却管路を流れて、直流電動機が過剰に冷却されることがある。直流電動機は、過剰に冷却された場合にも整流子の過剰皮膜による整流不良や条痕発生の原因となる。
【0006】
また、熱搬送気体の送風流量を低下させて、直流電動機の過冷却を防ぐ技術がある。しかしながらこの場合には、熱搬送気体の流れが変化して、直流電動機のコイルが十分に冷却されない場合がある。また整流子に付着するダストを、熱搬送気体の風圧によって吹き飛ばすことができず、整流子片間の絶縁性が低下することがある。絶縁性が低下すると最悪の場合には、フラッシュオーバが生じて、整流子が破損してしまう場合がある。
【0007】
したがって一般に熱搬送媒体の送風流量は、最大送風可能流量の80%〜100%の範囲でしか調整することができず、送風流量を大きく低下させることができない。これによって熱搬送媒体の送風流量を変化させても、直流電動機の温度を十分に調整することができないという問題がある。すなわち冬季の場合には、相変わらず直流電動機が過剰に冷却されることを防止することができない。
【0008】
したがって本発明の目的は、熱搬送媒体の送風流量を確保したうえで、駆動源を予め定める温度範囲に冷却することができる冷却装置および冷却方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱発生源が収容される収容領域を含んで閉ループ状となる循環空間を形成する循環空間形成手段と、
熱搬送媒体を循環空間に循環させる循環手段と、
熱搬送媒体を冷却する冷却手段と、
収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度を検出する第1温度検出手段と、
収容領域から流れ出す熱搬送媒体の温度を検出する第2温度検出手段と、
第1温度検出手段によって検出される温度に基づいて、冷却手段を制御する第1制御手段と、
第2温度検出手段によって検出される温度に基づいて、循環手段を制御する第2制御手段とを含むことを特徴とする冷却装置である。
【0010】
本発明に従えば、循環手段によって、循環空間に関して熱搬送媒体を循環させる。熱搬送媒体は、冷却手段によって冷却される領域と、熱発生源によって加熱される領域とを交互に通過して循環空間を循環する。熱発生源を通過した熱搬送媒体は、熱発生源から熱を奪って加熱されるが、冷却領域を通過することで再び冷却される。熱発生源は、熱搬送媒体によって熱が奪われて冷却される。
【0011】
循環空間は、閉ループ状に形成され、外部から熱発生源を劣化させる流体が侵入することがなく、熱発生源を劣化させない媒体を熱搬送媒体とすることで、劣化を防いで熱発生源を冷却することができる。
【0012】
また第1制御手段が、循環空間を流れる熱搬送媒体の温度に基づいて冷却手段を制御する。これによって冷却手段によって冷却される領域を通過した熱搬送媒体の温度を変化させることができ、熱搬送媒体の給送流量を予め定める範囲から変化させずに、熱発生源の温度を調整することができる。すなわち熱搬送媒体の給送流量を確保したうえで、熱発生源を予め定める温度範囲に冷却することができる。
【0013】
また第1および第2制御手段によって、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を変化させるとともに、熱搬送媒体の給送流量を変化させることができる。これによって収容領域の温度をより精度よく調整することができる。また熱搬送媒体を冷却する冷却能力と、熱搬送媒体の給送流量とをともに制御することによって、熱発生源の温度を広範囲にわたって調整することができる。
【0014】
また第1制御手段が、収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度に基づいて、冷却手段を制御する。収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度は、冷却手段の冷却能力の変化による影響を受けやすい。したがって第1制御手段は、冷却手段の冷却能力の変化に対応する熱搬送媒体の温度変化を正確に得ることで、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を精度よく調整することができる。
【0015】
また第2制御手段が、収容領域から流れ出す熱搬送媒体の温度に基づいて、循環手段を制御する。収容領域から流れ出す熱搬送媒体の温度は、熱搬送媒体の給送流量の変化による影響を受けやすい。したがって第2制御手段は、給送流量の変化に対応する熱搬送媒体の温度変化を正確に得ることで、給送流量を精度よく調整することができる。このように各制御手段がそれぞれ個別に冷却手段と循環手段とを制御することによって、収容領域の温度をより精度よく調整することができる。
【0016】
また熱発生源によって、収容領域の温度が急変した場合であっても、収容領域から流れ出る熱搬送媒体の温度に基づいて、循環手段を制御することによって、短時間に予め定める温度に調整することができる。
【0017】
また本発明は、循環手段は、回転速度が変更可能なファンを備え、第1制御手段は、ファンの回転速度をインバータ制御することを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、循環手段は、インバータ制御されて熱搬送媒体の給送流量を調整可能である。循環手段は、インバータ制御されることによって消費エネルギーを低減することができ、冷却装置のランニングコストを低減することができる。
【0019】
また本発明は、冷却手段は、冷却水が流れる冷却管路と、
冷却管路に冷却水を供給する供給手段と、
冷却管路の開閉を連続的または多段階に調整可能な開閉弁とを備え、
第2制御手段は、開閉弁を制御することを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、冷却水は、冷却管路を流れるとともに、熱搬送媒体から熱を奪って加熱される。冷却管路の開閉度を大きくすると、冷却管路を流れる冷却水の流量が大きくなり、冷却管路の温度が下がる。これによって熱搬送媒体を冷却する冷却能力が高くなる。また冷却管路の開閉度を小さくすると、冷却管路を流れる冷却水の流量が小さくなり、冷却管路の温度が上がる。これによって熱搬送媒体を冷却する冷却能力が低くなる。このように第2制御手段が開閉弁を制御することによって、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を変化させることができ、冷却管路に供給する冷却水の温度を変化させる必要がないので、簡単な構成によって冷却手段を実現することができる。たとえば冷却水は、工業用水および生活用水などを温度調節せずに用いることができる。
【0021】
また本発明は、前記熱発生源は、直流電動機であることを特徴とする。
本発明に従えば、熱発生源が直流電動機であり、直流電動機に熱搬送媒体を吹き付けて冷却する。冷却装置は、熱搬送媒体によって、直流電動機のうち加熱される部分を冷却し、コイルの被膜が溶けることを防ぐことができる。また冷却装置は、熱搬送媒体によって直流電動機の整流子に付着したダストを吹き飛し、整流子間の絶縁性を保つことができる。このように冷却装置は、直流電動機を冷却するとともに、直流電動機の整流子間の絶縁性を保持することができるので、直流電動機の劣化を好適に防ぐことができる。
【0022】
また本発明は、熱発生源が収容される収容領域を含んで閉ループ状となる循環空間に熱搬送媒体を循環させる循環工程と、
収容領域の温度を検出し、検出した温度に基づいて、熱搬送媒体を冷却する冷却工程と、
収容領域の温度を検出し、検出した温度に基づいて、循環空間を循環する熱搬送媒体の流量を調整する流量調整工程とを含み、
冷却工程では、収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度に基づいて、熱搬送媒体を冷却し、
流量調節工程では、収容領域から流れ出す熱搬送媒体の温度に基づいて、熱搬送媒体の流量を調整することを特徴とする冷却方法である。
【0023】
本発明に従えば、冷却工程で、収容領域の温度に基づいて、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を調整する。これによって熱搬送媒体の給送流量を予め定める範囲から変化させずに、収容領域の温度を変化させることができる。したがって熱搬送媒体の給送流量を予め定める流量範囲内に確保したうえで、駆動源を予め定める温度範囲に冷却することができる。
【0024】
また本発明では熱搬送媒体を冷却する冷却能力を変化させるとともに、熱搬送媒体の給送流量を変化させることによって、収容領域の温度をより精度よく調整することができる。また熱搬送媒体を冷却する冷却能力と、熱搬送媒体の給送流量とをともに制御することによって、駆動源の温度を広範囲にわたって調整することができる。
【0025】
さらに収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度に基づいて、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を制御する。収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度は、冷却工程での冷却能力の変化による影響を受けやすい。したがって冷却工程では、熱搬送媒体を冷却する冷却能力の変化に対応する熱搬送媒体の温度変化を正確に得ることで、冷却能力を精度よく調整することができる。
【0026】
また収容領域から流れ出る熱搬送媒体の温度に基づいて、熱搬送媒体を給送する給送流量を制御する。収容領域から流れ出る熱搬送媒体の温度は、熱搬送媒体の給送流量の変化による影響を受けやすい。したがって流量調整工程では、給送流量の変化に対応する熱搬送媒体の温度変化を正確に得ることで、給送量を精度よく調整することができる。このようにそれぞれ対応する位置での温度に基づいて、冷却工程と流量調整工程とを個別に制御することによって、収容領域の温度をより精度よく調整することができる。
【0027】
また熱発生源によって、収容領域の温度が急変した場合であっても、収容領域から流れ出る熱搬送媒体の温度に基づいて、循環手段を制御することによって、短時間に予め定める温度に調整することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である冷却装置1を示すブロック図である。冷却装置1は、熱発生源を冷却する。本実施の形態では、熱発生源は、たとえば酸洗ラインに設けられ、鋼帯を巻戻しおよび巻取るリール、および鋼帯を搬送する各種ロールを回転駆動する回転電動機であって、特に直流電動機2である。
【0029】
冷却装置1は、循環空間形成手段3と、熱交換器4と、循環手段5と、温度検出手段6a,6bと、制御手段7a,7bとを含む。循環空間形成手段3は、閉ループ状となる循環空間8を形成する。循環空間8は、収容領域9と、連結領域12とを含む。収容領域9には、直流電動機2が収容される。また連結領域12は、収容領域9の一方側と、収容領域9の他方側とを連結する。循環空間8には、冷却空気で満たされる。冷却空気は、塩酸ガスなどの直流電動機2を劣化させる気体を含まない。また連結領域12は、冷却空気を冷却する冷却領域12cを含む。冷却領域12cは、後述する熱交換器4の冷却部分15aが配置される領域である。
【0030】
循環空間形成手段3は、収容領域9を形成する収容部13と、連結領域12を形成する連結部14とを含む。収容部13は、直流電動機2を覆い、入口側開口10および出口側開口11とが形成される。直流電動機2は、収容部13に収容された状態で、その回転軸30が収容部13から突出する。回転軸30は、軸線まわりに回転自在に設けられ、収容部13は、回転軸30を回転自在に支持する。直流電動機2は、回転軸30が入口側開口11寄りに配置され、整流子が出口側開口11寄りに配置される。連結部14は、中空に形成される管路、たとえばダクトによって実現される。
【0031】
収容部13および連結部14は、外部から内部に流体が侵入することを防ぐように密閉して形成されて、内部に循環空間8が形成される。収容部13の内部空間が収容領域9となり、連結部14の内部空間が連結領域12となる。これによって酸洗ラインなどにおける腐蝕雰囲気気体、すなわち気化した酸または酸化水溶液の液滴を含む大気が循環空間に侵入することを防止して、循環空間と外部空間とを遮断することができる。
【0032】
循環手段5は、回転翼であるファン5aと、ファン5aを回転させるモータ5bと、インバータ制御部5cとを含んで構成される。ファン5aは、循環空間8に配置され、たとえば多翼ファンによって実現される。モータ5bは、ファン5aを回転駆動する。
【0033】
ファン5aは、回転駆動されることによって、循環空間8で冷却空気を一方向Aに移動させる。これによって冷却空気は、循環空間8を一方向Aに循環する。以後、冷却空気が移動する方向を単に移動方向Aと称する。
【0034】
冷却空気は、循環手段5によって、連結領域12と収容領域9とを交互に通過して、循環空間8を循環する。具体的には冷却空気は、連結領域12から収容部13の入口側開口10を通過して収容領域9に流入する。冷却空気は、収容領域9で入口側開口10から出口側開口11に向かって流れる。冷却空気は、収容領域9から出口側開口11を通過して連結領域12に流入する。連結領域12の冷却空気は、収容部13の入口側開口10に向かって流れ、ふたたび収容領域9に流入する。
【0035】
収容領域9を通過した冷却空気は、直流電動機2から熱を奪って加熱される。また連結領域12を通過した冷却空気は、熱交換器4によって熱が奪われて再び冷却される。このように冷却装置1は、冷却空気が熱を搬送する熱搬送媒体となることによって、直流電動機2を冷却する。
【0036】
モータ5bは、ファン5aの回転速度を変更可能である。ファン5aの回転速度が変化することによって、冷却気体が循環空間を移動する移動速度が変化する。言換えると直流電動機2に給送される冷却気体の流量が変化する。たとえばモータ5bは、誘導モータおよび動機モータなどの交流モータによって実現される。モータ5bは、インバータ制御部5cから与えられる電圧の形態に応じて、ファン5aの回転速度を変化する。インバータ制御部5cは、後述する制御部7bから与えられる制御信号に応じて、モータ5bに与える電圧の周波数を変化させる。
【0037】
熱交換器4は、冷却管路15と、供給手段17と、電動弁18とを含む。熱交換器4は、冷却空気を冷却する冷却手段となる。冷却管路15は、管路内15を冷却水が流れる。冷却管路15のうち一部は、連結領域12に配置されて、冷却空気を冷却する冷却部分15aとなる。
【0038】
供給手段17は、たとえばポンプによって実現され、冷却管路15に冷却水を供給する。ポンプは、冷却水が貯留される貯留槽19から冷却水を吸引し、吸引した冷却水を冷却管路15に供給する。冷却水は、冷却管路15の一端部から冷却管路15の内部空間に流入し、冷却部分15aを通過して、冷却管路15の他端部から冷却管路15の外部空間に流出する。たとえば冷却水は、工業用水および生活用水によって実現される。
【0039】
電動弁18は、冷却管路15の開閉を多段階に調整可能であって、電動の開閉電動弁によって実現される。後述する制御手段7aから制御信号が与えられることによって、冷却水が通過可能な冷却管路15の領域を変化させることができる。電動弁18が連続的または多段階的に開閉度が制御されることによって、冷却水の流量を微調整することができる。
【0040】
電動弁18は、冷却管路15を流れる冷却水の流量を調節する冷却水流量手段となる。たとえば電動弁18に換えて、ポンプ自体を制御することによって、冷却管路15を流れる冷却水の流量を変化させてもよい。
【0041】
冷却水は、冷却管路15の冷却部分15aを流れる間に、冷却空気から熱を奪って加熱される。冷却管路15の開閉度を大きくすると、冷却管路15を流れる冷却水の流量が大きくなり、冷却管路15の温度が下がる。これによって冷却気体を冷却する冷却能力が高くなる。また冷却管路15の開閉度を小さくすると、冷却管路15を流れる冷却水の流量が小さくなり、冷却管路15の温度が上がる。これによって冷却気体を冷却する冷却能力が低くなる。このように制御手段7aが電動弁18を制御して、冷却管路15の開閉度を調整することによって、冷却気体を冷却する冷却能力が調整される。
【0042】
温度検出手段6a,6bは、2つ設けられる。各温度検出手段6a,6bは、収容領域9を流れる冷却空気の温度を検出する。2つのうち一方となる入口側温度センサ6aは、収容領域9に流れ込む冷却気体の温度を検出する。言い換えると入口側温度センサ6aは、収容領域9のうち移動方向A上流側となる入口側温度を検出する。また2つのうち他方となる出口側温度センサ6bは、収容領域9から流れ出す冷却気体の温度を検出する。言い換えると出口側温度センサ6bは、収容領域9のうち移動方向A下流側となる出口側温度を検出する。
【0043】
制御手段7a,7bは、各温度センサ6a,6bによって検出される温度に基づいて、循環手段5および電動弁18を制御する。各制御手段7a,7bは、たとえば温度調整器によってそれぞれ実現される。
【0044】
制御手段7a,7bは、第1制御手段7aと第2制御手段7bとを有する。第1制御手段7aは、入口側温度センサ6aの検出した温度に基づいて、電動弁18の開閉度を決定し、決定した開閉度になるように電動弁18に制御信号を与える。また第2制御手段7bは、出口側温度センサ6bの検出した温度に基づいて、インバータ制御部5Cに与える制御値を決定し、決定した制御値をインバータ制御部5cに制御信号を与える。また第1制御手段7aと第2制御手段7bとは、通信可能に構成される。第2制御手段7bは、第1制御手段7aからの制御信号に基づいて、循環手段5を制御可能に構成される。
【0045】
第1制御手段7aは、電動弁18の最適な開閉度を決定するにあたって、検出される入口側温度をフィードバック量とし、電動弁18の開閉度を操作量としてフィードバック制御する。たとえば第1制御手段7aは、電動弁18に対してPID制御動作を行う。
【0046】
第1制御手段7aは、検出される入口側温度が目標入口側温度よりも低い場合、電動弁18を閉じて、冷却管路15を流れる冷却水の流量を減少させる。これによって連結領域12を通過する冷却空気の温度低下率が小さくなり、温度の高い冷却空気が収容領域9に流入して、入口側温度が高くなる。
【0047】
また第1制御手段7aは、検出される入口側温度が目標入口側温度よりも高い場合、電動弁18を開いて、冷却管路15を流れる冷却水の流量を増加させる。これによって連結領域12を通過する冷却空気の温度低下率が大きくなり、温度の低い冷却空気が収容領域9に流入して、入口側温度が低くなる。このように第1制御手段7aによって電動弁18の開閉度を調整することによって、入口側温度が調整される。
【0048】
このように第1制御手段7aは、入口側温度センサ6aによって、収容領域9のうち冷却空気の移動方向A上流側の温度を取得する。収容領域9のうち冷却空気の移動方向A上流側の温度は、熱交換器4の冷却能力の変化による影響を受けやすい。したがって第1制御手段7aは、熱交換器4の冷却能力の変化に対応する冷却空気の温度変化を正確に得ることができ、熱交換器4の冷却能力を精度よく調整することができる。
【0049】
第2制御手段7bは、インバータ制御部5cの最適な制御値を決定するにあたって、検出される出口側温度をフィードバック量とし、インバータ制御部5cの制御値を操作量としてフィードバック制御する。たとえば第2制御手段7bは、インバータ制御部5cに対してPID制御動作を行う。
【0050】
第2制御手段7bは、検出される出口側温度が目標出口側温度よりも低い場合、インバータ制御部5cの制御値を小さくして、ファン5aの回転速度を低減して、循環空間8を流れる冷却空気の流量を減少させる。これによって収容領域9を通過する冷却空気の流速が小さくなり、温度の高い冷却空気が収容領域9から流出して、出口側温度が高くなる。
【0051】
また第2制御手段7bは、検出される出口側温度が目標出口側温度よりも高い場合、インバータ制御部5cの制御値を大きくして、ファン5aの回転速度を増加させて、循環空間8を流れる冷却空気の流量を増大させる。これによって収容領域9を通過する冷却空気の流速が大きくなり、温度の低い冷却空気が収容領域から流出して、出口側温度が低くなる。このように第2制御手段7bによってインバータ制御部5cの制御値を調整することによって、出口側温度が調整される。
【0052】
このように第2制御手段7bは、出口側温度センサ6bによって、収容領域9のうち冷却空気の移動方向A下流側の温度を取得する。収容領域9のうち冷却空気の移動方向A下流側の温度は、循環手段5による冷却空気の給送流量の変化による影響を受けやすい。したがって第2制御手段7bは、給送流量の変化に対応する冷却空気の温度変化を正確に得ることができ、給送流量を正確に調整することができる。たとえば入口側温度が一定であっても、直流電動機2の発熱量によって出口側温度が変化するので、出口側温度に応じることによって、直流電動機2の温度を精度よく調整することができる。
【0053】
本実施の形態では、第1および第2制御手段7a,7bによって、電動弁18および循環手段5をそれぞれ個別に制御したが、第1および第2制御手段の役割を果たす1つの制御手段によって、電動弁18および循環手段5を制御してもよい。
【0054】
また冷却装置1には、循環空間8に発生したダストを捕集するフィルタ20が設けられる。フィルタ20は、冷却空気の循環を阻害しないように連結領域12に配置される。フィルタ20がダストを捕集することによって、直流電動機2にダストが付着することを防止できる。
【0055】
図2は、各制御手段7a,7bの冷却動作を示すフローチャートである。まずステップS0では、目標温度、電動弁18の開閉範囲、循環手段の回転速度範囲などの温度制御に必要な情報が各制御手段7a,7bに入力される。次に作業者などが冷却作業の開始を示す制御信号を各制御手段7a,7bに与える。これによって各制御手段7a,7bは、ステップS1に進み、冷却動作を開始する。
【0056】
ステップS1では、第1制御手段7aは、電動弁18の開閉度を最大開放度となる100%にする。言換えると第1制御手段7aは、電動弁18によって冷却管路15を開放させる。第2制御手段7bは、インバータ出力を最大出力となる100%にする。言換えると第2制御手段7bは、ファン5aの回転速度を最大速度で回転させる。このように各制御手段7a,7bが冷却装置1の冷却能力を最大にして、ステップS2に進む。
【0057】
ステップS2では、第1制御手段7aが、入口側温度に基づいて、入口側温度が目標入口側温度に達するように、電動弁18の最適な開閉度を決定する。目標入口側温度は、第1制御手段7aに予め設定されており、たとえば40℃に設定される。第1制御手段7aが、電動弁18に制御信号を与えると、ステップS3に進む。
【0058】
ステップS3では、第1制御手段7aが、検出される入口側温度について目標とする目標入口側温度範囲内であるか否かを判断する。目標入口側温度範囲は、予め設定されている。たとえば目標入口側温度範囲は、目標入力側温度に対して±3℃の範囲に設定される。目標入口側温度範囲は、目標入口側温度範囲を含む。
【0059】
検出される入口側温度が、目標入口側温度範囲の範囲外である場合、ステップS4に進み、検出される入口側温度が、目標入口側温度範囲の範囲内である場合、ステップS6に進む。
【0060】
ステップS4では、第1制御手段7aが、電動弁18の開閉度について電動弁下限値であるか否かを判断する。電動弁18によって調整可能な開閉度は、予め設定されている。電動弁18の開閉度は、たとえば最大開放度の30%以上でかつ最大開放度となる100%以下の範囲に設定されている。第1制御手段7aは、電動弁18の開閉度が、電動弁下限値よりも大きいと判断すると、ステップS2に戻り、電動弁18の開閉度を再び調整する。第1制御手段7aは、電動弁18の開閉度が既に電動弁下限値であると判断すると、電動弁18によって入口側温度をさらに高くすることができないので、ステップS5に進む。
【0061】
ステップS5では、第1制御手段7aが、第2制御手段7bに第1制御信号を与える。第1制御手段7aから第1制御信号を受けた第2制御手段7bは、インバータ制御部5cを制御し、インバータ出力を予め定める値に制御する。たとえば予め定める値は、インバータ下限値であって最大出力の80%に設定される。第2制御手段7bが、インバータ出力を予め定められる値に制御すると、ステップS2に戻り、第1制御手段7aが電動弁18の開閉度を再び調整する。
【0062】
ステップS3において、第1制御手段7aが、検出される入口側温度について目標入口側温度範囲の範囲内であると判断すると、ステップS6に進む。ステップS6では、第1制御手段7aが、第2制御手段7bに第2制御信号を与える。第1制御手段7aから第2制御信号を受けた第2制御手段7bは、インバータ制御部5cを制御する。
【0063】
第2制御手段7bは、出口側温度に基づいて、出口側温度が目標出口側温度に達するように、インバータ制御部5cの最適な制御値を決定する。目標出口側温度は、第2制御手段7bに予め設定されており、たとえば45℃に設定されている。目標出口側温度は、目標入口側温度よりも高い温度に設定される。第2制御手段7bは、決定した制御値をインバータ制御部5cに与えて、インバータ制御部5cを制御する。第2制御手段7bがインバータ制御部5cに制御信号を与えると、ステップS7に進む。
【0064】
ステップS7では、第2制御手段7bが、検出される出口側温度について上限出口側温度であるか否かを判断する。上限出口側温度は、第2制御手段7bに予め設定されており、たとえば目標入口側温度よりも5℃〜8℃高い温度に設定される。
【0065】
検出される出口側温度が、上限出口側温度よりも低い場合、ステップS2に戻り、ステップS2で第1制御手段7aが、電動弁18の開閉度を再び調整する。また検出される出口側温度が、上限出口側温度よりも高い場合、ステップS8に進む。ステップS8では、第2制御手段7bが、インバータ制御部5cを制御し、インバータ出力をインバータ上限値、すなわち最大出力である100%に制御し、ステップS2に戻る。ステップS2で第1制御手段7aが、電動弁18の開閉度を再び調整する。
【0066】
このような各制御手段7a,7bの動作は、直流電動機2の運転を停止するなどして、直流電動機2を冷却する必要がなくなるまで継続される。直流電動機2を冷却する必要がなくなると、冷却作業の停止を示す制御信号が各制御手段7a,7bに与えられる。各制御手段7a,7bは、冷却作業の停止を示す制御信号を与えられると、冷却動作を終了する。また温度制御に関する情報は、冷却動作中に変更可能であってもよい。
【0067】
このように各制御手段7a,7bが動作することによって、収容領域9の入口側温度および出口側温度を目標とする温度に調整することができる。これによって収容領域9に収容される直流電動機2の温度を予め定める温度に保つことができる。
【0068】
各制御手段7a,7bは、まずステップS2で、電動弁18を制御して、収容領域9の入口側温度を調整する。このとき電動弁18の制御入口側温度が調整されることで、冷却空気の給送流量を変化させずに、直流電動機2を冷却する冷却量を変化させることができる。これによって冷却空気の給送流量を十分に確保したうえで、直流電動機2を予め定める温度範囲に調整することができる。冷却空気の温度を設定温度に保ち、直流電動機2が過剰に加熱することが防止されるとともに、冷却空気の風圧によって、整流子に付着したダストを確実に吹き飛ばして整流子片間の絶縁性が低下することを防ぐことができ、直流電動機2の寿命をさらに長期化することができる。
【0069】
またステップS4で、電動弁18の開度が下限値であって、電動弁18によって収容領域9の温度をさらに高くすることができない場合であっても、ステップS5で、インバータ出力を下げることによって、収容領域9の温度をさらに高くすることができ、広範囲にわたって温度調整を行うことができる。
【0070】
またステップS3で、検出される入口温度が、目標入力側温度範囲内となると、ステップS6で、インバータ制御部5cを調節する。これによって電動弁18を制御することによって、粗い温度調整の制御を行い、インバータ制御部5cを制御することによって、細かい温度調整の制御を行うことができる。インバータ制御部5cを制御する場合には、電動弁18を制御する場合に比べて短時間で温度を調整することができ、速応性を向上することができる。また粗い温度範囲の調整が行われた後にインバータ制御部5cの制御量が決定されるので、インバータ制御部5cの制御量を大きく変化させる必要がなく、冷却空気の給送流量が著しく低下するおそれをなくすことができる。
【0071】
このように電動弁18とインバータ制御部5cとをともに制御することによって、冷却空気の給送流量を大きく変化することなく、短時間で精度よく収容領域9の温度を調整することができる。また各制御手段7a,7bは、図2に示す各ステップS2〜S8の動作を繰り返すうちに、インバータ出力が最小出力に近づき、電動弁18の開閉度のみが調整された状態に落ち着くように制御することが好ましい。また直流電動機2によって出口側温度が一時的に急変したとしても第2制御手段7bによって、冷却空気の給送量を調整することができ、短時間で直流電動機2の温度を調整することができる。たとえば電動弁18を制御した場合には、収容領域9の温度が予め定める温度範囲に収めるまでに時間がかかる場合でも、インバータ制御部5cをさらに制御することで、収容領域の温度を短時間で温度範囲に収めることができる。
【0072】
以上のように本発明の冷却装置1によれば、各制御手段7a,7bが、熱交換器4を制御することで、冷却空気の給送流量を確保したうえで、直流電動機2を予め定める温度範囲に冷却することができる。また冷却空気の給送流量を過度に小さくする必要がない。
【0073】
また、制御手段7a,7bが、熱交換器4によって冷却空気を冷却する冷却能力を変化させるとともに、循環手段5によって冷却空気の給送流量を変化させるので、短時間で収容領域9の温度を予め定める温度範囲にすることができる。
【0074】
たとえば収容領域9の温度が急変したとしても、冷却空気の給送流量を変化させることで、予め定める温度範囲に短時間に調整することができる。また収容領域9の温度を微調整することができ、温度を精度よく調整することができる。また冷却空気を冷却する冷却能力と、冷却空気の給送流量とをともに制御することによって、さらに直流電動機2の温度を広範囲にわたって調整することができる。
【0075】
また循環手段5は、インバータ制御されて熱冷却空気の給送流量を調整可能である。循環手段5は、インバータ制御されることによって消費エネルギーを低減することができ、冷却装置1のランニングコストを低下することができる。また熱交換器5は、冷却管路15の開閉度が電動弁18によって調整されることによって、冷却空気を冷却する冷却能力を変化させることができる。これによって冷却管路15に供給する冷却水の温度を変化させる必要がなく、簡単な構成によって冷却空気を冷却する冷却能力を変化可能な冷却手段を実現することができる。冷却水は、工業用水および生活用水などを温度調節せずに用いることができる。
【0076】
図3は、本発明の他の実施の形態である冷却装置100を示すブロック図である。他の実施の形態である冷却装置100は、複数の直流電動機2a,2bを冷却する。冷却手段100は、冷却空気が循環する循環空間形成手段3以外の構成については、図1に示す冷却装置1と同様であり、同様の構成については説明を省略する。
【0077】
冷却装置100は、閉ループ状となる循環空間8を形成する。循環空間8は、複数の収容領域9a,9bと、連結領域12とを含む。複数の収容領域9a,9bには、複数の直流電動機2a,2bがそれぞれ個別に収容される。連結領域12は、さらに冷却領域12aと、2つの接続領域12b,12cとを含む。冷却領域12aは、熱交換器4の冷却部分15aが配置される。また第1接続領域12bは、冷却領域12aの一方側に連なり、分岐して各収容領域9a,9bの一方側にそれぞれ連なって延びる。また第2接続領域12cは、冷却領域12aの他方側に連なり、分岐して各収容領域9a,9bの他方側にそれぞれ連なって延びる。
【0078】
循環空間形成手段3は、各収容領域9a,9bを形成する複数の各収容部13a,13bと、連結領域12を形成する連結部14とを含む。各収容部13a,13bは、各直流電動機2a,2bを覆い、入口側開口10a,10bおよび出口側開口11a,11bとが形成される。連結部14は、中空に形成される管路によって実現される。連結部14は、熱交換器4の冷却部分15aが配置される熱交換器部分と、熱交換器部分一方側から分岐して各収容部13a,13bの入口側開口形成部分に連なる部分と、熱交換器部分他方側から分岐して各収容部13a,13bの出口側開口形成部分に連なる部分とを有する。収容部13a,13bおよび連結部14は、外部から内部に流体が侵入することを防ぐように密閉して形成されて、内部に循環空間8が形成される。
【0079】
冷却装置100は、上述した冷却装置1と同様の手段を有する。上述した冷却装置1と異なる点は、入口側温度センサ6aは、冷却領域12aよりも移動方向A下流側の温度を検出し、出口側温度センサ6bは、冷却領域12aよりも移動方向A上流側の温度を検出することである。
【0080】
以上のような冷却装置100であっても、図1に示す冷却装置1と同様に直流電動機2a,2bを冷却することができ、図1に示す冷却装置1と同様の効果を得ることができる。したがって直流電動機2a,2bが複数ある場合であっても、冷却空気の給送流量を確保したうえで、複数の直流電動機2a,2bを予め定める温度範囲に冷却することができる。
【0081】
上述した本発明の実施の形態は、発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において変更することができる。たとえば駆動源の設置場所を酸洗ラインとしたが、駆動源は、酸洗ライン以外の場所に設置されてもよい。たとえば冷却装置1,100は、大気中に海塩流子を含むような海浜臨海地に設置される直流電動機を冷却してもよい。これによって直流電動機2は、塩分を含む気体が触れることをなく、寿命を長期化することができる。また駆動源は、直流電動機以外であってもよい。また熱搬送媒体は空気であって、冷却管路を流れる媒体は冷却水であるとしたが、ともに熱を搬送可能である流体であればよい。その他、循環手段5および熱交換器4などは、上述した構成以外の構成であってもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の本発明によれば、各制御手段が循環手段と冷却手段とを制御することによって、熱搬送媒体の給送流量を確保したうえで、熱発生源を予め定める温度範囲に冷却することができる。また熱発生源の温度を精度よく調整することができる。これによって熱発生源を劣化させる流体の侵入を防ぐとともに、熱発生源に予め定められる動作温度範囲を保つことができ、熱発生源が劣化することを防ぐことができる。これによって熱発生源の寿命を長期化することができる。たとえば酸洗ラインに設けられる駆動源を交換する場合、酸洗ラインを停止する必要がある。本発明によれば、熱発生源の寿命を長期化することができるので、短期間で熱発生源を交換する必要がなく、酸洗ラインの稼働率を向上することができる。これによって製造される鋼帯を増やして生産コストを低下することができる。
【0083】
また各制御手段がそれぞれ個別に冷却手段と循環手段とを制御することによって、収容領域の温度を精度よく調整することができる。これによって収容領域に収容される熱発生源の温度をより精度よく調整することができる。また熱発生源の温度が変化したとしても、より短時間で予め定める範囲内に調整することができる。
【0084】
また請求項2記載の本発明によれば、循環手段は、インバータ制御されて熱搬送媒体の給送流量を調整可能である。循環手段がインバータ制御されることによって消費エネルギーを低減することができ、冷却装置のランニングコストを低下することができる。
【0085】
また請求項3記載の本発明によれば、冷却管路の開閉度を調節することによって、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を調整することができるので、冷却管路に供給する冷却水の温度を変化させる必要がなく、簡単な構成によって実現することができる。さらに冷却水は、工業用水および生活用水などを温度調節せずに用いることができる。
【0086】
また請求項4記載の本発明によれば、直流電動機に熱搬送媒体を吹き付けて冷却する。冷却装置は、熱搬送媒体によって、直流電動機のうち加熱される部分であるコイルを冷却し、コイルの被膜が溶けることを防ぐことができる。また冷却装置は、熱搬送媒体によって直流電動機の整流子に付着したダストを吹き飛し、整流子間の絶縁性を保つことができる。このように冷却装置は、直流電動機を冷却するとともに、直流電動機の整流子間の絶縁性を保持することができるので、直流電動機の劣化を好適に防ぐことができる。さらに直流電動機には、直流電動機を劣化させる流体が触れることがなく、直流電動機の錆および整流子の荒れを抑えることができる。
【0087】
また請求項5記載の本発明によれば、冷却工程と流量調整工程とを有することによって、熱発生源を予め定める温度範囲に冷却するとともに熱搬送媒体の給送流量を予め定める流量範囲内に確保することができる。また熱発生源の温度を精度よく調整することができる。これによって、熱発生源を劣化させる流体の侵入を防ぐとともに、熱搬送媒体の給送流量を確保したうえで、予め定められる使用温度範囲を保つことができ、熱発生源が劣化することを防ぐことができる。これによって駆動源の寿命を長期化することができる。
【0088】
たとえば酸洗ラインに設けられる熱発生源を交換する場合、酸洗ラインを停止する必要がある。本発明によれば、熱発生源の寿命を長期化することができるので、短期間で熱発生源を交換する必要がなく、酸洗ラインの稼働率を向上することができる。これによって製造される鋼帯を増やして生産コストを低下することができる。
【0089】
また冷却工程と流量調整工程とでそれぞれ対応する位置の温度に基づくことによって、収容領域の温度を精度よく調整することができる。これによって収容領域に流用される熱発生源の温度をより精度よく調整することができる。また熱発生源の温度が変化したとしても、より短時間で予め定める範囲内に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である冷却装置1を示すブロック図である。
【図2】各制御手段7a,7bの冷却動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の他の実施の形態である冷却装置装置100を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 冷却装置
2 直流電動機
3 循環空間形成手段
4 熱交換器
5 循環手段
5a ファン
5b モータ
5c インバータ制御部
6a 入口側温度センサ
6b 出口側温度センサ
7a 第1制御手段
7b 第2制御手段
8 循環空間
9 収容領域
12 連結領域
15 冷却管路
17 ポンプ
18 電動弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱発生源の冷却装置に関する。たとえば本発明は、腐蝕雰囲気中に設けられる直流電動機を冷却するのに好適に用いられる冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の直流電動機の冷却方法としては、ファンを回転させることによって、設置場所の雰囲気気体を直流電動機に送風する技術がある。しかし雰囲気気体が、駆動源を劣化させる気体である場合がある。たとえば酸を用いて鋼帯の脱スケール処理を行う酸洗ラインにおける雰囲気体は、酸成分、すなわち気化した酸や酸化水溶液の液滴を含む。酸洗ラインにおける雰囲気気体を直流電動機に送風すると、絶縁物に付着した酸の成分によって、絶縁物が溶けて、絶縁性が低下してしまう。また整流子片の表面荒れおよびブラシホルダーの錆が発生して、ブラシの摺動性が低下してしまう。これによって直流電動機の寿命が短くなってしまう。
【0003】
また他の従来の冷却方法として、雰囲気気体とは異なる熱搬送気体が循環する循環空間を形成し、その循環空間に電動機を配置する循環冷却方法がある(たとえば特許文献1および特許文献2参照)。これによって循環空間には、雰囲気気体が侵入することがなく、電動機の劣化が防止される。このような循環冷却方法では、さらに循環空間に熱交換器が配置される場合がある。この場合、熱交換器は、冷却管路を流れる冷却水によって熱搬送気体の熱を奪い、電動機がより冷却される。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−164799号公報
【特許文献2】
特開平10−327557号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した循環冷却方法を採用した場合、直流電動機は、設置場所の雰囲気気体の影響を受けることがなくなる。しかしながら冬季には、温度の低い冷却水が熱交換器の冷却管路を流れて、直流電動機が過剰に冷却されることがある。直流電動機は、過剰に冷却された場合にも整流子の過剰皮膜による整流不良や条痕発生の原因となる。
【0006】
また、熱搬送気体の送風流量を低下させて、直流電動機の過冷却を防ぐ技術がある。しかしながらこの場合には、熱搬送気体の流れが変化して、直流電動機のコイルが十分に冷却されない場合がある。また整流子に付着するダストを、熱搬送気体の風圧によって吹き飛ばすことができず、整流子片間の絶縁性が低下することがある。絶縁性が低下すると最悪の場合には、フラッシュオーバが生じて、整流子が破損してしまう場合がある。
【0007】
したがって一般に熱搬送媒体の送風流量は、最大送風可能流量の80%〜100%の範囲でしか調整することができず、送風流量を大きく低下させることができない。これによって熱搬送媒体の送風流量を変化させても、直流電動機の温度を十分に調整することができないという問題がある。すなわち冬季の場合には、相変わらず直流電動機が過剰に冷却されることを防止することができない。
【0008】
したがって本発明の目的は、熱搬送媒体の送風流量を確保したうえで、駆動源を予め定める温度範囲に冷却することができる冷却装置および冷却方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱発生源が収容される収容領域を含んで閉ループ状となる循環空間を形成する循環空間形成手段と、
熱搬送媒体を循環空間に循環させる循環手段と、
熱搬送媒体を冷却する冷却手段と、
収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度を検出する第1温度検出手段と、
収容領域から流れ出す熱搬送媒体の温度を検出する第2温度検出手段と、
第1温度検出手段によって検出される温度に基づいて、冷却手段を制御する第1制御手段と、
第2温度検出手段によって検出される温度に基づいて、循環手段を制御する第2制御手段とを含むことを特徴とする冷却装置である。
【0010】
本発明に従えば、循環手段によって、循環空間に関して熱搬送媒体を循環させる。熱搬送媒体は、冷却手段によって冷却される領域と、熱発生源によって加熱される領域とを交互に通過して循環空間を循環する。熱発生源を通過した熱搬送媒体は、熱発生源から熱を奪って加熱されるが、冷却領域を通過することで再び冷却される。熱発生源は、熱搬送媒体によって熱が奪われて冷却される。
【0011】
循環空間は、閉ループ状に形成され、外部から熱発生源を劣化させる流体が侵入することがなく、熱発生源を劣化させない媒体を熱搬送媒体とすることで、劣化を防いで熱発生源を冷却することができる。
【0012】
また第1制御手段が、循環空間を流れる熱搬送媒体の温度に基づいて冷却手段を制御する。これによって冷却手段によって冷却される領域を通過した熱搬送媒体の温度を変化させることができ、熱搬送媒体の給送流量を予め定める範囲から変化させずに、熱発生源の温度を調整することができる。すなわち熱搬送媒体の給送流量を確保したうえで、熱発生源を予め定める温度範囲に冷却することができる。
【0013】
また第1および第2制御手段によって、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を変化させるとともに、熱搬送媒体の給送流量を変化させることができる。これによって収容領域の温度をより精度よく調整することができる。また熱搬送媒体を冷却する冷却能力と、熱搬送媒体の給送流量とをともに制御することによって、熱発生源の温度を広範囲にわたって調整することができる。
【0014】
また第1制御手段が、収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度に基づいて、冷却手段を制御する。収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度は、冷却手段の冷却能力の変化による影響を受けやすい。したがって第1制御手段は、冷却手段の冷却能力の変化に対応する熱搬送媒体の温度変化を正確に得ることで、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を精度よく調整することができる。
【0015】
また第2制御手段が、収容領域から流れ出す熱搬送媒体の温度に基づいて、循環手段を制御する。収容領域から流れ出す熱搬送媒体の温度は、熱搬送媒体の給送流量の変化による影響を受けやすい。したがって第2制御手段は、給送流量の変化に対応する熱搬送媒体の温度変化を正確に得ることで、給送流量を精度よく調整することができる。このように各制御手段がそれぞれ個別に冷却手段と循環手段とを制御することによって、収容領域の温度をより精度よく調整することができる。
【0016】
また熱発生源によって、収容領域の温度が急変した場合であっても、収容領域から流れ出る熱搬送媒体の温度に基づいて、循環手段を制御することによって、短時間に予め定める温度に調整することができる。
【0017】
また本発明は、循環手段は、回転速度が変更可能なファンを備え、第1制御手段は、ファンの回転速度をインバータ制御することを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、循環手段は、インバータ制御されて熱搬送媒体の給送流量を調整可能である。循環手段は、インバータ制御されることによって消費エネルギーを低減することができ、冷却装置のランニングコストを低減することができる。
【0019】
また本発明は、冷却手段は、冷却水が流れる冷却管路と、
冷却管路に冷却水を供給する供給手段と、
冷却管路の開閉を連続的または多段階に調整可能な開閉弁とを備え、
第2制御手段は、開閉弁を制御することを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、冷却水は、冷却管路を流れるとともに、熱搬送媒体から熱を奪って加熱される。冷却管路の開閉度を大きくすると、冷却管路を流れる冷却水の流量が大きくなり、冷却管路の温度が下がる。これによって熱搬送媒体を冷却する冷却能力が高くなる。また冷却管路の開閉度を小さくすると、冷却管路を流れる冷却水の流量が小さくなり、冷却管路の温度が上がる。これによって熱搬送媒体を冷却する冷却能力が低くなる。このように第2制御手段が開閉弁を制御することによって、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を変化させることができ、冷却管路に供給する冷却水の温度を変化させる必要がないので、簡単な構成によって冷却手段を実現することができる。たとえば冷却水は、工業用水および生活用水などを温度調節せずに用いることができる。
【0021】
また本発明は、前記熱発生源は、直流電動機であることを特徴とする。
本発明に従えば、熱発生源が直流電動機であり、直流電動機に熱搬送媒体を吹き付けて冷却する。冷却装置は、熱搬送媒体によって、直流電動機のうち加熱される部分を冷却し、コイルの被膜が溶けることを防ぐことができる。また冷却装置は、熱搬送媒体によって直流電動機の整流子に付着したダストを吹き飛し、整流子間の絶縁性を保つことができる。このように冷却装置は、直流電動機を冷却するとともに、直流電動機の整流子間の絶縁性を保持することができるので、直流電動機の劣化を好適に防ぐことができる。
【0022】
また本発明は、熱発生源が収容される収容領域を含んで閉ループ状となる循環空間に熱搬送媒体を循環させる循環工程と、
収容領域の温度を検出し、検出した温度に基づいて、熱搬送媒体を冷却する冷却工程と、
収容領域の温度を検出し、検出した温度に基づいて、循環空間を循環する熱搬送媒体の流量を調整する流量調整工程とを含み、
冷却工程では、収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度に基づいて、熱搬送媒体を冷却し、
流量調節工程では、収容領域から流れ出す熱搬送媒体の温度に基づいて、熱搬送媒体の流量を調整することを特徴とする冷却方法である。
【0023】
本発明に従えば、冷却工程で、収容領域の温度に基づいて、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を調整する。これによって熱搬送媒体の給送流量を予め定める範囲から変化させずに、収容領域の温度を変化させることができる。したがって熱搬送媒体の給送流量を予め定める流量範囲内に確保したうえで、駆動源を予め定める温度範囲に冷却することができる。
【0024】
また本発明では熱搬送媒体を冷却する冷却能力を変化させるとともに、熱搬送媒体の給送流量を変化させることによって、収容領域の温度をより精度よく調整することができる。また熱搬送媒体を冷却する冷却能力と、熱搬送媒体の給送流量とをともに制御することによって、駆動源の温度を広範囲にわたって調整することができる。
【0025】
さらに収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度に基づいて、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を制御する。収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度は、冷却工程での冷却能力の変化による影響を受けやすい。したがって冷却工程では、熱搬送媒体を冷却する冷却能力の変化に対応する熱搬送媒体の温度変化を正確に得ることで、冷却能力を精度よく調整することができる。
【0026】
また収容領域から流れ出る熱搬送媒体の温度に基づいて、熱搬送媒体を給送する給送流量を制御する。収容領域から流れ出る熱搬送媒体の温度は、熱搬送媒体の給送流量の変化による影響を受けやすい。したがって流量調整工程では、給送流量の変化に対応する熱搬送媒体の温度変化を正確に得ることで、給送量を精度よく調整することができる。このようにそれぞれ対応する位置での温度に基づいて、冷却工程と流量調整工程とを個別に制御することによって、収容領域の温度をより精度よく調整することができる。
【0027】
また熱発生源によって、収容領域の温度が急変した場合であっても、収容領域から流れ出る熱搬送媒体の温度に基づいて、循環手段を制御することによって、短時間に予め定める温度に調整することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である冷却装置1を示すブロック図である。冷却装置1は、熱発生源を冷却する。本実施の形態では、熱発生源は、たとえば酸洗ラインに設けられ、鋼帯を巻戻しおよび巻取るリール、および鋼帯を搬送する各種ロールを回転駆動する回転電動機であって、特に直流電動機2である。
【0029】
冷却装置1は、循環空間形成手段3と、熱交換器4と、循環手段5と、温度検出手段6a,6bと、制御手段7a,7bとを含む。循環空間形成手段3は、閉ループ状となる循環空間8を形成する。循環空間8は、収容領域9と、連結領域12とを含む。収容領域9には、直流電動機2が収容される。また連結領域12は、収容領域9の一方側と、収容領域9の他方側とを連結する。循環空間8には、冷却空気で満たされる。冷却空気は、塩酸ガスなどの直流電動機2を劣化させる気体を含まない。また連結領域12は、冷却空気を冷却する冷却領域12cを含む。冷却領域12cは、後述する熱交換器4の冷却部分15aが配置される領域である。
【0030】
循環空間形成手段3は、収容領域9を形成する収容部13と、連結領域12を形成する連結部14とを含む。収容部13は、直流電動機2を覆い、入口側開口10および出口側開口11とが形成される。直流電動機2は、収容部13に収容された状態で、その回転軸30が収容部13から突出する。回転軸30は、軸線まわりに回転自在に設けられ、収容部13は、回転軸30を回転自在に支持する。直流電動機2は、回転軸30が入口側開口11寄りに配置され、整流子が出口側開口11寄りに配置される。連結部14は、中空に形成される管路、たとえばダクトによって実現される。
【0031】
収容部13および連結部14は、外部から内部に流体が侵入することを防ぐように密閉して形成されて、内部に循環空間8が形成される。収容部13の内部空間が収容領域9となり、連結部14の内部空間が連結領域12となる。これによって酸洗ラインなどにおける腐蝕雰囲気気体、すなわち気化した酸または酸化水溶液の液滴を含む大気が循環空間に侵入することを防止して、循環空間と外部空間とを遮断することができる。
【0032】
循環手段5は、回転翼であるファン5aと、ファン5aを回転させるモータ5bと、インバータ制御部5cとを含んで構成される。ファン5aは、循環空間8に配置され、たとえば多翼ファンによって実現される。モータ5bは、ファン5aを回転駆動する。
【0033】
ファン5aは、回転駆動されることによって、循環空間8で冷却空気を一方向Aに移動させる。これによって冷却空気は、循環空間8を一方向Aに循環する。以後、冷却空気が移動する方向を単に移動方向Aと称する。
【0034】
冷却空気は、循環手段5によって、連結領域12と収容領域9とを交互に通過して、循環空間8を循環する。具体的には冷却空気は、連結領域12から収容部13の入口側開口10を通過して収容領域9に流入する。冷却空気は、収容領域9で入口側開口10から出口側開口11に向かって流れる。冷却空気は、収容領域9から出口側開口11を通過して連結領域12に流入する。連結領域12の冷却空気は、収容部13の入口側開口10に向かって流れ、ふたたび収容領域9に流入する。
【0035】
収容領域9を通過した冷却空気は、直流電動機2から熱を奪って加熱される。また連結領域12を通過した冷却空気は、熱交換器4によって熱が奪われて再び冷却される。このように冷却装置1は、冷却空気が熱を搬送する熱搬送媒体となることによって、直流電動機2を冷却する。
【0036】
モータ5bは、ファン5aの回転速度を変更可能である。ファン5aの回転速度が変化することによって、冷却気体が循環空間を移動する移動速度が変化する。言換えると直流電動機2に給送される冷却気体の流量が変化する。たとえばモータ5bは、誘導モータおよび動機モータなどの交流モータによって実現される。モータ5bは、インバータ制御部5cから与えられる電圧の形態に応じて、ファン5aの回転速度を変化する。インバータ制御部5cは、後述する制御部7bから与えられる制御信号に応じて、モータ5bに与える電圧の周波数を変化させる。
【0037】
熱交換器4は、冷却管路15と、供給手段17と、電動弁18とを含む。熱交換器4は、冷却空気を冷却する冷却手段となる。冷却管路15は、管路内15を冷却水が流れる。冷却管路15のうち一部は、連結領域12に配置されて、冷却空気を冷却する冷却部分15aとなる。
【0038】
供給手段17は、たとえばポンプによって実現され、冷却管路15に冷却水を供給する。ポンプは、冷却水が貯留される貯留槽19から冷却水を吸引し、吸引した冷却水を冷却管路15に供給する。冷却水は、冷却管路15の一端部から冷却管路15の内部空間に流入し、冷却部分15aを通過して、冷却管路15の他端部から冷却管路15の外部空間に流出する。たとえば冷却水は、工業用水および生活用水によって実現される。
【0039】
電動弁18は、冷却管路15の開閉を多段階に調整可能であって、電動の開閉電動弁によって実現される。後述する制御手段7aから制御信号が与えられることによって、冷却水が通過可能な冷却管路15の領域を変化させることができる。電動弁18が連続的または多段階的に開閉度が制御されることによって、冷却水の流量を微調整することができる。
【0040】
電動弁18は、冷却管路15を流れる冷却水の流量を調節する冷却水流量手段となる。たとえば電動弁18に換えて、ポンプ自体を制御することによって、冷却管路15を流れる冷却水の流量を変化させてもよい。
【0041】
冷却水は、冷却管路15の冷却部分15aを流れる間に、冷却空気から熱を奪って加熱される。冷却管路15の開閉度を大きくすると、冷却管路15を流れる冷却水の流量が大きくなり、冷却管路15の温度が下がる。これによって冷却気体を冷却する冷却能力が高くなる。また冷却管路15の開閉度を小さくすると、冷却管路15を流れる冷却水の流量が小さくなり、冷却管路15の温度が上がる。これによって冷却気体を冷却する冷却能力が低くなる。このように制御手段7aが電動弁18を制御して、冷却管路15の開閉度を調整することによって、冷却気体を冷却する冷却能力が調整される。
【0042】
温度検出手段6a,6bは、2つ設けられる。各温度検出手段6a,6bは、収容領域9を流れる冷却空気の温度を検出する。2つのうち一方となる入口側温度センサ6aは、収容領域9に流れ込む冷却気体の温度を検出する。言い換えると入口側温度センサ6aは、収容領域9のうち移動方向A上流側となる入口側温度を検出する。また2つのうち他方となる出口側温度センサ6bは、収容領域9から流れ出す冷却気体の温度を検出する。言い換えると出口側温度センサ6bは、収容領域9のうち移動方向A下流側となる出口側温度を検出する。
【0043】
制御手段7a,7bは、各温度センサ6a,6bによって検出される温度に基づいて、循環手段5および電動弁18を制御する。各制御手段7a,7bは、たとえば温度調整器によってそれぞれ実現される。
【0044】
制御手段7a,7bは、第1制御手段7aと第2制御手段7bとを有する。第1制御手段7aは、入口側温度センサ6aの検出した温度に基づいて、電動弁18の開閉度を決定し、決定した開閉度になるように電動弁18に制御信号を与える。また第2制御手段7bは、出口側温度センサ6bの検出した温度に基づいて、インバータ制御部5Cに与える制御値を決定し、決定した制御値をインバータ制御部5cに制御信号を与える。また第1制御手段7aと第2制御手段7bとは、通信可能に構成される。第2制御手段7bは、第1制御手段7aからの制御信号に基づいて、循環手段5を制御可能に構成される。
【0045】
第1制御手段7aは、電動弁18の最適な開閉度を決定するにあたって、検出される入口側温度をフィードバック量とし、電動弁18の開閉度を操作量としてフィードバック制御する。たとえば第1制御手段7aは、電動弁18に対してPID制御動作を行う。
【0046】
第1制御手段7aは、検出される入口側温度が目標入口側温度よりも低い場合、電動弁18を閉じて、冷却管路15を流れる冷却水の流量を減少させる。これによって連結領域12を通過する冷却空気の温度低下率が小さくなり、温度の高い冷却空気が収容領域9に流入して、入口側温度が高くなる。
【0047】
また第1制御手段7aは、検出される入口側温度が目標入口側温度よりも高い場合、電動弁18を開いて、冷却管路15を流れる冷却水の流量を増加させる。これによって連結領域12を通過する冷却空気の温度低下率が大きくなり、温度の低い冷却空気が収容領域9に流入して、入口側温度が低くなる。このように第1制御手段7aによって電動弁18の開閉度を調整することによって、入口側温度が調整される。
【0048】
このように第1制御手段7aは、入口側温度センサ6aによって、収容領域9のうち冷却空気の移動方向A上流側の温度を取得する。収容領域9のうち冷却空気の移動方向A上流側の温度は、熱交換器4の冷却能力の変化による影響を受けやすい。したがって第1制御手段7aは、熱交換器4の冷却能力の変化に対応する冷却空気の温度変化を正確に得ることができ、熱交換器4の冷却能力を精度よく調整することができる。
【0049】
第2制御手段7bは、インバータ制御部5cの最適な制御値を決定するにあたって、検出される出口側温度をフィードバック量とし、インバータ制御部5cの制御値を操作量としてフィードバック制御する。たとえば第2制御手段7bは、インバータ制御部5cに対してPID制御動作を行う。
【0050】
第2制御手段7bは、検出される出口側温度が目標出口側温度よりも低い場合、インバータ制御部5cの制御値を小さくして、ファン5aの回転速度を低減して、循環空間8を流れる冷却空気の流量を減少させる。これによって収容領域9を通過する冷却空気の流速が小さくなり、温度の高い冷却空気が収容領域9から流出して、出口側温度が高くなる。
【0051】
また第2制御手段7bは、検出される出口側温度が目標出口側温度よりも高い場合、インバータ制御部5cの制御値を大きくして、ファン5aの回転速度を増加させて、循環空間8を流れる冷却空気の流量を増大させる。これによって収容領域9を通過する冷却空気の流速が大きくなり、温度の低い冷却空気が収容領域から流出して、出口側温度が低くなる。このように第2制御手段7bによってインバータ制御部5cの制御値を調整することによって、出口側温度が調整される。
【0052】
このように第2制御手段7bは、出口側温度センサ6bによって、収容領域9のうち冷却空気の移動方向A下流側の温度を取得する。収容領域9のうち冷却空気の移動方向A下流側の温度は、循環手段5による冷却空気の給送流量の変化による影響を受けやすい。したがって第2制御手段7bは、給送流量の変化に対応する冷却空気の温度変化を正確に得ることができ、給送流量を正確に調整することができる。たとえば入口側温度が一定であっても、直流電動機2の発熱量によって出口側温度が変化するので、出口側温度に応じることによって、直流電動機2の温度を精度よく調整することができる。
【0053】
本実施の形態では、第1および第2制御手段7a,7bによって、電動弁18および循環手段5をそれぞれ個別に制御したが、第1および第2制御手段の役割を果たす1つの制御手段によって、電動弁18および循環手段5を制御してもよい。
【0054】
また冷却装置1には、循環空間8に発生したダストを捕集するフィルタ20が設けられる。フィルタ20は、冷却空気の循環を阻害しないように連結領域12に配置される。フィルタ20がダストを捕集することによって、直流電動機2にダストが付着することを防止できる。
【0055】
図2は、各制御手段7a,7bの冷却動作を示すフローチャートである。まずステップS0では、目標温度、電動弁18の開閉範囲、循環手段の回転速度範囲などの温度制御に必要な情報が各制御手段7a,7bに入力される。次に作業者などが冷却作業の開始を示す制御信号を各制御手段7a,7bに与える。これによって各制御手段7a,7bは、ステップS1に進み、冷却動作を開始する。
【0056】
ステップS1では、第1制御手段7aは、電動弁18の開閉度を最大開放度となる100%にする。言換えると第1制御手段7aは、電動弁18によって冷却管路15を開放させる。第2制御手段7bは、インバータ出力を最大出力となる100%にする。言換えると第2制御手段7bは、ファン5aの回転速度を最大速度で回転させる。このように各制御手段7a,7bが冷却装置1の冷却能力を最大にして、ステップS2に進む。
【0057】
ステップS2では、第1制御手段7aが、入口側温度に基づいて、入口側温度が目標入口側温度に達するように、電動弁18の最適な開閉度を決定する。目標入口側温度は、第1制御手段7aに予め設定されており、たとえば40℃に設定される。第1制御手段7aが、電動弁18に制御信号を与えると、ステップS3に進む。
【0058】
ステップS3では、第1制御手段7aが、検出される入口側温度について目標とする目標入口側温度範囲内であるか否かを判断する。目標入口側温度範囲は、予め設定されている。たとえば目標入口側温度範囲は、目標入力側温度に対して±3℃の範囲に設定される。目標入口側温度範囲は、目標入口側温度範囲を含む。
【0059】
検出される入口側温度が、目標入口側温度範囲の範囲外である場合、ステップS4に進み、検出される入口側温度が、目標入口側温度範囲の範囲内である場合、ステップS6に進む。
【0060】
ステップS4では、第1制御手段7aが、電動弁18の開閉度について電動弁下限値であるか否かを判断する。電動弁18によって調整可能な開閉度は、予め設定されている。電動弁18の開閉度は、たとえば最大開放度の30%以上でかつ最大開放度となる100%以下の範囲に設定されている。第1制御手段7aは、電動弁18の開閉度が、電動弁下限値よりも大きいと判断すると、ステップS2に戻り、電動弁18の開閉度を再び調整する。第1制御手段7aは、電動弁18の開閉度が既に電動弁下限値であると判断すると、電動弁18によって入口側温度をさらに高くすることができないので、ステップS5に進む。
【0061】
ステップS5では、第1制御手段7aが、第2制御手段7bに第1制御信号を与える。第1制御手段7aから第1制御信号を受けた第2制御手段7bは、インバータ制御部5cを制御し、インバータ出力を予め定める値に制御する。たとえば予め定める値は、インバータ下限値であって最大出力の80%に設定される。第2制御手段7bが、インバータ出力を予め定められる値に制御すると、ステップS2に戻り、第1制御手段7aが電動弁18の開閉度を再び調整する。
【0062】
ステップS3において、第1制御手段7aが、検出される入口側温度について目標入口側温度範囲の範囲内であると判断すると、ステップS6に進む。ステップS6では、第1制御手段7aが、第2制御手段7bに第2制御信号を与える。第1制御手段7aから第2制御信号を受けた第2制御手段7bは、インバータ制御部5cを制御する。
【0063】
第2制御手段7bは、出口側温度に基づいて、出口側温度が目標出口側温度に達するように、インバータ制御部5cの最適な制御値を決定する。目標出口側温度は、第2制御手段7bに予め設定されており、たとえば45℃に設定されている。目標出口側温度は、目標入口側温度よりも高い温度に設定される。第2制御手段7bは、決定した制御値をインバータ制御部5cに与えて、インバータ制御部5cを制御する。第2制御手段7bがインバータ制御部5cに制御信号を与えると、ステップS7に進む。
【0064】
ステップS7では、第2制御手段7bが、検出される出口側温度について上限出口側温度であるか否かを判断する。上限出口側温度は、第2制御手段7bに予め設定されており、たとえば目標入口側温度よりも5℃〜8℃高い温度に設定される。
【0065】
検出される出口側温度が、上限出口側温度よりも低い場合、ステップS2に戻り、ステップS2で第1制御手段7aが、電動弁18の開閉度を再び調整する。また検出される出口側温度が、上限出口側温度よりも高い場合、ステップS8に進む。ステップS8では、第2制御手段7bが、インバータ制御部5cを制御し、インバータ出力をインバータ上限値、すなわち最大出力である100%に制御し、ステップS2に戻る。ステップS2で第1制御手段7aが、電動弁18の開閉度を再び調整する。
【0066】
このような各制御手段7a,7bの動作は、直流電動機2の運転を停止するなどして、直流電動機2を冷却する必要がなくなるまで継続される。直流電動機2を冷却する必要がなくなると、冷却作業の停止を示す制御信号が各制御手段7a,7bに与えられる。各制御手段7a,7bは、冷却作業の停止を示す制御信号を与えられると、冷却動作を終了する。また温度制御に関する情報は、冷却動作中に変更可能であってもよい。
【0067】
このように各制御手段7a,7bが動作することによって、収容領域9の入口側温度および出口側温度を目標とする温度に調整することができる。これによって収容領域9に収容される直流電動機2の温度を予め定める温度に保つことができる。
【0068】
各制御手段7a,7bは、まずステップS2で、電動弁18を制御して、収容領域9の入口側温度を調整する。このとき電動弁18の制御入口側温度が調整されることで、冷却空気の給送流量を変化させずに、直流電動機2を冷却する冷却量を変化させることができる。これによって冷却空気の給送流量を十分に確保したうえで、直流電動機2を予め定める温度範囲に調整することができる。冷却空気の温度を設定温度に保ち、直流電動機2が過剰に加熱することが防止されるとともに、冷却空気の風圧によって、整流子に付着したダストを確実に吹き飛ばして整流子片間の絶縁性が低下することを防ぐことができ、直流電動機2の寿命をさらに長期化することができる。
【0069】
またステップS4で、電動弁18の開度が下限値であって、電動弁18によって収容領域9の温度をさらに高くすることができない場合であっても、ステップS5で、インバータ出力を下げることによって、収容領域9の温度をさらに高くすることができ、広範囲にわたって温度調整を行うことができる。
【0070】
またステップS3で、検出される入口温度が、目標入力側温度範囲内となると、ステップS6で、インバータ制御部5cを調節する。これによって電動弁18を制御することによって、粗い温度調整の制御を行い、インバータ制御部5cを制御することによって、細かい温度調整の制御を行うことができる。インバータ制御部5cを制御する場合には、電動弁18を制御する場合に比べて短時間で温度を調整することができ、速応性を向上することができる。また粗い温度範囲の調整が行われた後にインバータ制御部5cの制御量が決定されるので、インバータ制御部5cの制御量を大きく変化させる必要がなく、冷却空気の給送流量が著しく低下するおそれをなくすことができる。
【0071】
このように電動弁18とインバータ制御部5cとをともに制御することによって、冷却空気の給送流量を大きく変化することなく、短時間で精度よく収容領域9の温度を調整することができる。また各制御手段7a,7bは、図2に示す各ステップS2〜S8の動作を繰り返すうちに、インバータ出力が最小出力に近づき、電動弁18の開閉度のみが調整された状態に落ち着くように制御することが好ましい。また直流電動機2によって出口側温度が一時的に急変したとしても第2制御手段7bによって、冷却空気の給送量を調整することができ、短時間で直流電動機2の温度を調整することができる。たとえば電動弁18を制御した場合には、収容領域9の温度が予め定める温度範囲に収めるまでに時間がかかる場合でも、インバータ制御部5cをさらに制御することで、収容領域の温度を短時間で温度範囲に収めることができる。
【0072】
以上のように本発明の冷却装置1によれば、各制御手段7a,7bが、熱交換器4を制御することで、冷却空気の給送流量を確保したうえで、直流電動機2を予め定める温度範囲に冷却することができる。また冷却空気の給送流量を過度に小さくする必要がない。
【0073】
また、制御手段7a,7bが、熱交換器4によって冷却空気を冷却する冷却能力を変化させるとともに、循環手段5によって冷却空気の給送流量を変化させるので、短時間で収容領域9の温度を予め定める温度範囲にすることができる。
【0074】
たとえば収容領域9の温度が急変したとしても、冷却空気の給送流量を変化させることで、予め定める温度範囲に短時間に調整することができる。また収容領域9の温度を微調整することができ、温度を精度よく調整することができる。また冷却空気を冷却する冷却能力と、冷却空気の給送流量とをともに制御することによって、さらに直流電動機2の温度を広範囲にわたって調整することができる。
【0075】
また循環手段5は、インバータ制御されて熱冷却空気の給送流量を調整可能である。循環手段5は、インバータ制御されることによって消費エネルギーを低減することができ、冷却装置1のランニングコストを低下することができる。また熱交換器5は、冷却管路15の開閉度が電動弁18によって調整されることによって、冷却空気を冷却する冷却能力を変化させることができる。これによって冷却管路15に供給する冷却水の温度を変化させる必要がなく、簡単な構成によって冷却空気を冷却する冷却能力を変化可能な冷却手段を実現することができる。冷却水は、工業用水および生活用水などを温度調節せずに用いることができる。
【0076】
図3は、本発明の他の実施の形態である冷却装置100を示すブロック図である。他の実施の形態である冷却装置100は、複数の直流電動機2a,2bを冷却する。冷却手段100は、冷却空気が循環する循環空間形成手段3以外の構成については、図1に示す冷却装置1と同様であり、同様の構成については説明を省略する。
【0077】
冷却装置100は、閉ループ状となる循環空間8を形成する。循環空間8は、複数の収容領域9a,9bと、連結領域12とを含む。複数の収容領域9a,9bには、複数の直流電動機2a,2bがそれぞれ個別に収容される。連結領域12は、さらに冷却領域12aと、2つの接続領域12b,12cとを含む。冷却領域12aは、熱交換器4の冷却部分15aが配置される。また第1接続領域12bは、冷却領域12aの一方側に連なり、分岐して各収容領域9a,9bの一方側にそれぞれ連なって延びる。また第2接続領域12cは、冷却領域12aの他方側に連なり、分岐して各収容領域9a,9bの他方側にそれぞれ連なって延びる。
【0078】
循環空間形成手段3は、各収容領域9a,9bを形成する複数の各収容部13a,13bと、連結領域12を形成する連結部14とを含む。各収容部13a,13bは、各直流電動機2a,2bを覆い、入口側開口10a,10bおよび出口側開口11a,11bとが形成される。連結部14は、中空に形成される管路によって実現される。連結部14は、熱交換器4の冷却部分15aが配置される熱交換器部分と、熱交換器部分一方側から分岐して各収容部13a,13bの入口側開口形成部分に連なる部分と、熱交換器部分他方側から分岐して各収容部13a,13bの出口側開口形成部分に連なる部分とを有する。収容部13a,13bおよび連結部14は、外部から内部に流体が侵入することを防ぐように密閉して形成されて、内部に循環空間8が形成される。
【0079】
冷却装置100は、上述した冷却装置1と同様の手段を有する。上述した冷却装置1と異なる点は、入口側温度センサ6aは、冷却領域12aよりも移動方向A下流側の温度を検出し、出口側温度センサ6bは、冷却領域12aよりも移動方向A上流側の温度を検出することである。
【0080】
以上のような冷却装置100であっても、図1に示す冷却装置1と同様に直流電動機2a,2bを冷却することができ、図1に示す冷却装置1と同様の効果を得ることができる。したがって直流電動機2a,2bが複数ある場合であっても、冷却空気の給送流量を確保したうえで、複数の直流電動機2a,2bを予め定める温度範囲に冷却することができる。
【0081】
上述した本発明の実施の形態は、発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において変更することができる。たとえば駆動源の設置場所を酸洗ラインとしたが、駆動源は、酸洗ライン以外の場所に設置されてもよい。たとえば冷却装置1,100は、大気中に海塩流子を含むような海浜臨海地に設置される直流電動機を冷却してもよい。これによって直流電動機2は、塩分を含む気体が触れることをなく、寿命を長期化することができる。また駆動源は、直流電動機以外であってもよい。また熱搬送媒体は空気であって、冷却管路を流れる媒体は冷却水であるとしたが、ともに熱を搬送可能である流体であればよい。その他、循環手段5および熱交換器4などは、上述した構成以外の構成であってもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の本発明によれば、各制御手段が循環手段と冷却手段とを制御することによって、熱搬送媒体の給送流量を確保したうえで、熱発生源を予め定める温度範囲に冷却することができる。また熱発生源の温度を精度よく調整することができる。これによって熱発生源を劣化させる流体の侵入を防ぐとともに、熱発生源に予め定められる動作温度範囲を保つことができ、熱発生源が劣化することを防ぐことができる。これによって熱発生源の寿命を長期化することができる。たとえば酸洗ラインに設けられる駆動源を交換する場合、酸洗ラインを停止する必要がある。本発明によれば、熱発生源の寿命を長期化することができるので、短期間で熱発生源を交換する必要がなく、酸洗ラインの稼働率を向上することができる。これによって製造される鋼帯を増やして生産コストを低下することができる。
【0083】
また各制御手段がそれぞれ個別に冷却手段と循環手段とを制御することによって、収容領域の温度を精度よく調整することができる。これによって収容領域に収容される熱発生源の温度をより精度よく調整することができる。また熱発生源の温度が変化したとしても、より短時間で予め定める範囲内に調整することができる。
【0084】
また請求項2記載の本発明によれば、循環手段は、インバータ制御されて熱搬送媒体の給送流量を調整可能である。循環手段がインバータ制御されることによって消費エネルギーを低減することができ、冷却装置のランニングコストを低下することができる。
【0085】
また請求項3記載の本発明によれば、冷却管路の開閉度を調節することによって、熱搬送媒体を冷却する冷却能力を調整することができるので、冷却管路に供給する冷却水の温度を変化させる必要がなく、簡単な構成によって実現することができる。さらに冷却水は、工業用水および生活用水などを温度調節せずに用いることができる。
【0086】
また請求項4記載の本発明によれば、直流電動機に熱搬送媒体を吹き付けて冷却する。冷却装置は、熱搬送媒体によって、直流電動機のうち加熱される部分であるコイルを冷却し、コイルの被膜が溶けることを防ぐことができる。また冷却装置は、熱搬送媒体によって直流電動機の整流子に付着したダストを吹き飛し、整流子間の絶縁性を保つことができる。このように冷却装置は、直流電動機を冷却するとともに、直流電動機の整流子間の絶縁性を保持することができるので、直流電動機の劣化を好適に防ぐことができる。さらに直流電動機には、直流電動機を劣化させる流体が触れることがなく、直流電動機の錆および整流子の荒れを抑えることができる。
【0087】
また請求項5記載の本発明によれば、冷却工程と流量調整工程とを有することによって、熱発生源を予め定める温度範囲に冷却するとともに熱搬送媒体の給送流量を予め定める流量範囲内に確保することができる。また熱発生源の温度を精度よく調整することができる。これによって、熱発生源を劣化させる流体の侵入を防ぐとともに、熱搬送媒体の給送流量を確保したうえで、予め定められる使用温度範囲を保つことができ、熱発生源が劣化することを防ぐことができる。これによって駆動源の寿命を長期化することができる。
【0088】
たとえば酸洗ラインに設けられる熱発生源を交換する場合、酸洗ラインを停止する必要がある。本発明によれば、熱発生源の寿命を長期化することができるので、短期間で熱発生源を交換する必要がなく、酸洗ラインの稼働率を向上することができる。これによって製造される鋼帯を増やして生産コストを低下することができる。
【0089】
また冷却工程と流量調整工程とでそれぞれ対応する位置の温度に基づくことによって、収容領域の温度を精度よく調整することができる。これによって収容領域に流用される熱発生源の温度をより精度よく調整することができる。また熱発生源の温度が変化したとしても、より短時間で予め定める範囲内に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である冷却装置1を示すブロック図である。
【図2】各制御手段7a,7bの冷却動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の他の実施の形態である冷却装置装置100を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 冷却装置
2 直流電動機
3 循環空間形成手段
4 熱交換器
5 循環手段
5a ファン
5b モータ
5c インバータ制御部
6a 入口側温度センサ
6b 出口側温度センサ
7a 第1制御手段
7b 第2制御手段
8 循環空間
9 収容領域
12 連結領域
15 冷却管路
17 ポンプ
18 電動弁
Claims (5)
- 熱発生源が収容される収容領域を含んで閉ループ状となる循環空間を形成する循環空間形成手段と、
熱搬送媒体を循環空間に循環させる循環手段と、
熱搬送媒体を冷却する冷却手段と、
収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度を検出する第1温度検出手段と、
収容領域から流れ出す熱搬送媒体の温度を検出する第2温度検出手段と、
第1温度検出手段によって検出される温度に基づいて、冷却手段を制御する第1制御手段と、
第2温度検出手段によって検出される温度に基づいて、循環手段を制御する第2制御手段とを含むことを特徴とする冷却装置。 - 循環手段は、回転速度が変更可能なファンを備え、第1制御手段は、ファンの回転速度をインバータ制御することを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
- 冷却手段は、冷却水が流れる冷却管路と、
冷却管路に冷却水を供給する供給手段と、
冷却管路の開閉を連続的または多段階に調整可能な開閉弁とを備え、
第2制御手段は、開閉弁を制御することを特徴とする請求項1または2記載の冷却装置。 - 前記熱発生源は、直流電動機であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷却装置。
- 熱発生源が収容される収容領域を含んで閉ループ状となる循環空間に熱搬送媒体を循環させる循環工程と、
収容領域の温度を検出し、検出した温度に基づいて、熱搬送媒体を冷却する冷却工程と、
収容領域の温度を検出し、検出した温度に基づいて、循環空間を循環する熱搬送媒体の流量を調整する流量調整工程とを含み、
冷却工程では、収容領域に流れ込む熱搬送媒体の温度に基づいて、熱搬送媒体を冷却し、
流量調節工程では、収容領域から流れ出す熱搬送媒体の温度に基づいて、熱搬送媒体の流量を調整することを特徴とする冷却方法。
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|---|---|---|---|
| JP2003046271A JP2004257594A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 冷却装置および冷却方法 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-02-24 JP JP2003046271A patent/JP2004257594A/ja not_active Withdrawn
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