JP2004258228A - 反射型液晶素子とその製造方法及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基板31の間に、電界の印加、無印加により光散乱状態、光透過状態になる液晶層を2種類備える積層構造とした。それぞれを第1液晶層33、第2液晶層35とする。第1液晶層33、第2液晶層35の両側には電界を発生させる透明電極32と、2つの液晶層を繋ぐ透明分離層34を備え、鏡面光沢を有する光吸収層37を第2液晶層35に対し第1液晶層33と反対側に備えた。光吸収層37により入射光の反射成分をも利用して白表示の反射率を高める。また液晶層の何れかの光透過率を制御することにより黒表示を有効にし、黒表示面からの反射光を散乱させることで視認性を良くする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型液晶素子とその製造方法及び表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯端末のディスプレイには、長時間動作が可能で省電力な表示モードである反射型の液晶表示装置が広く使用されている。反射型においてはその画面の明るさ及び視認性の良さが重要である。液晶を用いた反射型ディスプレイにおいては、明るい表示を得るために偏光板を用いないいくつかの方式が開発されている。特にゲスト・ホスト型もしくは散乱型が有力である。
【0003】
図14にゲスト・ホスト型の構成例を示す。一方の透明基板11に透明電極12が形成されており、他方の透明基板15にも対向して透明電極14が形成され、この透明電極間にゲスト・ホスト型の液晶が調光層13として挟み込まれた構造となっている。光反射層16は透明基板15の外側に形成されているが、もちろん、透明基板15と透明電極14の間に形成されている開示例もある。調光層13としては、ネマチック液晶と2色性色素を混合したタイプやこの混合物を高分子マトリックスに分散させたタイプ等がある。特に数種類の2色性染料を混合し黒色に調整した場合には、この調光層13の光透過−光吸収状態の制御で白黒表示が可能となる。
【0004】
しかしながら、ゲスト・ホスト型では2色性色素の2色比がその明るさ、コントラストに影響を与える。実際、十分に大きな2色比を有する染料がないため、黒表示で十分な黒が得られるように調整された調光層では(調光層を厚くすることになるため)、その光透過状態でも光の吸収が生じてしまい、暗い白表示(グレー表示)となってしまう。
【0005】
もう一方の散乱型は、図15に示したように、一方の透明基板21に透明電極22が形成されており、他方の透明基板25にも対向して透明電極24が形成され、この透明電極間に散乱型の調光層23が挟み込まれた構造となっている。さらに、光吸収層26が透明基板25の外側に形成されているが、もちろん、透明基板25と透明電極24の間に形成されている開示例もある。調光層23としては、高分子分散型液晶カプセルや高分子マトリックス中に液晶を分散させた方式、及びネマチック液晶のDSM方式等がある。
【0006】
この調光層23が散乱状態であれば、調光層23への入射光は後方散乱成分と前方散乱成分にわかれ、後方散乱性成分は透明基板21を透過して外部に出射され、前方散乱成分は光吸収層26に吸収されるが、外部からは白表示として認識される。
【0007】
調光層23が透明状態であれば、入射光は光吸収層26に吸収されるので結果として黒表示が得られる。このようにして、調光層23の光散乱−光透過状態の制御で白黒表示を実現している。
【0008】
ところが、光散乱−光吸収型(図15)においては、光散乱状態の調光層23への入射光の散乱光(後方散乱)で白表示が得られるが、液晶により形成される光散乱−光吸収型の調光層23の後方散乱強度は弱く、光吸収層26の黒が透けて見えるために十分に明るい白表示を得ることができない。
【0009】
そこで、散乱型において厳密には白黒表示ではないが、図14の構成の素子も開示されている。散乱型の調光層13と光反射層16が鏡面反射板であることを特徴としている。かような構成で調光層が散乱状態であれば、入射光の前方散乱成分は光反射層により効率的に反射されて再び調光層を通過し、後方散乱成分と加わってきわめて明るい背景の表示外観(白表示)が得られる。
【0010】
これに対して、調光層が透明状態の場合、入射光は調光層を通過し鏡面反射板(金属薄膜等)で増幅した反射光として観察者に達する。この鏡面反射板で輝度増幅された正反射光は観察者にとって眩しく見づらいものであり、視認性を損なうものであるが、このような反射型表示装置を使用する照明環境下で、その正反射光の視角範囲からずれた方向から観察する場合には、正反射光が観察者の視野に入らずに背景に対して黒表示のように見える。
【0011】
ただし、このような鏡面反射を利用する素子では、観察者が入射光の正反射の位置にあるような場合には、表示部の一部が眩しかったり、光強度が強くて表示画像が反転して見えるなど、その視認性に問題があった。
【0012】
かような正反射光の影響を低減するため、特許文献1、2にて表面構造をコントロールした鏡面反射板に関する技術が開示されている。しかしながら、散乱層と鏡面反射を利用した表示は、背景がきわめて明るい白であるにもかかわらず、黒表示の鏡面への周囲光の写り込み等があるためにどうしても表示品位が低下してしまう。
【0013】
また、散乱型において光吸収層の観察側(調光層側)に波長選択的透過層(いわゆるハーフミラー)を配置する方法(特許文献3参照)により、白表示において波長選択的透過層からの反射光を利用してその白色度を高める技術が開示されている。しかしながら、この場合にも黒表示をするために調光層を光透過状態にすると、黒表示面での反射があるために視認性が充分に確保されない不具合があった。
【0014】
特許文献4、5に記載の技術は、正反射光の影響を低減するため、入射光の特定範囲の入射角の光だけを透過するような角度選択性を有する調光層に関する技術であるが、何れも上述の視認性を克服するものとは言えない。
【0015】
【特許文献1】
特開平7−159776号公報
【特許文献2】
特開2000−284263号公報
【特許文献3】
実用新案登録第2581071号公報
【特許文献4】
特開平7−270768号公報
【特許文献5】
特開平9−127504号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、上記従来の反射型液晶素子において課題であった、明るい白黒表示と、良視認性が得られる表示素子とその製造方法、及びそれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【0017】
具体的には、電界により光散乱状態と光透過状態が制御可能な第1の液晶層と、同様に散乱状態と光透過状態の制御可能な第2の液晶層とを積層し、さらに第2の液晶層の、第1液晶層とは反対側に鏡面光沢を有する光吸収層を設けて、その反射成分をも利用することで白表示の反射率を高め、また黒表示ではいずれか一方の液晶層の光透過率を制御して黒表示面からの反射光を散乱させることで視認性の良い反射型液晶素子を提供することを目的とする。
また上記に加えて、電界制御が容易で、素子構造を簡略にできることを目的とする。
また上記に加えて、明るく、機械強度に優れた素子を提供することを目的とする。
また上記に加えて、安定性に優れ、生産性の高い素子を提供することを目的とする。
さらに、光吸収層の形状を変えて、表示特性に優れた素子を提供することを目的とする。
さらに、薄型、軽量な携帯に適した素子を提供することを目的とする。
また生産性に優れた素子の製造方法を提供することを目的としている。
また表示特性に優れた表示装置を提供することを目的としている。
また上記に加えて、薄型、軽量な表示装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を解決するため、請求項1に記載の反射型液晶素子は、電界を印加し、層状の構造を有する透明電極と、透明電極により印加された電界により光散乱状態と光透過状態の何れかの状態が制御可能な液晶層と、鏡面光沢を有する光吸収層と、透明電極、液晶層、光吸収層を保持する透明基板とを備えて積層構造をなす反射型液晶素子であって、液晶層は、第1の液晶層と、第2の液晶層とが積層された構造をとり、各液晶層のとりうる該状態は透明電極により印加された電界により個別に制御され、光吸収層は第2の液晶層に対し、第1の液晶層の反対側に備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の反射型液晶素子は、請求項1に記載の反射型液晶素子において、第1及び第2の液晶層の間に、各液晶層を分離し、導電性を備える透明導電性膜を備え、第1及び第2の液晶層の閾値電圧が互いに異なることを特徴とする。
【0020】
請求項3に記載の反射型液晶素子は、請求項1または2に記載の反射型液晶素子において、第1及び第2の液晶層は、高分子分散型液晶カプセルもしくは高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性調光層の何れかであることを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の反射型液晶素子は、請求項2または3に記載の反射型液晶素子において、第1及び第2の液晶層は、高分子分散型液晶カプセルよりなる散乱性調光層であり、第1及び第2の液晶層が一対の基板間において密接して配置されていることを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の反射型液晶素子は、請求項2から4の何れか1項に記載の反射型液晶素子において、第1及び第2の液晶層は、高分子分散型液晶カプセルよりなる散乱性調光層であり、散乱性調光層を構成する高分子及び液晶の材料は同一であり、組成比は互いに異なる構成であり、第1及び第2の液晶層が一対の基板間において密接して配置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の反射型液晶素子は、請求項2または3に記載の反射型液晶素子において、第1及び第2の液晶層が高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性調光層であり、散乱性調光層を構成する高分子及び液晶の材料は同一であり、組成比は互いに異なる構成であり、第1及び第2の液晶層が一対の基板間において密接して配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の反射型液晶素子は、請求項2または3に記載の反射型液晶素子において、第1または第2の液晶層の一方が高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性調光層であり、他の一方の液晶層が高分子分散型液晶カプセルよりなる散乱性調光層であり、第1及び第2の液晶層が一対の基板間において密接して配置されていることを特徴とする。
【0025】
請求項8に記載の反射型液晶素子は、請求項2、3、5の何れか1項に記載の反射型液晶素子において、第1及び第2の液晶層がともに高分子及び液晶が同一組成材料で構成される高分子分散型液晶カプセルの散乱性調光層であり、一方の液晶層の液晶カプセルの直径が他の一方の液晶層の直径より大きく、閾値電圧が低くなるようにしたことを特徴とする。
【0026】
請求項9に記載の反射型液晶素子は、請求項2、3、6の何れか1項に記載の反射型液晶素子において、第1及び第2の液晶層がともに高分子及び液晶が同一組成材料で構成される高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性調光層であり、一方の液晶層の高分子マトリックスが他の一方の液晶層の高分子マトリックスより疎で、閾値電圧が低くなるようにしたことを特徴とする。
【0027】
請求項10に記載の反射型液晶素子は、請求項1から9の何れか1項に記載の反射型液晶素子において、鏡面光沢を有する光吸収層は、フラットもしくはなめらかな凹凸の表面を有する黒色の物質よりなる層であることを特徴とする。
【0028】
請求項11に記載の反射型液晶素子は、請求項1から9の何れか1項に記載の反射型液晶素子において、鏡面光沢を有する光吸収層は、黒色材料層上に誘電体を多層に積層したものであることを特徴とする。
【0029】
請求項12に記載の反射型液晶素子は、請求項1から11の何れか1項に記載の反射型液晶素子において、透明基板は、厚み250μm以下のプラスチック基板であることを特徴とする。
【0030】
請求項13に記載の反射型液晶素子の製造方法は、第1の基板に電界により光散乱状態と光透過状態の何れかの状態をとる第1の液晶層を形成する第1形成工程と、第2の基板に鏡面光沢を有する光吸収層を形成する第2形成工程と、第2の基板に、光吸収層とは反対側に電界により光散乱状態と光透過状態の何れかの状態をとる第2の液晶層を積層して形成する第3形成工程と、第1、第2両基板の各液晶層を互いに接するように重ね合わせる第4形成工程を備えることを特徴とする。
【0031】
請求項14に記載の表示装置は、電極を備えた一対の基板間に請求項1から12の何れか1項に記載の反射型液晶素子が複数配置されており、反射型液晶素子を独立に駆動する薄膜トランジスタのスイッチング素子を具備することを特徴とする。
【0032】
請求項15に記載の表示装置は、請求項14に記載の表示装置において、反射型液晶素子を構成する透明基板は、厚み250μm以下のプラスチック基板であることを特徴とする。
【0033】
請求項16に記載の表示装置は、請求項14または15に記載の表示装置において、薄膜トランジスタを構成する半導体層が有機物からなることを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
<構成>
図1に本実施形態の反射型液晶素子のモデル図を示す。第1液晶層33および第2液晶層35は透明電極32を両面に有する透明分離層34により分離されており、第1液晶層33は透明電極を有する透明基板31と透明分離層34間で電界により駆動される。第2液晶層35は透明電極32、及び反対側に鏡面光沢を有する光吸収層37と、透明分離層34間で電界により駆動される。
【0036】
第1液晶層及び第2液晶層は高分子分散型液晶カプセル(今後NCAPと表記する)や高分子マトリックス中に液晶を分散させた方式(今後PNLCと表記する)、及びネマチック液晶のDSM方式のいずれの表示方式でもよい。また、電界により光散乱−光透過が制御できる方式であれば同様に適用できる。
【0037】
ただし、NCAP及びPNLCは電界無印加で光散乱状態を示し、電界印加で光透過状態になる方式である。DSM方式は、この逆に動作し、電界印加で光散乱、電界無印加で光透過となる。今後の動作説明においては、断りがない限りNCAP及びPNLCの動作を前提としている。
【0038】
光吸収層37は第2液晶層35に対し、第1液晶層33とは反対側に鏡面光沢を有する光吸収層である。ここで鏡面光沢を有する光吸収層とは、表面がフラットもしくはなめらかな凹凸の面であり、光を正反射する成分を有する黒色の物質からなる層であったり、もしくは黒色材料の上に誘電体を多層に積層することで可視域の一部の光を反射するようにした層を意味する。図1(a)の構成において、該層37は透明基板36の背面(第2液晶層35の反対側の面)に配置されているが、透明基板36とその上の透明電極32の間に配置されるような図1(b)の構成においても同様の効果が得られる。この(b)の構成においては、該基板36は別に透明である必要はなく、有色のものもしくは金属基板のように不透明なものであっても構わない。
【0039】
透明分離層34としてはガラス基板や透明な樹脂を用いることができる。該層34が厚いと表示を観察する時に視差が生じ視認性が悪くなるので、でき得る限り膜厚が小さいことが望まれる。本素子を平面的に多数配置することで表示装置を構成する場合の解像度により、透明分離層の膜厚で視差の度合いは異なるが、約10〜100μmの厚みであることが望ましい。
【0040】
<動作>
では、図1により、本実施形態の動作を説明する。散乱型の液晶層を用いた表示においては、光の後方散乱が観察者に白色を認識させる。散乱性の白色であるので、明るい白表示にするためには液晶層が厚くなれば散乱度が高くなり、より白い表示となるのであるが、同時に駆動電圧も高くなるという不具合が生じる。また、膜厚が厚過ぎると充分な電圧を印加しても光の透過率が落ちてしまい(散乱状態が残ってしまい)、黒表示が灰色表示になってしまう。
【0041】
そこで、本実施形態では散乱型の液晶層を積層することで、白表示での散乱層の膜厚をトータルとして厚くすることで白色度を高くするような構造とした。また、第2の液晶層35の背面に鏡面光沢を有する光吸収層37を配置することで、白色表示で入射光の前方散乱成分の一部を正反射させて観察者側に戻すことで、さらに白色度を増加させることができる。しかしながら、黒表示の場合、第1液晶層33、第2液晶層35をいずれも光透過状態にすると、観察者にとってその該光吸収層37に斜めに入射した光の反射が気になるという心理面での課題が生じる。この課題は、第1液晶層33、第2液晶層35のいずれか一方を光透過状態にし、他の一方を完全な光透過状態ではない(光吸収層37での反射が気にならない程度の)、散乱状態に電界制御することで解消される。全体の液晶層の層厚に対して、この制御すべき液晶層33、35の層厚が薄く、電界の変化に対する散乱度の変化が小さいために、電界による制御の余裕度に優れており、良好な視認性を得られるという利点がある。
【0042】
ここで第1液晶層33の閾値電圧を第2液晶層35の閾値電圧よりも低くした場合には、以下の構成、動作上の利点がある。
透明分離層34の両面の透明電極32をまとめて1本の共通電極とし、上下の透明基板31、32上の透明電極もまた1本の走査電極として、この共通電極と走査電極への電圧印加で第1液晶層33、第2液晶層35を同時に駆動することができる。特に黒表示をする場合、第1液晶層33が光透過状態になる電圧でも、第2液晶層35は完全な光透過状態ではない(光吸収層37での反射が気にならない程度の)、散乱状態であるように閾値電圧を設定することができ、電界制御が容易になる。
反対に第2液晶層35の閾値電圧を第1液晶層33の閾値電圧よりも低くした場合も、同様の構成、動作上の利点がある。
【0043】
また、第1液晶層33、第2液晶層35の閾値電圧が異なるようにすることで、図2に示すような簡略化された素子構造も実現することができる。つまり、図1に示すような両面に透明電極32が配置された透明分離層34ではなく、1層の透明導電性膜40で第1液晶層33及び第2液晶層35を分離できる。なお、このような透明導電性膜を形成する方法は既に開示されている。このように液晶層間を分離する層の構造も容易に作製できる。
【0044】
NCAP方式の液晶層構造のモデル図を図3に示した。透明電極を有する透明な基板53の間に、高分子樹脂52に囲まれて液晶カプセル51が分散した構造となっており、電界無印加では液晶カプセル51内の液晶分子配向が均一でないために、高分子樹脂52の屈折率と不整合とすることで入射光が散乱され、その後方散乱光により白色状態として観測される。電界を印加すると液晶分子が電界方向に配列し、(図3の基板53間に平行に配列する)この状態で液晶カプセル51の屈折率と高分子樹脂52の屈折率が同等になるために光透過状態とすることができる。
【0045】
PNLC方式の液晶層構造のモデル図を図4に示した。透明電極を有する透明な基板53の間に、高分子マトリックス樹脂62の中に液晶61が分散した構造となっており、NCAPの場合と同様に、電界無印加では液晶分子配向が均一でないために、高分子マトリックス樹脂62の屈折率と不整合とすることで入射光が散乱され、その後方散乱光により白色状態として観測される。電界を印加すると液晶分子が電界方向に配列し、(図4の基板53間に平行に配列する)この状態で液晶の屈折率と高分子マトリックス樹脂62の屈折率が同等になるために光透過状態とすることができる。
【0046】
NCAP及びPNLC方式では、入射光の偏光状態に左右されることがない散乱を利用するためその光利用効率が高く、視角による散乱依存性が小さいために視角特性が広い。また、その特徴として高分子樹脂52もしくは高分子マトリックス樹脂62中に液晶が分散する構造となっているために、ネマチック液晶を用いたDSM方式等に比較して、素子表面に衝撃を加えたとしてもその構造が壊れにくく、かような機械強度特性に優れている。この特性は、本実施形態のような積層構造の素子においては、特に重要であり、素子及び表示装置の信頼性を高めるとともに、積層構造を作製する場合にも不良の発生しにくい生産性の高い製造方法を提供するものである。
【0047】
図3に示すようにNCAP方式の液晶層は、高分子樹脂52中に液晶カプセル51が分散した構造となっていて、各液晶カプセル51は独立しているために混じり合うことがない。このことは第1液晶層33、第2液晶層35において、高分子樹脂52はもちろんのこと、液晶材料が異なっていても、図1の透明分離層34及び図2の透明導電性膜40のような2つの液晶層を分離する層が必要ないことになる。このような場合には、上下の透明基板31、36に設けられた透明電極32間での電界制御によって第1液晶層33、第2液晶層35を同時に駆動できる。従って、第1液晶層33、第2液晶層35をNCAPにすることで、一対の基板間において密接して配置され、構造が簡略で生産性の高い素子を提供することができる。図5にその構造を備えた反射型液晶素子のモデル図を示す。
【0048】
NCAP方式の液晶層の閾値電圧は高分子樹脂及び液晶材料により異なる。また同一の材料であっても、その組成比及び液晶カプセルの大きさ(直径)に閾値電圧は依存する。同一材料の場合、液晶濃度が高いと閾値電圧は低くなる。第1液晶層33、第2の液晶層35に同一材料を用いて、その組成比のみを変えることで各閾値電圧を調整することができ、材料に無駄のない生産性の良い素子を提供できる。図6にその構造を備えた反射型液晶素子のモデル図を示す。
【0049】
NCAPの作製方法には、カプセル化法、重合相分離法、熱相分離法及び溶媒蒸発相分離法等、様々な技術がある。特に光重合を用いる重合相分離法(以後、光重合相分離法と記す)および溶媒蒸発相分離法が比較的簡単で大面積に対応できる方式である。
【0050】
光重合相分離法とは、光重合性モノマーと液晶材料を混合した溶液にUVを照射することで、その重合反応過程において高分子樹脂と液晶の相分離をさせながら液晶カプセルを形成する方法である。UVの強度が大きいほど直径が小さくなり、逆にUVの強度が小さいほど直径の大きな液晶カプセルが形成される。同一組成の場合、液晶カプセルの直径が小さいほど、閾値電圧は高くなる関係がある。
【0051】
溶剤蒸発相分離法では、高分子樹脂と液晶材料を溶媒に溶解した溶液状態で塗布した後、溶媒を乾燥する過程において、溶剤に対する液晶と高分子樹脂の溶解度の差により相分離する現象が生じ、液晶カプセルが形成される。この乾燥速度が速いほど直径が小さくなり、逆に遅いと直径の大きな液晶カプセルが形成される。直径と閾値電圧の関係は光重合相分離法で作製したNCAPと同じである。
【0052】
かように液晶カプセルの直径を、光重合相分離法ではUV照射強度、溶媒蒸発相分離法では乾燥速度の条件を変えるだけ制御できるため、製造工程が簡略化により生産性が高い素子を提供できる。また、同一組成の材料で閾値電圧が異なる液晶相を簡便に作り分けることができるため、材料の利用効率が高い。図7にその構造を備えた反射型液晶素子のモデル図を示す。
【0053】
図4に示すPNLCの液晶相の作製方法としては、光重合相分離法が用いられる。この方法はNCAPでの光重合相分離法と同様で、光重合性モノマーと液晶材料を混合した溶液にUVを照射することで、その重合反応過程において高分子樹脂と液晶の相分離をさせながら高分子マトリックスを形成し、そのマトリックス中に液晶を分散させる方法である。
【0054】
同一材料であっても、液晶濃度が高い組成で形成したPNLCの液晶層の閾値電圧は低くなる。第1液晶層33、第2の液晶層35を同一組成のPNLCでその組成比を変えて各液晶層を形成することで、図1の透明分離層34及び図2の透明導電性膜40のような2つの液晶層を分離する層が必要ないことになる。従って各液晶層を構成する高分子及び液晶を同一材料で作製することで、材料の利用効率の高い製造が可能となる。また、第1液晶層33と第2液晶層35を一対の基板間において密接して配置することができ、素子構造を簡略にし、生産性にも優れた素子を提供できる。図8にその構造を備えた反射型液晶素子のモデル図を示す。
【0055】
また、同一組成であっても、PNLC作製時の、UVの強度が大きいほど高分子マトリックスが細かく密に形成され、逆にUVの強度が小さいほど高分子マトリックスが粗く疎に形成される。このとき、高分子マトリックスが疎であるほど閾値電圧は低くなる。NCAPでの場合と同様に同一組成の材料をもちいて、UV強度の条件のみを変えることで閾値電圧の異なる液晶層を形成できるため、生産性が高く、材料の利用効率の高い素子を提供できる。図9にその構造を備えた反射型液晶素子のモデル図を示す。
【0056】
第1液晶層33、第2の液晶層35の一方をNCAPとし、他方をPNLCで形成することでも、透明分離層34や透明導電性膜40が必要のない簡単な構造の素子を提供できる。図10にその構造を備えた反射型液晶素子のモデル図を示す。
【0057】
通常の液晶素子を製造する場合、液晶は流動体であるために基板間配置するためには、真空注入法等による工程が必要になり、そのための製造装置も設置しなければならない。本実施形態の液晶層は高分子樹脂もしくは高分子マトリックス中に液晶が分散された自己保持性の層になっているので、基板面にフレキソ印刷、スクリーン印刷、もしくはスピンコート法等の簡便な方法で液晶層を形成できる。
【0058】
例えば光重合層分離法でNCAPあるいはPNLCの液晶層を作製する場合、基板上に、前記の方法で所定量の光重合性モノマーと液晶材料を混合した溶液を塗布した後、UVを照射することで簡便に液晶層を形成できる。
【0059】
UV硬化においては、酸素阻害により重合しない材料もあるが、そのような場合は窒素雰囲気中でUV照射することで目的を達することができる。かように、第1、第2の液晶層を、上下1対の基板それぞれに形成した後に貼り合わせるという簡便で生産性の高い製造方法が可能になる。
【0060】
図1のモデル図に示した透明基板31として、プラスチック基板を用いることは素子及び光学装置を薄型、軽量にできるという利点がある。プラスチック基板としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアクリレート系、ポリエーテル系など、汎用の高分子材料を用いることができるが、ガス透過性(水分、酸素、窒素)が少なく、可視光の透過性が高く、線膨張係数が小さく、耐熱性の高い材料が好ましい。特に厚み250μm以下のものを使用することが軽量性、厚みの点で好ましく、また、フィルム状でロールtoロール工法により成膜できるため、生産性に優れ、コスト面でも有利である。基板の厚みが薄くなるに従い、外部圧力に対する変形もし易くなるため、液晶層の変形や、液晶層内での気泡の発生等の不具合が発生する危険性も上昇することとなる。本実施形態ではこのような薄いプラスチックフィルムを用いたときでも、NCAPやPNLCを液晶層にしているため、その高分子樹脂あるいは高分子マトリックスにより液晶層が自己保持性を有していて機械強度に強く信頼性上も問題がない。
【0061】
プラスチック基板にはポリカーボネイト(PC)あるいは、ポリエーテルスルフォン(PES)を用いることが好ましい。このような材質の250μm程度の基板は、可視光の透過性、耐熱性(〜150度)、基板の軽量性、厚みの点に優れ表示素子を形成した場合、表示品質が高く、軽量性、可撓性、生産性に優れる液晶素子及び表示装置を提供できる。
【0062】
本実施形態のNCAPやPNLCの液晶層を用いた表示装置においては、多数の液晶素子毎にスイッチング素子で駆動することでコントラストの高い表示をすることが必要である。スイッチング素子としては、二つの電極間に絶縁層を設けたMIM素子に代表されるような薄膜二端子素子や三端子素子である薄膜トランジスタ(TFT)などを使用することができるが、スイッチング性能や階調制御性の点から特に薄膜トランジスタが好ましい。
【0063】
図11は薄膜トランジスタが各液晶素子毎に設けられた表示装置(6素子分)の一例を断面図で示している。密接して配置された第1液晶層、第2液晶層は簡略化して液晶層101として示してある。薄膜トランジスタ104は各素子に対応する透明電極106の下に設けられ、光吸収層105と層間絶縁膜107に設けられたコンタクトホール108を介して透明電極106に導通している。
【0064】
図12は薄膜トランジスタ104の構造を簡略化して示したものである。基板102としてガラス、プラスチック等の絶縁体または表面を絶縁化した金属を用いる。観察者側の基板109は光学的に透明なガラスやプラスチック等を用い、共通電極として透明電極103が形成されている。110はゲート電極で、Ta、Mo、W、Al等の金属薄膜からなる。111はゲート絶縁膜で、SiNx 、SiOx 、Ta2 O5 、BaTiO3 、SrTiO3 、PLZT、シアノメチルプルラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリメチルメタクリレート、パリレン等の絶縁体薄膜からなる。112はa−Si、Poly−Si等の半導体薄膜からなるチャネル、113はソース電極、114はドレイン電極で、それぞれAl、Cr、Au等の金属薄膜からなる。107は層間絶縁膜で、SiOx 、ポリイミド、パリレン等からなる。108はコンタクトホールで、W等のコンタクトメタルで穴埋めされている。これらはスパッタリング法、CVD法、塗布法等の薄膜形成技術とウェットエッチング法、ドライエッチング法等のパターンニング技術とを組み合わせた公知の方法で作製することができる。薄膜トランジスタ104はゲート電極110に印加する電圧と、ソース電極113とドレイン電極114間に印加する電圧とで、ソースからドレインに流れる電流を制御する能動素子であるが、一定時間電流を流した後にゲート電圧をオフにすると液晶素子が持つ静電容量によって電荷が蓄積され電極106の電位が上昇する。これによって、液晶素子に電圧が印加される。
【0065】
薄膜トランジスタの構造としては、上記のもの(逆スタガー型)以外に、ソース・ドレイン電極と半導体薄膜の順序を入れ替えたもの(プレーナ型)やゲート電極が最上層となるもの(スタガー型)等であってもよい。
【0066】
薄膜トランジスタ104を構成する材料の内、特に半導体層としてa−Si、Poly−Si等の材料を用いると成膜温度が高いこと、装置が複雑で高価であること等から、軽量で壊れにくいプラスチック基板上に作製することができない、製造コストが高くなる等の問題がある。そこで、少なくとも薄膜トランジスタを構成する半導体層が有機物からなるものであることが好ましい。有機半導体材料は真空蒸着法や、スピンコート等の塗布法といった比較的簡便な方法で室温付近の温度での成膜が可能であるため、プラスチック基板が使用でき、また製造コストを低減できる。有機半導体材料として、ペンタセン、フタロシアニン等の低分子やポリアセチレン系導電性高分子、ポリパラフェニレン及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体等のポリフェニレン系導電性高分子、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリフラン及びその誘導体等の複素環系導電性高分子、ポリアニリン及びその誘導体等のイオン性導電性高分子があげられる。またこれら導電性高分子は、適当なドーパントをドーピングすることにより導電率を高くして用いてもよい。ドーピングに用いられるドーパントとしては、ポリスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸等の蒸気圧の低いものを用いるのが好ましい。
【0067】
<実施例1>
図1に示す構造で透明基板31、36としてガラス基板を用い、透明電極32を酸化インジウム膜(以後、ITO膜と記す)で形成した。光吸収層37はブラッククロムを真空成膜で透明基板36の背面に形成した。第1液晶層33としてPNLCを、大日本インキ化学工業(株)製のPNLC用の液晶組成物、モノマー組成物、および重合開始剤の混合物(製品名:PNM−106)に、高圧水銀ランプにより波長365nm中心の紫外線(強度50mW/cm2)を2分間照射し膜厚15μmで形成した。第2液晶層35としては、同じく大日本インキ化学工業(株)製のPNLC用の液晶組成物、モノマー組成物、および重合開始剤の混合物(製品名:PNM−101)に同様の装置で紫外線(強度50mW/cm2)を2分間照射して膜厚15μmのPNLCを形成した。透明分離層34としては両面にITO膜のついた厚み50μmのPESフィルムを配置した。通常の構成である図15で調光層23をPNM−101あるいはPNM−106を用いて30μm膜厚で形成し、鏡面光沢のない光吸収層26を配置した場合、白表示の反射率は20%以下であるが、実施例1においては22%の反射率を示した。また、駆動電圧7Vで第1液晶層33(PNM106で作製した層)は、散乱のない透明状態になるが、第2液晶層はわずかに散乱しており(反射率で2%程度)鏡面光沢のある光吸収層37の反射が視認できない程度で充分な黒状態を示した。反射率は図13に示す測定系で測定したものである。
【0068】
<実施例2>
第1液晶層33として、ITO膜のついたガラス基板上にPNM−101を塗布して、窒素雰囲気中でUV照射強度30mW/cm2で2分間照射して膜厚15μmのPNLCを作製した。この液晶層の高分子マトリックス中に液晶が約3μm程度の空間に分散した状態であることが顕微鏡観察で確認できた。第2液晶層35として、UV照射強度50mW/cm2で2分間の照射で膜厚15μmのPNLCを同様の手順で、実施例1に示した光吸収層を有するガラス基板上に形成した。高分子マトリックス中に約2μm程度の空間に液晶が分散していた。この2枚の基板を液晶層が密接するように貼り合わせ、液晶素子を作製した。
【0069】
実施例2での液晶素子においても、反射率は22%の明るい白表示が得られ、また駆動電圧20Vで第1液晶層33は、散乱のない透明状態になるが、第2液晶層35はわずかに散乱しており(反射率で3%程度)鏡面光沢のある光吸収層37の反射が視認できない程度で充分な黒状態を示した。
【0070】
<実施例3>
実施例2においてガラス基板にかえてPES基板(厚み100μm)を用いた。一方の基板背面に、カラー表示液晶装置で用いられるブラックレジスト(黒色の吸収層)上に屈折率が1.34と1.6を示す有機材料を交互に積層して鏡面光沢を有する光吸収層を形成した。第1液晶層33、第2液晶層35は実施例2と同様の材料、作製法で形成した。すると実施例3の素子でも、実施例2と同等の特性が得られた。
【0071】
<実施例4>
先述した薄膜トランジスタ104をガラス基板上に形成し、液晶層33、35は実施例2と同様の材料、作製法で作製した。すると多数に配列された各液晶素子が均一に駆動され、実施例2で得られた表示特性が表示装置の表示部全面に忠実に実現することができた。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の液晶素子によれば、電界により光散乱状態と光透過状態が制御可能な第1の液晶層と、同様に散乱状態と光透過状態の制御可能な第2の液晶層とが積層され、さらに第2の液晶層の、第1液晶層とは反対側に鏡面光沢を有する光吸収層を具備していることで、液晶層の積層による白表示での反射率を高めることができ、さらに、鏡面光沢を有する光吸収層を設けて、その反射成分をも利用することで白表示の反射率をさらに高めることができる。また黒表示ではいずれか一方の液晶層の光透過率を制御して黒表示面からの反射光を散乱させることで視認性の良い反射型液晶素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の反射型液晶素子のモデル図である。
【図2】本実施形態の反射型液晶素子の別のモデル図である。
【図3】NCAP方式の液晶層構造のモデル図である。
【図4】PNLC方式の液晶層構造のモデル図である。
【図5】液晶カプセル51中の液晶の材料が互いに異なるNCAP方式の液晶層を備えた反射型素子のモデル図である。
【図6】液晶カプセル51中の液晶の組成比が互いに異なるNCAP方式の液晶層を備えた反射型素子のモデル図である。
【図7】液晶カプセル51の直径が互いに異なるNCAP方式の液晶層を備えた反射型素子のモデル図である。
【図8】液晶61の組成比が互いに異なるPNLC方式の液晶層を備えた反射型素子のモデル図である。
【図9】高分子マトリックス樹脂62の疎密が互いに異なるPNLC方式の液晶層を備えた反射型素子のモデル図である。
【図10】NCAP方式の液晶層とPNLC方式の液晶層を各々備えた反射型素子のモデル図である。
【図11】薄膜トランジスタ104が各液晶素子毎に設けられた表示装置(6素子分)の断面図である。
【図12】薄膜トランジスタ104の構造の簡略図である。
【図13】実施例1から4にて液晶素子の反射率を測定するときの測定系である。
【図14】ゲスト・ホスト型の反射型ディスプレイの構成例である。
【図15】散乱型の反射型ディスプレイの構成例である。
【符号の説明】
31、36 透明基板
32 透明電極
33 第1液晶層
34 透明分離層
35 第2液晶層
37 光吸収層
51 液晶カプセル
52 高分子樹脂
61 液晶
62 高分子マトリックス樹脂
104 薄膜トランジスタ
Claims (16)
- 電界を印加し、層状の構造を有する透明電極と、前記透明電極により印加された電界により光散乱状態と光透過状態の何れかの状態が制御可能な液晶層と、鏡面光沢を有する光吸収層と、前記透明電極、前記液晶層、前記光吸収層を保持する透明基板とを備えて積層構造をなす反射型液晶素子であって、
前記液晶層は、第1の液晶層と、第2の液晶層とが積層された構造をとり、各液晶層のとりうる該状態は前記透明電極により印加された電界により個別に制御され、
前記光吸収層は前記第2の液晶層に対し、前記第1の液晶層の反対側に備えたことを特徴とする反射型液晶素子。 - 前記第1及び第2の液晶層の間に、各液晶層を分離し、導電性を備える透明導電性膜を備え、前記第1及び第2の液晶層の閾値電圧が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の反射型液晶素子。
- 前記第1及び第2の液晶層は、高分子分散型液晶カプセルもしくは高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性調光層の何れかであることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型液晶素子。
- 前記第1及び第2の液晶層は、高分子分散型液晶カプセルよりなる散乱性調光層であり、前記第1及び第2の液晶層が一対の基板間において密接して配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の反射型液晶素子。
- 前記第1及び第2の液晶層は、高分子分散型液晶カプセルよりなる散乱性調光層であり、前記散乱性調光層を構成する高分子及び液晶の材料は同一であり、組成比は互いに異なる構成であり、前記第1及び第2の液晶層が一対の基板間において密接して配置されていることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の反射型液晶素子。
- 前記第1及び第2の液晶層が高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性調光層であり、前記散乱性調光層を構成する高分子及び液晶の材料は同一であり、組成比は互いに異なる構成であり、前記第1及び第2の液晶層が一対の基板間において密接して配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の反射型液晶素子。
- 前記第1または第2の液晶層の一方が高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性調光層であり、他の一方の液晶層が高分子分散型液晶カプセルよりなる散乱性調光層であり、前記第1及び第2の液晶層が一対の基板間において密接して配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の反射型液晶素子。
- 前記第1及び第2の液晶層がともに高分子及び液晶が同一組成材料で構成される高分子分散型液晶カプセルの散乱性調光層であり、一方の液晶層の液晶カプセルの直径が他の一方の液晶層の直径より大きく、閾値電圧が低くなるようにしたことを特徴とする請求項2、3、5の何れか1項に記載の反射型液晶素子。
- 前記第1及び第2の液晶層がともに高分子及び液晶が同一組成材料で構成される高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性調光層であり、一方の液晶層の高分子マトリックスが他の一方の液晶層の高分子マトリックスより疎で、閾値電圧が低くなるようにしたことを特徴とする請求項2、3、6の何れか1項に記載の反射型液晶素子。
- 前記鏡面光沢を有する前記光吸収層は、フラットもしくはなめらかな凹凸の表面を有する黒色の物質よりなる層であることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の反射型液晶素子。
- 前記鏡面光沢を有する前記光吸収層は、黒色材料層上に誘電体を多層に積層したものであることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の反射型液晶素子。
- 前記透明基板は、厚み250μm以下のプラスチック基板であることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の反射型液晶素子。
- 第1の基板に電界により光散乱状態と光透過状態の何れかの状態をとる第1の液晶層を形成する第1形成工程と、第2の基板に鏡面光沢を有する光吸収層を形成する第2形成工程と、前記第2の基板に、前記光吸収層とは反対側に電界により光散乱状態と光透過状態の何れかの状態をとる第2の液晶層を積層して形成する第3形成工程と、前記第1、第2両基板の各液晶層を互いに接するように重ね合わせる第4形成工程を備えることを特徴とする反射型液晶素子の製造方法。
- 電極を備えた一対の基板間に請求項1から12の何れか1項に記載の反射型液晶素子が複数配置されており、前記反射型液晶素子を独立に駆動する薄膜トランジスタのスイッチング素子を具備することを特徴とする表示装置。
- 前記反射型液晶素子を構成する透明基板は、厚み250μm以下のプラスチック基板であることを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
- 前記薄膜トランジスタを構成する半導体層が有機物からなることを特徴とする請求項14または15に記載の表示装置。
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