JP2004258252A - カラーフィルタ基板およびその製造方法、並びに製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高品質なカラーフィルタ基板を製造する簡便かつ低コストな製造方法、および、高品質で安価なカラーフィルタ基板を提供する。
【解決手段】ガラス基板4の基板面に、着色液2に対して撥水性を示す光触媒含有層5を形成する第1の工程と、第1の工程にて形成された光触媒含有層5に、着色液2に対して親水性を示す親水性領域6を形成する第2の工程と、第2の工程にて形成された親水性を示す領域に、着色液2を連続して接触させながら該着色液を塗布する第3の工程とを含む製造方法を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】ガラス基板4の基板面に、着色液2に対して撥水性を示す光触媒含有層5を形成する第1の工程と、第1の工程にて形成された光触媒含有層5に、着色液2に対して親水性を示す親水性領域6を形成する第2の工程と、第2の工程にて形成された親水性を示す領域に、着色液2を連続して接触させながら該着色液を塗布する第3の工程とを含む製造方法を用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ基板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、テレビなどへの液晶表示装置の応用が急速に進展している。それぞれの液晶表示装置はカラー化に対応するためにカラーフィルタ基板が用いられており、一般的には赤(R)、緑(G)、青(B)の光の3原色がパターン形成されている。
【0003】
従来のカラーフィルタ基板製造方法としては、カラーレジストを透明基板上に塗布し、露光、現像により着色層をパターン形成する顔料分散法がある。この方法は、まず、基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色の着色層を得る。そしてこの工程を3回繰り返すことにより、R,G,Bの着色層をパターン形成するものである。
【0004】
また、染色基材を透明基板上に塗布し、露光、現像により形成した着色層を染色して着色層とする染色法もある。この方法は、先ずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を付与し、これをフォトリソグラフィ工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色層を得る。そしてこの工程を3回繰り返すことにより、R(赤)、G(緑)、B(青)の着色層をパターン形成するものである。
【0005】
しかしながら、これらの方式は、各色ごとに洗浄、塗布、露光、現像の各工程を繰り返す必要があり、プロセスの簡略化が困難である。さらに塗布工程において、スピンコート法による材料ロスが大きいという問題もある。また、他の形成方法として、透明電極を透明基板上にパターン形成し、各色の電解液中で透明電極に通電することで電着させる電着法、あるいは透明基板上に各色を印刷し着色層を形成する印刷法があるが、電着法はパターン形状が限定され、印刷法は高精細パターンの形成が困難であるという問題がある。
【0006】
これに対して、インクジェットヘッドを移動させながら、所定位置にインクを吐出し、直接着色層を形成するインクジェット方式は、インク使用量の低減、プロセスの簡略化によるコスト低減が可能となるため、現在注目されている。
【0007】
インクジェット方式においては、前処理としてガラス基板上に撥水性パターンと親水性パターンの各領域を形成しておくことで、インクを吐出した時に正確なパターンの着色層を形成することができる。
【0008】
この点、特許文献1には、感光層にパターン露光することによって、撥水性と親水性のパターンを形成する方法が示されている。すなわち、Ti3O、SnO2等が含有されている感光性化合物からなる感光層を形成し、該感光層に光照射を行うことで励起生成した電子と正孔が表面の吸着酸素や水と反応して活性酸素を生成させ、感光層表面を親水性を示す領域とするものである。ここで、上記感光性化合物(Ti3O、SnO2等)は金属酸化物であって、元来撥水、撥油性を示す性質を有し、感光層の光照射されていない領域は、撥水性を示す領域となる。したがって、インクジェット方式によって親水性を示す所定領域にインクを吐出したときに、インクのにじみ等に起因する着色層間の混色を防止することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−258622号公報(公開日:2000年9月22日)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1で用いられているようなインクジェット方式においては、所定の位置にインクを吐出させる必要があるため、インク吐出位置を高精度に制御しなければならないという難点がある。そして、インク吐出位置にずれが生じた場合、着色層間の混色や着色層に色がついていない部分が生じる白抜きの原因となる。
【0011】
さらに、インクジェット方式においては、所定の量のインクを所定の間隔をおいて吐出させる必要があるため、インクの間欠吐出を高度に制御しなければならないという難点がある。そして、間欠吐出安定性が損なわれた場合、着色層の色ムラ等の原因となる。また、インクジェットノズルの目詰まりなども問題である。
【0012】
以上のように、従来の方式を用いて高品質なカラーフィルタ基板を製造するには、煩雑な製造工程や高度なインク吐出制御を実現しうる高価な製造装置が必要となる。そして、煩雑な製造工程の処理や高価な製造装置の使用は、製造コストの上昇、ひいては製造されるカラーフィルタ基板自体の価格上昇を招来することになる。
【0013】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、高品質なカラーフィルタ基板を製造する簡便かつ低コストな製造方法、および、安価で高品質なカラーフィルタ基板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、上記課題を解決するために、透光性基板の基板面に着色液を塗布することで着色層を形成するカラーフィルタ基板製造方法において、上記基板面に形成された、上記着色液に対して親液性を示す領域と撥液性を示す領域に、着色液を連続して接触させながら該着色液を塗布する工程を含んでいることを特徴としている。
【0015】
上記方法は、上記基板面に形成された、上記着色液に対して親液性を示す領域(以下、親水性領域と称する)と撥液性を示す領域(以下、撥水性領域と称する)に、着色液をいわば直接に塗布するものである。ここで、親液性とは、例えば、親水性や親油性を示し、撥液性とは、例えば、撥水性や撥油性を示す。
【0016】
すなわち、着色液を基板面に塗布をする際、親液性領域以外の撥液性領域に接触した着色液は、その表面ではじかれた状態になる。この状態で、継続的に着色液を供給しつつ、連続的に着色液を塗布すれば、着色層を形成すべき領域以外の領域(撥液性領域)には着色液が付着しない。
【0017】
このように、上記方法では着色液を基板面に接触させた状態で着色液の塗布を行うことから、着色液を塗布すべき領域の位置合わせが不要である。さらに、着色液を継続的に供給することから、インクジェット方式と異なりインクの間欠吐出の制御が不要である。よって、煩雑な製造工程やインクジェット方式のような高価な製造装置を必要としない。
【0018】
これにより、簡便かつ低コストにカラーフィルタ基板を製造できる。
【0019】
また、基板面(正確には、着色をすべき親液性領域)と着色液とを連続して接触させながら、いわば直接的に着色液の塗布を行うことから、点描のように着色(着色液の塗布)を行うインクジェット方式に比較して、着色層に色ムラや白抜きが発生する可能性が低減する。
【0020】
これにより、製造されるカラーフィルタ基板の高品質化を実現できる。また、インクジェット方式に比較して着色液の使用量が減らすことができため、製造コストを低減できる。
【0021】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記した着色液を塗布する工程に、着色液を供給する着色液供給装置の着色液供給口を上記基板面の所定位置に近接させ、着色液をこの所定位置に接液させる工程と、着色液供給口と基板面とを一定の間隔に離し、着色液を上記所定位置から表面張力によって垂れ下がらせる工程と、着色液供給口と基板面とを一定の間隔に保ったまま、着色液供給口と上記透光性基板とを相対移動させ、着色液を親液性を示す領域にのみに塗布する工程とを含んでいることが望ましい。
【0022】
この方法においては、最初の工程として、着色液供給装置の着色液供給口へ供給され、表面張力により盛り上がった(着色液供給口から外部へ露出した)着色液を基板面の所定位置へ接液させる。このとき、親液性領域以外の撥液性領域に接液した着色液は、撥液性領域表面においてはじかれた状態となる。
【0023】
次の工程として、着色液供給口と基板面とが一定の間隔を保つよう、着色液供給口を移動させる。すると、親液性領域以外の撥液性領域に接液した着色液は、この撥液性領域表面から完全に離れた状態となり、基板面に残らない。これに対し、親液性領域に接液した着色液は、親液性領域に接触したまま表面張力によって垂れ下がり、着色液供給口と基板面の親液性領域(着色を行うべき領域)とは、いわば、一定の間隔を保ちつつ、着色液を介してつながった状態となる。
【0024】
さらに次の工程として、上記状態を保ちつつ、着色液供給口あるいは透光性基板を平行移動させる。これにより、着色液は、透光性基板に形成された親液性領域(着色を行うべき領域)にのみに塗布されることになる。
【0025】
このように、着色液供給口と基板面とを、一定の間隔に保ち、着色すべき領域以外の領域(撥液性領域)と着色液供給口とを完全に離した状態で着色液の塗布を行うことで、より正確に着色すべき領域にのみ着色することが可能となる。これにより、簡便な方法で着色層間の混色を防止することができる。
【0026】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記した着色液を塗布する工程を少なくとも3回繰り返して基板面上に3色の着色液を塗布して、第1着色層、第2着色層、第3着色層を形成することが望ましい。
【0027】
例えば、基板面に、紫外線照射によって親液性を発現する撥液層(以下、光触媒含有層と称する)を形成し、この光触媒含有層に所定パターンのフォトマスクを用いて紫外線照射を行うことによって、上記親液性領域を形成し、この親液性領域にのみ所望の着色液を塗布するという工程を少なくとも一度行うことによって、第1着色層、第2着色層、第3着色層の順に3色の着色層を形成する方法である。
【0028】
ここで、上記光触媒含有層に含まれる光触媒材料とは、例えば、TiO2(酸化チタン)、SnO2(酸化スズ)等の、元来撥液性をもつ、感光性の金属酸化物であって、紫外線の照射によって親液性を発現するものである。
【0029】
上記方法において、光触媒含有層は、元来撥液性をもち、紫外線の照射によって親液性を発現する光触媒材料を含むため、上記透光性基板に塗布した初期状態で撥液性を示す。ここで光触媒含有層に紫外線を照射することで、励起生成した電子と正孔が表面の吸着酸素や液と反応して活性酸素を生成し、表面改質により親液性を示す。
【0030】
この原理を用いれば、着色層を形成したい領域がパターン化されたフォトマスクを介して紫外線照射を行うことで、光触媒含有層における着色層を形成したい領域は親液性領域となり、その他の領域は初期状態の撥液性を示すままとなる。そして、この親液性領域に所望の着色液を塗布するという工程を少なくとも一度行えば、カラーフィルタ基板を製造できる。
【0031】
すなわち、着色すべき領域がパターン化されたフォトマスクを用い、光触媒含有層に紫外線照射を行うことによって、上記着色すべき領域を親液性領域とする。そして、この親液性領域に所望の色を順に着色すればよい。例えば、まず赤(R)の着色層を形成すべき領域に赤色の着色液を塗布し、次に緑(G)の着色層を形成すべき領域に緑色の着色液を塗布し、最後に(B)の着色層を形成すべき領域に青色の着色液を塗布するものである。これにより、3色(例えばR、G、B)の着色層を形成することができる。
【0032】
このように上記方法によれば、上述した染色法等のように、異なる色の着色層を形成するたびに露光、現像の工程を繰り返すことが不要となり、カラーフィルタ基板の製造工程の簡便化を実現できる。
【0033】
なお、本発明として記載した構成を、前記発明として記載した各構成と、必要に応じて任意に組み合わせてもよい。
【0034】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、上記方法に加え、上記工程において、上記基板面上の、各色の着色液を塗布すべき領域のみに、親液性領域が形成されていることが望ましい。
【0035】
例えば、第1着色層を形成すべき領域を親液性とするパターニングを行い、この第1着色層を形成すべき領域に着色液を塗布し、次に、第2着色層を形成すべき領域を親液性とするパターニングを行い、この第2着色層を形成すべき領域に着色液を塗布し、次に、第3着色層を形成すべき領域を親水性とするパターニングを行い、この第3着色層を形成すべき領域に着色液を塗布することによって、第1着色層、第2着色層および第3着色層を形成すればよいのである。
【0036】
ここでいうパターニングとは、着色すべき領域がパターン化されたフォトマスクを介して、上記光触媒含有層に紫外線照射を行うことによって、上記着色すべき領域を親液性領域とすることである。
【0037】
上記方法は、第1〜第3着色層(例えば、赤の着色層、緑の着色層、青の着色層)を形成する場合に、各着色層を形成する度に、紫外線照射による親液性領域の形成(パターニング)と、この親液性領域への着色液の塗布を行うものである。
【0038】
例えば、まず、赤の着色層を形成すべき領域をパターニングし、この領域に赤の着色液を塗布する。次に、緑の着色層を形成すべき領域をパターニングし、この領域に緑の着色液を塗布する。次に、青の着色層を形成すべき領域をパターニングし、この領域に青の着色液を塗布するのである。
【0039】
この方法によれば、各色の着色液を塗布する場合に、その色の着色層を形成すべき領域(その色の着色液を塗布すべき領域のみ)が親液性領域となっているため、着色層間の混色をより確実に防止することができる。
【0040】
なお、本発明として記載した構成を、前記発明として記載した各構成と、必要に応じて任意に組み合わせてもよい。
【0041】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記方法に加えて、着色液を基板面(光触媒含有層)に接液する際、着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0042】
上記方法は、既に形成された着色層があることを前提に、次の着色層を形成する場合に関するものである。
【0043】
すなわち、着色液供給口へ供給され、表面張力によって盛り上がった(着色液供給口から外部へ露出した)着色液を、光触媒含有層の所定位置へ接液させる場合に、その所定位置につき、着色層が形成されていない位置に着色液を接液し、既に形成された着色層に上記着色液を付着させないようにするものである。
【0044】
これにより、既に形成されている着色層と接することなく、次の着色層を形成すべき領域(親液性領域)に着色液を塗布することができ、着色層間の混色をより確実に防止することができる。
【0045】
なお、本発明として記載した構成を、前記発明として記載した各構成と、必要に応じて任意に組み合わせてもよい。
【0046】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記第2着色層を形成する際に、第1着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0047】
これにより、既に形成されている第1着色層と接することなく、第2着色層を形成すべき領域(親液性領域)に所望の着色液を塗布することができ、第1着色層と第2着色層間の混色を防止することができる。
【0048】
また、上記第3着色層を形成する際に、第1着色層および第2着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0049】
これにより、既に形成されている第1および第2着色層と接することなく、第3着色層を形成すべき領域(親液性領域)に所望の着色液を塗布することができ、第1および第2着色層と第3着色層間の混色を防止することができる。
【0050】
なお、本発明として記載した構成を、前記発明として記載した各構成と、必要に応じて任意に組み合わせてもよい。
【0051】
本発明のカラーフィルタ基板の製造装置は、透光性基板の基板面に着色液が塗布されたカラーフィルタ基板の製造装置において、上記透光性基板の基板面に形成された、上記着色液に対して親液性および撥液性を示す親撥液性領域に、着色液を継続的に供給するノズルを有することを特徴としている。
【0052】
ここで、本発明のカラーフィルタ基板の製造装置においては、上記ノズルの先端部(ノズル先端部)には、毛細管現象を利用して、着色液が継続的に供給されることが望ましい。
【0053】
ここで、毛細管現象とは、液体中に毛管状の管を挿入した場合に、管中の液面が、管外の液面に比べて上昇する現象をいう。
【0054】
上記構成は、毛細管現象によってノズル先端部へ引導され、ノズル先端部から表面張力によって露出した着色液を、親撥液パターンが形成された基板面(光触媒含有層)にいわば直接に塗布するものである。
【0055】
これにより、ノズル先端部から露出した着色液が基板面へ塗布され、ノズル先端部の着色液が減少すると、ほぼその減少量だけ、毛細管現象により、いわば自動的に上記ノズル先端部へ着色液が供給されることになる。すなわち、複雑な装置を必要とすることなく、ノズル先端部へ継続的かつ安定的に着色液を供給することができる。
【0056】
したがって、着色(着色液の塗布)の際に、容易に色むらや白抜けを防止できる。また、インクジェット方式に比較して、使用インク量を低減させることができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の一形態を説明する。
【0058】
まず、図4に、本発明におけるカラーフィルタ基板1の断面図を示す。図4に示すとおり、本発明の製造方法によって製造されたカラーフィルタ基板1は、ガラス基板4(透光性基板)上にブラックマトリクス3と光触媒含有層5が形成され、この光触媒含有層5上に着色層8(R)、着色層9(G)、着色層10(B)が形成された構造である。ここで、ブラックマトリクス3は、各着色層間の遮光層である。
【0059】
次に、カラーフィルタ基板1の製造方法についての原理を、図1〜図2および図4に基づいて説明する。ここで、図1(a)〜(c)は、本発明における着色液の塗布工程を示し、図2(a)〜(b)は、本発明のカラーフィルタ基板1の製造方法で用いる塗布装置11(着色液供給装置)の構造を示す。
【0060】
まず第1の工程として、上記透光性基板4の基板面に、着色液2に対して撥水性(撥液性)を示す光触媒含有層5を形成する。次に、第2の工程として、第1の工程にて形成された光触媒含有層5上に、上記着色液2に対して親水性(親液性)を示す親水性領域6を形成する。次に、第3の工程として、光触媒含有層5上に、着色液2を連続して接触させることによって、親水性領域6に着色液2を塗布する。
【0061】
本発明は、第3の工程に特徴点をもつ。そこでこの第3の工程を、より詳細に説明する。
【0062】
上記第3の工程において、まず、図1(a)のように、塗布装置11(着色液供給装置)のノズル先端部24(着色液供給口)を光触媒含有層5における親水性領域6の所定位置7に近接させ、表面張力により盛り上がった(ノズル先端部24から外部へ露出した)着色液2を光触媒含有層5の所定位置7へ接液させる。このとき、親水性領域6以外の撥水性領域に接液した着色液2は、撥水性領域表面においてはじかれた状態となる。
【0063】
そして、この状態のまま、図1(b)に示すように、ノズル先端部24を下に一定の距離移動させ、ノズル先端部24と光触媒含有層5とを一定の間隔に離し、着色液2を上記所定位置7から垂れ下がらせる。すると、親水性領域6以外の撥水性領域に接液した着色液2は、この撥水性領域表面から完全に離れた状態となり、光触媒含有層5に残らない。これに対し、親水性領域6に接液した着色液2は、親水性領域6に接液(付着)したまま表面張力によって垂れ下がり、ノズル先端部24と光触媒含有層5の親水性領域6(着色すべき領域)とは、いわば、一定の間隔を保ちつつ、着色液2を介してつながった状態となる。
【0064】
さらにこの状態を保ちつつ、図1(c)に示すように、ノズル先端部24あるいは透光性基板4を、親水性領域6と平行に移動させる。これにより、着色液2は、透光性基板4に形成された光触媒含有層5(着色すべき親水性領域)にのみに塗布されることになる。
【0065】
その後、親水性領域6に塗布された着色液2を焼成する。これにより、1つの色を示す着色層が形成される。そして、以上の第3の工程(着色液の塗布工程)および焼成工程を3度繰り返すことにより、赤(R)、緑(G)、青(B)を示す3種類の着色層を形成することができる。
【0066】
次に、上記のカラーフィルタ基板1の製造方法に用いる塗布装置11について、図1および図2に基づいて説明する。
【0067】
図2(a)に示すように、塗布装置11(着色液供給装置)は、着色液2を貯蔵する液槽21、供給管25、ノズル22を有する。このノズル22は図1(a)に示されるように、三角柱を横にしたような形状であって、親水性領域6に略垂直な2つの平面ではさまれた微小な間隙23を有する。この間隙23は着色液2の浸透空間である。なお、図2(a)に示すように、塗布装置11を縦断面にすると、ノズル22の間隙23は毛管状となる。
【0068】
そして、着色液2は、毛細管現象によって、液槽21から供給管25を介してこのノズル22の(毛管状)間隙23へ浸透し、ノズル先端部24(着色液供給口)へ供給される。ノズル先端部24へ供給された着色液2は、表面張力により盛り上った状態(ノズル先端部24から外部へ露出した状態)となる。この状態で着色液2は光触媒含有層5へ接液され、光触媒含有層5へ塗布される。
【0069】
以下に、本実施の形態における上記カラーフィルタ基板1の製造方法を図1、図3および図5を参照しながら説明する。
【0070】
ここで、図3は本実施の形態における着色液の塗布工程を、図5は本実施の形態における着色層の形成工程を示す。
【0071】
まず、ガラス基板4(このガラス基板4には、ブラックマトリクス3がストライプ状に形成されている)上に光触媒含有層5を以下の方法で形成する。
【0072】
アナターゼ型酸化チタン微粒子分散液とフルオロアルキルシランを加水分解、縮合反応により合成させ、溶剤中にアナターゼ型酸化チタンが分散した塗布液を生成する。そして、この塗布液をスピンコート法によって、0.1μmの膜厚でガラス基板4上に塗布する。その後、ガラス基板4上に塗布された塗布液を200℃で10分間乾燥させ、硬化させる。これにより、ガラス基板4上に光触媒含有層5が形成される。(図5(a))
次に、図5(b)に示すように、光触媒含有層5にフォトマスク12aを介して紫外線照射を行い、第1着色層8の形成位置を含む親水性領域6a(図3(a)の破線で囲んだ領域)を形成する。ここで、フォトマスク12aは、紫外線が親水性領域6aに照射されるようにパターニングされている。これにより、光触媒含有層5上に親水性領域6aとそれ以外の撥水性領域とが形成される。
【0073】
次に、以下の方法で、赤色(R)の着色層8を形成する。
【0074】
まず、塗布装置11(図2(a)参照)を用いて、着色液2a(赤色(R)の顔料が分散されたカラーレジスト)を上記親水性領域6aに塗布する。
【0075】
すなわち、最初の工程として、毛細管現象によって、液槽21、ノズル25からノズル先端部24へ供給(引導)され、表面張力により盛り上った(外部に露出した)着色液2aを、親水性領域6aの端部へ接液させる(図1(a))。図3(a)に示すとおり、この状態において、ノズル先端部24の位置(接液位置)は7aとする。このとき、上記撥水性領域に接液した着色液2aは、その表面においてはじかれた状態となる。
【0076】
次の工程として、図1(b)のように、ノズル先端部24と光触媒含有層5とが一定の間隔を保つよう、ノズル23を下に移動させる。すると、上記撥水性領域に接液した着色液は、その表面から完全に離れた状態となり、光触媒含有層5に残らない。これに対し、親水性領域6aに付着した着色液2aは、光触媒含有層5に接液したまま表面張力により下へ垂れ下がり、ノズル先端部24と光触媒含有層5の親水性を示す領域とは、いわば、一定の間隔を保ちつつ、着色液2aを介してつながった状態となる。
【0077】
さらに次の工程として、図1(c)のように、ノズル先端部24と着色液2aとを、上記状態に保ちつつ、ノズル先端部24あるいはガラス基板4を水平に平行移動させる。これにより、着色液2aは、ガラス基板4に形成された光触媒含有層5上の親水性領域6aのみに塗布される。
【0078】
以上により、親水性領域6aに、1μmの膜厚で着色液2a(赤色(R)の顔料が分散されたカラーレジスト)を塗布する。その後、親水性領域6aに塗布された着色液2aを、200℃で30分間、焼成する。これにより、赤色(R)の第1着色層8が形成される。(図5(c))。
【0079】
次に、図5(d)に示すように、光触媒含有層5にフォトマスク12bを介して紫外線照射を行い、第2着色層9を形成する位置を含む親水性領域6bを形成する。ここで、フォトマスク12bは、親水性領域6b(図3(b)の破線で囲んだ領域)に紫外線が照射されるようなパターンが形成されている。これにより、光触媒含有層5上に親水性領域6bが形成される。
【0080】
次に、第1着色層8の形成時と同様に、図2(a)に示す塗布装置、図1に示す塗布方法を用いて、着色液2b(緑色(G)の顔料が分散されたカラーレジスト)を親水性領域6bのみに1μmの膜厚で塗布する。ここで、ノズル先端部24を親水性領域6bの端部へ接液させる(図1(a)参照)際、このノズル先端部24の位置は、図3(b)に示す7bとする。これにより、既に形成された着色層8に着色液2bが付着してしまうことがなくなり、着色層8と着色層9との間の混色を防止することができる。
【0081】
以上により、親水性領域6bに、1μmの膜厚で着色液2bが塗布される。その後、この親水性領域6bに塗布された着色液2bを、200℃で30分間、焼成する。これにより、緑色(G)の第2着色層9が形成される。(図5(e))。
【0082】
次に、図5(f)に示すように、光触媒含有層5にフォトマスク12cを介して紫外線照射を行い、第3着色層10を形成する位置を含む親水性領域6cを形成する。ここで、フォトマスク12cは、親水性領域6c(図3(c)の破線で囲んだ領域)に紫外線が照射されるようにパターニングされている。これにより、光触媒含有層5上に親水性領域6cが形成される。
【0083】
次に、第1着色層8および第2着色層9の形成時と同様に、図2(a)に示す塗布装置、図1に示す塗布方法を用いて、着色液2c(青(B)の顔料が分散されたカラーレジスト)を親水性領域6cのみに1μmの膜厚で塗布する。ここで、ノズル先端部24を親水性領域6cの端部へ接液させる際(図1(a)参照)、このノズル先端部24の位置は、図3(c)に示す7cとする。これにより、既に形成された着色層8および着色層9に着色液2cが付着してしまうことがなくなり、着色層8および着色層9と着色層10との間の混色を防止することができる。
【0084】
以上により、親水性領域6cに、1μmの膜厚で着色液2cが塗布される。その後、親水性領域6cに塗布された着色液2cを、200℃で30分間、焼成する。これにより、青色(B)の第3着色層10が形成される。(図5(g))。
【0085】
以上の工程によって、光触媒含有層5上に赤色(R)の着色層8、緑色(G)の着色層9、青色(B)の着色層10から成るカラーフィルタ基板1を形成することができる。
【0086】
以上のように、上記方法では着色液2(2a〜2c)を直接光触媒含有層5に接液させた状態で着色層(8〜10)の形成を行うことから、着色液2(2a〜2c)を塗布すべき領域(6a〜6c)の位置合わせが不要である。さらに着色液(2a〜2c)を連続的に供給することから、インクジェット方式と異なりインクの間欠吐出の制御が不要である。よって、煩雑な製造工程やインクジェット方式のような高価な製造装置を必要としない。
【0087】
これにより、簡便かつ低コストにカラーフィルタ基板1を製造できる。
【0088】
また、光触媒含有層5と着色液(2a〜2c)とを連続して接触させながら、いわば直接的に着色液(2a〜2c)の塗布を行うことから、点描のように着色(着色液の塗布)を行うインクジェット方式に比較して、着色層(8〜10)に色ムラや白抜きが発生する可能性が低減する。
【0089】
これにより、製造されるカラーフィルタ基板1の高品質化を実現できる。また、インクジェット方式に比較して着色液(2a〜2c)の使用量が減らすことができため、製造コストを低減できる。
【0090】
さらに、この方法によれば、R、G、Bの各色の着色液(2a〜2c)を塗布する場合に、その色の着色層(8〜10)を形成すべき領域のみが親水性領域(6a〜6c)となっているため、着色層(8〜10)間の混色をより確実に防止することができる。実際、このように作成されたカラーフィルタ基板1を光学顕微鏡により観察したところ、混色、色ムラ、白抜け等の品質不良は観察されなかった。
【0091】
なお、光触媒含有層に分散する金属酸化物としては、上記実施の形態で用いた酸化チタン(例えば、TiO2)のほかに、SnO2、ZnO、WO3、Fe2O3等が挙げられる。
【0092】
TiO2は、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易である。酸化チタン(TiO2)にはアナターゼ型とルチル型があるが、上記実施の形態で用いたアナターゼ型は、励起波長が380nm以下であり、低温焼成、光触媒反応の効率が良いなどの利点がある。
【0093】
なお、着色液(2a〜2c)の塗布方法はスピンコート法に限らず、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法等でもよく、均一な着色液の膜厚が形成できればよい。
【0094】
なお、図6(a)〜(c)は、本実施の形態におけるカラーフィルタ基板1の着色層形成面側から見た平面図である。ここで、斜線で示す領域13、領域14領域15は、ブラックマトリクス3上にあり、それぞれ、第1着色層8、第2着色層9、第3着色層10を形成するためのノズル先端部24の接液位置(着色液塗布開始地点)である。
【0095】
しかしながら、ノズル先端部24の接液位置はこれに限定されない。すなわち、既に形成されている着色層と重ならない接液位置であればよく、図6(b)や図6(c)の平面図で示す構成などでもよい。
【0096】
例えば、図6(b)に示されるように、着色層9(G)を形成する際に、既に形成された着色層8(R)が接液された領域13が存在するブラックマトリクス領域3aとは反対側のブラックマトリクス領域3c上の領域14に接液し、この位置から着色層9(G)に着色液2bを塗布するものである。これにより、既に形成された着色層8に着色液2bが付着してしまうことがなくなり、着色層間の混色を防止することができる。
【0097】
さらに、着色層10(B)を形成する際には、領域13および領域14が存在するブラックマトリクス領域3aおよび3cとは異なる、ブラックマトリクス領域3b上の領域15に接液し、この位置から着色層10(B)に着色液2cを塗布する。これにより、既に形成された着色層8および着色層9に着色液2cが付着してしまうことがなくなり、着色層間の混色を防止することができる。
【0098】
また、図6(c)に示されるように、着色層10(B)を形成する際に、領域13および領域14が存在するブラックマトリクス領域3aおよび3cとは異なる、ブラックマトリクス領域3d上の領域15に接液し、この位置から着色層10(B)に着色液2cを塗布してもよい。
【0099】
上記の実施の形態では、R、G、Bの各色の着色層を形成する毎に、パターニング工程を行ったが、1度のパターニング工程で数色の着色層を形成してもよい。すなわち、フォトマスクを介して紫外線照射を行う、パターニング工程を少なくすることもできる。これを図7、図8を用いて説明する。ここで、図7(a)〜(f)は着色層の形成工程を、図8は着色液の塗布工程を示す。
【0100】
まず、ガラス基板4(このガラス基板4には、ブラックマトリクス3がストライプ状に形成されている)上に光触媒含有層5を形成する(図7(a)参照)。
【0101】
次に、図7(b)に示すように、光触媒含有層5にフォトマスク12aを介して紫外線照射を行い、第1着色層8を形成する位置を含む親水性領域6aを形成する。ここで、フォトマスク12aは、親水性領域6a(図8の黒線で囲んだ領域)に紫外線が照射されるようにパターニングされている。これにより、光触媒含有層5上に親水性領域6aとそれ以外の撥水性領域とが形成される。
【0102】
その後、上記した実施の形態1と同じ装置、方法を用いて、親水性領域6aに、1μmの膜厚で着色液2a(赤色(R)の顔料が分散されたカラーレジスト)を塗布する。ここで、ノズル先端部24を親水性領域6bの端部へ接液させる(図1(a)参照)際、このノズル先端部24の位置は、図8に示す7dとする。
【0103】
その後、親水性領域6aに塗布された着色液2aを、200℃で30分間、焼成する。これにより、赤色(R)の第1着色層8が形成される。(図7(c))。
【0104】
次に、図7(d)に示すように、光触媒含有層5にフォトマスク12dを介して紫外線照射を行い、第2着色層9および第3着色層10を形成する位置を含む親水性領域6bおよび6cを形成する。ここで、フォトマスク12dは、親水性領域6bおよび6c(図8の破線で囲んだ領域)に紫外線が照射されるようなパターンが形成されている。これにより、光触媒含有層5上に親水性領域6bおよび6cが形成される。
【0105】
次に、第1着色層8の形成時と同様に、図2(a)に示す塗布装置、図1に示す塗布方法を用いて、着色液2b(緑色(G)の顔料が分散されたカラーレジスト)を親水性領域6bのみに1μmの膜厚で塗布する。ここで、ノズル先端部24を親水性領域6bの端部へ接液させる(図1(a)参照)際、このノズル先端部24の位置は、図8に示す7eとする。これにより、既に形成された着色層8に着色液2bが付着してしまうことがなくなり、着色層間の混色を防止することができる。
【0106】
以上により、親水性領域6bに、1μmの膜厚で着色液2bが塗布される。その後、この親水性領域6bに塗布された着色液2bを、200℃で30分間、焼成する。これにより、緑色(G)の第2着色層9が形成される。(図7(e))。
【0107】
次に、第1着色層8および第2着色層9の形成時と同様に、図2(a)に示す塗布装置、図1に示す塗布方法を用いて、着色液2c(青(B)の顔料が分散されたカラーレジスト)を親水性領域6cのみに1μmの膜厚で塗布する。ここで、ノズル先端部24を親水性領域6cの端部へ接液させる際(図1(a)参照)、このノズル先端部24の位置は、図8に示す7fとする。これにより、既に形成された着色層8および着色層9に着色液2cが付着してしまうことがなくなり、着色層間の混色を防止することができる。
【0108】
以上により、親水性領域6cに、1μmの膜厚で着色液2cが塗布される。その後、親水性領域6cに塗布された着色液2cを、200℃で30分間、焼成する。これにより、青色(B)の第3着色層10が形成される。(図7(f))。
【0109】
以上の工程によって、光触媒含有層5上に赤色(R)の着色層8、緑色(G)の着色層9、青色(B)の着色層10から成るカラーフィルタ基板1を形成することができる。
【0110】
なお、図8の7d〜7eは、本実施の形態におけるノズル先端部24の接液位置(着色液塗布開始地点)である。
【0111】
しかしながら、上述したように、ノズル先端部24の接液位置はこれに限定されない。すなわち、既に形成されている着色層と重ならない接液位置であればよい。
【0112】
また、一度のパターニング工程によって、赤(R)、緑(G)、青(B)すべての色の着色層を形成すべき領域を親水性領域にしても良い。そして、各色を形成すべき親水性領域ごとに、1μmの膜厚で着色液2を塗布し、この親水性領域に塗布された着色液2を、200℃で30分間、焼成する。これを各色につき繰り返すことで、光触媒含有層5上に赤色(R)の着色層8、緑色(G)の着色層9、青色(B)の着色層10から成るカラーフィルタ基板1を形成することができる。
【0113】
また、本実施の形態においては、図2(a)に示される構造の塗布装置11を用いたが、塗布装置11の構造はこれに限定されない。例えば、図2(b)に示されるように、液槽21の内部にノズル22が設けられ、供給管25を介さず、着色液2が液槽21から直接にノズル22(その間隙23)に供給されるような構造であってもよい。
【0114】
また、本実施の形態において、着色液2は親水性を示す水性のものを用いたが、これに限定されない。例えば親油性を示す油性のものであっても良い。
【0115】
また、酸化チタン等が分散された光触媒含有層をパターニングし、光触媒含有層に親水、撥水領域を形成した場合、さらに、この後親水領域のみに水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性溶液を塗布することで、親水領域の光触媒含有層を除去することもできる。
【0116】
最後に、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0117】
【発明の効果】
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、以上のように、透光性基板の基板面に着色液を塗布することで着色層を形成するカラーフィルタ基板製造方法において、上記基板面に形成された、上記着色液に対して親液性を示す領域と撥液性を示す領域に、着色液を連続して接触させながら該着色液を塗布する工程を含んでいることを特徴としている。
【0118】
上記方法によれば、上記方法では着色液を基板面に接触させた状態で着色液の塗布を行うことから、着色液を塗布すべき領域の位置合わせが不要である。さらに、着色液を継続的に供給することから、インクジェット方式と異なりインクの間欠吐出の制御が不要である。よって、煩雑な製造工程やインクジェット方式のような高価な製造装置を必要としない。
【0119】
これにより、簡便かつ低コストにカラーフィルタ基板を製造できる。
【0120】
また、基板面(正確には、着色をすべき親液性領域)と着色液とを連続して接触させながら、いわば直接的に着色液の塗布を行うことから、点描のように着色(着色液の塗布)を行うインクジェット方式に比較して、着色層に色ムラや白抜きが発生する可能性が低減する。
【0121】
これにより、製造されるカラーフィルタ基板の高品質化を実現できる。また、インクジェット方式に比較して着色液の使用量が減らすことができため、製造コストを低減できる。
【0122】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、上記着色液を塗布する工程に、着色液を供給する着色液供給装置の着色液供給口を上記基板面の所定位置に近接させ、着色液をこの所定位置に接液させる工程と、着色液供給口と基板面とを一定の間隔に離し、着色液を上記所定位置から垂れ下がらせる工程と、着色液供給口と基板面とを一定の間隔に保ったまま、着色液供給口と上記透光性基板とを相対移動させ、着色液を親液性を示す領域にのみに塗布する工程とを含んでいることが望ましい。
【0123】
このように、着色液供給口と基板面とを、一定の間隔に保ち、着色すべき領域以外の領域(撥液性領域)と着色液供給口とを完全に離した状態で着色液の塗布を行うことで、より正確に着色すべき領域にのみ着色することが可能となる。これにより、簡便な方法で着色層間の混色を防止することができる。
【0124】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、上記した着色液を塗布する工程を少なくとも3回繰り返して基板面上に3色の着色液を塗布して、第1着色層、第2着色層、第3着色層を形成することが望ましい。
【0125】
例えば、基板面に、紫外線照射によって親液性を発現する光触媒含有層を形成し、この光触媒含有層に所定パターンのフォトマスクを用いて紫外線照射を行うことによって、上記親液性領域を形成し、この親液性領域にのみ所望の着色液を塗布するという工程を少なくとも一度行うことによって、第1着色層、第2着色層、第3着色層の順に3色の着色層を形成すればよい。
【0126】
上記方法によれば、上述した染色法等のように、異なる色の着色層を形成するたびに露光、現像の工程を繰り返すことが不要となり、カラーフィルタ基板の製造工程の簡便化を実現できる。
【0127】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、上記工程において、各色の着色液を塗布すべき領域のみに、親液性領域が形成されていることが望ましい。
【0128】
例えば、第1着色層を形成すべき領域を親液性とするパターニングを行い、この第1着色層を形成すべき領域に着色液を塗布し、次に、第2着色層を形成すべき領域を親液性とするパターニングを行い、この第2着色層を形成すべき領域に着色液を塗布し、次に、第3着色層を形成すべき領域を親水性とするパターニングを行い、この第3着色層を形成すべき領域に着色液を塗布することによって、第1着色層、第2着色層および第3着色層を形成すればよい。
【0129】
上記方法によれば、各色の着色液を塗布する場合に、その色の着色層を形成すべき領域(その色を着色すべき領域のみ)が親液性領域となっているため、着色層間の混色をより確実に防止することができる。
【0130】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記方法に加えて、着色液を基板面(光触媒含有層)に接液する際、着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0131】
上記方法によれば、既に形成されている着色層と接することなく、次の着色層を形成すべき領域(親液性領域)に着色液を塗布することができ、着色層間の混色をより確実に防止することができる。
【0132】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記第2着色層を形成する際に、第1着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0133】
上記方法によれば、既に形成されている第1着色層と接することなく、第2着色層を形成すべき領域(親液性領域)に所望の着色液を塗布することができ、第1着色層と第2着色層間の混色を防止することができる。
【0134】
また、上記第3着色層を形成する際に、第1着色層および第2着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0135】
上記方法によれば、既に形成されている第1および第2着色層と接することなく、第3着色層を形成すべき領域(親液性領域)に所望の着色液を塗布することができ、第1および第2着色層と第3着色層間の混色を防止することができる。
【0136】
なお、本発明として記載した構成を、前記発明として記載した各構成と、必要に応じて任意に組み合わせてもよい。
【0137】
本発明のカラーフィルタ基板の製造装置は、透光性基板の基板面に着色液が塗布されたカラーフィルタ基板の製造装置において、上記透光性基板の基板面に形成された、上記着色液に対して親液性および撥液性を示す親撥液性領域に、着色液を継続的に供給するノズルを有することを特徴としている。
【0138】
ここで、本発明のカラーフィルタ基板の製造装置においては、上記ノズルの先端部(ノズル先端部)には、毛細管現象を利用して、着色液が継続的に供給されることが望ましい。
【0139】
上記方法によれば、ノズル先端部から露出した着色液が基板面へ塗布され、ノズル先端部の着色液が減少すると、ほぼその減少量だけ、毛細管現象により、いわば自動的に上記ノズル先端部へ着色液が供給されることになる。すなわち、複雑な装置を必要とすることなく、ノズル先端部へ継続的かつ安定的に着色液を供給することができる。
【0140】
したがって、着色(着色液の塗布)の際に、容易に色むらや白抜けを防止できる。また、インクジェット方式に比較して、使用インク量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)ないし図1(c)は、図1で示す塗布装置を用いた、本発明における着色液の塗布方法を示す工程図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法で用いる塗布装置の構成を示す断面図である。
【図3】図3(a)ないし図3(d)は、本発明における着色液の塗布方法を、光触媒含有層の平面図を用いて説明する工程図である。
【図4】本発明の製造方法で作成したカラーフィルタ基板の断面図である。
【図5】図5(a)ないし図5(g)は、本発明の実施の形態における着色層の形成方法を説明する工程図である。
【図6】図6(a)ないし図6(c)は、本発明における着色液の塗布方法を説明する工程図である。
【図7】図7(a)ないし図7(f)は、本発明の実施の形態における着色層の形成方法を説明する工程図である。
【図8】本発明の実施の形態における着色液の塗布方法を、説明する工程図である。
【符号の説明】
1 カラーフィルタ基板
2 着色液
3 ブラックマトリクス
4 ガラス基板(透光性基板)
5 光触媒含有層
6 親水性領域
8 第1着色層
9 第2着色層
10 第3着色層
11 塗布装置(着色液供給装置)
21 液槽
22 ノズル
24 ノズル先端部(着色液供給口)
25 供給管
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ基板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、テレビなどへの液晶表示装置の応用が急速に進展している。それぞれの液晶表示装置はカラー化に対応するためにカラーフィルタ基板が用いられており、一般的には赤(R)、緑(G)、青(B)の光の3原色がパターン形成されている。
【0003】
従来のカラーフィルタ基板製造方法としては、カラーレジストを透明基板上に塗布し、露光、現像により着色層をパターン形成する顔料分散法がある。この方法は、まず、基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色の着色層を得る。そしてこの工程を3回繰り返すことにより、R,G,Bの着色層をパターン形成するものである。
【0004】
また、染色基材を透明基板上に塗布し、露光、現像により形成した着色層を染色して着色層とする染色法もある。この方法は、先ずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を付与し、これをフォトリソグラフィ工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色層を得る。そしてこの工程を3回繰り返すことにより、R(赤)、G(緑)、B(青)の着色層をパターン形成するものである。
【0005】
しかしながら、これらの方式は、各色ごとに洗浄、塗布、露光、現像の各工程を繰り返す必要があり、プロセスの簡略化が困難である。さらに塗布工程において、スピンコート法による材料ロスが大きいという問題もある。また、他の形成方法として、透明電極を透明基板上にパターン形成し、各色の電解液中で透明電極に通電することで電着させる電着法、あるいは透明基板上に各色を印刷し着色層を形成する印刷法があるが、電着法はパターン形状が限定され、印刷法は高精細パターンの形成が困難であるという問題がある。
【0006】
これに対して、インクジェットヘッドを移動させながら、所定位置にインクを吐出し、直接着色層を形成するインクジェット方式は、インク使用量の低減、プロセスの簡略化によるコスト低減が可能となるため、現在注目されている。
【0007】
インクジェット方式においては、前処理としてガラス基板上に撥水性パターンと親水性パターンの各領域を形成しておくことで、インクを吐出した時に正確なパターンの着色層を形成することができる。
【0008】
この点、特許文献1には、感光層にパターン露光することによって、撥水性と親水性のパターンを形成する方法が示されている。すなわち、Ti3O、SnO2等が含有されている感光性化合物からなる感光層を形成し、該感光層に光照射を行うことで励起生成した電子と正孔が表面の吸着酸素や水と反応して活性酸素を生成させ、感光層表面を親水性を示す領域とするものである。ここで、上記感光性化合物(Ti3O、SnO2等)は金属酸化物であって、元来撥水、撥油性を示す性質を有し、感光層の光照射されていない領域は、撥水性を示す領域となる。したがって、インクジェット方式によって親水性を示す所定領域にインクを吐出したときに、インクのにじみ等に起因する着色層間の混色を防止することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−258622号公報(公開日:2000年9月22日)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1で用いられているようなインクジェット方式においては、所定の位置にインクを吐出させる必要があるため、インク吐出位置を高精度に制御しなければならないという難点がある。そして、インク吐出位置にずれが生じた場合、着色層間の混色や着色層に色がついていない部分が生じる白抜きの原因となる。
【0011】
さらに、インクジェット方式においては、所定の量のインクを所定の間隔をおいて吐出させる必要があるため、インクの間欠吐出を高度に制御しなければならないという難点がある。そして、間欠吐出安定性が損なわれた場合、着色層の色ムラ等の原因となる。また、インクジェットノズルの目詰まりなども問題である。
【0012】
以上のように、従来の方式を用いて高品質なカラーフィルタ基板を製造するには、煩雑な製造工程や高度なインク吐出制御を実現しうる高価な製造装置が必要となる。そして、煩雑な製造工程の処理や高価な製造装置の使用は、製造コストの上昇、ひいては製造されるカラーフィルタ基板自体の価格上昇を招来することになる。
【0013】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、高品質なカラーフィルタ基板を製造する簡便かつ低コストな製造方法、および、安価で高品質なカラーフィルタ基板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、上記課題を解決するために、透光性基板の基板面に着色液を塗布することで着色層を形成するカラーフィルタ基板製造方法において、上記基板面に形成された、上記着色液に対して親液性を示す領域と撥液性を示す領域に、着色液を連続して接触させながら該着色液を塗布する工程を含んでいることを特徴としている。
【0015】
上記方法は、上記基板面に形成された、上記着色液に対して親液性を示す領域(以下、親水性領域と称する)と撥液性を示す領域(以下、撥水性領域と称する)に、着色液をいわば直接に塗布するものである。ここで、親液性とは、例えば、親水性や親油性を示し、撥液性とは、例えば、撥水性や撥油性を示す。
【0016】
すなわち、着色液を基板面に塗布をする際、親液性領域以外の撥液性領域に接触した着色液は、その表面ではじかれた状態になる。この状態で、継続的に着色液を供給しつつ、連続的に着色液を塗布すれば、着色層を形成すべき領域以外の領域(撥液性領域)には着色液が付着しない。
【0017】
このように、上記方法では着色液を基板面に接触させた状態で着色液の塗布を行うことから、着色液を塗布すべき領域の位置合わせが不要である。さらに、着色液を継続的に供給することから、インクジェット方式と異なりインクの間欠吐出の制御が不要である。よって、煩雑な製造工程やインクジェット方式のような高価な製造装置を必要としない。
【0018】
これにより、簡便かつ低コストにカラーフィルタ基板を製造できる。
【0019】
また、基板面(正確には、着色をすべき親液性領域)と着色液とを連続して接触させながら、いわば直接的に着色液の塗布を行うことから、点描のように着色(着色液の塗布)を行うインクジェット方式に比較して、着色層に色ムラや白抜きが発生する可能性が低減する。
【0020】
これにより、製造されるカラーフィルタ基板の高品質化を実現できる。また、インクジェット方式に比較して着色液の使用量が減らすことができため、製造コストを低減できる。
【0021】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記した着色液を塗布する工程に、着色液を供給する着色液供給装置の着色液供給口を上記基板面の所定位置に近接させ、着色液をこの所定位置に接液させる工程と、着色液供給口と基板面とを一定の間隔に離し、着色液を上記所定位置から表面張力によって垂れ下がらせる工程と、着色液供給口と基板面とを一定の間隔に保ったまま、着色液供給口と上記透光性基板とを相対移動させ、着色液を親液性を示す領域にのみに塗布する工程とを含んでいることが望ましい。
【0022】
この方法においては、最初の工程として、着色液供給装置の着色液供給口へ供給され、表面張力により盛り上がった(着色液供給口から外部へ露出した)着色液を基板面の所定位置へ接液させる。このとき、親液性領域以外の撥液性領域に接液した着色液は、撥液性領域表面においてはじかれた状態となる。
【0023】
次の工程として、着色液供給口と基板面とが一定の間隔を保つよう、着色液供給口を移動させる。すると、親液性領域以外の撥液性領域に接液した着色液は、この撥液性領域表面から完全に離れた状態となり、基板面に残らない。これに対し、親液性領域に接液した着色液は、親液性領域に接触したまま表面張力によって垂れ下がり、着色液供給口と基板面の親液性領域(着色を行うべき領域)とは、いわば、一定の間隔を保ちつつ、着色液を介してつながった状態となる。
【0024】
さらに次の工程として、上記状態を保ちつつ、着色液供給口あるいは透光性基板を平行移動させる。これにより、着色液は、透光性基板に形成された親液性領域(着色を行うべき領域)にのみに塗布されることになる。
【0025】
このように、着色液供給口と基板面とを、一定の間隔に保ち、着色すべき領域以外の領域(撥液性領域)と着色液供給口とを完全に離した状態で着色液の塗布を行うことで、より正確に着色すべき領域にのみ着色することが可能となる。これにより、簡便な方法で着色層間の混色を防止することができる。
【0026】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記した着色液を塗布する工程を少なくとも3回繰り返して基板面上に3色の着色液を塗布して、第1着色層、第2着色層、第3着色層を形成することが望ましい。
【0027】
例えば、基板面に、紫外線照射によって親液性を発現する撥液層(以下、光触媒含有層と称する)を形成し、この光触媒含有層に所定パターンのフォトマスクを用いて紫外線照射を行うことによって、上記親液性領域を形成し、この親液性領域にのみ所望の着色液を塗布するという工程を少なくとも一度行うことによって、第1着色層、第2着色層、第3着色層の順に3色の着色層を形成する方法である。
【0028】
ここで、上記光触媒含有層に含まれる光触媒材料とは、例えば、TiO2(酸化チタン)、SnO2(酸化スズ)等の、元来撥液性をもつ、感光性の金属酸化物であって、紫外線の照射によって親液性を発現するものである。
【0029】
上記方法において、光触媒含有層は、元来撥液性をもち、紫外線の照射によって親液性を発現する光触媒材料を含むため、上記透光性基板に塗布した初期状態で撥液性を示す。ここで光触媒含有層に紫外線を照射することで、励起生成した電子と正孔が表面の吸着酸素や液と反応して活性酸素を生成し、表面改質により親液性を示す。
【0030】
この原理を用いれば、着色層を形成したい領域がパターン化されたフォトマスクを介して紫外線照射を行うことで、光触媒含有層における着色層を形成したい領域は親液性領域となり、その他の領域は初期状態の撥液性を示すままとなる。そして、この親液性領域に所望の着色液を塗布するという工程を少なくとも一度行えば、カラーフィルタ基板を製造できる。
【0031】
すなわち、着色すべき領域がパターン化されたフォトマスクを用い、光触媒含有層に紫外線照射を行うことによって、上記着色すべき領域を親液性領域とする。そして、この親液性領域に所望の色を順に着色すればよい。例えば、まず赤(R)の着色層を形成すべき領域に赤色の着色液を塗布し、次に緑(G)の着色層を形成すべき領域に緑色の着色液を塗布し、最後に(B)の着色層を形成すべき領域に青色の着色液を塗布するものである。これにより、3色(例えばR、G、B)の着色層を形成することができる。
【0032】
このように上記方法によれば、上述した染色法等のように、異なる色の着色層を形成するたびに露光、現像の工程を繰り返すことが不要となり、カラーフィルタ基板の製造工程の簡便化を実現できる。
【0033】
なお、本発明として記載した構成を、前記発明として記載した各構成と、必要に応じて任意に組み合わせてもよい。
【0034】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、上記方法に加え、上記工程において、上記基板面上の、各色の着色液を塗布すべき領域のみに、親液性領域が形成されていることが望ましい。
【0035】
例えば、第1着色層を形成すべき領域を親液性とするパターニングを行い、この第1着色層を形成すべき領域に着色液を塗布し、次に、第2着色層を形成すべき領域を親液性とするパターニングを行い、この第2着色層を形成すべき領域に着色液を塗布し、次に、第3着色層を形成すべき領域を親水性とするパターニングを行い、この第3着色層を形成すべき領域に着色液を塗布することによって、第1着色層、第2着色層および第3着色層を形成すればよいのである。
【0036】
ここでいうパターニングとは、着色すべき領域がパターン化されたフォトマスクを介して、上記光触媒含有層に紫外線照射を行うことによって、上記着色すべき領域を親液性領域とすることである。
【0037】
上記方法は、第1〜第3着色層(例えば、赤の着色層、緑の着色層、青の着色層)を形成する場合に、各着色層を形成する度に、紫外線照射による親液性領域の形成(パターニング)と、この親液性領域への着色液の塗布を行うものである。
【0038】
例えば、まず、赤の着色層を形成すべき領域をパターニングし、この領域に赤の着色液を塗布する。次に、緑の着色層を形成すべき領域をパターニングし、この領域に緑の着色液を塗布する。次に、青の着色層を形成すべき領域をパターニングし、この領域に青の着色液を塗布するのである。
【0039】
この方法によれば、各色の着色液を塗布する場合に、その色の着色層を形成すべき領域(その色の着色液を塗布すべき領域のみ)が親液性領域となっているため、着色層間の混色をより確実に防止することができる。
【0040】
なお、本発明として記載した構成を、前記発明として記載した各構成と、必要に応じて任意に組み合わせてもよい。
【0041】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記方法に加えて、着色液を基板面(光触媒含有層)に接液する際、着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0042】
上記方法は、既に形成された着色層があることを前提に、次の着色層を形成する場合に関するものである。
【0043】
すなわち、着色液供給口へ供給され、表面張力によって盛り上がった(着色液供給口から外部へ露出した)着色液を、光触媒含有層の所定位置へ接液させる場合に、その所定位置につき、着色層が形成されていない位置に着色液を接液し、既に形成された着色層に上記着色液を付着させないようにするものである。
【0044】
これにより、既に形成されている着色層と接することなく、次の着色層を形成すべき領域(親液性領域)に着色液を塗布することができ、着色層間の混色をより確実に防止することができる。
【0045】
なお、本発明として記載した構成を、前記発明として記載した各構成と、必要に応じて任意に組み合わせてもよい。
【0046】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記第2着色層を形成する際に、第1着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0047】
これにより、既に形成されている第1着色層と接することなく、第2着色層を形成すべき領域(親液性領域)に所望の着色液を塗布することができ、第1着色層と第2着色層間の混色を防止することができる。
【0048】
また、上記第3着色層を形成する際に、第1着色層および第2着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0049】
これにより、既に形成されている第1および第2着色層と接することなく、第3着色層を形成すべき領域(親液性領域)に所望の着色液を塗布することができ、第1および第2着色層と第3着色層間の混色を防止することができる。
【0050】
なお、本発明として記載した構成を、前記発明として記載した各構成と、必要に応じて任意に組み合わせてもよい。
【0051】
本発明のカラーフィルタ基板の製造装置は、透光性基板の基板面に着色液が塗布されたカラーフィルタ基板の製造装置において、上記透光性基板の基板面に形成された、上記着色液に対して親液性および撥液性を示す親撥液性領域に、着色液を継続的に供給するノズルを有することを特徴としている。
【0052】
ここで、本発明のカラーフィルタ基板の製造装置においては、上記ノズルの先端部(ノズル先端部)には、毛細管現象を利用して、着色液が継続的に供給されることが望ましい。
【0053】
ここで、毛細管現象とは、液体中に毛管状の管を挿入した場合に、管中の液面が、管外の液面に比べて上昇する現象をいう。
【0054】
上記構成は、毛細管現象によってノズル先端部へ引導され、ノズル先端部から表面張力によって露出した着色液を、親撥液パターンが形成された基板面(光触媒含有層)にいわば直接に塗布するものである。
【0055】
これにより、ノズル先端部から露出した着色液が基板面へ塗布され、ノズル先端部の着色液が減少すると、ほぼその減少量だけ、毛細管現象により、いわば自動的に上記ノズル先端部へ着色液が供給されることになる。すなわち、複雑な装置を必要とすることなく、ノズル先端部へ継続的かつ安定的に着色液を供給することができる。
【0056】
したがって、着色(着色液の塗布)の際に、容易に色むらや白抜けを防止できる。また、インクジェット方式に比較して、使用インク量を低減させることができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の一形態を説明する。
【0058】
まず、図4に、本発明におけるカラーフィルタ基板1の断面図を示す。図4に示すとおり、本発明の製造方法によって製造されたカラーフィルタ基板1は、ガラス基板4(透光性基板)上にブラックマトリクス3と光触媒含有層5が形成され、この光触媒含有層5上に着色層8(R)、着色層9(G)、着色層10(B)が形成された構造である。ここで、ブラックマトリクス3は、各着色層間の遮光層である。
【0059】
次に、カラーフィルタ基板1の製造方法についての原理を、図1〜図2および図4に基づいて説明する。ここで、図1(a)〜(c)は、本発明における着色液の塗布工程を示し、図2(a)〜(b)は、本発明のカラーフィルタ基板1の製造方法で用いる塗布装置11(着色液供給装置)の構造を示す。
【0060】
まず第1の工程として、上記透光性基板4の基板面に、着色液2に対して撥水性(撥液性)を示す光触媒含有層5を形成する。次に、第2の工程として、第1の工程にて形成された光触媒含有層5上に、上記着色液2に対して親水性(親液性)を示す親水性領域6を形成する。次に、第3の工程として、光触媒含有層5上に、着色液2を連続して接触させることによって、親水性領域6に着色液2を塗布する。
【0061】
本発明は、第3の工程に特徴点をもつ。そこでこの第3の工程を、より詳細に説明する。
【0062】
上記第3の工程において、まず、図1(a)のように、塗布装置11(着色液供給装置)のノズル先端部24(着色液供給口)を光触媒含有層5における親水性領域6の所定位置7に近接させ、表面張力により盛り上がった(ノズル先端部24から外部へ露出した)着色液2を光触媒含有層5の所定位置7へ接液させる。このとき、親水性領域6以外の撥水性領域に接液した着色液2は、撥水性領域表面においてはじかれた状態となる。
【0063】
そして、この状態のまま、図1(b)に示すように、ノズル先端部24を下に一定の距離移動させ、ノズル先端部24と光触媒含有層5とを一定の間隔に離し、着色液2を上記所定位置7から垂れ下がらせる。すると、親水性領域6以外の撥水性領域に接液した着色液2は、この撥水性領域表面から完全に離れた状態となり、光触媒含有層5に残らない。これに対し、親水性領域6に接液した着色液2は、親水性領域6に接液(付着)したまま表面張力によって垂れ下がり、ノズル先端部24と光触媒含有層5の親水性領域6(着色すべき領域)とは、いわば、一定の間隔を保ちつつ、着色液2を介してつながった状態となる。
【0064】
さらにこの状態を保ちつつ、図1(c)に示すように、ノズル先端部24あるいは透光性基板4を、親水性領域6と平行に移動させる。これにより、着色液2は、透光性基板4に形成された光触媒含有層5(着色すべき親水性領域)にのみに塗布されることになる。
【0065】
その後、親水性領域6に塗布された着色液2を焼成する。これにより、1つの色を示す着色層が形成される。そして、以上の第3の工程(着色液の塗布工程)および焼成工程を3度繰り返すことにより、赤(R)、緑(G)、青(B)を示す3種類の着色層を形成することができる。
【0066】
次に、上記のカラーフィルタ基板1の製造方法に用いる塗布装置11について、図1および図2に基づいて説明する。
【0067】
図2(a)に示すように、塗布装置11(着色液供給装置)は、着色液2を貯蔵する液槽21、供給管25、ノズル22を有する。このノズル22は図1(a)に示されるように、三角柱を横にしたような形状であって、親水性領域6に略垂直な2つの平面ではさまれた微小な間隙23を有する。この間隙23は着色液2の浸透空間である。なお、図2(a)に示すように、塗布装置11を縦断面にすると、ノズル22の間隙23は毛管状となる。
【0068】
そして、着色液2は、毛細管現象によって、液槽21から供給管25を介してこのノズル22の(毛管状)間隙23へ浸透し、ノズル先端部24(着色液供給口)へ供給される。ノズル先端部24へ供給された着色液2は、表面張力により盛り上った状態(ノズル先端部24から外部へ露出した状態)となる。この状態で着色液2は光触媒含有層5へ接液され、光触媒含有層5へ塗布される。
【0069】
以下に、本実施の形態における上記カラーフィルタ基板1の製造方法を図1、図3および図5を参照しながら説明する。
【0070】
ここで、図3は本実施の形態における着色液の塗布工程を、図5は本実施の形態における着色層の形成工程を示す。
【0071】
まず、ガラス基板4(このガラス基板4には、ブラックマトリクス3がストライプ状に形成されている)上に光触媒含有層5を以下の方法で形成する。
【0072】
アナターゼ型酸化チタン微粒子分散液とフルオロアルキルシランを加水分解、縮合反応により合成させ、溶剤中にアナターゼ型酸化チタンが分散した塗布液を生成する。そして、この塗布液をスピンコート法によって、0.1μmの膜厚でガラス基板4上に塗布する。その後、ガラス基板4上に塗布された塗布液を200℃で10分間乾燥させ、硬化させる。これにより、ガラス基板4上に光触媒含有層5が形成される。(図5(a))
次に、図5(b)に示すように、光触媒含有層5にフォトマスク12aを介して紫外線照射を行い、第1着色層8の形成位置を含む親水性領域6a(図3(a)の破線で囲んだ領域)を形成する。ここで、フォトマスク12aは、紫外線が親水性領域6aに照射されるようにパターニングされている。これにより、光触媒含有層5上に親水性領域6aとそれ以外の撥水性領域とが形成される。
【0073】
次に、以下の方法で、赤色(R)の着色層8を形成する。
【0074】
まず、塗布装置11(図2(a)参照)を用いて、着色液2a(赤色(R)の顔料が分散されたカラーレジスト)を上記親水性領域6aに塗布する。
【0075】
すなわち、最初の工程として、毛細管現象によって、液槽21、ノズル25からノズル先端部24へ供給(引導)され、表面張力により盛り上った(外部に露出した)着色液2aを、親水性領域6aの端部へ接液させる(図1(a))。図3(a)に示すとおり、この状態において、ノズル先端部24の位置(接液位置)は7aとする。このとき、上記撥水性領域に接液した着色液2aは、その表面においてはじかれた状態となる。
【0076】
次の工程として、図1(b)のように、ノズル先端部24と光触媒含有層5とが一定の間隔を保つよう、ノズル23を下に移動させる。すると、上記撥水性領域に接液した着色液は、その表面から完全に離れた状態となり、光触媒含有層5に残らない。これに対し、親水性領域6aに付着した着色液2aは、光触媒含有層5に接液したまま表面張力により下へ垂れ下がり、ノズル先端部24と光触媒含有層5の親水性を示す領域とは、いわば、一定の間隔を保ちつつ、着色液2aを介してつながった状態となる。
【0077】
さらに次の工程として、図1(c)のように、ノズル先端部24と着色液2aとを、上記状態に保ちつつ、ノズル先端部24あるいはガラス基板4を水平に平行移動させる。これにより、着色液2aは、ガラス基板4に形成された光触媒含有層5上の親水性領域6aのみに塗布される。
【0078】
以上により、親水性領域6aに、1μmの膜厚で着色液2a(赤色(R)の顔料が分散されたカラーレジスト)を塗布する。その後、親水性領域6aに塗布された着色液2aを、200℃で30分間、焼成する。これにより、赤色(R)の第1着色層8が形成される。(図5(c))。
【0079】
次に、図5(d)に示すように、光触媒含有層5にフォトマスク12bを介して紫外線照射を行い、第2着色層9を形成する位置を含む親水性領域6bを形成する。ここで、フォトマスク12bは、親水性領域6b(図3(b)の破線で囲んだ領域)に紫外線が照射されるようなパターンが形成されている。これにより、光触媒含有層5上に親水性領域6bが形成される。
【0080】
次に、第1着色層8の形成時と同様に、図2(a)に示す塗布装置、図1に示す塗布方法を用いて、着色液2b(緑色(G)の顔料が分散されたカラーレジスト)を親水性領域6bのみに1μmの膜厚で塗布する。ここで、ノズル先端部24を親水性領域6bの端部へ接液させる(図1(a)参照)際、このノズル先端部24の位置は、図3(b)に示す7bとする。これにより、既に形成された着色層8に着色液2bが付着してしまうことがなくなり、着色層8と着色層9との間の混色を防止することができる。
【0081】
以上により、親水性領域6bに、1μmの膜厚で着色液2bが塗布される。その後、この親水性領域6bに塗布された着色液2bを、200℃で30分間、焼成する。これにより、緑色(G)の第2着色層9が形成される。(図5(e))。
【0082】
次に、図5(f)に示すように、光触媒含有層5にフォトマスク12cを介して紫外線照射を行い、第3着色層10を形成する位置を含む親水性領域6cを形成する。ここで、フォトマスク12cは、親水性領域6c(図3(c)の破線で囲んだ領域)に紫外線が照射されるようにパターニングされている。これにより、光触媒含有層5上に親水性領域6cが形成される。
【0083】
次に、第1着色層8および第2着色層9の形成時と同様に、図2(a)に示す塗布装置、図1に示す塗布方法を用いて、着色液2c(青(B)の顔料が分散されたカラーレジスト)を親水性領域6cのみに1μmの膜厚で塗布する。ここで、ノズル先端部24を親水性領域6cの端部へ接液させる際(図1(a)参照)、このノズル先端部24の位置は、図3(c)に示す7cとする。これにより、既に形成された着色層8および着色層9に着色液2cが付着してしまうことがなくなり、着色層8および着色層9と着色層10との間の混色を防止することができる。
【0084】
以上により、親水性領域6cに、1μmの膜厚で着色液2cが塗布される。その後、親水性領域6cに塗布された着色液2cを、200℃で30分間、焼成する。これにより、青色(B)の第3着色層10が形成される。(図5(g))。
【0085】
以上の工程によって、光触媒含有層5上に赤色(R)の着色層8、緑色(G)の着色層9、青色(B)の着色層10から成るカラーフィルタ基板1を形成することができる。
【0086】
以上のように、上記方法では着色液2(2a〜2c)を直接光触媒含有層5に接液させた状態で着色層(8〜10)の形成を行うことから、着色液2(2a〜2c)を塗布すべき領域(6a〜6c)の位置合わせが不要である。さらに着色液(2a〜2c)を連続的に供給することから、インクジェット方式と異なりインクの間欠吐出の制御が不要である。よって、煩雑な製造工程やインクジェット方式のような高価な製造装置を必要としない。
【0087】
これにより、簡便かつ低コストにカラーフィルタ基板1を製造できる。
【0088】
また、光触媒含有層5と着色液(2a〜2c)とを連続して接触させながら、いわば直接的に着色液(2a〜2c)の塗布を行うことから、点描のように着色(着色液の塗布)を行うインクジェット方式に比較して、着色層(8〜10)に色ムラや白抜きが発生する可能性が低減する。
【0089】
これにより、製造されるカラーフィルタ基板1の高品質化を実現できる。また、インクジェット方式に比較して着色液(2a〜2c)の使用量が減らすことができため、製造コストを低減できる。
【0090】
さらに、この方法によれば、R、G、Bの各色の着色液(2a〜2c)を塗布する場合に、その色の着色層(8〜10)を形成すべき領域のみが親水性領域(6a〜6c)となっているため、着色層(8〜10)間の混色をより確実に防止することができる。実際、このように作成されたカラーフィルタ基板1を光学顕微鏡により観察したところ、混色、色ムラ、白抜け等の品質不良は観察されなかった。
【0091】
なお、光触媒含有層に分散する金属酸化物としては、上記実施の形態で用いた酸化チタン(例えば、TiO2)のほかに、SnO2、ZnO、WO3、Fe2O3等が挙げられる。
【0092】
TiO2は、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易である。酸化チタン(TiO2)にはアナターゼ型とルチル型があるが、上記実施の形態で用いたアナターゼ型は、励起波長が380nm以下であり、低温焼成、光触媒反応の効率が良いなどの利点がある。
【0093】
なお、着色液(2a〜2c)の塗布方法はスピンコート法に限らず、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法等でもよく、均一な着色液の膜厚が形成できればよい。
【0094】
なお、図6(a)〜(c)は、本実施の形態におけるカラーフィルタ基板1の着色層形成面側から見た平面図である。ここで、斜線で示す領域13、領域14領域15は、ブラックマトリクス3上にあり、それぞれ、第1着色層8、第2着色層9、第3着色層10を形成するためのノズル先端部24の接液位置(着色液塗布開始地点)である。
【0095】
しかしながら、ノズル先端部24の接液位置はこれに限定されない。すなわち、既に形成されている着色層と重ならない接液位置であればよく、図6(b)や図6(c)の平面図で示す構成などでもよい。
【0096】
例えば、図6(b)に示されるように、着色層9(G)を形成する際に、既に形成された着色層8(R)が接液された領域13が存在するブラックマトリクス領域3aとは反対側のブラックマトリクス領域3c上の領域14に接液し、この位置から着色層9(G)に着色液2bを塗布するものである。これにより、既に形成された着色層8に着色液2bが付着してしまうことがなくなり、着色層間の混色を防止することができる。
【0097】
さらに、着色層10(B)を形成する際には、領域13および領域14が存在するブラックマトリクス領域3aおよび3cとは異なる、ブラックマトリクス領域3b上の領域15に接液し、この位置から着色層10(B)に着色液2cを塗布する。これにより、既に形成された着色層8および着色層9に着色液2cが付着してしまうことがなくなり、着色層間の混色を防止することができる。
【0098】
また、図6(c)に示されるように、着色層10(B)を形成する際に、領域13および領域14が存在するブラックマトリクス領域3aおよび3cとは異なる、ブラックマトリクス領域3d上の領域15に接液し、この位置から着色層10(B)に着色液2cを塗布してもよい。
【0099】
上記の実施の形態では、R、G、Bの各色の着色層を形成する毎に、パターニング工程を行ったが、1度のパターニング工程で数色の着色層を形成してもよい。すなわち、フォトマスクを介して紫外線照射を行う、パターニング工程を少なくすることもできる。これを図7、図8を用いて説明する。ここで、図7(a)〜(f)は着色層の形成工程を、図8は着色液の塗布工程を示す。
【0100】
まず、ガラス基板4(このガラス基板4には、ブラックマトリクス3がストライプ状に形成されている)上に光触媒含有層5を形成する(図7(a)参照)。
【0101】
次に、図7(b)に示すように、光触媒含有層5にフォトマスク12aを介して紫外線照射を行い、第1着色層8を形成する位置を含む親水性領域6aを形成する。ここで、フォトマスク12aは、親水性領域6a(図8の黒線で囲んだ領域)に紫外線が照射されるようにパターニングされている。これにより、光触媒含有層5上に親水性領域6aとそれ以外の撥水性領域とが形成される。
【0102】
その後、上記した実施の形態1と同じ装置、方法を用いて、親水性領域6aに、1μmの膜厚で着色液2a(赤色(R)の顔料が分散されたカラーレジスト)を塗布する。ここで、ノズル先端部24を親水性領域6bの端部へ接液させる(図1(a)参照)際、このノズル先端部24の位置は、図8に示す7dとする。
【0103】
その後、親水性領域6aに塗布された着色液2aを、200℃で30分間、焼成する。これにより、赤色(R)の第1着色層8が形成される。(図7(c))。
【0104】
次に、図7(d)に示すように、光触媒含有層5にフォトマスク12dを介して紫外線照射を行い、第2着色層9および第3着色層10を形成する位置を含む親水性領域6bおよび6cを形成する。ここで、フォトマスク12dは、親水性領域6bおよび6c(図8の破線で囲んだ領域)に紫外線が照射されるようなパターンが形成されている。これにより、光触媒含有層5上に親水性領域6bおよび6cが形成される。
【0105】
次に、第1着色層8の形成時と同様に、図2(a)に示す塗布装置、図1に示す塗布方法を用いて、着色液2b(緑色(G)の顔料が分散されたカラーレジスト)を親水性領域6bのみに1μmの膜厚で塗布する。ここで、ノズル先端部24を親水性領域6bの端部へ接液させる(図1(a)参照)際、このノズル先端部24の位置は、図8に示す7eとする。これにより、既に形成された着色層8に着色液2bが付着してしまうことがなくなり、着色層間の混色を防止することができる。
【0106】
以上により、親水性領域6bに、1μmの膜厚で着色液2bが塗布される。その後、この親水性領域6bに塗布された着色液2bを、200℃で30分間、焼成する。これにより、緑色(G)の第2着色層9が形成される。(図7(e))。
【0107】
次に、第1着色層8および第2着色層9の形成時と同様に、図2(a)に示す塗布装置、図1に示す塗布方法を用いて、着色液2c(青(B)の顔料が分散されたカラーレジスト)を親水性領域6cのみに1μmの膜厚で塗布する。ここで、ノズル先端部24を親水性領域6cの端部へ接液させる際(図1(a)参照)、このノズル先端部24の位置は、図8に示す7fとする。これにより、既に形成された着色層8および着色層9に着色液2cが付着してしまうことがなくなり、着色層間の混色を防止することができる。
【0108】
以上により、親水性領域6cに、1μmの膜厚で着色液2cが塗布される。その後、親水性領域6cに塗布された着色液2cを、200℃で30分間、焼成する。これにより、青色(B)の第3着色層10が形成される。(図7(f))。
【0109】
以上の工程によって、光触媒含有層5上に赤色(R)の着色層8、緑色(G)の着色層9、青色(B)の着色層10から成るカラーフィルタ基板1を形成することができる。
【0110】
なお、図8の7d〜7eは、本実施の形態におけるノズル先端部24の接液位置(着色液塗布開始地点)である。
【0111】
しかしながら、上述したように、ノズル先端部24の接液位置はこれに限定されない。すなわち、既に形成されている着色層と重ならない接液位置であればよい。
【0112】
また、一度のパターニング工程によって、赤(R)、緑(G)、青(B)すべての色の着色層を形成すべき領域を親水性領域にしても良い。そして、各色を形成すべき親水性領域ごとに、1μmの膜厚で着色液2を塗布し、この親水性領域に塗布された着色液2を、200℃で30分間、焼成する。これを各色につき繰り返すことで、光触媒含有層5上に赤色(R)の着色層8、緑色(G)の着色層9、青色(B)の着色層10から成るカラーフィルタ基板1を形成することができる。
【0113】
また、本実施の形態においては、図2(a)に示される構造の塗布装置11を用いたが、塗布装置11の構造はこれに限定されない。例えば、図2(b)に示されるように、液槽21の内部にノズル22が設けられ、供給管25を介さず、着色液2が液槽21から直接にノズル22(その間隙23)に供給されるような構造であってもよい。
【0114】
また、本実施の形態において、着色液2は親水性を示す水性のものを用いたが、これに限定されない。例えば親油性を示す油性のものであっても良い。
【0115】
また、酸化チタン等が分散された光触媒含有層をパターニングし、光触媒含有層に親水、撥水領域を形成した場合、さらに、この後親水領域のみに水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性溶液を塗布することで、親水領域の光触媒含有層を除去することもできる。
【0116】
最後に、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0117】
【発明の効果】
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、以上のように、透光性基板の基板面に着色液を塗布することで着色層を形成するカラーフィルタ基板製造方法において、上記基板面に形成された、上記着色液に対して親液性を示す領域と撥液性を示す領域に、着色液を連続して接触させながら該着色液を塗布する工程を含んでいることを特徴としている。
【0118】
上記方法によれば、上記方法では着色液を基板面に接触させた状態で着色液の塗布を行うことから、着色液を塗布すべき領域の位置合わせが不要である。さらに、着色液を継続的に供給することから、インクジェット方式と異なりインクの間欠吐出の制御が不要である。よって、煩雑な製造工程やインクジェット方式のような高価な製造装置を必要としない。
【0119】
これにより、簡便かつ低コストにカラーフィルタ基板を製造できる。
【0120】
また、基板面(正確には、着色をすべき親液性領域)と着色液とを連続して接触させながら、いわば直接的に着色液の塗布を行うことから、点描のように着色(着色液の塗布)を行うインクジェット方式に比較して、着色層に色ムラや白抜きが発生する可能性が低減する。
【0121】
これにより、製造されるカラーフィルタ基板の高品質化を実現できる。また、インクジェット方式に比較して着色液の使用量が減らすことができため、製造コストを低減できる。
【0122】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、上記着色液を塗布する工程に、着色液を供給する着色液供給装置の着色液供給口を上記基板面の所定位置に近接させ、着色液をこの所定位置に接液させる工程と、着色液供給口と基板面とを一定の間隔に離し、着色液を上記所定位置から垂れ下がらせる工程と、着色液供給口と基板面とを一定の間隔に保ったまま、着色液供給口と上記透光性基板とを相対移動させ、着色液を親液性を示す領域にのみに塗布する工程とを含んでいることが望ましい。
【0123】
このように、着色液供給口と基板面とを、一定の間隔に保ち、着色すべき領域以外の領域(撥液性領域)と着色液供給口とを完全に離した状態で着色液の塗布を行うことで、より正確に着色すべき領域にのみ着色することが可能となる。これにより、簡便な方法で着色層間の混色を防止することができる。
【0124】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、上記した着色液を塗布する工程を少なくとも3回繰り返して基板面上に3色の着色液を塗布して、第1着色層、第2着色層、第3着色層を形成することが望ましい。
【0125】
例えば、基板面に、紫外線照射によって親液性を発現する光触媒含有層を形成し、この光触媒含有層に所定パターンのフォトマスクを用いて紫外線照射を行うことによって、上記親液性領域を形成し、この親液性領域にのみ所望の着色液を塗布するという工程を少なくとも一度行うことによって、第1着色層、第2着色層、第3着色層の順に3色の着色層を形成すればよい。
【0126】
上記方法によれば、上述した染色法等のように、異なる色の着色層を形成するたびに露光、現像の工程を繰り返すことが不要となり、カラーフィルタ基板の製造工程の簡便化を実現できる。
【0127】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、上記工程において、各色の着色液を塗布すべき領域のみに、親液性領域が形成されていることが望ましい。
【0128】
例えば、第1着色層を形成すべき領域を親液性とするパターニングを行い、この第1着色層を形成すべき領域に着色液を塗布し、次に、第2着色層を形成すべき領域を親液性とするパターニングを行い、この第2着色層を形成すべき領域に着色液を塗布し、次に、第3着色層を形成すべき領域を親水性とするパターニングを行い、この第3着色層を形成すべき領域に着色液を塗布することによって、第1着色層、第2着色層および第3着色層を形成すればよい。
【0129】
上記方法によれば、各色の着色液を塗布する場合に、その色の着色層を形成すべき領域(その色を着色すべき領域のみ)が親液性領域となっているため、着色層間の混色をより確実に防止することができる。
【0130】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記方法に加えて、着色液を基板面(光触媒含有層)に接液する際、着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0131】
上記方法によれば、既に形成されている着色層と接することなく、次の着色層を形成すべき領域(親液性領域)に着色液を塗布することができ、着色層間の混色をより確実に防止することができる。
【0132】
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記第2着色層を形成する際に、第1着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0133】
上記方法によれば、既に形成されている第1着色層と接することなく、第2着色層を形成すべき領域(親液性領域)に所望の着色液を塗布することができ、第1着色層と第2着色層間の混色を防止することができる。
【0134】
また、上記第3着色層を形成する際に、第1着色層および第2着色層が形成されていない位置に接液することが望ましい。
【0135】
上記方法によれば、既に形成されている第1および第2着色層と接することなく、第3着色層を形成すべき領域(親液性領域)に所望の着色液を塗布することができ、第1および第2着色層と第3着色層間の混色を防止することができる。
【0136】
なお、本発明として記載した構成を、前記発明として記載した各構成と、必要に応じて任意に組み合わせてもよい。
【0137】
本発明のカラーフィルタ基板の製造装置は、透光性基板の基板面に着色液が塗布されたカラーフィルタ基板の製造装置において、上記透光性基板の基板面に形成された、上記着色液に対して親液性および撥液性を示す親撥液性領域に、着色液を継続的に供給するノズルを有することを特徴としている。
【0138】
ここで、本発明のカラーフィルタ基板の製造装置においては、上記ノズルの先端部(ノズル先端部)には、毛細管現象を利用して、着色液が継続的に供給されることが望ましい。
【0139】
上記方法によれば、ノズル先端部から露出した着色液が基板面へ塗布され、ノズル先端部の着色液が減少すると、ほぼその減少量だけ、毛細管現象により、いわば自動的に上記ノズル先端部へ着色液が供給されることになる。すなわち、複雑な装置を必要とすることなく、ノズル先端部へ継続的かつ安定的に着色液を供給することができる。
【0140】
したがって、着色(着色液の塗布)の際に、容易に色むらや白抜けを防止できる。また、インクジェット方式に比較して、使用インク量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)ないし図1(c)は、図1で示す塗布装置を用いた、本発明における着色液の塗布方法を示す工程図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法で用いる塗布装置の構成を示す断面図である。
【図3】図3(a)ないし図3(d)は、本発明における着色液の塗布方法を、光触媒含有層の平面図を用いて説明する工程図である。
【図4】本発明の製造方法で作成したカラーフィルタ基板の断面図である。
【図5】図5(a)ないし図5(g)は、本発明の実施の形態における着色層の形成方法を説明する工程図である。
【図6】図6(a)ないし図6(c)は、本発明における着色液の塗布方法を説明する工程図である。
【図7】図7(a)ないし図7(f)は、本発明の実施の形態における着色層の形成方法を説明する工程図である。
【図8】本発明の実施の形態における着色液の塗布方法を、説明する工程図である。
【符号の説明】
1 カラーフィルタ基板
2 着色液
3 ブラックマトリクス
4 ガラス基板(透光性基板)
5 光触媒含有層
6 親水性領域
8 第1着色層
9 第2着色層
10 第3着色層
11 塗布装置(着色液供給装置)
21 液槽
22 ノズル
24 ノズル先端部(着色液供給口)
25 供給管
Claims (10)
- 透光性基板の基板面に着色液を塗布することで着色層を形成するカラーフィルタ基板製造方法において、
上記基板面に形成された、上記着色液に対して親液性を示す領域と撥液性を示す領域に、着色液を連続して接触させながら該着色液を塗布する工程を含んでいることを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。 - 上記着色液を塗布する工程は、
着色液を供給する着色液供給装置の着色液供給口を上記基板面の所定位置に近接させ、着色液をこの所定位置に接液させる工程と、
着色液供給口と基板面とを一定の間隔に離し、着色液を上記所定位置から表面張力によって垂れ下がらせる工程と、
着色液供給口と基板面とを一定の間隔に保ったまま、着色液供給口と上記透光性基板とを相対移動させ、着色液を親液性を示す領域にのみに塗布する工程とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。 - 上記着色液を塗布する工程を、少なくとも3回繰り返して基板面上に3色の着色液を塗布し、第1着色層、第2着色層、第3着色層を形成することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
- 上記基板面上の、各色の着色液を塗布すべき領域のみに、親液性領域が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
- 着色液を基板面に接液する際、着色層が形成されていない位置に接液することを特徴とする請求項2項に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
- 上記第2着色層を形成する際に、第1着色層が形成されていない位置に接液することを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
- 上記第3着色層を形成する際に、第1着色層および第2着色層が形成されていない位置に接液することを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
- 透光性基板の基板面に着色液が塗布されたカラーフィルタ基板の製造装置において、
上記透光性基板の基板面に形成された、上記着色液に対して親液性および撥液性を示す親撥液性領域に、着色液を継続的に供給するノズルを有することを特徴とするカラーフィルタ基板の製造装置。 - 上記ノズルの先端部には、毛細管現象を利用して、着色液が継続して供給されることを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタ基板の製造装置。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするカラーフィルタ基板。
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