JP2004259978A - 磁気記憶装置 - Google Patents
磁気記憶装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004259978A JP2004259978A JP2003049610A JP2003049610A JP2004259978A JP 2004259978 A JP2004259978 A JP 2004259978A JP 2003049610 A JP2003049610 A JP 2003049610A JP 2003049610 A JP2003049610 A JP 2003049610A JP 2004259978 A JP2004259978 A JP 2004259978A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- magnetic
- storage device
- magnetic storage
- sal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11C—STATIC STORES
- G11C11/00—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
- G11C11/02—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
- G11C11/14—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using thin-film elements
- G11C11/15—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using thin-film elements using multiple magnetic layers
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Mram Or Spin Memory Techniques (AREA)
- Hall/Mr Elements (AREA)
- Semiconductor Memories (AREA)
Abstract
【課題】配線電流を低減しかつ書き込み時における磁界の干渉を防ぐとともに、製造工程が簡略化できる磁気記憶装置を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の書き込み用配線16の上に形成され、前記第1の配線16の長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−3と、前記MTJ素子10−1〜10−3の上に夫々に形成され、前記第1の層16とほぼ直交して配置される第2の書き込み用配線17とを有する磁気記憶装置において、前記第1の配線16と前記MTJ素子10−1〜10−3との間に挿入され、前記MTJ素子10−1〜10−3のフリー層14と磁気的相互作用を有するSAL層15から構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の書き込み用配線16の上に形成され、前記第1の配線16の長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−3と、前記MTJ素子10−1〜10−3の上に夫々に形成され、前記第1の層16とほぼ直交して配置される第2の書き込み用配線17とを有する磁気記憶装置において、前記第1の配線16と前記MTJ素子10−1〜10−3との間に挿入され、前記MTJ素子10−1〜10−3のフリー層14と磁気的相互作用を有するSAL層15から構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、MRAM等の磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気ランダムアクセスメモリ(Magnetic Random Access Memory,以下MRAMと略記)としては、メモリセルの書込み配線周辺に高透磁率磁性材料によるキーパー層ないしヨーク構造を設けた例が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5,940,319号明細書
【0004】
【特許文献2】
米国特許第5,956,267号明細書
【0005】
【特許文献3】
欧州特許出願公開第WO00/10、172号明細書
【0006】
【特許文献4】
特開平8−306014号公報
MRAMとは、記録担体として強磁性体の磁化方向を利用した、記録情報を随時、書き換え、保持、読み出しすることが出来る固体記憶装置の総称である。
【0007】
MRAMメモリセルは、通常複数の強磁性体を積層した構造を有する。情報の記録はメモリセルを構成する複数の強磁性体の磁化(スピン)の相対方向が、平行か反平行であるかを2進の情報“0”、“1”に対応させて行う。記録情報の書き込みは各セルの強磁性体の磁化方向を、クロスストライプ状に配置された書き込み線に電流を流して生じる電流磁界によって反転させることによって行われる。記録保持時の消費電力は原理的にゼロであり、電源を切っても記録保持が行われる不揮発性記憶装置である。記録情報の読み出しは、メモリセルの電気抵抗が、セルを構成する強磁性体の磁化方向とセンス電流との相対角、または複数の強磁性層間の磁化の相対角によって変化する現象、いわゆる磁気抵抗効果を利用して行う。
【0008】
MRAMと従来の誘電体を用いた半導体記憶装置とをその機能で比較すると、MRAMは完全な不揮発性であり1015回以上の書き換え回数が可能であること、非破壊読み出しが可能であり、リフレッシュ動作を必要としないため読み出しサイクルを短くすることが可能であること、電荷蓄積型のメモリセルに比べ放射線に対する耐性が強いこと等、の多くの利点を有している。MRAMの単位面積あたりの集積度、書き込み、読み出し時間はおおむねDRAMと同程度となりうることが予想されている。従って不揮発性という大きな特色を生かし、携帯機器用の外部記録装置、LSI混載用途、さらにはパーソナルコンピューターの主記録記憶装置への応用が期待されている。
【0009】
現在実用化の検討が進められているMRAMでは、メモリセルに強磁性トンネル効果を示すMTJ素子を用いている。MTJ素子は、主として強磁性体/絶縁層/強磁性体からなる三層膜で構成され、電流は絶縁膜をトンネルして流れる。トンネル抵抗値は両強磁性金属層の磁化方向の相対角の余弦に比例して変化し、両磁化方向が反平行の場合に極大値をとり、これが“0”となる。反対に両磁化方向が平行の場合には、トンネル抵抗値は極小値をとりこれが“1”となる。
【0010】
しかし、従来のMTJ素子には以下のような課題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
第1の課題は、書き込み電流の低減である。従来提案されているMRAMの書き込みは、上述のように配線から発生する磁界によって直接フリー層のスピンの向きを反転させることによって行われる。ここで、配線から発生する磁界の強度Aは、配線の電流値、及び配線−MTJ素子間の距離、に依存して変化する。現在知られている報告例ではおよそ数Oe程度である。さらに、MTJ素子のフリー層の磁化反転閾値(以下、スイッチング磁界HSWと定義する)は、次式(1)のようにMTJ素子の磁化困難軸方向のサイズ(以下セル幅Wと定義)に反比例して増大する。
【0012】
HSW=HSW 0+A/W …(1)
現在知られているAの値は10〜20Oe・μmである。
【0013】
しかし、配線の信頼性を考慮した場合、エレクトロマイグレーションによって制限を受ける。エレクトロマイグレーションは配線電流の電流密度で加速され、現在のLSI製造に用いられているAL−Cu配線、Cu配線での配線の電流密度の上限はそれぞれおよそ10mA/μm2、100mA/μm2程度である。ここで、仮にDRAMと同程度のGb級の集積度で現実に必要な0.1μmルールでの製造を考えた場合、Cu配線を用いた場合でも配線に流せる電流値の上限は1mA程度であり、それにより発生する磁界の値Aは数Oe程度である。一方、0.1μm程度のサイズのMTJ素子の必要なスイッチング磁界は(1)式に従うと数10Oe以上になる。すなわち、現状の技術ではDRAMと同程度のGb級のMRAMの実現ははなはだ困難である。
また、第2の課題は、隣接セル間の書き込み時における磁場の干渉である。書き込み時には互いに交叉する2本の書き込み線を選択し、それにより交点に生じる合成磁界によりMTJ素子のフリー層の磁化反転を生じさせる。この場合、選択セル以外に交叉するいずれかの配線からの磁界を受ける、半反転状態の半選択セルが存在する。この半反転状態は僅かの磁界の変動で容易に反転状態に移行する。従って、半選択セルへの誤った書き込みを防ぐために、書き換え動作時には選択セルのみが反転し、半選択セルは反転しないように書き換え電流値を調整する必要がある。即ち、大規模アレイではこの磁場の干渉のためMTJ素子のスイッチング磁界に分布が生じるために、一般に書き込み電流値の許容幅が非常に小さくなってしまうという課題がある。
【0014】
この第1の課題を解決するために、例えば前記米国特許5940319号明細書、米国特許5,956,267号明細書、欧州特許WO 00/10172号明細書、また特開平8−306014号明細書に記載があるように、配線周辺に高透磁率磁性材料によるキーパー層ないしヨーク構造を設けた例が提案されている。これらの方法はいずれも、配線周辺に発生した磁束をキーパー層ないしヨーク構造内に収束させることで、MTJ素子近傍に生じる磁界強度の向上を図り、書き込み電流値の低減を目的としたものである。
【0015】
第2の課題を解決する手段としては、書き換え電流値の許容幅を高めることを目的とするものが知られている。(例えば特許文献5、特許文献6、特許文献7参照。)。
【0016】
【特許文献5】
米国特許第6,081,445号明細書
【0017】
【特許文献6】
米国特許第6,134,139号明細書
【0018】
【特許文献7】
米国特許第6,005,800号明細書
しかしながら、これらの公知例では、いずれも書き換え時の電流方向とMTJ素子の磁化容易軸方向の相対角を適宜制御したものに過ぎない。
【0019】
そこで、本発明は配線電流を低減しかつ書き込み時における磁界の干渉を防ぐとともに、製造工程が簡略化できる磁気記憶装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る磁気記憶装置は、第1の導電層と、前記第1の導電層の上にこれとほぼ直交して配置される第2の導電層と、前記第1、第2の導電層の間に形成され、前記第1の導電層の長手方向に沿って複数配置され、前記第1、第2の導電層から発生される合成磁界によりそのスピンの方向が反転制御されるフリー層を含む磁気抵抗効果素子と、前記第1の導電層と前記磁気抵抗効果素子との間に挿入され、前記磁気抵抗効果素子のフリー層との間で磁気的相互作用を有する磁性層とを具備している。
【0021】
この構成により、書き込み電流を低減しかつ書き込み時における磁界の干渉による誤動作を防ぐ磁気記憶装置を提供することが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の種々の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る磁気記憶装置の第1の平面図を模式的に示したものである。また図1(B)は、図1(A)中のA−A´線で切り矢印の方向から見た第1の断面構造図である。以下、図1(A)及び図1(B)を用いて本実施形態の構造を詳説する。
【0024】
図1(A)は、第1の書き込み用配線16の長手方向に沿って複数配置された磁気抵抗効果素子としてのMTJ素子10−1〜10−3、及びMTJ素子10−1〜10−3と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL(Soft Adjacent Layer)層15を示した第1の平面図である。ここで、SAL層15は軟磁性体を含む強磁性体層である。
【0025】
またMTJ素子10−1〜10−3の上には、図1(B)に示すように夫々第1の書き込み用配線16とほぼ直交して第2の書き込み用配線17が配置されている。但し、図1(A)では図示されていない。
【0026】
図1(A)のようにMTJ素子10−1〜10−3の短手方向、即ち第1の書き込み用配線16及びSAL層15の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0027】
また上述のように図1(B)は、図1(A)中のA−A´線で切り矢印の方向から見た、MTJ素子10−2、SAL層15、及び第1の書き込み用配線16を示した第1の断面構造図である。以下、MTJ素子10−2を例にとってその構成を説明する。
【0028】
図中のMTJ素子10−2は、第2の書込み用配線17に近接して設けられる固定層である反強磁性体膜11と、この反強磁性体膜11に隣接して設けられ、そのスピンの向きがこの反強磁性体膜11により固定される強磁性体のピン層12と、ピン層12に隣接して設けられたトンネルバリア層13と、トンネルバリア層13に隣接して設けられ、第1の書き込み用配線16と第2の書き込み用配線17より発生する合成磁界によりそのスピンの向きが制御される強磁性体のフリー層14とがSAL層15上に積層された構造である。その他のMTJ素子10−1、10−2も同様の構造を有している。
【0029】
ここで、反強磁性体膜11は、単層の反強磁性体膜を用いる代わりに少なくとも1層の反強磁性体膜を含む多層膜として構成しても、同様にピン層12のスピンの向きを固定することが出来る。
【0030】
図1(B)のように、MTJ素子10−2と第1の書き込み用配線16との間にSAL層15が挿入されると、SAL層15とMTJ素子10−2のフリー層14とが磁気的相互作用を生じる。この磁気的相互作用については後で詳述する。
【0031】
次に、図2(A)、(B)及び図3(A)、(B)を用いて本実施形態の書き込み、及び読み込み動作を詳説する。
【0032】
図2(A)、(B)は第1の書き込み用配線16に電流を流す前における、SAL層15のスピンおよびMTJ素子10−1〜10−3の夫々のフリー層のスピンの様子を図示している。一方、図3(A)、(B)は第1の書き込み用配線16に電流を流した状態における、SAL層16のスピン、およびMTJ素子10−1〜10−3のフリー層のスピンの様子を図示している。
【0033】
まず、図2(A)、(B)を用いて、第1の書き込み用配線16に電流を流す前における、各層のスピンの様子を説明する。図2(A)は、図1(A)で示した本実施形態に係る磁気記憶装置における、スピンの向きを矢印で模式的に示した平面図である。また、図2(B)は、図2(A)中のA−A´線で切り矢印の方向から見たMTJ素子10−2内のピン層12及びフリー層14のスピンの向きを矢印で模式的に示した断面構造図である。
【0034】
図2(A)のように、第1の書き込み用配線16に電流を流す前では、SAL層15のスピンSSAL−1の向きはSAL層15の長手方向を向く。同様に、電流を流す前では、各MTJ素子10−1〜10−3におけるフリー層14のスピンSF−1の向きは、各MTJ素子10−1〜10−3の長手方向を向く。
【0035】
図2(B)も同様に、第1の書き込み用配線16に電流を流す前においては、SAL層15のスピンSSAL−1及びフリー層14のスピンSF−1が夫々の長手方向を向く様子が図示されている。このように、SAL層15のスピンSSAL−1の向きがフリー層14のスピンSF−1の向きに対して直交状態(biquadric)において、両者の間に強磁性カップリングを有する磁気的相互作用が生じている。換言すれば、両者の間に生じている強磁性カップリングは、両スピンの直交状態を保持するように働く磁気的相互作用である。
【0036】
また、ピン層12のスピンSPINの向きは反強磁性体膜11によって固定されているので、第1の書き込み用配線16に電流を流す前後においてこの向きは不変である。ここでは、フリー層14のスピンSF−1と平行、且つ同一方向である様子が図2(B)に示されている。
【0037】
以下、読み出し動作についてMTJ素子10−2を例に挙げて詳説する。
【0038】
一般的にMTJ素子の情報を読み出す場合は、MTJ素子10の抵抗値の変化を検出することによって行われる。つまり、ピン層とフリー層のスピンの向きが図2(B)のように同一方向で平行の場合は、MTJ素子の比抵抗値は最も小さく、例えば“1”状態となる。同様に、ピン層とフリー層のスピンの向きが反対方向で平行の場合はMTJ素子の比抵抗値は最も大きく、例えば“0”状態となる。従って、図2(B)で図示するMTJ素子10−2は“1”状態と読み出される。
【0039】
具体的には、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、フリー層14、トンネルバリア層13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、第1の書き込み用配線16に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。従って、図2(B)の場合は、MTJ素子10−2の比抵抗値(反強磁性体層11〜フリー層14の間の比抵抗値)は最も小さくなり、センスアンプによって例えば“1”状態と読み出される。以上の動作は、他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。
【0040】
さらに、図3(A)、(B)を用いて、書き込み時に第1の書き込み用配線16にIの向きに電流を流した状態における、各層のスピンの様子を説明する。図3(A)は、図1(A)で示した本実施形態に係る磁気記憶装置に、スピンの向きを矢印で模式的に示した平面図である。また、図3(B)は、図3(A)中のA−A´線で切り矢印の方向から見た、スピンの向きを矢印で模式的に示した断面構造図である。以下、書き込み動作についてMTJ素子10−2について詳説する。
【0041】
図3(A)、(B)のように、第1の書き込み用配線16にIの向きに電流を流すと、第1の書き込み用配線16には、磁界がいわゆる右ねじの法則に従い発生する。すると、SAL層15には透磁率が十分に高い(例えば透磁率1000以上)軟磁性体を用いているので、配線16から発生するほぼすべての磁界はSAL層15に印加され、MTJ素子10−2にはほとんど印加されない。そのため、配線16から発生した磁束はほとんどSAL層15を透過し、SAL層15のスピンSSAL−2の向きはSAL層15の短手方向を向く。
【0042】
ここで、第1の書き込み用配線16に電流を流す前においては、前述したように、SAL層15のスピンSSAL−1の向きとフリー層14のスピンSF−1の向きが直交状態を保持する強磁性カップリングを有する磁気的相互作用が生じている。この強磁性カップリングは、第1の書き込み用配線16に電流を流した後においても維持され、この関係を保とうとSAL層15からフリー層14のスピンSF−1に作用する。
【0043】
つまり、図3(A)、(B)のようにSAL層15のスピンSSAL−2の向きが半反転してSAL層15の短手方向を向くと、SAL層15とフリー層14は強磁性カップリングを有しているために、フリー層14のスピンSF−2の向きも直交するように作用する。その結果、フリー層14のスピンSF−2の向きも半反転して、MTJ素子10−2の短手方向を向く。また、ピン層12のスピンSPINの向きは反強磁性体膜11によって固定されているので、第1の書き込み用配線16に電流を流した状態においてもこの向きは不変である。従って、第1の書き込み用配線16に電流を流した状態では、フリー層14のスピンSF−2とピン層11のスピンSPINは直交するようになる。この様子が図3(A)、(B)に示されている。
【0044】
これらは、その他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。つまり、第1の書き込み用配線16からの電流により発生した磁界によって、MTJ素子10−1〜10−3のフリー層14のすべてのスピンSF−2の向きが、MTJ素子10−1〜10−3夫々の短手方向となる。即ち、MTJ素子10−1〜10−3のフリー層14のスピンの向きが90°転回(半反転)し、これらの素子がすべて半選択の状態となっている。
【0045】
また図3(A)には、本来磁気記憶装置を構成すべきである、MTJ素子10−1〜10−3の上に夫々形成され第1の書き込み用配線16とほぼ直交して配置される、第2の書き込み用配線17が形成されている。従って、例えばMTJ素子10−2に書き込む場合は、図示した第2の書き込み用配線17に電流を流して発生した磁界により、フリー層14のスピンSF−2を更に90°回転させることによりスピンの反転が達成される。
【0046】
これにより、図示しないが、フリー層14のスピンSF−2の向きとピン層12のスピンの向きSPINが反平行となり、例えば“1”状態から“0”状態へと変化することになる。以上により、MTJ素子10−2の書き込み動作が全て終了する。
【0047】
書き込み後の読み出し動作は同様に、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、フリー層14、トンネルバリア13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、例えば第1の書き込み用配線の先に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。従って書き込み後は、MTJ素子10−2の比抵抗値(反強磁性体層11〜フリー層14の比抵抗値)は最も大きくなり、センスアンプによって例えば“0”状態と読み出される。
【0048】
以上の動作は、他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。
【0049】
本実施形態は、SAL層15とMTJ素子10−1〜10−3が、互いに直交状態の強磁性カップリングを保持しようとする磁気的相互作用を利用していることが特徴である。即ち、書き込み時に、第1の書き込み用配線16から発生する磁界により、まずSAL層15のスピンの向きを半反転させる。次に、SAL層15とフリー層14との磁気的カップリングによって所望のMTJ素子のフリー層14のスピンの向きを半反転することが特徴である。この書き込みは、第2の書き込み用配線17に所定方向の電流を流して、さらに半反転させて完全に反転するか、または反転させずに元に戻すかすることで“1”、“0”の書き込みが完結する。以下、本実施形態の効果を詳説する。
【0050】
第1の効果は、書き込み用に用いる電流の低減である。SAL層15を挿入した方が、フリー層14のスピンの向きを反転させる磁界は低減され、これに比例して書き込み用の電流も低減されるからである。
【0051】
望ましくは、SAL層15は十分に透磁率の高い(例えば透磁率1000以上)の軟磁性体で構成され、あるいは軟磁性体を含んで形成される。
【0052】
上述のように、軟磁性体は十分に透磁率が高いので、書き込み時に第1の書き込み用配線16から発生した磁界はほとんどSAL層15内に印加される。これに対して、SAL層15がなく直接MTJ素子10に発生した磁界を印加する従来の場合では、第1の書き込み用配線16から発生する磁界の磁力線は四方八方に広がり、MTJ素子のフリー層に印加される割合が低い。
【0053】
これに対して本実施形態では、第1の書き込み用配線16から発生した磁界のほとんどはSAL層15内部に印加されるので、磁力線が四方八方に広がることはない。さらに、図1(B)に示すように、SAL層15とフリー層14は直に接触しており、磁気的相互作用が最大に発揮される。これによって、従来よりも第1の書き込み用配線16からのフリー層14を半反転するための磁界強度を低減することができ、第1の書き込み用配線16に用いる電流を低減することが出来る。
【0054】
第2には、図1(A)に示したように、MTJ素子10−1〜10−3は第1の書き込み用配線16に沿って、複数形成される配置を有している。その結果、1個のフリー層14の体積に比べて、そのフリー層14の書き込みに寄与するSAL層15の体積は十分に大きくなる。また、SAL層15とMTJ素子10のフリー層14は、それぞれのスピンの向きが互いに90°の角度差を維持しようとする強い磁気的相互作用、即ち強磁性カップリングを有している。つまり、体積の大きなSAL層15と体積な小さなフリー層14がカップリングを形成し、互いに支えあう形となっている。
【0055】
一方、磁性体の磁気モーメントはその体積の関数であり、体積に比例して磁気モーメントも大きくなる。さらに、磁気モーメントの大きさとスピンの大きさは比例するため、磁気モーメントの大きさが大きいほどスピンに寄与するファクターも大きくなる。
【0056】
つまり、まず第1の書き込み用配線16から発生した磁束を体積の大きなSAL層15がそのほとんどを貰い受け、SAL層15のスピンが半反転する。その次に、磁気的カップリングによって、体積の小さなフリー層14のスピンが半反転される。この時、フリー層14のみでスピンの半反転を行っていた場合よりも、SAL層15を介している分だけ磁気反転に寄与する磁性体の体積が増加する。即ち、それは磁気モーメントの増加を意味し、スピンに寄与するファクターの増加の意味と等しい。そのため、フリー層14のスピンを半反転するに要する磁界強度が低減され、書き込み電流を低減することが出来る。
【0057】
第2に、書き込み時において隣接MTJ素子の誤書き込みを防ぎ、書き込み電流値の許容幅を高めるという効果である。図3(A)に示すように、第1の書き込み用配線16に発生した磁界によって、フリー層14のスピンSF−2が半反転して短手方向を向く。この結果、半選択された複数のMTJ素子が発生する(MTJ素子10−1〜10−3)。
【0058】
さらに、スピンを完全に反転させるため、即ち特定のメモリセルに書き込むためには、第1の書き込み用配線16とほぼ直交するように配置され、各MTJ素子10−1〜10−3の上方に夫々存在する第2の書き込み用配線17から発生する磁界との合成磁界を利用する。従って、図3(A)に示すような状態から、さらに第2の書き込み用配線17から発生した磁界により書き込む場合には、選択していないMTJ素子10が書き込まれないようにする必要がある。
【0059】
例えば、図3(A)の状態から、第2の書き込み用配線17によってさらに半反転させ、MTJ素子10−2のフリー層14のスピンの向きを完全に反転させ、完全に書き込む場合を想定する。この時、MTJ素子10−2の上方に存在する第2の書き込み用配線17から発生する磁界は、隣接するMTJ素子10−1、10−3にも作用する。
【0060】
ここで、図3(A)の状態ではMTJ素子10−1、10−3は半選択された状態にある。そのため、第1、第2の書き込み用配線16,17から発生した合成磁界が、何らかの理由により反転磁界強度を越えてMTJ素子10−1、10−3に作用すると、本来所望しないMTJ素子10−1、10−3に書き込み動作が生じる可能性がある。
【0061】
しかも、これが大規模アレイになると、これら複数の第1、第2の書き込み用配線から発生した磁界が互いに干渉する。そのため、アレイ配置されたMTJ素子のスイッチング磁界に強弱の分布が生じ、これを考慮に入れると従来の書き込み電流値の許容値はますます小さくなる。
【0062】
しかし、この実施形態では、上述のようにSAL層15は透磁率の大きい軟磁性体あるいは少なくとも軟磁性体を含むように形成されている。従って、第1の書き込み用配線16から発生した磁力線はほとんどSAL層15の内部のみを通過する。このように、発生した磁力線がSAL層15を通過せずに四方八方に広がることはなく、所望のMTJ素子のみに発生磁界の影響を及ぼすことができる。そのため、大規模アレイとなっても発生した磁界が互いに干渉することがなく、MTJ素子のスピンのスイッチング磁界に強弱の分布が生じにくくなる。そのため、書き込み時において、選択されたMTJ素子に隣接するMTJ素子の誤書き込みを防ぐことが出来る。
【0063】
さらに、上記の第1の効果および第2の効果によって、磁気記憶装置全体を集積化することが出来る。従来は上述のように、書き込み電流を低減することが出来ないために、書き込み電流値を多くするほかなかった。しかし、書き込み用配線に発生するエレクトロマイグレーションの問題から、書き込み用配線をその限度までしか微細化することが出来なかった。
【0064】
しかし、本実施形態では上述のように書き込み電流を低減することが出来る。そのため、第1の書き込み用配線16の断面積は従来のそれよりも小さくすることが可能である。従って、その書き込み用配線の微細化に伴って、各MTJ素子を微細化することができ磁気記憶装置全体を高集積化することが出来る。
【0065】
また、図1(A)に示すレイアウトにより、第1の書き込み用配線16の長手方向のレイアウト面積を縮小することが出来る。即ち、図1(A)に示すように、MTJ素子10−1〜10−3の短手方向と、第1の書き込み用配線16及びSAL層15の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。そのため、このようなレイアウトにより配線16の長手方向のレイアウト面積を縮小することが出来る。
【0066】
また、一般的にSAL層としてはNi含有量が多い軟磁性合金が望ましいが、そのほか軟磁性体としての物性をもつ物質であればSAL層として用いることが出来る。
【0067】
さらに、本実施形態では上述のように、SAL層15を用いてMTJ素子の磁化困難軸方向のスピンを反転させたが、SAL層15を磁化容易軸方向の反転に用いることも可能である。磁化容易軸方向の反転にSAL層15を用いた場合であっても、書き込み電流を低減できる等の同様の効果を得ることが出来るからである。
【0068】
また、上述のように本実施形態では、体積の大きなSAL層15が体積の小さなフリー層14との間に磁気的な相互作用を持ち、互いに支えあう形になっている。従って、図2、図3で示した書き込み動作時において、フリー層14の熱擾乱を軽減できるという効果も有する。
【0069】
尚、磁気的相互作用のうち本実施形態では、SAL層15とフリー層14とが直接カップリングを有する直接交換相互作用のみを説明したが、磁気的相互作用としては、ネ−ルカップリング、静磁相互作用等も考えられる。
【0070】
ここで、ネ−ルカップリングとは、例えば図1(B)のMTJ素子10−2のトンネルバリア層13の表面に荒れ、即ちラフネスがあった場合にトンネルバリア層13とフリー層14の間に発生する相互作用である。
【0071】
また、静磁相互作用とは、MTJ素子10−2のピン層12の端から漏れた磁場がフリー層14に影響を及ぼす相互作用である。
【0072】
しかし、これらの磁気的相互作用は直接交換相互作用に比べ、無視できるほど小さいためその影響を考慮する必要はない。従って、例えばネ−ルカップリングを大きく発生させるために、意図的にトンネルバリア層13やフリー層14表面にラフネスを造る必要もない。つまり、本実施形態のような場合は、上述のようにSAL層15とフリー層14とが磁気的カップリングを有する直接交換相互作用のみを考え、この作用を専ら利用することが出来る。
【0073】
(第2の実施形態)
図4に本発明の第2の実施形態を示す。図4はこの第2の実施形態の磁気記憶装置の構成を模式的に示した平面図である。図4のように、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数(ここでは6個)配置されたMTJ素子10−1〜10−6、及びMTJ素子10−1〜10−6と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15を示した磁気記憶装置の平面図である。また図4のように、MTJ素子10−1〜10−6の短手方向と、第1の書き込み用配線16の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0074】
以下の第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と重複する部分は同一の参照符号を付して説明を省略し、特に相違する構成等について説明する。
【0075】
本実施形態では、SAL層15は、その磁気的性質が全体に亘ってほぼ均一になるように第1の書き込み用配線16上に堆積されたことが特徴である。
【0076】
一般的に、軟磁性体のSAL層15を、各MTJ素子10−1〜10−6に所望の磁気的相互作用を生じるように堆積することは困難である。しかし本実施形態では、そのSAL層15の膜厚等を均一に制御することにより、各MTJ素子10−1〜10−6に所望の磁気的相互作用を生じるように堆積することが出来る。そのため、SAL層15に図5以下の実施形態に示すような構造を付加する必要がなく、製造工程を簡素化し製造コストを低減することが出来る。
【0077】
その他の動作及び効果等は、第1の実施形態と同様である。
【0078】
(第3の実施形態)
図5に本発明の第3の実施形態を示す。図5に示すように、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−6と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15−1〜15−6を示した磁気記憶装置の平面図である。また、ここでは、MTJ素子10−1〜10−6の短手方向と、第1の書き込み用配線16の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0079】
本実施形態では、SAL層15−1〜15−6が夫々MTJ素子10−1〜10−6ごとに区切られて形成されていることが特徴である。
【0080】
図4に示した第2の実施形態のようにSAL層15を複数のMTJ素子10−1〜10−6に対して共通に且つ均一な厚さに堆積し、その磁気的相互作用を所望のように作用させるべく制御できれば、書き込み動作上問題はない。しかし上述のように、軟磁性体を有するSAL層を各MTJ素子に共通に形成し、夫々のMTJ素子との間に夫々所望の磁気的相互作用を生じるように堆積することは困難である。
【0081】
そこで、本実施形態では、SAL層15−1〜15−6をMTJ素子10−1〜10−6ごとに区切って形成することにより、SAL層15−1〜15−6内の磁区及びカーリングを夫々制御することが出来る。つまり、このようにMTJ素子10−1〜10−6ごとにSAL層15−1〜15−6が区切られていることにより、共通に形成された第1の書き込み用配線16の電流により発生した磁界は確実に例えばSAL層15−1から対応するMTJ素子10−1に印加させることが出来る。
【0082】
なぜなら、SAL層15−1〜15−6は各々透磁率が高い軟磁性体を含むため、第1の書き込み用配線16に比べて、SAL層15−1〜15−6は磁気抵抗が非常に低くなる。そのため、発生した磁界のほぼ全てがSAL層15−1〜15−6内に印加される。つまりは、SAL層15−1〜15−6の上方に夫々直接接続したMTJ素子10−1〜10−6には必ずその磁界が印加される。
【0083】
従って、各SAL層15−1〜15−6を均一な厚さに堆積することが出来ない場合であっても、本実施形態のようなSAL層15−1〜15−6のレイアウトをとることにより、発生した磁界を確実に対応するMTJ素子10−1〜10−6に印加することが出来る。
【0084】
その他の動作及び効果等は第1の実施形態と同様である。
【0085】
(第4の実施形態)
図6に本発明の第4の実施形態を示す。図6に示すように、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−3、10−4〜10−6とそれぞれ磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15−1、15−2を示した磁気記憶装置の第4の平面図である。また、MTJ素子10−1〜10−6の短手方向と、第1の書き込み用配線16の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0086】
本実施形態は、SAL層15−1が3個のMTJ素子10−1〜10−3に対応し、SAL層15−2が3個のMTJ素子10−4〜10−6に対応するように2つに区切られて形成されたことが特徴である。このようなSAL層15−1〜15−6のレイアウトをとることにより、図5の第3の実施形態と同様の作用から、SAL層15−1、15−2内の磁区等を制御し、MTJ素子10−1〜10−6の確実な書き込み動作を実現することが出来る。
【0087】
さらに、図5に示した第3の実施形態に比べて、SAL層15−1,15−2が1個のMTJ素子10ではなく複数、ここでは3個のMTJ素子10−1〜10−3、10−4〜10−6ごとに区切られて形成されているため、製造工程を簡素化し、製造コストを削減し、さらに製造速度を早くすることが出来る。
【0088】
尚、本実施形態では図6において3つのMTJ素子ごとにSAL層15−1、15−2を形成した例を示したが、MTJ素子を区切る個数は3個に限らず、複数であればその数は任意である。
【0089】
その他の動作及び効果等は第1の実施形態と同様である。
【0090】
(第5の実施形態)
図7に本発明の第5の実施形態を示す。図7に示すように、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−6及びMTJ素子10−1〜10−6と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15を示した磁気記憶装置の第5の平面図である。また、MTJ素子10−1〜10−6の短手方向と、第1の書き込み用配線16の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0091】
本実施形態では、SAL層15の長手方向の両端部に、隣接するMTJ素子ごとに一部欠損して形成されたことが特徴である。即ち、図7に示すように、SAL層15の両側には、隣接するMTJ素子10−1〜10−6の相互の間で欠損部18が形成され、その欠損部18からその下に形成された第1の書き込み用配線16が露出する構成を有する。
【0092】
本実施形態においてもSAL層15内の磁区等を制御し、MTJ素子10−1〜10−6の確実な書き込み動作を実現することができる。
【0093】
図7に示すように、MTJ素子10−1〜10−6が形成されたSAL層15の部分に比べて、SAL層15の両側に形成された欠損部18は、図5の実施形態と同様の作用から、磁気抵抗が非常に高くなる。そのため、第1の書き込み用配線16から発生した磁界は、その欠損部18にはほとんど印加されずに、ほぼMTJ素子10−1〜10−6回りのSAL層15内のみに印加される。そのため、第1の書き込み用配線16に発生した磁界は必然的に所望のMTJ素子10−1〜10−6に印加され、確実な書き込み動作を実現することが出来る。
【0094】
その他の動作及び効果等は第1の実施形態と同様である。
【0095】
(第6の実施形態)
図8に本発明の第6の実施形態を示す。図8に示すように、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−6及びこれらのMTJ素子10−1〜10−6と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15を示した磁気記憶装置の平面図である。また、MTJ素子10−1〜10−6の短手方向と、第1の書き込み用配線16の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0096】
図8に示すように本実施形態は、SAL層15の長手方向の両端部に、隣接するMTJ素子の間ごとに突起20を有して形成されたことが特徴である。このようにSAL層15に突起20を有することにより、図7に示した第5の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。即ち、SAL層15において突起20はその他のSAL層15の部分よりも、磁気抵抗が高くなる。そのため、第1の書き込み用配線16から発生した磁界のほとんどは突起20を避けてSAL層15内に印加される。
【0097】
そのため、発生した磁界は必然的に所望のMTJ素子10−1〜10−6に印加され、確実な書き込み動作を実現することが出来る。
【0098】
その他の動作及び効果等は第1の実施形態と同様である。
【0099】
このように、以上の第2の実施形態〜第6の実施形態は、種々の方法によってSAL層15に一部磁壁のトラップ機構を付加し、SAL層15内の磁区及びカーリングを制御することが出来る。そのため、発生した磁界は必然的にのMTJ素子に印加され、確実な書き込み動作を実現することが出来る。
【0100】
(第7の実施形態)
図9(A)に第7の実施形態に係る磁気記憶素子の断面構造図を示す。図9(A)は図1(A)と同様にA−A´線で切り矢印の方向から見た、磁気記憶装置のMTJ素子部分の断面構造図である。つまり、平面図においては図1(A)と同様であるが、断面構造において、SAL層15が本実施形態では図9(A)に示すように、更に第1の書き込み用配線16の両側面にも形成されていることが特徴である。
【0101】
以下、第1の実施形態と重複する部分は同一の参照符号を付して説明を省略し、特に相違する構成等について説明する。
【0102】
図1(B)で示した、第1の断面構造図ではSAL層15が第1の書き込み用配線16の上面にのみ形成されていた。これに対して本実施形態では、SAL層15が第1の書き込み用配線16の両側面にも形成されている。
【0103】
そのため、第1の書き込み用配線16から発生する磁界のうちで、配線16の両側面から発生する磁界もすべてSAL層15に印加することが出来る。このように、SAL層15が第1の書き込み用配線16を被覆する面積を増やすことで、配線16から発生する磁界を他に発散させることなくSAL層15により多く確実に印加させることが出来る。
【0104】
その結果、更に書き込み電流を低減し、書き込み時において隣接MTJ素子の誤書き込みを防ぎ、書き込み電流値の許容幅を高めるという効果を有する。
【0105】
尚、本実施形態は磁気記憶装置のMTJ素子部分のSAL層の断面構造であるので、隣接するMTJ素子間のSAL層の構造は上述の第2〜第6の実施形態のものと組み合わせて実施可能である。即ち、実施形態の類型として(断面構造,平面構造)と表記すれば、例えば、(図9(A),図4)、(図9(A),図5)、(図9(A),図6)、(図9(A),図7)、(図9(A),図8)の5通りが考えられる。
【0106】
(第8の実施形態)
図9(B)に第8の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図を示す。図9(B)に示す断面構造も図1(A)と同様にA−A´線で切り矢印の方向から見た断面構造図である。即ち、本実施形態は図9(B)の断面構造図に示すように、SAL層15が第1の書き込み用配線16の全表面を囲んで形成されていることが特徴である。
【0107】
以下、図9(A)に示した第7の実施形態と重複する部分は同一の参照符号を付して説明を省略し、特に相違する構成等について説明する。
【0108】
本実施形態の構成により、第1の書き込み用配線16から発生する磁界のうちで、配線16の表面と側面からの磁界に加えて裏面から発生する磁界もSAL層15に印加することが出来る。このように、SAL層15が第1の書き込み用配線16を被覆する面積をさらに増やすことで、配線16から発生する磁界を他に発散させることなくSAL層15にすべて印加させることが出来る。
【0109】
その結果、更に書き込み電流を低減し、書き込み時において隣接MTJ素子の誤書き込みを防ぎ書き込み電流値の許容幅を高めるという効果を有する。
【0110】
尚、本実施形態は磁気記憶装置のMTJ素子部分の断面構造であるので、図9(A)と同様に上述の第2〜第6の実施形態のSAL層の構造と組み合わせて実施可能である。即ち、実施形態の類型として(断面構造,平面構造)と表記すれば、例えば、(図9(B),図4)、(図9(B),図5)、(図9(B),図6)、(図9(B),図7)、(図9(B),図8)の5通りが考えられる。
【0111】
(第9の実施形態)
図9(C)に第9の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図を示す。図9(C)は図1(A)と同様の位置での磁気記憶装置の断面構造図である。即ち、本実施形態は図9(C)に示すように、SAL層15自体が第1の書き込み用配線16と兼用となっていることが特徴である。
【0112】
以下、図9(A)に示した第7の実施形態と重複する部分は同一の参照符号を付して説明を省略し、相違する構成等についてのみ説明する。
【0113】
本実施形態の構成により、SAL層15が書き込み用配線としても機能する構成となっているので、SAL層15に書き込み電流を流した時に発生した磁界の殆どがSAL層15内に止まり、外部に発散することは少ない。
【0114】
その結果、これまでの各実施形態と同様に、書き込み電流を低減し、書き込み時において隣接MTJ素子の誤書き込みを防ぎ書き込み電流値の許容幅を高めるという効果を有する。
【0115】
さらに、SAL層15が書き込み用配線の役目を兼ねているので、第1の書き込み用配線16を形成する製造工程を省略することが出来る。そのため、製造工程を簡素化し、断面で見た場合の第1の書き込み用配線16に相当する面積も省略できるため、装置の垂直方向の集積度を増大することが出来る。
【0116】
尚、本実施形態は磁気記憶装置のMTJ素子部分の断面構造であるので、上述の第2〜第6の実施形態におけるSAL層の構造と組み合わせて実施可能である。即ち、実施の類型として(断面構造,平面構造)と表記すれば、例えば(図9(C),図4)、(図9(C),図5)、(図9(C),図6)、(図9(C),図7)、(図9(C),図8)の5通りが考えられる。
【0117】
尚、図9(A)〜図9(C)の実施形態でも例えば図1(B)の実施形態とどうように第2の書き込み用配線が必要であるが、図面の簡素化のために省略してある。同様に、以下に説明する図10、図11、図12(B)、図13(B)、図14(B)の各実施形態においても第2の書き込み用配線が省略されて図示されている。
【0118】
(第10の実施形態)
図10は、図1(A)の実施形態と同様の位置で切断して示された他の実施形態のMTJ素子部分の断面構造図である。即ち、平面構造は図1(A)の第1の実施形態と同様であり、断面構造のみが第1の実施形態と異なっているので平面図はここでは省略した。以下、図10を用いて本実施形態を詳説する。
【0119】
本実施形態は、MTJ素子10と第1の書き込み用配線16の上部に堆積されたSAL層15とフリー層14との間に、MTJ素子10とほぼ同一面積を有した層間膜25が挿入された断面構造を有することが特徴である。ここで、層間膜25は非磁性導電体で形成され、且つフリー層14とSAL層15との間に磁気的相互作用が生じるように形成された膜である。以下、第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、特に第1の実施形態との相違する部分を詳説する。
【0120】
尚、第1の層間膜25としては、少なくともCu、Ru、Au、Crのいずれか1つを含み、フリー層14とSAL層15が磁気的相互作用を奏し得るように、その膜厚を適宜制御されたものが望ましい。
【0121】
本実施形態は、MTJ素子10のフリー層14とSAL層16が、MTJ素子10とほぼ同一面積を有した第1の層間膜25を介して磁気的相互作用を有していることが特徴である。
【0122】
尚、前述したように、第1の実施形態と同様に、MTJ素子10の上方に配置され、第1の書き込み用配線16とほぼ直交して配置されるべき、第2の書き込み用配線の図示をここでは省略してある。
【0123】
さらに、書き込み動作についても、第1の実施形態に係る図2(A)(B)、図3(A)(B)で示したように、第1の層間膜25が挿入されても、その書き込み動作は同様である。即ち、第1の書き込み用配線16に電流を流すと、第1の層間膜25を介して、フリー層14とSAL層15が互いに直交関係を有する強磁性カップリングを維持して、フリー層14及びSAL層15のスピンの向きが半反転位置に変化する。
【0124】
さらに、MTJ素子10の上方に位置する図示しない第2の書き込み用配線に発生する磁界によって更に半反転させ、フリー層15のスピンの向きを完全に平行若しくは反平行に変化させることによって、MTJ素子10の書き込み動作が終了する。
【0125】
次に、読み出し動作についても同様に、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、非磁性導電層25、フリー層14、トンネルバリア層13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、直列に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。
【0126】
このように、導電性の層間膜25を挟むことによっても、上述のようにフリー層14とSAL層15が互いに直交関係にある強磁性カップリングを形成しているので、書き込み電流を低減することが出来る。
【0127】
また、隣接MTJ素子間の書き込み時に発生する磁界の干渉を防ぎ、書き込み電流値の許容幅を拡大することが出来る。
【0128】
さらに、本実施形態においては、導電性の層間膜25を挿入していることによって、書き込み動作終了時における隣接MTJ素子10間に生じる残留磁界の影響を速やかに除去することが出来る。そのため、書き込み電流を低減し、隣接MTJ素子間に発生する磁界の干渉を防ぎ、書き込み時間を短縮することが出来る。
【0129】
つまり、層間膜25は導電体であるから当然に電流を通すため、読み出し動作を妨害することはなく実行することが出来る。しかも、非磁性体であるため、第1の書き込み用配線16から発生する余分な磁界の影響を、隣接する他のMTJ素子へ及ぶことを防ぐ、磁気的障壁としての役割も有する。即ち、第1の書き込み用配線16から発生する磁界によって所望のフリー層14のスピンの向きを半反転させた後、SAL層15内に残る残留磁界の影響がフリー層14へ及ぶことを、第1の層間膜25があるために、除去することが出来るからである。
【0130】
そのため、書き込み時の余分な磁界の影響を除去することが出来る。
【0131】
その他の効果については第1の実施形態と同様である。
【0132】
また、本実施形態は磁気記憶装置のMTJ素子部分に関するものであるから、上述の実施形態におけるSAL層15の種々の構造と組み合わせることによって更に種々の実施形態が考えられる。つまり、MTJ素子10とほぼ同一の面積を持った導電性の層間膜25がMTJ素子10とSAL層15との間に挿入されたこと以外は図4〜図8で示す第2〜第6の実施形態と同様のSAL層の平面形態の変形実施が可能である。一方、SAL層の断面構造としては、図9(A)〜図9(C)で示す第2〜第4の断面構造が考えられる。
【0133】
従って、層間膜25を本実施形態のように挿入した場合のSAL層の平面構造と断面構造の実施形態の組み合わせ類型として、(断面構造、平面構造)と表記すれば、例えば以下の類型が考えられる。即ち、(図10、図4〜図8)、(図10+図9(A)、図4〜図8)、(図10+図9(B)、図4〜図8)、(図10+図9(C),図4〜図8)、の計20通りが考えられる。
【0134】
ここで、図10+図9(A)の表わす断面構造は、本実施形態のような層間膜25を持ち、さらにSAL層15が図9(A)で示すように第1の書き込み用配線16の両側面にも形成された断面構造をいう。図10+図9(B)、図10+図9(C)についても同様の断面構造を示す。
【0135】
(第11の実施形態)
図11は、図1(A)と同様にMTJ素子部分で切断して示す他の実施形態の断面構造図である。本実施形態も平面構造は第1の実施形態とほぼ同様である。以下、図11を用いて本実施形態を詳説する。
【0136】
本実施形態は、MTJ素子10のフリー層14と第1の書き込み用配線16の上部に堆積されたSAL層15との間に、SAL層15とほぼ同一面積を有した層間膜26が挿入された断面構造を有することが特徴である。以下、第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、特に第10の実施形態と相違する部分を詳説する。
【0137】
本実施形態は、上述のようにSAL層15とほぼ同一の面積を有する層間膜26が挿入されたことが特徴である。また、層間膜26は図10の層間膜5と同様に、非磁性導電体で形成され、この層間膜26を介してフリー層14とSAL層15が磁気的相互作用を有するように形成されたものである。その他、第10の実施形態と同一の構造についてはその説明を省略する。
【0138】
書き込み動作は第10の実施形態と同様に、第1の書き込み用配線16に電流を流した後では、層間膜26を介して、フリー層14とSAL層15が互いに直交関係を持って強磁性カップリングを維持し、フリー層14及びSAL層15のスピンの向きが半反転状態に変化する。さらに、図示しないMTJ素子10の上方に位置する第2の書き込み用配線に発生する磁界によって、フリー層15のスピン向きを更に半反転させ、所望の反転又は非反転状態に変化させることによって、MTJ素子10の書き込み動作が終了する。
【0139】
また、読み出し動作についても第10の実施形態と同様に、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、層間膜26、フリー層14、トンネルバリア層13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、直列に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。
【0140】
このように、層間膜26を挟むことによっても、上述のようにフリー層14とSAL層15が互いに直交状態の強磁性カップリングを維持することによって、書き込み電流を低減することが出来る。
【0141】
上述のように、SAL層15とほぼ同一の面積を有する層間膜26が、MTJ素子のフリー層14とSAL層15との間に挿入されたことが特徴である。本実施形態では図11に示すように、層間膜26がSAL層15の面積とほぼ同一の面積を有するよう堆積されている。従って、図10に示す第10の実施形態に係る層間膜25に比べ、SAL層15を覆う面積及び体積が増加している。
【0142】
そのため、第1の書き込み用配線16から発生する余分な磁界の影響を、隣接する他のMTJ素子へ及ぶことを防ぐ、磁気的障壁としての役割をより果たすことが出来る。そのため、余分な書き込み磁界の影響を速やかに除去することが出来る。
【0143】
その他の効果については第1の実施形態と同様である。
【0144】
また、第10の実施形態と同様にSAL層16の断面構造と平面構造との組み合わせによって種々の実施形態が考えられる。つまり、SAL層15とほぼ同一の面積を持った層間膜26がMTJ素子10とSAL層15との間に挿入されたこと以外は図10の実施形態と同様の変形実施形態が可能である。
【0145】
例えば、図11+図9(A)の表わす断面構造は、本実施形態のような層間膜26を持ち、さらにSAL層15が図9(A)で示すように第1の書き込み用配線16の両側面にも堆積された断面構造をいう。図11+図9(B)、図11+図9(C)についても同様の断面構造を示す。
【0146】
尚、層間膜26としては、層間膜25と同様に、少なくともCu、Ru、Au、Crのいずれか1つを含み、フリー層14とSAL層15が磁気的相互作用を有するようにその膜厚を適宜制御されたものが望ましい。
【0147】
(第12の実施形態)
図12(A)は、本発明の第12の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図を模式的に示したものである。また、図12(B)は、図12(A)中のB−B´線で切り矢印の方向から見た断面構造図である。以下、図12(A)及び図12(B)を用いて本実施形態の構造を詳説する。
【0148】
図12(A)は、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−3、及びMTJ素子10−1〜10−3と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15を示している。ここで、SAL(Soft Adjacent Layer)層15は軟磁性体を含む強磁性体層である。
【0149】
また、本来磁気記憶装置を構成すべきである、MTJ素子10−1〜10−3の上に夫々形成され第1の書き込み用配線16とほぼ直交して配置される、第2の書き込み用配線は省略してある。
【0150】
図12(A)のようにMTJ素子10−1〜10−3の長手方向と、第1の書き込み用配線16及びSAL層15の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されていていることが本実施形態の特徴である。
【0151】
以下、第1の実施形態と同一の部分は同一の参照符号を付してその説明を省略し、特に第1の実施形態の相違点を詳説する。
【0152】
MTJ素子10は例えば図12(B)に示すように、MTJ素子10−2を例に取って示すと、ピン層12のスピンの向きを固定する反強磁性体膜11と、反強磁性体膜11によりスピンの向きを固定され強磁性体を有するピン層12と、トンネルバリア層13と、第1の書き込み用配線16と図示しない第2の書き込み用配線より発生する磁界によりスピンの向きが変化し強磁性体を有するフリー層14とがこの順で積層された構造である。その他のMTJ素子10−1、10−3も、同様の構造を有している。
【0153】
図12(B)のように、MTJ素子10−2と第1の書き込み用配線16との間にSAL層15が挿入され、SAL層15とMTJ素子10−2が磁気的相互作用を有している。
【0154】
次に、図13(A)、(B)及び図14(A)、(B)を用いて本実施形態の書き込み、読み出し動作を詳説する。
【0155】
図13(A)、(B)は第1の書き込み用配線16に電流を流す前における、SAL層15、MTJ素子10−1〜10−3のスピンの様子を図示している。一方、図14(A)、(B)は第1の書き込み用配線16に電流を流した状態における、SAL層16、MTJ素子10−1〜10−3のスピンの様子を図示している。
【0156】
まず、図13(A)、(B)を用いて、第1の書き込み用配線16に電流を流す前における、各層のスピンの様子を説明する。図13(A)は、図12(A)で示した本実施形態に係る磁気記憶装置に、スピンの向きを矢印で模式的に示した平面図である。また、図13(B)は、図13(A)中のB−B´線で切り矢印の方向から見たスピンの向きを矢印で模式的に示した断面構造図である。
【0157】
図13(A)のように、第1の書き込み用配線16に電流を流す前では、SAL層15のスピンSSAL−1の向きはSAL層15の長手方向を向く。同様に、電流を流す前では、各MTJ素子10−1〜10−3におけるフリー層14のスピンSF−1の向きも、各MTJ素子10−1〜10−3の長手方向を向く。
【0158】
図13(B)においても同様に、第1の書き込み用配線16に電流を流す前においては、SAL層15のスピンSSAL−1及びフリー層14のスピンSF−1が夫々長手方向を向く様子が図示されている。ここで、本実施形態では、SAL層15のスピンSSAL−1の向きがフリー層14のスピンSF−1の向きに対して反平行(bilinear)な強磁性カップリングを有する磁気的相互作用が生じることが特徴である。
【0159】
また、ピン層12のスピンSPINの向きは反強磁性体膜11によって固定されているので、第1の書き込み用配線16に電流を流す前後においてこの向きは不変である。従って、ここではフリー層14のスピンSF−1と平行である様子が図13(B)に示されている。
【0160】
以下、読み出し動作についてMTJ素子10−2を例に挙げて詳説する。
【0161】
一般的にMTJ素子の情報を読み出す場合は、MTJ素子10の抵抗値の変化を検出することによって行われる。つまり、ピン層とフリー層のスピンの向きが平行の場合はMTJ素子の比抵抗値は最も小さく、例えば“1”状態となる。同様に、ピン層とフリー層のスピンの向きが反平行の場合はMTJ素子の比抵抗値は最も大きく、例えば“0”状態となる。従って、図13(B)で図示するMTJ素子10−2は例えば“1”状態と読み出される。
【0162】
具体的には、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、フリー層14、トンネルバリア層13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、直列に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。従って、図13(B)の場合は、MTJ素子10−2の比抵抗値(反強磁性体層11〜フリー層14の間の比抵抗値)は最も小さくなり、センスアンプによって例えば“1”状態と読み出される。以上の動作は、他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。
【0163】
さらに、図14(A)、(B)を用いて、第1の書き込み用配線16に矢印Iの向きに電流を流した状態における、書き込み動作を説明する。図14(A)は、図12(A)で示した本実施形態に係る磁気記憶装置に、スピンの向きを矢印で模式的に示した平面図である。また、図14(B)は、図14(A)中のB−B´線で切り矢印の方向から見た、スピンの向きを矢印で模式的に示した断面構造図である。以下、書き込み動作についてMTJ素子10−2について詳説する。
【0164】
図14(A)、(B)のように、第1の書き込み用配線16に矢印Iの向きに電流を流すと、第1の書き込み用配線16には、磁界がいわゆる右ねじの法則に従い発生する。すると、SAL層15は透磁率が十分に高い(例えば透磁率1000以上)軟磁性体で形成しているので、配線16から発生する磁界はほぼ全部がSAL層15に印加され、MTJ素子10−2にはほとんど印加されない。そのため、配線16から発生した磁界はほとんどSAL層15を透過し、SAL層15のスピンSSAL−2の向きはSAL層15の短手方向を向く。
【0165】
ここで、第1の書き込み用配線16に電流を流す前においては、SAL層15のスピンSSAL−1の向きとフリー層14のスピンSF−1の向きが反平行(bilinear)な強磁性カップリングを有する磁気的相互作用が生じている。この強磁性カップリングは、第1の書き込み用配線16に電流を流す前後において維持され、この反平行の関係を保持するようにフリー層14のスピンSF−1に作用する。
【0166】
つまり、図14(A)、(B)のようにSAL層15のスピンSSAL−2の向きがSAL層15の短手方向を向くと、SAL層15とフリー層14の強磁性カップリングのために、フリー層14のスピンSF−2の向きも反平行な向きを保とうとするように作用する。その結果、フリー層14のスピンSF−2の向きは、MTJ素子10−2の短手方向を向く。また、ピン層12のスピンSPINの向きは反強磁性体膜11によって固定されているので、第1の書き込み用配線16に電流を流した状態においてもこの向きは不変である。従って、第1の書き込み用配線16に電流を流した状態では、フリー層14のスピンSF−2とピン層11のスピンSPINは半平行な向きを向く。この様子が図14(B)に示されている。
【0167】
これらは、その他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。つまり、第1の書き込み用配線16からの電流により発生した磁界によって、MTJ素子10−1〜10−3のフリー層14のすべてのスピンSF−2の向きが、MTJ素子10−1〜10−3夫々の短手方向となる。即ち、MTJ素子10−1〜10−3のフリー層14のスピンの向きが半反転し、これらの素子がすべて半選択された状態となっている。
【0168】
また図14(A)、(B)には、本来磁気記憶装置を構成すべきである、MTJ素子10−1〜10−3の上に夫々形成され第1の書き込み用配線16とほぼ直交して配置される、第2の書き込み用配線は省略してある。従って、MTJ素子10−2を完全に書き込む場合は、図示しない第2の書き込み用配線に電流を流し、発生した磁界により、フリー層14のスピンSF−2を更に半反転させることにより達成される。これにより、フリー層14のスピンSF−2の向きとピン層12のスピンの向きSPINが反平行となり、例えば“1”状態から“0”状態へと変化することになる。以上により、MTJ素子10−2の書き込み動作が全て終了する。
【0169】
書き込み後の読み出し動作は同様に、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、フリー層14、トンネルバリア層13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、直列に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。従って書き込み後は、MTJ素子10−2の比抵抗値(反強磁性体層11〜フリー層14の比抵抗値)は最も大きくなり、センスアンプによって例えば“0”状態と読み出される。
【0170】
以上の動作は、他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。
【0171】
本実施形態はSAL層15とフリー層14とが互いに反平行(bilinear)な関係を維持する強磁性カップリングを有していることが特徴である。従って、上述のような作用から第1の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。
【0172】
但し、図12(A)に示すように、MTJ素子10−1〜10−3の長手方向が第1の書き込み用配線16の長手方向とほぼ同一方向を有するように形成されている。そのため本実施形態のようなレイアウトをとることにより、第1の書き込み用配線16の短手方向の寸法が小さくなり、この方向のレイアウト面積を低減することが出来る。
【0173】
尚、本実施形態は図1(A)、(B)で示す第1の実施形態に比べ、ちょうどMTJ素子10のみが90°回転したレイアウトを有している。そのため、上述の実施形態のように、SAL層15の断面構造と平面構造との組み合わせによって種々の実施形態が考えられる。つまり、平面構造については図4〜図8で示す第2〜第6の平面構造が考えられる。一方、断面構造としては、図9(A)〜図9(C)で示す第2〜第4の断面構造の他にも、層間膜25を有した場合の断面構造を表わす図10の構造、層間膜26を有した場合の断面構造を表わす図11の構造が考えられる。
【0174】
従って、以上の類型を全て考慮し、平面構造と断面構造の実施形態の類型として、(断面構造、平面構造)と表記すれば、例えば以下のような実施の類型が考えられる。即ち、(図12(B)、図4〜図8)、(図12(B)+図9(A)、図4〜図8)、(図12(B)+図9(B)、図4〜図8)、(図12(B)+図9(C),図4〜図8)、の計20通りが考えられる。ここで、断面構造において図12(B)+図9(A)とは、図12(B)で示すレイアウトに図9(A)で示すSAL層15の断面構造を有する類型である。従って、そのほか図12(B)+図9(B)、図12+図9(C)も同様である。
【0175】
その他にもさらに、(図12(B)+図10、図4〜図8)、(図12(B)+図9(A)+図10、図4〜図8)、(図12(B)+図9(B)+図10、図4〜図8)、(図12(B)+図9(C)+図10,図4〜図8)の他にも、(図12(B)+図11、図4〜図8)、(図12(B)+図9(A)+図11、図4〜図8)、(図12(B)+図9(B)+図11、図4〜図8)、(図12(B)+図9(C)+図11,図4〜図8)の計40通りが考えられる。ここで、図12(B)+図10とは、図12(B)で示すレイアウトに図10で示す層間膜25を挿入した場合における断面構造を有する類型である。図12(B)+図9(A)+図10とは、上述の断面構造にさらに図9(A)で示すSAL層15の断面構造を有する類型である。また、図12(B)+図11、図12(B)+図9(A)+図11の断面構造についても同様である。以上により、例えば計60通りの実施の類型が考えられる。
【0176】
(第13の実施形態)
図15(A)は、本発明の第13の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図を模式的に示したものである。また、図15(B)は、図15(A)中のC−C´線で切り矢印の方向から見た断面構造図である。以下、図15(A)及び図15(B)を用いて本実施形態の構造を詳説する。また本第13の実施形態において、上記第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0177】
図15(A)は図1(A)において図示しなかった、MTJ素子10−1〜10−3の上で第1の書き込み用配線16とほぼ直交して形成される第2の書き込み用配線17をさらに図示している。本実施形態は、この第2の書き込み用配線17にヨーク部30を形成した例である。
【0178】
図15(B)に示すように、第2の書き込み用配線17の上面及び両側面を覆うようにヨーク部30が形成されている。このヨーク部30は、例えばNiFe等の透磁率が高い軟磁性材料を含む強磁性体から形成される。
【0179】
尚、書き込み/読み出し動作については第1の実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0180】
このヨーク部30が第2の書き込み用配線17に形成されることにより、第2の書き込み用配線17に流される書き込み用電流を低減することが出来る。具体的にはヨーク部30が形成されると、例えば2倍程度の高効率化効果(書き込み電流値が1/2程度)を得ることが出来る。
【0181】
即ち、ヨーク部30は透磁率が高い軟磁性体を含んで形成されるからである。ヨーク部30に軟磁性体が含まれていると、書き込み動作時において第2の書き込み用配線17から発生する磁束のうち、第2の書き込み用配線17の上面及び両側面から発生する磁束のほとんどはヨーク部30に導かれる。そのため、発生した磁束がアレイの四方八方に広がることを防ぎ、発生した磁束が互いに干渉して誤書き込みを防止することが出来る。例えば、MTJ素子10−2の上の第2の書き込み用配線17から発生した磁束が、隣接するMTJ素子10−1又はMTJ素子10−3のフリー層14へ干渉し誤って書き込まれることを防ぐことが出来る。このような磁束の相互の干渉は、第1の実施形態と同様の理由より大規模アレイになるほど顕著である。しかし本実施形態では大規模アレイであっても、第2の書き込み用配線17から発生する磁束の干渉も防ぐことにより、さらに誤書き込みを防止することが出来る。
【0182】
一方で、第2の書き込み用配線17の下面はヨーク構造が形成されていないため、発生した磁束のほとんどを第2の書き込み用配線の下面からMTJ素子10のフリー層14に印加することが出来る。そのため、第2の書き込み用配線17に流される書き込み用電流を低減することが出来る。
【0183】
また上記第1の実施形態と同様に、第1の書き込み用配線16の上に重なってSAL層15が形成されている。従って、第1の書き込み用配線16の書き込み用電流も低減することが出来る。また、第1の書き込み用配線16から発生する磁束の干渉もない。
【0184】
以上により、本実施形態によれば磁束の相互干渉による誤書き込みを大幅に防ぎながら、さらに第2の書き込み用配線17の書き込み用電流も大幅に低減することが出来る。
【0185】
またこのヨーク部30の構造は、第2の書き込み用配線17の上面のみ、又は第2の書き込み用配線17の両側面のみを覆うようにして形成することも可能である。このような形状では第2の書き込み用配線17の上面、又は両側面にヨーク部30を形成する工程を省くことが出来るため、プロセス数を減少することが出来る。
【0186】
さらに、ヨーク部30はNi含有量が多い軟磁性合金のほか、軟磁性体としての物性をもつ物質によって形成することも出来る。
【0187】
即ち、ヨーク部30はSAL層15と同一の材料及び同一の製造方法によって形成することが出来る。従って、SAL層15の他、更にヨーク部30を形成することは非常に簡便であるが、その効果は上記のように非常に大きい。これは本実施形態の大きな利点である。
【0188】
尚、本実施形態に係る第2の書き込み用配線17にヨーク部30を有する構造と、上記第2の実施形態乃至第12の実施形態で表わされる構造とは適宜に組み合わせることが可能である。例えば、SAL層15の平面構造と断面構造の実施形態の一例として(断面構造、平面構造)と表記すれば、(図9(A)、図5)等の実施の類型が考えられる。
【0189】
以上、第1乃至第13の実施の形態を用いて本発明の説明を行ったが、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば各実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0190】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、書き込み用配線電流を低減しかつ書き込み時における磁界の干渉を防ぐ磁気記憶装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る磁気記憶装置の構造図であり、(A)は平面図、(B)は図1(A)のA−A´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図2】第1の実施形態に係る磁気記憶装置において、第1の書き込み用配線に電流を流す前における、フリー層及びSAL層のスピンの様子を模式的に表わす図であり、(A)はその平面図、(B)は図1(A)のA−A´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図3】第1の実施形態に係る磁気記憶装置において、第1の書き込み用配線に電流を流した状態における、フリー層及びSAL層のスピンの様子及び電流の向きを模式的に表わす図であり、(A)はその平面図、(B)は図1(A)のA−A´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図4】第2の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図である。
【図5】第3の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図である。
【図6】第4の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図である。
【図7】第5の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図である。
【図8】第6の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図である。
【図9】(A)は第7の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図、(B)は第8の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図、(C)は第9の実施形態に係る第4の断面構造図である。
【図10】第10の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図である。
【図11】第11の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図である。
【図12】第12の実施形態に係る磁気記憶装置の構造図であり、(A)は平面図、(B)は図12(A)のA−A´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図13】第12の実施形態に係る第1の書き込み用配線16に電流を流す前における、フリー層14及びSAL層15のスピンの様子を模式的に表わす図であり、(A)はその平面図、(B)は図13(A)のB−B´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図14】第12の実施形態に係る第1の書き込み用配線16に電流を流した状態における、フリー層及びSAL層のスピンの様子及び電流の向きを模式的に表わす図であり、(A)はその平面図、(B)は図14(A)のA−A´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図15】第13の実施形態に係る磁気記憶装置の構造図であり、(A)は平面図、(B)は図13(A)のC−C´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【符号の説明】
10…MTJ素子、10−1、10−2、10−3…MTJ素子、11…反強磁性体膜、12…ピン層、13…トンネルバリア、14…フリー層、15…SAL層、16…第1の書き込み用配線。
【発明の属する技術分野】
この発明は、MRAM等の磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気ランダムアクセスメモリ(Magnetic Random Access Memory,以下MRAMと略記)としては、メモリセルの書込み配線周辺に高透磁率磁性材料によるキーパー層ないしヨーク構造を設けた例が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5,940,319号明細書
【0004】
【特許文献2】
米国特許第5,956,267号明細書
【0005】
【特許文献3】
欧州特許出願公開第WO00/10、172号明細書
【0006】
【特許文献4】
特開平8−306014号公報
MRAMとは、記録担体として強磁性体の磁化方向を利用した、記録情報を随時、書き換え、保持、読み出しすることが出来る固体記憶装置の総称である。
【0007】
MRAMメモリセルは、通常複数の強磁性体を積層した構造を有する。情報の記録はメモリセルを構成する複数の強磁性体の磁化(スピン)の相対方向が、平行か反平行であるかを2進の情報“0”、“1”に対応させて行う。記録情報の書き込みは各セルの強磁性体の磁化方向を、クロスストライプ状に配置された書き込み線に電流を流して生じる電流磁界によって反転させることによって行われる。記録保持時の消費電力は原理的にゼロであり、電源を切っても記録保持が行われる不揮発性記憶装置である。記録情報の読み出しは、メモリセルの電気抵抗が、セルを構成する強磁性体の磁化方向とセンス電流との相対角、または複数の強磁性層間の磁化の相対角によって変化する現象、いわゆる磁気抵抗効果を利用して行う。
【0008】
MRAMと従来の誘電体を用いた半導体記憶装置とをその機能で比較すると、MRAMは完全な不揮発性であり1015回以上の書き換え回数が可能であること、非破壊読み出しが可能であり、リフレッシュ動作を必要としないため読み出しサイクルを短くすることが可能であること、電荷蓄積型のメモリセルに比べ放射線に対する耐性が強いこと等、の多くの利点を有している。MRAMの単位面積あたりの集積度、書き込み、読み出し時間はおおむねDRAMと同程度となりうることが予想されている。従って不揮発性という大きな特色を生かし、携帯機器用の外部記録装置、LSI混載用途、さらにはパーソナルコンピューターの主記録記憶装置への応用が期待されている。
【0009】
現在実用化の検討が進められているMRAMでは、メモリセルに強磁性トンネル効果を示すMTJ素子を用いている。MTJ素子は、主として強磁性体/絶縁層/強磁性体からなる三層膜で構成され、電流は絶縁膜をトンネルして流れる。トンネル抵抗値は両強磁性金属層の磁化方向の相対角の余弦に比例して変化し、両磁化方向が反平行の場合に極大値をとり、これが“0”となる。反対に両磁化方向が平行の場合には、トンネル抵抗値は極小値をとりこれが“1”となる。
【0010】
しかし、従来のMTJ素子には以下のような課題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
第1の課題は、書き込み電流の低減である。従来提案されているMRAMの書き込みは、上述のように配線から発生する磁界によって直接フリー層のスピンの向きを反転させることによって行われる。ここで、配線から発生する磁界の強度Aは、配線の電流値、及び配線−MTJ素子間の距離、に依存して変化する。現在知られている報告例ではおよそ数Oe程度である。さらに、MTJ素子のフリー層の磁化反転閾値(以下、スイッチング磁界HSWと定義する)は、次式(1)のようにMTJ素子の磁化困難軸方向のサイズ(以下セル幅Wと定義)に反比例して増大する。
【0012】
HSW=HSW 0+A/W …(1)
現在知られているAの値は10〜20Oe・μmである。
【0013】
しかし、配線の信頼性を考慮した場合、エレクトロマイグレーションによって制限を受ける。エレクトロマイグレーションは配線電流の電流密度で加速され、現在のLSI製造に用いられているAL−Cu配線、Cu配線での配線の電流密度の上限はそれぞれおよそ10mA/μm2、100mA/μm2程度である。ここで、仮にDRAMと同程度のGb級の集積度で現実に必要な0.1μmルールでの製造を考えた場合、Cu配線を用いた場合でも配線に流せる電流値の上限は1mA程度であり、それにより発生する磁界の値Aは数Oe程度である。一方、0.1μm程度のサイズのMTJ素子の必要なスイッチング磁界は(1)式に従うと数10Oe以上になる。すなわち、現状の技術ではDRAMと同程度のGb級のMRAMの実現ははなはだ困難である。
また、第2の課題は、隣接セル間の書き込み時における磁場の干渉である。書き込み時には互いに交叉する2本の書き込み線を選択し、それにより交点に生じる合成磁界によりMTJ素子のフリー層の磁化反転を生じさせる。この場合、選択セル以外に交叉するいずれかの配線からの磁界を受ける、半反転状態の半選択セルが存在する。この半反転状態は僅かの磁界の変動で容易に反転状態に移行する。従って、半選択セルへの誤った書き込みを防ぐために、書き換え動作時には選択セルのみが反転し、半選択セルは反転しないように書き換え電流値を調整する必要がある。即ち、大規模アレイではこの磁場の干渉のためMTJ素子のスイッチング磁界に分布が生じるために、一般に書き込み電流値の許容幅が非常に小さくなってしまうという課題がある。
【0014】
この第1の課題を解決するために、例えば前記米国特許5940319号明細書、米国特許5,956,267号明細書、欧州特許WO 00/10172号明細書、また特開平8−306014号明細書に記載があるように、配線周辺に高透磁率磁性材料によるキーパー層ないしヨーク構造を設けた例が提案されている。これらの方法はいずれも、配線周辺に発生した磁束をキーパー層ないしヨーク構造内に収束させることで、MTJ素子近傍に生じる磁界強度の向上を図り、書き込み電流値の低減を目的としたものである。
【0015】
第2の課題を解決する手段としては、書き換え電流値の許容幅を高めることを目的とするものが知られている。(例えば特許文献5、特許文献6、特許文献7参照。)。
【0016】
【特許文献5】
米国特許第6,081,445号明細書
【0017】
【特許文献6】
米国特許第6,134,139号明細書
【0018】
【特許文献7】
米国特許第6,005,800号明細書
しかしながら、これらの公知例では、いずれも書き換え時の電流方向とMTJ素子の磁化容易軸方向の相対角を適宜制御したものに過ぎない。
【0019】
そこで、本発明は配線電流を低減しかつ書き込み時における磁界の干渉を防ぐとともに、製造工程が簡略化できる磁気記憶装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る磁気記憶装置は、第1の導電層と、前記第1の導電層の上にこれとほぼ直交して配置される第2の導電層と、前記第1、第2の導電層の間に形成され、前記第1の導電層の長手方向に沿って複数配置され、前記第1、第2の導電層から発生される合成磁界によりそのスピンの方向が反転制御されるフリー層を含む磁気抵抗効果素子と、前記第1の導電層と前記磁気抵抗効果素子との間に挿入され、前記磁気抵抗効果素子のフリー層との間で磁気的相互作用を有する磁性層とを具備している。
【0021】
この構成により、書き込み電流を低減しかつ書き込み時における磁界の干渉による誤動作を防ぐ磁気記憶装置を提供することが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の種々の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る磁気記憶装置の第1の平面図を模式的に示したものである。また図1(B)は、図1(A)中のA−A´線で切り矢印の方向から見た第1の断面構造図である。以下、図1(A)及び図1(B)を用いて本実施形態の構造を詳説する。
【0024】
図1(A)は、第1の書き込み用配線16の長手方向に沿って複数配置された磁気抵抗効果素子としてのMTJ素子10−1〜10−3、及びMTJ素子10−1〜10−3と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL(Soft Adjacent Layer)層15を示した第1の平面図である。ここで、SAL層15は軟磁性体を含む強磁性体層である。
【0025】
またMTJ素子10−1〜10−3の上には、図1(B)に示すように夫々第1の書き込み用配線16とほぼ直交して第2の書き込み用配線17が配置されている。但し、図1(A)では図示されていない。
【0026】
図1(A)のようにMTJ素子10−1〜10−3の短手方向、即ち第1の書き込み用配線16及びSAL層15の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0027】
また上述のように図1(B)は、図1(A)中のA−A´線で切り矢印の方向から見た、MTJ素子10−2、SAL層15、及び第1の書き込み用配線16を示した第1の断面構造図である。以下、MTJ素子10−2を例にとってその構成を説明する。
【0028】
図中のMTJ素子10−2は、第2の書込み用配線17に近接して設けられる固定層である反強磁性体膜11と、この反強磁性体膜11に隣接して設けられ、そのスピンの向きがこの反強磁性体膜11により固定される強磁性体のピン層12と、ピン層12に隣接して設けられたトンネルバリア層13と、トンネルバリア層13に隣接して設けられ、第1の書き込み用配線16と第2の書き込み用配線17より発生する合成磁界によりそのスピンの向きが制御される強磁性体のフリー層14とがSAL層15上に積層された構造である。その他のMTJ素子10−1、10−2も同様の構造を有している。
【0029】
ここで、反強磁性体膜11は、単層の反強磁性体膜を用いる代わりに少なくとも1層の反強磁性体膜を含む多層膜として構成しても、同様にピン層12のスピンの向きを固定することが出来る。
【0030】
図1(B)のように、MTJ素子10−2と第1の書き込み用配線16との間にSAL層15が挿入されると、SAL層15とMTJ素子10−2のフリー層14とが磁気的相互作用を生じる。この磁気的相互作用については後で詳述する。
【0031】
次に、図2(A)、(B)及び図3(A)、(B)を用いて本実施形態の書き込み、及び読み込み動作を詳説する。
【0032】
図2(A)、(B)は第1の書き込み用配線16に電流を流す前における、SAL層15のスピンおよびMTJ素子10−1〜10−3の夫々のフリー層のスピンの様子を図示している。一方、図3(A)、(B)は第1の書き込み用配線16に電流を流した状態における、SAL層16のスピン、およびMTJ素子10−1〜10−3のフリー層のスピンの様子を図示している。
【0033】
まず、図2(A)、(B)を用いて、第1の書き込み用配線16に電流を流す前における、各層のスピンの様子を説明する。図2(A)は、図1(A)で示した本実施形態に係る磁気記憶装置における、スピンの向きを矢印で模式的に示した平面図である。また、図2(B)は、図2(A)中のA−A´線で切り矢印の方向から見たMTJ素子10−2内のピン層12及びフリー層14のスピンの向きを矢印で模式的に示した断面構造図である。
【0034】
図2(A)のように、第1の書き込み用配線16に電流を流す前では、SAL層15のスピンSSAL−1の向きはSAL層15の長手方向を向く。同様に、電流を流す前では、各MTJ素子10−1〜10−3におけるフリー層14のスピンSF−1の向きは、各MTJ素子10−1〜10−3の長手方向を向く。
【0035】
図2(B)も同様に、第1の書き込み用配線16に電流を流す前においては、SAL層15のスピンSSAL−1及びフリー層14のスピンSF−1が夫々の長手方向を向く様子が図示されている。このように、SAL層15のスピンSSAL−1の向きがフリー層14のスピンSF−1の向きに対して直交状態(biquadric)において、両者の間に強磁性カップリングを有する磁気的相互作用が生じている。換言すれば、両者の間に生じている強磁性カップリングは、両スピンの直交状態を保持するように働く磁気的相互作用である。
【0036】
また、ピン層12のスピンSPINの向きは反強磁性体膜11によって固定されているので、第1の書き込み用配線16に電流を流す前後においてこの向きは不変である。ここでは、フリー層14のスピンSF−1と平行、且つ同一方向である様子が図2(B)に示されている。
【0037】
以下、読み出し動作についてMTJ素子10−2を例に挙げて詳説する。
【0038】
一般的にMTJ素子の情報を読み出す場合は、MTJ素子10の抵抗値の変化を検出することによって行われる。つまり、ピン層とフリー層のスピンの向きが図2(B)のように同一方向で平行の場合は、MTJ素子の比抵抗値は最も小さく、例えば“1”状態となる。同様に、ピン層とフリー層のスピンの向きが反対方向で平行の場合はMTJ素子の比抵抗値は最も大きく、例えば“0”状態となる。従って、図2(B)で図示するMTJ素子10−2は“1”状態と読み出される。
【0039】
具体的には、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、フリー層14、トンネルバリア層13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、第1の書き込み用配線16に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。従って、図2(B)の場合は、MTJ素子10−2の比抵抗値(反強磁性体層11〜フリー層14の間の比抵抗値)は最も小さくなり、センスアンプによって例えば“1”状態と読み出される。以上の動作は、他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。
【0040】
さらに、図3(A)、(B)を用いて、書き込み時に第1の書き込み用配線16にIの向きに電流を流した状態における、各層のスピンの様子を説明する。図3(A)は、図1(A)で示した本実施形態に係る磁気記憶装置に、スピンの向きを矢印で模式的に示した平面図である。また、図3(B)は、図3(A)中のA−A´線で切り矢印の方向から見た、スピンの向きを矢印で模式的に示した断面構造図である。以下、書き込み動作についてMTJ素子10−2について詳説する。
【0041】
図3(A)、(B)のように、第1の書き込み用配線16にIの向きに電流を流すと、第1の書き込み用配線16には、磁界がいわゆる右ねじの法則に従い発生する。すると、SAL層15には透磁率が十分に高い(例えば透磁率1000以上)軟磁性体を用いているので、配線16から発生するほぼすべての磁界はSAL層15に印加され、MTJ素子10−2にはほとんど印加されない。そのため、配線16から発生した磁束はほとんどSAL層15を透過し、SAL層15のスピンSSAL−2の向きはSAL層15の短手方向を向く。
【0042】
ここで、第1の書き込み用配線16に電流を流す前においては、前述したように、SAL層15のスピンSSAL−1の向きとフリー層14のスピンSF−1の向きが直交状態を保持する強磁性カップリングを有する磁気的相互作用が生じている。この強磁性カップリングは、第1の書き込み用配線16に電流を流した後においても維持され、この関係を保とうとSAL層15からフリー層14のスピンSF−1に作用する。
【0043】
つまり、図3(A)、(B)のようにSAL層15のスピンSSAL−2の向きが半反転してSAL層15の短手方向を向くと、SAL層15とフリー層14は強磁性カップリングを有しているために、フリー層14のスピンSF−2の向きも直交するように作用する。その結果、フリー層14のスピンSF−2の向きも半反転して、MTJ素子10−2の短手方向を向く。また、ピン層12のスピンSPINの向きは反強磁性体膜11によって固定されているので、第1の書き込み用配線16に電流を流した状態においてもこの向きは不変である。従って、第1の書き込み用配線16に電流を流した状態では、フリー層14のスピンSF−2とピン層11のスピンSPINは直交するようになる。この様子が図3(A)、(B)に示されている。
【0044】
これらは、その他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。つまり、第1の書き込み用配線16からの電流により発生した磁界によって、MTJ素子10−1〜10−3のフリー層14のすべてのスピンSF−2の向きが、MTJ素子10−1〜10−3夫々の短手方向となる。即ち、MTJ素子10−1〜10−3のフリー層14のスピンの向きが90°転回(半反転)し、これらの素子がすべて半選択の状態となっている。
【0045】
また図3(A)には、本来磁気記憶装置を構成すべきである、MTJ素子10−1〜10−3の上に夫々形成され第1の書き込み用配線16とほぼ直交して配置される、第2の書き込み用配線17が形成されている。従って、例えばMTJ素子10−2に書き込む場合は、図示した第2の書き込み用配線17に電流を流して発生した磁界により、フリー層14のスピンSF−2を更に90°回転させることによりスピンの反転が達成される。
【0046】
これにより、図示しないが、フリー層14のスピンSF−2の向きとピン層12のスピンの向きSPINが反平行となり、例えば“1”状態から“0”状態へと変化することになる。以上により、MTJ素子10−2の書き込み動作が全て終了する。
【0047】
書き込み後の読み出し動作は同様に、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、フリー層14、トンネルバリア13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、例えば第1の書き込み用配線の先に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。従って書き込み後は、MTJ素子10−2の比抵抗値(反強磁性体層11〜フリー層14の比抵抗値)は最も大きくなり、センスアンプによって例えば“0”状態と読み出される。
【0048】
以上の動作は、他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。
【0049】
本実施形態は、SAL層15とMTJ素子10−1〜10−3が、互いに直交状態の強磁性カップリングを保持しようとする磁気的相互作用を利用していることが特徴である。即ち、書き込み時に、第1の書き込み用配線16から発生する磁界により、まずSAL層15のスピンの向きを半反転させる。次に、SAL層15とフリー層14との磁気的カップリングによって所望のMTJ素子のフリー層14のスピンの向きを半反転することが特徴である。この書き込みは、第2の書き込み用配線17に所定方向の電流を流して、さらに半反転させて完全に反転するか、または反転させずに元に戻すかすることで“1”、“0”の書き込みが完結する。以下、本実施形態の効果を詳説する。
【0050】
第1の効果は、書き込み用に用いる電流の低減である。SAL層15を挿入した方が、フリー層14のスピンの向きを反転させる磁界は低減され、これに比例して書き込み用の電流も低減されるからである。
【0051】
望ましくは、SAL層15は十分に透磁率の高い(例えば透磁率1000以上)の軟磁性体で構成され、あるいは軟磁性体を含んで形成される。
【0052】
上述のように、軟磁性体は十分に透磁率が高いので、書き込み時に第1の書き込み用配線16から発生した磁界はほとんどSAL層15内に印加される。これに対して、SAL層15がなく直接MTJ素子10に発生した磁界を印加する従来の場合では、第1の書き込み用配線16から発生する磁界の磁力線は四方八方に広がり、MTJ素子のフリー層に印加される割合が低い。
【0053】
これに対して本実施形態では、第1の書き込み用配線16から発生した磁界のほとんどはSAL層15内部に印加されるので、磁力線が四方八方に広がることはない。さらに、図1(B)に示すように、SAL層15とフリー層14は直に接触しており、磁気的相互作用が最大に発揮される。これによって、従来よりも第1の書き込み用配線16からのフリー層14を半反転するための磁界強度を低減することができ、第1の書き込み用配線16に用いる電流を低減することが出来る。
【0054】
第2には、図1(A)に示したように、MTJ素子10−1〜10−3は第1の書き込み用配線16に沿って、複数形成される配置を有している。その結果、1個のフリー層14の体積に比べて、そのフリー層14の書き込みに寄与するSAL層15の体積は十分に大きくなる。また、SAL層15とMTJ素子10のフリー層14は、それぞれのスピンの向きが互いに90°の角度差を維持しようとする強い磁気的相互作用、即ち強磁性カップリングを有している。つまり、体積の大きなSAL層15と体積な小さなフリー層14がカップリングを形成し、互いに支えあう形となっている。
【0055】
一方、磁性体の磁気モーメントはその体積の関数であり、体積に比例して磁気モーメントも大きくなる。さらに、磁気モーメントの大きさとスピンの大きさは比例するため、磁気モーメントの大きさが大きいほどスピンに寄与するファクターも大きくなる。
【0056】
つまり、まず第1の書き込み用配線16から発生した磁束を体積の大きなSAL層15がそのほとんどを貰い受け、SAL層15のスピンが半反転する。その次に、磁気的カップリングによって、体積の小さなフリー層14のスピンが半反転される。この時、フリー層14のみでスピンの半反転を行っていた場合よりも、SAL層15を介している分だけ磁気反転に寄与する磁性体の体積が増加する。即ち、それは磁気モーメントの増加を意味し、スピンに寄与するファクターの増加の意味と等しい。そのため、フリー層14のスピンを半反転するに要する磁界強度が低減され、書き込み電流を低減することが出来る。
【0057】
第2に、書き込み時において隣接MTJ素子の誤書き込みを防ぎ、書き込み電流値の許容幅を高めるという効果である。図3(A)に示すように、第1の書き込み用配線16に発生した磁界によって、フリー層14のスピンSF−2が半反転して短手方向を向く。この結果、半選択された複数のMTJ素子が発生する(MTJ素子10−1〜10−3)。
【0058】
さらに、スピンを完全に反転させるため、即ち特定のメモリセルに書き込むためには、第1の書き込み用配線16とほぼ直交するように配置され、各MTJ素子10−1〜10−3の上方に夫々存在する第2の書き込み用配線17から発生する磁界との合成磁界を利用する。従って、図3(A)に示すような状態から、さらに第2の書き込み用配線17から発生した磁界により書き込む場合には、選択していないMTJ素子10が書き込まれないようにする必要がある。
【0059】
例えば、図3(A)の状態から、第2の書き込み用配線17によってさらに半反転させ、MTJ素子10−2のフリー層14のスピンの向きを完全に反転させ、完全に書き込む場合を想定する。この時、MTJ素子10−2の上方に存在する第2の書き込み用配線17から発生する磁界は、隣接するMTJ素子10−1、10−3にも作用する。
【0060】
ここで、図3(A)の状態ではMTJ素子10−1、10−3は半選択された状態にある。そのため、第1、第2の書き込み用配線16,17から発生した合成磁界が、何らかの理由により反転磁界強度を越えてMTJ素子10−1、10−3に作用すると、本来所望しないMTJ素子10−1、10−3に書き込み動作が生じる可能性がある。
【0061】
しかも、これが大規模アレイになると、これら複数の第1、第2の書き込み用配線から発生した磁界が互いに干渉する。そのため、アレイ配置されたMTJ素子のスイッチング磁界に強弱の分布が生じ、これを考慮に入れると従来の書き込み電流値の許容値はますます小さくなる。
【0062】
しかし、この実施形態では、上述のようにSAL層15は透磁率の大きい軟磁性体あるいは少なくとも軟磁性体を含むように形成されている。従って、第1の書き込み用配線16から発生した磁力線はほとんどSAL層15の内部のみを通過する。このように、発生した磁力線がSAL層15を通過せずに四方八方に広がることはなく、所望のMTJ素子のみに発生磁界の影響を及ぼすことができる。そのため、大規模アレイとなっても発生した磁界が互いに干渉することがなく、MTJ素子のスピンのスイッチング磁界に強弱の分布が生じにくくなる。そのため、書き込み時において、選択されたMTJ素子に隣接するMTJ素子の誤書き込みを防ぐことが出来る。
【0063】
さらに、上記の第1の効果および第2の効果によって、磁気記憶装置全体を集積化することが出来る。従来は上述のように、書き込み電流を低減することが出来ないために、書き込み電流値を多くするほかなかった。しかし、書き込み用配線に発生するエレクトロマイグレーションの問題から、書き込み用配線をその限度までしか微細化することが出来なかった。
【0064】
しかし、本実施形態では上述のように書き込み電流を低減することが出来る。そのため、第1の書き込み用配線16の断面積は従来のそれよりも小さくすることが可能である。従って、その書き込み用配線の微細化に伴って、各MTJ素子を微細化することができ磁気記憶装置全体を高集積化することが出来る。
【0065】
また、図1(A)に示すレイアウトにより、第1の書き込み用配線16の長手方向のレイアウト面積を縮小することが出来る。即ち、図1(A)に示すように、MTJ素子10−1〜10−3の短手方向と、第1の書き込み用配線16及びSAL層15の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。そのため、このようなレイアウトにより配線16の長手方向のレイアウト面積を縮小することが出来る。
【0066】
また、一般的にSAL層としてはNi含有量が多い軟磁性合金が望ましいが、そのほか軟磁性体としての物性をもつ物質であればSAL層として用いることが出来る。
【0067】
さらに、本実施形態では上述のように、SAL層15を用いてMTJ素子の磁化困難軸方向のスピンを反転させたが、SAL層15を磁化容易軸方向の反転に用いることも可能である。磁化容易軸方向の反転にSAL層15を用いた場合であっても、書き込み電流を低減できる等の同様の効果を得ることが出来るからである。
【0068】
また、上述のように本実施形態では、体積の大きなSAL層15が体積の小さなフリー層14との間に磁気的な相互作用を持ち、互いに支えあう形になっている。従って、図2、図3で示した書き込み動作時において、フリー層14の熱擾乱を軽減できるという効果も有する。
【0069】
尚、磁気的相互作用のうち本実施形態では、SAL層15とフリー層14とが直接カップリングを有する直接交換相互作用のみを説明したが、磁気的相互作用としては、ネ−ルカップリング、静磁相互作用等も考えられる。
【0070】
ここで、ネ−ルカップリングとは、例えば図1(B)のMTJ素子10−2のトンネルバリア層13の表面に荒れ、即ちラフネスがあった場合にトンネルバリア層13とフリー層14の間に発生する相互作用である。
【0071】
また、静磁相互作用とは、MTJ素子10−2のピン層12の端から漏れた磁場がフリー層14に影響を及ぼす相互作用である。
【0072】
しかし、これらの磁気的相互作用は直接交換相互作用に比べ、無視できるほど小さいためその影響を考慮する必要はない。従って、例えばネ−ルカップリングを大きく発生させるために、意図的にトンネルバリア層13やフリー層14表面にラフネスを造る必要もない。つまり、本実施形態のような場合は、上述のようにSAL層15とフリー層14とが磁気的カップリングを有する直接交換相互作用のみを考え、この作用を専ら利用することが出来る。
【0073】
(第2の実施形態)
図4に本発明の第2の実施形態を示す。図4はこの第2の実施形態の磁気記憶装置の構成を模式的に示した平面図である。図4のように、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数(ここでは6個)配置されたMTJ素子10−1〜10−6、及びMTJ素子10−1〜10−6と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15を示した磁気記憶装置の平面図である。また図4のように、MTJ素子10−1〜10−6の短手方向と、第1の書き込み用配線16の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0074】
以下の第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と重複する部分は同一の参照符号を付して説明を省略し、特に相違する構成等について説明する。
【0075】
本実施形態では、SAL層15は、その磁気的性質が全体に亘ってほぼ均一になるように第1の書き込み用配線16上に堆積されたことが特徴である。
【0076】
一般的に、軟磁性体のSAL層15を、各MTJ素子10−1〜10−6に所望の磁気的相互作用を生じるように堆積することは困難である。しかし本実施形態では、そのSAL層15の膜厚等を均一に制御することにより、各MTJ素子10−1〜10−6に所望の磁気的相互作用を生じるように堆積することが出来る。そのため、SAL層15に図5以下の実施形態に示すような構造を付加する必要がなく、製造工程を簡素化し製造コストを低減することが出来る。
【0077】
その他の動作及び効果等は、第1の実施形態と同様である。
【0078】
(第3の実施形態)
図5に本発明の第3の実施形態を示す。図5に示すように、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−6と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15−1〜15−6を示した磁気記憶装置の平面図である。また、ここでは、MTJ素子10−1〜10−6の短手方向と、第1の書き込み用配線16の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0079】
本実施形態では、SAL層15−1〜15−6が夫々MTJ素子10−1〜10−6ごとに区切られて形成されていることが特徴である。
【0080】
図4に示した第2の実施形態のようにSAL層15を複数のMTJ素子10−1〜10−6に対して共通に且つ均一な厚さに堆積し、その磁気的相互作用を所望のように作用させるべく制御できれば、書き込み動作上問題はない。しかし上述のように、軟磁性体を有するSAL層を各MTJ素子に共通に形成し、夫々のMTJ素子との間に夫々所望の磁気的相互作用を生じるように堆積することは困難である。
【0081】
そこで、本実施形態では、SAL層15−1〜15−6をMTJ素子10−1〜10−6ごとに区切って形成することにより、SAL層15−1〜15−6内の磁区及びカーリングを夫々制御することが出来る。つまり、このようにMTJ素子10−1〜10−6ごとにSAL層15−1〜15−6が区切られていることにより、共通に形成された第1の書き込み用配線16の電流により発生した磁界は確実に例えばSAL層15−1から対応するMTJ素子10−1に印加させることが出来る。
【0082】
なぜなら、SAL層15−1〜15−6は各々透磁率が高い軟磁性体を含むため、第1の書き込み用配線16に比べて、SAL層15−1〜15−6は磁気抵抗が非常に低くなる。そのため、発生した磁界のほぼ全てがSAL層15−1〜15−6内に印加される。つまりは、SAL層15−1〜15−6の上方に夫々直接接続したMTJ素子10−1〜10−6には必ずその磁界が印加される。
【0083】
従って、各SAL層15−1〜15−6を均一な厚さに堆積することが出来ない場合であっても、本実施形態のようなSAL層15−1〜15−6のレイアウトをとることにより、発生した磁界を確実に対応するMTJ素子10−1〜10−6に印加することが出来る。
【0084】
その他の動作及び効果等は第1の実施形態と同様である。
【0085】
(第4の実施形態)
図6に本発明の第4の実施形態を示す。図6に示すように、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−3、10−4〜10−6とそれぞれ磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15−1、15−2を示した磁気記憶装置の第4の平面図である。また、MTJ素子10−1〜10−6の短手方向と、第1の書き込み用配線16の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0086】
本実施形態は、SAL層15−1が3個のMTJ素子10−1〜10−3に対応し、SAL層15−2が3個のMTJ素子10−4〜10−6に対応するように2つに区切られて形成されたことが特徴である。このようなSAL層15−1〜15−6のレイアウトをとることにより、図5の第3の実施形態と同様の作用から、SAL層15−1、15−2内の磁区等を制御し、MTJ素子10−1〜10−6の確実な書き込み動作を実現することが出来る。
【0087】
さらに、図5に示した第3の実施形態に比べて、SAL層15−1,15−2が1個のMTJ素子10ではなく複数、ここでは3個のMTJ素子10−1〜10−3、10−4〜10−6ごとに区切られて形成されているため、製造工程を簡素化し、製造コストを削減し、さらに製造速度を早くすることが出来る。
【0088】
尚、本実施形態では図6において3つのMTJ素子ごとにSAL層15−1、15−2を形成した例を示したが、MTJ素子を区切る個数は3個に限らず、複数であればその数は任意である。
【0089】
その他の動作及び効果等は第1の実施形態と同様である。
【0090】
(第5の実施形態)
図7に本発明の第5の実施形態を示す。図7に示すように、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−6及びMTJ素子10−1〜10−6と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15を示した磁気記憶装置の第5の平面図である。また、MTJ素子10−1〜10−6の短手方向と、第1の書き込み用配線16の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0091】
本実施形態では、SAL層15の長手方向の両端部に、隣接するMTJ素子ごとに一部欠損して形成されたことが特徴である。即ち、図7に示すように、SAL層15の両側には、隣接するMTJ素子10−1〜10−6の相互の間で欠損部18が形成され、その欠損部18からその下に形成された第1の書き込み用配線16が露出する構成を有する。
【0092】
本実施形態においてもSAL層15内の磁区等を制御し、MTJ素子10−1〜10−6の確実な書き込み動作を実現することができる。
【0093】
図7に示すように、MTJ素子10−1〜10−6が形成されたSAL層15の部分に比べて、SAL層15の両側に形成された欠損部18は、図5の実施形態と同様の作用から、磁気抵抗が非常に高くなる。そのため、第1の書き込み用配線16から発生した磁界は、その欠損部18にはほとんど印加されずに、ほぼMTJ素子10−1〜10−6回りのSAL層15内のみに印加される。そのため、第1の書き込み用配線16に発生した磁界は必然的に所望のMTJ素子10−1〜10−6に印加され、確実な書き込み動作を実現することが出来る。
【0094】
その他の動作及び効果等は第1の実施形態と同様である。
【0095】
(第6の実施形態)
図8に本発明の第6の実施形態を示す。図8に示すように、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−6及びこれらのMTJ素子10−1〜10−6と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15を示した磁気記憶装置の平面図である。また、MTJ素子10−1〜10−6の短手方向と、第1の書き込み用配線16の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されている。
【0096】
図8に示すように本実施形態は、SAL層15の長手方向の両端部に、隣接するMTJ素子の間ごとに突起20を有して形成されたことが特徴である。このようにSAL層15に突起20を有することにより、図7に示した第5の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。即ち、SAL層15において突起20はその他のSAL層15の部分よりも、磁気抵抗が高くなる。そのため、第1の書き込み用配線16から発生した磁界のほとんどは突起20を避けてSAL層15内に印加される。
【0097】
そのため、発生した磁界は必然的に所望のMTJ素子10−1〜10−6に印加され、確実な書き込み動作を実現することが出来る。
【0098】
その他の動作及び効果等は第1の実施形態と同様である。
【0099】
このように、以上の第2の実施形態〜第6の実施形態は、種々の方法によってSAL層15に一部磁壁のトラップ機構を付加し、SAL層15内の磁区及びカーリングを制御することが出来る。そのため、発生した磁界は必然的にのMTJ素子に印加され、確実な書き込み動作を実現することが出来る。
【0100】
(第7の実施形態)
図9(A)に第7の実施形態に係る磁気記憶素子の断面構造図を示す。図9(A)は図1(A)と同様にA−A´線で切り矢印の方向から見た、磁気記憶装置のMTJ素子部分の断面構造図である。つまり、平面図においては図1(A)と同様であるが、断面構造において、SAL層15が本実施形態では図9(A)に示すように、更に第1の書き込み用配線16の両側面にも形成されていることが特徴である。
【0101】
以下、第1の実施形態と重複する部分は同一の参照符号を付して説明を省略し、特に相違する構成等について説明する。
【0102】
図1(B)で示した、第1の断面構造図ではSAL層15が第1の書き込み用配線16の上面にのみ形成されていた。これに対して本実施形態では、SAL層15が第1の書き込み用配線16の両側面にも形成されている。
【0103】
そのため、第1の書き込み用配線16から発生する磁界のうちで、配線16の両側面から発生する磁界もすべてSAL層15に印加することが出来る。このように、SAL層15が第1の書き込み用配線16を被覆する面積を増やすことで、配線16から発生する磁界を他に発散させることなくSAL層15により多く確実に印加させることが出来る。
【0104】
その結果、更に書き込み電流を低減し、書き込み時において隣接MTJ素子の誤書き込みを防ぎ、書き込み電流値の許容幅を高めるという効果を有する。
【0105】
尚、本実施形態は磁気記憶装置のMTJ素子部分のSAL層の断面構造であるので、隣接するMTJ素子間のSAL層の構造は上述の第2〜第6の実施形態のものと組み合わせて実施可能である。即ち、実施形態の類型として(断面構造,平面構造)と表記すれば、例えば、(図9(A),図4)、(図9(A),図5)、(図9(A),図6)、(図9(A),図7)、(図9(A),図8)の5通りが考えられる。
【0106】
(第8の実施形態)
図9(B)に第8の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図を示す。図9(B)に示す断面構造も図1(A)と同様にA−A´線で切り矢印の方向から見た断面構造図である。即ち、本実施形態は図9(B)の断面構造図に示すように、SAL層15が第1の書き込み用配線16の全表面を囲んで形成されていることが特徴である。
【0107】
以下、図9(A)に示した第7の実施形態と重複する部分は同一の参照符号を付して説明を省略し、特に相違する構成等について説明する。
【0108】
本実施形態の構成により、第1の書き込み用配線16から発生する磁界のうちで、配線16の表面と側面からの磁界に加えて裏面から発生する磁界もSAL層15に印加することが出来る。このように、SAL層15が第1の書き込み用配線16を被覆する面積をさらに増やすことで、配線16から発生する磁界を他に発散させることなくSAL層15にすべて印加させることが出来る。
【0109】
その結果、更に書き込み電流を低減し、書き込み時において隣接MTJ素子の誤書き込みを防ぎ書き込み電流値の許容幅を高めるという効果を有する。
【0110】
尚、本実施形態は磁気記憶装置のMTJ素子部分の断面構造であるので、図9(A)と同様に上述の第2〜第6の実施形態のSAL層の構造と組み合わせて実施可能である。即ち、実施形態の類型として(断面構造,平面構造)と表記すれば、例えば、(図9(B),図4)、(図9(B),図5)、(図9(B),図6)、(図9(B),図7)、(図9(B),図8)の5通りが考えられる。
【0111】
(第9の実施形態)
図9(C)に第9の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図を示す。図9(C)は図1(A)と同様の位置での磁気記憶装置の断面構造図である。即ち、本実施形態は図9(C)に示すように、SAL層15自体が第1の書き込み用配線16と兼用となっていることが特徴である。
【0112】
以下、図9(A)に示した第7の実施形態と重複する部分は同一の参照符号を付して説明を省略し、相違する構成等についてのみ説明する。
【0113】
本実施形態の構成により、SAL層15が書き込み用配線としても機能する構成となっているので、SAL層15に書き込み電流を流した時に発生した磁界の殆どがSAL層15内に止まり、外部に発散することは少ない。
【0114】
その結果、これまでの各実施形態と同様に、書き込み電流を低減し、書き込み時において隣接MTJ素子の誤書き込みを防ぎ書き込み電流値の許容幅を高めるという効果を有する。
【0115】
さらに、SAL層15が書き込み用配線の役目を兼ねているので、第1の書き込み用配線16を形成する製造工程を省略することが出来る。そのため、製造工程を簡素化し、断面で見た場合の第1の書き込み用配線16に相当する面積も省略できるため、装置の垂直方向の集積度を増大することが出来る。
【0116】
尚、本実施形態は磁気記憶装置のMTJ素子部分の断面構造であるので、上述の第2〜第6の実施形態におけるSAL層の構造と組み合わせて実施可能である。即ち、実施の類型として(断面構造,平面構造)と表記すれば、例えば(図9(C),図4)、(図9(C),図5)、(図9(C),図6)、(図9(C),図7)、(図9(C),図8)の5通りが考えられる。
【0117】
尚、図9(A)〜図9(C)の実施形態でも例えば図1(B)の実施形態とどうように第2の書き込み用配線が必要であるが、図面の簡素化のために省略してある。同様に、以下に説明する図10、図11、図12(B)、図13(B)、図14(B)の各実施形態においても第2の書き込み用配線が省略されて図示されている。
【0118】
(第10の実施形態)
図10は、図1(A)の実施形態と同様の位置で切断して示された他の実施形態のMTJ素子部分の断面構造図である。即ち、平面構造は図1(A)の第1の実施形態と同様であり、断面構造のみが第1の実施形態と異なっているので平面図はここでは省略した。以下、図10を用いて本実施形態を詳説する。
【0119】
本実施形態は、MTJ素子10と第1の書き込み用配線16の上部に堆積されたSAL層15とフリー層14との間に、MTJ素子10とほぼ同一面積を有した層間膜25が挿入された断面構造を有することが特徴である。ここで、層間膜25は非磁性導電体で形成され、且つフリー層14とSAL層15との間に磁気的相互作用が生じるように形成された膜である。以下、第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、特に第1の実施形態との相違する部分を詳説する。
【0120】
尚、第1の層間膜25としては、少なくともCu、Ru、Au、Crのいずれか1つを含み、フリー層14とSAL層15が磁気的相互作用を奏し得るように、その膜厚を適宜制御されたものが望ましい。
【0121】
本実施形態は、MTJ素子10のフリー層14とSAL層16が、MTJ素子10とほぼ同一面積を有した第1の層間膜25を介して磁気的相互作用を有していることが特徴である。
【0122】
尚、前述したように、第1の実施形態と同様に、MTJ素子10の上方に配置され、第1の書き込み用配線16とほぼ直交して配置されるべき、第2の書き込み用配線の図示をここでは省略してある。
【0123】
さらに、書き込み動作についても、第1の実施形態に係る図2(A)(B)、図3(A)(B)で示したように、第1の層間膜25が挿入されても、その書き込み動作は同様である。即ち、第1の書き込み用配線16に電流を流すと、第1の層間膜25を介して、フリー層14とSAL層15が互いに直交関係を有する強磁性カップリングを維持して、フリー層14及びSAL層15のスピンの向きが半反転位置に変化する。
【0124】
さらに、MTJ素子10の上方に位置する図示しない第2の書き込み用配線に発生する磁界によって更に半反転させ、フリー層15のスピンの向きを完全に平行若しくは反平行に変化させることによって、MTJ素子10の書き込み動作が終了する。
【0125】
次に、読み出し動作についても同様に、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、非磁性導電層25、フリー層14、トンネルバリア層13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、直列に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。
【0126】
このように、導電性の層間膜25を挟むことによっても、上述のようにフリー層14とSAL層15が互いに直交関係にある強磁性カップリングを形成しているので、書き込み電流を低減することが出来る。
【0127】
また、隣接MTJ素子間の書き込み時に発生する磁界の干渉を防ぎ、書き込み電流値の許容幅を拡大することが出来る。
【0128】
さらに、本実施形態においては、導電性の層間膜25を挿入していることによって、書き込み動作終了時における隣接MTJ素子10間に生じる残留磁界の影響を速やかに除去することが出来る。そのため、書き込み電流を低減し、隣接MTJ素子間に発生する磁界の干渉を防ぎ、書き込み時間を短縮することが出来る。
【0129】
つまり、層間膜25は導電体であるから当然に電流を通すため、読み出し動作を妨害することはなく実行することが出来る。しかも、非磁性体であるため、第1の書き込み用配線16から発生する余分な磁界の影響を、隣接する他のMTJ素子へ及ぶことを防ぐ、磁気的障壁としての役割も有する。即ち、第1の書き込み用配線16から発生する磁界によって所望のフリー層14のスピンの向きを半反転させた後、SAL層15内に残る残留磁界の影響がフリー層14へ及ぶことを、第1の層間膜25があるために、除去することが出来るからである。
【0130】
そのため、書き込み時の余分な磁界の影響を除去することが出来る。
【0131】
その他の効果については第1の実施形態と同様である。
【0132】
また、本実施形態は磁気記憶装置のMTJ素子部分に関するものであるから、上述の実施形態におけるSAL層15の種々の構造と組み合わせることによって更に種々の実施形態が考えられる。つまり、MTJ素子10とほぼ同一の面積を持った導電性の層間膜25がMTJ素子10とSAL層15との間に挿入されたこと以外は図4〜図8で示す第2〜第6の実施形態と同様のSAL層の平面形態の変形実施が可能である。一方、SAL層の断面構造としては、図9(A)〜図9(C)で示す第2〜第4の断面構造が考えられる。
【0133】
従って、層間膜25を本実施形態のように挿入した場合のSAL層の平面構造と断面構造の実施形態の組み合わせ類型として、(断面構造、平面構造)と表記すれば、例えば以下の類型が考えられる。即ち、(図10、図4〜図8)、(図10+図9(A)、図4〜図8)、(図10+図9(B)、図4〜図8)、(図10+図9(C),図4〜図8)、の計20通りが考えられる。
【0134】
ここで、図10+図9(A)の表わす断面構造は、本実施形態のような層間膜25を持ち、さらにSAL層15が図9(A)で示すように第1の書き込み用配線16の両側面にも形成された断面構造をいう。図10+図9(B)、図10+図9(C)についても同様の断面構造を示す。
【0135】
(第11の実施形態)
図11は、図1(A)と同様にMTJ素子部分で切断して示す他の実施形態の断面構造図である。本実施形態も平面構造は第1の実施形態とほぼ同様である。以下、図11を用いて本実施形態を詳説する。
【0136】
本実施形態は、MTJ素子10のフリー層14と第1の書き込み用配線16の上部に堆積されたSAL層15との間に、SAL層15とほぼ同一面積を有した層間膜26が挿入された断面構造を有することが特徴である。以下、第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、特に第10の実施形態と相違する部分を詳説する。
【0137】
本実施形態は、上述のようにSAL層15とほぼ同一の面積を有する層間膜26が挿入されたことが特徴である。また、層間膜26は図10の層間膜5と同様に、非磁性導電体で形成され、この層間膜26を介してフリー層14とSAL層15が磁気的相互作用を有するように形成されたものである。その他、第10の実施形態と同一の構造についてはその説明を省略する。
【0138】
書き込み動作は第10の実施形態と同様に、第1の書き込み用配線16に電流を流した後では、層間膜26を介して、フリー層14とSAL層15が互いに直交関係を持って強磁性カップリングを維持し、フリー層14及びSAL層15のスピンの向きが半反転状態に変化する。さらに、図示しないMTJ素子10の上方に位置する第2の書き込み用配線に発生する磁界によって、フリー層15のスピン向きを更に半反転させ、所望の反転又は非反転状態に変化させることによって、MTJ素子10の書き込み動作が終了する。
【0139】
また、読み出し動作についても第10の実施形態と同様に、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、層間膜26、フリー層14、トンネルバリア層13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、直列に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。
【0140】
このように、層間膜26を挟むことによっても、上述のようにフリー層14とSAL層15が互いに直交状態の強磁性カップリングを維持することによって、書き込み電流を低減することが出来る。
【0141】
上述のように、SAL層15とほぼ同一の面積を有する層間膜26が、MTJ素子のフリー層14とSAL層15との間に挿入されたことが特徴である。本実施形態では図11に示すように、層間膜26がSAL層15の面積とほぼ同一の面積を有するよう堆積されている。従って、図10に示す第10の実施形態に係る層間膜25に比べ、SAL層15を覆う面積及び体積が増加している。
【0142】
そのため、第1の書き込み用配線16から発生する余分な磁界の影響を、隣接する他のMTJ素子へ及ぶことを防ぐ、磁気的障壁としての役割をより果たすことが出来る。そのため、余分な書き込み磁界の影響を速やかに除去することが出来る。
【0143】
その他の効果については第1の実施形態と同様である。
【0144】
また、第10の実施形態と同様にSAL層16の断面構造と平面構造との組み合わせによって種々の実施形態が考えられる。つまり、SAL層15とほぼ同一の面積を持った層間膜26がMTJ素子10とSAL層15との間に挿入されたこと以外は図10の実施形態と同様の変形実施形態が可能である。
【0145】
例えば、図11+図9(A)の表わす断面構造は、本実施形態のような層間膜26を持ち、さらにSAL層15が図9(A)で示すように第1の書き込み用配線16の両側面にも堆積された断面構造をいう。図11+図9(B)、図11+図9(C)についても同様の断面構造を示す。
【0146】
尚、層間膜26としては、層間膜25と同様に、少なくともCu、Ru、Au、Crのいずれか1つを含み、フリー層14とSAL層15が磁気的相互作用を有するようにその膜厚を適宜制御されたものが望ましい。
【0147】
(第12の実施形態)
図12(A)は、本発明の第12の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図を模式的に示したものである。また、図12(B)は、図12(A)中のB−B´線で切り矢印の方向から見た断面構造図である。以下、図12(A)及び図12(B)を用いて本実施形態の構造を詳説する。
【0148】
図12(A)は、第1の書き込み用配線16の配線長手方向に沿って複数配置されたMTJ素子10−1〜10−3、及びMTJ素子10−1〜10−3と磁気的相互作用を有し、第1の書き込み用配線16の上に重なって形成されるSAL層15を示している。ここで、SAL(Soft Adjacent Layer)層15は軟磁性体を含む強磁性体層である。
【0149】
また、本来磁気記憶装置を構成すべきである、MTJ素子10−1〜10−3の上に夫々形成され第1の書き込み用配線16とほぼ直交して配置される、第2の書き込み用配線は省略してある。
【0150】
図12(A)のようにMTJ素子10−1〜10−3の長手方向と、第1の書き込み用配線16及びSAL層15の長手方向がほぼ同一方向となるように配置されていていることが本実施形態の特徴である。
【0151】
以下、第1の実施形態と同一の部分は同一の参照符号を付してその説明を省略し、特に第1の実施形態の相違点を詳説する。
【0152】
MTJ素子10は例えば図12(B)に示すように、MTJ素子10−2を例に取って示すと、ピン層12のスピンの向きを固定する反強磁性体膜11と、反強磁性体膜11によりスピンの向きを固定され強磁性体を有するピン層12と、トンネルバリア層13と、第1の書き込み用配線16と図示しない第2の書き込み用配線より発生する磁界によりスピンの向きが変化し強磁性体を有するフリー層14とがこの順で積層された構造である。その他のMTJ素子10−1、10−3も、同様の構造を有している。
【0153】
図12(B)のように、MTJ素子10−2と第1の書き込み用配線16との間にSAL層15が挿入され、SAL層15とMTJ素子10−2が磁気的相互作用を有している。
【0154】
次に、図13(A)、(B)及び図14(A)、(B)を用いて本実施形態の書き込み、読み出し動作を詳説する。
【0155】
図13(A)、(B)は第1の書き込み用配線16に電流を流す前における、SAL層15、MTJ素子10−1〜10−3のスピンの様子を図示している。一方、図14(A)、(B)は第1の書き込み用配線16に電流を流した状態における、SAL層16、MTJ素子10−1〜10−3のスピンの様子を図示している。
【0156】
まず、図13(A)、(B)を用いて、第1の書き込み用配線16に電流を流す前における、各層のスピンの様子を説明する。図13(A)は、図12(A)で示した本実施形態に係る磁気記憶装置に、スピンの向きを矢印で模式的に示した平面図である。また、図13(B)は、図13(A)中のB−B´線で切り矢印の方向から見たスピンの向きを矢印で模式的に示した断面構造図である。
【0157】
図13(A)のように、第1の書き込み用配線16に電流を流す前では、SAL層15のスピンSSAL−1の向きはSAL層15の長手方向を向く。同様に、電流を流す前では、各MTJ素子10−1〜10−3におけるフリー層14のスピンSF−1の向きも、各MTJ素子10−1〜10−3の長手方向を向く。
【0158】
図13(B)においても同様に、第1の書き込み用配線16に電流を流す前においては、SAL層15のスピンSSAL−1及びフリー層14のスピンSF−1が夫々長手方向を向く様子が図示されている。ここで、本実施形態では、SAL層15のスピンSSAL−1の向きがフリー層14のスピンSF−1の向きに対して反平行(bilinear)な強磁性カップリングを有する磁気的相互作用が生じることが特徴である。
【0159】
また、ピン層12のスピンSPINの向きは反強磁性体膜11によって固定されているので、第1の書き込み用配線16に電流を流す前後においてこの向きは不変である。従って、ここではフリー層14のスピンSF−1と平行である様子が図13(B)に示されている。
【0160】
以下、読み出し動作についてMTJ素子10−2を例に挙げて詳説する。
【0161】
一般的にMTJ素子の情報を読み出す場合は、MTJ素子10の抵抗値の変化を検出することによって行われる。つまり、ピン層とフリー層のスピンの向きが平行の場合はMTJ素子の比抵抗値は最も小さく、例えば“1”状態となる。同様に、ピン層とフリー層のスピンの向きが反平行の場合はMTJ素子の比抵抗値は最も大きく、例えば“0”状態となる。従って、図13(B)で図示するMTJ素子10−2は例えば“1”状態と読み出される。
【0162】
具体的には、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、フリー層14、トンネルバリア層13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、直列に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。従って、図13(B)の場合は、MTJ素子10−2の比抵抗値(反強磁性体層11〜フリー層14の間の比抵抗値)は最も小さくなり、センスアンプによって例えば“1”状態と読み出される。以上の動作は、他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。
【0163】
さらに、図14(A)、(B)を用いて、第1の書き込み用配線16に矢印Iの向きに電流を流した状態における、書き込み動作を説明する。図14(A)は、図12(A)で示した本実施形態に係る磁気記憶装置に、スピンの向きを矢印で模式的に示した平面図である。また、図14(B)は、図14(A)中のB−B´線で切り矢印の方向から見た、スピンの向きを矢印で模式的に示した断面構造図である。以下、書き込み動作についてMTJ素子10−2について詳説する。
【0164】
図14(A)、(B)のように、第1の書き込み用配線16に矢印Iの向きに電流を流すと、第1の書き込み用配線16には、磁界がいわゆる右ねじの法則に従い発生する。すると、SAL層15は透磁率が十分に高い(例えば透磁率1000以上)軟磁性体で形成しているので、配線16から発生する磁界はほぼ全部がSAL層15に印加され、MTJ素子10−2にはほとんど印加されない。そのため、配線16から発生した磁界はほとんどSAL層15を透過し、SAL層15のスピンSSAL−2の向きはSAL層15の短手方向を向く。
【0165】
ここで、第1の書き込み用配線16に電流を流す前においては、SAL層15のスピンSSAL−1の向きとフリー層14のスピンSF−1の向きが反平行(bilinear)な強磁性カップリングを有する磁気的相互作用が生じている。この強磁性カップリングは、第1の書き込み用配線16に電流を流す前後において維持され、この反平行の関係を保持するようにフリー層14のスピンSF−1に作用する。
【0166】
つまり、図14(A)、(B)のようにSAL層15のスピンSSAL−2の向きがSAL層15の短手方向を向くと、SAL層15とフリー層14の強磁性カップリングのために、フリー層14のスピンSF−2の向きも反平行な向きを保とうとするように作用する。その結果、フリー層14のスピンSF−2の向きは、MTJ素子10−2の短手方向を向く。また、ピン層12のスピンSPINの向きは反強磁性体膜11によって固定されているので、第1の書き込み用配線16に電流を流した状態においてもこの向きは不変である。従って、第1の書き込み用配線16に電流を流した状態では、フリー層14のスピンSF−2とピン層11のスピンSPINは半平行な向きを向く。この様子が図14(B)に示されている。
【0167】
これらは、その他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。つまり、第1の書き込み用配線16からの電流により発生した磁界によって、MTJ素子10−1〜10−3のフリー層14のすべてのスピンSF−2の向きが、MTJ素子10−1〜10−3夫々の短手方向となる。即ち、MTJ素子10−1〜10−3のフリー層14のスピンの向きが半反転し、これらの素子がすべて半選択された状態となっている。
【0168】
また図14(A)、(B)には、本来磁気記憶装置を構成すべきである、MTJ素子10−1〜10−3の上に夫々形成され第1の書き込み用配線16とほぼ直交して配置される、第2の書き込み用配線は省略してある。従って、MTJ素子10−2を完全に書き込む場合は、図示しない第2の書き込み用配線に電流を流し、発生した磁界により、フリー層14のスピンSF−2を更に半反転させることにより達成される。これにより、フリー層14のスピンSF−2の向きとピン層12のスピンの向きSPINが反平行となり、例えば“1”状態から“0”状態へと変化することになる。以上により、MTJ素子10−2の書き込み動作が全て終了する。
【0169】
書き込み後の読み出し動作は同様に、第1の書き込み用配線16から、SAL層15、フリー層14、トンネルバリア層13、ピン層12、反強磁性体層11、と順次電流を流し、直列に接続された図示しないセンスアンプによって抵抗値を検出することによって行われる。従って書き込み後は、MTJ素子10−2の比抵抗値(反強磁性体層11〜フリー層14の比抵抗値)は最も大きくなり、センスアンプによって例えば“0”状態と読み出される。
【0170】
以上の動作は、他のMTJ素子10−1、10−3についても同様である。
【0171】
本実施形態はSAL層15とフリー層14とが互いに反平行(bilinear)な関係を維持する強磁性カップリングを有していることが特徴である。従って、上述のような作用から第1の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。
【0172】
但し、図12(A)に示すように、MTJ素子10−1〜10−3の長手方向が第1の書き込み用配線16の長手方向とほぼ同一方向を有するように形成されている。そのため本実施形態のようなレイアウトをとることにより、第1の書き込み用配線16の短手方向の寸法が小さくなり、この方向のレイアウト面積を低減することが出来る。
【0173】
尚、本実施形態は図1(A)、(B)で示す第1の実施形態に比べ、ちょうどMTJ素子10のみが90°回転したレイアウトを有している。そのため、上述の実施形態のように、SAL層15の断面構造と平面構造との組み合わせによって種々の実施形態が考えられる。つまり、平面構造については図4〜図8で示す第2〜第6の平面構造が考えられる。一方、断面構造としては、図9(A)〜図9(C)で示す第2〜第4の断面構造の他にも、層間膜25を有した場合の断面構造を表わす図10の構造、層間膜26を有した場合の断面構造を表わす図11の構造が考えられる。
【0174】
従って、以上の類型を全て考慮し、平面構造と断面構造の実施形態の類型として、(断面構造、平面構造)と表記すれば、例えば以下のような実施の類型が考えられる。即ち、(図12(B)、図4〜図8)、(図12(B)+図9(A)、図4〜図8)、(図12(B)+図9(B)、図4〜図8)、(図12(B)+図9(C),図4〜図8)、の計20通りが考えられる。ここで、断面構造において図12(B)+図9(A)とは、図12(B)で示すレイアウトに図9(A)で示すSAL層15の断面構造を有する類型である。従って、そのほか図12(B)+図9(B)、図12+図9(C)も同様である。
【0175】
その他にもさらに、(図12(B)+図10、図4〜図8)、(図12(B)+図9(A)+図10、図4〜図8)、(図12(B)+図9(B)+図10、図4〜図8)、(図12(B)+図9(C)+図10,図4〜図8)の他にも、(図12(B)+図11、図4〜図8)、(図12(B)+図9(A)+図11、図4〜図8)、(図12(B)+図9(B)+図11、図4〜図8)、(図12(B)+図9(C)+図11,図4〜図8)の計40通りが考えられる。ここで、図12(B)+図10とは、図12(B)で示すレイアウトに図10で示す層間膜25を挿入した場合における断面構造を有する類型である。図12(B)+図9(A)+図10とは、上述の断面構造にさらに図9(A)で示すSAL層15の断面構造を有する類型である。また、図12(B)+図11、図12(B)+図9(A)+図11の断面構造についても同様である。以上により、例えば計60通りの実施の類型が考えられる。
【0176】
(第13の実施形態)
図15(A)は、本発明の第13の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図を模式的に示したものである。また、図15(B)は、図15(A)中のC−C´線で切り矢印の方向から見た断面構造図である。以下、図15(A)及び図15(B)を用いて本実施形態の構造を詳説する。また本第13の実施形態において、上記第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0177】
図15(A)は図1(A)において図示しなかった、MTJ素子10−1〜10−3の上で第1の書き込み用配線16とほぼ直交して形成される第2の書き込み用配線17をさらに図示している。本実施形態は、この第2の書き込み用配線17にヨーク部30を形成した例である。
【0178】
図15(B)に示すように、第2の書き込み用配線17の上面及び両側面を覆うようにヨーク部30が形成されている。このヨーク部30は、例えばNiFe等の透磁率が高い軟磁性材料を含む強磁性体から形成される。
【0179】
尚、書き込み/読み出し動作については第1の実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0180】
このヨーク部30が第2の書き込み用配線17に形成されることにより、第2の書き込み用配線17に流される書き込み用電流を低減することが出来る。具体的にはヨーク部30が形成されると、例えば2倍程度の高効率化効果(書き込み電流値が1/2程度)を得ることが出来る。
【0181】
即ち、ヨーク部30は透磁率が高い軟磁性体を含んで形成されるからである。ヨーク部30に軟磁性体が含まれていると、書き込み動作時において第2の書き込み用配線17から発生する磁束のうち、第2の書き込み用配線17の上面及び両側面から発生する磁束のほとんどはヨーク部30に導かれる。そのため、発生した磁束がアレイの四方八方に広がることを防ぎ、発生した磁束が互いに干渉して誤書き込みを防止することが出来る。例えば、MTJ素子10−2の上の第2の書き込み用配線17から発生した磁束が、隣接するMTJ素子10−1又はMTJ素子10−3のフリー層14へ干渉し誤って書き込まれることを防ぐことが出来る。このような磁束の相互の干渉は、第1の実施形態と同様の理由より大規模アレイになるほど顕著である。しかし本実施形態では大規模アレイであっても、第2の書き込み用配線17から発生する磁束の干渉も防ぐことにより、さらに誤書き込みを防止することが出来る。
【0182】
一方で、第2の書き込み用配線17の下面はヨーク構造が形成されていないため、発生した磁束のほとんどを第2の書き込み用配線の下面からMTJ素子10のフリー層14に印加することが出来る。そのため、第2の書き込み用配線17に流される書き込み用電流を低減することが出来る。
【0183】
また上記第1の実施形態と同様に、第1の書き込み用配線16の上に重なってSAL層15が形成されている。従って、第1の書き込み用配線16の書き込み用電流も低減することが出来る。また、第1の書き込み用配線16から発生する磁束の干渉もない。
【0184】
以上により、本実施形態によれば磁束の相互干渉による誤書き込みを大幅に防ぎながら、さらに第2の書き込み用配線17の書き込み用電流も大幅に低減することが出来る。
【0185】
またこのヨーク部30の構造は、第2の書き込み用配線17の上面のみ、又は第2の書き込み用配線17の両側面のみを覆うようにして形成することも可能である。このような形状では第2の書き込み用配線17の上面、又は両側面にヨーク部30を形成する工程を省くことが出来るため、プロセス数を減少することが出来る。
【0186】
さらに、ヨーク部30はNi含有量が多い軟磁性合金のほか、軟磁性体としての物性をもつ物質によって形成することも出来る。
【0187】
即ち、ヨーク部30はSAL層15と同一の材料及び同一の製造方法によって形成することが出来る。従って、SAL層15の他、更にヨーク部30を形成することは非常に簡便であるが、その効果は上記のように非常に大きい。これは本実施形態の大きな利点である。
【0188】
尚、本実施形態に係る第2の書き込み用配線17にヨーク部30を有する構造と、上記第2の実施形態乃至第12の実施形態で表わされる構造とは適宜に組み合わせることが可能である。例えば、SAL層15の平面構造と断面構造の実施形態の一例として(断面構造、平面構造)と表記すれば、(図9(A)、図5)等の実施の類型が考えられる。
【0189】
以上、第1乃至第13の実施の形態を用いて本発明の説明を行ったが、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば各実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0190】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、書き込み用配線電流を低減しかつ書き込み時における磁界の干渉を防ぐ磁気記憶装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る磁気記憶装置の構造図であり、(A)は平面図、(B)は図1(A)のA−A´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図2】第1の実施形態に係る磁気記憶装置において、第1の書き込み用配線に電流を流す前における、フリー層及びSAL層のスピンの様子を模式的に表わす図であり、(A)はその平面図、(B)は図1(A)のA−A´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図3】第1の実施形態に係る磁気記憶装置において、第1の書き込み用配線に電流を流した状態における、フリー層及びSAL層のスピンの様子及び電流の向きを模式的に表わす図であり、(A)はその平面図、(B)は図1(A)のA−A´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図4】第2の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図である。
【図5】第3の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図である。
【図6】第4の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図である。
【図7】第5の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図である。
【図8】第6の実施形態に係る磁気記憶装置の平面図である。
【図9】(A)は第7の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図、(B)は第8の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図、(C)は第9の実施形態に係る第4の断面構造図である。
【図10】第10の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図である。
【図11】第11の実施形態に係る磁気記憶装置の断面構造図である。
【図12】第12の実施形態に係る磁気記憶装置の構造図であり、(A)は平面図、(B)は図12(A)のA−A´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図13】第12の実施形態に係る第1の書き込み用配線16に電流を流す前における、フリー層14及びSAL層15のスピンの様子を模式的に表わす図であり、(A)はその平面図、(B)は図13(A)のB−B´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図14】第12の実施形態に係る第1の書き込み用配線16に電流を流した状態における、フリー層及びSAL層のスピンの様子及び電流の向きを模式的に表わす図であり、(A)はその平面図、(B)は図14(A)のA−A´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【図15】第13の実施形態に係る磁気記憶装置の構造図であり、(A)は平面図、(B)は図13(A)のC−C´線で切り矢印の方向からみた断面構造図である。
【符号の説明】
10…MTJ素子、10−1、10−2、10−3…MTJ素子、11…反強磁性体膜、12…ピン層、13…トンネルバリア、14…フリー層、15…SAL層、16…第1の書き込み用配線。
Claims (26)
- 第1の導電層と、
前記第1の導電層の上にこれとほぼ直交して配置される第2の導電層と、
前記第1、第2の導電層の間に形成され、前記第1の導電層の長手方向に沿って複数配置され、前記第1、第2の導電層から発生される合成磁界によりそのスピンの方向が反転制御されるフリー層を含む磁気抵抗効果素子と、
前記第1の導電層と前記磁気抵抗効果素子との間に挿入され、前記磁気抵抗効果素子のフリー層との間で磁気的相互作用を有する磁性層とを具備すること、
を特徴とする磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗効果素子は、前記磁性層に隣接して配置されるフリー層と、このフリー層に隣接して設けられたトンネルバリア層と、このトンネルバリア層に隣接して設けられたピン層と、このピン層に隣接して設けられ前記ピン層のスピンの向きを固定する固定層と、
を有することを特徴とする、請求項1に記載の磁気記憶装置。 - 前記固定層は、少なくとも反強磁性体を含むこと
を特徴とする、請求項2に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁性層は軟磁性体を含むこと、
を特徴とする、請求項1に記載の磁気記憶装置。 - 前記軟磁性体は少なくともNiを含む軟磁性合金を含むこと、
を特徴とする、請求項4に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗効果素子の長手方向と、前記第1の導電層の長手方向がほぼ直交方向となるように配置され、
前記磁気抵抗効果素子のフリー層と前記磁性層とは、
前記第1の導電層に書き込み用電流を流す前には、前記フリー層のスピンは前記磁気抵抗効果素子の長手方向を向き、前記磁性層のスピンは磁性層の長手方向を向き、
前記第1の導電層に書き込み電流を流した状態では、前記フリー層のスピンは前記磁気抵抗効果素子の短手方向を向き、前記磁性層のスピンは磁性層の短手方向を向く磁気的相互作用を有すること、
を特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗効果素子の長手方向と、前記第1の導電層の長手方向がほぼ同一方向になるように配置され、
前記磁気抵抗効果素子のフリー層と前記磁性層とは、
前記第1の導電層に書き込み電流を流す前には、前記フリー層のスピンは磁気抵抗効果素子の長手方向を向き、前記磁性層のスピンは磁性層の長手方向を向き、
前記第1の導電層に書き込み電流を流した状態では、前記フリー層のスピンは磁気抵抗効果素子の短手方向を向き、前記磁性層のスピンは磁性層の短手方向を向く磁気的相互作用を有すること、
を特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁性層は、その全体に亘ってほぼ均一な磁気的性質を持つこと、
を特徴とする、請求項6又は請求項7に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁性層は、所定の隣接する2個の磁気抵抗効果素子間に、各磁気抵抗効果素子内部より大きい値を持つ磁気抵抗部を有すること、
を特徴とする請求項6又は請求項7に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗部は、前記磁性層の前記各磁気抵抗効果素子間に形成された間隙であること、
を特徴とする、請求項9に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗部は、前記磁性層の前記複数の磁気抵抗効果素子間ごとに形成された間隙であること、
を特徴とする、請求項9に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗部は、前記磁性層の長手方向の端部に、所定の隣接する2個の磁気抵抗効果素子の間に形成された欠損部であること、
を特徴とする、請求項9に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗部は、前記磁性層の長手方向の端部に、所定の隣接する2個の磁気抵抗効果素子の間に形成された突起を有すること、
を特徴とする、請求項9に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁性層は更に、前記フリー層に面する表面に加えて前記第1の導電層の両側面にも形成されていること、
を特徴とする、請求項9に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁性層は、前記第1の導電層の全表面を囲んで形成されていること、
を特徴とする、請求項9に記載の磁気記憶装置。 - 第1の導電層と、
前記第1の導電層の上に形成され、前記第1の導電層とほぼ直交して配置される第2の導電層と、
前記第1、第2の導電層の間に形成され、前記第1の導電層の長手方向に沿って複数配置され、前記第1、第2の導電層から発生された合成磁界によりそのスピンの反転が制御されるフリー層を含む磁気抵抗効果素子とを具備し、
前記第1の導電層は、前記磁気抵抗効果素子のフリー層との間で磁気的相互作用を有する軟磁性体により形成されていること、
を特徴とする磁気記憶装置。 - 更に、前記磁気抵抗効果素子と前記磁性層との間に挿入される中間層を有し、
前記磁性層と前記フリー層とは前記中間層を介して磁気的相互作用を有すること、
を特徴とする請求項16に記載の磁気記憶装置。 - 前記中間層は、前記磁性層とほぼ同一の面積を有すること、
を特徴とする請求項17に記載の磁気記憶装置。 - 前記中間層は非磁性導電体を含むこと、
を特徴とする請求項18に記載の磁気記憶装置。 - 前記中間層は、少なくともCu、Ru、Au、Crのいずれか1つを含むこと、
を特徴とする請求項19に記載の磁気記憶装置。 - 更に、少なくとも前記第2の導電層の上面及び両側面のいずれかの面を覆うヨーク部を有すること、
を特徴とする、請求項1乃至請求項20のいずれか1項に記載の磁気記憶装置。 - 前記ヨーク部は前記磁性層と同一の材料により形成されること、
を特徴とする請求項21に記載の磁気記憶装置。 - 前記ヨーク部は軟磁性体を含むこと、
を特徴とする請求項21に記載の磁気記憶装置。 - 前記軟磁性体は少なくともNiを含む軟磁性合金を含むこと、
を特徴とする、請求項23に記載の磁気記憶装置。 - 前記第1の導電層に書き込み用電流を流す前には、前記フリー層の磁化容易軸と、前記磁性層の磁化容易軸とがほぼ直交し、
前記第1の導電層に書き込み電流を流した後には、前記フリー層の磁化困難軸と、前記磁性層の磁化困難軸とがほぼ直交すること、
を特徴とする、請求項1乃至請求項24のいずれか1項に記載の磁気記憶装置。 - 前記第1の導電層に書き込み用電流を流す前には、前記フリー層の磁化容易軸と、前記磁性層の磁化容易軸とがほぼ反対方向を向き、
前記第1の導電層に書き込み電流を流した後には、前記フリー層の磁化困難軸と、前記磁性層の磁化困難軸とがほぼ反対方向を向くこと、
を特徴とする、請求項1乃至請求項24のいずれか1項に記載の磁気記憶装置。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003049610A JP2004259978A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 磁気記憶装置 |
| US10/606,733 US6947312B2 (en) | 2003-02-26 | 2003-06-27 | MRAM having SAL layer |
| TW093104684A TWI247415B (en) | 2003-02-26 | 2004-02-24 | MRAM having SAL layer |
| KR1020040012550A KR100624593B1 (ko) | 2003-02-26 | 2004-02-25 | Sal층을 갖는 mram |
| CNA2004100067493A CN1551227A (zh) | 2003-02-26 | 2004-02-26 | 具有软邻接层的磁随机存取存储器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003049610A JP2004259978A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 磁気記憶装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004259978A true JP2004259978A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=32866633
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003049610A Pending JP2004259978A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 磁気記憶装置 |
Country Status (5)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6947312B2 (ja) |
| JP (1) | JP2004259978A (ja) |
| KR (1) | KR100624593B1 (ja) |
| CN (1) | CN1551227A (ja) |
| TW (1) | TWI247415B (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8553449B2 (en) * | 2009-01-09 | 2013-10-08 | Micron Technology, Inc. | STT-MRAM cell structures |
| US8203870B2 (en) * | 2010-11-23 | 2012-06-19 | Seagate Technology Llc | Flux programmed multi-bit magnetic memory |
| CN112447257B (zh) * | 2019-08-30 | 2022-10-14 | 中电海康集团有限公司 | 测试结构和测试方法 |
Family Cites Families (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3282943B2 (ja) | 1995-04-28 | 2002-05-20 | 松下電器産業株式会社 | メモリー素子 |
| US5956267A (en) * | 1997-12-18 | 1999-09-21 | Honeywell Inc | Self-aligned wordline keeper and method of manufacture therefor |
| DE19836567C2 (de) | 1998-08-12 | 2000-12-07 | Siemens Ag | Speicherzellenanordnung mit Speicherelementen mit magnetoresistivem Effekt und Verfahren zu deren Herstellung |
| US5940319A (en) * | 1998-08-31 | 1999-08-17 | Motorola, Inc. | Magnetic random access memory and fabricating method thereof |
| JP3849460B2 (ja) * | 2001-05-29 | 2006-11-22 | ソニー株式会社 | 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果型磁気センサ、および磁気抵抗効果型磁気ヘッド |
| JP4040414B2 (ja) * | 2001-12-28 | 2008-01-30 | 株式会社東芝 | 磁気メモリ |
| US6707083B1 (en) * | 2002-07-09 | 2004-03-16 | Western Digital (Fremont), Inc. | Magnetic tunneling junction with improved power consumption |
| JP3961914B2 (ja) * | 2002-09-05 | 2007-08-22 | 株式会社東芝 | 磁気メモリ装置 |
| US6829161B2 (en) * | 2003-01-10 | 2004-12-07 | Grandis, Inc. | Magnetostatically coupled magnetic elements utilizing spin transfer and an MRAM device using the magnetic element |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003049610A patent/JP2004259978A/ja active Pending
- 2003-06-27 US US10/606,733 patent/US6947312B2/en not_active Expired - Fee Related
-
2004
- 2004-02-24 TW TW093104684A patent/TWI247415B/zh not_active IP Right Cessation
- 2004-02-25 KR KR1020040012550A patent/KR100624593B1/ko not_active Expired - Fee Related
- 2004-02-26 CN CNA2004100067493A patent/CN1551227A/zh active Pending
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| TW200423377A (en) | 2004-11-01 |
| US6947312B2 (en) | 2005-09-20 |
| CN1551227A (zh) | 2004-12-01 |
| US20040165453A1 (en) | 2004-08-26 |
| KR100624593B1 (ko) | 2006-09-19 |
| KR20040076797A (ko) | 2004-09-03 |
| TWI247415B (en) | 2006-01-11 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP5062481B2 (ja) | 磁気メモリセル、磁気ランダムアクセスメモリ、及び磁気ランダムアクセスメモリへのデータ読み書き方法 | |
| JP5206414B2 (ja) | 磁気メモリセルおよび磁気ランダムアクセスメモリ | |
| TWI221290B (en) | Magnetoresistive element and magnetic memory | |
| JP3863536B2 (ja) | 磁気ランダムアクセスメモリ及びその磁気ランダムアクセスメモリのデータ書き込み方法 | |
| US7869265B2 (en) | Magnetic random access memory and write method of the same | |
| JP5201539B2 (ja) | 磁気ランダムアクセスメモリ | |
| CN101546808A (zh) | 磁阻效应元件和磁性随机存取存储器 | |
| CN110268515A (zh) | 磁壁移动型磁记录元件及磁记录阵列 | |
| JP4460965B2 (ja) | 磁気ランダムアクセスメモリ | |
| JPWO2007119446A1 (ja) | Mram、及びmramのデータ読み書き方法 | |
| TWI221289B (en) | Magnetic memory | |
| JP2002289807A (ja) | 磁気メモリ装置および磁気抵抗効果素子 | |
| JP3866649B2 (ja) | 磁気ランダムアクセスメモリ | |
| JP2002151758A (ja) | 強磁性トンネル磁気抵抗効果素子、磁気メモリ及び磁気抵抗効果型ヘッド | |
| JP2004087870A (ja) | 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置 | |
| JP4492052B2 (ja) | 磁気記憶セルおよび磁気メモリデバイス | |
| JP4667763B2 (ja) | 磁気記憶素子および半導体装置 | |
| JP2004311513A (ja) | 磁気記憶装置およびその製造方法 | |
| JP2004259978A (ja) | 磁気記憶装置 | |
| JP3977816B2 (ja) | 磁気ランダムアクセスメモリ及びその磁気ランダムアクセスメモリのデータ書き込み方法 | |
| JP2004296858A (ja) | 磁気記憶素子及び磁気記憶装置 | |
| JP2003198001A (ja) | 磁気抵抗効果素子及びこれを用いたメモリ | |
| JP2001256773A (ja) | 磁気メモリセルのアクセス方法及び磁気メモリセル | |
| JP2004111437A (ja) | 磁気記憶装置 | |
| JP4492053B2 (ja) | 磁気記憶セルおよび磁気メモリデバイス |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060823 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061003 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070227 |