JP2004260077A - モードロックファイバーレーザー - Google Patents

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Abstract

【課題】光軸調整を伴うことなく過飽和吸収体のモード同期機能を充分に発揮させることができるモードロックファイバーレーザーを提供すること。
【解決手段】金ミラー16に対しEDF11の一端側の方面で固着された過飽和吸収体15で、EDF11の一端側の端面(導波路21の端面を含む)を掩覆させることにより、光軸調整が必要なレンズを使用することなく、密度の大きなビームを過飽和吸収体15に入射させることができ、さらに、過飽和吸収体15を通過したビームの殆どをEDF11の導波路21に戻すことができる
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、増幅ファイバーをレーザ媒質とするモードロックファイバーレーザーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、図11に示すように、モードロックファイバーレーザー100は、一対の反射鏡106,111及び、レーザ媒質としてのEr(エルビウム)が添加されたシングルモードの増幅ファイバー(以下、「EDF」という)101、励起源としてのレーザーダイオード119、モード同期させるための過飽和吸収体105などから構成されている。この点、過飽和吸収体105は、その厚みが1μm以下でも充分なため、金ミラーである反射鏡106に蒸着されている。
【0003】
そして、従来技術のモードロックファイバーレーザー100では、レーザーダイオード119からのポンプ光が、波長分割多重化カップラー(以下、「WDM」という)118を介して、EDF101に供給されると、一対の反射鏡106,111の間を往復するうちに増幅されて定常波となる。このとき、過飽和吸収体105は、モードロックされた定常波を作り出すスタータである。
【0004】
但し、過飽和吸収体105において、強い光に対して吸収を小さくするとともに弱い光に対して吸収を大きくする働きを顕著にするには、密度の大きな光を入射させる必要がある。そこで、従来技術のモードロックファイバーレーザー100では、EDF101から空間に取り出したパルス光をレンズ102でコリメートし、さらに、レンズ104で集光させたパルス光を過飽和吸収体105に照射させている。
【0005】
また、従来技術のモードロックファイバーレーザー100では、モードロックを安定させるために、例えば、反射鏡111としてファラデーローテーターを使用するとともに、レンズ102,104の間にファラデーローテーター103を設置している(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−51246号公報
【0007】
そして、WDM118と反射鏡111の間において、シングルモードのファイバー117及び、レンズ116、1/4波長板115、1/2波長板114、偏光ビームスプリッタ113、レンズ112を設置することにより、偏光ビームスプリッタ113を介して、レーザ出力させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、EDF101から空間に取り出されたパルス光を、一対の反射鏡106,111の間で往復させるためには、反射鏡106で反射した後に、レンズ104,102を介して、EDF101に再び戻す必要があり、この点、EDF101の導波路の径は10μm程度と非常に小さいため、熱的又は機械的な変動でレンズ104,102の保持部が移動し、光軸が少しでもずれてしまうと、レーザ出力の光量が変動することがあった。
【0009】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、光軸調整を伴うことなく過飽和吸収体のモード同期機能を充分に発揮させることができるモードロックファイバーレーザーを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、一対の反射鏡と、前記反射鏡の間にレーザ媒質として設置されるとともに導波路が設けられた増幅ファイバーと、前記反射鏡の一方に対し前記増幅ファイバーの一端側の方面で固着された過飽和吸収体と、を有するモードロックファイバーレーザーにおいて、前記過飽和吸収体で、少なくとも、前記増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を掩覆させたこと、を特徴としている。
【0011】
このような特徴を有する本発明のモードロックファイバーレーザーでは、過飽和吸収体により、少なくとも、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面が被せ隠されている。この点、増幅ファイバーの導波路の径は、例えば、シングルモードのもので10μm程度であり、よって、増幅ファイバーの導波路を伝搬中のビーム又は、増幅ファイバーの導波路から出射した直後のビームは、その径が非常に小さく、レンズで集光するのと同程度の光密度を有する。従って、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を被せ隠している過飽和吸収体に対して、密度の大きなビームを入射させることができる。
【0012】
そして、過飽和吸収体を透過したビームは、過飽和吸収体に固着された反射鏡の一方で反射し、過飽和吸収体を再び透過した後に、増幅ファイバーの導波路に戻ることになる。この点、過飽和吸収体は、モード同期機能を充分に発揮させるためには、例えば、1μm以下の厚みで足りる。よって、増幅ファイバーの導波路から出射したビームは、非常に薄い過飽和吸収体を往復して通過するので、殆ど広がることなく、増幅ファイバーの導波路に入射する。従って、過飽和吸収体を通過したビームの殆どは、増幅ファイバーの導波路に戻ることができる。
【0013】
尚、「掩覆」とは、上述したように、少なくとも増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を過飽和吸収体で被せ隠すことをいう。そのためには、例えば、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面に過飽和吸収体を機械的に接触させてもよいし、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面に過飽和吸収体を蒸着させてもよい。また、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面のみを過飽和吸収体で被せ隠してもよいし、増幅ファイバーの一端側の端面(導波路の端面を含む)を過飽和吸収体で被せ隠してもよい。
【0014】
すなわち、本発明のモードロックファイバーレーザーでは、反射鏡の一方に対し増幅ファイバーの一端側の方面で固着された過飽和吸収体で、少なくとも、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を掩覆させることにより、光軸調整が必要なレンズを使用することなく、密度の大きなビームを過飽和吸収体に入射させることができ、さらに、過飽和吸収体を通過したビームの殆どを増幅ファイバーの導波路に戻すことができるので、光軸調整を伴うことなく過飽和吸収体のモード同期機能を充分に発揮させることが可能となる。
【0015】
また、請求項2に係る発明は、一対の反射鏡と、前記反射鏡の間にレーザ媒質として設置されるとともに導波路が設けられた増幅ファイバーと、前記反射鏡の一方と前記増幅ファイバーの一端との間に設置された過飽和吸収体と、を有するモードロックファイバーレーザーにおいて、前記過飽和吸収体で、少なくとも、前記増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を掩覆させ、前記反射鏡の一方は、前記増幅ファイバーの一端側の導波路の端面上に集光点を合わせた形状をなすとともに、前記過飽和吸収体を内在させつつ前記増幅ファイバーの一端側に固定されたこと、を特徴としている。
【0016】
このような特徴を有する本発明のモードロックファイバーレーザーでは、過飽和吸収体により、少なくとも、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面が被せ隠されている。この点、増幅ファイバーの導波路の径は、例えば、シングルモードのもので10μm程度であり、よって、増幅ファイバーの導波路を伝搬中又は、増幅ファイバーの導波路から出射した直後のビームは、その径が非常に小さく、レンズで集光するのと同程度の光密度を有する。従って、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を被せ隠している過飽和吸収体に対して、密度の大きなビームを入射させることができる。
【0017】
そして、過飽和吸収体を透過したビームは、増幅ファイバーの一端側に固定された反射鏡の一方で反射し、過飽和吸収体を再び透過した後に、増幅ファイバーの導波路に戻ることになる。この点、反射鏡の一方は、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面上に集光点を合わせた形状をなしている。よって、増幅ファイバーの導波路から出射したビームは、反射鏡の一方での反射により、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面上の焦光点に進むことになる。従って、過飽和吸収体を通過したビームの全ては、増幅ファイバーの導波路に戻ることができる。
【0018】
尚、過飽和吸収体が、モード同期機能を充分に発揮させるためには、例えば、1μm以下の厚みで足りることを考慮すれば、過飽和吸収体中でモード同期機能を発揮する程度の光密度を有し、充分な量の光が再び導波路に戻る限りにおいて、反射鏡の一方の形状における集光点は、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面上から過飽和吸収体の側、もしくはその反対側(導波路の側)に多少ずれていてもよい。尚、反射鏡の一方が、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面上に集光点を合わせた形状をなすようにするには、反射鏡として、反射面が凹面形状あるいは球面形状となるものを使用すればよい。
【0019】
また、「掩覆」とは、上述したように、少なくとも増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を過飽和吸収体で被せ隠すことをいう。そのためには、例えば、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面に過飽和吸収体を機械的に接触させてもよいし、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面に過飽和吸収体を蒸着させてもよい。また、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面のみを過飽和吸収体で被せ隠してもよいし、増幅ファイバーの一端側の端面(導波路の端面を含む)を過飽和吸収体で被せ隠してもよい。
【0020】
すなわち、本発明のモードロックファイバーレーザーでは、増幅ファイバーの一端側に固定された反射鏡の一方に内在する過飽和吸収体で、少なくとも、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を掩覆させることにより、光軸調整が必要なレンズを使用することなく、密度の大きなビームを過飽和吸収体に入射させることができ、さらに、反射鏡の一方が、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面上に集光点を合わせた形状をなすことにより、光軸調整が必要なレンズを使用することなく、過飽和吸収体を通過したビームの全てを増幅ファイバーの導波路に戻すことができるので、光軸調整を伴うことなく過飽和吸収体のモード同期機能を充分に発揮させることが可能となる。
【0021】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載するモードロックファイバーレーザーであって、前記増幅ファイバーに一体化されたインラインファイバーファラデーローテーターを備えたこと、を特徴としている。
【0022】
すなわち、本発明のモードロックファイバーレーザーでは、光軸調整が必要なレンズを使用することなく、過飽和吸収体のモード同期機能を充分に発揮させることが可能となるので、かかるレンズの設置スペースが省略でき、省スペース化などのファイバーレーザーの長所を向上させることができるが、この点、本発明のモードロックファイバーレーザーにおいて、増幅ファイバーに一体化されたインラインファイバーファラデーローテーターを備えれば、モードロックの安定化を図るとともに、例えば、モードロックの安定化のためのファラデーローテーター(の設置スペース)を省略することができるので、省スペース化などのファイバーレーザーの長所をより向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。本実施の形態のモードロックファイバーレーザーは、「従来技術」の欄で述べたモードロックファイバーレーザー100(図11参照)に対して、図10に示した、EDF101から反射鏡106までの間を変更したものである。そこで、本欄では、その変更点について詳細に説明する。
【0024】
本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、図1に示すように、PCフェルール14に装着させたシングルモードのEDF11の一端側の端面に対し、片側が金コートされた過飽和吸収体15(その厚みが1μm以下のもの)を接触させている。
【0025】
この点、シングルモードのEDF11の一端側の端面の全部が過飽和吸収体15で覆われているので、EDF11の一端側の導波路21の端面も過飽和吸収体15で覆われている。また、過飽和吸収体15の片側に金コートされた部分は、金ミラー16であり、従来技術における反射鏡106(図10,図11参照)に相当するものである。さらに、過飽和吸収体15をEDF11の一端側の端面に接触させることについては、金ミラー16が既に固着された過飽和吸収体15をEDF11の一端側の端面に機械的に押し付けてもよいし、EDF11の一端側の端面において過飽和吸収体15と金ミラー16を順に真空蒸着させてもよい。
【0026】
また、本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、図1に示すように、PCフェルール14に装着させたEDF11の他端側に対し、インラインファイバーファラデーローテーター12の一端側を融着させるとともに、さらに、インラインファイバーファラデーローテーター12の他端側に対し、シングルモードのEDF13の一端側を融着させている。そして、EDF13の他端側は、図11のWDM118に接続されており、これにより、上述した構成以外は、「従来技術」の欄で述べたモードロックファイバーレーザー100(図11参照)と同じ構成をなしている。特に、図11の反射鏡111は、ファラデーローテーターミラーである。
【0027】
ここで、本実施の形態のモードロックファイバーレーザーにおいて、出力レーザの波長成分を図8に示すとともに、発振モードを図9に示す。図8及び図9により、本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、モードロックされたレーザー出力が安定に行われていることがわかる。
【0028】
以上より、図1に示した本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、過飽和吸収体15により、EDF11の一端側の端面(導波路21の端面を含む)が被せ隠されている。この点、EDF11の導波路21の径は10μm程度であり、よって、EDF11の導波路21を伝搬中のビーム又は、EDF11の導波路21から出射した直後のビームは、その径が非常に小さく、レンズで集光するのと同程度の光密度を有する。従って、EDF11の一端側の導波路21の端面を被せ隠している過飽和吸収体15に対して、密度の大きなビームを入射させることができる。
【0029】
そして、過飽和吸収体15を透過したビームは、過飽和吸収体15に金コートされた金ミラー16で反射し、過飽和吸収体15を再び透過した後に、EDF11の導波路21に戻ることになる。この点、過飽和吸収体15は、モード同期機能を充分に発揮させるためのものであり、1μm以下の厚みである。よって、EDF11の導波路21から出射したビームは、非常に薄い過飽和吸収体15を往復して通過するので、殆ど広がることなく、EDF11の導波路21に入射する。従って、過飽和吸収体15を通過したビームの殆どは、EDF11の導波路21に戻ることができる。
【0030】
すなわち、図1の本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、金ミラー16に対しEDF11の一端側の方面で固着された過飽和吸収体15で、EDF11の一端側の端面(導波路21の端面を含む)を掩覆させることにより、光軸調整が必要なレンズ(図10,図11のレンズ102,104)を使用することなく、密度の大きなビームを過飽和吸収体15に入射させることができ、さらに、過飽和吸収体15を通過したビームの殆どをEDF11の導波路21に戻すことができるので、光軸調整を伴うことなく過飽和吸収体15のモード同期機能を充分に発揮させることが可能となる。
【0031】
また、図1の本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、光軸調整が必要なレンズ(図10,図11のレンズ102,104)を使用することなく、過飽和吸収体15のモード同期機能を充分に発揮させることが可能となるので、かかるレンズ(図10,図11のレンズ102,104)の設置スペースが省略でき、省スペース化などのファイバーレーザーの長所を向上させることができる。この点、本実施の形態のモードロックファイバーレーザーにおいては、EDF11に一体化されたインラインファイバーファラデーローテーター12を備えており、モードロックの安定化を図るとともに、モードロックの安定化のための従来技術におけるファラデーローテーター103(図11参照)の省略、つまり、その設置スペースを省略することができるので、省スペース化などのファイバーレーザーの長所をより向上させることができる。
【0032】
また、図1の本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、過飽和吸収体15で掩覆されているEDF11の一端側の端面が凸状になっているが、この点、図3に示すように、平面状になっていてもよい。さらに、図4に示すように、過飽和吸収体15で掩覆されているEDF11の一端側の導波路21にコア拡大部分22が設けられていてもよい。
【0033】
また、図4では、EDF11の一端側の端面の全部を過飽和吸収体15で掩覆しているが、この点、EDF11の一端側の導波路21の端面のみを過飽和吸収体15で掩覆してもよい。例えば、図5に示すように、EDF11の一端側の導波路21の端面のみを過飽和吸収体15で覆い、さらに、EDF11の一端側の端面及び過飽和吸収体15を金ミラー16で覆ってもよい。また、図6に示すように、EDF11の一端側の導波路21の一部を過飽和吸収体15とし、さらに、EDF11の一端側の端面及び過飽和吸収体15を金ミラー16で覆ってもよい。また、図7に示すように、EDF11の一端側の導波路21の一部を過飽和吸収体15とし、さらに、過飽和吸収体15をEDF11の一端側から突出させた後に、EDF11の一端側の端面及び過飽和吸収体15を金ミラー16で覆ってもよい。
【0034】
また、図5,図6,図7においては、過飽和吸収体15の露出部分のみを金ミラー16で覆ってもよい。また、図6においては、EDF11の一端側の導波路21の一部を空洞とし、粉末状の過飽和吸収体15(例えば、カーボンナノチューブ等)を入れて製造することもできる。
【0035】
また、図1の本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、過飽和吸収体15に金コートされている金ミラー16が凹状になっているが、この点、凹状の金ミラー16の曲率を最適化すれば、過飽和吸収体15を通過したビームの全部を、EDF11の導波路21に戻すことができる。
【0036】
例えば、図2には、過飽和吸収体15で掩覆されているEDF11の一端側の端面が平面状になっているものを示しているが、この点、EDF11の一端側にバルク状の金ミラー16を固定し、金ミラー16の形状として、EDF11の一端側の導波路21の端面上の中心点を中心とする半円形状のものを採用すれば、EDF11の一端側の導波路21の端面上の中心点を金ミラー16の集光点Pとすることができるので、過飽和吸収体15を通過したビームの全部を、EDF11の導波路21に戻すことができる。
【0037】
以上より、図2に示した本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、過飽和吸収体15により、EDF11の一端側の端面(導波路21の端面を含む)が被せ隠されている。この点、EDF11の導波路21の径は10μm程度であり、よって、EDF11の導波路21を伝搬中のビーム又は、EDF11の導波路21から出射した直後のビームは、その径が非常に小さく、レンズで集光するのと同程度の光密度を有する。従って、EDF11の一端側の導波路21の端面を被せ隠している過飽和吸収体15に対して、密度の大きなビームを入射させることができる。
【0038】
そして、過飽和吸収体15を透過したビームは、EDF11の一端側に固定された金ミラー16で反射し、過飽和吸収体15を再び透過した後に、EDF11の導波路21に戻ることになる。この点、金ミラー16は、EDF11の一端側の導波路21の端面上の中心に集光点Pを合わせた半円形状をなしている。よって、EDF11の導波路21から出射したビームは、金ミラー16での反射により、EDF11の一端側の導波路21の端面上の焦光点Pに進むことになる。従って、過飽和吸収体15を通過したビームの全ては、EDF11の導波路21に戻ることができる。
【0039】
もっとも、金ミラー16の半円形状における集光点Pは、EDF11の一端側の導波路21の端面上にあればよく、また、過飽和吸収体15が、モード同期機能を充分に発揮させるためには、1μm以下の厚みで足りることを考慮すれば、過飽和吸収体15中でモード同期機能を発揮する程度の光密度を有し、充分な量の光が再びEDF11の導波路21に戻る限りにおいて、EDF11の一端側の導波路21の端面上から過飽和吸収体15の側、もしくはその反対側(導波路21の側)に多少ずれていてもよい。また、金ミラー16の形状は、半円形状に限るものではない。
【0040】
すなわち、図2の本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、EDF11の一端側に固定された金ミラー16に内在する過飽和吸収体15で、EDF11の一端側の端面(導波路21の端面を含む)を掩覆させることにより、光軸調整が必要なレンズ(図10,図11のレンズ102,104)を使用することなく、密度の大きなビームを過飽和吸収体15に入射させることができ、さらに、金ミラー16が、EDF11の一端側の導波路21の端面上に集光点Pを合わせた形状をなすことにより、光軸調整が必要なレンズ(図10,図11のレンズ102,104)を使用することなく、過飽和吸収体15を通過したビームの全てをEDF11の導波路21に戻すことができるので、光軸調整を伴うことなく過飽和吸収体15のモード同期機能を充分に発揮させることが可能となる。
【0041】
また、図2では、EDF11の一端側の端面の全部を過飽和吸収体15で掩覆しているが、この点、EDF11の一端側の導波路21の端面のみを過飽和吸収体15で掩覆してもよい。
【0042】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態のモードロックファイバーレーザーでは、EDF11については、シングルモードの単なるファイバーであってもよい。
また、PCフェノール14は、取り扱いの便宜上使用するものであって、使用しないケースもある。
【0043】
【発明の効果】
本発明のモードロックファイバーレーザーでは、反射鏡の一方に対し増幅ファイバーの一端側の方面で固着された過飽和吸収体で、少なくとも、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を掩覆させることにより、光軸調整が必要なレンズを使用することなく、密度の大きなビームを過飽和吸収体に入射させることができ、さらに、過飽和吸収体を通過したビームの殆どを増幅ファイバーの導波路に戻すことができるので、光軸調整を伴うことなく過飽和吸収体のモード同期機能を充分に発揮させることが可能となる。
【0044】
また、本発明のモードロックファイバーレーザーでは、増幅ファイバーの一端側に固定された反射鏡の一方に内在する過飽和吸収体で、少なくとも、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を掩覆させることにより、光軸調整が必要なレンズを使用することなく、密度の大きなビームを過飽和吸収体に入射させることができ、さらに、反射鏡の一方が、増幅ファイバーの一端側の導波路の端面上に集光点を合わせた形状をなすことにより、光軸調整が必要なレンズを使用することなく、過飽和吸収体を通過したビームの全てを増幅ファイバーの導波路に戻すことができるので、光軸調整を伴うことなく過飽和吸収体のモード同期機能を充分に発揮させることが可能となる。
【0045】
また、本発明のモードロックファイバーレーザーでは、光軸調整が必要なレンズを使用することなく、過飽和吸収体のモード同期機能を充分に発揮させることが可能となるので、かかるレンズの設置スペースが省略でき、省スペース化などのファイバーレーザーの長所を向上させることができるが、この点、本発明のモードロックファイバーレーザーにおいて、増幅ファイバーに一体化されたインラインファイバーファラデーローテーターを備えれば、モードロックの安定化を図るとともに、例えば、モードロックの安定化のためのファラデーローテーター(の設置スペース)を省略することができるので、省スペース化などのファイバーレーザーの長所をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるモードロックファイバーレーザーの一部の概要を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態によるモードロックファイバーレーザーの変形例を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態によるモードロックファイバーレーザーの変形例を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態によるモードロックファイバーレーザーの変形例を示した図である。
【図5】本発明の一実施形態によるモードロックファイバーレーザーの変形例を示した図である。
【図6】本発明の一実施形態によるモードロックファイバーレーザーの変形例を示した図である。
【図7】本発明の一実施形態によるモードロックファイバーレーザーの変形例を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態によるモードロックファイバーレーザーの出力レーザの波長成分を示した図である。
【図9】本発明の一実施形態によるモードロックファイバーレーザーの発振モードを示した図である。
【図10】本発明の一実施形態によるモードロックファイバーレーザーに関し、図11に示したモードロックファイバーレーザーの改良箇所を示した図である。
【図11】従来技術のモードロックファイバーレーザーの概要を示した図である。
【符号の説明】
11,13 EDF(増幅ファイバー)
12 インラインファイバーファラデーローテーター
15 過飽和吸収体
16 金ミラー(反射鏡の一方)
21 EDFの導波路
100 モードロックファイバーレーザー
111 反射鏡
P 金ミラーの集光点

Claims (3)

  1. 一対の反射鏡と、前記反射鏡の間にレーザ媒質として設置されるとともに導波路が設けられた増幅ファイバーと、前記反射鏡の一方に対し前記増幅ファイバーの一端側の方面で固着された過飽和吸収体と、を有するモードロックファイバーレーザーにおいて、
    前記過飽和吸収体で、少なくとも、前記増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を掩覆させたこと、を特徴とするモードロックファイバーレーザー。
  2. 一対の反射鏡と、前記反射鏡の間にレーザ媒質として設置されるとともに導波路が設けられた増幅ファイバーと、前記反射鏡の一方と前記増幅ファイバーの一端との間に設置された過飽和吸収体と、を有するモードロックファイバーレーザーにおいて、
    前記過飽和吸収体で、少なくとも、前記増幅ファイバーの一端側の導波路の端面を掩覆させ、
    前記反射鏡の一方は、前記増幅ファイバーの一端側の導波路の端面上に集光点を合わせた形状をなすとともに、前記過飽和吸収体を内在させつつ前記増幅ファイバーの一端側に固定されたこと、を特徴とするモードロックファイバーレーザー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載するモードロックファイバーレーザーであって、
    前記増幅ファイバーに一体化されたインラインファイバーファラデーローテーターを備えたこと、を特徴とするモードロックファイバーレーザー。
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