JP2004262128A - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】版付け用紙から印刷物として使用することができ、損紙の発生を低減できるとともに、濃度の均一化(画質の均一化)を図ることができ、巻き上がりも抑制できるようにする。
【解決手段】印刷ドラムに用紙を押圧する押圧手段において、基本的な印圧を得るバネの他に印圧調整用のバネを設け、版付け用紙では印圧を高めに設定し、その後の印刷では印刷速度に応じて適正な印圧に変化させる。
【選択図】 図4
【解決手段】印刷ドラムに用紙を押圧する押圧手段において、基本的な印圧を得るバネの他に印圧調整用のバネを設け、版付け用紙では印圧を高めに設定し、その後の印刷では印刷速度に応じて適正な印圧に変化させる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、穿孔製版されたマスタ(孔版原紙)を版胴の外周面に巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、加熱穿孔製版したマスタを回転自在な印刷ドラムの外周面に巻装し、印刷ドラム内部に設けられたインキ供給手段によりインキを供給し、プレスローラ等の押圧手段でシート状記録媒体としての用紙(以下、「印刷用紙」ともいう)を印刷ドラムに連続的に押圧して、ドラム開孔部、マスタ穿孔部よりインキを滲み出させて印刷を行う感熱デジタル孔版印刷装置が知られている。
印刷ドラムは、多孔性の支持円筒体に、樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複層巻装した構成を有している。マスタは、熱可塑性樹脂フィルムに、多孔質支持体としての和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維を混抄したものを貼り合わせたラミネート構造を有している。
【0003】
新しいマスタを巻装した直後の印刷では、ドラム開孔部やメッシュスクリーン等にインキが十分に行き渡っていないため、1枚目のいわゆる版付け用紙では濃度が薄く、徐々に濃度が上がって行く。
また、この種の孔版印刷装置では、図8に示すように、徐々に印刷速度を上げていって所定の印刷速度に到達させるスローアップ方式が採用されている。プレスローラ等の押圧手段は印刷ドラムに対して接離自在に設けられており、印刷時のみ印刷ドラムに用紙を押圧するようになっている。
印刷ドラムに対する押圧力(印圧)はバネの付勢力によって得られるようになっており、図8に示すように、最初から最後まで印圧は一定に設定されている。すなわち、一定のバネで付勢されたプレスローラの印刷ドラムに対する接離を制御するだけの構成となっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−247028号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成では、1枚目の版付け用紙の濃度が低くなるのに加えて、スローアップ方式のため印刷速度の変化により数枚まで濃度が変化し、印刷物として使用できないいわゆる損紙が多く発生していた。
版付け用紙とそれ以降の用紙での濃度の均一を図るために、換言すれば1枚目の版付け用紙から印刷物として使用できるように印圧を高く設定すると、その後の用紙の印刷ドラムとの密着力が強くなって用紙が印刷ドラムから剥離されずに巻き上がる不具合が発生しやすかった。
【0006】
本発明は、版付け用紙から印刷物として使用することができ、損紙の発生を低減できるとともに、濃度の均一化(画質の均一化)を図ることができ、巻き上がりも抑制できる孔版印刷装置の提供を、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、押圧手段によりシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う印刷装置において、印刷枚数の初期においては印圧を高めに設定し、その後印圧を変更する、という構成を採っている。
【0008】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の孔版印刷装置において、印刷枚数の初期後、印刷速度に応じて印圧を変化させる、という構成を採っている。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の孔版印刷装置において、1枚目の版付け用のシート状記録媒体に対してのみ印圧を高めに設定する、という構成を採っている。
【0010】
請求項4記載の発明では、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、押圧手段によりシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う印刷装置において、印刷速度に応じて印圧を変化させる、という構成を採っている。
【0011】
請求項5記載の発明では、請求項2又は4記載の孔版印刷装置において、印刷速度が変更された場合、印刷速度と印圧の関係が適正になるまで上記印刷ドラムを空転させる、という構成を採っている。
【0012】
請求項6記載の発明では、請求項2記載の孔版印刷装置において、環境条件を加味して印刷速度に対する印圧の変化量を設定する、という構成を採っている。
【0013】
請求項7記載の発明では、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記押圧手段が、上記印刷ドラムに対する基本的な印圧を得る主弾性部材と、該主弾性部材よりも弾性力の小さい副弾性部材を有し、印圧の調整が上記副弾性部材の弾性力の調節によりなされる、という構成を採っている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における画像形成装置としての孔版印刷装置の全体構成及び孔版印刷プロセスの概要を説明する。
装置本体50の上部には原稿読取部80が設けられており、その下方中央部には多孔性の印刷ドラム101を有する印刷ドラム部100が設けられている。印刷ドラム部100の上方右側には製版装置90が設けられ、印刷ドラム部100の上方左側には排版部70が設けられている。
製版装置90の下方には給紙装置110が、印刷ドラム部100の下方には印圧部120が、排版部70の下方には排紙部130が、それぞれ設けられている。
【0015】
次に、上記構成に係る孔版印刷装置の印刷動作を説明する。
先ず、原稿読取部80の上部に配置された図示しない原稿載置台に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない操作パネル上の製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押下に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム部100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済み感熱性孔版マスタ61bが装着されたまま残っている。
【0016】
印刷ドラム101が反時計回りに回転し、印刷ドラム101の外周面の使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部が排版剥離ローラ対71a、71bに近づくと、この排版剥離ローラ対71a、71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ対71aで使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部をすくい上げる。
使用済み感熱性孔版マスタ61bは、排版剥離ローラ対71a、71bの左側に配設された排版コロ対73a、73bと排版剥離ローラ対71a、71bとの間に掛け回された排版搬送ベルト対72a、72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、印刷ドラム101の外周面から引き剥がされて排版工程が終了する。このとき、印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離・排出された使用済み感熱性孔版マスタ61bは、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0017】
排版工程と並行して、原稿読取部80で原稿読み取りが行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前方原稿搬送ローラ対82a、82b及び後方原稿搬送ローラ対83a、83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させ、レンズ88を通してCCD(電荷結合素子)から成る画像センサ89に入射させることにより行われる。
すなわち、原稿60の読み取りは、周知である縮小式の原稿読取方式で行われ、その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に入力され、デジタル画像信号に変換される。
【0018】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版及び給版工程が行われる。すなわち、製版装置90の所定部位にセットされたロール状の感熱性孔版マスタ61は、ロール状態から引き出され、サーマルヘッド91に感熱性孔版マスタ61を介して押圧されているプラテンローラ92、及びテンションローラ対93a、93bの回転により搬送路の下流側に搬送される。
このように搬送される感熱性孔版マスタ61に対して、サーマルヘッド91にライン状に並んだ複数個の微小な発熱部が、図示しないA/D変換基板から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱部に接触している感熱性孔版マスタ61の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じた感熱性孔版マスタ61の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0019】
画像情報が書き込まれた製版済感熱性孔版マスタ61aの先端は、給版ローラ対94a、94bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材により進行方向を下方へ変えられ、図示する給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタークランパ102(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済感熱性孔版マスタ61bを既に除去されている。
【0020】
製版済感熱性孔版マスタ61aの先端が、一定のタイミングでマスタークランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済感熱性孔版マスタ61aを徐々に巻き付けていく。製版済感熱性孔版マスタ61aの後端部はカッタ95により一定の長さに切断される。
【0021】
一版の製版済感熱性孔版マスタ61aが印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版及び給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された用紙としての印刷用紙62のうちの最上位の1枚が、給紙コロ140によりレジストローラ対142に向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにレジストローラ対142によりドラム部100の回転と同期した所定のタイミングで印圧部(画像転写部位)120に送られる。
送り出された版付け用紙としての印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済感熱性孔版マスタ61aに押圧される。
プレスローラ103の押圧による印圧により、印刷ドラム101の多孔部及び製版済感熱性孔版マスタ61aの穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。プレスローラ103を含む押圧手段の構成及び印圧調整機能については後述する。
【0022】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜り107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
【0023】
印圧部120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118に吸着されつつ、吸着排紙入口ローラ115及び吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙部130へ向かって搬送され、排紙台52上に排出される。このようにして版付けが終了する。
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記版付けと同様の工程で、給紙、印刷及び排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0024】
次に、図2に基づいてプレスローラ103を含む押圧手段20(図1では省略)を説明する。
押圧手段20は、図示しない装置側板間に支持された軸21に回動自在に設けられたプレスローラ支持フレーム22と、該プレスローラ支持フレーム22を印刷ドラム101に接近する矢印U方向に回動するように付勢し、プレスローラ103を印刷ドラム101に押圧して基本的な印圧を得る主弾性部材としての図示しないバネと、カムやソレノイド等によりプレスローラ支持フレーム22を回動させてプレスローラ103を印刷ドラム101に対して接離させる図示しない接離機構と、印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧を調整する印圧調整機構23を有している。プレスローラ103の回転軸103aは、プレスローラ支持フレーム22の凹部22aに支持されている。
印圧調整機構23は、ステッピングモータ24と、該ステッピングモータ24の回転軸24aに固定された小径のギア25と、該ギア25に噛み合う大径のギア26と、該ギア26の回転軸26aに固定又は一体成形された小径のギア27と、該ギア27に噛み合う大径のギア28と、該ギア28の回転軸28aに固定又は一体成形された小径のギア29と、該ギア29に噛み合う大径のギア30と、該ギア30の回転軸30aの外方(紙面手前側)に固定された扇形のセンサ検知板(遮蔽板)31と、図示しない装置側板間に固定されたセンサ支持ブラケット32と、該センサ支持ブラケット32に固定されたホームポジション検知センサ33と、ギア30の回転軸30aの内方(紙面奥側)に固定されたアーム34と、該アーム34とプレスローラ支持フレーム22間に掛けられた副弾性部材としてのバネ35を有している。
【0025】
副弾性部材としてのバネ35の弾性力は上記主弾性部材としてのバネよりも小さく設定されている。主弾性部材による基本的印圧の上においてバネ35による印圧調整を行うため、バネ35による印圧調整範囲を確保するためには、本実施形態における主弾性部材としてのバネは従来のバネよりも弾性力の小さいものが望ましい。
【0026】
図3に示すように、ホームポジション検知センサ33の検知信号は制御手段36に入力され、制御手段36はこれに基づいてステッピングモータ24を制御して印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧を調整する。
制御手段36は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を含むマイクロコンピュータである。
次に、制御手段36による印圧調整制御を説明する。図4に示すように、本実施形態では、版付け用紙(印刷枚数の初期)では印圧を高めに設定し、その後はスローアップ方式の印刷速度の変化に応じて印圧を変化させる。印刷枚数の初期とは、1枚目の版付け用紙又は印刷濃度が薄い状態(立ち上がり状態)にある数枚を指す。
版付け用紙に対する印圧は、印刷物として使用できる濃度が得られるレベルであり、実験により決定されるものである。また、スローアップ時に変化する印刷速度に対する最適な印圧も実験により決定されるものである。これらの関係データテーブルは予め実験により求められて制御手段36のROMに記憶されている。
【0027】
制御手段36はホームポジション検知センサ33によりステッピングモータ24を制御して、バネ35の伸縮がゼロのホームポジションにアーム34を設定し、次に、印圧が版付け用紙に対応した印圧となるように、ステッピングモータ24のステップ数を管理してバネ35を伸長させる。
版付け用紙の次の用紙では印圧が下がるように(巻き上がりが生じず且つ適正な濃度が得られる印圧となるように)ステッピングモータ24を制御し、それ以降はそれぞれの印刷速度に対応した印圧となるようにステッピングモータ24を制御する。スローアップ時間が経過すると、印刷速度、印圧は略一定に維持される。
【0028】
上記構成において、環境条件を加味して印刷速度に対する印圧の変化量を設定するようにしてもよい(第2の実施形態)。本実施形態では、図5に示すように、作業環境温度が低温の場合には、インキの流動性が低下するので、版付け用紙を含む3枚目以降のスローアップ段階において印圧を図4で示した通常温度の場合よりもやや高めに設定する。
制御手段36のROMには予め実験により求められた温度と印刷速度と印圧の関係データテーブルが記憶されており、制御手段36は図示しない温度検知手段からの検知情報に基づいて対応する印圧を設定する。
作業環境温度が高い場合には、図6に示すように、インキの流動性が高くなるので、版付け用紙を含む3枚目以降のスローアップ段階において印圧を図4で示した通常温度の場合よりもやや低めに設定する。
【0029】
印刷速度が変更された場合、印刷速度と印圧の関係が適正になるまで印刷ドラム101を空転させる制御を行う(第3の実施形態)。
図7は、印刷ドラム101が4速の速度段階を有し、20枚印刷するような設定でスタートした場合における途中での印刷速度変更があった場合の例を示す。
図7において、ドラムHPセンサは、ドラムホームポジションセンサを示す。
印刷速度が4速に達して4枚目の印刷がなされた時点で印刷速度がユーザにより操作パネル37(図3)を介して1速に変更された場合、制御手段36は1速に対応した印圧となるようにステッピングモータ24を制御してバネ35を縮退させる。また、印刷速度が1速になるまで印刷ドラム101からプレスローラ103を離間させるとともに、給紙信号を給紙装置110に出力せず、印刷ドラム101を空転させる。
印刷速度が1速になった時点でプレスローラ103を印刷ドラム101に押圧し、5枚目以降の印刷を行う。
【0030】
第1の実施形態では、印刷枚数の初期後、印刷速度に応じて印圧を変化させる制御としたが、版付け用紙に対する印圧を別段高く設定せずに、全印刷枚数において印刷速度に応じて印圧を変化させる制御としてもよい。この場合、版付け用紙における濃度不足は避けられないが、スローアップ段階における印刷速度と印圧が適正にならないことによる濃度不足印刷枚数を最小限に止めることができる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、押圧手段によりシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う印刷装置において、印刷枚数の初期においては印圧を高めに設定し、その後印圧を変更する構成としたので、版付け用紙の段階から印刷物としての濃度を得ることができるとともに、巻き上がりを防止できる。
【0032】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の孔版印刷装置において、印刷枚数の初期後、印刷速度に応じて印圧を変化させる構成としたので、印刷速度が徐々に増加するスローアップ方式において濃度不良による画質劣化を抑制することができる。損紙の低減により経済性を向上させることができる。
【0033】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の孔版印刷装置において、1枚目の版付け用のシート状記録媒体に対してのみ印圧を高めに設定する構成としたので、版付け用紙を印刷物として使用でき、損紙の低減により経済性を向上させることができるとともに、巻き上がりを防止できる。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、押圧手段によりシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う印刷装置において、印刷速度に応じて印圧を変化させる構成としたので、印刷速度が徐々に増加するスローアップ方式において濃度不良による画質劣化を抑制することができ、損紙の発生を低減できる。
【0035】
請求項5記載の発明によれば、請求項2又は4記載の孔版印刷装置において、印刷速度が変更された場合、印刷速度と印圧の関係が適正になるまで上記印刷ドラムを空転させる構成としたので、常に良好な濃度を得ることができ、画質の均一化を図ることができる。
【0036】
請求項6記載の発明によれば、請求項2記載の孔版印刷装置において、環境条件を加味して印刷速度に対する印圧の変化量を設定する構成としたので、環境変化に拘わらず画質の均一化を図ることができる。
【0037】
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記押圧手段が、上記印刷ドラムに対する基本的な印圧を得る主弾性部材と、該主弾性部材よりも弾性力の小さい副弾性部材を有し、印圧の調整が上記副弾性部材の弾性力の調節によりなされる構成としたので、簡易な構成で印圧の微調整を行うことができ、画質の均一化を高精度に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における孔版印刷装置の概要正面図である。
【図2】押圧手段の構成を示す概要正面図である。
【図3】制御ブロック図である。
【図4】第1の実施形態における印刷速度と印圧の関係を示すグラフである。
【図5】第2の実施形態における低温時での印刷速度と印圧の関係を示すグラフである。
【図6】第2の実施形態における高温時での印刷速度と印圧の関係を示すグラフである。
【図7】印刷速度が変更された場合の制御を示すタイミングチャートである。
【図8】従来における印刷速度と印圧の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20 押圧手段
35 副弾性部材としてのバネ
61a マスタ
62 シート状記録媒体としての用紙
101 印刷ドラム
【発明の属する技術分野】
本発明は、穿孔製版されたマスタ(孔版原紙)を版胴の外周面に巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、加熱穿孔製版したマスタを回転自在な印刷ドラムの外周面に巻装し、印刷ドラム内部に設けられたインキ供給手段によりインキを供給し、プレスローラ等の押圧手段でシート状記録媒体としての用紙(以下、「印刷用紙」ともいう)を印刷ドラムに連続的に押圧して、ドラム開孔部、マスタ穿孔部よりインキを滲み出させて印刷を行う感熱デジタル孔版印刷装置が知られている。
印刷ドラムは、多孔性の支持円筒体に、樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複層巻装した構成を有している。マスタは、熱可塑性樹脂フィルムに、多孔質支持体としての和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維を混抄したものを貼り合わせたラミネート構造を有している。
【0003】
新しいマスタを巻装した直後の印刷では、ドラム開孔部やメッシュスクリーン等にインキが十分に行き渡っていないため、1枚目のいわゆる版付け用紙では濃度が薄く、徐々に濃度が上がって行く。
また、この種の孔版印刷装置では、図8に示すように、徐々に印刷速度を上げていって所定の印刷速度に到達させるスローアップ方式が採用されている。プレスローラ等の押圧手段は印刷ドラムに対して接離自在に設けられており、印刷時のみ印刷ドラムに用紙を押圧するようになっている。
印刷ドラムに対する押圧力(印圧)はバネの付勢力によって得られるようになっており、図8に示すように、最初から最後まで印圧は一定に設定されている。すなわち、一定のバネで付勢されたプレスローラの印刷ドラムに対する接離を制御するだけの構成となっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−247028号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成では、1枚目の版付け用紙の濃度が低くなるのに加えて、スローアップ方式のため印刷速度の変化により数枚まで濃度が変化し、印刷物として使用できないいわゆる損紙が多く発生していた。
版付け用紙とそれ以降の用紙での濃度の均一を図るために、換言すれば1枚目の版付け用紙から印刷物として使用できるように印圧を高く設定すると、その後の用紙の印刷ドラムとの密着力が強くなって用紙が印刷ドラムから剥離されずに巻き上がる不具合が発生しやすかった。
【0006】
本発明は、版付け用紙から印刷物として使用することができ、損紙の発生を低減できるとともに、濃度の均一化(画質の均一化)を図ることができ、巻き上がりも抑制できる孔版印刷装置の提供を、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、押圧手段によりシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う印刷装置において、印刷枚数の初期においては印圧を高めに設定し、その後印圧を変更する、という構成を採っている。
【0008】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の孔版印刷装置において、印刷枚数の初期後、印刷速度に応じて印圧を変化させる、という構成を採っている。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の孔版印刷装置において、1枚目の版付け用のシート状記録媒体に対してのみ印圧を高めに設定する、という構成を採っている。
【0010】
請求項4記載の発明では、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、押圧手段によりシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う印刷装置において、印刷速度に応じて印圧を変化させる、という構成を採っている。
【0011】
請求項5記載の発明では、請求項2又は4記載の孔版印刷装置において、印刷速度が変更された場合、印刷速度と印圧の関係が適正になるまで上記印刷ドラムを空転させる、という構成を採っている。
【0012】
請求項6記載の発明では、請求項2記載の孔版印刷装置において、環境条件を加味して印刷速度に対する印圧の変化量を設定する、という構成を採っている。
【0013】
請求項7記載の発明では、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記押圧手段が、上記印刷ドラムに対する基本的な印圧を得る主弾性部材と、該主弾性部材よりも弾性力の小さい副弾性部材を有し、印圧の調整が上記副弾性部材の弾性力の調節によりなされる、という構成を採っている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における画像形成装置としての孔版印刷装置の全体構成及び孔版印刷プロセスの概要を説明する。
装置本体50の上部には原稿読取部80が設けられており、その下方中央部には多孔性の印刷ドラム101を有する印刷ドラム部100が設けられている。印刷ドラム部100の上方右側には製版装置90が設けられ、印刷ドラム部100の上方左側には排版部70が設けられている。
製版装置90の下方には給紙装置110が、印刷ドラム部100の下方には印圧部120が、排版部70の下方には排紙部130が、それぞれ設けられている。
【0015】
次に、上記構成に係る孔版印刷装置の印刷動作を説明する。
先ず、原稿読取部80の上部に配置された図示しない原稿載置台に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない操作パネル上の製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押下に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム部100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済み感熱性孔版マスタ61bが装着されたまま残っている。
【0016】
印刷ドラム101が反時計回りに回転し、印刷ドラム101の外周面の使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部が排版剥離ローラ対71a、71bに近づくと、この排版剥離ローラ対71a、71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ対71aで使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部をすくい上げる。
使用済み感熱性孔版マスタ61bは、排版剥離ローラ対71a、71bの左側に配設された排版コロ対73a、73bと排版剥離ローラ対71a、71bとの間に掛け回された排版搬送ベルト対72a、72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、印刷ドラム101の外周面から引き剥がされて排版工程が終了する。このとき、印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離・排出された使用済み感熱性孔版マスタ61bは、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0017】
排版工程と並行して、原稿読取部80で原稿読み取りが行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前方原稿搬送ローラ対82a、82b及び後方原稿搬送ローラ対83a、83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させ、レンズ88を通してCCD(電荷結合素子)から成る画像センサ89に入射させることにより行われる。
すなわち、原稿60の読み取りは、周知である縮小式の原稿読取方式で行われ、その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に入力され、デジタル画像信号に変換される。
【0018】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版及び給版工程が行われる。すなわち、製版装置90の所定部位にセットされたロール状の感熱性孔版マスタ61は、ロール状態から引き出され、サーマルヘッド91に感熱性孔版マスタ61を介して押圧されているプラテンローラ92、及びテンションローラ対93a、93bの回転により搬送路の下流側に搬送される。
このように搬送される感熱性孔版マスタ61に対して、サーマルヘッド91にライン状に並んだ複数個の微小な発熱部が、図示しないA/D変換基板から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱部に接触している感熱性孔版マスタ61の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じた感熱性孔版マスタ61の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0019】
画像情報が書き込まれた製版済感熱性孔版マスタ61aの先端は、給版ローラ対94a、94bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材により進行方向を下方へ変えられ、図示する給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタークランパ102(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済感熱性孔版マスタ61bを既に除去されている。
【0020】
製版済感熱性孔版マスタ61aの先端が、一定のタイミングでマスタークランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済感熱性孔版マスタ61aを徐々に巻き付けていく。製版済感熱性孔版マスタ61aの後端部はカッタ95により一定の長さに切断される。
【0021】
一版の製版済感熱性孔版マスタ61aが印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版及び給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された用紙としての印刷用紙62のうちの最上位の1枚が、給紙コロ140によりレジストローラ対142に向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにレジストローラ対142によりドラム部100の回転と同期した所定のタイミングで印圧部(画像転写部位)120に送られる。
送り出された版付け用紙としての印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済感熱性孔版マスタ61aに押圧される。
プレスローラ103の押圧による印圧により、印刷ドラム101の多孔部及び製版済感熱性孔版マスタ61aの穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。プレスローラ103を含む押圧手段の構成及び印圧調整機能については後述する。
【0022】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜り107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
【0023】
印圧部120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118に吸着されつつ、吸着排紙入口ローラ115及び吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙部130へ向かって搬送され、排紙台52上に排出される。このようにして版付けが終了する。
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記版付けと同様の工程で、給紙、印刷及び排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0024】
次に、図2に基づいてプレスローラ103を含む押圧手段20(図1では省略)を説明する。
押圧手段20は、図示しない装置側板間に支持された軸21に回動自在に設けられたプレスローラ支持フレーム22と、該プレスローラ支持フレーム22を印刷ドラム101に接近する矢印U方向に回動するように付勢し、プレスローラ103を印刷ドラム101に押圧して基本的な印圧を得る主弾性部材としての図示しないバネと、カムやソレノイド等によりプレスローラ支持フレーム22を回動させてプレスローラ103を印刷ドラム101に対して接離させる図示しない接離機構と、印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧を調整する印圧調整機構23を有している。プレスローラ103の回転軸103aは、プレスローラ支持フレーム22の凹部22aに支持されている。
印圧調整機構23は、ステッピングモータ24と、該ステッピングモータ24の回転軸24aに固定された小径のギア25と、該ギア25に噛み合う大径のギア26と、該ギア26の回転軸26aに固定又は一体成形された小径のギア27と、該ギア27に噛み合う大径のギア28と、該ギア28の回転軸28aに固定又は一体成形された小径のギア29と、該ギア29に噛み合う大径のギア30と、該ギア30の回転軸30aの外方(紙面手前側)に固定された扇形のセンサ検知板(遮蔽板)31と、図示しない装置側板間に固定されたセンサ支持ブラケット32と、該センサ支持ブラケット32に固定されたホームポジション検知センサ33と、ギア30の回転軸30aの内方(紙面奥側)に固定されたアーム34と、該アーム34とプレスローラ支持フレーム22間に掛けられた副弾性部材としてのバネ35を有している。
【0025】
副弾性部材としてのバネ35の弾性力は上記主弾性部材としてのバネよりも小さく設定されている。主弾性部材による基本的印圧の上においてバネ35による印圧調整を行うため、バネ35による印圧調整範囲を確保するためには、本実施形態における主弾性部材としてのバネは従来のバネよりも弾性力の小さいものが望ましい。
【0026】
図3に示すように、ホームポジション検知センサ33の検知信号は制御手段36に入力され、制御手段36はこれに基づいてステッピングモータ24を制御して印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧を調整する。
制御手段36は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を含むマイクロコンピュータである。
次に、制御手段36による印圧調整制御を説明する。図4に示すように、本実施形態では、版付け用紙(印刷枚数の初期)では印圧を高めに設定し、その後はスローアップ方式の印刷速度の変化に応じて印圧を変化させる。印刷枚数の初期とは、1枚目の版付け用紙又は印刷濃度が薄い状態(立ち上がり状態)にある数枚を指す。
版付け用紙に対する印圧は、印刷物として使用できる濃度が得られるレベルであり、実験により決定されるものである。また、スローアップ時に変化する印刷速度に対する最適な印圧も実験により決定されるものである。これらの関係データテーブルは予め実験により求められて制御手段36のROMに記憶されている。
【0027】
制御手段36はホームポジション検知センサ33によりステッピングモータ24を制御して、バネ35の伸縮がゼロのホームポジションにアーム34を設定し、次に、印圧が版付け用紙に対応した印圧となるように、ステッピングモータ24のステップ数を管理してバネ35を伸長させる。
版付け用紙の次の用紙では印圧が下がるように(巻き上がりが生じず且つ適正な濃度が得られる印圧となるように)ステッピングモータ24を制御し、それ以降はそれぞれの印刷速度に対応した印圧となるようにステッピングモータ24を制御する。スローアップ時間が経過すると、印刷速度、印圧は略一定に維持される。
【0028】
上記構成において、環境条件を加味して印刷速度に対する印圧の変化量を設定するようにしてもよい(第2の実施形態)。本実施形態では、図5に示すように、作業環境温度が低温の場合には、インキの流動性が低下するので、版付け用紙を含む3枚目以降のスローアップ段階において印圧を図4で示した通常温度の場合よりもやや高めに設定する。
制御手段36のROMには予め実験により求められた温度と印刷速度と印圧の関係データテーブルが記憶されており、制御手段36は図示しない温度検知手段からの検知情報に基づいて対応する印圧を設定する。
作業環境温度が高い場合には、図6に示すように、インキの流動性が高くなるので、版付け用紙を含む3枚目以降のスローアップ段階において印圧を図4で示した通常温度の場合よりもやや低めに設定する。
【0029】
印刷速度が変更された場合、印刷速度と印圧の関係が適正になるまで印刷ドラム101を空転させる制御を行う(第3の実施形態)。
図7は、印刷ドラム101が4速の速度段階を有し、20枚印刷するような設定でスタートした場合における途中での印刷速度変更があった場合の例を示す。
図7において、ドラムHPセンサは、ドラムホームポジションセンサを示す。
印刷速度が4速に達して4枚目の印刷がなされた時点で印刷速度がユーザにより操作パネル37(図3)を介して1速に変更された場合、制御手段36は1速に対応した印圧となるようにステッピングモータ24を制御してバネ35を縮退させる。また、印刷速度が1速になるまで印刷ドラム101からプレスローラ103を離間させるとともに、給紙信号を給紙装置110に出力せず、印刷ドラム101を空転させる。
印刷速度が1速になった時点でプレスローラ103を印刷ドラム101に押圧し、5枚目以降の印刷を行う。
【0030】
第1の実施形態では、印刷枚数の初期後、印刷速度に応じて印圧を変化させる制御としたが、版付け用紙に対する印圧を別段高く設定せずに、全印刷枚数において印刷速度に応じて印圧を変化させる制御としてもよい。この場合、版付け用紙における濃度不足は避けられないが、スローアップ段階における印刷速度と印圧が適正にならないことによる濃度不足印刷枚数を最小限に止めることができる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、押圧手段によりシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う印刷装置において、印刷枚数の初期においては印圧を高めに設定し、その後印圧を変更する構成としたので、版付け用紙の段階から印刷物としての濃度を得ることができるとともに、巻き上がりを防止できる。
【0032】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の孔版印刷装置において、印刷枚数の初期後、印刷速度に応じて印圧を変化させる構成としたので、印刷速度が徐々に増加するスローアップ方式において濃度不良による画質劣化を抑制することができる。損紙の低減により経済性を向上させることができる。
【0033】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の孔版印刷装置において、1枚目の版付け用のシート状記録媒体に対してのみ印圧を高めに設定する構成としたので、版付け用紙を印刷物として使用でき、損紙の低減により経済性を向上させることができるとともに、巻き上がりを防止できる。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、押圧手段によりシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う印刷装置において、印刷速度に応じて印圧を変化させる構成としたので、印刷速度が徐々に増加するスローアップ方式において濃度不良による画質劣化を抑制することができ、損紙の発生を低減できる。
【0035】
請求項5記載の発明によれば、請求項2又は4記載の孔版印刷装置において、印刷速度が変更された場合、印刷速度と印圧の関係が適正になるまで上記印刷ドラムを空転させる構成としたので、常に良好な濃度を得ることができ、画質の均一化を図ることができる。
【0036】
請求項6記載の発明によれば、請求項2記載の孔版印刷装置において、環境条件を加味して印刷速度に対する印圧の変化量を設定する構成としたので、環境変化に拘わらず画質の均一化を図ることができる。
【0037】
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記押圧手段が、上記印刷ドラムに対する基本的な印圧を得る主弾性部材と、該主弾性部材よりも弾性力の小さい副弾性部材を有し、印圧の調整が上記副弾性部材の弾性力の調節によりなされる構成としたので、簡易な構成で印圧の微調整を行うことができ、画質の均一化を高精度に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における孔版印刷装置の概要正面図である。
【図2】押圧手段の構成を示す概要正面図である。
【図3】制御ブロック図である。
【図4】第1の実施形態における印刷速度と印圧の関係を示すグラフである。
【図5】第2の実施形態における低温時での印刷速度と印圧の関係を示すグラフである。
【図6】第2の実施形態における高温時での印刷速度と印圧の関係を示すグラフである。
【図7】印刷速度が変更された場合の制御を示すタイミングチャートである。
【図8】従来における印刷速度と印圧の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20 押圧手段
35 副弾性部材としてのバネ
61a マスタ
62 シート状記録媒体としての用紙
101 印刷ドラム
Claims (7)
- 印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、押圧手段によりシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う印刷装置において、
印刷枚数の初期においては印圧を高めに設定し、その後印圧を変更することを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1記載の孔版印刷装置において、
印刷枚数の初期後、印刷速度に応じて印圧を変化させることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1又は2記載の孔版印刷装置において、
1枚目の版付け用のシート状記録媒体に対してのみ印圧を高めに設定することを特徴とする孔版印刷装置。 - 印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、押圧手段によりシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う印刷装置において、
印刷速度に応じて印圧を変化させることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項2又は4記載の孔版印刷装置において、
印刷速度が変更された場合、印刷速度と印圧の関係が適正になるまで上記印刷ドラムを空転させることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項2記載の孔版印刷装置において、
環境条件を加味して印刷速度に対する印圧の変化量を設定することを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、
上記押圧手段が、上記印刷ドラムに対する基本的な印圧を得る主弾性部材と、該主弾性部材よりも弾性力の小さい副弾性部材を有し、印圧の調整が上記副弾性部材の弾性力の調節によりなされることを特徴とする孔版印刷装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2003055880A JP2004262128A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 孔版印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003055880A JP2004262128A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 孔版印刷装置 |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008290278A (ja) * | 2007-05-22 | 2008-12-04 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 印刷装置及び印刷方法 |
-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003055880A patent/JP2004262128A/ja active Pending
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| JP2008290278A (ja) * | 2007-05-22 | 2008-12-04 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 印刷装置及び印刷方法 |
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