JP2004263502A - 橋梁の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間で、安全に、橋脚上に橋桁を接合・構築する橋梁の施工方法の提供。
【解決手段】橋脚2を、複数の鋼管柱5及びコンクリート7から構築し、橋桁10の一部を予め構築しておく。橋桁には、接合部9が内部にコンクリート打設空間9cを形成する形で形成されている。接合部には、鋼管挿入支持部10aが形成されている。鋼管挿入支持部に仮支持用鋼管柱の先端部5cを挿入させて、鋼管挿入支持部と仮支持用鋼管柱により、橋桁を橋脚上に仮置きし、仮置きされた橋桁を足場としてコンクリート打設空間9cにコンクリート7を打設して、鋼管柱と橋桁を一体化する。橋桁の一部を工場などで予め製作することが可能となり、狭い橋脚上で橋桁を構築する必要がなくなる。橋桁の工場施工が可能となり、作業性が向上し、短時間での施工が可能。仮置きされた橋桁や橋脚上部を足場として活用することが出来、足場の構築やその撤去にかかる工数と資材の節約が可能。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁の施工方法に関わり、特に、鋼管などによる補強材を用いた補強コンクリート製の橋脚と鋼製の上部工からなる橋梁に適用するに好適な橋梁の施工方法に関する。
【0002】
【従来技術】
橋脚に、その上部工である橋桁を接合・構築する工事は、多数の鉄筋が配置された狭い橋脚上に橋桁を接合・構築してゆくことから、その作業性が悪く、施工に時間がかかっていた。また、高所作業となり安全な足場の確保が求められることから、足場の構築やその撤去に多くの工数と資材が費やされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
こうしたことから、短時間で、安全に、橋脚上に橋桁を接合・構築する工法の開発が望まれていた。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑み、短時間で、安全に、橋脚上に橋桁を接合・構築する橋梁の施工方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、橋脚(2)及び該橋脚上に接合・構築される鋼製の橋桁(10)を、接合部(9)を介して接合して橋梁を構築する施工方法であって、前記橋脚の本体(3)を、垂直方向に構築された複数の鋼管柱(5)及びそれら鋼管柱の少なくとも外側に打設されたコンクリート(7)から構築し、
前記鋼製の橋桁の全部または一部を、予め構築しておき、
前記橋桁は、前記接合部が該橋桁を構成する部材(12、13)を型枠部材として内部にコンクリート打設空間(9c)を形成する形で形成されており、
前記接合部には、前記複数の鋼管柱のうち、少なくとも1本の仮支持用鋼管柱(5A)を受け入れ可能な筒状の鋼管挿入支持部(10a)が形成されており、
前記接合部内に前記橋脚の鋼管柱の先端部(5c)を挿入させると共に、前記鋼管挿入支持部に前記仮支持用鋼管柱の先端部(5c)を挿入させて、該鋼管挿入支持部と仮支持用鋼管柱により、前記予め構築された全部または一部の橋桁を前記橋脚の上端部(3a)に仮置きし、
その状態で、仮置きされた橋桁を足場として利用して、前記接合部のコンクリート打設空間(9c)にコンクリート(7)を打設して、前記鋼管柱と前記橋桁を一体化するようにして構成される。
【0006】
請求項2の発明は、前記鋼管挿入支持部には、多数のコンクリート流通孔(10c)が筒内外を貫通する形で穿設されて構成される。
【0007】
請求項3の発明は、前記仮置きされた橋桁を足場として利用すると共に、前記鋼管柱を反力を取るための固定部材として利用して、前記接合部のコンクリート打設空間にコンクリートを打設して、前記鋼管柱と前記橋桁を一体化するようにして構成される。
【0008】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、橋桁が橋脚の鋼管柱を利用して橋脚(2)上に仮置きされるので、当該仮置きされた橋桁を足場として利用して、コンクリートの打設作業などの橋梁構築作業を行うことが出来る。これにより、橋桁の全部または一部を工場などで予め製作した形で施工現場に搬入し、橋脚上に載置することが可能となり、狭い橋脚上で橋桁を最初から構築してゆく必要がなくなる。また、橋桁の工場施工が可能となることから、その作業性が向上し、短時間での施工か可能となる。
【0009】
また、仮置きされた橋桁や橋脚上部を足場として活用することが出来るので、足場の構築やその撤去にかかる工数と資材を大幅に節約することが出来る。
【0010】
請求項2の発明によれば、コンクリート流通孔(10c)により、接合部(9)内のコンクリート打設空間(9c)内に配置された鋼管挿入支持部(10a)内外に確実に打設コンクリートを流通させることが出来、信頼性の高い施工が可能となる。
【0011】
また、請求項3の発明によれば、橋脚上部及び鋼管柱を足場や反力を取るための固定部材として利用することにより、足場及び反力受け部材を別に設ける必要が無く、橋桁の接合・構築作業を鋼管柱を利用して円滑に行うことが出来る。
【0012】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、橋脚と橋桁からなる橋梁の一例を示す正面図、図2は図1の側面図、図3は図2の平面図、図4は橋桁の接合部部分を示す側面図、図5は図3の正面図、図6は図5のA−A断面図、図7は図5のB−B断面図である。
【0014】
橋梁1は、図1及び図2に示すように、図示しない地盤に立設された橋脚2を有しており、橋脚2は、柱状に構築された本体3を有している。本体3は、3本の鋼管柱5が2列配置で垂直方向に構築された形の、6本の鋼管柱5を有しており、各鋼管柱5の外周部には、リブ5bが形成されている。各鋼管柱5は所定長さのリブ付き鋼管5aを、図中上下方向に直列に接続した形で形成されており、また、6本の鋼管柱5の周囲には、図2に示すように、帯筋6が所定の間隔で上下方向に巻設されている(図1は図示を省略)。帯筋6の内側には、図中上下方向に主筋(図示せず)が本体3を貫通する形で配置されており、更に、それら鋼管柱5の間と帯筋6及び主筋の周囲には、コンクリート7が打設されて、本体3の外形を形成している。なお、橋脚2を構成する鋼管柱5の数や、その配置態様、帯筋6や主筋の有無や、配置態様は各種の態様を採用することが出来る。なお、本体3内の主筋の数は、鋼管柱5がコンクリートの補強部材として作用するので、全くないか大幅に少なくすることが出来る。
【0015】
本体3の上部は、橋脚2と上部工である主橋桁10が接合される接合部9内に、その鋼管柱5の上端を嵌入させる形で形成されており、6本の鋼管柱5のうち、図1左右方向における中央部の2本の鋼管柱5A、5Aは、他の鋼管柱5よりも長さがL2だけ短く形成されている。当該2本の鋼管柱5A、5Aは、先端及び周辺が上部工である主橋桁10に溶接された、後述する鋼管挿入支持部10a、10aに嵌入係合させた形となっている。
【0016】
主橋桁10は、図3に示すように、床板(道路)の敷設方向である矢印C、D方向に、所定長さにわたり伸延する3本の桁12、12、12を有しており、各桁12は、断面がI型の鋼材から形成されている。それら桁12、12、12間には、鋼製の補強梁13がそれら桁12間を接続する形で複数個、設けられている。主橋桁10の、床板敷設方向における図中中央部には、橋脚2と上部工が接合される接合部9が、形成されており、3本の桁12のうち、図中中央の桁12Aは、図1下方、即ち、橋脚2側がフランジ12a及びウエブ12b部分が切り欠かれて、図3及び図5に示すように、穴あき鋼管により形成された鋼管挿入支持部10a、10aが形成されている。鋼管挿入支持部10aの図5下方には、挿入口10d、10dが、鋼管柱5Aの先端部をそれぞれ受け入れ可能に図5下方に開口する形で形成されている。
【0017】
桁12Aは、接合部9に対応する部分のフランジ12aが、その幅W1を、他の部分よりも大きくする形で形成されており、更に、接合部9の周囲には、図3に示すように、前述した補強梁13A、13Bが互いに対向する形で配置されている。
【0018】
補強梁13A、13Bは、図4に示すように、接合部9の外殻9aを形成しており、各補強梁13A、13Bの接合部9の外周側には、補強リブ13aが、床板(道路)の敷設方向に対して直行する方向(幅方向)である矢印E、F方向に多数形成されている。また、各補強梁13A、13Bの接合部9の内周9b側、即ち、コンクリート7が打設される側には、打設されるコンクリート7との付着を取るための、ジベルなどの付着部材9dが、図3に示すように、多数設けられている。なお、付着部材9dは、補強梁13A、13Bばかりでなく、接合部9の内周9b側となる、図3左右の桁12,12及び接合部9内部に位置する桁12Aのウエブ12b部分にも多数形成されている。
【0019】
接合部9は、前述の補強梁13A、13B及び図3左右の桁12、12などの主橋桁10を構成する部材により周囲を囲まれ、それら部材を型枠として兼用する形で、内部にほぼ直方体のコンクリート打設空間9cを形成しており、コンクリート打設空間9cには、図2に示すように、橋脚2の本体3の上端部3aから所定の高さHまでコンクリート7が打設充填されている。
【0020】
柱梁接合構造体1は、以上のような構成を有するので、橋脚2上に、上部工である主橋桁10を接合構築するには、まず、橋脚2を、本体3の上端部3aあるいはその少し下までコンクリート7を打設して構築する。この状態では、本体3の上端部3aから、6本の鋼管柱5の先端部5cが所定長さL1、L3だけそれぞれ図1上方に突出した状態となっている。
【0021】
次に、床板敷設方向である矢印C、D方向に所定長さとなるように、工場などであらかじめ構築された主橋桁10の一部分(なお、主橋桁の全部を工場などで予め構築してきてもよい)を、図1及び図2上方からクレーンなどにより吊下し、その状態で橋脚2に向けて主橋桁10を降下移動させ、本体3の6本の鋼管柱5を、主橋桁10の中央部に形成された接合部9内のコンクリート打設空間9c内に挿入させる。この際、鋼管柱5のうち、幅方向である矢印E、F方向における中央部の鋼管柱5A、5Aの先端部5cを、桁12Aに形成された2つの鋼管挿入支持部10a、10aに挿入口10dを介して嵌入係合させる。すると、2本の鋼管柱5A、5Aの先端部5が鋼管挿入支持部10a、10aの突き当て面10eとそれぞれ当接し、主橋桁10は、鋼管挿入支持部10aに挿入された2本の鋼管柱5Aにより、橋脚2上に仮置きされることとなる。
【0022】
この状態で、橋脚2の本体上端部3a及び、仮置きされた主橋桁10を足場として利用し、また、鋼管柱5を反力を取るための固定部材として活用して、その後のコンクリートの打設作業や、主橋桁10の固定作業を行う。これにより、主橋桁10の橋脚2への載置作業及びその後の接合部9の構築作業を、短時間で行うことが出来、施工期間の短縮に寄与することが出来る。
【0023】
6本の鋼管柱5が接合部9内に挿入されたところで、接合部9内のコンクリート打設空間9cに、コンクリート7を打設すると、打設されたコンクリート7は、凝固後には、橋脚2の6本の鋼管柱5と主橋桁10を、接合部9を介して剛に接続する形となる。なお、鋼管挿入支持部10aには、図5及び図7に示すように、多数のコンクリート流通孔10cが筒内外を貫通する形で穿設されており、コンクリート打設空間9cに打設されたコンクリート7が、確実に鋼管挿入支持部10a内の鋼管柱5側に流通するように構成されている。
【0024】
この際、既に述べたように、構築済みの橋脚本体3の上端部3aや、その上部に突出した鋼管柱5を足場や仮固定材として使用することが出来るので、主橋桁10の橋脚2への載置作業を、特別な足場や仮固定材を用いることなく容易かつ確実に行うことが出来る。
【0025】
なお、既に述べたように、鋼管柱5Aと桁12Aの鋼管挿入支持部10aの間には、図5及び図7に示すように、コンクリート流通孔10cが多数形成されているので、打設されたコンクリート7は、接合部9内で隙間なく充填される。また、鋼管柱5は、既に述べたように、外部にリブ5bが多数形成されているので、打設されたコンクリート7と良好な状態で一体化される。更に、接合部9を形成する桁12、12A及び補強梁13A、13Bに設けられた付着部材9dにより、打設されたコンクリート7と接合部9の桁12、12A及び補強梁13A、13Bも、強固に一体化され、結果的に橋脚2と主橋桁10は、接合部9を介して一体化される。
【0026】
なお、鋼管挿入支持部10a以外の接合部9内に挿入される、鋼管柱5の先端部5cの接合部9内への突き出し長さL3(図1参照)、即ち、埋め込み深さは、鋼管直径の2倍程度の長さがあれば十分であるが、必ずしも、鋼管挿入支持部10a以外に配置される全ての鋼管柱5の接合部9内への突き出し長さL3は同じ長さである必要はない。
【0027】
これにより、主橋桁10と鋼管柱5との間は、現場での溶接作業などを行うことなく、一体化することが出来る。また、橋脚本体3内に配置される主筋の量を、鋼管柱5により大幅に少なくすることが出来るので、橋脚2上に、上部工である主橋桁10を設置する際の、それら主筋を通過させるための削孔作業や溶接作業は、大幅に減少させることが出来る。
【0028】
また、橋脚2と主橋桁10を一体的に接続するためのコンクリート7が打設される接合部9は、主橋桁10の構造部材である、幅方向両側の桁12、12及び補強梁13A、13Bを型枠兼用部材として使用して構築されるので、接合部9を構築するための型枠を別に設ける必要がなく、型枠構築及び脱型の手間がかからない。更に内部にコンクリート7が打設されて接合部9と一体化される補強梁13A、13Bの接合部9の外側には、補強リブ13aが多数形成されており、更に、各鋼管柱5はリブ付き鋼管であること、また、接合部9内のコンクリート打設空間9cには多数の穴あきジベル及びスタッドなどのコンクリート付着部材9dがコンクリート打設空間9cに突出する形で設けられていること、主橋桁10の中央部の桁12A(複数でもよい)がコンクリート打設空間9cを貫通する形で配置されているので、コンクリート打設空間9cに打設されたコンクリート7の凝固後には、接合部9はきわめて剛性の高い構造物となり、接合部9内部に補剛材や補強筋などの接合部9の剛性を高める部材を配置する必要がなくなり、主橋桁10を構成する部材のみの簡単な構造でありながら、接合部9の剛性を向上させ、適正な柱梁接続が可能となる。
【0029】
なお、上述の実施例は、橋脚本体3の鋼管柱5のうち、図1中央部の鋼管柱5A上に、橋桁10の鋼管挿入支持部10aを嵌入係合させて、橋桁10を橋脚2上に仮置きした場合について述べたが、橋桁10を仮置きする鋼管柱5としては、図1中央部の鋼管柱5Aに限らず、橋桁10を安定的に橋脚2上に仮置き出来る限り、本体3内の複数の鋼管柱5のうち、任意の鋼管柱5を選択することが可能である。この場合、選択された鋼管柱5に対応する、橋桁10の接合部位置に、鋼管柱5が挿入される鋼管挿入支持部10aを設置しておくことは勿論である。
【0030】
また、安定的に橋桁10を仮置き出来る限り、鋼管挿入支持部10aに挿入される鋼管柱5の数、大きさなどは任意である。例えば、複数の鋼管柱5のうち、仮支持用の大口径の鋼管柱5を一本配置し、その鋼管柱5上に、鋼管挿入支持部10aを介して橋桁10を仮置きすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、橋脚と橋桁からなる橋梁の一例を示す正面図である。
【図2】図2は図1の側面図である。
【図3】図3は図2の平面図である。
【図4】図4は橋桁の接合部部分を示す側面図である。
【図5】図5は図3の正面図である。
【図6】図6は図5のA−A断面図である。
【図7】図7は図5のB−B断面図である。
【符号の説明】
1……橋梁
2……橋脚
3……本体
5、5A……鋼管柱
5c……先端部
7……コンクリート
9……接合部
9c……コンクリート打設空間
10……橋桁
10a……鋼管挿入支持部
10c……コンクリート流通孔
12……橋桁を構成する部材(桁)
13……橋桁を構成する部材(補強梁)

Claims (3)

  1. 橋脚及び該橋脚上に構築される鋼製の橋桁を、接合部を介して接合して橋梁を構築する施工方法であって、
    前記橋脚の本体を、垂直方向に構築された複数の鋼管柱及びそれら鋼管柱の少なくとも外側に打設されたコンクリートから構築し、
    前記鋼製の橋桁の全部または一部を、予め構築しておき、
    前記橋桁は、前記接合部が該橋桁を構成する部材を型枠兼用部材として内部にコンクリート打設空間を形成する形で形成されており、
    前記接合部には、前記複数の鋼管柱のうち、少なくとも1本の仮支持用鋼管柱を受け入れ可能な筒状の鋼管挿入支持部が形成されており、
    前記接合部内に前記橋脚の鋼管柱の先端部を挿入させると共に、前記鋼管挿入支持部に前記仮支持用鋼管柱の先端部を挿入させて、該鋼管挿入支持部と仮支持用鋼管柱により、前記予め構築された全部または一部の橋桁を前記橋脚の上端部に仮置きし、
    その状態で、仮置きされた橋桁を足場として利用して、前記接合部のコンクリート打設空間にコンクリートを打設して、前記鋼管柱と前記橋桁を一体化するようにして構成した、
    橋梁の施工方法。
  2. 前記鋼管挿入支持部には、多数のコンクリート流通孔が筒内外を貫通する形で穿設されている、請求項1記載の橋梁の施工方法。
  3. 前記仮置きされた橋桁を足場として利用すると共に、前記鋼管柱を反力を取るための固定部材として利用して、前記接合部のコンクリート打設空間にコンクリートを打設して、前記鋼管柱と前記橋桁を一体化するようにして構成した、請求項1記載の橋梁の施工方法。
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