JP2004264659A - 光送受信モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】光学素子の部品数が少なくコンパクトな光送受信モジュールを提供する。
【解決手段】光送受信モジュールにおいては、パッケージ1内に、レーザダイオード2と、フォトダイオード3と、バイナリ型の1.3μm用DOEレンズ4と、1.55μm用DOEレンズ5とが配置されている。光ファイバ6が、その端面が光送受信モジュールと対向するように配置されている。レーザダイオード2は波長1.3μmの光7を放射し、フォトダイオード3は波長1.55μmの光8を受光する。両DOEレンズ4、5は、両波長の光7、8に対して、互いに異なる回折次数の主たる回折作用を有する。レーザダイオード2から光ファイバ6に至る光軸と、フォトダイオード3から光ファイバ6に至る光軸とが分離されている。
【選択図】 図1
【解決手段】光送受信モジュールにおいては、パッケージ1内に、レーザダイオード2と、フォトダイオード3と、バイナリ型の1.3μm用DOEレンズ4と、1.55μm用DOEレンズ5とが配置されている。光ファイバ6が、その端面が光送受信モジュールと対向するように配置されている。レーザダイオード2は波長1.3μmの光7を放射し、フォトダイオード3は波長1.55μmの光8を受光する。両DOEレンズ4、5は、両波長の光7、8に対して、互いに異なる回折次数の主たる回折作用を有する。レーザダイオード2から光ファイバ6に至る光軸と、フォトダイオード3から光ファイバ6に至る光軸とが分離されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバを用いた光通信システムに用いられる光送受信モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを用いた光通信システムないしは光通信ネットワーク、例えばFTTH(Fiber To The Home)では、1本の光ファイバで双方向の光伝送を行うので、光加入者線終端装置には光を送受信するための光送受信モジュールが設けられる(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された光送受信モジュールでは、レーザダイオード用パッケージ内に納められたレーザダイオード(LD)から放射された1.3μmの光は、該光を光ファイバに入射させるためのレーザダイオード用レンズによって収束され、この後、プリズム端面に波長選択フィルタを備えたカプラを通過して、光ファイバに入射する。一方、光ファイバから射出された1.55μmの光は、波長選択フィルタによって反射され、この後、フォトダイオード用レンズによって収束され、フォトダイオード用パッケージ内に納められたフォトダイオード(PD)で検出される。
【0004】
特許文献2に開示された光送受信モジュールでは、送信時には、発光素子から放射された光ビームが、回折格子を透過し、レンズによって光ファイバの端面上に集光される。一方、受信時には、光ファイバの端面から射出された受信光ビームが、レンズを経て回折格子に達する。そして、回折格子により回折されて、その+1次回折光ビームが受光素子の光検出面上に集光される。
【0005】
特許文献3に開示された光送受信モジュールでは、入射光ビームに対して光軸が偏向しない0次回折光ビームだけが、レンズを経て光ビームとなり、光ファイバの端面上に集光されて光ファイバ内を伝送されてゆく。一方、他の光モジュールなどから光ファイバ内を伝送されてこの光送受信モジュールに達し、光ファイバ端面から出射した光ビームは、送信光ビームとは逆の光路をたどり、再びレンズを透過して回折格子に達する。そして、送信時と同様に、回折格子によって回折され、いくつかの回折光ビームが発生する。このうち、+1次回折光ビームが発光素子の近傍に設けられた受光素子の受光面上に集光し、受信信号が検出される。
【0006】
特許文献4に開示された光送受信モジュールでは、外部から入射する入射光が回折格子によって回折される位置に光検出器が配置されている。また、特許文献5に開示された光送受信モジュールでは、光ファイバと、一体化光電/電光変換器との間を光学的に結合するためのカップリングレンズが設けられている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−180671号公報(段落[0007]、図1)
【特許文献2】
特開平7−104154号公報(段落[0023]〜[0024]、図1)
【特許文献3】
特開平7−261054号公報(段落[0020]〜[0021]、図1)
【特許文献4】
特開平3−106091号公報(第4頁右上欄、第3図)
【特許文献5】
特開平9−325246号公報(段落[0013]〜[0014]、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された光送受信モジュールの構成では、レーザダイオードパッケージ、フォトダイオードパッケージ、レーザダイオード用レンズ、フォトダイオード用レンズ、カプラ、光ファイバ等を設けなければならないので、光学部品の数が多くなり、その製造コストが高くなるといった問題がある。また、各光学素子間の光軸調整を行う必要があるので、その調整作業に非常に手間がかかるといった問題がある。さらに、光路を垂直方向に2分岐しているため、光送受信モジュール全体のサイズが大きくなるといった問題がある。また、特許文献2〜5に開示された光送受信モジュールの構成では、回折効率、とくに1.3μmの光に対する1次回折効率が低いといった問題がある。
【0009】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、光学素子の部品数が少なくコンパクトな光送受信モジュールを提供することを解決すべき課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる光送受信モジュールは、光ファイバにより双方向に伝送される光を送受信する光送受信モジュールにおいて、(i)第1の波長の光を放射する光源と、(ii)光ファイバから射出された第2の波長の光を受光する受光部と、(iii)第1の波長の光と第2の波長の光とに対して、互いに異なる回折次数の主たる回折作用を有する、階段形状の回折光学素子面を有するバイナリ型の回折光学素子とを有し、(iv)回折光学素子は、光源から光ファイバに至る第1の光軸と、受光部から光ファイバに至る第2の光軸とを分離させていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明のいくつかの実施の形態を具体的に説明する。なお、以下の各実施の形態にかかる図面において、各実施の形態に共通な構成要素には、同一の参照番号が付されている。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる光送受信モジュールの構成を示している。図1に示すように、この光送受信モジュールにおいては、パッケージ1内に、レーザダイオード2(LD)と、フォトダイオード3(PD)と、1.3μm用DOE(Diffraction Optical Element:回折光学素子)レンズ4と、1.55μm用DOEレンズ5とが配置されている。そして、光ファイバ6が、その端面が光送受信モジュール(1.55μm用DOEレンズ5)と対向するように配置されている。ここで、レーザダイオード2は波長1.3μmの光7を放射(射出)し、フォトダイオード3は波長1.55μmの光8を受光する。
【0013】
このように、実施の形態1にかかる光送受信モジュールでは、普通のレンズやカプラの代わりに、それぞれ波長選択性を有する回折光学素子(DOE)からなる2種のDOEレンズ4、5が用いられている。これらのDOEレンズ4、5は、いずれも、特定の波長の光に対してはレンズ作用を有し、かつ、上記波長とは異なる特定の波長の光に対しては単なる平行平面板として作用する。具体的には、1.3μm用DOEレンズ4は、レーザダイオード2の発振波長1.3μmの光7に対してはレンズ作用を有し、フォトダイオード3の受信波長1.55μmの光8に対しては平行平面板として作用する。一方、1.55μmDOEレンズ5は、レーザダイオード2の発振波長1.3μmの光7に対しては平行平面板として作用し、フォトダイオード3の受信波長1.55μmの光8に対してはレンズ作用を有する。
【0014】
レーザダイオード2とフォトダイオード3とは、1つのパッケージ1内において1つの基板9上の異なる位置に配置されている。ここで、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7は、1.3μm用DOEレンズ4によって、該光7の伝播方向にみて後段に位置する光ファイバ6に入射するよう収束させられる。波長1.3μmの光7は、この後1.55μm用DOEレンズ5に入射するが、1.55μm用DOEレンズ5が平行平面板として作用するので、そのまま1.55μmDOEレンズ5通過し、光ファイバ6に入射する。
【0015】
一方、光ファイバから射出された波長1.55μmの光8は、まず、1.55μm用DOEレンズ5によって収束させられる。この1.55μm用DOEレンズ5は偏芯効果を有しているので、波長1.55μmの光8は、光軸が傾いた状態で1.55μm用DOEレンズ5から射出される。波長1.55μmの光8は、この後、1.3μm用DOEレンズ4に入射するが、1.3μm用DOEレンズ4は平行平面板として作用するので、そのまま1.3μm用DOEレンズ4を通過し、フォトダイオード3に入射する。
【0016】
次に、図2(a)〜(c)を参照しつつ、実施の形態1で用いられる両DOEレンズ4、5の構造及び光学的特性を説明する。図2(a)は、普通のレンズである。これに対し、図2(b)は、キノフォーム型DOEレンズと呼ばれている回折光学素子レンズであり、一定の高さ毎にレンズ断面を切断して結合した形状のものである。また、図2(c)は、バイナリ型DOEレンズと呼ばれている回折光学素子レンズであり、キノフォーム型DOEレンズの斜面部および曲面部を階段状に近似化した形状を有している。本発明では、両DOEレンズ4、5にはバイナリ型DOEレンズを用いている。なお、キノフォーム型DOEレンズを用いてもよい。
【0017】
図3(a)、(b)は、それぞれ、1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5の正面図である。図3(a)、(b)に示すように、正面からみると、両DOEレンズ4、5には、それぞれ、回折格子の輪体が現れている。また、図3(b)から明らかなとおり、1.55μm用DOEレンズ5は、1.55μmの光8の光軸を傾斜させるためにレンズ中心軸が偏芯させられ、このため回折格子の輪体はレンズ中心から外側にずれている。
【0018】
次に、階段形状の回折光学素子面を有し、波長選択性を有するバイナリ型の両DOEレンズ4、5の特徴を説明する。
図4に示すように、両DOEレンズ4、5の段の高さhは、階段形状の回折光学素子面の各段の高さで定義される。
【0019】
図5(a)、(b)は、それぞれ、バイナリ段数が6段の1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5における、0次光および±1次回折光の回折効率の段の高さhに対する依存性(回折効率と段高さhとの関係)を計算した結果を示すグラフである。なお、この計算では、両DOEレンズ4、5の材料の屈折率nを1.5としている。
【0020】
図5(a)に示すグラフでは、段の高さhの範囲は2.9〜3.3μmであるが、この図から分かるように、段の高さhが約3.1μmのときには、波長1.55μmの光8はすべて(100%)0次光となる。つまり、1.3μm用DOEレンズ4は、1.55μmの光8に対しては平行平面板として機能する。また、波長1.3μmの光7の約80%は1次回折光となる。つまり、1.3μm用DOEレンズ4は、波長1.3μmの光7に対してはレンズとして機能する。よって、バイナリ段数が6段の1.3μm用DOEレンズ4は、段の高さhを3.1μmに設定すれば、波長1.3μmの光7に対してはレンズ作用を有し、波長1.55μmの光8に対しては平行平面板として作用するといった前記機能を全うすることができる。
【0021】
一方、図5(b)に示すグラフでは、段の高さhの範囲は2.4〜2.8μmであるが、この図から分かるように、段の高さhが約2.55μmのときには、波長1.3μmの光7の約95%が0次光となる。つまり、1.55μm用DOEレンズ5は、波長1.3μmの光7に対しては平行平面板として機能する。また、波長1.55μmの光8の約80%は−1次回折光となる。つまり、1.55μm用DOEレンズ5は、波長1.55μmの光8に対してはレンズとして機能する。よって、バイナリ段数が6段の1.55μm用DOEレンズ5は、段の高さhを2.55μmに設定すれば、波長1.55μmの光8に対してはレンズ作用を有し、波長1.3μmの光7に対しては平行平面板として作用するといった前記機能を全うすることができる。
【0022】
本願発明者らは、波長1.3μmの光7と波長1.55μmの光8との回折特性の重なり合いはバイナリ段数によって変化するが、バイナリ段数を6段にしたときは、両DOEレンズ4、5は、段の高さhを上記のように設定することにより、波長1.3μmの光7と波長1.55μmの光8とに対する波長選択性を備えることを見出した。このように、実施の形態1にかかる光送受信モジュールは、0次光の回折ピークと±1次回折光の回折ピークとを合わせることにより、波長の変動、DOEへの入射角度の広がり、DOEの製作誤差、DOE素子の屈折率変化等の設定誤差に対する回折効率の変動を小さくすることができるといった大きな利点を有する。
【0023】
前記のとおり、実施の形態1にかかる光送受信モジュールでは、フォトダイオード3が受光する波長1.55μmの光8を回折させる1.55μm用DOEレンズ5のみを偏芯させている。しかし、これとは逆に、レーザダイオード2が放射する波長1.3μmの光8を回折させる1.3μm用DOEレンズ4のみを偏芯させてもよく、また両DOEレンズ4、5を互いに逆方向に偏芯させてもよい。なお、段の高さhの最適値はDOEレンズ4、5の材料の屈折率によって変化する。例えば、DOEレンズ4、5の材料としてシリコンを用いた場合、その屈折率nは3.5であるので、段高さhの最適値は、屈折率nが1.5の場合の1/5となる(n−1の逆数:(1.5−1)/(3.5−1)=1/5)。
【0024】
ところで、レーザダイオード2とフォトダイオード3とが接近して配置されている場合、レーザダイオード2に印加される電気信号の一部がフォトダイオード3から電気信号を取り出す回路に漏出し、信号の認識または判定の誤りを引き起こす可能性がある。しかし、これは、レーザダイオード2に印加される電気信号を用いてフォトダイオード3からの電気信号を相殺(キャンセル)することにより対処することができる。
【0025】
以上、実施の形態1にかかる光送受信モジュールは、従来の光送受信モジュールに比べて、光学部品数が少なく、またレーザダイオード2とフォトダイオード3とが垂直方向に分離して配置されないので、そのサイズがコンパクトになるという利点を有する。また、一方の波長の光に何ら作用を及ぼすことなく、もう一方の波長の光を集光および屈曲させることができるので、光学設計の自由度が増し、該光送受信モジュールと光ファイバ6との結合効率を高めることができる。
【0026】
実施の形態2.
以下、図6(a)、(b)および図7(a)、(b)を参照しつつ、本発明の実施の形態2を具体的に説明する。ただし、実施の形態2にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0027】
実施の形態2にかかる光送受信モジュールでは、1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5のバイナリ段数を、実施の形態1にかかる光送受信モジュールとは異なる値に設定することにより、回折効率をより向上させるようにしている。その他の点は、実施の形態1の場合と同様である。
【0028】
図6(a)、(b)は、それぞれ、実施の形態1の場合とは異なりバイナリ段数が7段である場合の、1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5における0次光および±1次回折光の回折効率の段高さhに対する依存性を計算した結果を示すグラフである。なお、図6(a)、(b)における段の高さhの範囲は、それぞれ、図5(a)、(b)の場合と同様である。
【0029】
図6(a)に示すように、バイナリ段数が7段の場合、1.3μm用DOEレンズ4については、波長1.55μmの光8の0次光と波長1.3μmの光7の1次回折光とで回折効率のピークがずれている。しかし、図6(b)に示すように、1.55μm用DOEレンズ5については、波長1.3μmの光7の0次光の回折効率のピークと波長1.55μmの−1次回折光の回折効率のピークとが一致している。また、波長1.55μmの光8の−1次回折光の回折効率のピーク値も約90%まで上昇している。
【0030】
図7(a)、(b)は、それぞれ、バイナリ段数が5段である場合の、1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5における0次光および±1次回折光の回折効率の段の高さhに対する依存性を計算した結果を示すグラフである。なお、図7(a)、(b)における段の高さhの範囲は、それぞれ、図5(a)、(b)の場合と同様である。図7(a)、(b)から明らかなとおり、バイナリ段数が5段の場合は、両DOEレンズ4、5について、バイナリ段数が6段の場合(図5(a)、(b))と非常に良く似た傾向(結果)を示している。
【0031】
表1に、上記結果に基づくバイナリ段数と回折効率との関係をまとめて示す。
【表1】
表1 バイナリ段数と回折効率の関係
【0032】
表1から分かるように、1.3μm用DOEレンズ4については、バイナリ段数は5段から7段までの範囲であるのが好ましく、その中でも5段または6段であるのがとくに好ましい。また、1.55μm用DOEレンズ5については、バイナリ段数は6段から8段までの範囲であるのが好ましく、その中でも7段であるのがとくに好ましい。つまり、実施の形態1にかかる光送受信モジュールにおいて、1.3μm用DOEレンズ4のバイナリ段数を5段または6段とし、1.55μm用DOEレンズ5のバイナリ段数を7段とすれば、最も性能の良い結合効率を得ることができる。
【0033】
以上、実施の形態2にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、レーザダイオード2用の1.3μm用DOEレンズ4とフォトダイオード3用の1.55μmDOEレンズ5とについてのそれぞれのバイナリ段数を最適化しているので、光結合の効率をより高めることができる。
【0034】
実施の形態3.
以下、図8を参照しつつ、本発明の実施の形態3を具体的に説明する。ただし、実施の形態3にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0035】
図8に示すように、実施の形態3にかかる光送受信モジュールでは、実施の形態1における1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5に代えて、これらを一体化した一体型DOEレンズ10が設けられている。この一体型DOEレンズ10は、単一の板状材料の表面と裏面とに、それぞれ、1.3μm用DOEレンズ面11と1.55μm用DOEレンズ面12とが形成された構造を有している。その他の点は、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様である。なお、この一体型DOEレンズ10を、個別に製作された1.3μm用DOEレンズと1.55μm用DOEレンズとを接着剤で貼り合わせて製作してもよい。
【0036】
以上、実施の形態3にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、一体型DOEレンズ10を用いているので、光学部品数がより少なくなり、そのサイズがよりコンパクトになる。
【0037】
実施の形態4.
以下、図9を参照しつつ、本発明の実施の形態4を具体的に説明する。ただし、実施の形態4にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0038】
実施の形態4にかかる光送受信モジュールでは、各DOEレンズ4、5内または両DOEレンズ4、5間での多重反射光がフォトダイオード3に入射することにより生じるクロストーク光を防止するようにしている。その他の点は、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様である。以下、実施の形態4におけるクロストーク光を防止する手法ないし手段を説明する。
【0039】
一般に、この種の光送受信モジュールでは、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光が各DOEレンズ4、5の表面で反射して戻ってくる光、各DOEレンズ4、5の両面で多重反射回折して戻ってくる光、あるいは2枚のDOEレンズ4、5の表面で多重反射回折して戻ってくる光などが存在する。このため、光ファイバ6から射出された光には、検出したい波長1.55μmの光8以外に、これらの波長1.3μmの光が含まれることになる。そして、これらの波長1.3μmの光がフォトダイオード3で受光された場合、これらの波長1.3μmの光と波長1.55μmの受信光との区別がつかず、信号の認識ないし判定に誤りが生じるおそれがある。
【0040】
図9は、これらの波長1.3μmの多重反射光がフォトダイオード3に到達することを防ぐ手法ないし手段を示している。ここで、例えばレーザダイオード2とフォトダイオード3とが、両ダイオード2、3が配置されている平面(以下、「ダイオード配置面」という。)内で、x軸方向ににずれて配置されているとする。そして、DOEレンズ4は、ダイオード配置面に対して傾けて配置されるが、この傾きを、x軸に対して垂直なy軸方向に対する傾きであるとする。
【0041】
このようにDOEレンズ4を傾けて配置すると、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光(実線の矢印)のうち、DOEレンズ4の表面で反射した光は、レーザダイオード2に対してy軸方向に偏移した位置に戻ってくる。図9では、この位置はy軸の+側となる。したがって、この波長1.3μmの光は、フォトダイオード3には到達しない。
【0042】
一方、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光に混入し、最終的にDOEレンズ4を透過する波長1.3μmの多重反射光(破線の矢印)は、y軸の一側に変移した位置に到達する。したがって、この1.3mの光もフォトダイオード3には到達しない。ここで、仮に、DOEレンズ4をx軸に対して傾けた場合、レーザダイオード2からの多重反射光は、x軸方向のフォトダイオード3とは反対側に変移した位置に到達するので、同一の効果を奏することができる。しかし、光ファイバ6からの多重反射光は、フォトダイオード3と同一方向に偏移して光が到達するので、フォトダイオード3はこの光を受光してしまうことになる。
【0043】
以上、実施の形態4にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、DOEレンズ4、5での多重反射によるクロストーク光を除去することができるので、信号の認識ないし判定を正確に行うことができる。
【0044】
実施の形態5.
以下、図10および図11を参照しつつ、本発明の実施の形態5を具体的に説明する。ただし、実施の形態5にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0045】
図10に示すように、実施の形態5にかかる光送受信モジュールでは、波長分離のための波長分離DOE13(波長分離回折光学素子)と通常のレンズ14との組み合わせが用いられている。その他の点は、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様である。ここで、レンズ14は、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7を光ファイバ6に集光させる(光結合する)とともに、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8をフォトダイオード3に受光させるために用いられる。そして、波長分離DOE13は、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8の光軸を傾けるために用いられる。この波長分離DOE13は、波長1.3μmの光7に対しては平行平面板として機能する。
【0046】
図11に、波長分離DOE13の形状を示す。図11に示すように、この波長分離DOE13では、一方向に一様に並ぶ三角形状の格子列が形成されており、この三角形状の格子列は、実施の形態1の場合と同様に細かい階段形状、すなわちバイナリ形状となっている。バイナリ段の段数は実施の形態2の場合と同じく7段である。各バイナリ段の段高さhは、屈折率nが1.5の場合は、2.6μmであるのが望ましい。
【0047】
図10に示す例では、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7を一直線状に透過させ、フォトダイオード3で受光される波長1.55μmの光8を屈曲させているが、これを逆にしてもよい。この場合、波長分離DOE13は、実施の形態1の場合と同様に、バイナリ段の段数を6段とし、段高さhを3.1μm(屈折率n=1.5)とするのが望ましい。
【0048】
この実施の形態5にかかる光送受信モジュールにおいても、実施の形態4の場合と同様に波長分離DOE13は傾けて配置するのが望ましい。また、波長分離DOE13とレンズ14の配列順は図10に示す形態と逆でも良い。ただし、図10に示す配列順の方が、波長分離DOE13とフォトダイオード3との距離を長くすることができるので、より小さな分離角で波長1.3μmの光7と波長1.55μmの光とを大きく分離することができるといった利点がある。
【0049】
以上、実施の形態5にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、円形の回折格子ではなく直線状の回折格子を用いているので、その製作が容易となり、また波長分離DOE13の位置精度も緩くできるといった利点をもつ。
【0050】
実施の形態6.
以下、図12を参照しつつ、本発明の実施の形態6を具体的に説明する。ただし、実施の形態6にかかる光送受信モジュールは、実施の形態5にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態5と異なる点を説明する。
【0051】
図12に示すように、実施の形態6にかかる光送受信モジュールでは、一方の表面が一方向に並ぶ三角形状の格子列が形成されたレンズ・格子面16であり、他方の表面が普通のレンズ面17であるレンズ15が用いられている。つまり、このレンズ15は、実施の形態5における波長分離DOE13とレンズ14とを一体化したものである(図10参照)。したがって、レンズ15は、レンズ効果と波長分離効果の両方を奏する。
【0052】
以上、実施の形態6にかかる光送受信モジュールは、実施の形態5にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、波長分離用DOE素子とレンズとが一体化されているので、光学部品数をさらに減らすことができるといった利点をもつ。
【0053】
実施の形態7.
以下、図13および図14を参照しつつ、本発明の実施の形態7を具体的に説明する。ただし、実施の形態7にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0054】
一般に、大きなパワーを有するDOEレンズでは、回折格子のピッチが狭くなり、その製作が困難となる。また、回折効率が低下するといった欠点がある。
そこで、図13に示すように、実施の形態7にかかる光送受信モジュールでは、光学系の球面レンズ18と偏芯非球面DOEレンズ19とを用いている。ここで、偏芯非球面DOEレンズ19は、レーザダイオード2の発振波長1.3μmの光7に対しては回折作用を及ぼす一方、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8に対しては平行平面板として作用する。なお、図14は、偏芯非球面DOEレンズ19の正面図である。
【0055】
一般に、レーザダイオード2から光ファイバ6への波長1.3μmの光7の入射は非常に高い精度(組み立て精度)を必要とするので、できるかぎり効率を高くするために非球面レンズを用いることが多い。これに比べて、フォトダイオード3への受光効率は、フォトダイオード3の受光面積が大きいことから、通常の球面レンズで充分である。
【0056】
そこで、実施の形態7では、レーザダイオード2から光ファイバ6への光結合に必要なレンズパワーから、光ファイバ6からフォトダイオード3への光結合に必要なレンズパワーを差し引いたパワー分についてはDOEレンズを用い、残りの共通パワー分については球面レンズを用いるようにしている。このため、DOEレンズには非球面部分も含まれている。また、DOEレンズは、波長分離機能をもたせるために偏芯させている。つまり、このDOEレンズを、波長1.3μmの光に対しては偏芯非球面レンズとして機能させるようにしている。
【0057】
かくして、実施の形態7にかかる光送受信モジュールでは、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7は、まず偏芯非球面DOEレンズ19によって、非球面による収差補正を含んだいくらかのパワーによって収束されつつ、光軸が傾いた状態で射出される。そして、この波長1.3μmの光7は、球面レンズ18によって再度収束され、光ファイバ6に入射する。
【0058】
一方、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8は、球面レンズ18により収束作用を受けた後、偏芯非球面DOEレンズ19はそのまま透過し、フォトダイオード3で受光される。なお、レーザダイオード2から放射された1.3μmの光7が球面レンズ18の中心と光ファイバ6とを結ぶ光軸に対して傾いて射出されるよう、レーザダイオード2とフォトダイオード3とを搭載している基板9は傾いて配置されている。
【0059】
図14に示す偏芯非球面DOEレンズ19は、実施の形態1にかかる光送受信モジュールにおける1.3μmDOEレンズ4と同様に、バイナリ段数が6段のバイナリ形状のものであるのが望ましい。この場合、段の高さhは、屈折率nが1.5であれば、3.1μmであるのが望ましい。図14に示すように、偏芯非球面DOEレンズ19は非球面レンズとなっているため、格子の輪体の間隔は一様ではない。
【0060】
また、球面レンズ18と偏芯非球面DOEレンズ19の配列順は図13に示す形態と逆でもよい。ただし、図13に示すように、レーザダイオード2側に偏芯非球面DOEレンズ19を配置した配列順の方が、非球面による収差補正効果が高くなるといった点で有利である。
【0061】
また、偏芯非球面DOEレンズ19は、波長によって焦点距離が変化するといった特性を有する。このため、レーザダイオード2の発振波長が温度変化等により変化したときには、焦点距離の変化により光ファイバ6への入射効率が低下するといった欠点がある。この欠点は、球面レンズ18が有するパワーの波長依存性を利用することにより克服することができる。すなわち、偏芯非球面DOEレンズ19は、波長が長いほどパワーが大きくなるといった特性をもつが、これは通常のレンズとは逆の特性である。したがって、波長変化に対して、球面レンズ18と偏芯非球面DOEレンズ19とについての全体パワーが変化しないよう、球面レンズ18の材質と、両レンズ18、19へのパワー配分を適切に設定すればよい。
【0062】
以上、実施の形態7にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、球面レンズ18と偏芯非球面DOEレンズ18とを組み合わせているので、偏芯非球面DOEレンズ19の製作性を向上させることができ、また結合効率も向上させることができる。また、球面レンズ18は、フォトダイオード結合とレーザダイオード結合との共通化を図っているので、部品点数をより少なくすることができる。
【0063】
実施の形態8.
以下、図15および図16を参照しつつ、本発明の実施の形態8を具体的に説明する。ただし、実施の形態8にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0064】
図15に示すように、実施の形態8にかかる光送受信モジュールでは、反射型DOE素子20(DOEミラー)が用いられている。この反射型DOE素子20においては、光学材料からなるプレートの一方(光ファイバ側)の表面に1.3μm用DOEミラー21が形成され、他方(ダイオード側)の表面に1.55μm用DOEミラー22が形成されている。両DOEミラー21、22は、いずれも、上記プレートに形成されたレンズ形状の回折格子の表面に反射コーティングが施されたものである。両DOEミラー21、22は、一方の波長の光に対しては回折作用を有し、もう一方の波長の光に対しては平面反射作用を有し、実質的に実施の形態1における両DOEレンズ4、5と同様の機能を有する。
【0065】
かくして、実施の形態8にかかる光送受信モジュールにおいては、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7は、1.3μm用DOEミラー21によって屈曲反射され、1.55μm用DOEミラー22に向かう。この波長1.3μmの光7は1.55μm用DOEミラー22によって平面反射され、反射型DOE素子20(プレート)を透過後、光ファイバ6に入射する。一方、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8は、反射型DOE素子20(プレート)に入射後、1.55μm用DOEミラー22によって屈曲反射され、1.3μm用DOEミラー21に向かう。この波長1.55μmの光8は1.3μm用DOEミラー21によって平面反射され、反射型DOE素子20(プレート)を透過した後、フォトダイオード3で受光される。
【0066】
図16に、反射型DOEを用いたもう1つの光送受信モジュール(変形例)を示す。図16に示すように、この光送受信モジュールでは、1.3μm用DOEミラー23と1.55μm用DOEミラー24とが別体形成されている。したがって、この光送受信モジュールでは、両光7、8は、光学材料内を伝播せず、空間内を伝播する。なお、両光7、8の光路は、図15に示す光送受信モジュールと同様である。
【0067】
以上、実施の形態8にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏する。また、透過型DOEではいくらかの表面反射回折光が生じるので、この光をフォトダイオード3内に入り込ませないための工夫が必要であるが、この実施の形態8にかかる光送受信モジュールのように反射型DOE素子20ないしDOEミラー23、24を用いれば、前記のような不用光が生じないといった利点がある。
【0068】
実施の形態9.
以下、図17および図18を参照しつつ、本発明の実施の形態9を説明する。前記のとおり、実施の形態1〜8にかかる光送受信モジュールでは、いずれも、DOE素子は一方の波長に対しては回折作用を及ぼし、もう一方の波長に対しては回折作用を及ぼさないものである。これに対して、実施の形態9にかかる光送受信モジュールは、一方の波長に対しては1次回折を行わせる一方、他方の波長に対しては−1次回折を行わせるといった、回折次数が異なる回折を利用している。
【0069】
図17に、上記の回折次数が異なる回折作用を有する光送受信モジュールの一例を示す。なお、この光送受信モジュールの基本構成は、実施の形態5にかかる光送受信モジュールと同様である。図17に示すように、実施の形態9にかかる光送受信モジュールでは、波長選択DOE25と普通のレンズ26とが用いられている。ここで、波長選択DOE25は、波長1.3μmの光7を1次回折させ、波長1.55μmの光8を−1次回折させる。
【0070】
レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7は、レンズ26により収束屈曲された後、波長選択DOE25によって1次回折し、図17の紙面上で下側(手前側)に屈曲して光ファイバ6に入射する。一方、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8は、波長選択DOE素子25によって−1次回折し、図17の紙面上で上側(向こう側)に屈曲した後、レンズ26によってフォトダイオード3上に集光される。この光送受信モジュールでは、レーザダイオード2とフォトダイオード3とを搭載している基板9は、その搭載面がレーザダイオードから放射される波長1.3μmの光7の光軸に対して垂直となるように、傾けて配置されている。
【0071】
このように波長によって異なる回折次数を有する波長選択DOE25は、バイナリ段数が8段のバイナリ形状のDOEを用いることにより実現することができる。
図18に、バイナリ段数が8段の波長選択DOE25(両波長兼用DOE)についての、バイナリ段高さと回折効率との関係を示す。
【0072】
図18から分かるように、各バイナリ段の段の高さhを2.83μm(屈折率n=1.5)に設定すれば、波長1.3μmの光7の1次回折光、および、波長1.55μmの光8の−1次回折光の両方について、90%の回折効率を得ることができる。ここで、−1次回折光は、回折角が−である1次回折光を意味する。つまり、−1次回折光は1次回折光とは逆向きに回折をする。したがって、バイナリ段数が8段の波長選択DOE25は、各バイナリ段の段の高さhを2.83μm(屈折率n=1.5)に設定すれば、上記機能を全うすることができる。
【0073】
以上、実施の形態9にかかる光送受信モジュールは、波長によって逆符号となる回折次数の回折光を発生させる波長選択DOE25を用いているので、両光7、8を互いに逆方向に回折させることができ、より小さな回折角で各波長の光7、8をより大きく分離することができる。また、波長選択DOE25の製作が容易である。
【0074】
【発明の効果】
本発明にかかる光送受信モジュールは、第1の波長の光と第2の波長の光とに対して互いに異なる回折次数の主たる回折作用を有するバイナリ型の回折光学素子を用いているので、回折効率が高くなる。また、光源から光ファイバに至る第1の光軸と受光部から光ファイバに至る第2の光軸とを分離しているので、光学素子の部品数が少なくなり、該光送受信モジュールがコンパクトなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図2】(a)、(b)および(c)は、それぞれ、普通のレンズ、キノフォーム型DOEレンズおよびバイナリ型DOEレンズの立面断面図である。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ、1.3μm用DOEレンズおよび1.55μm用DOEレンズの正面図である。
【図4】バイナリ型回折格子のバイナリ段の段の高さの定義を示す図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ、6段バイナリ型の1.3μm用DOEレンズおよび1.55μm用DOEレンズにおける、バイナリ段高さと回折効率との関係を示すグラフである。
【図6】(a)および(b)は、それぞれ、7段バイナリ型の1.3μm用DOEレンズおよび1.55μm用DOEレンズにおける、バイナリ段高さと回折効率との関係を示すグラフである。
【図7】(a)および(b)は、それぞれ、5段バイナリ型の1.3μm用DOEレンズおよび1.55μm用DOEレンズにおける、バイナリ段高さと回折効率との関係を示すグラフである。
【図8】一体型DOEレンズの側面断面図である。
【図9】実施の形態4にかかる光送受信モジュールの模式的な斜視図である。
【図10】実施の形態5にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図11】波長分離DOEの斜視図である。
【図12】波長分離DOEを一体化したレンズの側面断面図である。
【図13】実施の形態7にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図14】1.3μm用偏芯非球面DOEレンズの正面図である。
【図15】実施の形態8にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図16】実施の形態8の変形例にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図17】実施の形態9にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図18】8段バイナリ型の両波長兼用型DOEレンズにおける、バイナリ段高さと回折効率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 パッケージ、 2 レーザダイオード(LD)、 3 フォトダイオード(PD)、 4 1.3μm用DOEレンズ、 5 1.55μm用DOEレンズ、 6 光ファイバ、 7 波長1.3μmの光、 8 波長1.55μmの光、10 一体型DOEレンズ、 11 1.3μm用DOEレンズ面、 12 1.55μm用DOEレンズ面、 13 波長分離DOE、 14 レンズ、 15 波長分離DOEを一体化したレンズ、 16 レンズ・格子面、 17 レンズ面、 18 球面レンズ、 19 1.3μm用偏芯非球面DOEレンズ、 20 反射型DOEレンズ、 21 1.3μm用DOEミラー、 22 1.55μm用DOEミラー、 23 1.3μm用DOEミラー、 24 1.55μm用DOEミラー、 25 波長選択DOE、 26 レンズ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバを用いた光通信システムに用いられる光送受信モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを用いた光通信システムないしは光通信ネットワーク、例えばFTTH(Fiber To The Home)では、1本の光ファイバで双方向の光伝送を行うので、光加入者線終端装置には光を送受信するための光送受信モジュールが設けられる(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された光送受信モジュールでは、レーザダイオード用パッケージ内に納められたレーザダイオード(LD)から放射された1.3μmの光は、該光を光ファイバに入射させるためのレーザダイオード用レンズによって収束され、この後、プリズム端面に波長選択フィルタを備えたカプラを通過して、光ファイバに入射する。一方、光ファイバから射出された1.55μmの光は、波長選択フィルタによって反射され、この後、フォトダイオード用レンズによって収束され、フォトダイオード用パッケージ内に納められたフォトダイオード(PD)で検出される。
【0004】
特許文献2に開示された光送受信モジュールでは、送信時には、発光素子から放射された光ビームが、回折格子を透過し、レンズによって光ファイバの端面上に集光される。一方、受信時には、光ファイバの端面から射出された受信光ビームが、レンズを経て回折格子に達する。そして、回折格子により回折されて、その+1次回折光ビームが受光素子の光検出面上に集光される。
【0005】
特許文献3に開示された光送受信モジュールでは、入射光ビームに対して光軸が偏向しない0次回折光ビームだけが、レンズを経て光ビームとなり、光ファイバの端面上に集光されて光ファイバ内を伝送されてゆく。一方、他の光モジュールなどから光ファイバ内を伝送されてこの光送受信モジュールに達し、光ファイバ端面から出射した光ビームは、送信光ビームとは逆の光路をたどり、再びレンズを透過して回折格子に達する。そして、送信時と同様に、回折格子によって回折され、いくつかの回折光ビームが発生する。このうち、+1次回折光ビームが発光素子の近傍に設けられた受光素子の受光面上に集光し、受信信号が検出される。
【0006】
特許文献4に開示された光送受信モジュールでは、外部から入射する入射光が回折格子によって回折される位置に光検出器が配置されている。また、特許文献5に開示された光送受信モジュールでは、光ファイバと、一体化光電/電光変換器との間を光学的に結合するためのカップリングレンズが設けられている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−180671号公報(段落[0007]、図1)
【特許文献2】
特開平7−104154号公報(段落[0023]〜[0024]、図1)
【特許文献3】
特開平7−261054号公報(段落[0020]〜[0021]、図1)
【特許文献4】
特開平3−106091号公報(第4頁右上欄、第3図)
【特許文献5】
特開平9−325246号公報(段落[0013]〜[0014]、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された光送受信モジュールの構成では、レーザダイオードパッケージ、フォトダイオードパッケージ、レーザダイオード用レンズ、フォトダイオード用レンズ、カプラ、光ファイバ等を設けなければならないので、光学部品の数が多くなり、その製造コストが高くなるといった問題がある。また、各光学素子間の光軸調整を行う必要があるので、その調整作業に非常に手間がかかるといった問題がある。さらに、光路を垂直方向に2分岐しているため、光送受信モジュール全体のサイズが大きくなるといった問題がある。また、特許文献2〜5に開示された光送受信モジュールの構成では、回折効率、とくに1.3μmの光に対する1次回折効率が低いといった問題がある。
【0009】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、光学素子の部品数が少なくコンパクトな光送受信モジュールを提供することを解決すべき課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる光送受信モジュールは、光ファイバにより双方向に伝送される光を送受信する光送受信モジュールにおいて、(i)第1の波長の光を放射する光源と、(ii)光ファイバから射出された第2の波長の光を受光する受光部と、(iii)第1の波長の光と第2の波長の光とに対して、互いに異なる回折次数の主たる回折作用を有する、階段形状の回折光学素子面を有するバイナリ型の回折光学素子とを有し、(iv)回折光学素子は、光源から光ファイバに至る第1の光軸と、受光部から光ファイバに至る第2の光軸とを分離させていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明のいくつかの実施の形態を具体的に説明する。なお、以下の各実施の形態にかかる図面において、各実施の形態に共通な構成要素には、同一の参照番号が付されている。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる光送受信モジュールの構成を示している。図1に示すように、この光送受信モジュールにおいては、パッケージ1内に、レーザダイオード2(LD)と、フォトダイオード3(PD)と、1.3μm用DOE(Diffraction Optical Element:回折光学素子)レンズ4と、1.55μm用DOEレンズ5とが配置されている。そして、光ファイバ6が、その端面が光送受信モジュール(1.55μm用DOEレンズ5)と対向するように配置されている。ここで、レーザダイオード2は波長1.3μmの光7を放射(射出)し、フォトダイオード3は波長1.55μmの光8を受光する。
【0013】
このように、実施の形態1にかかる光送受信モジュールでは、普通のレンズやカプラの代わりに、それぞれ波長選択性を有する回折光学素子(DOE)からなる2種のDOEレンズ4、5が用いられている。これらのDOEレンズ4、5は、いずれも、特定の波長の光に対してはレンズ作用を有し、かつ、上記波長とは異なる特定の波長の光に対しては単なる平行平面板として作用する。具体的には、1.3μm用DOEレンズ4は、レーザダイオード2の発振波長1.3μmの光7に対してはレンズ作用を有し、フォトダイオード3の受信波長1.55μmの光8に対しては平行平面板として作用する。一方、1.55μmDOEレンズ5は、レーザダイオード2の発振波長1.3μmの光7に対しては平行平面板として作用し、フォトダイオード3の受信波長1.55μmの光8に対してはレンズ作用を有する。
【0014】
レーザダイオード2とフォトダイオード3とは、1つのパッケージ1内において1つの基板9上の異なる位置に配置されている。ここで、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7は、1.3μm用DOEレンズ4によって、該光7の伝播方向にみて後段に位置する光ファイバ6に入射するよう収束させられる。波長1.3μmの光7は、この後1.55μm用DOEレンズ5に入射するが、1.55μm用DOEレンズ5が平行平面板として作用するので、そのまま1.55μmDOEレンズ5通過し、光ファイバ6に入射する。
【0015】
一方、光ファイバから射出された波長1.55μmの光8は、まず、1.55μm用DOEレンズ5によって収束させられる。この1.55μm用DOEレンズ5は偏芯効果を有しているので、波長1.55μmの光8は、光軸が傾いた状態で1.55μm用DOEレンズ5から射出される。波長1.55μmの光8は、この後、1.3μm用DOEレンズ4に入射するが、1.3μm用DOEレンズ4は平行平面板として作用するので、そのまま1.3μm用DOEレンズ4を通過し、フォトダイオード3に入射する。
【0016】
次に、図2(a)〜(c)を参照しつつ、実施の形態1で用いられる両DOEレンズ4、5の構造及び光学的特性を説明する。図2(a)は、普通のレンズである。これに対し、図2(b)は、キノフォーム型DOEレンズと呼ばれている回折光学素子レンズであり、一定の高さ毎にレンズ断面を切断して結合した形状のものである。また、図2(c)は、バイナリ型DOEレンズと呼ばれている回折光学素子レンズであり、キノフォーム型DOEレンズの斜面部および曲面部を階段状に近似化した形状を有している。本発明では、両DOEレンズ4、5にはバイナリ型DOEレンズを用いている。なお、キノフォーム型DOEレンズを用いてもよい。
【0017】
図3(a)、(b)は、それぞれ、1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5の正面図である。図3(a)、(b)に示すように、正面からみると、両DOEレンズ4、5には、それぞれ、回折格子の輪体が現れている。また、図3(b)から明らかなとおり、1.55μm用DOEレンズ5は、1.55μmの光8の光軸を傾斜させるためにレンズ中心軸が偏芯させられ、このため回折格子の輪体はレンズ中心から外側にずれている。
【0018】
次に、階段形状の回折光学素子面を有し、波長選択性を有するバイナリ型の両DOEレンズ4、5の特徴を説明する。
図4に示すように、両DOEレンズ4、5の段の高さhは、階段形状の回折光学素子面の各段の高さで定義される。
【0019】
図5(a)、(b)は、それぞれ、バイナリ段数が6段の1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5における、0次光および±1次回折光の回折効率の段の高さhに対する依存性(回折効率と段高さhとの関係)を計算した結果を示すグラフである。なお、この計算では、両DOEレンズ4、5の材料の屈折率nを1.5としている。
【0020】
図5(a)に示すグラフでは、段の高さhの範囲は2.9〜3.3μmであるが、この図から分かるように、段の高さhが約3.1μmのときには、波長1.55μmの光8はすべて(100%)0次光となる。つまり、1.3μm用DOEレンズ4は、1.55μmの光8に対しては平行平面板として機能する。また、波長1.3μmの光7の約80%は1次回折光となる。つまり、1.3μm用DOEレンズ4は、波長1.3μmの光7に対してはレンズとして機能する。よって、バイナリ段数が6段の1.3μm用DOEレンズ4は、段の高さhを3.1μmに設定すれば、波長1.3μmの光7に対してはレンズ作用を有し、波長1.55μmの光8に対しては平行平面板として作用するといった前記機能を全うすることができる。
【0021】
一方、図5(b)に示すグラフでは、段の高さhの範囲は2.4〜2.8μmであるが、この図から分かるように、段の高さhが約2.55μmのときには、波長1.3μmの光7の約95%が0次光となる。つまり、1.55μm用DOEレンズ5は、波長1.3μmの光7に対しては平行平面板として機能する。また、波長1.55μmの光8の約80%は−1次回折光となる。つまり、1.55μm用DOEレンズ5は、波長1.55μmの光8に対してはレンズとして機能する。よって、バイナリ段数が6段の1.55μm用DOEレンズ5は、段の高さhを2.55μmに設定すれば、波長1.55μmの光8に対してはレンズ作用を有し、波長1.3μmの光7に対しては平行平面板として作用するといった前記機能を全うすることができる。
【0022】
本願発明者らは、波長1.3μmの光7と波長1.55μmの光8との回折特性の重なり合いはバイナリ段数によって変化するが、バイナリ段数を6段にしたときは、両DOEレンズ4、5は、段の高さhを上記のように設定することにより、波長1.3μmの光7と波長1.55μmの光8とに対する波長選択性を備えることを見出した。このように、実施の形態1にかかる光送受信モジュールは、0次光の回折ピークと±1次回折光の回折ピークとを合わせることにより、波長の変動、DOEへの入射角度の広がり、DOEの製作誤差、DOE素子の屈折率変化等の設定誤差に対する回折効率の変動を小さくすることができるといった大きな利点を有する。
【0023】
前記のとおり、実施の形態1にかかる光送受信モジュールでは、フォトダイオード3が受光する波長1.55μmの光8を回折させる1.55μm用DOEレンズ5のみを偏芯させている。しかし、これとは逆に、レーザダイオード2が放射する波長1.3μmの光8を回折させる1.3μm用DOEレンズ4のみを偏芯させてもよく、また両DOEレンズ4、5を互いに逆方向に偏芯させてもよい。なお、段の高さhの最適値はDOEレンズ4、5の材料の屈折率によって変化する。例えば、DOEレンズ4、5の材料としてシリコンを用いた場合、その屈折率nは3.5であるので、段高さhの最適値は、屈折率nが1.5の場合の1/5となる(n−1の逆数:(1.5−1)/(3.5−1)=1/5)。
【0024】
ところで、レーザダイオード2とフォトダイオード3とが接近して配置されている場合、レーザダイオード2に印加される電気信号の一部がフォトダイオード3から電気信号を取り出す回路に漏出し、信号の認識または判定の誤りを引き起こす可能性がある。しかし、これは、レーザダイオード2に印加される電気信号を用いてフォトダイオード3からの電気信号を相殺(キャンセル)することにより対処することができる。
【0025】
以上、実施の形態1にかかる光送受信モジュールは、従来の光送受信モジュールに比べて、光学部品数が少なく、またレーザダイオード2とフォトダイオード3とが垂直方向に分離して配置されないので、そのサイズがコンパクトになるという利点を有する。また、一方の波長の光に何ら作用を及ぼすことなく、もう一方の波長の光を集光および屈曲させることができるので、光学設計の自由度が増し、該光送受信モジュールと光ファイバ6との結合効率を高めることができる。
【0026】
実施の形態2.
以下、図6(a)、(b)および図7(a)、(b)を参照しつつ、本発明の実施の形態2を具体的に説明する。ただし、実施の形態2にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0027】
実施の形態2にかかる光送受信モジュールでは、1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5のバイナリ段数を、実施の形態1にかかる光送受信モジュールとは異なる値に設定することにより、回折効率をより向上させるようにしている。その他の点は、実施の形態1の場合と同様である。
【0028】
図6(a)、(b)は、それぞれ、実施の形態1の場合とは異なりバイナリ段数が7段である場合の、1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5における0次光および±1次回折光の回折効率の段高さhに対する依存性を計算した結果を示すグラフである。なお、図6(a)、(b)における段の高さhの範囲は、それぞれ、図5(a)、(b)の場合と同様である。
【0029】
図6(a)に示すように、バイナリ段数が7段の場合、1.3μm用DOEレンズ4については、波長1.55μmの光8の0次光と波長1.3μmの光7の1次回折光とで回折効率のピークがずれている。しかし、図6(b)に示すように、1.55μm用DOEレンズ5については、波長1.3μmの光7の0次光の回折効率のピークと波長1.55μmの−1次回折光の回折効率のピークとが一致している。また、波長1.55μmの光8の−1次回折光の回折効率のピーク値も約90%まで上昇している。
【0030】
図7(a)、(b)は、それぞれ、バイナリ段数が5段である場合の、1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5における0次光および±1次回折光の回折効率の段の高さhに対する依存性を計算した結果を示すグラフである。なお、図7(a)、(b)における段の高さhの範囲は、それぞれ、図5(a)、(b)の場合と同様である。図7(a)、(b)から明らかなとおり、バイナリ段数が5段の場合は、両DOEレンズ4、5について、バイナリ段数が6段の場合(図5(a)、(b))と非常に良く似た傾向(結果)を示している。
【0031】
表1に、上記結果に基づくバイナリ段数と回折効率との関係をまとめて示す。
【表1】
表1 バイナリ段数と回折効率の関係
【0032】
表1から分かるように、1.3μm用DOEレンズ4については、バイナリ段数は5段から7段までの範囲であるのが好ましく、その中でも5段または6段であるのがとくに好ましい。また、1.55μm用DOEレンズ5については、バイナリ段数は6段から8段までの範囲であるのが好ましく、その中でも7段であるのがとくに好ましい。つまり、実施の形態1にかかる光送受信モジュールにおいて、1.3μm用DOEレンズ4のバイナリ段数を5段または6段とし、1.55μm用DOEレンズ5のバイナリ段数を7段とすれば、最も性能の良い結合効率を得ることができる。
【0033】
以上、実施の形態2にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、レーザダイオード2用の1.3μm用DOEレンズ4とフォトダイオード3用の1.55μmDOEレンズ5とについてのそれぞれのバイナリ段数を最適化しているので、光結合の効率をより高めることができる。
【0034】
実施の形態3.
以下、図8を参照しつつ、本発明の実施の形態3を具体的に説明する。ただし、実施の形態3にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0035】
図8に示すように、実施の形態3にかかる光送受信モジュールでは、実施の形態1における1.3μm用DOEレンズ4および1.55μm用DOEレンズ5に代えて、これらを一体化した一体型DOEレンズ10が設けられている。この一体型DOEレンズ10は、単一の板状材料の表面と裏面とに、それぞれ、1.3μm用DOEレンズ面11と1.55μm用DOEレンズ面12とが形成された構造を有している。その他の点は、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様である。なお、この一体型DOEレンズ10を、個別に製作された1.3μm用DOEレンズと1.55μm用DOEレンズとを接着剤で貼り合わせて製作してもよい。
【0036】
以上、実施の形態3にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、一体型DOEレンズ10を用いているので、光学部品数がより少なくなり、そのサイズがよりコンパクトになる。
【0037】
実施の形態4.
以下、図9を参照しつつ、本発明の実施の形態4を具体的に説明する。ただし、実施の形態4にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0038】
実施の形態4にかかる光送受信モジュールでは、各DOEレンズ4、5内または両DOEレンズ4、5間での多重反射光がフォトダイオード3に入射することにより生じるクロストーク光を防止するようにしている。その他の点は、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様である。以下、実施の形態4におけるクロストーク光を防止する手法ないし手段を説明する。
【0039】
一般に、この種の光送受信モジュールでは、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光が各DOEレンズ4、5の表面で反射して戻ってくる光、各DOEレンズ4、5の両面で多重反射回折して戻ってくる光、あるいは2枚のDOEレンズ4、5の表面で多重反射回折して戻ってくる光などが存在する。このため、光ファイバ6から射出された光には、検出したい波長1.55μmの光8以外に、これらの波長1.3μmの光が含まれることになる。そして、これらの波長1.3μmの光がフォトダイオード3で受光された場合、これらの波長1.3μmの光と波長1.55μmの受信光との区別がつかず、信号の認識ないし判定に誤りが生じるおそれがある。
【0040】
図9は、これらの波長1.3μmの多重反射光がフォトダイオード3に到達することを防ぐ手法ないし手段を示している。ここで、例えばレーザダイオード2とフォトダイオード3とが、両ダイオード2、3が配置されている平面(以下、「ダイオード配置面」という。)内で、x軸方向ににずれて配置されているとする。そして、DOEレンズ4は、ダイオード配置面に対して傾けて配置されるが、この傾きを、x軸に対して垂直なy軸方向に対する傾きであるとする。
【0041】
このようにDOEレンズ4を傾けて配置すると、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光(実線の矢印)のうち、DOEレンズ4の表面で反射した光は、レーザダイオード2に対してy軸方向に偏移した位置に戻ってくる。図9では、この位置はy軸の+側となる。したがって、この波長1.3μmの光は、フォトダイオード3には到達しない。
【0042】
一方、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光に混入し、最終的にDOEレンズ4を透過する波長1.3μmの多重反射光(破線の矢印)は、y軸の一側に変移した位置に到達する。したがって、この1.3mの光もフォトダイオード3には到達しない。ここで、仮に、DOEレンズ4をx軸に対して傾けた場合、レーザダイオード2からの多重反射光は、x軸方向のフォトダイオード3とは反対側に変移した位置に到達するので、同一の効果を奏することができる。しかし、光ファイバ6からの多重反射光は、フォトダイオード3と同一方向に偏移して光が到達するので、フォトダイオード3はこの光を受光してしまうことになる。
【0043】
以上、実施の形態4にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、DOEレンズ4、5での多重反射によるクロストーク光を除去することができるので、信号の認識ないし判定を正確に行うことができる。
【0044】
実施の形態5.
以下、図10および図11を参照しつつ、本発明の実施の形態5を具体的に説明する。ただし、実施の形態5にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0045】
図10に示すように、実施の形態5にかかる光送受信モジュールでは、波長分離のための波長分離DOE13(波長分離回折光学素子)と通常のレンズ14との組み合わせが用いられている。その他の点は、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様である。ここで、レンズ14は、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7を光ファイバ6に集光させる(光結合する)とともに、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8をフォトダイオード3に受光させるために用いられる。そして、波長分離DOE13は、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8の光軸を傾けるために用いられる。この波長分離DOE13は、波長1.3μmの光7に対しては平行平面板として機能する。
【0046】
図11に、波長分離DOE13の形状を示す。図11に示すように、この波長分離DOE13では、一方向に一様に並ぶ三角形状の格子列が形成されており、この三角形状の格子列は、実施の形態1の場合と同様に細かい階段形状、すなわちバイナリ形状となっている。バイナリ段の段数は実施の形態2の場合と同じく7段である。各バイナリ段の段高さhは、屈折率nが1.5の場合は、2.6μmであるのが望ましい。
【0047】
図10に示す例では、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7を一直線状に透過させ、フォトダイオード3で受光される波長1.55μmの光8を屈曲させているが、これを逆にしてもよい。この場合、波長分離DOE13は、実施の形態1の場合と同様に、バイナリ段の段数を6段とし、段高さhを3.1μm(屈折率n=1.5)とするのが望ましい。
【0048】
この実施の形態5にかかる光送受信モジュールにおいても、実施の形態4の場合と同様に波長分離DOE13は傾けて配置するのが望ましい。また、波長分離DOE13とレンズ14の配列順は図10に示す形態と逆でも良い。ただし、図10に示す配列順の方が、波長分離DOE13とフォトダイオード3との距離を長くすることができるので、より小さな分離角で波長1.3μmの光7と波長1.55μmの光とを大きく分離することができるといった利点がある。
【0049】
以上、実施の形態5にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、円形の回折格子ではなく直線状の回折格子を用いているので、その製作が容易となり、また波長分離DOE13の位置精度も緩くできるといった利点をもつ。
【0050】
実施の形態6.
以下、図12を参照しつつ、本発明の実施の形態6を具体的に説明する。ただし、実施の形態6にかかる光送受信モジュールは、実施の形態5にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態5と異なる点を説明する。
【0051】
図12に示すように、実施の形態6にかかる光送受信モジュールでは、一方の表面が一方向に並ぶ三角形状の格子列が形成されたレンズ・格子面16であり、他方の表面が普通のレンズ面17であるレンズ15が用いられている。つまり、このレンズ15は、実施の形態5における波長分離DOE13とレンズ14とを一体化したものである(図10参照)。したがって、レンズ15は、レンズ効果と波長分離効果の両方を奏する。
【0052】
以上、実施の形態6にかかる光送受信モジュールは、実施の形態5にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、波長分離用DOE素子とレンズとが一体化されているので、光学部品数をさらに減らすことができるといった利点をもつ。
【0053】
実施の形態7.
以下、図13および図14を参照しつつ、本発明の実施の形態7を具体的に説明する。ただし、実施の形態7にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0054】
一般に、大きなパワーを有するDOEレンズでは、回折格子のピッチが狭くなり、その製作が困難となる。また、回折効率が低下するといった欠点がある。
そこで、図13に示すように、実施の形態7にかかる光送受信モジュールでは、光学系の球面レンズ18と偏芯非球面DOEレンズ19とを用いている。ここで、偏芯非球面DOEレンズ19は、レーザダイオード2の発振波長1.3μmの光7に対しては回折作用を及ぼす一方、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8に対しては平行平面板として作用する。なお、図14は、偏芯非球面DOEレンズ19の正面図である。
【0055】
一般に、レーザダイオード2から光ファイバ6への波長1.3μmの光7の入射は非常に高い精度(組み立て精度)を必要とするので、できるかぎり効率を高くするために非球面レンズを用いることが多い。これに比べて、フォトダイオード3への受光効率は、フォトダイオード3の受光面積が大きいことから、通常の球面レンズで充分である。
【0056】
そこで、実施の形態7では、レーザダイオード2から光ファイバ6への光結合に必要なレンズパワーから、光ファイバ6からフォトダイオード3への光結合に必要なレンズパワーを差し引いたパワー分についてはDOEレンズを用い、残りの共通パワー分については球面レンズを用いるようにしている。このため、DOEレンズには非球面部分も含まれている。また、DOEレンズは、波長分離機能をもたせるために偏芯させている。つまり、このDOEレンズを、波長1.3μmの光に対しては偏芯非球面レンズとして機能させるようにしている。
【0057】
かくして、実施の形態7にかかる光送受信モジュールでは、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7は、まず偏芯非球面DOEレンズ19によって、非球面による収差補正を含んだいくらかのパワーによって収束されつつ、光軸が傾いた状態で射出される。そして、この波長1.3μmの光7は、球面レンズ18によって再度収束され、光ファイバ6に入射する。
【0058】
一方、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8は、球面レンズ18により収束作用を受けた後、偏芯非球面DOEレンズ19はそのまま透過し、フォトダイオード3で受光される。なお、レーザダイオード2から放射された1.3μmの光7が球面レンズ18の中心と光ファイバ6とを結ぶ光軸に対して傾いて射出されるよう、レーザダイオード2とフォトダイオード3とを搭載している基板9は傾いて配置されている。
【0059】
図14に示す偏芯非球面DOEレンズ19は、実施の形態1にかかる光送受信モジュールにおける1.3μmDOEレンズ4と同様に、バイナリ段数が6段のバイナリ形状のものであるのが望ましい。この場合、段の高さhは、屈折率nが1.5であれば、3.1μmであるのが望ましい。図14に示すように、偏芯非球面DOEレンズ19は非球面レンズとなっているため、格子の輪体の間隔は一様ではない。
【0060】
また、球面レンズ18と偏芯非球面DOEレンズ19の配列順は図13に示す形態と逆でもよい。ただし、図13に示すように、レーザダイオード2側に偏芯非球面DOEレンズ19を配置した配列順の方が、非球面による収差補正効果が高くなるといった点で有利である。
【0061】
また、偏芯非球面DOEレンズ19は、波長によって焦点距離が変化するといった特性を有する。このため、レーザダイオード2の発振波長が温度変化等により変化したときには、焦点距離の変化により光ファイバ6への入射効率が低下するといった欠点がある。この欠点は、球面レンズ18が有するパワーの波長依存性を利用することにより克服することができる。すなわち、偏芯非球面DOEレンズ19は、波長が長いほどパワーが大きくなるといった特性をもつが、これは通常のレンズとは逆の特性である。したがって、波長変化に対して、球面レンズ18と偏芯非球面DOEレンズ19とについての全体パワーが変化しないよう、球面レンズ18の材質と、両レンズ18、19へのパワー配分を適切に設定すればよい。
【0062】
以上、実施の形態7にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏するほか、球面レンズ18と偏芯非球面DOEレンズ18とを組み合わせているので、偏芯非球面DOEレンズ19の製作性を向上させることができ、また結合効率も向上させることができる。また、球面レンズ18は、フォトダイオード結合とレーザダイオード結合との共通化を図っているので、部品点数をより少なくすることができる。
【0063】
実施の形態8.
以下、図15および図16を参照しつつ、本発明の実施の形態8を具体的に説明する。ただし、実施の形態8にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと多くの共通点を有するので、以下では説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と異なる点を説明する。
【0064】
図15に示すように、実施の形態8にかかる光送受信モジュールでは、反射型DOE素子20(DOEミラー)が用いられている。この反射型DOE素子20においては、光学材料からなるプレートの一方(光ファイバ側)の表面に1.3μm用DOEミラー21が形成され、他方(ダイオード側)の表面に1.55μm用DOEミラー22が形成されている。両DOEミラー21、22は、いずれも、上記プレートに形成されたレンズ形状の回折格子の表面に反射コーティングが施されたものである。両DOEミラー21、22は、一方の波長の光に対しては回折作用を有し、もう一方の波長の光に対しては平面反射作用を有し、実質的に実施の形態1における両DOEレンズ4、5と同様の機能を有する。
【0065】
かくして、実施の形態8にかかる光送受信モジュールにおいては、レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7は、1.3μm用DOEミラー21によって屈曲反射され、1.55μm用DOEミラー22に向かう。この波長1.3μmの光7は1.55μm用DOEミラー22によって平面反射され、反射型DOE素子20(プレート)を透過後、光ファイバ6に入射する。一方、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8は、反射型DOE素子20(プレート)に入射後、1.55μm用DOEミラー22によって屈曲反射され、1.3μm用DOEミラー21に向かう。この波長1.55μmの光8は1.3μm用DOEミラー21によって平面反射され、反射型DOE素子20(プレート)を透過した後、フォトダイオード3で受光される。
【0066】
図16に、反射型DOEを用いたもう1つの光送受信モジュール(変形例)を示す。図16に示すように、この光送受信モジュールでは、1.3μm用DOEミラー23と1.55μm用DOEミラー24とが別体形成されている。したがって、この光送受信モジュールでは、両光7、8は、光学材料内を伝播せず、空間内を伝播する。なお、両光7、8の光路は、図15に示す光送受信モジュールと同様である。
【0067】
以上、実施の形態8にかかる光送受信モジュールは、実施の形態1にかかる光送受信モジュールと同様の作用・効果を奏する。また、透過型DOEではいくらかの表面反射回折光が生じるので、この光をフォトダイオード3内に入り込ませないための工夫が必要であるが、この実施の形態8にかかる光送受信モジュールのように反射型DOE素子20ないしDOEミラー23、24を用いれば、前記のような不用光が生じないといった利点がある。
【0068】
実施の形態9.
以下、図17および図18を参照しつつ、本発明の実施の形態9を説明する。前記のとおり、実施の形態1〜8にかかる光送受信モジュールでは、いずれも、DOE素子は一方の波長に対しては回折作用を及ぼし、もう一方の波長に対しては回折作用を及ぼさないものである。これに対して、実施の形態9にかかる光送受信モジュールは、一方の波長に対しては1次回折を行わせる一方、他方の波長に対しては−1次回折を行わせるといった、回折次数が異なる回折を利用している。
【0069】
図17に、上記の回折次数が異なる回折作用を有する光送受信モジュールの一例を示す。なお、この光送受信モジュールの基本構成は、実施の形態5にかかる光送受信モジュールと同様である。図17に示すように、実施の形態9にかかる光送受信モジュールでは、波長選択DOE25と普通のレンズ26とが用いられている。ここで、波長選択DOE25は、波長1.3μmの光7を1次回折させ、波長1.55μmの光8を−1次回折させる。
【0070】
レーザダイオード2から放射された波長1.3μmの光7は、レンズ26により収束屈曲された後、波長選択DOE25によって1次回折し、図17の紙面上で下側(手前側)に屈曲して光ファイバ6に入射する。一方、光ファイバ6から射出された波長1.55μmの光8は、波長選択DOE素子25によって−1次回折し、図17の紙面上で上側(向こう側)に屈曲した後、レンズ26によってフォトダイオード3上に集光される。この光送受信モジュールでは、レーザダイオード2とフォトダイオード3とを搭載している基板9は、その搭載面がレーザダイオードから放射される波長1.3μmの光7の光軸に対して垂直となるように、傾けて配置されている。
【0071】
このように波長によって異なる回折次数を有する波長選択DOE25は、バイナリ段数が8段のバイナリ形状のDOEを用いることにより実現することができる。
図18に、バイナリ段数が8段の波長選択DOE25(両波長兼用DOE)についての、バイナリ段高さと回折効率との関係を示す。
【0072】
図18から分かるように、各バイナリ段の段の高さhを2.83μm(屈折率n=1.5)に設定すれば、波長1.3μmの光7の1次回折光、および、波長1.55μmの光8の−1次回折光の両方について、90%の回折効率を得ることができる。ここで、−1次回折光は、回折角が−である1次回折光を意味する。つまり、−1次回折光は1次回折光とは逆向きに回折をする。したがって、バイナリ段数が8段の波長選択DOE25は、各バイナリ段の段の高さhを2.83μm(屈折率n=1.5)に設定すれば、上記機能を全うすることができる。
【0073】
以上、実施の形態9にかかる光送受信モジュールは、波長によって逆符号となる回折次数の回折光を発生させる波長選択DOE25を用いているので、両光7、8を互いに逆方向に回折させることができ、より小さな回折角で各波長の光7、8をより大きく分離することができる。また、波長選択DOE25の製作が容易である。
【0074】
【発明の効果】
本発明にかかる光送受信モジュールは、第1の波長の光と第2の波長の光とに対して互いに異なる回折次数の主たる回折作用を有するバイナリ型の回折光学素子を用いているので、回折効率が高くなる。また、光源から光ファイバに至る第1の光軸と受光部から光ファイバに至る第2の光軸とを分離しているので、光学素子の部品数が少なくなり、該光送受信モジュールがコンパクトなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図2】(a)、(b)および(c)は、それぞれ、普通のレンズ、キノフォーム型DOEレンズおよびバイナリ型DOEレンズの立面断面図である。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ、1.3μm用DOEレンズおよび1.55μm用DOEレンズの正面図である。
【図4】バイナリ型回折格子のバイナリ段の段の高さの定義を示す図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ、6段バイナリ型の1.3μm用DOEレンズおよび1.55μm用DOEレンズにおける、バイナリ段高さと回折効率との関係を示すグラフである。
【図6】(a)および(b)は、それぞれ、7段バイナリ型の1.3μm用DOEレンズおよび1.55μm用DOEレンズにおける、バイナリ段高さと回折効率との関係を示すグラフである。
【図7】(a)および(b)は、それぞれ、5段バイナリ型の1.3μm用DOEレンズおよび1.55μm用DOEレンズにおける、バイナリ段高さと回折効率との関係を示すグラフである。
【図8】一体型DOEレンズの側面断面図である。
【図9】実施の形態4にかかる光送受信モジュールの模式的な斜視図である。
【図10】実施の形態5にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図11】波長分離DOEの斜視図である。
【図12】波長分離DOEを一体化したレンズの側面断面図である。
【図13】実施の形態7にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図14】1.3μm用偏芯非球面DOEレンズの正面図である。
【図15】実施の形態8にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図16】実施の形態8の変形例にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図17】実施の形態9にかかる光送受信モジュールの一部断面側面図である。
【図18】8段バイナリ型の両波長兼用型DOEレンズにおける、バイナリ段高さと回折効率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 パッケージ、 2 レーザダイオード(LD)、 3 フォトダイオード(PD)、 4 1.3μm用DOEレンズ、 5 1.55μm用DOEレンズ、 6 光ファイバ、 7 波長1.3μmの光、 8 波長1.55μmの光、10 一体型DOEレンズ、 11 1.3μm用DOEレンズ面、 12 1.55μm用DOEレンズ面、 13 波長分離DOE、 14 レンズ、 15 波長分離DOEを一体化したレンズ、 16 レンズ・格子面、 17 レンズ面、 18 球面レンズ、 19 1.3μm用偏芯非球面DOEレンズ、 20 反射型DOEレンズ、 21 1.3μm用DOEミラー、 22 1.55μm用DOEミラー、 23 1.3μm用DOEミラー、 24 1.55μm用DOEミラー、 25 波長選択DOE、 26 レンズ。
Claims (18)
- 光ファイバにより双方向に伝送される光を送受信する光送受信モジュールにおいて、
第1の波長の光を放射する光源と、
前記光ファイバから射出された第2の波長の光を受光する受光部と、
第1の波長の光と第2の波長の光とに対して、互いに異なる回折次数の主たる回折作用を有する、階段形状の回折光学素子面を有するバイナリ型の回折光学素子とを有し、
前記回折光学素子は、前記光源から前記光ファイバに至る第1の光軸と、前記受光部から前記光ファイバに至る第2の光軸とを分離させていることを特徴とする光送受信モジュール。 - 前記回折光学素子は、第1の波長の光および第2の波長の光の一方に対しては回折作用により該光を屈曲させ、他方に対しては0次回折を行わせて該光を屈曲させないようになっていることを特徴とする請求項1に記載の光送受信モジュール。
- 前記回折光学素子は、第1の波長の光と第2の波長の光とを、その一方の回折次数の符号と他方の回折次数の符号とが互いに逆転するように回折させ、両光を互いに反対方向に屈曲させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の光送受信モジュール。
- 前記回折光学素子は、前記光源からの第1の波長の光を前記光ファイバに集光させるレンズ作用、または、前記光ファイバからの第2の波長の光を前記受光部に集光させるレンズ作用を有し、
かつ、レンズ中心は、前記光源から前記光ファイバに至る直線、または、前記光ファイバから前記受光部に至る直線に対して偏芯していることを特徴とする請求項1に記載の光送受信モジュール。 - 前記光源から前記光ファイバに向けて光を収束屈曲させ、かつ、前記光ファイバから前記受光部に向けて光を収束屈曲させるレンズを有し、
前記回折光学素子は、前記光源からの光を受ける入射面において、一方向に一様な格子形状を有することを特徴とする請求項1に記載の光送受信モジュール。 - 前記回折光学素子は、透過型回折光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の光送受信モジュール。
- 前記回折光学素子は、反射型回折光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の光送受信モジュール。
- 第1の波長および第2の波長は、その一方が1.3μm帯の波長であり、他方が1.55μm帯の波長であり、
前記回折光学素子の階段の段数は、5段以上8段以下であることを特徴とする請求項2に記載の光送受信モジュール。 - 第1の波長および第2の波長は、その一方が1.3μm帯の波長であり、他方が1.55μm帯の波長であり、
前記回折光学素子の階段の段数は8段であることを特徴とする請求項3に記載の光送受信モジュール。 - 前記回折光学素子は、第1の回折光学素子と第2の回折光学素子とからなり、
前記第1の回折光学素子は、前記光源からの第1の波長の光に対して該光を前記光ファイバに集光させるレンズ作用を有する一方、前記光ファイバからの第2の波長の光に対して透過作用を有し、
前記第2の回折光学素子は、前記光ファイバからの第2の波長の光に対して該光を前記受光部に集光させるレンズ作用を有する一方、前記光源からの第1の波長の光に対して透過作用を有することを特徴とする請求項4に記載の光送受信モジュール。 - 前記光源から前記光ファイバに向けて光を収束屈曲させ、かつ、前記光ファイバから前記受光部に向けて光を収束屈曲させるレンズを有していて、
前記回折光学素子は、前記光源からの第1の波長の光に対して該光を前記光ファイバに収束屈曲させるレンズ作用を有する一方、前記光ファイバからの第2の波長の光に対して透過作用を有し、または、前記光ファイバからの第2の波長の光に対して該光を前記受光部に集光させるレンズ作用を有する一方、前記光源からの第1の波長の光に対して透過作用を有することを特徴とする請求項4に記載の光送受信モジュール。 - 前記第1の回折光学素子と第2の回折光学素子とは、それぞれ、1つの部材の互いに反対向きの両面に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の光送受信モジュール。
- 前記透過型回折光学素子は、前記光源と前記受光部とが位置する平面内において、前記光源と前記受光部とを結ぶ軸に対して垂直な軸方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とする請求項6に記載の光送受信モジュール。
- 前記回折光学素子は、前記レンズ表面に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の光送受信モジュール。
- 前記回折光学素子は、前記レンズ作用として、偏芯非球面作用を有することを特徴とする請求項11に記載の光送受信モジュール。
- 前記光源と前記受光部とは同一基板上に配置され、
前記基板と前記回折光学素子とは、密封された1つのパッケージ内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の光送受信モジュール。 - 前記光源に送る送信用電気信号と前記受光部からの受信電気信号とを相殺することにより、相互の電気的クロストークを除去するようになっていることを特徴とする請求項16に記載の光送受信モジュール。
- 第1の波長および第2の波長は、一方が1.3μm帯の波長であり、他方が1.55μm帯の波長であり、
前記第1の回折光学素子の階段の段数は5段または6段であり、
前記第2の回折光学素子の階段の段数は7段であることを特徴とする請求項10に記載の光送受信モジュール。
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