JP2004265677A - 非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネシウムをベースとした活物質を正極及び負極に用い、高容量でかつ安全性の高い非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】鎖状エーテルを含むエーテル系溶媒とビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドマグネシウム又はトリフルオロメチルスルホネートマグネシウム等のマグネシウム塩とを含む非水電解質と、マグネシウム金属、マグネシウム合金、マグネシウム酸化物、珪素、炭素、フッ化炭素、遷移金属硫化物等を活物質とした正極及び負極とを具備した非水電解質電池。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高エネルギー密度の二次電池として、非水電解質を使用し、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うようにした非水電解質二次電池の研究が盛んに行われている。
【0003】
近年、小型ビデオカメラ、携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子・通信機器等に用いられる電池として、イオン伝導媒体としてリチウムイオンを用いたものが提案されている。これらは、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な合金もしくは炭素材料、珪素材料などを負極活物質とし、層状のコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、あるいはスピネル型のマンガン酸リチウム(LiMn)等のリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質材料とするとともに、エチレンカーボネートやジエチルカーボネートなどの有機溶媒にLiBFやLiPF等のリチウム塩からなる電解質を溶解させたものを用いたリチウムイオン電池で代表され、これらの非水電解質電池は、小型軽量でかつ高容量で充放電可能な電池として実用化が期待されている。
【0004】
また、フッ化炭素を正極活物質として用い、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属よりなる負極と、非水系の電解質とを用いた電池も提案されている(特許文献1参照 )
【0005】
その一方で、エネルギー密度という観点から、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属あるいはアルミニウムなどの軽金属を負極活物質として用いる研究が行われている。
【0006】
イオン伝導媒体として、リチウムイオンに代えてマグネシウムイオンを用いた場合、反応電子数が大きくまた安価であると共に、安定であるため安全性に優れるという利点がある。
【0007】
マグネシウムは、標準電極電位が−2.375V(vsNHE)と低く、軽量である上、リチウムに比べて安価で取り扱いが容易であり、かつ資源的にも豊富であるなどの利点により電池の負極としてすぐれた材料である。
【0008】
マグネシウムを負極に用いた電池は、水溶液系の電池としてMg−MnO電池、Mg注水電池、Mg−空気電池などがあり、安価で長期保存性が良いなどの利点がある。しかしながらいったん使用をはじめると保存特性が著しく悪化することや、電池電圧が低く高容量が期待できないため、現在はほとんど使われていない。
【0009】
一方、高電圧が期待できる非水系のマグネシウム電池は、マグネシウムの溶解は比較的容易に起こるが、マグネシウムの析出が困難であるため、二次電池化には困難が伴うという問題があった。
【0010】
このような非水溶媒中でマグネシウムの析出が困難であるのは、マグネシウムと電解液との反応によってマグネシウム表面に被膜が形成されるためである。この被膜はLiのような一価のイオンは通すが、Mgのような二価のイオンは通さない。このため、マグネシウムが析出できない。
【0011】
また、非水系マグネシウム電池の可逆的な充放電を行うべく、グリニヤール試薬を用いた例が提案されている(非特許文献1参照)。グリニヤール試薬は、エーテル系溶媒を含むものであるが、塩ではなく有機金属化合物であり、爆発の危険もあった。
【0012】
【特許文献1】
特公昭48−25666号公報
【非特許文献1】
充電可能なマグネシウム電池のためのプロトタイプシステム:D.Aurbach.Nature407(2000)724
【発明が解決しようとする課題】
このようにマグネシウムを活物質として用いた電池も提案されているものの、従来の非水電解質電池では、電解質として、過塩素酸マグネシウムや、グリニヤール試薬などを用いているため、反応性が高く、酸素を発生し易く、安全性に問題があった。
【0013】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、高容量で、安全性の高い非水電解質電池を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の非水電解質電池は、エーテル系溶媒とマグネシウム塩とを含む非水電解質と、Mgを活物質とする正極と、Mgを活物質とする負極とを具備したことを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、エーテル系溶媒を用いることにより、マグネシウムと電解液との反応によってマグネシウム表面に形成される被膜は、マグネシウムイオンを透過させ得るものであるため、容易に吸蔵、析出可能である。従って高容量で安全性の高いマグネシウムを用いた電池を提供することができる。
【0016】
また、エーテル系溶媒としては、鎖状エーテルを含むのが望ましい。
また、前記鎖状エーテルとしては、ジメトキシエタン(DME)を用いるのが望ましく、DMEの使用によりマグネシウムイオンを容易に透過させて析出が容易となり、高容量の非水電解質二次電池を得ることができる。
【0017】
またジメトキシエタンの他、ジエトキシメタン、エトキシメトキシエタンなども鎖状エーテルも有効である。
【0018】
また、鎖状エーテルのほか、テトラヒドロフラン、ジオキソランなどの環状エーテルも有効である。
【0019】
また、前記マグネシウム塩は、イミド塩およびスルホン酸塩の少なくとも一つを含むのが望ましい。
【0020】
イミド塩あるいはスルホン酸塩は、過塩素酸マグネシウムに比べて安定であり、酸素の放出も少ないため、電解質として安全性の高いものであるため、安全性が高く高容量の非水電解質電池を提供することが可能となる。
【0021】
また、前記イミド塩としては、アルキルスルホニルイミド塩が望ましい。
アルキルスルホニルイミド塩は、合成が容易であるためより入手し易い、
【0022】
また、前記アルキルスルホニルイミド塩として、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドマグネシウムMg[N(CFSOが望ましく、これを電解質として用いた場合、導電率も高く、高出力、高容量の電池を提供することが可能となる。Mg[N(CFSOの導電率は、Mg(CFSOの導電率の10倍程度である。
【0023】
また、前記スルホン酸塩が、アルキルスルホン酸塩であるのが望ましい。
【0024】
また、前記アルキルスルホン酸塩としては、トリフルオロメタンスルホネートマグネシウムMg(CFSOが望ましく、合成もし易く、高出力高容量の電池を提供することが可能となる。
【0025】
ここで有効に用いられるイミド塩としては、アルキルスルホニルイミドマグネシウムMg[N(C2x+1SOx=1〜8があり、中でも特にx=1、2のものが合成し易く容易である。
【0026】
例えば、このマグネシウムのアルキルスルホニルイミド塩としては、Mg[N(CFSO、Mg[N(CSO、Mg[(CSO) (CFSO)N] 、Mg[(CSO) (CFSO)N]、Mg[(C17SO) (CFSO)N]、Mg[N(CFCHOSO、Mg[N(CFCFCHOSO、Mg[N((CFCHOSOから選択される少なくとも1種を含むのが望ましい。
【0027】
またこの他、このスルホン酸塩としては、Mg[(C2x+1SOx=1〜8があり、中でも特にx=1、2のものが合成し易く容易である。
このスルホン酸塩としては、トリフルオロメタンスルホネートマグネシウムMg(CFSOを含むものが特に安全性も高く、好ましいが、この他、Mg(CSO、Mg(CSO、Mg(C17SOから選択される少なくとも1種を含むのが望ましい。
さらにまた、Mg(CHSO、Mg(CSO、Mg(CSOなども同様に安全性が高い。
【0028】
ここで、イミド塩あるいはスルホン酸塩は、一種類で使用してもよく、また二種類以上を組み合わせて使用してもよい。なおこのマグネシウム塩はエーテル系溶媒に0.1から1.5M,好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で溶解されて使用される。
この濃度を用いることにより、実験結果から安定で高容量の電池を提供できる。
【0029】
ここで電解質は、固体電解質としてまたは電解質となる塩を有機溶媒などに溶解してなる電解質溶液として使用可能である。
【0030】
前述したように、非水電解質(電解質溶液)で用いられるエーテル系有機溶媒としては、鎖状エーテルが望ましい。
鎖状エーテルとしては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルから選択される少なくとも1種を用いることができる。また、これらを2種以上混合した混合溶媒も有効である。
【0031】
さらに、前記正極又は負極には、マグネシウム金属、マグネシウム合金、マグネシウム酸化物、珪素、炭素、フッ化炭素、遷移金属の硫化物のいずれかひとつを含むのが望ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
この例では、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドマグネシウムMg[N(CFSOをジメトキシエタンに溶解させて形成した非水電解質と、マグネシウムを活物質とする正極および負極とを用いて非水電解質電池を作成したことを特徴とするものである。
【0033】
(実施例1)
1.正極の作製
マグネシウム金属板を所定の大きさにカットし、マグネシウム金属からなる作用極としての正極(マグネシウムを活物質とする正極)とした。
【0034】
2.負極の作製
同様に、マグネシウム金属板を所定の大きさにカットし、マグネシウム金属からなる対極としての負極(マグネシウムを活物質とする負極)とした。
一方リチウム金属板を所定の大きさにカットし、リチウム金属からなる参照極を用意した。
【0035】
3.電解液の調整
ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドマグネシウムMg[N(CFSOをジメトキシエタンに0.5モル/リットルの濃度で溶解させて非水電解質を作成した。
【0036】
4.試験セルの作製
上述のようにして作製した正極にリードを取り付け、作用極としての正極12aとし、上述のようにして作製された負極にリードを取り付け、対極としての負極11とし、上述のようにして作製された参照極にリードを取り付け、参照極13とし、上記非水電解質14を試験セル容器10内に注液して図1に示すような試験セルを形成した。15はセパレータである。
【0037】
5.試験
上述のようにして作製した試験セルを、室温雰囲気で電流密度0.1mA/cmの充電電流で1時間にわたり定電流充電を行った。
このときの充電特性を図2に示す。この充電曲線から、作用極ではMgの溶解が0.63V(Li/Li)付近で起こった。
【0038】
一方対極では0.61V(Li/Li)付近でMgの析出が起こった。
この結果からジメトキシエタンを含む電解質を用いることで、マグネシウムの溶解析出が容易に起こった。
【0039】
(比較例)
電解液として溶媒のみを、ジメトキシエタンに代えて、γ―ブチロラクトンを用い、他は前記実施例1と同様にしてセルを組み立てた。このセルを用いて前記実施例と同様の測定を行った。
その結果を図3に示す。作用極のMgは2.7V(Li/Li)付近でMgが溶解していた。一方対極ではマグネシウムの析出が起こらないため、電位が一定にならず除々に減少していた。
【0040】
このように多くの非水溶媒では、マグネシウムの溶解は起こるが、析出は起こらなかった。
【0041】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、電解質溶液としてエーテル系溶媒を用いることにより、イオン伝導媒体としてマグネシウムを用いた、安全で高容量の非水電解質電池を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の非水電解質電池の試験セルを示す斜視図である。
【図2】本発明実施例の試験セルの充電特性を示す図である。
【図3】比較例の試験セルの充電特性を示す図である。
【符号の説明】
10 試験セル容器
11 負極
12a 正極
13 参照極
14 非水電解質
15 セパレータ

Claims (9)

  1. エーテル系溶媒とマグネシウム塩とを含む非水電解質と、
    マグネシウムを活物質とする正極と、
    マグネシウムを活物質とする負極とを具備したことを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記エーテル系溶媒が、鎖状エーテルを含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 前記鎖状エーテルが、ジメトキシエタン(DME)であることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質電池。
  4. 前記マグネシウム塩が、イミド塩およびスルホン酸塩の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非水電解質電池。
  5. 前記イミド塩が、アルキルスルホニルイミド塩であることを特徴とする請求項4に記載の非水電解質電池。
  6. 前記アルキルスルホニルイミド塩が、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドマグネシウムMg[N(CFSOであることを特徴とする請求項5に記載の非水電解質電池。
  7. 前記スルホン酸塩が、アルキルスルホン酸塩であることを特徴とする請求項4に記載の非水電解質電池。
  8. 前記アルキルスルホン酸塩が、トリフルオロメタンスルホネートマグネシウムMg(CFSOであることを特徴とする請求項7に記載の非水電解質電池。
  9. 前記正極又は負極が、マグネシウム金属、マグネシウム合金、マグネシウム酸化物、珪素、炭素、フッ化炭素、遷移金属の硫化物の少なくともひとつを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の非水電解質電池。
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